JP2649164B2 - マリーゴールドの組織培養法 - Google Patents
マリーゴールドの組織培養法Info
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- JP2649164B2 JP2649164B2 JP62311522A JP31152287A JP2649164B2 JP 2649164 B2 JP2649164 B2 JP 2649164B2 JP 62311522 A JP62311522 A JP 62311522A JP 31152287 A JP31152287 A JP 31152287A JP 2649164 B2 JP2649164 B2 JP 2649164B2
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- Japan
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- marigold
- culture
- medium
- callus
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はマリーゴールドの組織培養法に関するもの
であり、本発明方法によってえられた培養物は、線虫類
に対して特に優れた殺虫性を示すものである。
であり、本発明方法によってえられた培養物は、線虫類
に対して特に優れた殺虫性を示すものである。
従来の技術 マリーゴールドはキク科の植物で、殺線虫力を備えた
下式 で示されるα−ターチェニル及びその類縁物質を含有す
ることが知られている。〔例えばレキュレェ デス ト
ラバックス キミーク デス ペイズ−バス(Recueill
e des Traveaux Chimique des Pays−Bas)第77巻 100
4頁ないし1009頁(1958)及び同第79巻 382頁ないし39
0頁(1959)〕 α−ターチェニルを化学的に合成する方法も研究され
ているが(例えば特開昭52−118462号公報)、未だ実用
化されることには至っていない。
下式 で示されるα−ターチェニル及びその類縁物質を含有す
ることが知られている。〔例えばレキュレェ デス ト
ラバックス キミーク デス ペイズ−バス(Recueill
e des Traveaux Chimique des Pays−Bas)第77巻 100
4頁ないし1009頁(1958)及び同第79巻 382頁ないし39
0頁(1959)〕 α−ターチェニルを化学的に合成する方法も研究され
ているが(例えば特開昭52−118462号公報)、未だ実用
化されることには至っていない。
発明が解決しようとする問題点 マリーゴールドを直かに田畑に植えて土壌中の線虫密
度を低減させる方法は広く知られており、化学薬品に較
べて残留毒性の心配がなく且つ効果が長時間持続するな
どのメリットを備えているが、反面マリーゴールドを植
えた田畑では同時に野菜類を栽培し難いので、その間休
耕あるいは減産することを余儀なくされていた。
度を低減させる方法は広く知られており、化学薬品に較
べて残留毒性の心配がなく且つ効果が長時間持続するな
どのメリットを備えているが、反面マリーゴールドを植
えた田畑では同時に野菜類を栽培し難いので、その間休
耕あるいは減産することを余儀なくされていた。
問題点を解決するための手段 本発明者等は、このような事情に鑑みマリーゴールド
を組織培養によって量産する方法について、種々の試験
研究を重ねた結果、組織培養においてオーキシンあるい
はオーキシンとサイトカイニンを含有するカルス化培地
でカルス誘導したのち、オーキシンを0.1mg/ないし1m
g/の低い濃度に規制した増殖培地で増殖することによ
って、特に強い殺線虫力を示す培養物が出来ることを見
い出したものである。
を組織培養によって量産する方法について、種々の試験
研究を重ねた結果、組織培養においてオーキシンあるい
はオーキシンとサイトカイニンを含有するカルス化培地
でカルス誘導したのち、オーキシンを0.1mg/ないし1m
g/の低い濃度に規制した増殖培地で増殖することによ
って、特に強い殺線虫力を示す培養物が出来ることを見
い出したものである。
本発明方法の実施に適する代表的なマリーゴールド
(Tagetes属)は、フレンチマリーゴールド(Tagetes p
atula)、アフリカンマリーゴールド(Tagetes erect
a)等であり、本発明においては、これらマリーゴール
ドの葉、茎、根、蕾などから採取された組織片を常法に
より殺菌処理したのち、植物ホルモンとしてオーキシン
あるいはオーキシンとサイトカイニンを含有するカルス
化培地においてカルス誘導を行う。
(Tagetes属)は、フレンチマリーゴールド(Tagetes p
atula)、アフリカンマリーゴールド(Tagetes erect
a)等であり、本発明においては、これらマリーゴール
ドの葉、茎、根、蕾などから採取された組織片を常法に
より殺菌処理したのち、植物ホルモンとしてオーキシン
あるいはオーキシンとサイトカイニンを含有するカルス
化培地においてカルス誘導を行う。
なお、本発明の実施に適する代表的なオーキシンは、
インドール酢酸,ナフタレン酢酸,2,4−ジクロロフェノ
キシ酢酸等であり、サイトカイニンの代表的なものは、
カイネチン,ベンジルアデニン,ゼアチン等である。
インドール酢酸,ナフタレン酢酸,2,4−ジクロロフェノ
キシ酢酸等であり、サイトカイニンの代表的なものは、
カイネチン,ベンジルアデニン,ゼアチン等である。
カルス化培地としては、ムラシゲ・スクーグの培地,
リンスマイヤー・スクーグの培地,ガンボルグの培地,
ニッチェの培地などの基本培地に、前記植物ホルモンを
他にショ糖、ぶどう糖等の炭素源などを適当量添加した
ものが好適であり、例えばムラシゲ・スクーグの基本培
地にショ糖を1〜5重量%,寒天を0.5〜1.0重量%,オ
ーキシンとしてナフタレン酢酸を0.01〜20mg/,サイ
トカイニンとしてベンジルアデニンを0〜20mg/の範
囲で加えた培地にあっては、2〜3週間の培養によって
良好なカルス形成が認められる。カルス化培養の条件と
しては、通常の植物組織培養と同じであり、温度は15〜
35℃、好ましくは20〜30℃、pHは4〜8、好ましくは5
〜6の範囲が夫々適当である。
リンスマイヤー・スクーグの培地,ガンボルグの培地,
ニッチェの培地などの基本培地に、前記植物ホルモンを
他にショ糖、ぶどう糖等の炭素源などを適当量添加した
ものが好適であり、例えばムラシゲ・スクーグの基本培
地にショ糖を1〜5重量%,寒天を0.5〜1.0重量%,オ
ーキシンとしてナフタレン酢酸を0.01〜20mg/,サイ
トカイニンとしてベンジルアデニンを0〜20mg/の範
囲で加えた培地にあっては、2〜3週間の培養によって
良好なカルス形成が認められる。カルス化培養の条件と
しては、通常の植物組織培養と同じであり、温度は15〜
35℃、好ましくは20〜30℃、pHは4〜8、好ましくは5
〜6の範囲が夫々適当である。
カルス誘導されたマリーゴールドは、引き続き前記と
同じオーキシンあるいはオーキシンとサイトカイニンを
他の添加物と共に含む増殖培地において増殖されるが、
本発明の実施においては、特に強い殺線虫力を有する培
養物を得るために、増殖培地におけるオーキシンの添加
量を0.1mg/ないし1mg/の低濃度とし、且つサイトカ
イニンについても不存在若しくは3mg/以下の低濃度と
すべきである。
同じオーキシンあるいはオーキシンとサイトカイニンを
他の添加物と共に含む増殖培地において増殖されるが、
本発明の実施においては、特に強い殺線虫力を有する培
養物を得るために、増殖培地におけるオーキシンの添加
量を0.1mg/ないし1mg/の低濃度とし、且つサイトカ
イニンについても不存在若しくは3mg/以下の低濃度と
すべきである。
増殖培地におけるオーキシンの添加量及びサイトカイ
ニンの添加量が所定量より多くなると、培養物を抽出し
て得られる殺線虫剤の効力が著しく低下する。
ニンの添加量が所定量より多くなると、培養物を抽出し
て得られる殺線虫剤の効力が著しく低下する。
また、増殖培地の方法としては、寒天を含んだ固体培
地による静地培養、寒天を除いた液体培地による振盪培
養のいずれでも可能である。
地による静地培養、寒天を除いた液体培地による振盪培
養のいずれでも可能である。
なお、本発明方法によって培養されたマリーゴールド
から殺線虫剤を製造するには、培養したマリーゴールド
を乾燥したのち、n−ヘキサン,アセトン,アセトニト
リル等の有機溶媒を用いて抽出し、抽出液から有機溶媒
を除去すれば良い。
から殺線虫剤を製造するには、培養したマリーゴールド
を乾燥したのち、n−ヘキサン,アセトン,アセトニト
リル等の有機溶媒を用いて抽出し、抽出液から有機溶媒
を除去すれば良い。
以下本発明方法を実施例及び比較例によって具体的に
説明する。
説明する。
実施例1及び比較例1 フレンチマリーゴールド(品種名:ボレロ)の発芽後
2週間経過した無菌苗の子葉を概略5mm角の大きさに切
り、これをムラシゲ・スクーグの基本培地にショ糖3重
量%,寒天0.8重量%,ナフタレン酢酸0.1mg/,ベン
ジルアデニン0.1mg/を加え、常法により滅菌したカル
ス化培地置床した。この状態で25℃の温度に保ち連続照
明下でカルス誘導を行い、1ケ月後に前記培養物をカル
ス化培地からベンジルアデニンを除いた組成の増殖培地
に継代し、同じ条件で再び1ケ月培養に増殖を行った。
その後1ケ月間隔で2回継代して増殖させた。
2週間経過した無菌苗の子葉を概略5mm角の大きさに切
り、これをムラシゲ・スクーグの基本培地にショ糖3重
量%,寒天0.8重量%,ナフタレン酢酸0.1mg/,ベン
ジルアデニン0.1mg/を加え、常法により滅菌したカル
ス化培地置床した。この状態で25℃の温度に保ち連続照
明下でカルス誘導を行い、1ケ月後に前記培養物をカル
ス化培地からベンジルアデニンを除いた組成の増殖培地
に継代し、同じ条件で再び1ケ月培養に増殖を行った。
その後1ケ月間隔で2回継代して増殖させた。
このようにして得られた培養物は、濃緑色の固いカル
スであり、1回当りの増殖によって、生重量比で約15倍
の増加を示した。
スであり、1回当りの増殖によって、生重量比で約15倍
の増加を示した。
本例によって培養したマリーゴールド培養物を常温,
無菌下で乾燥し、軽く砕き、乾燥した培養物1g当たりn
−ヘキサンを50mlの割合に混合し30分間抽出を行い、固
形物を濾別して抽出液を得た。
無菌下で乾燥し、軽く砕き、乾燥した培養物1g当たりn
−ヘキサンを50mlの割合に混合し30分間抽出を行い、固
形物を濾別して抽出液を得た。
このようにして得られた抽出液を用いて殺線虫試験を
実施した。
実施した。
殺線虫試験にはキタネグサレ線虫(Pratylenchus pen
etrans)及びセノルハブディテス エレガンス(Caenor
habditis elegans以下C.elegansと略記する)を用い
た。
etrans)及びセノルハブディテス エレガンス(Caenor
habditis elegans以下C.elegansと略記する)を用い
た。
キタネグサレ線虫(Pratylenchus penetrans)を用い
た試験は以下の通りである。すなわち、抽出液及びその
希釈液並びにコントロールとして純n−ヘキサンを夫々
50μずつ別のスライドグラス上に落として風乾させ、
その上にルーサンカルスにて培養したキタネグサレ線虫
(Pratylenchus penetrans)をベルマン法で脱イオン水
中に集めた液を各々50μ(この中に線虫は20〜40匹い
る。)落とし、そのスライドグラスを、湿室にしたシャ
ーレの中に置き、25℃の照明付インキュベーター中8時
間静置した後、顕微鏡観察を行い、線虫の生死を判定し
た。
た試験は以下の通りである。すなわち、抽出液及びその
希釈液並びにコントロールとして純n−ヘキサンを夫々
50μずつ別のスライドグラス上に落として風乾させ、
その上にルーサンカルスにて培養したキタネグサレ線虫
(Pratylenchus penetrans)をベルマン法で脱イオン水
中に集めた液を各々50μ(この中に線虫は20〜40匹い
る。)落とし、そのスライドグラスを、湿室にしたシャ
ーレの中に置き、25℃の照明付インキュベーター中8時
間静置した後、顕微鏡観察を行い、線虫の生死を判定し
た。
C.elegansを用いた試験も概略同様であり、抽出物及
びその希釈液並びにコントロールとして純n−ヘキサン
を各々20μずつ別のスライドグラス上に落として風乾
し、その上に、NG倍地にて大腸菌を餌として培養したC.
elegansを20〜100匹移し、この上にNG倍地を30μ加
え、そのスライドグラスを湿室にしたシャーレの中に置
き、25℃の照明付インキュベーター中で8時間静置した
のち、顕微鏡観察を行い、線虫の生死を判定した。
びその希釈液並びにコントロールとして純n−ヘキサン
を各々20μずつ別のスライドグラス上に落として風乾
し、その上に、NG倍地にて大腸菌を餌として培養したC.
elegansを20〜100匹移し、この上にNG倍地を30μ加
え、そのスライドグラスを湿室にしたシャーレの中に置
き、25℃の照明付インキュベーター中で8時間静置した
のち、顕微鏡観察を行い、線虫の生死を判定した。
なお、比較例として、天然栽培法によるフレンチマリ
ーゴールド(品種名:ボレロ)の根を乾燥し、前記と同
様の抽出処理を行って得た抽出液及びその希釈液につい
て、Celegansを用いた殺線虫試験を行った。
ーゴールド(品種名:ボレロ)の根を乾燥し、前記と同
様の抽出処理を行って得た抽出液及びその希釈液につい
て、Celegansを用いた殺線虫試験を行った。
これらの試験結果は第1表に示したとおりであり、本
発明方法によって培養されたマリーゴールドの抽出液
は、天然栽培の根から得られたものに匹敵する強い殺線
虫力が認められた。
発明方法によって培養されたマリーゴールドの抽出液
は、天然栽培の根から得られたものに匹敵する強い殺線
虫力が認められた。
また本実施例及び比較例の抽出液を夫々高速液体クロ
マトグラフ法によりFluka社製のα−ターチェニルを用
いて分析した結果、本実施例の抽出液は0.5μg/mlの割
合でα−ターチェニルを含有し、比較例の抽出液には0.
4μg/mlのα−ターチェニルが含まれていた。
マトグラフ法によりFluka社製のα−ターチェニルを用
いて分析した結果、本実施例の抽出液は0.5μg/mlの割
合でα−ターチェニルを含有し、比較例の抽出液には0.
4μg/mlのα−ターチェニルが含まれていた。
比較例2及び3 実施例1においてフレンチマリーゴールドの子葉を、
ムラシゲ・スクーグの基本倍地にショ糖3重量%,寒天
0.8重量%,ナフタレン酢酸3mg/,ベンジルアデニン3
mg/を加えたカルス化培地でカルス誘導を行い、カル
ス倍地と成分及び濃度が同じである増殖培地を用いて同
様の培養処理を行い、その培養物を前記と同じように抽
出処理してキタネグサレ線虫に対する殺線虫試験を行っ
た。(比較例2) また、カルス化培地及び増殖培地におけるナフタレン
酢酸を3mg/,ベンジルアデニンを10mg/にして同様
の培養を行い、このようにして得た培養物の抽出液につ
いてC.elegansに対する殺線虫試験を行った。(比較例
3) これらの試験結果は第2表に示したとおりであり、オ
ーキシン濃度が高い増殖培地で組織培養したマリーゴー
ルドから得られる抽出液の殺線虫力は極めて弱いもので
あった。
ムラシゲ・スクーグの基本倍地にショ糖3重量%,寒天
0.8重量%,ナフタレン酢酸3mg/,ベンジルアデニン3
mg/を加えたカルス化培地でカルス誘導を行い、カル
ス倍地と成分及び濃度が同じである増殖培地を用いて同
様の培養処理を行い、その培養物を前記と同じように抽
出処理してキタネグサレ線虫に対する殺線虫試験を行っ
た。(比較例2) また、カルス化培地及び増殖培地におけるナフタレン
酢酸を3mg/,ベンジルアデニンを10mg/にして同様
の培養を行い、このようにして得た培養物の抽出液につ
いてC.elegansに対する殺線虫試験を行った。(比較例
3) これらの試験結果は第2表に示したとおりであり、オ
ーキシン濃度が高い増殖培地で組織培養したマリーゴー
ルドから得られる抽出液の殺線虫力は極めて弱いもので
あった。
実施例2ないし4及び比較例4 フレンチマリーゴールド(品種名:ボレロ)の発芽後
2週間経過した子葉(実施例2)を採取し、常法に従い
70%エタノール及びアンチホルミン液で殺菌後、よく滅
菌精製水で水洗し、これをムラシゲ・スクーグの基本培
地に、ショ糖3重量%,寒天0.8重量%,ナフタレン酢
酸1mg/を加え、常法により滅菌したカルス化培地に置
床してカルスを誘導し、また、同じく前記マリーゴール
ドの根(実施例3)及び蕾(実施例4)についても同様
の条件によってカルスを誘導した。
2週間経過した子葉(実施例2)を採取し、常法に従い
70%エタノール及びアンチホルミン液で殺菌後、よく滅
菌精製水で水洗し、これをムラシゲ・スクーグの基本培
地に、ショ糖3重量%,寒天0.8重量%,ナフタレン酢
酸1mg/を加え、常法により滅菌したカルス化培地に置
床してカルスを誘導し、また、同じく前記マリーゴール
ドの根(実施例3)及び蕾(実施例4)についても同様
の条件によってカルスを誘導した。
培養はいずれも25℃の温度で連続照明下にて行い、1
ケ月後に培養物を前記と同組成の増殖培地に継代し、さ
らに同一培養条件下で1ケ月間増殖を行い、さらに1ケ
月間隔で2回継代して増殖させ、このようにして得た培
養物は、いずれも黄緑色から褐色のカルスに多数の短い
根の分化を起こしたものであった。
ケ月後に培養物を前記と同組成の増殖培地に継代し、さ
らに同一培養条件下で1ケ月間増殖を行い、さらに1ケ
月間隔で2回継代して増殖させ、このようにして得た培
養物は、いずれも黄緑色から褐色のカルスに多数の短い
根の分化を起こしたものであった。
このようにして培養されたマリーゴールドを常温、無
菌下で乾燥し、軽く砕き、1g当たり50mlのn−ヘキサン
を加えて30分間抽出を行い、固形物を濾別して抽出液を
形成し、高速液体クロマトグラフ法による分析の結果、
いずれの実施例における抽出液も0.04μg/mlのα−ター
チェニルを含有していた。
菌下で乾燥し、軽く砕き、1g当たり50mlのn−ヘキサン
を加えて30分間抽出を行い、固形物を濾別して抽出液を
形成し、高速液体クロマトグラフ法による分析の結果、
いずれの実施例における抽出液も0.04μg/mlのα−ター
チェニルを含有していた。
また、比較のため合成されたα−ターチェニル(Fluk
a社製)をn−ヘキサン溶液に0.04μg/mlの割合で加え
た試料をつくり、前記各抽出液と共に殺線虫試験を行っ
た。(比較例4) これらの試験結果は第3表に示したとおりであり、マ
リーゴールドはいずれの組織部位から組織培養したもの
も同じように殺線虫性を有しており、且つα−ターチェ
ニルの濃度が同じであっても、マリーゴールド培養物か
らの抽出液は合成α−ターチェニルを含むものに較べて
明らかに強い殺線虫性を有していることがわかった。
a社製)をn−ヘキサン溶液に0.04μg/mlの割合で加え
た試料をつくり、前記各抽出液と共に殺線虫試験を行っ
た。(比較例4) これらの試験結果は第3表に示したとおりであり、マ
リーゴールドはいずれの組織部位から組織培養したもの
も同じように殺線虫性を有しており、且つα−ターチェ
ニルの濃度が同じであっても、マリーゴールド培養物か
らの抽出液は合成α−ターチェニルを含むものに較べて
明らかに強い殺線虫性を有していることがわかった。
実施例5及び6 フレンチマリーゴールド〔品種名:ボレロ(実施例
5)〕及びアフリカンマリーゴールド〔品種名:オレン
ジハワイ(実施例6)〕の発芽後2週間経過した子葉を
採取し、エタノール及びアンチホルミン液で殺菌したの
ち滅菌精製水で水洗し、これらをムラシゲ・スクーグの
基本培地にショ糖3重量%,寒天0.8重量%,ナフタレ
ン酢酸1mg/,ベンジルアデニン3mg/を加え、常法に
より滅菌したカルス化培地に置床してカルスを誘導し
た。カルス化培養はどちらも25℃の温度で連続照明を行
い、1ケ月後に得られた培養物を前記と同一組成の増殖
培地に継代し、さらに同一培養条件で1ケ月間増殖を行
った。その後さらにもう一度同一組成の培地及び同一条
件で1ケ月間増殖を行った。
5)〕及びアフリカンマリーゴールド〔品種名:オレン
ジハワイ(実施例6)〕の発芽後2週間経過した子葉を
採取し、エタノール及びアンチホルミン液で殺菌したの
ち滅菌精製水で水洗し、これらをムラシゲ・スクーグの
基本培地にショ糖3重量%,寒天0.8重量%,ナフタレ
ン酢酸1mg/,ベンジルアデニン3mg/を加え、常法に
より滅菌したカルス化培地に置床してカルスを誘導し
た。カルス化培養はどちらも25℃の温度で連続照明を行
い、1ケ月後に得られた培養物を前記と同一組成の増殖
培地に継代し、さらに同一培養条件で1ケ月間増殖を行
った。その後さらにもう一度同一組成の培地及び同一条
件で1ケ月間増殖を行った。
このようにして得られた培養物は、いずれも黄緑色の
カルスであり、また1回当りの増殖によって、生重量比
で約20倍の増加を示した。
カルスであり、また1回当りの増殖によって、生重量比
で約20倍の増加を示した。
前記培養されたマリーゴールド培養物を常温,無菌下
で乾燥し、軽く砕いたのち、1g当たり50mlの割合のn−
ヘキサンと混合し、30分間抽出を行い、固形物を濾別し
て抽出液を得た。
で乾燥し、軽く砕いたのち、1g当たり50mlの割合のn−
ヘキサンと混合し、30分間抽出を行い、固形物を濾別し
て抽出液を得た。
このようにして得られた抽出液及びその希釈液を用
い、前記実施例1と同様にして殺線虫試験を行った。
い、前記実施例1と同様にして殺線虫試験を行った。
試験の結果は第4表に示したとおりであり、フレンチ
マリーゴールド及びアフリカンマリーのいずれもその培
養物から得られた抽出液は優れた殺線虫性を示すもので
あった。
マリーゴールド及びアフリカンマリーのいずれもその培
養物から得られた抽出液は優れた殺線虫性を示すもので
あった。
実施例7及び8 フレンチマリーゴールド(品種名:ボレロ)の発芽後
2週間目の子葉を採取し、常法に従って70%エタノール
及びアンチホルミン液で殺菌し、よく滅菌精製水で水洗
し、これをムラシゲ・スクーグの基本培地にショ糖3重
量%,寒天0.8重量%,インドール酢酸1mg/,ベンジ
ルアデニン1mg/を加え常法により滅菌した培地(実施
例7)及びムラシゲ・スクーグの基本培地にショ糖3重
量%,寒天0.8重量%,ナフタレン酢酸1mg/,カイネ
チン1mg/を加え常法により滅菌した培地(実施例8)
に置床し、カルスを誘導した。
2週間目の子葉を採取し、常法に従って70%エタノール
及びアンチホルミン液で殺菌し、よく滅菌精製水で水洗
し、これをムラシゲ・スクーグの基本培地にショ糖3重
量%,寒天0.8重量%,インドール酢酸1mg/,ベンジ
ルアデニン1mg/を加え常法により滅菌した培地(実施
例7)及びムラシゲ・スクーグの基本培地にショ糖3重
量%,寒天0.8重量%,ナフタレン酢酸1mg/,カイネ
チン1mg/を加え常法により滅菌した培地(実施例8)
に置床し、カルスを誘導した。
培養はどちらでも25℃の温度で連続照明を行い、1ケ
月後に得られた培養物をそれぞれ前記と同じ組成の培地
に継代し、同一培養条件でさらに1ケ月間増殖を行い、
その後1ケ月間隔で2回継代して増殖させて黄緑色のカ
ルスを得た。
月後に得られた培養物をそれぞれ前記と同じ組成の培地
に継代し、同一培養条件でさらに1ケ月間増殖を行い、
その後1ケ月間隔で2回継代して増殖させて黄緑色のカ
ルスを得た。
このようにして培養したマリーゴールド培養物を常
温,無菌下で乾燥し、軽く砕いたのち、1g当たり50mlの
n−ヘキサンを加えて30分間抽出を行い、固形物を濾別
して抽出液を得た。前記抽出液及びその希釈液を用いて
実施例1に示したと同じ方法で殺線虫試験を行った。
温,無菌下で乾燥し、軽く砕いたのち、1g当たり50mlの
n−ヘキサンを加えて30分間抽出を行い、固形物を濾別
して抽出液を得た。前記抽出液及びその希釈液を用いて
実施例1に示したと同じ方法で殺線虫試験を行った。
試験結果は第5表に示したとおりであり、オーキシン
及びサイトカイニンの種類に関係なく、これらの培養物
の抽出液には優れた殺線虫性が認められた。
及びサイトカイニンの種類に関係なく、これらの培養物
の抽出液には優れた殺線虫性が認められた。
Claims (1)
- 【請求項1】マリーゴールドの組織培養において、オー
キシンあるいはオーキシンとサイトカイニンを含有する
カルス化培地でカルス誘導したのち、オーキシンを0.1m
g/ないし1mg/の低い濃度に規制した増殖培地で増殖
させることを特徴とするマリーゴールドの組織培養法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62311522A JP2649164B2 (ja) | 1987-12-08 | 1987-12-08 | マリーゴールドの組織培養法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62311522A JP2649164B2 (ja) | 1987-12-08 | 1987-12-08 | マリーゴールドの組織培養法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01153087A JPH01153087A (ja) | 1989-06-15 |
JP2649164B2 true JP2649164B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=18018251
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62311522A Expired - Lifetime JP2649164B2 (ja) | 1987-12-08 | 1987-12-08 | マリーゴールドの組織培養法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2649164B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1987
- 1987-12-08 JP JP62311522A patent/JP2649164B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH01153087A (ja) | 1989-06-15 |
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