JPH08216688A - ドアポケット構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドア内装ボードの裏面に裏当ボードを取付け
てポケット部を構成するドアポケット構造の裏当ボード
の取付けを最適な固定位置で行えるようにし、さらに裏
当ボードのドア内装ボードへの取付け作業を簡略化する
ことのできるドアポケット構造を提供する。 【構成】 裏面に車体パネル取付用のクリップ座６を備
えたドア内装ボード１にポケット開口部２を形成すると
共に、ドア内装ボード１の裏面に裏当ボード３を取付け
てポケット部４を構成したドアポケット構造において、
裏当ボード３にクリップ座６に係止する係止部７を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両等のドアに備わるド
アポケット構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のドアポケット構造の一例として図
８および図９に示すものがあるが、これらの図におい
て、ドア内装ボード２１にはポケット開口部２２が形成
されており、このポケット開口部２２の裏側を覆うよう
にドア内装ボード２１の裏面に裏当ボード２３が取付け
てあり、これら、ドア内装ボード２１と裏当ボード２３
とでポケット部２４を形成している。

【０００３】前記裏当ボード２３のドア内装ボード２１
への取付けは裏当ボード２３の上端部に形成されたネジ
孔２３ａと裏当ボード２３の底面に突出形成した取付部
２５のネジ孔２６とに取付ネジ２７を嵌通させこの取付
けネジ２７をドア内装ボード２１に形成されたネジボス
２８，２９に螺着させて固定しており、この種のドアポ
ケット構造においては、ポケット部２４を構成する裏当
ボード２３をドア内装ボード２１の裏面に取付けてお
り、裏当ボード２３はドア内装ボード２１を車体パネル
（図示せず）に取付けたときに車室外方向に位置するた
め、ドア内装ボード２１の車室内からの見栄えを良くす
ることができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例においては、図９に示すように、ドア内装ボード２
１の裏面に、前記車体パネルへの取付け具であるクリッ
プ３１を保持するクリップ座３０が形成されており、こ
のクリップ座３０の保持溝３０ａの内部にクリップ３１
を嵌着させると共にクリップ３１の取付け部３１ａを前
記車体パネルに形成した取付け孔（図示せず）に挿着
し、前記車体パネルにドア内装ボード２１を取付けてい
る。

【０００５】このため、ネジボス２８，２９の内、下側
のネジボス２９の位置設定をする際にクリップ座３０と
の干渉を考慮しなければならず、ドア内装ボード２１を
設計する段階においてネジボス２９の位置を自由に定め
ることができず、裏当ボード２３をドア内装ボード２１
に確実に固定するために最適な位置にネジボス２９を設
定することができなかった。

【０００６】また、さらに上記従来例においては、裏当
ボード２３をドア内装ボード２１に固定する手段として
複数の取付けネジ２７を用いているため、この取付けネ
ジ２７の取付けに手間がかかり、裏当ボード２３取付け
時の作業性が悪いという問題があった。

【０００７】本発明は上記問題に着目して成されたもの
であり、裏当ボードを最適な固定位置でドア内装ボード
に取付けることができ、さらに裏当ボードのドア内装ボ
ードへの取付け作業を簡略化することのできるドアポケ
ット構造を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は裏面に車体パネル取付用のクリップ座を備
えたドア内装ボードにポケット開口部を形成すると共
に、前記ドア内装ボード裏面に裏当ボードを取付けてポ
ケット部を構成したドアポケット構造において、前記裏
当ボードに前記クリップ座に係止する係止部を設けたも
のである。

【０００９】好ましくは、前記係止部を、前記クリップ
座を挟持する一対の係止片とこれら係止片の下部内側に
係止突起を形成して構成しても良い。

【００１０】また、好ましくは、前記クリップ座の底面
部に、前記係止突起が当接してこの係止突起の車室外方
向への動きを規制するリブを設けても良い。

【００１１】さらに、好ましくは、前記クリップ座の底
面部に、前記係止突起が挿入されて、この係止突起に車
室外方向の縁部が当接する開口部を設けても良い。

【００１２】

【作用】かかる構成により、本発明においては、裏当ボ
ードをドア内装ボードへ取付ける際に、前記係止部によ
り、前記クリップ座を係止させるようにしたため、前記
ドア内装ボードに前記ネジボス等の固定手段を別に設け
る必要がなくなり、取付けネジの数も少なくすることが
できる。

【００１３】さらに、前記クリップ座が裏当ボードの最
適な固定位置にある場合にも、裏当ボードの固定位置を
変えることなく固定することができるようになる。

【００１４】また、本発明においては、前記係止部を一
対の係止片から構成し、前記クリップ座を挟持させるよ
うにしているため、裏当ボードのドア内装ボードへの取
付けがワンタッチで行うことができる。

【００１５】また、本発明においては、前記係止突起が
クリップ座の底面部に形成されたリブに当接し、前記係
止突起の車室外方向への動きが規制されるため、裏当ボ
ードのドア内装ボードの車室外方向へのずれを防止し、
裏当ボードとドア内装ボードの固定状態をさらに確実に
することができる。

【００１６】さらに、本発明においては、前記係止部が
前記クリップ座を挟持させた時に前記係止突起が前記ク
リップ座の底面部の開口部内に位置し、前記開口部の車
室外方向の縁部に当接するため、裏当ボードのドア内装
ボードの車室外方向へのずれを防止し、裏当ボードとド
ア内装ボードの固定状態をさらに確実にすることができ
る。

【００１７】

【実施例】以下、本発明に係わるドアポケット構造の実
施例を図面に基づき説明する。図１は本発明に係わるド
アポケット構造の第一実施例の要部分解斜視図であり、
図１において、ドア内装ボード１にポケット開口部２を
開口させており、このポケット開口部２の裏面には裏当
ボード３が取付けられていて、ポケット部４を構成して
いる。

【００１８】前記ドア内装ボード１の裏面のポケット開
口部２の上側にはネジボス５が形成されており、ポケッ
ト開口部２の下側にはクリップ座６が形成されている。

【００１９】前記クリップ座６は、ドア内装ボード１の
裏面より突出形成されており、底面部６ａ、左側面部６
ｂ、右側面部６ｃ、裏面部６ｄを備え、上面を開口した
箱状に形成されている。

【００２０】クリップ座６の裏面部６ｄには保持溝６ｅ
が形成されており、この保持溝６ｅの内部にクリップ１
３を嵌着させると共にクリップ１３の取付け部１３ａを
車体パネルに形成した取付け孔（共に図示せず）に挿着
させてドア内装ボード１を前記車体パネルに取付けてお
り、取付け後はドア内装ボード１の車室外側に裏当てボ
ード３が位置するようになっている。

【００２１】前記裏当ボード３は左側面部３ａ、右側面
部３ｂ、底面部３ｃ、背面部３ｄを備えており、この
内、背面部３ｄの上端にはネジ孔３ｅが形成されてい
る。

【００２２】前記底面部３ｃの外側にはクリップ座６を
挟持する係止部７が突出形成されており、この係止部７
は、図２（１）に示すように、一対の係止片７ａ，７ｂ
より構成されていて、これら係止片７ａ，７ｂの内側上
部は曲線保持部８に成っており、下部内側には係止突起
９が形成されている。

【００２３】次に上記構成のポケット構造のドア内装ボ
ード１への裏当ボード３の取付け状態を図２に基づき説
明する。

【００２４】上記構成のポケット構造においてドア内装
ボード１へ裏当ボード３を取付ける際には、図２（１）
に示すように係止部７をクリップ座６の上部に当接さ
せ、裏当ボード３を押下する。

【００２５】係止部７は係止突起９のテーパー面９ａを
クリップ座６の左側面部６ｂ、右側面部６ｃの上端に当
接させた状態で押下されるため、係止部７は下部を外側
に開くように変形し、図２（２）に示すように係止突起
９の間にクリップ座６を挟んだ状態になる。さらに裏当
ボード３を押下すると、図２（３）に示すように係止突
起９の先端が左側面部６ｂ、右側面部６ｃを通過した時
点で、係止部７が復元し、係止突起９が底面部６ａを係
止すると共に、曲線保持部８が左側面部６ｂ、右側面部
６ｃの上端に当接し、クリップ座６を保持する。

【００２６】その後、裏当ボード３のネジ孔３ｅとドア
内装ボードのネジボス５に取付ネジ１０を螺着させて裏
当ボード３をドア内装ボード１へ固定する。

【００２７】このように、上記第一実施例のドアポケッ
ト構造においては、裏当ボード３の底面部３ｃに設けた
係止部７によりドア内装ボード１のクリップ座６を挟持
させて、裏当ボード３の下部をドア内装ボード１へ固定
しているので、取付けネジ１０の取付けは裏当ボード３
の上部だけで良く、取付け時の作業性を向上させること
ができ、ドア内装ボード１の裏面下部にはネジボス等の
取付け手段を別に設ける必要がなくなる。

【００２８】次に本発明に係わるドアポケット構造の第
二および第三実施例について図３乃至図７に基づき説明
するが第一実施例と同じ構成要件に関しては同じ符号を
記しその説明を省略する。

【００２９】図３は本発明に係わるドアポケット構造の
第二実施例における係止部とクリップ座の係止状態を示
す正面図であり、図４は同底面図であるが、これらの図
において、クリップ座６の底面部６ａにリブ１１を形成
している。

【００３０】この第二実施例においては、図４に示すよ
うに係止突起９はクリップ座６の裏面部６ｄ方向でリブ
１１に当接するようになっているため、裏当ボード３の
ドア内装ボード１の裏面方向、言換えれば、ドア内装ボ
ード１を前記車体パネルに取付けた時の車室外方向への
ずれを防止し、裏当ボード３のドア内装ボード１への取
付け状態をさらに確実にしている。

【００３１】また、図５は本発明に係わるドアポケット
構造の第三実施例の要部分解斜視図であるが図５におい
て、クリップ座６の底面部６ａのドア内装ボード１側に
開口部１２を形成しており、係止部７は係止突起９の先
端部９ｂを上方に折り返した形状にしている。

【００３２】この第三実施例においては、図６および図
７に示すように、係止突起９の先端部９ｂをクリップ座
６の開口部１２の内部に位置させて係止するようにして
いる。

【００３３】このため、係止突起９の先端部９ｂは開口
部１２の裏側縁部１２ａ（車室外方向の縁部）に当接す
るようになっており、上記第二実施例と同じ効果が得ら
れる。

【００３４】なお、上記第二実施例ではクリップ座６の
底面部６ａにリブ１１のみを形成し、第三実施例ではク
リップ座６の底面部６ａに開口部１２のみを形成した
が、クリップ座６の底面部６ａに開口部１２を形成する
と共に、開口部１２の裏側縁部１２ａにリブ１１を形成
しても良い。

【００３５】

【発明の効果】以上、説明したように、請求項１記載の
ドアポケット構造においては、裏当ボードをドア内装ボ
ードへ取付ける際に、前記係止部により、前記クリップ
座を係止させるようにしたため、ドア内装ボードにネジ
ボス等の固定手段を別に設ける必要がなくなり、取付け
ネジの数も少なくすることができる。このため、ドア内
装ボード裏面の構成を簡略化でき、裏当ボードのドア内
装ボードへの取付け作業時の作業性も向上する。

【００３６】さらに、前記クリップ座が裏当ボードの最
適な固定位置にある場合にも、裏当ボードの固定位置を
変えることなく固定することができるようになる。

【００３７】請求項２記載のドアポケット構造において
は、前記係止部を一対の係止片から構成し、前記クリッ
プ座を挟持させるようにしているため、裏当ボードのド
ア内装ボードへの取付けがワンタッチで行うことができ
る。

【００３８】請求項３記載のドアポケット構造において
は、前記係止突起がクリップ座の底面部に形成されたリ
ブに当接し、前記係止突起の車室外方向への動きが規制
されるため、裏当ボードのドア内装ボードの車室外方向
へのずれを防止し、裏当ボードとドア内装ボードの固定
状態をさらに確実にすることができる。

【００３９】請求項４記載のドアポケット構造において
は、前記係止部が前記クリップ座を挟持させた時に前記
係止突起が前記クリップ座の底面部の開口部内に位置
し、前記開口部の車室外方向の縁部に当接するため、裏
当ボードのドア内装ボードの車室外方向へのずれを防止
し、裏当ボードとドア内装ボードの固定状態をさらに確
実にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わるドアポケット構造の第一実施例
の要部分解斜視図である。

【図２】（１）同第一実施例における係止部がクリップ
座を係止する前の状態を示す図である。 （２）同第一実施例における係止部がクリップ座を係止
する途中の状態を示す図である。 （３）同第一実施例における係止部がクリップ座を係止
した後の状態を示す図である。

【図３】本発明に係わるドアポケット構造の第二実施例
における係止部とクリップ座の係止状態を示す正面図で
ある。

【図４】同底面図である。

【図５】本発明に係わるドアポケット構造の第三実施例
の要部分解斜視図である。

【図６】同第三実施例における係止部とクリップ座の係
止状態を示す正面図である。

【図７】同底面図である。

【図８】従来のドアポケット構造の構成を示す分解斜視
図である。

【図９】従来のドアポケット構造の要部分解斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ ドア内装ボード ２ ポケット開口部 ３ 裏当ボード ４ ポケット部 ６ クリップ座 ７ 係止部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 裏面に車体パネル取付用のクリップ座を
   備えたドア内装ボードにポケット開口部を形成すると共
   に、前記ドア内装ボードの裏面に裏当ボードを取付けて
   ポケット部を構成したドアポケット構造において、前記
   裏当ボードに前記クリップ座に係止する係止部を設けた
   ことを特徴とするドアポケット構造。
2. 【請求項２】 前記係止部を、前記クリップ座を挟持す
   る一対の係止片とこれら係止片の下部内側に係止突起を
   形成して構成した請求項１記載のドアポケット構造。
3. 【請求項３】 前記クリップ座の底面部に、前記係止突
   起が当接してこの係止突起の車室外方向への動きを規制
   するリブを設けた請求項２記載のドアポケット構造。
4. 【請求項４】 前記クリップ座の底面部に、前記係止突
   起が挿入されて、この係止突起に車室外方向の縁部が当
   接する開口部を設けた請求項２および請求項３記載のド
   アポケット構造。