JPH08208866A - 難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents

難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法

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JPH08208866A
JPH08208866A JP28857495A JP28857495A JPH08208866A JP H08208866 A JPH08208866 A JP H08208866A JP 28857495 A JP28857495 A JP 28857495A JP 28857495 A JP28857495 A JP 28857495A JP H08208866 A JPH08208866 A JP H08208866A
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JP
Japan
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weight
flame
resin
retardant
carbon atoms
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Pending
Application number
JP28857495A
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English (en)
Inventor
Kenji Iuchi
謙治 居内
Masaki Tono
正樹 戸野
Kazuyoshi Iwane
和良 岩根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外観の良好な難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡
体を提供することにある。更に、非特定フロンを発泡剤
とするノンハロゲン系の難燃剤を使用する難燃性ポリオ
レフィン系樹脂発泡体を提供することにある。 【解決手段】ポリプロピレン系樹脂0〜85重量%及び
ポリエチレン系樹脂100〜15重量%からなるポリオ
レフィン系樹脂100重量部ならびに難燃剤5〜200
重量部を含有する樹脂組成物を発泡させて得られる樹脂
発泡体であって、該難燃剤は、ポリリン酸アンモニウ
ム、窒素含有化合物及び金属酸化物の3成分系混合物か
らなり、該混合物の熱重量分析計で測定された1,00
0℃における残渣が10重量%以上である難燃性ポリオ
レフィン系樹脂発泡体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性ポリオレフ
ィン系樹脂発泡体及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂発泡体は、断熱性に優れ
ており、建築材料、自動車等の輸送機器、包装材料、家
庭用日用品、その他広範囲の用途に使用されている。特
に、ポリオレフィン樹脂発泡体は、化学的安定性、断熱
性、電気絶縁性、軽量性等の特性に優れた材料である
が、易燃焼性である樹脂を発泡させているため、難燃性
が要求される用途には不適であった。最近では、難燃性
発泡体の用途が拡大するにつれて、ポリオレフィン樹脂
発泡体にも、各種の方法で難燃化処理が施されている。
【0003】ポリオレフィン樹脂を難燃化する方法とし
ては、一般的にハロゲン含有化合物を添加する方法が用
いられている。しかしながら、このような方法では、成
形加工性や成形体の機械的強度の低下を比較的少なくし
て、高度の難燃性を付与することはできるが、成形加工
時や燃焼時に多量の煙を発生するため、機器への腐食
性、人体への影響を考慮して、除害設備が必要とされ
る。そのため、最近では、ノンハロゲン化合物による難
燃性付与が強く要望されている。
【0004】このような状況の中で、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等の
ように、燃焼時に有毒ガスを発生しない水和金属酸化物
の添加による樹脂難燃化の研究が盛んになされるように
なった。しかしながら、これらの水和金属酸化物のみの
添加で易燃焼性であるポリオレフィン樹脂に十分な難燃
性を付与するためには、多量の水和金属酸化物を添加す
る必要があり、その結果、物性の低下と共に発泡性にも
悪影響を及ぼし、微細な独立気泡構造を有する発泡体を
得ることは困難であった。
【0005】また、例えば、特開昭63−61055号
公報では、ポリオレフィン樹脂に対して、ポリリン酸ア
ンモニウムとトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレートの2成分を混合した難燃剤を用いた難燃化方法
が提案されているが、発泡体へ適応できるという記載は
なく、これらの2成分系では有効な難燃化を達成するに
は十分ではなかった。
【0006】一般に、ポリオレフィン系樹脂発泡体の製
造方法としては、樹脂に熱分解型の化学発泡剤を混練
し、所定の形状に成形後、該化学発泡剤の分解温度以上
にして加熱発泡させる化学発泡法と、ブタン、ペンタ
ン、ジクロロジフロロメタン等の樹脂の融点以下に沸点
を有する化合物を樹脂中に圧入した後、大気圧領域で発
泡させる物理発泡法が挙げられる。特に、押出機を用い
て上記圧入、発泡を行う方法は「押し出し発泡」と称さ
れる。
【0007】上記押し出し発泡で使用される発泡剤とし
ては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類が挙げられ
る。炭化水素類は、ポリオレフィン系樹脂に用いられる
場合、気泡膜を透過し易いので、拡散速度が大きくな
り、経時的に気泡の収縮が起こり、発泡体の寸法が安定
するまでに長期間を要するという欠点がある。
【0008】一方、ハロゲン化炭化水素類の内ジクロロ
ジフロロメタン(以下「CFC−12」という。)、ジ
クロロテトラフロロエタン(以下「CFC−114」と
いう。)は、炭化水素類を用いた時に見られる経時的な
気泡の収縮が少ないので、現在では広く使用されてい
る。
【0009】しかしながら、CFC−12、CFC−1
14はオゾン層を破壊することが知られており、特定フ
ロンとして、国際的に、全廃の方向に進んでいる。
【0010】上記特定フロンに代替するフロン(以下
「非特定フロン」という。)としては、オゾン層を破壊
しない水素含有フロロカ−ボンが開発されており、例え
ば、モノクロロジフロロメタン(以下「HCFC−2
2」という。)、モノクロロジフロロエタン(以下「H
CFC−142b」という。)が挙げられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
の問題点を解決し、発泡特性を低下させることなく、ノ
ンハロゲン系の難燃剤を使用して優れた難燃性を付与す
ることができると共に、外観の良好な難燃性ポリオレフ
ィン系樹脂発泡体を提供することにある。更に、非特定
フロンを発泡剤とするノンハロゲン系の難燃剤を使用す
る難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の難燃性ポリオレ
フィン系樹脂発泡体は、ポリエチレン系樹脂単独又はポ
リエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなるポ
リオレフィン系樹脂ならびに難燃剤を含有する樹脂組成
物を発泡させて得られる。
【0013】上記ポリプロピレン系樹脂としては、プロ
ピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とする共重合
体及びこれらの混合物が挙げられる。上記共重合体とし
ては、プロピレン成分を85重量%以上含有するプロピ
レン・α−オレフィン共重合体が挙げられ、α−オレフ
ィンとしては、例えば、エチレン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ブテン、1
−ペンテン等が挙げられる。
【0014】上記ポリプロピレン系樹脂のメルトインデ
ックス(以下、「MI」という)は、小さくなるとシー
ト化が困難となり、大きくなると耐熱性が低下するの
で、0.2〜20が好ましい。尚、MIは、ASTM
D1238によって測定された値である。
【0015】上記ポリオレフィン系樹脂中に含まれるポ
リプロピレン系樹脂の割合が多くなると樹脂発泡体の柔
軟性が失われるので、85重量%以下が好ましい。
【0016】上記ポリエチレン系樹脂としては、エチレ
ンの単独重合体、エチレンを主成分とする共重合体及び
これらの混合物であってもよい。上記共重合体として
は、エチレン成分を80重量%以上含有するエチレン・
α−オレフィン共重合体が挙げられ、α−オレフィンと
しては、例えば、プロピレン、1−ヘキセン、4−メチ
ル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ブテン、1−ペ
ンテン等が挙げられる。さらに、上記共重合体として
は、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチル
アクリレート共重合体等が挙げられる。
【0017】上記ポリエチレン系樹脂のMIは、小さく
なるとシート化した時に外観が損なわれ、大きくなると
材料強度が低下するので、0.1〜40が好ましい。
【0018】上記難燃剤としては、ポリリン酸アンモニ
ウム、窒素含有化合物及び金属酸化物の3成分系混合物
が用いられる。
【0019】上記ポリリン酸アンモニウムとしては、重
合度200〜1,000のものが好ましく、さらに、そ
の表面がメラミン/ホルムアルデヒド樹脂等で被覆され
たものは、粉末流動性が良く、難水溶性となるので好ま
しい。
【0020】上記窒素含有化合物は、下記一般式(1)
で表される。
【0021】
【化4】
【0022】式中、R1 〜R3 は、水素、炭素数1〜1
6のヒドロキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、
炭素数6〜16のヒドロキシアリール基又はジヒドロキ
シアリール基を示し、同一であっても異なっていてもよ
い。
【0023】上記窒素含有化合物としては、例えば、イ
ソシアヌール酸、モノ(ヒドロキシメチル)イソシアヌ
レート、ビス(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、
トリス(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、モノ
(ジヒドロキシメチル)イソシアヌレート、ビス(ジヒ
ドロキシメチル)イソシアヌレート、トリス(ジヒドロ
キシメチル)イソシアヌレート、モノ(2−ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレート、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレート、トリス(1,2−ジヒドロキシ
エチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドロキシプ
ロピル)イソシアヌレート、トリス(2,3−ジヒドロ
キシプロピル)イソシアヌレート、トリス(4−ヒドロ
キシブチル)イソシアヌレート、トリス(3,4−ジヒ
ドロキシブチル)イソシアヌレート、トリス(8−ジヒ
ドロキシオクチル)イソシアヌレート、トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(2,4
−ジヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス
(2,3−ジヒドロキシフェニル)イソシアヌレート等
が挙げられ、特にトリス(2−ヒドロキシエチル)イソ
シアヌレートが樹脂との親和性や難燃性が優れるので好
ましい。
【0024】上記金属酸化物としては、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化コバルト、
酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化ニッ
ケル、酸化鉄、酸化亜鉛等が挙げられ、これらは単独で
使用されても二種以上が併用されてもよい。これらの中
で、特に二酸化チタンが好ましく、ルチル型であっても
アナターゼ型のいずれであってもよい。
【0025】上記難燃剤の熱重量分析計で測定された
1,000℃での残渣は、少なくなると燃焼時に生成す
る不燃性の被膜の量が不十分で十分な難燃性を付与する
ことができなくなるので、10重量%以上に限定され、
好ましくは20重量%以上である。
【0026】上記難燃剤中における各成分の混合比は、
ポリリン酸アンモニウム:窒素含有化合物:金属酸化物
=40〜94.9重量%:5〜40重量%:0.1〜2
0重量%が好ましい。この範囲を外れると有効な難燃性
を得ることが難しくなる。
【0027】本発明で用いられる3成分系混合物である
難燃剤は、予め上記3成分を混合してから樹脂に混合し
て用いることが好ましい。また、樹脂混合する際に、窒
素化合物の融点以上の温度で混練、混合することが好ま
しい。
【0028】上記樹脂組成物における上記難燃剤の配合
量は、少なくなると十分な難燃性が得られず、多くなる
と機械的強度の低下が大きくなるので、ポリオレフィン
系樹脂100重量部に対して、5〜200重量部に限定
される。
【0029】本発明では、ポリオレフィン系樹脂発泡体
の難燃性をより一層向上させるために、上記樹脂組成物
の発泡性を阻害しない範囲で、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等の水和金
属酸化物;赤リン等の難燃性に寄与する化合物が添加さ
れてもよい。赤リンとしては、耐湿性、安全性(混練時
の自然発火)の点から粒子表面を樹脂でコーティングし
たものが好ましい。
【0030】上記樹脂組成物における上記難燃性に寄与
する化合物の配合量は、難燃剤の配合量によっても異な
るが多くなると発泡特性を損なうので、ポリオレフィン
系樹脂100重量部に対して、100重量部以下が好ま
しい。
【0031】上記樹脂組成物には、最終的に得られる発
泡体の耐熱性向上や、発泡工程での必要性に応じて、架
橋が施されてもよい。一般的な架橋方法としては、ポリ
オレフィン系樹脂中に混合した過酸化物等のラジカル発
生剤を加熱分解させて架橋する方法;電離性放射線の照
射による架橋する方法;架橋助剤としての多官能性モノ
マーの存在下で過酸化物あるいは電離性放射線により架
橋する方法;シラン架橋等が挙げられる。
【0032】上記ポリオレフィン系樹脂におけるポリエ
チレン系樹脂の割合が80重量%以下で架橋を施す場合
は、架橋助剤を用いるのが好ましい。また、ポリエチレ
ン系樹脂の割合が80重量%を超える場合は、架橋助剤
を加えなくても電子線照射等の架橋手段で十分な架橋を
施すことが可能である。
【0033】上記架橋助剤としては、多官能性モノマー
で、電子線、放射線あるいは過酸化物で架橋反応を起こ
すのであれば、特に制限はなく、例えば、ビニル基又は
アリール基を1分子中に少なくとも1個含有する芳香族
又は脂肪族の化合物;(メタ)アクリロイルオキシ基を
1分子中に少なくとも1個含有する化合物等が挙げられ
る。
【0034】上記架橋助剤としては、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジアリルベンゼン、ジビニルナフタレン、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、エチルビニ
ルベンゼン、1,9−ノナンジオールジメタクリレー
ト、1−ノナンモノメタクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールメタクリレート、2,2−ビス〔4−(アクリ
ロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、1,2,4−
ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、1,2−
ベンゼンジカルボン酸ジアリルエステル、1,3−ベン
ゼンジカルボン酸ジアリルエステル、1,4−ベンゼン
ジカルボン酸ジアリルエステル等が挙げられ、これらは
単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0035】上記架橋助剤の配合量は、少なくなると架
橋が不十分で均質な発泡体が得られ難く、多くなると架
橋密度が高くなりすぎて発泡性に問題を生じるので、ポ
リオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.05〜
10重量部が好ましい。
【0036】本発明の樹脂発泡体は、上記樹脂組成物に
発泡剤を混合し、加熱、減圧によるガス化又は分解等に
よって成形体中に気泡を形成することにより製造され
る。上記樹脂組成物は、上記各成分を単軸押出機、二軸
押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、ロー
ル等の混練装置を用いて混練することにより得られる。
【0037】上記発泡剤としては、物理型発泡剤、熱分
解型有機発泡剤等が挙げられる。上記物理型発泡剤とし
ては、フロン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブ
タン、シクロヘキサン等の揮発型発泡剤;窒素、空気、
水、炭酸ガス等の無機ガス発泡剤が挙げられる。
【0038】上記熱分解型有機発泡剤としては、アゾジ
カルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニル
ヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニル
ヒドラジド)等が挙げられる。
【0039】上記熱分解型有機発泡剤の添加量は、少な
くなると所定の発泡倍率が得られず、多くなると部分的
に巨大な気泡ができるなど均一な発泡体が得られなくな
るので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、
1〜40重量部が好ましい。
【0040】上記樹脂組成物には、必要に応じて、酸化
防止剤、安定剤、顔料、金属害防止剤等が添加されても
よい。上記酸化防止剤の添加量は、ポリオレフィン系樹
脂100重量部に対して、0.1〜5重量部が好まし
い。また、安定剤としては、フェノール系、リン系、イ
オウ系、アミン系等公知のものが使用可能である。
【0041】本発明の難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡
体は、上記樹脂組成物を押出機等を用いてシート状に成
形し、このシート状成形体に電離性放射線を照射して架
橋させた後、熱風炉中で加熱発泡させることにより得ら
れる。また、押出成形の際に、炭酸カルシウム、タル
ク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム等の気泡核形成剤を添加しても
よい。上記電離性放射線の照射及び発泡工程は、連続し
て行ってもよく、バッチ方式で行ってもよい。
【0042】上記熱分解型有機発泡剤を用いて発泡体を
得る場合は、3成分混合難燃剤の窒素化合物の融点以上
の温度、上記熱分解型有機発泡剤の分解温度以下で混合
混練し、得られた樹脂組成物を成形するのが好ましい。
【0043】上記電離性放射線としては、電子線、γ
線、X線、中性子線等が挙げられ、その照射線量は1〜
10Mradの範囲が好ましい。
【0044】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂発泡体
を得る他の方法としては、上記樹脂組成物をプレス成形
機や押出機によって、シート状又はブロック状に成形し
た後、該成形体を圧力容器内に入れ、物理型発泡剤を十
分に樹脂中に溶解させ、減圧にすることにより発泡させ
る方法が挙げられる。また、上記シート状又はブロック
状の成形体を圧力容器に入れ、常温で物理型発泡剤を充
満させた後加圧し、減圧後取り出してオイルバス、オー
ブン等で加熱して発泡させてもよい。成形体には予め架
橋を施しておけば、架橋発泡体を得ることができる。
【0045】請求項3記載の発明(以下「本発明3」と
いう。)で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、
前記ポリオレフィン系樹脂が用いられる他に、架橋性エ
チレン(共)重合体、架橋性プロピレン(共)重合体、
ポリブテン、ポリブタジエン、架橋性エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体、エチレ
ン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン・
スチレン共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用
しても、二種以上を併用しても良い。
【0046】上記架橋性エチレン(共)重合体、架橋性
プロピレン(共)重合体、架橋性エチレン・プロピレン
共重合体等は、例えばシラノ−ル架橋が可能な化合物を
オレフィン(共)重合体にグラフトしたものが挙げられ
る。より具体的には、シラングラフトポリエチレンが挙
げられる。
【0047】本発明3で用いられるポリリン酸アンモニ
ウム、窒素含有化合物及び金属酸化物は、本発明で用い
られるものと同様のものが適宜選択されて用いることが
できる。
【0048】本発明3で用いられるポリリン酸アンモニ
ウム、窒素含有化合物及び金属酸化物からなる難燃剤の
配合量は、少なくなると十分な難燃性が得られず、多く
なると機械的強度の低下が大きくなるので、ポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対して、5〜200重量部に
限定される。
【0049】上記難燃剤の熱重量分析計で測定された
1,000℃での残渣は、少なくなると燃焼時に生成す
る不燃性の被膜の量が不十分で十分な難燃性を付与する
ことができなくなるので、10重量%以上が好ましい。
【0050】上記ポリリン酸アンモニウム、窒素含有化
合物及び金属酸化物の使用量は、重量比で40〜94.
9重量%:5〜40重量%:0.1〜20重量%である
ことが好ましく、この範囲を外れると難燃効果が低下す
る。
【0051】本発明3で用いられる発泡剤としては、オ
ゾン層の破壊のおそれの少ないHCFC類の非特定フロ
ンであり、例えば、モノクロロジフロロメタン(HCF
C−22)、モノクロロジフロロエタン(HCFC−1
42b)、モノクロロテトラフロロエタン(HCHC−
124)、ジフロロエタン(HFC−152a)挙げら
れ、特に、モノクロロジフロロメタン(HCFC−2
2)、モノクロロジフロロエタン(HCFC−142
b)は、発泡特性が良いので好ましい。上記発泡剤は、
単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
【0052】上記発泡剤の使用量は、発泡倍率によって
適宜決定されるが、通常、ポリオレフィン系樹脂100
重量部に対して10〜35重量部である。
【0053】本発明3で用いられる樹脂組成物には、必
要に応じて、他の難燃剤、気泡核剤、架橋触媒、酸化防
止剤、収縮防止剤、滑剤、顔料、静電気防止剤を添加で
きる。
【0054】上記他の難燃剤としては、本発明で例示さ
れたものが使用できる。
【0055】気泡核剤としては、例えば、本発明で例示
されたものと同様のものが使用できる他、タルク、シリ
カ、炭酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ケイ酸
カルシウム、重曹等が挙げられ、架橋触媒としては、例
えば、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジアセテ−
ト、ジオクチル錫ジラウレ−ト、酢酸第一錫、カプリル
酸第一錫、ナフテン酸錫、カプリル酸亜鉛、ステアリン
酸亜鉛等のシラノ−ル縮合触媒が挙げられる。
【0056】酸化防止剤としては、ポリオレフィン系樹
脂用として公知のフェノ−ル系、有機チオ酸系、有機燐
系、有機アミン系、有機錫系のものが挙げられる。収縮
防止剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、ベヘン
酸アミドなどの炭素数15〜22の第一級脂肪酸アミド
類が挙げられる。
【0057】本発明3の製造方法では、ポリオレフィン
系樹脂、ポリリン酸アンモニウム、窒素含有化合物、金
属酸化物及び適宜選択される添加剤を押出機に投入して
混練し、発泡剤を押出機のバレルに設けられた注入口か
ら圧入して、加圧状態で発泡剤を溶融混練し、次いで、
押出機に取り付けられた金型から大気圧領域に押し出し
て発泡させることにより、難燃性ポリオレフィン系樹脂
発泡体を得ることができる。
【0058】
【発明の実施の形態】
【0059】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0060】(実施例1〜6、比較例1〜6)表1及び
2に示した所定量の、ポリオレフィン系樹脂、難燃剤、
架橋助剤及び発泡剤を、表1及び2に示した混練温度、
60rpmで5分間溶融混練して樹脂組成物を得た。得
られた樹脂組成物を混練時と同様な成形温度でプレス成
形して、1mm厚のシートを成形した後、このシートに
電子線加速機を用いて吸収線量が3Mradに相当する
ように電子線を照射し架橋させた。次いで、このシート
を230℃のオーブン中で加熱発泡させ、発泡シートを
得た。
【0061】上記実施例及び比較例で得られた発泡シー
トにつき、下記の性能評価を行い、その結果を表1〜2
に示した。 (1)外観 凹凸がなく手触りの滑らかなものを○、凹凸が見られる
ものを×と判定した。 (2)発泡倍率 発泡シートの体積(cc)及び重量(g)を測定し、次
式により発泡倍率を算出した。発泡倍率(cc/g)=
体積/重量 (3)燃焼性試験 JIS D1201に準拠して燃焼性区分の評価を行っ
た。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】尚、表中使用した成分は下記の通りであ
る。 ・PP:ポリプロピレン(MI=1.5) ・LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン(密度=0.
92g/cm3 、MI=7) ・LDPE:低密度ポリエチレン(密度=0.92g/
cm3 、MI=3.4 ・EVA:エチレン・酢酸ビニル共重合体(密度=0.
92g/cm3 、MI=2.5、酢酸ビニル含有量=1
9重量%) ・窒素含有化合物:和光純薬社製〔トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレート〕 ・ポリリン酸アンモニウム:住友化学社製「スミセーフ
P」 ・二酸化チタン:和光純薬社製、 ・酸化マグネシウム:和光純薬社製 ・赤リン:燐化学社製「ノーバレッド120」 ・架橋助剤(1):ジビニルベンゼン(和光純薬社製) ・架橋助剤(2):トリメチロールプロパントリメタク
リレート(新中村化学社製) ・架橋助剤(3):1,9−ノナンジオールジメタクリ
レート(新中村化学社製) ・架橋助剤(4):1,2,4−ベンゼントリカルボン
酸トリアリルエステル(和光純薬社製) ・発泡剤:アゾジカルボンアミド(大塚化学社製)
【0065】(実施例7〜11、比較例7〜10)表3
及び表4に示す配合組成で、口径40mmの単軸押出機
(L/D=28)を用い溶融混練した後、押出機のバレ
ル中央付近に設けられた注入口から発泡剤を圧入した。
次いで、溶融混練されたものを押出機先端に装着された
金型(内径30mm)のロッド成形用金型から大気圧中
に押し出し同時に発泡させて、発泡体を製造した。
【0066】得られた発泡体を実施例1と同様にして難
燃性と外観の評価を行い、表3及び表4にその結果を示
した。なお、難燃性の評価は、次の通りとした。 ○:酸素指数28以上 ×:酸素指数28未満
【0067】尚、表中使用した成分は下記の通りであ
る。 ・PP:ポリプロピレン(MI=1.5、密度0.90
g/cm3 ) ・LDPE:低密度ポリエチレン(密度=0.925g
/cm3 、MI=1.2) ・EVA:エチレン・酢酸ビニル共重合体(密度=0.
92g/cm3 、MI=2.5、酢酸ビニル含有量=1
9重量%) ・CRPE:密度=0.925g/cm3 、MI=2.
0、架橋性ポリエチレン(シラングラフトポリエチレ
ン) ・窒素含有化合物:和光純薬社製〔トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレート〕 ・ポリリン酸アンモニウム:住友化学社製「スミセーフ
P」 ・二酸化チタン:和光純薬社製、ルチル型 ・発泡剤:HCFC−142b/HCFC−22(重量
比60:40)
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリオレフィン系樹脂発
泡体は、上述した通りであり、ノンハロゲン系の難燃剤
によって、発泡特性を低下させることなく優れた難燃性
が付与されており、さらに燃焼時に有害なハロゲン系の
ガスを発生しないので、自動車用部材等に好適に使用で
きる。また、製造に際し、発泡剤として、非特定フロン
を使用できるので、オゾン層破壊などの環境に対する影
響は少ない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂0〜85重量%及び
    ポリエチレン系樹脂100〜15重量%からなるポリオ
    レフィン系樹脂100重量部ならびに難燃剤5〜200
    重量部を含有する樹脂組成物を発泡させて得られる樹脂
    発泡体であって、該難燃剤は、ポリリン酸アンモニウ
    ム、一般式(1)で表される窒素含有化合物及び金属酸
    化物の3成分系混合物からなり、該混合物の熱重量分析
    計で測定された1,000℃における残渣が10重量%
    以上であることを特徴とする難燃性ポリオレフィン系樹
    脂発泡体。 【化1】 (式中、R1 〜R3 は、水素、炭素数1〜16のヒドロ
    キシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、炭素数6〜
    16のヒドロキシアリール基又はジヒドロキシアリール
    基を示し、同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】請求項1記載の難燃剤が、ポリリン酸アン
    モニウム:一般式(1)で表される窒素含有化合物:金
    属酸化物=40〜94.9重量%:5〜40重量%:
    0.1〜20重量%の混合比であることを特徴とする難
    燃性ポリオレフィン系樹脂発泡体。 【化2】 (式中、R1 〜R3 は、水素、炭素数1〜16のヒドロ
    キシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、炭素数6〜
    16のヒドロキシアリール基又はジヒドロキシアリール
    基を示し、同一であっても異なっていてもよい。)
  3. 【請求項3】ポリオレフィン系樹脂100重量部及び難
    燃剤5〜200重量部を含有する樹脂組成物と非特定フ
    ロンを加圧下で溶融混練し、得られた発泡性混合物を大
    気圧領域に押し出して発泡させて得られる樹脂発泡体の
    製造方法であって、該難燃剤は、ポリリン酸アンモニウ
    ム、一般式(1)で表される窒素含有化合物及び金属酸
    化物の3成分系混合物からなることを特徴とする難燃性
    ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。 【化3】 (式中、R1 〜R3 は、水素、炭素数1〜16のヒドロ
    キシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、炭素数6〜
    16のヒドロキシアリール基又はジヒドロキシアリール
    基を示し、同一であっても異なっていてもよい。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015525252A (ja) * 2012-05-23 2015-09-03 積水化学工業株式会社 難燃性ポリオレフィン発泡体及びその製造方法

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JP2015525252A (ja) * 2012-05-23 2015-09-03 積水化学工業株式会社 難燃性ポリオレフィン発泡体及びその製造方法

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