JPH08201626A - 偏光膜の原反用ポリビニルアルコールフィルム - Google Patents
偏光膜の原反用ポリビニルアルコールフィルムInfo
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- JPH08201626A JPH08201626A JP785595A JP785595A JPH08201626A JP H08201626 A JPH08201626 A JP H08201626A JP 785595 A JP785595 A JP 785595A JP 785595 A JP785595 A JP 785595A JP H08201626 A JPH08201626 A JP H08201626A
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Abstract
の官能基を0.01〜1モル%含有するポリビニルアル
コール系重合体からなる偏光膜の原反用ポリビニルアル
コールフィルム;ならびにシンジオタクティシティーが
55%以上であり、親水性の官能基を0.01〜1モル
%含有するポリビニルアルコール系重合体からなる偏光
膜の原反用ポリビニルアルコールフィルム。 【効果】 本発明の偏光膜の原反用のPVAフィルムは
延伸・配向処理性および二色性物質の吸着(染色)性な
どの加工特性に優れたものである。
Description
二色性物質の吸着(染色)処理性などの加工特性に優れ
た偏光膜の原反用ポリビニルアルコールフィルムに関す
る。
プロおよび機械の計器類等の比較的小画面の表示装置と
して用いられ、表示品質に対する要求は特に厳しくはな
かった。しかし、近年液晶表示装置がラップトップワー
プロ、ラップトップパソコン、ノートブックパソコン用
のディスプレイとしてや自動車、航空機のインパネ用デ
ィスプレイまた液晶プロジェクター等として幅広く利用
されるようになり、大型化、表示品質の高級化および耐
久性の向上が要求されている。したがって、液晶表示装
置の構成要素である偏光膜に関しても、上記課題を達成
するために、大画面化、高偏光度且つ高透過度といった
光学特性の向上や耐水性、耐熱性、耐湿熱性および耐久
性の向上に加えて、さらに生産性向上や品質確保等の観
点から偏光膜の原反フィルムとして加工特性の向上が求
められている。
性染料を吸着させたポリビニルアルコール(以下PVA
と略する)の一軸延伸フィルムがよく用いられており、
偏光性能および耐久性の向上が求められている。これに
対して、高重合度のPVAや高シンジオタクティックな
PVAを原反として使用する提案(例えば、特開平1−
105204号、特開平3−206402号)がなされ
ているが、高重合度や高シンジオタクティシティーの効
果は偏光特性や耐久性の点では認められるが、その性能
を充分発揮するためにはより高い温度で配向処理するこ
とが必要であったり、高温処理ではヨウ素化合物の脱着
や脱色による染色性の低下などの問題が生じる。また、
従来のPVAを用いた原反フィルムは二色性染料による
染色性が悪く、高温染色や長い染色時間を要したり染色
に斑ができるなどの問題があった。
の高性能な偏光膜の原反用ポリビニルアルコールフィル
ムに比べて、低い温度での配向処理が可能であり、また
二色性物質による染色性が高いなどの加工特性に優れた
偏光膜の原反用ポリビニルアルコールフィルムを提供す
るものである。
決に向けて鋭意検討した結果、平均重合度が2400以
上であり、且つ親水性の官能基を0.01〜1モル%含
有するポリビニルアルコール系重合体からなる偏光膜の
原反用ポリビニルアルコールフィルム(第1発明);な
らびにシンジオタクティシティーが55%以上であり、
親水性の官能基を0.01〜1モル%含有するポリビニ
ルアルコール系重合体からなる偏光膜の原反用ポリビニ
ルアルコールフィルム(第2発明)を見出だし、本発明
を完成したものである。
におけるPVA系重合体の重合度は2400以上である
ことが必要であり、好ましくは3500以上である。重
合度の上限については制限はないが、フィルムの製膜性
や延伸等の加工性の点から30000以下が好ましい。
重合度の好適な範囲は親水性官能基の含有量にもよる
が、4000〜20000が最も好ましい。重合度が2
400未満の場合には、偏光性能および耐久性が低下す
る。
については特に制限はないが、フィルムの強度の点から
500以上が好ましく、得られる偏光フィルムの偏光性
能の点からは1000以上が好ましく、1500以上が
より好ましい。PVA系重合体の重合度の上限について
も特に制限はないがフィルムの製膜性や偏光フィルムへ
の加工性の観点から20000以下が好ましい。重合度
の好適な範囲は1500〜10000である。
オタクティシティーは55%以上であることが必要であ
り、好ましくは58%以上である。シンジオタクティシ
ティーの上限については制限はないが、フィルムの製膜
性や延伸等の加工性の観点から75%以下が好ましい。
シンジオタクティシティーの好適な範囲は60〜68%
が最も好ましい。シンジオタクティシティーが55%よ
り低いと偏光特性,耐久性が低下する。尚、本発明でい
うPVA系重合体の「シンジオタクティシティー」は、
NMR法により測定したダイアッド表示による値であ
り、具体的には特開平3−121102号公報に記載さ
れた方法により測定される。
の官能基を0.01〜1モル%(好ましくは0.05〜
0.9モル%、より好ましくは0.08〜0.8モル
%)含有していることが必要である。親水性の官能基と
しては、イオン性(アニオン性、カチオン性)およびノ
ニオン性の親水性の官能基が使用できる。該官能基は化
学的にPVA系重合体に結合していることが好ましく、
例えば下記の単量体単位が挙げられる。イオン性のもの
としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸などのカルボン酸およびそれらの塩、アクリル
アミドプロパンスルホン酸、メタクリルアミドプロパン
スルホン酸などのスルホン酸およびそれらの塩、アクリ
ルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、メ
タクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリ
ドなどの4級アンモニウム塩が挙げられる。ノニオン性
のものとしては、ビニルピロリドン、N−ビニルアセト
アミド、N−ビニルホルムアミドなどのアミド化合物、
アリルアルコール、1−ブテン−4−オール、7−オク
テン−1−オールなどのω−ヒドロキシ−α−オレフィ
ン、ポリエチレンオキシドモノアリルエーテルおよびそ
れらの低級アルキルエーテル等のオキシアルキレン基が
挙げれる。これらの官能基の導入方法に制限はなく、例
えば後述する共重合による方法や重合体に後反応により
導入する方法がある。
制限はなく、一般には以下のような方法で製造される。
すなわち、酢酸ビニルなどのビニルエステルを重合して
得られたポリビニルエステル系重合体を鹸化することに
より得られる。第2発明のPVA系重合体の製造方法に
は制限はなく、一般には以下のような方法で製造され
る。すなわち、ピバリン酸ビニル,トリフルオロ酢酸ビ
ニル,トリクロロ酢酸ビニル等などのビニルエステルを
重合して得られたポリビニルエステル系重合体を鹸化す
ることにより得られる。
合方法としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合
法、乳化重合法などがあり、特に高重合度のPVAを得
るためにはこれらの重合方法に低温重合法を併用するこ
ともできる。本発明の特徴でもある親水性の官能基を有
するPVA系重合体は、ビニルエステルの重合時に該官
能基あるいはその誘導体(あるいは前駆体)を有する単
量体と共重合することによっても得られる。これらの単
量体については特に制限はなく、単量体が親水性の官能
基を有していても良いし、重合体製造後に加水分解やエ
ステル化、ケタール化のような化学反応により、親水性
の官能基に変換する前駆体であっても良い。
リル酸およびその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−プロピルなどのアクリル酸エステ
ル類、メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピルな
どのメタクリル酸エステル類、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸などのカルボン酸の塩、
(モノまたはジ)低級アルキルエステルキルおよびその
塩、アクリルアミドプロパンスルホン酸、メタクリルア
ミドプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリ
ルスルホン酸およびそれらの塩、アクリルアミドプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロリド、メタクリルアミド
プロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの4級ア
ンモニウム塩、アリルアルコール、1−ブテン−4−オ
ール、7−オクテン−1−オールなどのω−ヒドロキシ
−α−オレフィン、ポリオキシエチレンモノアリルエー
テル、ポリオキシプロピレンモノアリルエーテルおよび
それらの低級アルキルエーテル等のオキシアルキレン基
が挙げれる。
ル系重合体を鹸化することによってPVA系重合体が得
られるが、一般にはポリビニルエステルのアルコール溶
液で苛性ソーダなどのアルカリ触媒を用いてアルコリシ
スと呼ばれるエステル交換によって行われる。ビニルエ
ステルユニットがビニルアルコールユニットに変換され
る変換率である鹸化度には特に制限はないが、鹸化度が
低いと偏光フィルムとしての耐久性が低下する等の悪影
響を及ぼすことから90モル%以上が好ましく、95モ
ル%以上がより好ましい。
ール結合量には特に制限はなく、一般的には1.6〜
1.8モル%のPVAが使用されるが、高偏光度や高耐
久性の観点からは1.6モル%以下が好ましい。
よび該原反フィルムを用いた偏光膜の製造方法には制限
はなく、例えば以下の方法が挙げられる。一例として、
先ず偏光膜用の原反フィルム用フィルムとなるPVA系
重合体フィルムを調製し、これにヨウ素や染料などの二
色性物質の吸着と延伸などによる配向処理を行う方法が
あり、この時二色性物質の吸着と延伸操作の順序は任意
である。本発明において偏光膜の原反フィルムの製法に
は制限はなく、一般的にはPVA水溶液から液膜を形成
しこれを乾燥しフィルムを得る方法が採られる。PVA
系共重合体溶液からの成膜はキャスト成膜や乾式成膜
(空気中や窒素等不活性気体中への押し出し)、湿式成
膜(PVA系重合体の貧溶媒中への押し出し)、乾湿式
成膜、ゲル成膜(PVA系重合体溶液を一旦ゲル化させ
た後フィルムを得る方法)によって行われるが、このと
きに使用される溶剤としてはジメチルスルホキシド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレン
グリコール、グリセリンおよび水等が単独または混合し
て使用される。また塩化リチウム、塩化カルシウム等の
無機塩の水溶液も単独または前記有機溶媒と混合して使
用できる。この中で水、ジメチルスルホキシドやジメチ
ルスルホキシドと水の混合溶媒が好んで使用される。ま
たこの溶液に二色性物質を混合し製膜してもよいし、フ
ィルムに柔軟性等を付与するためにグリセリンやジグリ
セリン、エチレングリコール等の多価アルコールおよび
その誘導体を含有させてもよい。
体からなるフィルムは二色性物質の吸着と一軸延伸によ
る配向処理が行われるか、もしくは成膜時に二色性物質
を添加したフィルムについては一軸延伸のみが行われ
る。吸着処理と配向処理は同時に行っても別々に行って
も問題なく、その順序は任意である。二色性物質の基材
フィルムへの吸着は、通常二色性物質を含有する液体中
にフィルムを浸漬させることにより行われるがその処理
条件や方法等に特に制限はなく、たとえば通常ヨウ素化
合物を用いる場合にはヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液
が用いられ、染料の場合には染料水溶液が用いられる。
また、これらの水溶液にホウ酸およびホウ砂等のホウ素
系化合物を添加しても良い。本発明の偏光膜に使用され
る二色性物質は、ヨウ素化合物のほか、いわゆる二色性
染料が単独または混合して用いられる。代表的なものと
してたとえばDirectblack 17 ,19,154 、Direct brow
n 44 ,106 ,195 ,210 ,223 、Direct red 2,23,2
8,31,37,39,79,81,240 ,242 ,2 47、Direct bl
ue 1 ,15,22,78,90,98,151 ,168 ,202 ,236
,249 ,270 、Direct violet 9 ,12,51,98、Direc
t green 1,85、Direct yellow 8 ,12,44,86,87、D
irect orange 26、39,106 ,107 等が挙げられる。延
伸による配向処理はフィルムが含水または膨潤した状態
で行う湿式延伸や乾燥状態で行う乾熱式延伸で行われ、
一軸方向に3倍以上に行うことが好ましく、5倍以上の
延伸を行うことがより好ましい。延伸時の温度は延伸の
方法やその他の条件によっても異なるが、通常20℃か
ら250℃の間である。また乾熱延伸時は不活性気体中
で処理を実施するのが好ましい。水中で延伸する際はホ
ウ酸やホウ砂などの水溶液中で行うのが一般的である。
吸着と延伸が行われたフィルムは定長下空気中または不
活性気体中で乾燥される。乾燥されたフィルムは耐水
性、耐湿熱性などを付与するため、さらに80℃から2
30℃の温度で熱処理を行っても良い。また、基材フィ
ルムへの二色性物質の吸着を強固にすることや耐水性や
耐湿熱性を付与する目的でホウ酸やホウ砂のようなホウ
素化合物を添加することがあるが、これは吸着や延伸と
同時に実施してもこれらの処理の前後や間のどの時点で
実施しても任意である。本発明の特徴はこれらの配向・
吸着処理性が従来のPVAフィルムに比べて容易に行え
ることである。従来のPVAで高偏光性能を得るために
は高い温度で配向処理する必要があり、特に高重合度P
VAや高シンジオタクティシティーPVAを使用すると
より高い温度での配向処理が必要となる。ヨウ素系の化
合物を吸着させたフィルムをこのような高い温度で処理
すると、ヨウ素系化合物の脱着、脱色および染色斑が生
じる。本発明のPVAを使用することにより、従来のP
VAに比べて3℃以上低い温度での延伸・配向処理によ
り高い偏光性能を得られる。そのため、吸着させたヨウ
素系化合物の脱着等が軽減でき、結果として染色性が良
好となる。また、二色性染料による染色性も本発明のP
VAを使用することにより改善され、高い温度や長い染
色時間を要することなく染色が可能となる。
面あるいは片面に光学的に透明で、かつ機械的強度を有
した保護膜(支持体)を貼り合わせて偏光板として使用
される。保護膜としては通常セルロースアセテート系フ
ィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルム
等が使用され、中でも光学特性等の点から三酢酸セルロ
ースのようなセルロースアセテート系フィルムが一般に
使用される。
説明するが、本発明は実施例によりなんら制限されるも
のではない。透過度(T)、偏光度(V)、色相の測定
は日本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−201−
1983に準拠し、分光光度計を用いて、C光源,二度
視野にて計算した。二色性比(Rd)は下記の式で得ら
れる偏光性能を示す値である。 Rd=log(T(1−V))/log(T(1+V))
度PVA) 表1に示すPVA系重合体の5%水溶液をポリエチレン
テレフタレートフィルム上に流延し、液膜を60℃で乾
燥し、120℃で3分間熱処理することにより、PVA
系重合体フィルムを得た。次に、得られたPVA系重合
体フィルムを原反に用いて、偏光フィルムを製造した。 (二色性物質がヨウ素系化合物の場合)PVA系重合体
フィルムを30℃の水に10分間浸漬し、ヨウ素−ヨウ
化カリウム溶液中(ヨウ素濃度0.025重量%,ヨウ
化カリウム濃度0.03重量%)でヨウ素化合物を吸着
させた後、ホウ酸−ヨウ化カリウム溶液中(ホウ酸濃度
4重量%,ヨウ化カリウム濃度1.5重量%)で一軸延
伸し、50℃で乾燥し偏光フィルムを作製した。 (二色性物質が有機染料の場合)PVA系重合体フィル
ムを30℃の水に10分間浸漬し、Direct Bl
ue 1水溶液(濃度2重量%)に浸漬した後、ホウ酸
水溶液中(ホウ酸濃度4重量%)で一軸延伸し、50℃
で乾燥し偏光フィルムを作製した。上記の結果を、染色
条件および延伸条件とともに表1に示す。
シンジオタクティシティーPVA)表2に示すPVA系
重合体を用いて、実施例1〜6と同様にして、PVA系
重合体フィルムを得た。次に、得られたPVA系重合体
フィルムを原反に用いて、偏光フィルムを製造した。上
記の結果を、染色条件および延伸条件とともに表2に示
す。
ムは延伸・配向処理性および二色性物質の吸着(染色)
処理性などの加工特性に優れたものである。この原反フ
ィルムから得られた偏光膜は、高偏光度且つ高透過度と
いう優れた光学特性を有する。本発明で得られた偏光膜
は上記特徴を生かして高性能、高耐久性の液晶ディスプ
レイ、たとえば液晶テレビ、液晶プロジェクター、ワー
プロ用ディスプレイ、パソコン用ディスプレイ、OA機
器端末ディスプレイ、航空機や自動車のインパネ用ディ
スプレイとか、その他フィルター、サングラス、窓ガラ
ス、各種ライトの防眩用、各種センサー等に用いられ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 平均重合度が2400以上であり、且つ
親水性の官能基を0.01〜1モル%含有するポリビニ
ルアルコール系重合体からなる偏光膜の原反用ポリビニ
ルアルコールフィルム。 - 【請求項2】 シンジオタクティシティーが55%以上
であり、親水性の官能基を0.01〜1モル%含有する
ポリビニルアルコール系重合体からなる偏光膜の原反用
ポリビニルアルコールフィルム。 - 【請求項3】 親水性の官能基がスルホン酸基、カルボ
ン酸基、ω−ヒドロキシ−α−オレフィン基、オキシア
ルキレン基およびアミド基の中から選ばれる1種以上の
親水性の官能基である請求項1または2記載の偏光膜の
原反用ポリビニルアルコールフィルム。
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