JP2002131533A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP2002131533A
JP2002131533A JP2000330306A JP2000330306A JP2002131533A JP 2002131533 A JP2002131533 A JP 2002131533A JP 2000330306 A JP2000330306 A JP 2000330306A JP 2000330306 A JP2000330306 A JP 2000330306A JP 2002131533 A JP2002131533 A JP 2002131533A
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mol
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vinyl
laminated film
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English (en)
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Takanori Isozaki
孝徳 磯▲ざき▼
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光度や透過度等の光学特性および耐久性
(特に、耐湿熱性)に優れる偏光フィルムの製造原料と
して有用な積層フィルムを提供する。 【解決手段】 反射性偏光子(A)の片面または両面
に、重合度2000以上のポリビニルアルコールからな
るフィルム層(B)を有する積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光度や透過度等
の光学特性および耐久性能に優れる偏光フィルムとして
有用な積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】光の透過および遮蔽機能を有する偏光板
は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶
ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。こ
のLCDは、初期の頃の電卓および腕時計等の小型機器
から、最近では、ラップトップパソコン、ワープロ、液
晶カラープロジェクター、車載用ナビゲーションシステ
ム、液晶テレビおよび屋内外の計測機器等へと適用分野
が広範囲になっている。LCDは、幅広い温度条件や湿
度条件で使用されることから、従来品以上に偏光性能が
高くかつ耐湿熱性に優れた偏光板が求められるようにな
っている。
【0003】従来の液晶ディスプレイで一般的に用いら
れる二色性偏光子は、S波を吸収し、P波を透過するた
め、光の半分以上が二色性偏光子に吸収されてしまう。
そこで、近年偏光の透過率を上げるため、反射性偏光子
が用いられている。この反射性偏光子は、P波を透過
し、S波をバックライト側に反射する機能を有してい
る。反射されたS波は導光板側に入射および反射し、再
び、S波とP波が混合した状態で反射性偏光子に入射
し、P波の透過とS波の反射を繰り返す。このようにし
て、透過するP波の量を多くして、約70%の輝度増大
が得られる。この反射性偏光子は2種類の樹脂材料から
なる多層構造フィルムになっている。使用される樹脂と
しては、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)お
よびPENのコポリマーがある。2種類の材料の光学異
方性と屈折率の違い、さらには積層するフィルムの厚み
を設計することにより、P波を透過し、S波を反射させ
ることができるようになる。偏光分離フィルムには、上
記の他にも、コレステリック液晶と1/4波長板をフィ
ルム状に一体化し、円偏光から直線偏光に変換するタイ
プのものがある。これらの偏光分離フィルムは、偏光の
輝度増大には大きく寄与するものの、偏光性能が低いた
めに、二色性偏光子を組合せて用いられるのが一般的で
ある。偏光フィルムへの入射光は反射性偏光子によって
P波が増大しているため、この反射性偏光子と二色性偏
光子を組合せたフィルムは二色性偏光子単独使用の場合
に比べて大幅に輝度が増大している。この二色性偏光子
および反射性偏光子は、一般に互いに近接して配置され
ており、真珠光などと呼ばれる不要な反射を防ぐため、
これら偏光子の間の空気間隙を除くように接着されてい
る。従来は二色性偏光子をトリアセチルセルロース(T
AC)フィルムなどで補強した偏光板と反射性偏光子を
積層することが行われていた。しかしながら、真珠光な
どの反射光による着色や、二色性偏光子の応力歪みによ
って発生する二色性偏光子とTACフィルムの剥がれが
原因である偏光板端部付近の着色が問題となっていた。
この問題を解決する方法として、例えば特表平9−50
7308号公報によれば、反射性偏光子にポリビニルア
ルコール(PVA)の薄層をコートして偏光膜を形成
し、保護フィルムを接着する方法が提案されている。こ
の反射性偏光子に二色性偏光子を直接積層する方法によ
り、真珠光などの反射光による着色が大幅に減少し、ま
たPVAの薄層を二色性偏光子の基材として用いること
により、応力歪みが減少して光学歪みによる着色が減少
するという効果がもたらされる。しかしながら、PVA
を薄層化すると、それに伴って空気中の水分等の影響を
受けやすくなり、二色性偏光子が褪色するという別の問
題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、偏光
性能の耐久性に優れる偏光フィルムの製造原料として有
用な積層フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、反射性偏光子
(A)の片面または両面に、重合度1000以上のPV
Aからなるフィルム層(B)を積層することにより、耐
水性が向上し、高耐湿熱性を有する偏光性能を有する積
層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の積層フィルムにおいて、
反射性偏光子(A)としては、P波あるいはS波の分離
機能を有し、どちらかの偏光を反射する機能を有する従
来公知の反射性偏光子が用いられる。例えば、PEN
(ポリエチレンナフタレート)およびPENのコポリマ
ーの積層フィルム、コレステリック液晶と1/4波長板
の積層フィルム、プリズムシートを2枚対向した積層シ
ートなどが用いられる。
【0007】本発明においてフィルム層(B)を構成す
るポリビニルアルコール(PVA)としては、ビニルエ
ステル系モノマーをラジカル重合して得られたビニルエ
ステル系重合体をけん化し、ビニルエステル単位をビニ
ルアルコール単位としたものを用いることができる。該
ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサテイツク酸ビニル等
を挙げることができ、これらの中でも酢酸ビニルを用い
るのが好ましい。
【0008】さらに、上記のビニルエステル系モノマー
をラジカル重合する際に、必要に応じて、上記のビニル
エステル系モノマーと共重合可能なモノマーを、発明の
効果を損なわない範囲内(好ましくは15モル%以下、
より好ましくは5モル%以下の割合)で共重合させるこ
ともできる。このようなビニルエステル系モノマーと共
重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数3〜30の
オレフィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2
−エチルへキシル、アクリル酸ドデシルアクリル酸オク
タデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸およ
びその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
へキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
ドデシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およ
びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよ
びその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルア
ミドおよびその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタ
クリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホ
ン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチル
アミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロール
アクリルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド
誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニル
エーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニ
ルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニ
ルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエー
テル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニ
トリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;酢酸ア
リル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸および
その塩またはそのエステル;イタコン酸およびその塩ま
たはそのエステル;ビニルトリメトキシシラン等のビニ
ルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等を挙げることが
できる。
【0009】フィルム層(B)を構成するPVAの重合
度は、得られる積層フィルムの耐久性の点から1000
以上であり、1500以上が好ましく、2000以上が
より好ましく、2600以上がさらに好ましく、350
0以上がより一層好ましく、5000以上が特に好まし
い。偏光性能の点からも重合度1000以上であり、1
500以上が好ましく、2000以上がより好ましく、
2600以上がさらに好ましく、3500以上がより一
層好ましく、5000以上が特に好ましい。さらに、P
VAの重合度の上限は、PVAの生産性の点から300
00以下であることが好ましい。なお、PVAの重合度
(P)はJIS−K6726に準じて測定することがで
きる。すなわち、エチレン変性PVAを再けん化し、精
製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単
位:dl/g)から次式により求められる。 P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
【0010】フィルム層(B)を構成するPVAのけん
化度は、偏光フィルムの耐久性の点から90モル%以上
が好ましく、95モル%以上がより好ましく、98モル
%以上がより一層好ましく、99モル%以上が特に好ま
しい。PVAのけん化度は、フィルムの染色性の点から
99.99モル%以下であることが好ましい。なお、本
明細書で言うけん化度とは、けん化によりビニルアルコ
ール単位に変換されうる単位の中で、実際にビニルアル
コール単位にけん化されている単位の割合を示したもの
である。なお、PVAのケン化度はJIS−K6726
に準じて測定される。
【0011】フィルム層(B)を構成するPVAとして
は、エチレンとビニルエステル系モノマーとを共重合し
て得られるエチレン−ビニルエステル系重合体をけん化
し、ビニルエステル単位をビニルアルコール単位とした
エチレン変性ポリビニルアルコール(エチレン変性PV
A)が好ましい。該ビニルエステル系モノマーとして
は、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バー
サテイック酸ビニル等を挙げることができ、これらのな
かでも酢酸ビニルを用いるのが好ましい。
【0012】エチレン変性PVAにおいて、エチレン単
位の含有量(エチレンの共重合量)は1〜25モル%で
あり、好ましくは2〜10モル%であり、より好ましく
は2〜5モル%である。エチレン単位の含有量が1モル
%未満の場合には、得られる偏光フィルムの耐久性の向
上効果が見込めない。一方、エチレン単位の含有量が2
5モル%を越える場合には、得られるフィルムの耐水性
の向上効果は大きいが、エチレン変性PVAと偏光素子
であるヨウ素錯体の安定性が低下するため、得られる偏
光フィルムの色調が青み〜緑みを帯びてしまい実用的に
好ましくない。
【0013】本発明においてPVAフィルムを構成する
PVAの1,2−グリコール結合量は1.5モル%以下
であることが好ましく、さらに好ましくは1.2モル%
以下、特に好ましくは1.0モル%以下である。偏光フ
ィルムの耐水性、耐熱性、耐久性および光学性能を向上
させる観点から、PVAの1,2−グリコール結合量は
低いほど好ましいが、1,2−グリコール結合量が低く
なり過ぎると、PVAの製造自体が困難になることか
ら、1,2−グリコール結合量は0.5モル%以上であ
ることが適当である。
【0014】本発明において、PVAフィルムを構成す
る1,2−グリコール結合量が1.5モル%以下のPV
Aは、ビニルエステル系モノマーを50℃以下の温度
で、好ましくは30℃以下の温度で、さらに好ましくは
0℃以下の温度で、特に好ましくは−20℃以下の温度
で重合してビニルエステル系重合体を得、これをけん化
することによって得ることができる。
【0015】ビニルエステル系モノマーの重合法として
は、低温塊状重合法、低温懸濁重合法および低温乳化重
合法が挙げられる。低温重合法においては、ビニルエス
テル系モノマーのように連鎖移動が大きい重合系では重
合温度の低下とともに連鎖移動が抑えられるために、通
常では重合度が高くなるが、重合速度等を調節し、さら
に連鎖移動剤を併用することにより、1,2−グリコー
ル結合量が1.5モル%以下で、且つ所望の重合度のP
VAを得ることができる。偏光フィルムの耐久性能およ
び偏光性能の点から、ビニルエステル系モノマーの重合
は低温乳化重合法によるのが好ましい。
【0016】ビニルエステル系モノマーの重合時に用い
ることができる連鎖移動剤としては、アルデヒド化合物
など従来公知のものを好適に用いることができ、とくに
偏光フィルムの耐久性能および偏光性能の点から、RS
−H(Rは炭素数1〜18の炭化水素基又はモノもしく
はポリヒドロキシ炭化水素基を示し、Sは硫黄原子を示
す)で表されるメルカプタンが好ましく用いられる。上
記式で表されるメルカプタンにおいて、Rの炭素数が1
より小さい場合には、メルカプタンの反応性が高すぎて
取扱いが困難になり、また炭素数が18を超えると、得
られるPVAの結晶性が低下し、目的とする耐久性の優
れた偏光フィルムを得ることができなくなる。使用可能
なメルカプタンの例としては、例えば、メタンチオー
ル、エタンチオール、n−プロパンチオール、i−プロ
パンチオール、n−ブタンチオール、i−ブタンチオー
ル、t−ブタンチオール、n−ヘキサンチオール、n−
オクタンチオール、i−オクタンチオール、n−デカン
チオール、n−ドデカンチオール、t−ドデカンチオー
ル、n−テトラデカンチオール、n−ヘキサデカンチオ
ール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタ
ノール、3−メルカプト−1−プロパノール、1−メル
カプト−2−プロパノール、3−メルカプト−1,2−
プロパンジオール、4−メルカプト−1−ブタノール、
3−メルカプト−2−ブタノールなどを挙げることがで
きる。これらの中でも、臭気が比較的小さく、作業性が
良好で反応性が比較的高く、かつ得られるPVAの結晶
性を損なうことがない等の点から、2−メルカプトエタ
ノール、3−メルカプト−1−プロパノール、4−メル
カプト−1−ブタノールなどのモノヒドロキシ基を含有
するメルカプタンが特に好ましい。本発明において用い
られる変性PVAを製造する過程において、ビニルエス
テル系モノマーの重合時に連鎖移動剤としてメルカプタ
ンを用いた場合には、変性PVAの分子末端にメルカプ
ト基が導入されることになる。変性PVAの分子末端に
メルカプト基が導入されたフィルムからは、理由は定か
ではないが、耐久性能および光学性能が優れた偏光フィ
ルムを得ることができるので、そのフィルムの使用は好
ましく、推奨される。
【0017】本発明のPVAフィルムを構成するPVA
のシンジオタクティシティは55%以上であることが好
ましく、さらに好ましくは57%以上、特に好ましくは
60%以上である。偏光フィルムの耐水性、耐熱性、耐
久性および光学性能の向上の観点から、PVAのシンジ
オタクティシティ量は高いほど好ましいが、シンジオタ
クティシティ量が高くなり過ぎると、PVAの製造自体
が困難になることから、シンジオタクティシティ量は7
5%以下であることが適当である。ここでいうシンジオ
タクティシティは、ポリビニルアルコールを重水素化ジ
メチルスルホキシドに溶解し、プロトンNMR測定にお
ける水酸基のピークより求めたダイアッド表示によるシ
ンジオタクティシティである。
【0018】PVAからなるフィルム層(B)を、反射
性偏光子(A)に積層する方法は、均一な層が構成でき
るのであれば特に制限はなく、従来公知の積層体の製造
方法を用いることができる。例えば、グラビアロールコ
ーティング、マイヤーバーコーティング、リバースロー
ルコーティング、エアーナイフコーティング、溶融押出
コーティングあるいはスプレー式等の方法が挙げられ
る。また、フィルム層(B)を従来公知の方法で製膜し
た後に、フィルム層(B)を反射性偏光子(A)に貼り
合わせることもできる。その場合にはフィルム層(B)
を延伸しておくことが好ましい。また、反射性偏光子を
製造する工程中でPVA溶液をコートして被膜を形成し
て延伸し、反射性偏光子と二色性偏光子を同時に形成し
てもよい。
【0019】フィルム層(B)は、反射性偏光子(A)
の片面のみ、または反射性偏光子(A)の両面に積層さ
れる。初期の偏光性能の点からは、反射性偏光子(A)
の片面のみにフィルム層(B)を積層すれば充分であ
る。フィルム層(B)の厚みは0.1〜30μmが好ま
しく、1〜10μmがより好ましく、2〜5μmが特に
好ましい。
【0020】本発明の積層フィルムから偏光フィルムを
製造するには、例えば、該積層フィルムを染色、一軸延
伸(延伸せずに積層した場合)、固定処理および乾燥処
理したのち、さらに必要に応じて熱処理を行えばよい。
【0021】積層フィルムの染色は一軸延伸の前、一軸
延伸中、一軸延伸後のいずれの段階においても可能であ
るが、フィルム層(B)を形成するPVAは、一軸延伸
により結晶化度が上がりやすく染色性が低下することが
あるため、一軸延伸に先立つ任意の工程あるいは一軸延
伸工程中において染色するのが好ましい。染色に用いる
染料としては、ヨウ素−ヨウ化カリウムのほか、Direct
black 17、19、154;Direct brown 44、106、195、2
10、223;Direct red 2、23、28、31、37、39、79、8
1、240、242、247;Direct blue 1、15、22、78、90、9
8、151、168、202、236、249、270;Direct violet 9、
12、51、98;Direct green 1、85;Direct yellow 8、1
2、44、86、87;Direct orange 26、39、106、107等の
二色性染料などが挙げられる。染色は、通常積層フィル
ムを上記染料を含有する液体中に浸漬させることにより
行うことができ、その処理条件や処理方法は特に制限さ
れるものではない。
【0022】一軸延伸は湿式延伸法あるいは乾熱延伸法
を使用することができ、温水中または吸水後のフィルム
を用いて空気中で行うことができる。延伸時の温度条件
は特に限定されないが、フィルムを温水中で延伸(湿式
延伸)する場合は30〜90℃の温度範囲が、また乾熱
延伸する場合は50〜180℃の温度範囲が好適であ
る。
【0023】積層フィルムへの上記染料の吸着を強固に
することを目的に、固定処理を行う。固定処理に使用す
る処理浴には、通常ホウ酸およびホウ素化合物が添加さ
れる。処理浴には、必要に応じてヨウ素化合物を添加し
てもよい。
【0024】乾燥処理は30〜80℃の温度範囲で行う
のが好ましく、また熱処理は50〜150℃の温度範囲
で行うのが好ましい。
【0025】以上のようにして得られた偏光フィルム
は、通常、その両面あるいは片面に、光学的に透明で、
かつ機械的強度を有した保護膜を張り合わせて偏光板と
して使用される。保護膜としては、通常セルロースアセ
テート系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル
系フィルム等が使用される。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものでは
ない。なお、実施例中の偏光性能は以下の方法により評
価した。
【0027】得られた偏光膜の偏光性能を評価する指標
として透過率と偏光度を使用した。この偏光性能は、日
本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−201−19
83に準拠し、分光光度計を用いて、C光源、2℃視野
にて測定・計算して得た透過率Ts(%)と偏光度P
(%)を使用した。
【0028】実施例1 ポリエチレンナフタレート(PEN)およびナフタレン
ジカルボン酸とテレフタール酸とのコポリエステルとの
積層フィルムからなる多層反射性偏光子の原反に、けん
化度99.9モル%、重合度2400、エチレン変性量
2モル%、1,2−グリコール結合量1.5モル%、シ
ンジオタクティシティ量53%のポリビニルアルコール
100重量部からなる10%水溶液を、ダイレクトグラ
ビアロールコーターを用いて速度75m/分で塗布し、
150℃乾燥機で乾燥を行い、片面にコートした。コー
ト厚みは10μmであった。この積層フィルムを100
℃で5倍に一軸延伸した。さらにこの積層フィルムを予
備膨潤、染色、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して
偏光フィルムを作成した。すなわち、積層フィルムを3
0℃の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨウ素濃度
0.4g/l、ヨウ化カリウム濃度40g/lの35℃
の水溶液中に3分間浸漬した。ヨウ化カリウム40g/
l、ホウ酸40g/l、塩化亜鉛10g/lの30℃の
水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行った。フィルム
を取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに10
0℃で5分間熱処理を行った。積層フィルムのPVA面
側に50μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼り
合わせ、偏光板を作成した。透過度は62.5%、偏光
度は98.5%であった。得られた偏光板を定長下で、
60℃、90%RHの雰囲気下に100時間保管してお
いたところ、透過度は64.5%、偏光度は96.2%
であった。
【0029】実施例2 けん化度99.8モル%、重合度4000、エチレン変
性量2モル%、1,2−グリコール結合量0.8モル
%、シンジオタクティシティ量53%のポリビニルアル
コールを用いて実施例1と同様に、偏光板を作成した。
透過度は63.3%、偏光度は99.4%であった。得
られた偏光板を定長下で、60℃、90%RHの雰囲気
下に100時間保管しておいたところ、透過度は64.
9%、偏光度は97.2%であった。
【0030】実施例3 けん化度99.7モル%、重合度8000、エチレン変
性量2モル%、1,2−グリコール結合量0.4モル
%、シンジオタクティシティ量61%のポリビニルアル
コールを用いて実施例1と同様に、偏光板を作成した。
透過度は65.3%、偏光度は99.7%であった。得
られた偏光板を定長下で、60℃、90%RHの雰囲気
下に100時間保管しておいたところ、透過度は65.
9%、偏光度は99.0%であった。
【0031】実施例4 けん化度99.8モル%、重合度4000、エチレン変
性量0モル%、1,2−グリコール結合量0.8モル
%、シンジオタクティシティ量53%のポリビニルアル
コールを用いて実施例1と同様に、偏光板を作成した。
透過度は62.9%、偏光度は98.9%であった。得
られた偏光板を定長下で、60℃、90%RHの雰囲気
下に100時間保管しておいたところ、透過度は64.
7%、偏光度は96.8%であった。
【0032】実施例5 けん化度99.8モル%、重合度4000、エチレン変
性量0モル%、1,2−グリコール結合量1.6モル
%、シンジオタクティシティ量61%のポリビニルアル
コールを用いて実施例1と同様に、偏光板を作成した。
透過度は64.5%、偏光度は99.5%であった。得
られた偏光板を定長下で、60℃、90%RHの雰囲気
下に100時間保管しておいたところ、透過度は65.
5%、偏光度は98.5%であった。
【0033】比較例1 けん化度99.9モル%、重合度1700、エチレン変
性量0モル%、1,2−グリコール結合量1.6モル
%、シンジオタクティシティ量53%のポリビニルアル
コールを用いて実施例1と同様に、偏光板を作成した。
透過度は64.1%、偏光度は95.0%であった。得
られた偏光板を定長下で、60℃、90%RHの雰囲気
下に100時間保管しておいたところ、透過度は69.
1%、偏光度は84.0%であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の積層フィルムは耐水性および高
耐湿熱性に優れているうえに、偏光性能を有しており、
この積層フィルムから得られる偏光フィルムは、偏光度
や透過度等の光学特性および耐久性能(特に、耐湿熱
性)に優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射性偏光子(A)の片面または両面
    に、重合度1000以上のポリビニルアルコールからな
    るフィルム層(B)を有する積層フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールが、エチレン単位
    の含有量が1〜25モル%の変性ポリビニルアルコール
    である請求項1記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコールが、1,2−グリ
    コール結合量が1.5モル%以下のポリビニルアルコー
    ルである請求項1または2記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアルコールが、シンジオタク
    ティシティが55%以上のポリビニルアルコールである
    請求項1〜3のいずれか1項記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 ポリビニルアルコールからなるフィルム
    層(B)が偏光性能を有することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項記載の積層フィルム。
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