JP2001091739A - 積層フィルムおよび偏光フィルム - Google Patents

積層フィルムおよび偏光フィルム

Info

Publication number
JP2001091739A
JP2001091739A JP26800799A JP26800799A JP2001091739A JP 2001091739 A JP2001091739 A JP 2001091739A JP 26800799 A JP26800799 A JP 26800799A JP 26800799 A JP26800799 A JP 26800799A JP 2001091739 A JP2001091739 A JP 2001091739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
pva
syndiotacticity
degree
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26800799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4166384B2 (ja
Inventor
Takanori Isozaki
孝徳 磯▲ざき▼
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP26800799A priority Critical patent/JP4166384B2/ja
Publication of JP2001091739A publication Critical patent/JP2001091739A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4166384B2 publication Critical patent/JP4166384B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光度や透過度等の光学特性および耐久性
(特に、耐湿熱性)に優れる偏光フィルムの製造原料と
して有用な積層フィルム、並びに該積層フィルムからな
る偏光フィルムを提供することにある。 【解決手段】 シンジオタクティシティが48〜54%
のポリビニルアルコール系重合体からなるフィルム層
(A)の片面または両面に、シンジオタクティシティが
55%以上のポリビニルアルコール系重合体からなるフ
ィルム層(B)を有する積層フィルムおよび該積層フィ
ルムからなる偏光フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光度や透過度等
の光学特性および耐久性能に優れる偏光フィルムの製造
原料として有用な積層フィルム、並びに該積層フィルム
からなる偏光フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】光の透過および遮蔽機能を有する偏光板
は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶
ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。こ
のLCDの適用分野も、初期の頃の電卓および腕時計等
の小型機器から、ラップトップパソコン、ワープロ、液
晶カラープロジェクター、車載用ナビゲーションシステ
ム、液晶テレビおよび屋内外の計測機器等の広範囲に広
がり、使用条件も幅広い温度条件や湿度条件で使用され
ることから、従来品以上に偏光性能が高くかつ耐湿熱性
に優れた偏光板が求められている。
【0003】偏光板は一般にポリビニルアルコール系重
合体フィルム(以下、ポリビニルアルコール系重合体を
「PVA」、ポリビニルアルコール系重合体フィルムを
「PVAフィルム」と略記することがある)を一軸延伸
し、染色して作成した偏光フィルムの両外面に、三酢酸
セルロース(TAC)膜などの支持板を貼り合わせた構
成をしている。従来の偏光フィルムは、PVAフィルム
を、一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸し
てから、ホウ素化合物で固定処理を行うことによって製
造されている。
【0004】高偏光性と高耐湿熱性を有する偏光フィル
ムを得る方法として、シンジオタクティシティを高めた
PVAフィルムを用いる方法が提案されている(特開平
3−206402号公報、特開平3−274508号公
報参照)。しかしながら、高シンジオタクティシティP
VAは高結晶性のために二色染料の染色が悪く、また一
軸延伸性が低いために、該高シンジオタクティシティP
VAを単独で使用した場合には、従来の偏光膜の製造技
術では、十分な高偏光性を有する偏光膜が得られないと
いう問題点があった。
【0005】さらに、特開平6−281817号公報に
は、シンジオタクティシティが55%以上の高シンジオ
タクティシティPVAの染色性と延伸性を向上させるた
めに、シンジオタクティシティが48〜54%の低シン
ジオタクティシティPVAを配合したPVA組成物から
なる偏光膜が記載されているが、低シンジオタクティシ
ティPVAを混合することにより、高シンジオタクティ
シティPVAが本来有している耐湿熱性が損なわれると
いう問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、偏光
度や透過度等の光学特性および耐久性能に優れる偏光フ
ィルムの製造原料として有用な積層フィルム、並びに該
積層フィルムからなる偏光フィルムを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために誠意研究した結果、シンジオタクティ
シティが48〜54%のPVAからなるフィルム層の片
面または両面に、高シンジオタクティシティのPVAか
らなるフィルム層を積層することにより、目的とする偏
光フィルムが得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち、本発明は、シンジオタクティシ
ティが48〜54%のPVAからなるフィルム層(A)
の片面または両面に、シンジオタクティシティが55%
以上のPVAからなるフィルム層(B)を有する積層フ
ィルムおよび該積層フィルムからなる偏光フィルムに関
する。
【0009】
【発明の実施の形態】フィルム層(A)を構成するPV
Aのシンジオタクティシティは48〜54%であり、好
ましくは50〜53%である。本明細書におけるタクテ
ィシティ値は、すべて重水素化ジメチルスルホキシド
(d6−DMSO)溶媒中での水酸基の1H−NMRスペ
クトル測定より求まるトライアッドタクティシティ、す
なわちアイソタクティシティ(I)、ヘテロタクティシ
ティ(H)、およびシンジオタクティシティ(S)を用
いてi=I+H/2、s=S+H/2なる計算式によっ
て算出したダイアッド表示によるシンジオタクティシテ
ィ(s)で表した値である。なおiはダイアッド表示に
よるアイソタクティシティを表す。
【0010】シンジオタクティシティが48〜54%の
PVA(以下、該PVAを「低シンジオPVA」と略記
することがある)は、例えば、酢酸ビニルを重合して得
られたポリ酢酸ビニルをけん化することにより製造され
るPVAおよび該PVAに不飽和カルボン酸またはその
誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導体、炭素数2
〜30のα−オレフィン等を15モル%未満の割合で共
重合した変性PVAを挙げることができる。
【0011】低シンジオPVAの重合度は、フィルム強
度の点から500以上が好ましく、偏光性能の点から1
000以上がより好ましく、2400以上がさらに好ま
しい。PVAの重合度の上限はフィルムの製膜性の点か
ら8000以下が好ましい。
【0012】低シンジオPVAのけん化度は、耐久性の
点から90モル%以上が好ましく、95モル%以上がよ
り好ましく、98モル%以上がさらに好ましい。
【0013】フィルム層(B)を構成するPVAのシン
ジオタクティシティは55%以上であり、好ましくは5
7%以上である。シンジオタクティシティの増加は、偏
光膜の耐湿熱性や耐熱性を向上させ、さらに偏光性能を
向上させるものであるが、あまりシンジオタクティシテ
ィが高くなり過ぎると、PVA自体の製造が困難になる
ことから、シンジオタクティシティの上限は好ましくは
70%以下、より好ましくは65%以下である。
【0014】シンジオタクティシティ55%以上のPV
A(以下、該PVAを「高シンジオPVA」と略記する
ことがある)は、例えば、ピバリン酸ビニル、トリフロ
ロ酢酸ビニル、トリクロロ酢酸ビニル、ギ酸ビニルのよ
うに、側鎖の嵩高いビニルエステルまたは極性の高いビ
ニルエステルの重合体の加水分解、もしくはt−ブチル
ビニルエーテルやトリメチルシリルビニルエーテルの分
解によって得られる。これらの中でも、高シンジオタク
ティシティおよび高重合度のポリマーが得られやすく、
かつ得られるPVAの耐水性が良好な、ピバリン酸ビニ
ルの単独重合体または共重合体から得られるPVAが好
適である。ここで共重合体の場合のコモノマー単位は、
けん化によってビニルアルコール単位を生成する単位と
それ以外の単位に分けられる。
【0015】前者の単位はシンジオタクティシティの制
御を目的に共重合されるもので、酢酸ビニル、ギ酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステ
アリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類
であり、共重合量はシンジオタクティシティとの関係で
設定される。
【0016】一方、後者のコモノマーは、主として変性
を目的に共重合されるもので、本発明の趣旨を損なわな
い範囲で使用される。このような単位として、例えばエ
チレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレ
フィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アク
リル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−
エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オク
タデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸およ
びその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
へキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
ドデシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およ
びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよ
びその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルア
ミドおよびその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタ
クリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホ
ン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチル
アミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロール
アクリルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド
誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニル
エーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニ
ルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニ
ルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエー
テル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニ
トリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;酢酸ア
リル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸および
その塩またはそのエステル;イタコン酸およびその塩ま
たはそのエステル;ビニルトリメトキシシラン等のビニ
ルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等を挙げることが
できる。
【0017】高シンジオPVAの重合度は、フィルム強
度の点から500以上が好ましく、偏光性能の点から1
000以上がより好ましく、2400以上がさらに好ま
しい。PVA重合度の上限は8000以下が好ましい。
【0018】高シンジオPVAのけん化度は、耐久性の
点から90モル%以上が好ましく、95モル%以上がよ
り好ましく、98モル%以上がさらに好ましい。
【0019】低シンジオPVAを使用してフィルム層
(A)を製造する方法としては、例えば、PVAを溶媒
に溶解したPVA溶液を使用して、キャスト製膜法、押
出製膜法、乾式製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中への吐
出)、乾湿式製膜法、ゲル製膜法(PVA水溶液を一旦
冷却ゲル化した後、溶媒を抽出除去し、フィルムを得る
方法)、およびこれらの組み合わせによる方法で製造す
ることができる。これらのなかでもキャスト製膜法およ
び乾式製膜法が高偏光性および高耐湿熱性を有する偏光
フィルムが得られることから好ましい。
【0020】フィルム層(A)を製造する際に使用され
る低シンジオPVAを溶解する溶剤としては、例えば、
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリ
コール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、水等を挙げることがで
き、これらのうち1種または2種以上を使用することが
できる。これらのなかでも、ジメチルスルホキシド、
水、あるいはジメチルスルホキシドと水の混合溶媒が好
適に使用される。
【0021】フィルム層(A)を製造する際に使用され
る低シンジオPVA溶液の濃度は、3〜50重量%が好
適である。このPVA溶液には、必要に応じて可塑剤、
界面活性剤、二色性染料等を含有させてもよい。
【0022】フィルム層(A)の厚みは好ましくは5〜
150μmであり、より好ましくは30〜100μmで
ある。
【0023】高シンジオPVAからなるフィルム層
(B)を、低シンジオPVAからなるフィルム層(A)
に積層する方法は、均一な層が構成できるのであれば特
に限定されず、従来公知の積層体の製造方法を用いるこ
とができる。例えば、グラビアロールコーティング、マ
イヤーバーコーティング、リバースロールコーティン
グ、エアーナイフコーティング、あるいはスプレー式等
の方法が挙げられる。
【0024】フィルム層(B)は、フィルム層(A)の
片面のみ、またはフィルム層(A)の両面に積層され
る。初期の偏光性能の点からは、フィルム層(A)の片
面のみにフィルム層(B)を積層すれば充分であるが、
偏光性能の耐久性(特に、耐湿熱性)の点からは、フィ
ルム層(A)の両面にフィルム層(B)を積層するのが
好ましい。
【0025】高シンジオPVAからなるフィルム層
(B)の厚みは、0.5〜5μmが好ましく、1〜3μ
mがより好ましい。フィルム層(B)の厚みをこのよう
に比較的薄く設定すると、積層フィルムの染色性と一軸
延伸性がより向上し、高偏光性能と高耐湿熱性を有する
偏光膜が得られるので好ましい。
【0026】本発明の積層フィルムの厚みは5.5〜1
60μmが好ましく、30〜110μmがより好まし
い。
【0027】本発明の積層フィルムから、偏光フィムル
を製造するには、例えば、該積層フィルムを染色、一軸
延伸、固定処理、および乾燥処理、さらに必要に応じて
熱処理を行えばよい。
【0028】染色は一軸延伸の前、一軸延伸中、一軸延
伸後のいずれでも可能である。染色に用いる染料として
は、ヨウ素−ヨウ化カリウムあるいはDirect black 1
7、19、154;Direct brown 44、106、195、210、223;D
irect red 2、23、28、31、37、39、79、81、240、24
2、247;Direct blue 1、15、22、78、90、98、151、16
8、202、236、249、270;Direct violet 9、12、51、9
8;Direct green 1、85;Direct yellow 8、12、44、8
6、87;Direct orange 26、39、106、107等の二色性染
料などが使用できる。染色は、通常積層フィルムを上記
染料を含有する液体中に浸漬させることにより行うこと
ができるが、その処理条件や処理方法は特に制限される
ものではない。
【0029】一軸延伸は湿式延伸法あるいは乾熱延伸法
が使用でき、温水中または吸水後のフィルムを用いて空
気中で行うことができる。延伸温度は特に限定されない
が、フィルムを温水中で延伸(湿式延伸)する場合は3
0〜90℃が、また乾熱延伸する場合は50〜180℃
が好適である。また一軸延伸の延伸倍率は、偏光性能の
点から4倍以上が好ましく、4.5倍以上がさらに好ま
しい。延伸倍率の上限は特に制限はないが、7倍以下で
あると均一な延伸が得られやすいので好ましい。延伸後
の積層フィルムの厚みは、3〜75μmが好ましく、1
0〜50μmがより好ましい。
【0030】積層フィルムへの上記染料の吸着を強固に
することを目的に、固定処理を行う。固定処理に使用す
る処理浴には、通常ホウ酸およびホウ素化合物が添加さ
れる。また、必要に応じて処理浴中にヨウ素化合物を添
加してもよい。
【0031】乾燥処理は30〜80℃で行うのが好まし
く、また熱処理は50〜150℃で行うのが好ましい。
【0032】以上のようにして得られた本発明の偏光フ
ィルムは、通常、その両面あるいは片面に、光学的に透
明で、かつ機械的強度を有した保護膜を張り合わせて偏
光板として使用される。保護膜としては、通常セルロー
スアセテート系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエ
ステル系フィルム等が使用される。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものでは
ない。なお、実施例中の二色性比は以下の方法により評
価した。
【0034】二色性比:得られた偏光膜の偏光性能を評
価する指標として二色性比を使用した。この二色性比
は、日本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−201
−1983に準拠し、分光光度計を用いて、C光源、2
℃視野にて測定・計算して得た透過率Ts(%)と偏光
度P(%)を使用して下記の式から求めた。
【0035】二色性比=log(Ts/100−Ts/
100×P/100)/log(Ts/100+Ts/
100×P/100)
【0036】実施例1 けん化度99.9モル%、重合度1750、シンジオタ
クティシティ52.2%のポリビニルアルコール(低シ
ンジオPVA)100重量部と、グリセリン10重量部
を含有する、濃度が15重量%の水溶液を、90℃の金
属ロールに流延製膜して乾燥し、厚さ75μmの低シン
ジオPVAフィルムを得た。けん化度99.9%、重合
度1700、シンジオタクティシティ61.3%のポリ
ビニルアルコール(高シンジオPVA)の10重量%水
溶液を、ダイレクトグラビアロールコーターを用いて速
度75m/分で塗布し、150℃乾燥機で乾燥を行い、
それを繰り返して両面にコートした。得られた積層フィ
ルムの厚みは81μmであった。この積層フィルムを予
備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順
に処理して偏光フィルムを作成した。すなわち、積層フ
ィルムを30℃の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨ
ウ素濃度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40
g/リットルの35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続
いて、ホウ酸濃度4%の40℃の水溶液中で5.5倍に
一軸延伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リット
ル、ホウ酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g
/リットルの30℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。フィルムを取り出し、定長下、40℃で熱
風乾燥し、さらに100℃で5分間熱処理を行った。得
られた偏光フィルムの厚みは22μmであった。また、
透過度は43.5%、偏光度は99.4%であり、二色
性比は41.8であった。得られた偏光フィルムを定長
下で、60℃、90%RHの雰囲気下に24時間保管し
ておいたところ、透過度は56.1%、偏光度は68.
1%であり、二色性比は29.3であった。二色性比の
変化率(耐久試験後の二色性比/初期の二色性比)は7
0%であった。
【0037】実施例2 けん化度99.9モル%、重合度4000、シンジオタ
クティシティ52.0%のポリビニルアルコール(低シ
ンジオPVA)100重量部と、グリセリン10重量部
を含有する、濃度が15重量%の水溶液を、90℃の金
属ロールに流延製膜して乾燥し、厚さ75μmの低シン
ジオPVAフィルムを得た。けん化度99.9%、重合
度1700、シンジオタクティシティ61.3%のポリ
ビニルアルコール(高シンジオPVA)の10重量%水
溶液を、ダイレクトグラビアロールコーターを用いて速
度75m/分で塗布し、150℃乾燥機で乾燥を行い、
それを繰り返して両面にコートした。得られた積層フィ
ルムの厚みは81μmであった。この積層フィルムを予
備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順
に処理して偏光膜を作成した。すなわち、積層フィルム
を30℃の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨウ素濃
度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リ
ットルの35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続いて、
ホウ酸濃度4%の45℃の水溶液中で5.1倍に一軸延
伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ
酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リット
ルの30℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行っ
た。フィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥
し、さらに100℃で5分間熱処理を行った。得られた
偏光フィルムの厚みは23μmであった。また、透過度
は43.0%、偏光度は99.9%であり、二色性比は
51.2であった。得られた偏光フィルムを定長下で、
60℃、90%RHの雰囲気下に24時間保管しておい
たところ、透過度は55.2%、偏光度は72.8%で
あり、二色性比は40.1であった。二色性比の変化率
は78%であった。
【0038】比較例1 けん化度99.9モル%、重合度1700、シンジオタ
クティシティ61.3%のポリビニルアルコール(高シ
ンジオPVA)100重量部と、グリセリン10重量部
を含有する、濃度15重量%の水溶液を、90℃の金属
ロールに流延製膜して乾燥し、厚さ75μmの高シンジ
オPVAフィルムを得た。このフィルムを予備膨潤、染
色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して
偏光フィルムを作成した。すなわち、フィルムを30℃
の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.4
g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットルの
35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続いて、ホウ酸濃
度4%の50℃の水溶液中で4.7倍に一軸延伸を行
い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度
40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの3
0℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行った。フ
ィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さら
に100℃で5分間熱処理を行った。得られた偏光フィ
ルムの厚みは24μmであった。また、透過度は44.
1%、偏光度は95.0%であり、二色性比は25.3
であった。得られた偏光フィルムを定長下で、60℃、
90%RHの雰囲気下に24時間保管しておいたとこ
ろ、透過度は49.8%、偏光度は81.1%であり、
二色性比は22.8であった。二色性比の変化率は90
%であった。
【0039】比較例2 けん化度99.9モル%、重合度1700、シンジオタ
クティシティ52.2%のポリビニルアルコール(低シ
ンジオPVA)100重量部と、グリセリン10重量部
を含有する、濃度が15重量%の水溶液を、90℃の金
属ロールに流延製膜して乾燥し、厚さ75μmの低シン
ジオPVAフィルムを得た。このフィルムを予備膨潤、
染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理し
て偏光フィルムを作成した。すなわち、フィルムを30
℃の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.
4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続いて、ホウ酸
濃度4%の35℃の水溶液中で5.0倍に一軸延伸を行
い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度
40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの3
0℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行った。フ
ィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さら
に100℃で5分間熱処理を行った。得られた偏光フィ
ルムの厚みは23μmであった。また、透過度は43.
2%、偏光度は98.5%であり、二色性比は32.8
であった。得られた偏光フィルムを定長下で、60℃、
90%RHの雰囲気下に24時間保管しておいたとこ
ろ、透過度は87.8%、偏光度は10.6%であり、
二色性比は8.2であった。二色性比の変化率は20%
であった。
【0040】比較例3 けん化度99.9モル%、重合度4000、シンジオタ
クティシティ52.0%のポリビニルアルコール(低シ
ンジオPVA)100重量部と、グリセリン10重量部
を含有する、濃度が15重量%の水溶液を、90℃の金
属ロールに流延製膜して乾燥し、厚さ75μmの低シン
ジオPVAフィルムを得た。このフィルムを予備膨潤、
染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理し
て偏光フィルムを作成した。すなわち、フィルムを30
℃の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.
4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続いて、ホウ酸
濃度4%の40℃の水溶液中で5.3倍に一軸延伸を行
い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度
40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの3
0℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行った。フ
ィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さら
に100℃で5分間熱処理を行った。得られた偏光フィ
ルムの厚みは22μmであった。また、透過度は42.
5%、偏光度は99.7%であり、二色性比は40.6
であった。得られた偏光フィルムを定長下で、60℃、
90%RHの雰囲気下に24時間保管しておいたとこ
ろ、透過度は80.3%、偏光度は22.1%であり、
二色性比は23.7であった。二色性比の変化率は58
%であった。
【0041】比較例4 けん化度99.9モル%、重合度1750、シンジオタ
クティシティ52.2%のポリビニルアルコール(低シ
ンジオPVA)80重量部とけん化度99.9モル%、
重合度1700、シンジオタクティシティ61.3%の
ポリビニルアルコール(高シンジオPVA)20重量部
とグリセリン10重量部を水1000重量部に溶解して
なるPVA溶液を、ドラム乾燥製膜機のドラム上に流延
製膜し、80℃で乾燥させた後、熱風炉で120℃で熱
処理して厚さ75μmのフィルムを得た。このフィルム
を予備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理
の順に処理して偏光フィルムを作成した。すなわち、フ
ィルムを30℃の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨ
ウ素濃度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40
g/リットルの35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続
いて、ホウ酸濃度4%の40℃の水溶液中で6.0倍に
一軸延伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リット
ル、ホウ酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g
/リットルの30℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。フィルムを取り出し、定長下、40℃で熱
風乾燥し、さらに100℃で5分間熱処理を行った。得
られた偏光フィルムの厚みは20μmであった。また、
透過度は43.4%、偏光度は99.3%であり、二色
性比は40.0であった。得られた偏光フィルムを定長
下で、60℃、90%RHの雰囲気下に24時間保管し
ておいたところ、透過度は52.3%、偏光度は76.
0%であり、二色性比は25.0であった。二色性比の
変化率は63%であった。
【0042】
【発明の効果】本発明の積層フィルムから製造された偏
光フィルムは、偏光度や透過度等の光学特性および耐久
性能(特に、耐湿熱性)に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA25 BA27 BB43 BC03 BC10 BC22 4F100 AK21 AK21A AK21B AK21C AK21J AL01 BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C BA25 CA13 EH46 EJ37 GB41 JA20B JA20C JJ03 JL00 JL10 JN08 JN10 YY00A YY00B YY00C 4J002 BE021 DA007 DD087 EC056 FD026 FD097 GF00 GP00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクティシティが48〜54%
    のポリビニルアルコール系重合体からなるフィルム層
    (A)の片面または両面に、シンジオタクティシティが
    55%以上のポリビニルアルコール系重合体からなるフ
    ィルム層(B)を有する積層フィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム層(B)の厚みが0.5〜5μ
    mである請求項1記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の積層フィルムか
    らなる偏光フィルム。
JP26800799A 1999-09-22 1999-09-22 積層フィルムおよび偏光フィルム Expired - Lifetime JP4166384B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26800799A JP4166384B2 (ja) 1999-09-22 1999-09-22 積層フィルムおよび偏光フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26800799A JP4166384B2 (ja) 1999-09-22 1999-09-22 積層フィルムおよび偏光フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001091739A true JP2001091739A (ja) 2001-04-06
JP4166384B2 JP4166384B2 (ja) 2008-10-15

Family

ID=17452622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26800799A Expired - Lifetime JP4166384B2 (ja) 1999-09-22 1999-09-22 積層フィルムおよび偏光フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4166384B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103080790A (zh) * 2010-09-03 2013-05-01 日东电工株式会社 薄型偏光膜、具有薄型偏光膜的光学层压体以及薄型偏光膜的生产方法
CN104085157A (zh) * 2014-07-08 2014-10-08 云南云天化股份有限公司 一种聚乙烯醇膜及其制备方法
US10160173B2 (en) 2010-09-09 2018-12-25 Nitto Denko Corporation Method of producing thin polarizing film involving in-air stretching, underwater stretching, and stretching while drying

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103080790A (zh) * 2010-09-03 2013-05-01 日东电工株式会社 薄型偏光膜、具有薄型偏光膜的光学层压体以及薄型偏光膜的生产方法
US9227222B2 (en) 2010-09-03 2016-01-05 Nitto Denko Corporation Thin polarizing film, optical laminate with thin polarizing film, and production method for thin polarizing film
CN103080790B (zh) * 2010-09-03 2016-03-02 日东电工株式会社 薄型偏光膜以及薄型偏光膜的生产方法
US9453953B2 (en) 2010-09-03 2016-09-27 Nitto Denko Corporation Thin polarizing film, optical laminate with thin polarizing film, and production method for thin polarizing film
US10160173B2 (en) 2010-09-09 2018-12-25 Nitto Denko Corporation Method of producing thin polarizing film involving in-air stretching, underwater stretching, and stretching while drying
CN104085157A (zh) * 2014-07-08 2014-10-08 云南云天化股份有限公司 一种聚乙烯醇膜及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4166384B2 (ja) 2008-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20090074710A (ko) 폴리비닐알코올계 중합체 필름 및 편광필름
JP3422759B2 (ja) ポリビニルアルコール系重合体フィルムとその製造法および偏光フィルム
WO1998041887A1 (en) Polarizing film
JP4170015B2 (ja) 偏光板
JP3480920B2 (ja) ポリビニルアルコールフィルムの製造法
JP3476135B2 (ja) 偏光フィルム用ポリビニルアルコールフィルムの製造法
JP4573404B2 (ja) 偏光フィルムの製造方法
JP4592147B2 (ja) ポリビニルアルコールフィルムおよび偏光フィルム
JP4693978B2 (ja) ポリビニルアルコールフィルム及びその製造法
JP4104916B2 (ja) 光学用ポリビニルアルコールフィルムおよびその製造方法
JP3514386B2 (ja) ポリビニルアルコール系重合体フィルムとその製造法
JP4149200B2 (ja) 偏光フィルムの製造法
JP3496825B2 (ja) ポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造法
JP4242021B2 (ja) 積層フィルムおよび偏光フィルム
JP3478534B2 (ja) ポリビニルアルコールフィルムおよび偏光フィルム
JP3478533B2 (ja) ポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造法
JP2001311828A (ja) 偏光フィルム用ポリビニルアルコールフィルムとその製造法および偏光フィルム
JP3145747B2 (ja) 偏光膜
JP4926367B2 (ja) 偏光フィルム
JP4166384B2 (ja) 積層フィルムおよび偏光フィルム
JPH06281816A (ja) 偏光膜の製造法
JP4504524B2 (ja) 延伸フィルムの製造法
JPH08136728A (ja) 偏光フィルム
JP3796198B2 (ja) 偏光フィルムの製造法
JP3516394B2 (ja) 偏光フィルム用ポリビニルアルコールフィルムの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080708

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4166384

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130808

Year of fee payment: 5

EXPY Cancellation because of completion of term