JP2001091739A - 積層フィルムおよび偏光フィルム - Google Patents
積層フィルムおよび偏光フィルムInfo
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Abstract
(特に、耐湿熱性)に優れる偏光フィルムの製造原料と
して有用な積層フィルム、並びに該積層フィルムからな
る偏光フィルムを提供することにある。 【解決手段】 シンジオタクティシティが48〜54%
のポリビニルアルコール系重合体からなるフィルム層
(A)の片面または両面に、シンジオタクティシティが
55%以上のポリビニルアルコール系重合体からなるフ
ィルム層(B)を有する積層フィルムおよび該積層フィ
ルムからなる偏光フィルム。
Description
の光学特性および耐久性能に優れる偏光フィルムの製造
原料として有用な積層フィルム、並びに該積層フィルム
からなる偏光フィルムに関する。
は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶
ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。こ
のLCDの適用分野も、初期の頃の電卓および腕時計等
の小型機器から、ラップトップパソコン、ワープロ、液
晶カラープロジェクター、車載用ナビゲーションシステ
ム、液晶テレビおよび屋内外の計測機器等の広範囲に広
がり、使用条件も幅広い温度条件や湿度条件で使用され
ることから、従来品以上に偏光性能が高くかつ耐湿熱性
に優れた偏光板が求められている。
合体フィルム(以下、ポリビニルアルコール系重合体を
「PVA」、ポリビニルアルコール系重合体フィルムを
「PVAフィルム」と略記することがある)を一軸延伸
し、染色して作成した偏光フィルムの両外面に、三酢酸
セルロース(TAC)膜などの支持板を貼り合わせた構
成をしている。従来の偏光フィルムは、PVAフィルム
を、一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸し
てから、ホウ素化合物で固定処理を行うことによって製
造されている。
ムを得る方法として、シンジオタクティシティを高めた
PVAフィルムを用いる方法が提案されている(特開平
3−206402号公報、特開平3−274508号公
報参照)。しかしながら、高シンジオタクティシティP
VAは高結晶性のために二色染料の染色が悪く、また一
軸延伸性が低いために、該高シンジオタクティシティP
VAを単独で使用した場合には、従来の偏光膜の製造技
術では、十分な高偏光性を有する偏光膜が得られないと
いう問題点があった。
は、シンジオタクティシティが55%以上の高シンジオ
タクティシティPVAの染色性と延伸性を向上させるた
めに、シンジオタクティシティが48〜54%の低シン
ジオタクティシティPVAを配合したPVA組成物から
なる偏光膜が記載されているが、低シンジオタクティシ
ティPVAを混合することにより、高シンジオタクティ
シティPVAが本来有している耐湿熱性が損なわれると
いう問題点があった。
度や透過度等の光学特性および耐久性能に優れる偏光フ
ィルムの製造原料として有用な積層フィルム、並びに該
積層フィルムからなる偏光フィルムを提供することにあ
る。
を解決するために誠意研究した結果、シンジオタクティ
シティが48〜54%のPVAからなるフィルム層の片
面または両面に、高シンジオタクティシティのPVAか
らなるフィルム層を積層することにより、目的とする偏
光フィルムが得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
ティが48〜54%のPVAからなるフィルム層(A)
の片面または両面に、シンジオタクティシティが55%
以上のPVAからなるフィルム層(B)を有する積層フ
ィルムおよび該積層フィルムからなる偏光フィルムに関
する。
Aのシンジオタクティシティは48〜54%であり、好
ましくは50〜53%である。本明細書におけるタクテ
ィシティ値は、すべて重水素化ジメチルスルホキシド
(d6−DMSO)溶媒中での水酸基の1H−NMRスペ
クトル測定より求まるトライアッドタクティシティ、す
なわちアイソタクティシティ(I)、ヘテロタクティシ
ティ(H)、およびシンジオタクティシティ(S)を用
いてi=I+H/2、s=S+H/2なる計算式によっ
て算出したダイアッド表示によるシンジオタクティシテ
ィ(s)で表した値である。なおiはダイアッド表示に
よるアイソタクティシティを表す。
PVA(以下、該PVAを「低シンジオPVA」と略記
することがある)は、例えば、酢酸ビニルを重合して得
られたポリ酢酸ビニルをけん化することにより製造され
るPVAおよび該PVAに不飽和カルボン酸またはその
誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導体、炭素数2
〜30のα−オレフィン等を15モル%未満の割合で共
重合した変性PVAを挙げることができる。
度の点から500以上が好ましく、偏光性能の点から1
000以上がより好ましく、2400以上がさらに好ま
しい。PVAの重合度の上限はフィルムの製膜性の点か
ら8000以下が好ましい。
点から90モル%以上が好ましく、95モル%以上がよ
り好ましく、98モル%以上がさらに好ましい。
ジオタクティシティは55%以上であり、好ましくは5
7%以上である。シンジオタクティシティの増加は、偏
光膜の耐湿熱性や耐熱性を向上させ、さらに偏光性能を
向上させるものであるが、あまりシンジオタクティシテ
ィが高くなり過ぎると、PVA自体の製造が困難になる
ことから、シンジオタクティシティの上限は好ましくは
70%以下、より好ましくは65%以下である。
A(以下、該PVAを「高シンジオPVA」と略記する
ことがある)は、例えば、ピバリン酸ビニル、トリフロ
ロ酢酸ビニル、トリクロロ酢酸ビニル、ギ酸ビニルのよ
うに、側鎖の嵩高いビニルエステルまたは極性の高いビ
ニルエステルの重合体の加水分解、もしくはt−ブチル
ビニルエーテルやトリメチルシリルビニルエーテルの分
解によって得られる。これらの中でも、高シンジオタク
ティシティおよび高重合度のポリマーが得られやすく、
かつ得られるPVAの耐水性が良好な、ピバリン酸ビニ
ルの単独重合体または共重合体から得られるPVAが好
適である。ここで共重合体の場合のコモノマー単位は、
けん化によってビニルアルコール単位を生成する単位と
それ以外の単位に分けられる。
御を目的に共重合されるもので、酢酸ビニル、ギ酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステ
アリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類
であり、共重合量はシンジオタクティシティとの関係で
設定される。
を目的に共重合されるもので、本発明の趣旨を損なわな
い範囲で使用される。このような単位として、例えばエ
チレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレ
フィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アク
リル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−
エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オク
タデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸およ
びその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
へキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
ドデシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およ
びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよ
びその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルア
ミドおよびその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタ
クリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホ
ン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチル
アミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロール
アクリルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド
誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニル
エーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニ
ルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニ
ルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエー
テル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニ
トリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;酢酸ア
リル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸および
その塩またはそのエステル;イタコン酸およびその塩ま
たはそのエステル;ビニルトリメトキシシラン等のビニ
ルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等を挙げることが
できる。
度の点から500以上が好ましく、偏光性能の点から1
000以上がより好ましく、2400以上がさらに好ま
しい。PVA重合度の上限は8000以下が好ましい。
点から90モル%以上が好ましく、95モル%以上がよ
り好ましく、98モル%以上がさらに好ましい。
(A)を製造する方法としては、例えば、PVAを溶媒
に溶解したPVA溶液を使用して、キャスト製膜法、押
出製膜法、乾式製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中への吐
出)、乾湿式製膜法、ゲル製膜法(PVA水溶液を一旦
冷却ゲル化した後、溶媒を抽出除去し、フィルムを得る
方法)、およびこれらの組み合わせによる方法で製造す
ることができる。これらのなかでもキャスト製膜法およ
び乾式製膜法が高偏光性および高耐湿熱性を有する偏光
フィルムが得られることから好ましい。
る低シンジオPVAを溶解する溶剤としては、例えば、
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリ
コール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、水等を挙げることがで
き、これらのうち1種または2種以上を使用することが
できる。これらのなかでも、ジメチルスルホキシド、
水、あるいはジメチルスルホキシドと水の混合溶媒が好
適に使用される。
る低シンジオPVA溶液の濃度は、3〜50重量%が好
適である。このPVA溶液には、必要に応じて可塑剤、
界面活性剤、二色性染料等を含有させてもよい。
150μmであり、より好ましくは30〜100μmで
ある。
(B)を、低シンジオPVAからなるフィルム層(A)
に積層する方法は、均一な層が構成できるのであれば特
に限定されず、従来公知の積層体の製造方法を用いるこ
とができる。例えば、グラビアロールコーティング、マ
イヤーバーコーティング、リバースロールコーティン
グ、エアーナイフコーティング、あるいはスプレー式等
の方法が挙げられる。
片面のみ、またはフィルム層(A)の両面に積層され
る。初期の偏光性能の点からは、フィルム層(A)の片
面のみにフィルム層(B)を積層すれば充分であるが、
偏光性能の耐久性(特に、耐湿熱性)の点からは、フィ
ルム層(A)の両面にフィルム層(B)を積層するのが
好ましい。
(B)の厚みは、0.5〜5μmが好ましく、1〜3μ
mがより好ましい。フィルム層(B)の厚みをこのよう
に比較的薄く設定すると、積層フィルムの染色性と一軸
延伸性がより向上し、高偏光性能と高耐湿熱性を有する
偏光膜が得られるので好ましい。
60μmが好ましく、30〜110μmがより好まし
い。
を製造するには、例えば、該積層フィルムを染色、一軸
延伸、固定処理、および乾燥処理、さらに必要に応じて
熱処理を行えばよい。
伸後のいずれでも可能である。染色に用いる染料として
は、ヨウ素−ヨウ化カリウムあるいはDirect black 1
7、19、154;Direct brown 44、106、195、210、223;D
irect red 2、23、28、31、37、39、79、81、240、24
2、247;Direct blue 1、15、22、78、90、98、151、16
8、202、236、249、270;Direct violet 9、12、51、9
8;Direct green 1、85;Direct yellow 8、12、44、8
6、87;Direct orange 26、39、106、107等の二色性染
料などが使用できる。染色は、通常積層フィルムを上記
染料を含有する液体中に浸漬させることにより行うこと
ができるが、その処理条件や処理方法は特に制限される
ものではない。
が使用でき、温水中または吸水後のフィルムを用いて空
気中で行うことができる。延伸温度は特に限定されない
が、フィルムを温水中で延伸(湿式延伸)する場合は3
0〜90℃が、また乾熱延伸する場合は50〜180℃
が好適である。また一軸延伸の延伸倍率は、偏光性能の
点から4倍以上が好ましく、4.5倍以上がさらに好ま
しい。延伸倍率の上限は特に制限はないが、7倍以下で
あると均一な延伸が得られやすいので好ましい。延伸後
の積層フィルムの厚みは、3〜75μmが好ましく、1
0〜50μmがより好ましい。
することを目的に、固定処理を行う。固定処理に使用す
る処理浴には、通常ホウ酸およびホウ素化合物が添加さ
れる。また、必要に応じて処理浴中にヨウ素化合物を添
加してもよい。
く、また熱処理は50〜150℃で行うのが好ましい。
ィルムは、通常、その両面あるいは片面に、光学的に透
明で、かつ機械的強度を有した保護膜を張り合わせて偏
光板として使用される。保護膜としては、通常セルロー
スアセテート系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエ
ステル系フィルム等が使用される。
するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものでは
ない。なお、実施例中の二色性比は以下の方法により評
価した。
価する指標として二色性比を使用した。この二色性比
は、日本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−201
−1983に準拠し、分光光度計を用いて、C光源、2
℃視野にて測定・計算して得た透過率Ts(%)と偏光
度P(%)を使用して下記の式から求めた。
100×P/100)/log(Ts/100+Ts/
100×P/100)
クティシティ52.2%のポリビニルアルコール(低シ
ンジオPVA)100重量部と、グリセリン10重量部
を含有する、濃度が15重量%の水溶液を、90℃の金
属ロールに流延製膜して乾燥し、厚さ75μmの低シン
ジオPVAフィルムを得た。けん化度99.9%、重合
度1700、シンジオタクティシティ61.3%のポリ
ビニルアルコール(高シンジオPVA)の10重量%水
溶液を、ダイレクトグラビアロールコーターを用いて速
度75m/分で塗布し、150℃乾燥機で乾燥を行い、
それを繰り返して両面にコートした。得られた積層フィ
ルムの厚みは81μmであった。この積層フィルムを予
備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順
に処理して偏光フィルムを作成した。すなわち、積層フ
ィルムを30℃の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨ
ウ素濃度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40
g/リットルの35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続
いて、ホウ酸濃度4%の40℃の水溶液中で5.5倍に
一軸延伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リット
ル、ホウ酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g
/リットルの30℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。フィルムを取り出し、定長下、40℃で熱
風乾燥し、さらに100℃で5分間熱処理を行った。得
られた偏光フィルムの厚みは22μmであった。また、
透過度は43.5%、偏光度は99.4%であり、二色
性比は41.8であった。得られた偏光フィルムを定長
下で、60℃、90%RHの雰囲気下に24時間保管し
ておいたところ、透過度は56.1%、偏光度は68.
1%であり、二色性比は29.3であった。二色性比の
変化率(耐久試験後の二色性比/初期の二色性比)は7
0%であった。
クティシティ52.0%のポリビニルアルコール(低シ
ンジオPVA)100重量部と、グリセリン10重量部
を含有する、濃度が15重量%の水溶液を、90℃の金
属ロールに流延製膜して乾燥し、厚さ75μmの低シン
ジオPVAフィルムを得た。けん化度99.9%、重合
度1700、シンジオタクティシティ61.3%のポリ
ビニルアルコール(高シンジオPVA)の10重量%水
溶液を、ダイレクトグラビアロールコーターを用いて速
度75m/分で塗布し、150℃乾燥機で乾燥を行い、
それを繰り返して両面にコートした。得られた積層フィ
ルムの厚みは81μmであった。この積層フィルムを予
備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順
に処理して偏光膜を作成した。すなわち、積層フィルム
を30℃の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨウ素濃
度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リ
ットルの35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続いて、
ホウ酸濃度4%の45℃の水溶液中で5.1倍に一軸延
伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ
酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リット
ルの30℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行っ
た。フィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥
し、さらに100℃で5分間熱処理を行った。得られた
偏光フィルムの厚みは23μmであった。また、透過度
は43.0%、偏光度は99.9%であり、二色性比は
51.2であった。得られた偏光フィルムを定長下で、
60℃、90%RHの雰囲気下に24時間保管しておい
たところ、透過度は55.2%、偏光度は72.8%で
あり、二色性比は40.1であった。二色性比の変化率
は78%であった。
クティシティ61.3%のポリビニルアルコール(高シ
ンジオPVA)100重量部と、グリセリン10重量部
を含有する、濃度15重量%の水溶液を、90℃の金属
ロールに流延製膜して乾燥し、厚さ75μmの高シンジ
オPVAフィルムを得た。このフィルムを予備膨潤、染
色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して
偏光フィルムを作成した。すなわち、フィルムを30℃
の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.4
g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットルの
35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続いて、ホウ酸濃
度4%の50℃の水溶液中で4.7倍に一軸延伸を行
い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度
40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの3
0℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行った。フ
ィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さら
に100℃で5分間熱処理を行った。得られた偏光フィ
ルムの厚みは24μmであった。また、透過度は44.
1%、偏光度は95.0%であり、二色性比は25.3
であった。得られた偏光フィルムを定長下で、60℃、
90%RHの雰囲気下に24時間保管しておいたとこ
ろ、透過度は49.8%、偏光度は81.1%であり、
二色性比は22.8であった。二色性比の変化率は90
%であった。
クティシティ52.2%のポリビニルアルコール(低シ
ンジオPVA)100重量部と、グリセリン10重量部
を含有する、濃度が15重量%の水溶液を、90℃の金
属ロールに流延製膜して乾燥し、厚さ75μmの低シン
ジオPVAフィルムを得た。このフィルムを予備膨潤、
染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理し
て偏光フィルムを作成した。すなわち、フィルムを30
℃の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.
4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続いて、ホウ酸
濃度4%の35℃の水溶液中で5.0倍に一軸延伸を行
い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度
40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの3
0℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行った。フ
ィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さら
に100℃で5分間熱処理を行った。得られた偏光フィ
ルムの厚みは23μmであった。また、透過度は43.
2%、偏光度は98.5%であり、二色性比は32.8
であった。得られた偏光フィルムを定長下で、60℃、
90%RHの雰囲気下に24時間保管しておいたとこ
ろ、透過度は87.8%、偏光度は10.6%であり、
二色性比は8.2であった。二色性比の変化率は20%
であった。
クティシティ52.0%のポリビニルアルコール(低シ
ンジオPVA)100重量部と、グリセリン10重量部
を含有する、濃度が15重量%の水溶液を、90℃の金
属ロールに流延製膜して乾燥し、厚さ75μmの低シン
ジオPVAフィルムを得た。このフィルムを予備膨潤、
染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理し
て偏光フィルムを作成した。すなわち、フィルムを30
℃の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.
4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続いて、ホウ酸
濃度4%の40℃の水溶液中で5.3倍に一軸延伸を行
い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度
40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの3
0℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行った。フ
ィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さら
に100℃で5分間熱処理を行った。得られた偏光フィ
ルムの厚みは22μmであった。また、透過度は42.
5%、偏光度は99.7%であり、二色性比は40.6
であった。得られた偏光フィルムを定長下で、60℃、
90%RHの雰囲気下に24時間保管しておいたとこ
ろ、透過度は80.3%、偏光度は22.1%であり、
二色性比は23.7であった。二色性比の変化率は58
%であった。
クティシティ52.2%のポリビニルアルコール(低シ
ンジオPVA)80重量部とけん化度99.9モル%、
重合度1700、シンジオタクティシティ61.3%の
ポリビニルアルコール(高シンジオPVA)20重量部
とグリセリン10重量部を水1000重量部に溶解して
なるPVA溶液を、ドラム乾燥製膜機のドラム上に流延
製膜し、80℃で乾燥させた後、熱風炉で120℃で熱
処理して厚さ75μmのフィルムを得た。このフィルム
を予備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理
の順に処理して偏光フィルムを作成した。すなわち、フ
ィルムを30℃の水中に5分間浸漬して予備膨潤し、ヨ
ウ素濃度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40
g/リットルの35℃の水溶液中に3分間浸漬した。続
いて、ホウ酸濃度4%の40℃の水溶液中で6.0倍に
一軸延伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リット
ル、ホウ酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g
/リットルの30℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。フィルムを取り出し、定長下、40℃で熱
風乾燥し、さらに100℃で5分間熱処理を行った。得
られた偏光フィルムの厚みは20μmであった。また、
透過度は43.4%、偏光度は99.3%であり、二色
性比は40.0であった。得られた偏光フィルムを定長
下で、60℃、90%RHの雰囲気下に24時間保管し
ておいたところ、透過度は52.3%、偏光度は76.
0%であり、二色性比は25.0であった。二色性比の
変化率は63%であった。
光フィルムは、偏光度や透過度等の光学特性および耐久
性能(特に、耐湿熱性)に優れている。
Claims (3)
- 【請求項1】 シンジオタクティシティが48〜54%
のポリビニルアルコール系重合体からなるフィルム層
(A)の片面または両面に、シンジオタクティシティが
55%以上のポリビニルアルコール系重合体からなるフ
ィルム層(B)を有する積層フィルム。 - 【請求項2】 フィルム層(B)の厚みが0.5〜5μ
mである請求項1記載の積層フィルム。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の積層フィルムか
らなる偏光フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26800799A JP4166384B2 (ja) | 1999-09-22 | 1999-09-22 | 積層フィルムおよび偏光フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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