JP2010191389A - 偏光板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリビニルアルコール系偏光フィルムに接着剤層を介して保護フィルムが積層された偏光板において、接着剤層を改良することによって偏光フィルムと保護フィルムとの間の接着性及び耐温水性が向上された偏光板を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコール(PVA)系接着剤層を介して保護フィルムが積層されており、その接着剤層は、アセトアセチル基変性PVA系樹脂及び下式(I)のグリオキシル酸塩を含有し、アセトアセチル基変性PVA系樹脂が水100重量部に対して1〜8重量部、アセトアセチル基変性PVA系樹脂とグリオキシル酸塩の固形分重量比が1:0.03〜0.25、pHが4〜10の範囲にある水溶液からなる接着剤組成物から形成されている偏光板が提供される。式(I)中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、nは1又は2を表す。
【化1】
Figure 2010191389

【選択図】なし

Description

本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂で形成された偏光フィルムの少なくとも片面に接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板、及びその製造方法に関するものである。
偏光板は、通常、二色性色素が吸着配向したポリビニルアルコール系樹脂で形成された偏光フィルムの片面又は両面に、接着剤層を介して保護フィルムが積層された構成となっている。偏光板は、液晶表示装置の構成部品として、必要により他の光学系フィルムを介して、液晶セルに粘着剤で貼り合わせられる。
液晶表示装置は、その用途が拡大するにつれて、様々な環境で使用されるようになってきている。そのため、液晶表示装置を構成する部品には高い耐環境性が要求されている。例えば、携帯電話に代表されるモバイル用途の液晶表示装置では、湿熱下での使用も可能であることが要望され、そこに使用される偏光板についても高い耐湿熱耐久性が要求されている。しかしながら、従来の構成の偏光板では、特に湿熱環境下に長時間曝されると、偏光性能が低下しやすく、また、偏光フィルムと保護フィルムの界面が剥離しやすくなるという問題があった。
このような問題に対し、特開平9−318814号公報(特許文献1)、特開2005−173440号公報(特許文献2)、及び特開2005−10760号公報(特許文献3)には、偏光板の保護フィルムとして、トリアセチルセルロースに代表されるセルロース系樹脂で形成された透明樹脂フィルムを用い、当該保護フィルムをポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに貼り合わせるための各種接着剤が提案されている。すなわち、これらの公報には、偏光フィルムと保護フィルムの間に塗布される接着剤として、ポリビニルアルコール系樹脂に金属アルコキシド化合物を配合したもの、ポリビニルアルコールにアセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂を混合し、さらにグリオキザールを配合したもの、また、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂にメチロール基を有する化合物を架橋剤として特定の配合割合で配合したものが開示されている。これらの接着剤を用いることで、偏光板の耐水性を高めることができるものの、上記のような用途拡大に伴って、耐水性、特に耐湿熱性ないし耐温水性の一層の向上が望まれている。
一方、偏光板の保護フィルムとして、熱可塑性シクロオレフィン系樹脂を用いることが提案されており、この場合、シクロオレフィン系樹脂フィルムは、接着剤層を介してポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに貼り合わされることになる。例えば、特開2005−70140号公報(特許文献4)、特開2005−181817号公報(特許文献5)、及び特開2005−208456号公報(特許文献6)には、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに、ウレタン樹脂、特にポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂を含む水系の接着剤を介して、シクロオレフィン系樹脂フィルムを積層することが記載されている。このような水系接着剤を用いれば、ロール・トゥ・ロール方式によりポリビニルアルコール系樹脂で形成された偏光フィルムにシクロオレフィン系保護フィルムを直接積層することができる。
また、特開2008−89953号公報(特許文献7)には、バックライト、光入射側偏光板、液晶セル、及び光出射側偏光板がこの順に配置された液晶表示装置において、入射側偏光板のセル側保護フィルムは二軸配向性のシクロオレフィン系樹脂フィルムで構成し、出射側偏光板のセル側保護フィルムは二軸配向性の酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成することが開示されている。
特開平9−318814号公報 特開2005−173440号公報 特開2005−10760号公報 特開2005−70140号公報 特開2005−181817号公報 特開2005−208456号公報 特開2008−89953号公報
本発明の目的は、ポリビニルアルコール系樹脂で形成された偏光フィルムの少なくとも片面に接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板において、接着剤層を改良することによって偏光フィルムと保護フィルムとの間の接着性及び耐温水性が向上された偏光板を提供することである。
本発明はまた、水系の接着剤を用いて、ポリビニルアルコール系樹脂で形成された偏光フィルムと保護フィルムとを強固に接着でき、なおかつ偏光度の高い偏光板を製造する方法を提供することもその目的とする。
本発明者らは、かかる目的のもとで鋭意研究を行った結果、偏光フィルムと保護フィルムとを接合する接着剤として、特定の成分を配合した水系の配合物を用いることにより、貼合後の接着性及び耐水性に優れた高偏光度の偏光板が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂で形成された偏光フィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコール系接着剤層を介して保護フィルムが積層されており、前記接着剤層は、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂及び下式(I)で示されるグリオキシル酸塩を含有し、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が水100重量部に対して1〜8重量部であり、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂と前記グリオキシル酸塩の固形分重量比が1:0.03〜0.25であり、pHが4〜10の範囲にある水溶液からなる接着剤組成物を用いて形成されているものである。
Figure 2010191389
式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表し、nはMの価数に対応して1又は2を表す。
上記した本発明の偏光板において、接着剤組成物は、粘度が3〜25mPa・secの範囲にあることが好ましい。また、この接着剤組成物は、さらに水溶性の触媒を含有することができる。
上記の保護フィルムは、酢酸セルロース系樹脂及びシクロオレフィン系樹脂から選ばれる樹脂で構成するのが好ましい。好ましい一形態として、偏光フィルムの両面に前記接着剤層を介して酢酸セルロース系樹脂からなる保護フィルムが積層されたものを挙げることができる。そのなかでも好ましい形態は、偏光フィルムの両面に前記接着剤層を介して保護フィルムが積層されており、一方の保護フィルムは、面内の位相差値が0〜20nm、厚み方向の位相差値が20〜80nmの酢酸セルロース系樹脂からなり、他方の保護フィルムは、面内の位相差値が30〜80nm、厚み方向の位相差値が80〜250nmの酢酸セルロール系樹脂からなるものである。別の好ましい形態は、偏光フィルムの両面に前記接着剤層を介して保護フィルムが積層されており、一方の保護フィルムは、面内の位相差値が0〜20nm、厚み方向の位相差値が20〜80nmの酢酸セルロース系樹脂からなり、他方の保護フィルムは、面内の位相差値が0〜10nm、厚み方向の位相差値が−25〜25nmの酢酸セルロール系樹脂からなるものである。別の好ましい一形態として、偏光フィルムの両面に前記接着剤層を介して保護フィルムが積層されており、一方の保護フィルムは酢酸セルロース系樹脂からなり、他方の保護フィルムはシクロオレフィン系樹脂からなるものを挙げることができる。
また、本発明による偏光板の製造方法は、ポリビニルアルコール系樹脂で形成された偏光フィルムの少なくとも片面に、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂及び前記式(I)で示されるグリオキシル酸塩を含有し、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が水100重量部に対して1〜8重量部であり、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂と前記グリオキシル酸塩の固形分重量比が1:0.03〜0.25であり、pHが4〜10の範囲にある水溶液からなる接着剤組成物を介して、保護フィルムを積層するものである。
本発明の偏光板は、偏光フィルムと保護フィルムとの接着性に優れ、従来品と比較して特に耐湿熱性ないし耐温水性に優れたものとなる。また、従来品と比較して遜色のない偏光性能を示すものとなる。特にこの偏光板は、偏光度が高くなることも併せて見出した。さらに本発明によれば、偏光板の製造に際して基本的に有機溶剤を使う必要がないことから、環境面、安全衛生面で優れるとともに、従来からの保護フィルム/偏光フィルムからなる偏光板と同じ設備で製造することができ、大きな設備投資をする必要もない。
後述する実施例における耐水性の評価試験方法を模式的に示す図であって、(A)は温水浸漬前のサンプル1、(B)は温水浸漬後のサンプル1を示す。
本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの少なくとも片面に、ポリビニルアルコール系接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる構成を基本的に備えるものである。以下、本発明の偏光板を構成する各部材及びその構成原料について、詳細に説明する。
[偏光フィルム]
偏光フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体などが例示される。酢酸ビニルに共重合される他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%、好ましくは98モル%以上である。このポリビニルアルコール系樹脂はさらに変性されていてもよく、例えばアルデヒド類で変性されたポリビニルポリマールやポリビニルアセタールなども使用し得る。また、偏光フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常1,000〜10,000、好ましくは1,500〜5,000である。
かかるポリビニルアルコール系樹脂をフィルム状に製膜したもの(ポリビニルアルコール系樹脂フィルム)が、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。原反となるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの膜厚は特に限定されないが、例えば10〜150μmである。
偏光フィルムは通常、このようなポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びこのホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て、製造される。
一軸延伸は、染色の前に行ってもよいし、染色と同時に行ってもよいし、染色の後に行ってもよい。一軸延伸を染色の後で行う場合には、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。もちろん、これらの複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、大気中で延伸を行うなどの乾式延伸であってもよいし、溶剤にて膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色するには、例えば、二色性色素を含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬すればよい。二色性色素として具体的には、ヨウ素又は二色性染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は通常、水100重量部あたり0.01〜1重量部であり、ヨウ化カリウムの含有量は通常、水100重量部あたり0.5〜20重量部である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1800秒である。
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は通常、水溶性二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、水100重量部あたり、通常1×10-4〜10重量部、好ましくは1×10-3〜1重量部である。この水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる染料水溶液の温度は、通常20〜80℃であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1,800秒である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行われる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有するのが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり、通常0.1〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常60〜1200秒、好ましくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜400秒である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、より好ましくは60〜80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行われる。水洗処理における水の温度は通常5〜40℃であり、浸漬時間は通常1〜120秒である。水洗後は乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は通常、熱風乾燥機や遠赤外線ヒータを用いて行われる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒であり、好ましくは120〜600秒である。
こうして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色及びホウ酸処理が施されて、偏光フィルムが得られる。この偏光フィルムの厚みは、通常5〜40μmの範囲内、好ましくは10〜35μmの範囲内である。
[接着剤層]
本発明では、上述した偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムを積層するにあたり、特定組成の接着剤組成物を用いて、偏光フィルムと保護フィルムを接着するための接着剤層を形成する。具体的には、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂及び前記式(I)で示されるグリオキシル酸塩を含有し、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が水100重量部に対して1〜8重量部であり、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂とグリオキシル酸塩の固形分重量比が1:0.03〜0.25であり、pHが4〜10の範囲にある水溶液からなる接着剤組成物を用いる。この接着剤組成物は、環境面や作業者の健康面に影響を及ぼす懸念がない、実質的に有機溶剤を含有しない水系接着剤でありながらも、ポリビニルアルコール系樹脂で形成された偏光フィルムと保護フィルムとを強固に接着できるものである。
〈アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂〉
本発明では、接着剤を構成するポリビニルアルコール系樹脂として、アセトアセチル基で変性されたものを用いる。アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂とは、ポリビニルアルコール骨格の中に、アセトアセチル基(−CH3COCH2CO−)を有する単位を含むポリマーであり、そのほかの基、例えばアセチル基などを有していてもよい。このアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂は、適度の重合度を有していることが好ましい。重合度の指標として、4重量%濃度の水溶液としたときの粘度を採用することができる。そして、このアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂は、4重量%濃度の水溶液としたときの20℃における粘度が4〜50mPa・secの範囲内にあることが好ましく、さらには6〜30mPa・secの範囲内にあることがより好ましい。この粘度が高いと、接着剤水溶液としたときの取扱い性や塗工性が低下する傾向にあり、またこの粘度が低いと、接着性が不十分となりやすい傾向にある。
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂におけるアセトアセチル基の含有量は、0.1モル%以上であるのが、接着剤層に適度の耐水性を付与できることから、好ましい。ここでいうアセトアセチル基の含有量とは、ポリビニルアルコール系樹脂における水酸基、アセトアセチル基、及びその他のエステル基(アセチル基など)の合計量に対するアセトアセチル基のモル分率を%で表示した値であり、以下、「アセトアセチル化度」と呼ぶことがある。アセトアセチル化度の上限は特に制限されないが、アセトアセチル化度が高すぎると、水溶性が低下するとともに、架橋剤を用いても接着剤層の耐水性が上がらなくなる傾向が出てくることから、0.1〜20モル%程度の範囲とするのがより好ましい。
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度も特に制限されないが、80モル%以上であることが好ましく、さらには85モル%以上であることがより好ましい。接着剤組成物に含まれるポリビニルアルコール系樹脂のケン化度が低いと、十分な水溶性が発現しにくくなることから、接着性が不十分になりやすい傾向にある。
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法は特に制限されるものでなく、例えば、ポリビニルアルコールとジケテンとを反応させる方法、ポリビニルアルコールとアセト酢酸エステルのエステル交換反応による方法、ビニルエステル系単量体とアセト酢酸エステルの共重合体をケン化する方法などを挙げることができる。なかでも、製造工程が簡略で、品質の良いアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が得られることから、ポリビニルアルコールとジケテンの反応による方法が好ましく用いられる。
かかるポリビニルアルコールとジケテンの反応は、ポリビニルアルコールとジケテンを直接反応させてもよいが、ポリビニルアルコールを予め有機酸によって膨潤させておき、これに、ガス状若しくは液状のジケテン、又はジケテンと有機酸の混合物を噴霧し、攪拌しながら反応させる方法が好ましい。原料として用いるポリビニルアルコールは、一般的にはビニルエステル系単量体の重合体であるポリビニルエステルをケン化することによって得られ、かかるビニルエステル系単量体としては、経済性の観点から酢酸ビニルが好ましく用いられる。また、ここで用いるポリビニルアルコールは変性されていないものが最も好ましいが、本発明の特性を大きく阻害しない範囲であれば、ビニルエステル系単量体と、これと共重合性を有する公知の単量体との共重合体をケン化して得られた変性ポリビニルアルコールを用いることも可能である。
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂を製造する際に用いられるポリビニルアルコールは特に限定されないが、偏光板における偏光フィルムと保護フィルムとの間の高い接着性を発現させるためには、平均重合度が100〜3,000、さらには500〜3,000の範囲にあることが好ましく、また平均ケン化度が80〜100モル%、さらには85〜100モル%の範囲にあることが好ましい。
このようなアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂として、市販されている適宜のポリビニルアルコール系樹脂、具体的には、ゴーセファイマーZシリーズ〔日本合成化学工業(株)製〕などを好適に用いることができる。
〈グリオキシル酸塩〉
本発明に用いられる接着剤組成物は、上述したアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂に加え、前記式(I)で示されるグリオキシル酸塩を含有する。
このグリオキシル酸塩は、グリオキシル酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩である。アルカリ金属及びアルカリ土類金属はいずれも電気陰性度が小さい元素であり、そのカルボン酸塩は化学的性質が類似しており、さらにアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの架橋剤として機能するのは、グリオキシル酸塩のアルデヒド部分であることから、本発明において、グリオキシル酸のアルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩は、同様の作用効果が得られるものと推定される。
前記式(I)に相当するグリオキシル酸塩の具体的化合物名を挙げると、例えば、Mがアルカリ金属のものとして、グリオキシル酸リチウム、グリオキシル酸ナトリウム、グリオキシル酸カリウムなどがあり、Mがアルカリ土類金属のものとして、グリオキシル酸マグネシウム、グリオキシル酸カルシウム、グリオキシル酸ストロンチウム、グリオキシル酸バリウムなどがある。なかでも、水に溶けやすいことからアルカリ金属塩が好ましく、グリオキシル酸ナトリウムが特に好ましい。
かかるグリオキシル酸塩の製造方法は特に制限されるものでなく、公知の方法を用いることができるが、製造が簡単で精製が容易なことから、グリオキシル酸とアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物の中和反応による方法が好ましく用いられる。
〈接着剤組成物〉
本発明に用いられる接着剤組成物は、上述したアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂とグリオキシル酸塩を水に溶解して水溶液としたものである。この水溶液におけるポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、水100重量部に対して1〜8重量部の範囲とする。ポリビニルアルコール系樹脂の濃度が水100重量部に対して1重量部未満である場合には、接着性が低下しやすい傾向にあり、また、ポリビニルアルコール系樹脂の濃度が水100重量部に対して8重量部を超える場合には、得られる偏光板の光学特性が低下しやすい傾向にある。水100重量部に対するアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の量は、1〜5重量部の範囲にあることがより好ましい。なお、本発明における接着剤組成物に用いられる水は、純水、超純水、水道水など特に制限されないが、形成される接着剤層の均一性、透明性を保持する観点からは、純水又は超純水が好ましい。
この接着剤組成物において、上述したアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂とグリオキシル酸塩との固形分重量比は、上記ポリビニルアルコール系樹脂1に対してグリオキシル酸塩が0.03〜0.25の範囲とする。ポリビニルアルコール系樹脂に対するグリオキシル酸塩の重量比が0.03未満である場合には、偏光板としたときの接着剤層の耐水性が十分に発現しにくくなるためであり、また、ポリビニルアルコール系樹脂に対するグリオキシル酸塩の重量比が0.25を超える場合には、得られる偏光板の光学特性が低下しやすくなるためである。なお、耐水性と光学特性とのバランスの観点からは、接着剤組成物におけるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系とグリオキシル酸塩との固形分重量比は、1:0.05〜0.2の範囲にあることがより好ましい。
また、この接着剤組成物(水溶液)は、そのpHを4〜10の範囲にして使用する。この水溶液のpHが4未満である場合には、偏光板としたときの耐水性が十分に発現できないためであり、一方、この水溶液のpHが10を超える場合には、接着剤水溶液のポットライフが短くなるためである。取り扱いの安全性の観点からは、この接着剤組成物のpHを8以下とするのが好ましい。
この接着剤組成物は、20℃における粘度が3〜25mPa・secの範囲にあることが好ましい。接着剤組成物の粘度が3mPa・sec未満である場合には、偏光板としたときの耐水性が十分に発現できないためであり、一方、その粘度が25mPa・secを超える場合には、得られる偏光板の光学特性が低下しやすいためである。
この接着剤組成物は、さらに水溶性の触媒を含有してもよい。本発明に用いることができる水溶性の触媒として、例えば、ピペリジン、ピロリジン、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム、三フッ化ホウ素−エーテレート、酸化バリウム、ヨウ化アルキルなどを挙げることができる。水溶性の触媒を配合する場合は、上記ポリビニルアルコール系樹脂1に対する触媒の固形分重量比が0.005〜0.2の範囲となるようにすることが好ましい。
本発明における接着剤層は、上述した接着剤組成物に、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、架橋剤、可塑剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、微粒子など、従来公知の適宜の添加剤が添加されたものを用いて形成されてもよい。
以上説明したアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂及びグルタル酸塩を含有する水溶液からなる接着剤組成物を介して、偏光フィルムと保護フィルムを貼合し、乾燥して溶剤である水を除去することにより、接着剤層が形成される。この接着剤層の厚みは特に制限されるものでないが、通常0.001〜5μm、好ましくは0.01〜2μm、より好ましくは0.03〜0.5μmである。接着剤層の厚みが5μmを超える場合には、偏光板の外観不良となりやすい。
[保護フィルム]
本発明の偏光板は、偏光フィルムの少なくとも片面に、上述の接着剤層を介して保護フィルムが積層されたものである。保護フィルムとしては、例えば、セルロース系樹脂フィルム、シクロオレフィン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルムなど、各種の透明樹脂フィルムを用いることができる。
保護フィルムとしてセルロース系樹脂を用いる場合は、セルロースの少なくとも一部が酢酸エステル化された酢酸セルロース系樹脂が好適である。例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。
このような酢酸セルロース系樹脂フィルムとしては、適宜の市販品を用いることができる。例えば、富士フイルム(株)から販売されている“フジタックTD80”、“フジタックTD80UF”及び“フジタックTD80UZ”、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“KC8UX2M”及び“KC8UY”など(いずれも商品名)が、好適なものとして挙げられる。
シクロオレフィン系樹脂は、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような、シクロオレフィンのモノマーユニットを有する熱可塑性の樹脂であり、上記シクロオレフィンの開環重合体や2種以上のシクロオレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であることができるほか、シクロオレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との付加共重合体であってもよい。また、極性基が導入されていてもよい。
市販の熱可塑性シクロオレフィン系樹脂としては、例えば、ドイツのTopas Advanced Polymers GmbH から販売されている“TOPAS”、JSR(株)から販売されている“アートン”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノア”(ZEONOR)及び“ゼオネックス”(ZEONEX)、三井化学(株)から販売されている“アペル”など(いずれも商品名)がある。
このようなシクロオレフィン系樹脂を製膜してフィルムとするにあたり、製膜には、溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の製膜手法が適宜用いられる。製膜されたシクロオレフィン系樹脂フィルムや、さらに延伸して位相差が付与されたシクロオレフィン系樹脂フィルムも市販されている。例えば、JSR(株)から販売されている“アートンフィルム”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノアフィルム”、積水化学工業(株)から販売されている“エスシーナ”及び“SCA40”など(いずれも商品名)があり、これらを好適に用いることができる。
偏光フィルムに積層されるこれらの保護フィルムは、必要により他の透明樹脂層、例えばコーティングによって形成される樹脂層に置き換えたり、位相差が付与されていたりしてもよい。
一般的な液晶表示装置においては、より優れた表示性能を得るために、偏光板の液晶セル側に位相差フィルムを設置したり、偏光板の液晶セル側となる保護フィルム自体に位相差を持たせたりするなどして、補償機能を付与した偏光板が好ましく用いられる。位相差フィルムや位相差が付与された保護フィルムにおける位相差値は、液晶のモードや目的とする画質などに応じて、適切な値を任意に選択できる。
例えば、垂直配向(VA)モードの液晶表示装置に対する補償機能を偏光板に付与する場合、光入射側偏光板の液晶セル側に配置される保護フィルム、及び光出射側偏光板の液晶セル側に配置される保護フィルムのうち少なくとも一方は、位相差フィルムの機能を兼ね備えるものであることが好ましい。この場合、位相差フィルムの機能を兼ね備える保護フィルムは、面内に遅相軸及び進相軸が存在する。遅相軸と進相軸は、それぞれ面内で直交する関係になる。
一般に、光学異方性を示すフィルムについて、面内位相差Ro 及び厚み方向位相差Rthは、面内の遅相軸方向の屈折率をnx、面内で遅相軸と直交する方向(進相軸方向)の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、そして厚みをdとしたときに、以下の式(1)及び(2)で定義される。
Ro =(nx−ny)×d (1)
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (2)
VAモードの液晶セルに対して有効な補償機能を有する偏光板とする場合、光入射側偏光板及び光出射側偏光板のそれぞれ、液晶セル側に位置する保護フィルムのうち少なくとも一方は、面内の位相差値Ro が30〜80nm、そして厚み方向の位相差値Rthが80〜250nmの範囲にあることが好ましい。またこの場合は、位相差を有する保護フィルムの遅相軸方向が、貼り合わされている偏光フィルムの吸収軸方向と実質的に直交関係となるように配置されていることが好ましい。液晶セルの両面に配置される偏光板のそれぞれ液晶セル側に位置する保護フィルムの両方を、このような位相差値を有するフィルムで構成することは、一層好ましい。
VAモードの液晶セルに貼合して用いられる偏光板において、液晶セル側となる保護フィルムの面内の位相差値Ro が30nmを下回ると、偏光軸の視角補償が不十分となり、黒表示での斜角からの光抜けが増大して視野角が狭くなる傾向にある。一方、その値が80nmを超えると、逆に視角が過補償されて光抜けに悪影響を与えることがある。また、厚み方向の位相差値Rthも面内の位相差値と同様、小さすぎると液晶層の視角補償が不十分となり、逆に大きすぎると過補償される状態となる傾向にある。
酢酸セルロース系樹脂フィルムは、延伸することで任意の位相差値を付与することができる。VAモードの液晶セルの補償に適した位相差が発現された酢酸セルロース系樹脂フィルムとしては、延伸により二軸配向性の位相差を発現させたものが市販されている。例えば、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“KC8UCR−5”、“KC4FR−T”、“KC4HR−T”など(いずれも商品名)がある。このような位相差が付与された酢酸セルロース系樹脂フィルムは、液晶セル側となる保護フィルムとして、好ましく適用できる。
また、シクロオレフィン系樹脂フィルムも、延伸することで任意の位相差値を付与することができる。延伸は通常、フィルムをロールから巻き出しながら連続的に行われ、加熱炉にて、ロールの進行方向へ、又は進行方向と直交する方向へ延伸される。加熱炉の温度は、シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度近傍からガラス転移温度+100℃の範囲が、通常採用される。好ましくは、ロールの進行方向と直交する方向が主たる延伸軸となるように、すなわち横延伸を主体として延伸される。延伸倍率は、主たる延伸軸方向で通常1.1〜6倍程度、好ましくは1.1〜3.5倍である。このような位相差が付与されたシクロオレフィン系樹脂フィルムも、液晶セル側となる保護フィルムとして、好ましく適用できる。
一方、横電界(IPSモード)の液晶セルに対して有効な補償機能を有する偏光板とする場合、光入射側偏光板及び光出射側偏光板のそれぞれ、液晶セル側に位置する保護フィルムのうち少なくとも一方は、面内の位相差値Ro が0〜10nm、厚み方向の位相差値Rthが−25〜25nmの範囲にあることが好ましく、さらにはRthがほぼゼロである、実質的に無配向のフィルムを用いるのがより好ましい。液晶セルの両面に配置される偏光板のそれぞれ液晶セル側に位置する保護フィルムの両方を、このような位相差値を有するもので構成することは、一層好ましい。面内の位相差値Ro、厚み方向の位相差値Rthを上記の範囲とすることによって、斜め方向の光漏れ量が小さく、鮮明な表示が可能となる。
上記のような、IPSモードの補償に適したフィルムとして、好ましくは酢酸セルロース系樹脂フィルムやシクロオレフィン系樹脂フィルムを用いることができる。酢酸セルロース系樹脂フィルムとしては、例えば酢酸セルロース系樹脂にレタデーション低減剤を添加することで厚み方向の位相差値Rthを実質的にゼロとしたフィルムが市販されており、例えば、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“KC4UEW”や“KC4UESW”など(いずれも商品名)がある。このような位相差が付与された酢酸セルロース系樹脂フィルムは、液晶セル側となる保護フィルムとして、好ましく適用できる。
また、面内の位相差値Ro 及び厚み方向の位相差値Rthを極力低減させたシクロオレフィン系樹脂フィルムとしては、先述した市販のシクロオレフィン系樹脂フィルムに対し、フィルムに残留する面内、及び厚み方向の歪みを熱処理によって緩和させる等の方法により作製したものが適用できる。
光入射側偏光板の液晶セル側保護フィルムが位相差を有する場合、また光出射側偏光板の液晶セル側保護フィルムが位相差を有する場合、光入射側偏光板を構成する偏光フィルムと液晶セル側保護フィルム、そして光出射側偏光板を構成する偏光フィルムと液晶セル側保護フィルムは、偏光フィルムの吸収軸と保護フィルムの面内遅相軸とがほぼ平行関係又はほぼ直交関係となるように配置すればよい。特に、両者がほぼ直交関係となるように配置するのが生産性の面から好ましい。すなわち、光入射側偏光板の液晶セル側保護フィルム及び/又は光出射側偏光板の液晶セル側保護フィルムを、位相差を有する屈折率異方性フィルムで構成する場合、横延伸を主体とする延伸操作で製造するのが好ましく、その場合の遅相軸はロールフィルムの幅方向となることから、ロールフィルムの長手方向(流れ方向)が吸収軸である偏光フィルムとロール・ツー・ロール貼合することで、偏光フィルムの吸収軸と保護フィルムの遅相軸が直交関係になる。
表面処理層を設けることの容易性及び光学特性の観点から、本発明の偏光板は、偏光フィルムの片面に積層される保護フィルムの面内の位相差値が0〜20nm、厚み方向の位相差値が20〜80nmの酢酸セルロース系樹脂からなり、他面に積層される保護フィルムの面内の位相差値が30〜80nm、厚み方向の位相差値が80〜250nmの酢酸セルロール系樹脂からなる構造とすることもできる。また、偏光フィルムの片面に積層される保護フィルムの面内の位相差値が0〜20nm、厚み方向の位相差値が20〜80nmの酢酸セルロース系樹脂からなり、他面に積層される保護フィルムの面内の位相差値が0〜10nm、厚み方向の位相差値が−25〜25nmの酢酸セルロール系樹脂からなる構造とすることもできる。さらに、偏光フィルムの片面に積層される保護フィルムは酢酸セルロース系樹脂からなり、他面に積層される保護フィルムはシクロオレフィン系樹脂からなる構造とすることもできる。特にこれらの構成とし、上で説明したアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂とグリオキシル酸塩を含有する水溶液からなる接着剤組成物を用いた場合には、保護フィルムと偏光フィルムとが高い密着性を有し、偏光度の高い偏光板を得ることができる。
酢酸セルロース系樹脂フィルムは、偏光フィルムとの接着性を高めるため、通常はケン化処理が施される。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が採用できる。
本発明の偏光板に用いられる保護フィルムは、その厚みは小さい方が好ましいが、薄すぎると、強度が低下し、加工性に劣る傾向にあり、また厚すぎると、透明性が低下したり偏光板の重量が大きくなったりする傾向にある。このような観点から、保護フィルムの厚みは、シクロオレフィン系樹脂で構成された保護フィルムの場合には、通常5〜200μm、好ましくは10〜150μm、より好ましくは20〜100μmであり、また酢酸セルロース系樹脂で構成された保護フィルムの場合には、通常20〜200μm、好ましくは30〜150μm、より好ましくは40〜100μmである。
本発明の偏光板における保護フィルムは、偏光フィルムに貼着する面と反対側の面に、防眩処理、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理などの表面処理が施されたものであってもよい。また、保護フィルムの偏光フィルムに貼着する面と反対側の面に、液晶性化合物、その高分子量化合物などからなるコート層が形成されていてもよい。
また、本発明の偏光板における保護フィルムは、偏光フィルムに貼着する面と反対側の面に、粘着剤層を介して、光学機能性フィルムが貼着されていてもよい。粘着剤とは、押さえるだけで他物質の表面に接着し、またこれを被着面から引き剥がす場合には、被着物に強度さえあればほとんど痕跡を残すことなく除去できる粘弾性体であって、感圧接着剤とも呼ばれるものである。光学機能性フィルムとしては、例えば、基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルム、ある種の偏光を透過し、それと逆の性質を示す偏光を反射する反射型偏光分離フィルム、ポリカーボネート系樹脂からなる位相差フィルム、シクロオレフィン系樹脂からなる位相差フィルム、表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム、表面反射防止処理付きフィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能を併せ持つ半透過反射フィルムなどが挙げられる。
基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルムに相当する市販品として、例えば、“WVフィルム”〔富士写真フィルム(株)製〕、“NHフィルム”及び“NRフィルム”〔以上、新日本石油(株)製〕などが挙げられる。また、ある種の偏光を透過し、それと逆の性質を示す偏光を反射する反射型偏光分離フィルムに相当する市販品としては、例えば、“DBEF”〔3M社製で、日本では住友スリーエム(株)から入手できる〕などが挙げられる。さらに、シクロオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムに相当する市販品として、“アートンフィルム”〔JSR(株)製〕、“エスシーナ”〔積水化学工業(株)製〕、“ゼオノアフィルム”〔(株)オプテス製〕などが挙げられる。
[偏光板の製造方法]
本発明はまた、上述した偏光板を製造するのに好適な方法をも提供するものであり、この方法は、ポリビニルアルコール系樹脂で形成された偏光フィルムの少なくとも片面に、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂及び前記式(I)で示されるグリオキシル酸塩を含有し、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が水100重量部に対して1〜8重量部であり、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂と式(I)のグリオキシル酸塩の固形分重量比が1:0.03〜0.25であり、pHが4〜10の範囲にある水溶液からなる接着剤組成物を介して上述の保護フィルムを積層することを特徴とする。
本発明の偏光板の製造方法では、まず、水に上述したアセトアセチル化変性ポリビニルアルコール系樹脂及びグリオキシル酸塩を特定範囲内の固形分重量比で配合して接着剤組成物を調製する。また、接着剤組成物に含有させるグリオキシル酸塩としては、グリオキシル酸ナトリウム又はグリオキシル酸カリウムが好ましい。
このような接着剤組成物を用いた偏光フィルムと保護フィルムとの接合は、適宜の方法で行うことができ、例えば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などにより、偏光フィルム及び/又は保護フィルムの接着面に接着剤組成物を塗布し、両者を重ね合わせる方法が挙げられる。流延法とは、被塗布物である偏光フィルム又は保護フィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、又は両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤組成物を流下して拡布させる方法である。接着剤組成物を塗布した後、偏光フィルムと保護フィルムとをニップロールにより挟んで、貼り合わせる。
また、接着性を上げるため、偏光フィルム及び/又は保護フィルムの表面に、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を適宜施してもよい。ケン化処理としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリの水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
偏光フィルムと保護フィルムを積層した後は、乾燥処理が施される。乾燥処理は、例えば、熱風を吹き付けることにより行われるが、そのときの温度は40〜100℃、好ましくは60〜100℃の範囲から適宜選択される。乾燥時間は、通常20〜1,200秒である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。粘度は、ブルックフィールド粘度計を用いて20℃で測定した値である。
以下の例では、偏光フィルムの一方の面に貼合する保護フィルムとして、以下に示す保護フィルム1を、偏光フィルムの他方の面に貼合する保護フィルムとして、以下に示す保護フィルム2、3又は4を、それぞれ用いた。なお、保護フィルム1〜3は、それぞれケン化処理してから、保護フィルム4は、貼合面にコロナ処理を施してから、それぞれ偏光フィルムとの貼合に供した。
保護フィルム1:厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム、
商品名“KC8UX2M”、コニカミノルタオプト(株)から入手、 Ro=2nm、Rth=48nm
保護フィルム2:延伸された厚さ40μmの酢酸セルロース系樹脂フィルム、
商品名“KC4FR−T”、コニカミノルタオプト(株)から入手、
Ro=45nm、Rth=125nm
保護フィルム3:厚さ40μmでほぼ無配向の酢酸セルロース系樹脂フィルム、
商品名“KC4UEW”、コニカミノルタオプト(株)から入手、
Ro=0.7nm、Rth=−1nm、
保護フィルム4:延伸された厚さ73μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム、
商品名“ゼオノアフィルム”、(株)オプテスから入手、
Ro=55nm、Rth=120nm
[実施例1]
(a)偏光フィルムの作製
平均重合度1,700、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムに延伸倍率5倍で一軸延伸を施し、緊張状態に保ったまま、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含む水溶液〔ヨウ素:ヨウ化カリウム:水=0.05:5:100(重量比)〕に60秒浸漬した。次に、ヨウ化カリウム及びホウ酸を含む65℃の水溶液〔ヨウ化カリウム:ホウ酸:水=2.5:7.5:100(重量比)〕に300秒浸漬した。引き続き25℃の純水で20秒水洗した後、50℃で乾燥して、ポリビニルアルコールで形成された偏光フィルムを得た。
(b)接着剤組成物の調製
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂〔商品名“ゴーセファイマーZ−200”、日本合成化学工業(株)製、4%水溶液粘度12.4mPa・sec、ケン化度99.1モル%〕を純水に溶解し、10%濃度の水溶液を調製した。このアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂水溶液と、架橋剤となるグリオキシル酸ナトリウムとを、前者:後者の固形分重量比が1:0.1となるように混合し、さらに水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が1部となるように純水で希釈し、接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.7、粘度が3.5mPa・secであった。
(c)偏光板の作製
上記(a)で作製した偏光フィルムの両面に、23℃の雰囲気下にて、上記(b)で調製した接着剤組成物を塗布し、その一方に上記した保護フィルム1を、もう一方には上記した保護フィルム2を貼合した。これを60℃で3分乾燥して偏光板を作製した(接着剤層の厚み:約0.1μm)。
[実施例2]
水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.6、粘度が7.5mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[実施例3]
水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が5部となるように純水で希釈した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.6、粘度が17.0mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[実施例4]
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂:グリオキシル酸ナトリウムの固形分重量比を1:0.05とし、水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.6、粘度が7.4mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[実施例5]
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂:グリオキシル酸ナトリウムの固形分重量比を1:0.15とし、水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.5、粘度が7.5mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[実施例6]
触媒としてピペリジンを用い、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂(ゴーセファイマーZ−200):グリオキシル酸ナトリウム:ピペリジンの固形分重量比が1:0.1:0.02となるように混合し、さらに水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈し、接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.7、粘度が7.5mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[実施例7]
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂を“ゴーセファイマーZ−100”〔商品名、日本合成化学工業(株)製、4%水溶液粘度5.2mPa・sec、ケン化度99.2モル%〕に変更し、その5%濃度水溶液を調製した。このアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂水溶液とグリオキシル酸ナトリウムを、前者:後者の固形分重量比が1:0.15となるように混合し、さらに水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈して接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.6、粘度が3.2mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[実施例8]
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂を“ゴーセファイマーZ−300”(商品名、日本合成化学工業(株)製、4%水溶液粘度27.9mPa・sec、ケン化度98.5モル%)に変更し、その5%濃度水溶液を調製した。このアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂水溶液とグリオキシル酸ナトリウムを、前者:後者の固形分重量比が1:0.15となるように混合し、さらに水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈して接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.6、粘度が12.0mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[実施例9]
水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈した後、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液にてpHを7.0に調整した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、粘度が7.4mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[実施例10]
水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈した後、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液にてpHを9.0に調整した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、粘度が7.4mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[比較例1]
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂:グリオキシル酸ナトリウムの固形分重量比を1:0.15とし、水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が0.5部となるように純水で希釈した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.8、粘度が2.5mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[比較例2]
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂:グリオキシル酸ナトリウムの固形分重量比を1:0.15とし、水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が10部となるように純水で希釈した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.5、粘度が114mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[比較例3]
水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈した後、0.1規定の塩酸にてpHを3.0に調整した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は粘度が7.4mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[比較例4]
水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈した後、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液にてpHを11.0に調整した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、粘度が7.8mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。ここで調製した接着剤組成物は、製造直後は適度の粘性を有しており、偏光フィルムに塗布することができたが、製造後1時間以内にゲル化した。したがって、この組成物はポットライフが短く、実用化は困難であることがわかった。
[比較例5]
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂:グリオキシル酸ナトリウムの固形分重量比を1:0.02とし、水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.7、粘度が7.6mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[比較例6]
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂:グリオキシル酸ナトリウムの固形分重量比を1:0.5とし、水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.7、粘度が7.5mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[比較例7]
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂:グリオキシル酸ナトリウムの固形分重量比を1:1とし、水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.8、粘度が7.5mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[比較例8]
架橋剤をグリオキザールに変更し、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂(ゴーセファイマーZ−200):グリオキザールの固形分重量比が1:0.15となるように混合し、さらに水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈した以外は、実施例1の(b)と同様にして接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが5.3、粘度が7.6mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[比較例9]
架橋剤を、乳酸チタン〔組成式(HO)2Ti[OCH(CH3)COOH]2の化合物の44%濃度水溶液、商品名“オルガチックスTC−315”、(株)マツモト交商から入手〕に変更した。アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂(ゴーセファイマーZ−200)の5%水溶液と、上記乳酸チタンの44%水溶液とを、前者:後者の固形分重量比が1:0.2となるように混合し、さらに水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂が3部となるように純水で希釈して接着剤組成物を調製した。この組成物は、pHが3.2、粘度が7.7mPa・secであった。この組成物を用いたこと以外は、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製した。
[評価試験]
実施例1〜10及び比較例1〜9で得られたそれぞれの偏光板について、以下の評価試験を行った。
〔1〕接着性(カッター評価)
各偏光板を1時間常温で放置した後、偏光板の各フィルム間(偏光フィルムと一方の保護フィルム1との間及び偏光フィルムと他方の保護フィルム2との間)にカッターの刃を入れ、刃を押し進めたときの刃の入り方を以下の基準で評価した。
○:カッターの刃がいずれのフィルム間にも入らない。
△:刃を押し進めたときに、少なくともいずれか一方のフィルム間に刃が4〜5mm入ったところで止まる。
×:刃を押し進めたときに、少なくともいずれか一方のフィルム間に刃が無理なく入る(いずれか一方のフィルム間に刃が無理なく入るのであれば、残る他方には刃が入らないか、4〜5mm入ったところで止まる場合も含む)。
〔2〕耐水性
23℃、相対湿度55%の環境下で24時間放置した各偏光板について、以下の耐温水性試験(温水浸漬試験)を行い、耐水性を評価した。まず、偏光板の吸収軸(偏光フィルムの延伸方向)を長辺として5cm×2cmの短冊状に偏光板をカットしてサンプルとし、その長辺方向の寸法を正確に測定した。ここでサンプルは、偏光フィルムに吸着されたヨウ素に起因して、全面にわたって均一に特有の色を呈している。図1は、耐水性の評価試験方法を模式的に示す図であり、(A)は温水浸漬前のサンプル1、(B)は温水浸漬後のサンプル1を示している。図1(A)に示すように、サンプルの一短辺側を把持具5で把持し、長手方向の8割ほどを60℃の水槽に浸漬し、4時間保持した。その後、サンプル1を水槽から取り出し、水分を拭き取った。
温水浸漬により、偏光板の偏光フィルム4は収縮する。この偏光フィルム4の収縮程度を、サンプル1の短辺中央における端1a(保護フィルムの端)から収縮した偏光フィルム4の端までの距離を測定することにより評価し、収縮長さとした。また、図1(B)に示されるように、温水浸漬により、偏光板の真中に位置する偏光フィルム4が縮むことにより、保護フィルム間に偏光フィルム4が存在しない領域2が形成される。一方、温水浸漬によって、温水に接する偏光フィルム4の周縁部からヨウ素が溶出し、サンプル1の周縁部に色が抜けた部分3が生じる。この色抜け程度を、サンプル1の短辺中央における収縮した偏光フィルム4の端から偏光板特有の色が残っている領域までの距離を測定することにより評価し、ヨウ素抜け長さとした。上記収縮長さとヨウ素抜け長さとの合計を総侵食長さXとした。すなわち、総侵食長さXとは、サンプル1の短辺中央における、サンプル1の端1a(保護フィルムの端)から偏光板特有の色が残っている領域までの距離である。収縮長さ、ヨウ素抜け長さ及び総侵食長さXが小さいほど、水存在下における接着性(耐水性)が高いと判断することができる。そして、総侵食長さXに応じて以下の4段階で評価した。
◎:総侵食長さXが2mm未満。
○:総侵食長さXが2mm以上、3mm未満。
△:総侵食長さXが3mm以上、5mm未満。
×:総侵食長さXが5mm以上。
〔3〕偏光度
(A)クロスニコル透過率TD(λ)、パラレル透過率MD(λ)
日本分光(株)製の“V-7100”型紫外可視分光光度計に連結した試料室の測定光出射光部に、特定振動方向の偏光光を出射するようグランテーラプリズムを設置した。その出射偏光光の光路上に、偏光板サンプルを偏光光が垂直に入射するように配置し、偏光光の透過率が最小となる向きに設定して、可視光範囲内の各波長λでの透過率を求めた。これが吸収軸方向の直線偏光の透過率、すなわちクロスニコル透過率TD(λ)となる。次に、このサンプルをサンプル面内で90°回転させ、再び可視光範囲内の各波長λでの透過率を求めた。これが透過軸方向の直線偏光の透過率、すなわち、パラレル透過率MD(λ)となる。
(B)視感度補正偏光度Py
上記の(A)で測定したTD(λ)及びMD(λ)を用いて、各波長λでの偏光度Py(λ)を下式により求めた。
Py(λ)=〔MD(λ)−TD(λ)〕/〔MD(λ)+TD(λ)〕×100
次に、こうして求められた偏光度Py(λ)について、JIS Z 8701に準じてC光源2°視野における刺激値Yによる重み付け平均を行い、視感度補正偏光度Pyを求めた。結果を以下の3段階で評価した。
○:Pyが99.996%以上。
△:Pyが99.993%を超え、99.996%未満。
×:Pyが99.993%以下。
実施例1〜10及び比較例1〜9で調製した接着剤組成物の組成、pH及び粘度、並びに上記各評価試験の結果を表1に示した。表1において、「PVA」はポリビニルアルコールを意味する。なお、表1では、先に示したゴーセファイマーZ−200、ゴーセファイマーZ−100、及びゴーセファイマーZ−300について、「ゴーセファイマー」は省略して表示した。
Figure 2010191389
表1からわかるように、接着剤組成物におけるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の濃度が低い比較例1は、十分な耐水性を示さず、当該ポリビニルアルコール系樹脂の濃度が高い比較例2は、十分な偏光度を示さなかった。接着剤組成物のpHが低い比較例3は、十分な耐水性を示さず、そのpHが高い比較例4は、ポットライフ(接着剤として使用できる寿命)が短かった。架橋剤の割合を低くした比較例5は、十分な耐水性を示さず、その割合を高くした比較例6及び7は、十分な偏光度を示さなかった。また公知の架橋剤を用いた比較例8及び9は、偏光度と接着性のいずれかにおいて、不十分なものであった。
これに対し、本発明で規定する接着剤組成物を採用した実施例1〜10は、偏光フィルムと保護フィルムとの接着性が良好で、かつ高い耐水性及び高い偏光度を示した。
[実施例11]
保護フィルム2を、前記した保護フィルム3に変え、その他は実施例1〜3と同様にして偏光板を作製した。その結果、得られた偏光板は、いずれの接着剤組成物を用いた場合も、実施例1〜3と同様に接着性が良好で、高い耐水性及び高い偏光度を示した。
[実施例12]
保護フィルム2を、前記した保護フィルム4に変え、その他は実施例1〜3と同様にして偏光板を作製した。その結果、得られた偏光板は、いずれの接着剤組成物を用いた場合も、実施例1〜3と同様に接着性が良好で、高い耐水性及び高い偏光度を示した。
1……サンプル、
1a…サンプル1の短辺中央における端、
2……保護フィルム間に偏光フィルムが存在しない領域、
3……偏光板周縁部の色が抜けた部分、
4……収縮した偏光フィルム、
5……把持具。

Claims (8)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂で形成された偏光フィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコール系接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板であって、
    前記接着剤層は、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂及び下式(I)
    Figure 2010191389
    (式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表し、nはMの価数に対応して1又は2を表す)
    で示されるグリオキシル酸塩を含有し、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が水100重量部に対して1〜8重量部であり、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂と前記グリオキシル酸塩の固形分重量比が1:0.03〜0.25であり、pHが4〜10の範囲にある水溶液からなる接着剤組成物を用いて形成されていることを特徴とする、偏光板。
  2. 前記接着剤組成物は、粘度が3〜25mPa・secの範囲にある請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記接着剤組成物は、さらに水溶性の触媒を含有する請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記保護フィルムは、酢酸セルロース系樹脂及びシクロオレフィン系樹脂から選ばれる樹脂で構成される請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板。
  5. 偏光フィルムの両面に前記接着剤層を介して保護フィルムが積層されており、一方の保護フィルムは、面内の位相差値が0〜20nm、厚み方向の位相差値が20〜80nmの酢酸セルロース系樹脂からなり、他方の保護フィルムは、面内の位相差値が30〜80nm、厚み方向の位相差値が80〜250nmの酢酸セルロール系樹脂からなる、請求項4に記載の偏光板。
  6. 偏光フィルムの両面に前記接着剤層を介して保護フィルムが積層されており、一方の保護フィルムは、面内の位相差値が0〜20nm、厚み方向の位相差値が20〜80nmの酢酸セルロース系樹脂からなり、他方の保護フィルムは、面内の位相差値が0〜10nm、厚み方向の位相差値が−25〜25nmの酢酸セルロール系樹脂からなる、請求項4に記載の偏光板。
  7. 偏光フィルムの両面に前記接着剤層を介して保護フィルムが積層されており、一方の保護フィルムは酢酸セルロース系樹脂からなり、他方の保護フィルムはシクロオレフィン系樹脂からなる、請求項4に記載の偏光板。
  8. ポリビニルアルコール系樹脂で形成された偏光フィルムの少なくとも片面に、ポリビニルアルコール系接着剤組成物を介して保護フィルムを積層し、偏光板を製造する方法であって、
    前記接着剤組成物は、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂及び下式(I)
    Figure 2010191389
    (式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表し、nはMの価数に対応して1又は2を表す)
    で示されるグリオキシル酸塩を含有し、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が水100重量部に対して1〜8重量部であり、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂と前記グリオキシル酸塩の固形分重量比が1:0.03〜0.25であり、pHが4〜10の範囲にある水溶液からなる、偏光板の製造方法。
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