JP5983596B2 - 紫外線偏光光照射方法及び光配向層付き基板の製造方法 - Google Patents

紫外線偏光光照射方法及び光配向層付き基板の製造方法 Download PDF

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Description

本願の発明は、偏光素子の一種であるグリッド偏光素子に関するものである。
偏光光を得る偏光素子は、偏光サングラスのような身近な製品を始めとして偏光フィルターや偏光フィルム等の光学素子として各種のものが知られており、液晶ディスプレイ等のディスプレイデバイスでも多用されている。偏光素子には、偏光光を取り出す方式から幾つかのものに分類されるが、その一つにワイヤーグリッド偏光素子がある。
ワイヤーグリッド偏光素子は、透明基板上に金属(導電体)より成る微細な縞状のグリッド(格子)を設けた構造のものである。グリッドを成す多数の線状部の離間間隔を偏光させる光の波長以下とすることで偏光子として機能する。直線偏光光のうち、グリッドの長さ方向に電界成分を持つ偏光光にとってはフラットな金属と等価なので反射する一方、長さ方向に垂直な方向に電界成分を持つ偏光光にとっては透明基板のみがあるのと等価なので、透明基板を透過して出射する。このため、偏光子からはグリッドの長さ方向に垂直な方向の直線偏光光が専ら出射する。偏光素子の姿勢を制御し、グリッドの長さ方向が所望の方向に向くようにすることで、偏光光の軸(電界成分の向き)が所望の方向に向いた偏光光が得られることになる。
以下、説明の都合上、グリッドの長さ方向に電界成分を持つ直線偏光光をs偏光光と呼び、長さ方向に垂直な方向に電界成分を持つ直線偏光光をp偏光光と呼ぶ。通常、入射面(反射面に垂直で入射光線と反射光線を含む面)に対して電界が垂直なものをs波、平行なものをp波と呼ぶが、グリッドの長さ方向が入射面と平行であることを前提とし、このように区別する。
このような偏光素子の性能を示す基本的な指標は、消光比ERと透過率TRである。消光比ERは、偏光素子を透過した偏光光の強度のうち、s偏光光の強度(Is)に対するp偏光光の強度(Ip)の比である(ER=Ip/Is)。また、透過率TRは、入射するs偏光光とp偏光光の全エネルギーに対する出射p偏光光のエネルギーの比である(TR=Ip/(Is+Ip))。理想的な偏光素子は、消光比ER=∞、透過率TR=50%ということになる。
特許第5184624号公報 特許第5224252号公報 特許第5277455号公報
ワイヤーグリッド偏光素子は、その名の通りグリッドの材料として金属を採用し、上記のようにs波を選択的にグリッドに反射させることで偏光作用を得るものである。発明者の研究によると、ワイヤーグリッド偏光素子には、金属の劣化が避けられない問題として存在していることが判ってきた。
ワイヤーグリッド偏光素子の製造は、透明基板上に金属膜を形成し、フォトリソグラフィによって微細なグリッド構造を得ることで行われる。この際、製造において何からの加熱工程が存在することが多く、金属の表面が熱酸化してしまうことがある。例えばグリッドにはアルミが採用されることが多いが、アルミ製のグリッドを形成して得た偏光素子を高温状態で空気に晒すと、急速に酸化し、表面にアルミナの層が形成される。
上記のようにワイヤーグリッド偏光素子では、グリッドを成す各線状部の間隔(ギャップ幅)を偏光させる光の波長との関係で最適に設計する。この設計には、当然ながら、グリッドの材料の物性、特に光学定数(複素屈折率のnとk)が重要なパラメーターとして考慮に入れられる。アルミ製のグリッドとして設計しても、表面に酸化層が形成されていると、光学定数が設計時と異なってくるため、所望の偏光性能が得られないことがある。グリッドの材料としては銅などの他の金属が使用されることがあるが、事情は同様である。金のような酸化しない金属を使用することも考えられるが、微細加工が難しかったり、コスト上の問題が生じたりする場合がある。
このようなグリッドの劣化は、製造時の要因のみならず、使用時の要因即ち使用環境によっても生じ得る。例えば高温多湿のような酸化し易い環境で使用されていると、劣化は容易に生じ得る。使用環境を要因とする劣化の別の例は、偏光させる光が紫外線である場合である。
周知のように、紫外線の照射により酸素活性種(例えば原子状酸素)が生成され、酸素活性種は高い酸化作用を有する。特に300nm以下の紫外線によって生成される酸素活性種やオゾンの酸化作用は強力で、アルミのような金属は急速に酸化される。また、光配向のような光プロセスでは、生産性を高くするため、より高い照度で偏光光を照射することが必要になる場合がある。この場合、高照度の光照射によって金属が加熱され、熱酸化することもあり得る。
例えばアルミ製のグリッドの場合、通常、アルミ製のターゲットを使用したスパッタリングによりグリッド用の薄膜を作成し、エッチングによって縞状のグリッド形状とする。スパッタリングはDC又は高周波により行われ、ターゲットの被スパッタ面における投入電力密度は1〜10W/cm程度、雰囲気圧力は0.01〜0.1Pa程度、スパッタガスとしてのアルゴンの流量は10〜50SCCM程度、基板温度は20〜100℃程度とされる。このようにして作成されるアルミ膜に対し、紫外線(380nm以下)を照射すると、アルミが酸化して反射率が低下するのが確認される。
このような光照射による金属の酸化の問題は、従来のワイヤーグリッド偏光素子の偏光メカニズムそのものに影響を与える問題としてもクローズアップされる。即ち、ワイヤーグリッド偏光素子は、上記のようにグリッドにおいてs波を選択的に反射させることで偏光作用を生じさせる。しかしながら、アルミや銅といった金属は、酸化によって紫外線を吸収し易くなり、結果として反射率が低下する。このため、これら金属で形成されたグリッドより成るワイヤーグリッド偏光素子を紫外線用として使用すると、短期間にグリッドが酸化して吸収率が高くなり、所望の偏光性能(消光比や透過率)が得られなくなってしまう。また、金属によっては当初から紫外線の吸収率が高いものもあり、紫外線用としては使用できない材料もある。このような点が、発明者の研究により判ってきた。
ワイヤーグリッド偏光素子を開示した特許文献1〜3は、偏光作用を為す主たる層である素子26(即ち、ワイヤーグリッド)の材料として、アルミ、銀、金又は銅を採用するとしており(例えば特許文献1では段落0019)、紫外線の偏光についても言及している(例えば特許文献1では段落0015)。しかしながら、実際には、紫外線照射を要因としてグリッドが酸化してしまって紫外線の反射率が低下してしまうか、もしくは当初から紫外線については吸収が多くて反射が少ない状態となっている。つまり、特許文献1〜3は、紫外線の偏光について言及してはいるものの、反射型の偏光素子としては実際には機能しないか、または不十分な偏光性能しか得られないものである。
本願の発明者は、このような反射型である従来のワイヤーグリッド偏光素子とは根本的に異なる技術思想により偏光素子を構築することを意図し、非反射型即ち吸収型とも呼び得る偏光素子を完成させた。本願発明の偏光素子は、反射型ではなく、偏光作用を為す主たる部分が単体金属製ではないので、以下、グリッド偏光素子と呼ぶ。尚、単体金属とは、他の金属以外の原子とは結合していない金属(非錯体金属)のことである。
吸収型のグリッド偏光素子は、上記のような金属化合物や誘電体の光吸収を逆に利用し、吸収作用を主たる要因として偏光作用を生じさせるものである。後述するように、光吸収性の材料をグリッドの材料として選定し、グリッドの高さをある程度高くしてアスペクト比を大きくすると、s波を選択的に吸収、減衰させつつp波を透過させることができ、十分な偏光作用が得られる。
尚、特許文献1〜3では、アルミのような単体金属より成る素子26の上に、吸収層34a及び34bを設けている。特許文献1〜の3の説明に従えば、これら吸収層34a及び34bは、素子26(ワイヤーグリッド)で選択的に反射されたs波を吸収するためのものである(例えば特許文献1では段落0021)。恐らくは、素子26で反射したs波が周囲に悪影響を与えないよう、反射s波を吸収してしまう目的のものであると考えられる。
この出願の発明は、上述した諸点を考慮して為されたものであり、非反射型(吸収型)のグリッド偏光素子であって、製造が容易であり、紫外線を対象波長とするような酸化が生じ易い条件で使用される場合にも所望の偏光性能が安定して得られる優れたグリッド偏光素子を提供することを解決課題としている。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、透明基板と、透明基板上に設けられた多数の線状部で形成された縞状のグリッドとより成り、入射する光のうち特定の偏光光を選択的に透過させることで200nm以上260nm以下の波長の紫外線を偏光させる非反射型グリッド偏光素子であって、グリッドを形成する多数の線状部は、窒化チタン又は及び酸窒化チタンで形成された主たる層を有しており、単体金属の層を含まない非反射型グリッド偏光素子を、260nm以下の輝線スペクトルを含む水銀ランプからの光が到達する位置に配置し、この非反射型グリッド偏光素子を透過した波長260nm以下の紫外線の偏光光を対象物に照射する紫外線偏光光照射方法であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記グリッドを形成する各線状部の幅をw、高さをhとしたとき、h/wが3以上であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記線状部は、前記線状部の厚さ方向に光が伝搬する過程で、各線状部の長さ方向に垂直な方向に偏光軸が向いている偏光光に比べて、各線状部の長さ方向に偏光軸が向いている偏光光が多く吸収されることで光を偏光させるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記グリッドを形成する各線状部の離間間隔は、100nm以上200nm以下であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、透明基板と、透明基板上に設けられた多数の線状部で形成された縞状のグリッドとより成り、入射する光のうち特定の偏光光を選択的に透過させることで200nm以上260nm以下の波長の紫外線を偏光させる非反射型グリッド偏光素子であって、グリッドを形成する多数の線状部は、窒化チタン又は及び酸窒化チタンで形成された主たる層を有しており、単体金属の層を含まない非反射型グリッド偏光素子を、波長260nm以下の紫外線を放射する光源から光が到達する位置に配置し、この非反射型グリッド偏光素子を透過した波長260nm以下の紫外線の偏光光を光配向層用の膜に照射する工程を含む、光配向層付き基板の製造方法であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項5の構成において、前記グリッドを形成する各線状部の幅をw、高さをhとしたとき、h/wが3以上であることをという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項5又は6の構成において、前記線状部は、前記線状部の厚さ方向に光が伝搬する過程で、各線状部の長さ方向に垂直な方向に偏光軸が向いている偏光光に比べて、各線状部の長さ方向に偏光軸が向いている偏光光が多く吸収されることで光を偏光させるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、前記請求項7の構成において、前記グリッドを形成する各線状部の離間間隔は、100nm以上200nm以下であるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の紫外線偏光光照射方法によれば、使用されるグリッド偏光素子は、各線状部の主たる層が窒化チタン又は及び酸窒化チタンから形成され、単体金属の層を含まないので、吸収型のモデルで動作するグリッド偏光素子となり、且つ酸化し易い環境下で使用されても偏光特性の悪化が問題となることはない。このため、260nm以下の紫外域において消光比の高い偏光作用が得られ、強い輝線スペクトルの質の良い偏光光を照射することができる。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、各線状部のアスペクト比が3以上であるので、吸収型のモデルにおいてより消光比が高くなり、質の良い偏光光が得られる。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、吸収型のモデルで動作するものであるので、紫外線の偏光光を好適に照射することができる
また、請求項5記載の発明によれば、使用されるグリッド偏光素子は、各線状部の主たる層が窒化チタン又は及び酸窒化チタンから形成され、単体金属の層を含まないので、吸収型のモデルで動作するグリッド偏光素子となり、且つ酸化し易い環境下で使用されても偏光特性の悪化が問題となることはない。このため、高照度の紫外線偏光光の照射しながら光配向を行っても偏光素子の劣化による偏光特性の変化が生じないので、所望の光配向処理の効果を安定して且つ高い生産性で得ることができる。
また、請求項6記載の発明によれば、上記効果に加え、グリッド偏光素子の各線状部のアスペクト比が3以上であるので、吸収型のモデルにおいてより消光比が高くなり、質の良い偏光光により光配向層を得ることができる。
また、請求項7記載の発明によれば、上記効果に加え、グリッド偏光素子が吸収型のモデルで動作するものであるので、紫外線の偏光光を好適に照射しながら光配向層を得ることができる
本願発明の第一の実施形態に係る紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子の斜視概略図である。 吸収型のグリッド偏光素子の動作モデルについて示した斜視概略図である。 吸収型のグリッド偏光素子の動作モデルについて示した正面概略図である。 第一の実施形態の紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子の好適な製造方法について示した正面断面概略図である。 グリッド偏光素子を使用した紫外線偏光光照射方法の実施例について偏光性能を調べたシミュレーションの結果を示した図である。 第二の実施形態の紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子の正面断面概略図である。 6に示すグリッド偏光素子の製造方法について示した正面断面概略図である。 他の実施形態の紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子の正面断面概略図である。 実施形態の光配向層付き基板の製造方法の概略を示した図であり、光配向装置の断面概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
まず、第一の実施形態の紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子について説明する。図1は、本願発明の第一の実施形態に係る紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子の斜視概略図である。図1に示すグリッド偏光素子は、透明基板1と、透明基板1上に設けられたグリッド2とから成っている。
透明基板1は、対象波長(偏光素子を使用して偏光させる光の波長)に対して十分な透過性を有するという意味で「透明」ということである。この実施形態では、紫外線を対象波長として想定しているので、透明基板1の材料としては石英ガラス(例えば合成石英)が採用されている。
グリッド2は、図1に示すように、平行に延びる多数の線状部21より成る縞(ラインアンドスペース)状のものである。各線状部21は、平面視では線状であるが、図1に示すようにある程度の高さhを有する。また、グリッド2を形成する各線状部21は幅wを有し、各線状部21は間隔(ギャップ幅)tで離間している。グリッド2は、このような各線状部21とその間のギャップという三次元構造によって偏光作用を為すものである。
このようなグリッド2において、各線状部21の材料としては、この実施形態で窒化チタンが選定されている。各線状部21の材料として窒化チタンは、前述した吸収型のグリッド偏光素子を構成すること、使用条件によらず所望の偏光特性が安定して得られるようにすることを考慮して選定されたものである。
発明者の研究によると、吸収型のグリッド偏光素子を構成するには、各線状部21の材料が適度な大きさの消衰係数(複素屈折率の虚部)kを持つことが必要であるが、窒化チタンの消衰係数kは、例えば200〜380nm程度の紫外域において0.8〜1.6程度であり、吸収型のグリッド2の材料として良好である。
また、周知のように窒化チタンは化学的に安定な材料であり、活性な雰囲気に配置されても劣化が生じにくい。発明者が特に注目したのは、オゾンや酸素活性種といった酸化性の化学種に晒されて仮に一部に酸化が生じた場合でも、偏光特性に影響を与える光学的性質の変化が少ないことである。
グリッド偏光素子の偏光特性は、グリッドの寸法形状の他、グリッドを形成する各線状部の光学的性質、特に光学定数(複素屈折率n,k)によって規定される。特に、後述する吸収型のモデルでは、複素屈折率の虚部(消衰係数k)が重要であり、対象波長において適度の消衰係数kを有することが必要である。
ここで、発明者の研究によると、窒化チタンの酸窒化チタンに対するnやkの値の違いは小さく、特に380nm以下の紫外域において違いが小さい。さらに、窒化チタンは、酸化チタンに対してもnやkの値の違いが小さい。ここで、「小さい」というのは、アルミが酸化してアルミナなる場合のように、単体金属とその単体金属の酸化物との間の光学定数の違いに比べて小さいということである。
窒化チタンがオゾンや酸素活性種といった酸化性の化学種に晒された場合、一部が酸化して酸窒化チタンに変わることがあり得ると推測される。この場合でも、酸窒化チタンの光学定数は窒化チタンの光学定数に比べて大きな差はないので、偏光性能が大きく損なわれてしまうことはない。即ち、窒化チタン製のグリッドとして設計した寸法(図1に示すt、w及びh)の下で良好な偏光作用が安定して得られる。また、通常はあり得ないと思われるが、窒化チタンが酸化チタンに変化してしまったと仮定しても、光学定数としては大きな変化はなく、したがって窒化チタン製のグリッドとして設計した寸法の下で良好な偏光作用が安定して得られる。
また、窒化チタンをグリッド2の材料として選定することには、偏光素子の製造がより容易になるという意義もある。周知のように、窒化チタンは、半導体集積回路素子(各種メモリや論理素子)においでバリア膜(例えば銅拡散防止膜)や電極膜(例えばキャパシタ電極膜)として広く使用されている。このため、窒化チタンによる微細構造の形成技術(膜作成技術やエッチング技術等)は盛んに研究されてきており、実用化された技術として確立している。このグリッド偏光素子を製造する際、このような半導体プロセスにおいて確立している窒化チタンによる微細構造形成技術を応用することができる。
特に、グリッド偏光素子の場合、グリッド2におけるギャップ幅(図1のt)を偏光させる光の波長以下とする必要があることから、紫外線を偏光させようとすると、ギャップ幅はより狭くしなければならず、可視光用の偏光素子に比べてより微細な加工が必要となる。グリッド2の材料として新たな材料を選定した場合、そのような材料で必要な微細度を持つグリッド2を形成するための技術をそれぞれ一から開発していく必要に迫られる。一方、窒化チタンの場合、上記のように半導体プロセスにおいて確立している微細加工技術を応用することができるので、製造条件の選定が容易で行え、また製造自体も容易である。
また、特許文献1〜3に開示されたワイヤーグリッド偏光素子と比べた場合、このグリッド偏光素子は、別の観点で製造がより容易であるという優位性を有する。特許文献1〜3のワイヤーグリッド偏光素子は、単体金属で形成された素子26の上に誘電体の多層膜を設けた構造となっている。アルミや銅といった単体金属は、一般的に難加工材であり、エッチング処理が難しい。
特許文献1〜3において、素子26はグリッドであるので、微細構造とする必要があり、エッチングにより縞状のパターンとする必要がある。この場合、上側の誘電体多層膜をエッチングして縞状とした後、さらに単体金属層をエッチングして素子26を形成することになるが、単体金属のエッチングでは、反応性の高いエッチャントを使用する必要がある。この際、レジストが消耗し、上側の誘電体多層膜が削られてしまう可能性もあり、適切なエッチング条件の選定は容易ではない。さらに、単体金属層をエッチングして素子26を形成した際、エッチングにより放出された金属材料が誘電体多層膜の側面に残渣として付着する問題もあり、設計上の光学的構造とは大きく異なってしまうことがあり得る。
一方、実施形態の方法に使用されるグリッド偏光素子では、透明基板1の上に窒化チタンから成るグリッド2を設ければ良いので、異種材料を積層したグリッド構造を得る際の困難性とは無縁である。窒化チタンのエッチングは、例えば四フッ化炭素(CF)をエッチャントとして使用したドライプロセス(反応性イオンエッチング)で実現でき、エッチング条件の選定にさしたる困難性はない。
次に、このような窒化チタン製のグリッド2において実現される吸収型の偏光作用のモデルについて、補足的に説明する。図2及び図3は、吸収型のグリッド偏光素子の動作モデルについて示した概略図であり、図2は斜視概略図、図3は正面概略図である。図2及び図3において、便宜上、光は紙面上の上から下に伝搬するものとし、この方向をz方向とする。また、グリッド2の各線状部21が延びる方向をy方向とし、従ってs偏光光(図2にLsで示す)は、電界成分Eyを持つ。このs偏光光の磁界成分(不図示)はx方向となる(Hx)。
このようなs偏光光がグリッド偏光素子のグリッド2にさしかかると、s偏光光の電界Eyは、各線状部21の誘電率によって弱められる。一方、各線状部21の間の媒質は、空気である場合が多いが、一般的にグリッド2より誘電率が小さいので、各線状部21の間の空間では電界Eyは各線状部21内ほどは弱められない。
この結果、x−y平面内において電界Eyの回転成分が生じる。そして、ファラデーの電磁誘導に対応する以下のマクスウェル方程式(式1)により、このx−y平面での回転の強さに応じて、z方向において二つの互いに逆向きの磁界Hzが誘起される。
Figure 0005983596

即ち、各線状部21間の中央の電界Eyの最も高いところを境に、一方の側ではHzは光の伝搬方向前方に向き、他方の側ではHzは後方を向く。ここで、図2では省略されているが、x方向の磁界HxはEyと同位相で、x軸負の側を向いて存在している。このx方向磁界成分Hxは、生成されたz方向成分Hzに引っ張られ、波打つように変形する。
このような磁界成分Hxの波打ち(回転)が生じると、アンペール・マクスウェルの法則に対応するマクスウェル方程式(式2)により、さらに図2のy方向に電界が発生する。
Figure 0005983596

この様子が、図3において模式的に示されており、x方向磁界成分Hxの波打ち(回転)により新たに電界Eyが発生する様子が模式的に示されている。
図3に示すように、x−z面内での磁界成分Hxの波打ち(回転)により、各線状部21内では図3の紙面手前側に向いた電界Eyが発生し、各線状部21の間においては紙面奥側に向いた電界Eyが発生する。この場合、入射したs偏光光の元の電界Eyは紙面手前側に向いているから、線状部21間の電界は、上記磁界の回転により打ち消され、波動が分断するように作用する。結果として、電界Eyがグリッド2において各線状部21内に局在し、線状部21の材料に応じた吸収によりs偏光光のエネルギーがグリッド2内を伝播しながら消失していく。
一方、p偏光光については、電界成分はx方向に向いているが(Ex)、y方向で見たとき、誘電率の分布は一様であるため、前述したような電界の回転成分は実質的に生じない。従って、s偏光光のような電界のグリッド2内での局在化、各線状部21内での減衰は、p偏光光には生じない。つまり、s偏光光について磁界成分Hxの波打ち(回転)を生じさせることで電界Eyを各線状部21内に局在させ、各線状部21内での吸収によりs偏光光を選択的に減衰させていくのが、この実施形態の方法に使用されるグリッド偏光素子で採用されている吸収型の動作モデルである。このような吸収型の動作モデルは、可視域の光の偏光用にも使用できるが、グリッド材料において吸収が多くなり易い紫外域の光の偏光用に好適に用いることができる。
このような吸収型で動作するグリッド偏光素子の場合、グリッド2の各線状部21のアスペクト比(図1におけるh/w)は、より大きいこと方が好ましい。図2や図3から解るように、s波が各線状部21で吸収されることによる減衰は、s波の伝搬方向即ち各線状部21の高さ方向で生じ、アスペクト比が高い方がよりs波の減衰が大きくなるから(即ち消光比が高くなるから)である。一例を示すと、窒化チタン又は酸窒化チタンから成るグリッド2の場合、アスペクト比は3以上であることが好ましく、5以上であるとより好ましい。
より具体的な寸法について説明すると、例えば200〜380nmの近紫外線を偏光する用途の場合、各線状部21の幅wは15〜50nm程度、高さは70〜300nm程度で、アスペクト比は5〜15nm程度とされる。偏光性能に大きく影響するギャップ幅tは30〜150nm程度とされる(紫外線を偏光させる場合)。
次に、このような第一の実施形態の紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子の好適な製造方法について説明する。図4は、第一の実施形態のグリッド偏光素子の好適な製造方法について示した正面断面概略図である。
グリッド偏光素子は、前述したように薄膜作成とフォトリソグラフィの技術を利用して製造される。このグリッド偏光素子は紫外線の偏光用となっており、高アスペクト比のグリッド構造を得るため、図4に示す製造方法は、犠牲層と呼ばれる層を一時的に形成する方法となっている。
具体的に説明すると、透明基板1に対して犠牲層となる材料で薄膜30を作成する(図4(1))。そして、レジスト塗布、露光、現像を行った後、レジストパターンをマスクにしたエッチングを行い、犠牲層31を形成する(図4(2))。犠牲層31も、グリッドと同様、縞状である。
そして、犠牲層31を覆うようにしてグリッド用の窒化チタン薄膜20を作成する(図4(3))。窒化チタン薄膜20は、各犠牲層31の上面及び側面、透明基板1の露出面に形成される。
次に、異方性エッチングによって、窒化チタン薄膜20を選択的に除去する。エッチャントは、電界によって方向付けされ、各犠牲層31の高さ方向に沿って侵入する。このため、各犠牲層31の上面及び透明基板1の露出面で窒化チタン薄膜20が除去され、各犠牲層31の側面でのみ窒化チタン薄膜20が残留する(図4(4))。
その後、犠牲層31のみを除去できるエッチャントを使用してエッチングを行うと、透明基板1の上に窒化チタン製の各線状部21が形成されたグリッド2が得られ、その後、洗浄工程などを経てグリッド偏光素子が完成する(図4(5))。
尚、犠牲層31の材料としては、窒化チタン薄膜20のエッチングの際のエッチャントに対して耐性があり、各線状部21の形成後にエッチングによって選択的に除去できるものであれば、特に制限なく選定することができる。例えば、シリコンが犠牲層31の材料として選定される。
上記製造方法において、寸法精度の良いグリッド2を得るには、各犠牲層31の側面に対して十分なそして制御された膜厚で窒化チタン薄膜20を作成することが重要である。このため、成膜方法としては、ALD(Atomic Layer Deposition,原子層蒸着法)が好適に採用される。
具体的には、原料ガスとしては、四塩化チタン(TiCl)のようなチタン錯体が使用され、高周波誘導結合プラズマ中で発生させた第一の前駆ガスを透明基板1上に到達させて吸着させ、飽和により単原子層を形成する。そして、不活性ガスパージにより余分な原料ガスを除去した後、同様に高周波誘導結合プラズマ中で発生させた第二の前駆ガスを透明基板1上に到達させて反応を完成させる。このプロセスを繰り返し、一原子層ごとに膜を成長させる。繰り返しの回数は、作成する窒化チタン薄膜20の厚さによるが、例えば500〜1500回程度とされる。
ALDの場合、表面での吸着と飽和(自己停止)を利用するので、犠牲層31の側面のような微細構造の内面に対して十分に成膜でき、且つ繰り返しの回数を定義選定することで膜厚を精度良く制御できる長所がある。このため、実施形態の方法に使用されるグリッド偏光素子の製造において好適に使用される。
次に、上記のような実施形態の紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子の一例(実施例)について、偏光性能を調べたシミュレーションの結果を説明する。図5は、グリッド偏光素子を使用した紫外線偏光光照射方法の実施例について偏光性能を調べたシミュレーションの結果を示した図である。
このシミュレーションでは、グリッド2が窒化チタン製であり、各線状部21の幅wは20nm、高さhは170nm、ギャップ幅tは70nmとしてグリッド偏光素子を構成した場合、各波長における透過率TRと消光比ERを計算により求めた。また、比較のため、酸化チタンをグリッドの材料とし、各寸法は全く同じとした場合の透過率TRと消光比ERも同様に求めた。透過率や消光比の算出には光学定数が必要であるが、窒化チタンや酸化チタンの光学定数は、フランスのSOPRA社(Sopra S.A., 26 Rue Pierre Joigneaux Bois-Colombes 92270 FRANCE)が公開しているN&Kデータベースに開示された値を用いた。尚、シミュレーションは、RCWA(Rigorous Coupled-Wave Analysis)法に従ったものであり、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)が配布しているソフトウェア(http://physics.nist.gov/Divisions/Div844/facilities/scatmech/html/grating.htm)を使用して行われた。
図5中の(1)は透過率TRを示し、(2)は消光比ERを示す。各々、横軸は波長(nm)である。尚、図5(2)の縦軸は対数目盛である。図5(1)中、TR_TiNとあるのは、窒化チタン製グリッドの場合の透過率、TR_TiO2とあるのは、酸化チタン製グリッドの場合の透過率である。図5(2)中、ER_TiNとあるのは窒化チタン製グリッドの場合の消光比、ER_TiO2とあるのは、酸化チタン製グリッドの場合の消光比である。
図5(1)に示すように、300〜390nmの波長域では、酸化チタン製のグリッドの方が高い透過率を示しているが、250〜300nm程度の波長域では、窒化チタン製のグリッドは酸化チタン製のグリッドの場合とほぼ同様の透過率となっている。
また、図5(2)に示すように、300〜390nm程度の波長域において、窒化チタン製のグリッドの場合には酸化チタン製のグリッドの比べて若干高い消光比を示している。260〜300nmの範囲では、逆に酸化チタン製のグリッドの方が若干消光比が高くなっているものの、260nm以下では逆転しており、窒化チタン製のグリッドの方が高くなっている。
尚、消光比は、7〜8程度以上あれば十分であるとされる場合も多く、窒化チタン製のグリッドは、320〜390nm程度の範囲でも十分に使用可能である。
このように、窒化チタン製のグリッドと酸化チタン製のグリッドでは、波長により優劣はあるが、総じてほぼ同様の偏光性能が得られることがシミュレーションにより示されている。図5では、酸窒化チタン製のグリッドの場合は示されていないが、同様に大差のない偏光性能が得られると容易に推測できる。
但し、260nm以下の波長域における窒化チタン製のグリッドの消光比は、酸化チタン製のグリッドの場合に比べて高くなっている。したがって、この波長域の光を偏光させる用途、特に消光比の高い偏光光が必要な用途においては、窒化チタン製のグリッドは大きな優位性を有するとして良い。
いずれにしても、これらのシミュレーション結果は、窒化チタン製のグリッド又は酸窒化チタン製のグリッドによれば、一部に酸化が生じても偏光特性の大きな劣化はなく、良好な偏光性能が安定して得られることを示している。
尚、前述したように、窒化チタン薄膜は、例えば四塩化チタン(TiCl)を原料ガスとしたALDで作成されるが、より具体的な条件を示すと、原料ガスを活性化させるプラズマとしては、放電空間での投入電力が300〜1000W程度の高周波プラズマが使用される。成膜時の透明基板の温度は200〜600℃であり、パージガスとしては窒素が使用される。一原子層の積み重ねの回数(繰り返しの回数)は、500〜1500回程度であり、作成される窒化チタン薄膜の膜厚は12〜36nm程度とされる。
次に、第二の実施形態の紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子について説明する。図6は、第二の実施形態の紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子の正面断面概略図である。
図6に示すグリッド偏光素子は、グリッド2を形成する各線状部21において、主たる層21aが酸窒化チタンで形成されている。図6に示すように、各線状部21は、内部に従たる層21bを有し、この層21bは酸化チタンで形成されている。図6に示すように、酸化チタンである従たる層21bは、線状部21全体の断面積に対して50%未満であり、したがって50%未満の体積である。
図7は、図6に示すグリッド偏光素子の製造方法について示した正面断面概略図である。
図6に示すグリッド偏光素子を製造する場合、同様に透明基板1に対して犠牲層となる材料で薄膜30を作成する(図7(1))。そして、レジスト塗布、露光、現像を行い、レジストパターンをマスクにしたエッチングを行い、犠牲層31を形成する(図7(2))。
そして、犠牲層31を覆うようにしてグリッド用の酸化チタン薄膜40を作成する(図7(3))。酸化チタン薄膜40は、各犠牲層31の上面及び側面、透明基板1の露出面に形成される。
次に、異方性エッチングによって、酸化チタン薄膜40を選択的に除去する。同様に、エッチャントを電界によって方向付けし、各犠牲層31の上面及び透明基板1の露出面で酸化チタン薄膜40を除去し、各犠牲層31の側面でのみ酸化チタン薄膜40を残留させる(図7(4))。
その後、同様に犠牲層31のみを除去できるエッチャントを使用してエッチングを行い、透明基板1の上に酸化チタンより成る各線状部41が形成された状態とする(図7(5))。
その上で、各線状部41に対し窒化処理を施し、酸窒化チタンより成る主たる層21aと酸化チタンより成る従たる層21bで各線状部21が形成されるようにする。例えば、各線状部41を窒素プラズマに晒し、プラズマ中の窒素イオンや窒素活性種の作用により窒化処理する方法が採用される。窒化は、各線状部41の表面から生じるが、各線状部41はナノオーダーサイズの微細なものであり、ある程度の時間、窒素プラズマに晒すことで、各線状部41の内部まで窒化することができ、50%以上の断面積において酸窒化チタンより成る層21aが形成された状態とすることができる。その後、同様に洗浄工程等を経ることで最終的にグリッド偏光素子が完成する(図7(6))。
このグリッド偏光素子においても、グリッド2を形成する各線状部21は、適度な光吸収特性を有し化学的に安定な酸窒化チタンより成る層を主たる層21aとして有するので、吸収型のモデルで動作するグリッド偏光素子が得られ、且つ酸化し易い環境下で使用されても偏光特性の悪化が問題となることはない。このため、紫外線を対象波長として偏光する場合に特に好適なグリッド偏光素子となる。
また、酸化チタンで各線状部41を形成した後に窒化処理することで酸窒化チタン製のグリッド21を得ているので、製造プロセスはシンプルであり、単体金属層を含む異種材料の多層膜をエッチングするような困難性はない。尚、線状部41の内部すべてが窒化される場合もあり、この場合は酸窒化チタンより成る主たる層21aのみで各線状部21が形成されることになる。
また、上記製造方法において、酸化チタン薄膜40の作成についてもALDが好適に採用でき、四塩化チタン(TiCl)などを原料ガスとして用いることができる。また、窒化チタンの場合と同様、酸化チタンについても、半導体プロセスにおいて確立されている各種微細加工技術を応用することができる。
尚、上記第二の実施形態では、グリッド用の薄膜として酸化チタン薄膜40を作成し、これを窒化処理することで酸窒化チタンより成る主たる層21aを形成したが、グリッド用の薄膜として窒化チタン薄膜を作成し、これを酸化処理して酸窒化チタンより成る主たる層を形成しても良い。酸化処理には、例えば高周波放電より形成した酸素プラズマに晒して行う酸素プラズマ処理を採用することができる。また、この場合、酸化処理は窒化チタンの表面領域のみであり、他の領域は窒化チタンのままとする場合もある。
次に、他の実施形態の紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子について説明する。図8は、他の実施形態の紫外線偏光光照射方法に使用されるグリッド偏光素子の正面断面概略図である。
本願発明の方法に使用されるグリッド偏光素子は、上述した第一第二の実施形態の方法に使用されるものの他にも、種々の形態であり得る。例えば、図8(a)に示すように、各線状部21が上下二つの層から形成されており、一方が窒化チタンより成る第一の層211、他方が酸窒化チタンより成る第二の層212とすることができる。この場合、第一の層211と第二の層212とは逆であっても良い。
また、図8(b)に示すように、窒化チタンより成る第一の層213と酸窒化チタンより成る第二の層214とが接触して横に並べて設けられ、二つの層213,214で一つの線状部21が形成された構造とすることもできる。
さらに、図8(c)に示すように、窒化チタンより成る第一の層215の両側に酸窒化チタンより成る第二の層216,217が設けられ、各層215,216,217が互いに接触した状態とされた構造であっても良い。この場合も、第一の層215と第二の層216,217の関係が逆であっても良い。
尚、これら図8に示す各実施形態は、窒化チタンの層と酸窒化チタンの層とで主たる層が形成されている実施形態である。つまり、主たる層は、窒化チタンのみで形成されていても良いし、酸窒化チタンのみで形成されていても良いし、両者で形成されていても良い。
次に、紫外線偏光光照射方法の発明の実施形態について説明する。以下の説明は、光配向装置や光配向層付き基板の製造方法に関するものであるが、水銀ランプを使用した方法及び装置であり、紫外線偏光光照射方法の発明の実施形態の説明も兼ねている。
図9は、実施形態の光配向層付き基板の製造方法の概略を示した図であり、光配向装置の断面概略図である。図9に示す光配向装置は、液晶ディスプレイ等の製造において光配向層を得るための光配向装置であり、光配向層用の膜に偏光光を照射することで、膜の分子構造が一定の方向に揃った状態とするものである。従って、ワーク10は、光配向層用の膜が形成された液晶基板のような基板である。光配向層用の膜は、例えばポリイミド製である。
図9に示す光配向装置は、設定された照射領域に偏光光を照射する光照射器5と、ワーク10が載置されるステージ6と、照射領域を通過するようにしてステージ6を直線移動させることでステージ6上のワーク10が照射領域を通過するようにする搬送機構7とを備えている。搬送機構7の詳細は、図9では省略されているが、ボールネジとリニアガイドを組み合わせた直線移動機構が通常は採用される。この他、光配向層の膜自体がワークである場合もあり、この場合は、例えばポリイミド製のシート状の膜をロールツーロールで搬送する搬送機構が採用され、搬送の途中で偏光光が照射される。
光照射器5は、光源51と、光源51の背後を覆ったミラー52と、光源51とワーク10との間に配置されたグリッド偏光素子53とを備える。グリッド偏光素子53は、前述したものである。
光配向には紫外線の照射が必要なことから、光源51にはロングアーク型の低圧水銀ランプ又は高圧水銀ランプが使用される。一般的には封体内圧が100Pa以下のものが低圧水銀ランプとされ、それ以上は高圧水銀ランプとされる。光源51は、ワーク10の搬送方向に対して垂直な方向(ここでは紙面垂直方向)に長いものである。ミラー52は、光源51と同じ方向に延びる長尺な一対のものであり、反射面の断面形状は、放物線状又は楕円の円弧状とされる。
グリッド偏光素子53は、前述したように、グリッドの長さを基準にしてp偏光光を選択的に透過させるものである。従って、光配向を行う方向にp偏光光の偏光軸が向くよう、ワーク10に対してグリッド偏光素子53が姿勢精度良く配置される。
尚、グリッド偏光素子53は、大型のものを製造するのが難しいため、大きな領域に偏光光を照射する必要がある場合、複数のグリッド偏光素子53を同一平面上に並べた構成が採用される。この場合、複数のグリッド偏光素子53を並べた面は、ワーク10の表面と並行とされ、各グリッド偏光素子53における格子の長さ方向がワーク10に対して所定の向きとなるように各グリッド偏光素子53が配置される。
照射領域において、ワーク10に対してグリッド偏光素子53を介して偏光光が照射される。この結果、ワーク10に形成されている光配向層用の膜の分子構造が偏光光の偏光軸の向きに揃った状態となり、光配向層が得られる。即ち、光配向層付き基板が製造される。尚、ワークがロールツーロールで搬送される光配向用の膜材である場合、光配向処理の後、適宜の大きさに切断されて基板に貼り付けられる。これにより、光配向層付き基板が製造される。
上述したように、グリッドの各線状部が窒化チタンで形成されているグリッド偏光素子53は、260nm以下の波長域において消光比が高くなる偏光特性を有する。消光比が高いということは、偏光光の純度(偏光軸の向きについての純度)が高いことを意味し、光配向がより鮮明に行われることを意味する。一方、周知のように低圧水銀ランプは、254nmや185nmにおいて強い輝線スペクトルを有する。従って、このような水銀ランプと窒化チタン製グリッドのグリッド偏光素子53を組み合わせた光配向装置は、より品質の良い光配向層が高い生産性で得られるという優れた結果をもたらす。
尚、グリッドの材料が酸窒化チタンの場合も、窒化チタンほどではないとしても254nmの輝線スペクトルに対して高い消光比を発揮すると推測され、ほぼ同等の効果が得られると考えられる。このような効果は光配向という用途において特に有意義であるが、光配向に限らず、紫外域の波長において質の良い高照度の偏光光の照射が必要な用途において一般的に妥当する。
また、上記説明では、光配向装置は搬送機構7を備えたものであったが、単に偏光光照射領域にワーク10を配置する手段(例えばステージ6)が設けられているだけであっても良い。
上記各実施形態の方法に使用されるグリッド偏光素子において、各線状部21の主たる層を形成する膜20,40はALDで形成されたが、CVDやスパッタリングのような他の方法で作成されることもあり得る。
また、上記説明では、対象波長は紫外域特に260nm以下の波長域の紫外線の偏光について専ら取り上げたが、260〜380nmの波長域の紫外線(例えば365nm)の偏光用にも前述したグリッド偏光素子は好適に使用できる。
尚、グリッド偏光素子において、グリッド2の各線状部21の間はギャップは空気であると説明したが、ギャップ内に適宜の材料が充填されることもあり得る。
1 透明基板
2 グリッド
21 線状部
21a 主たる層
21b 従たる層
31 犠牲層
5 光照射器
51 光源
6 ステージ
7 搬送機構

Claims (8)

  1. 透明基板と、透明基板上に設けられた多数の線状部で形成された縞状のグリッドとより成り、入射する光のうち特定の偏光光を選択的に透過させることで200nm以上260nm以下の波長の紫外線を偏光させる非反射型グリッド偏光素子であって、グリッドを形成する多数の線状部は、窒化チタン又は及び酸窒化チタンで形成された主たる層を有しており、単体金属の層を含まない非反射型グリッド偏光素子を、260nm以下の輝線スペクトルを含む水銀ランプからの光が到達する位置に配置し、この非反射型グリッド偏光素子を透過した波長260nm以下の紫外線の偏光光を対象物に照射することを特徴とする紫外線偏光光照射方法。
  2. 前記グリッドを形成する各線状部の幅をw、高さをhとしたとき、h/wが3以上であることを特徴とする請求項1記載の紫外線偏光光照射方法
  3. 前記線状部は、前記線状部の厚さ方向に光が伝搬する過程で、各線状部の長さ方向に垂直な方向に偏光軸が向いている偏光光に比べて、各線状部の長さ方向に偏光軸が向いている偏光光が多く吸収されることで光を偏光させるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の紫外線偏光光照射方法
  4. 前記グリッドを形成する各線状部の離間間隔は、100nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項3記載の紫外線偏光光照射方法
  5. 透明基板と、透明基板上に設けられた多数の線状部で形成された縞状のグリッドとより成り、入射する光のうち特定の偏光光を選択的に透過させることで200nm以上260nm以下の波長の紫外線を偏光させる非反射型グリッド偏光素子であって、グリッドを形成する多数の線状部は、窒化チタン又は及び酸窒化チタンで形成された主たる層を有しており、単体金属の層を含まない非反射型グリッド偏光素子を、波長260nm以下の紫外線を放射する光源から光が到達する位置に配置し、この非反射型グリッド偏光素子を透過した波長260nm以下の紫外線の偏光光を光配向層用の膜に照射する工程を含むことを特徴とする、光配向層付き基板の製造方法。
  6. 前記グリッドを形成する各線状部の幅をw、高さをhとしたとき、h/wが3以上であることを特徴とする請求項5記載の光配向層付き基板の製造方法
  7. 前記線状部は、前記線状部の厚さ方向に光が伝搬する過程で、各線状部の長さ方向に垂直な方向に偏光軸が向いている偏光光に比べて、各線状部の長さ方向に偏光軸が向いている偏光光が多く吸収されることで光を偏光させるものであることを特徴とする請求項5又は6記載の光配向層付き基板の製造方法
  8. 前記グリッドを形成する各線状部の離間間隔は、100nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項7記載の光配向層付き基板の製造方法
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