JPH08195367A - ウエハ−及びその製造方法 - Google Patents

ウエハ−及びその製造方法

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JPH08195367A
JPH08195367A JP7178064A JP17806495A JPH08195367A JP H08195367 A JPH08195367 A JP H08195367A JP 7178064 A JP7178064 A JP 7178064A JP 17806495 A JP17806495 A JP 17806495A JP H08195367 A JPH08195367 A JP H08195367A
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敬一朗 田辺
Yuichiro Seki
裕一郎 関
Akihiko Ikegaya
明彦 池ケ谷
Naoharu Fujimori
直治 藤森
Takashi Chikuno
孝 築野
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来、ダイヤモンドのようにバルクの結晶を
作りにくい材料に関して広い面積の基板が存在しなかっ
た。ダイヤモンドの大面積エピタキシャルウエハを提供
することが本発明の目的である。 【構成】 広い面積を有する既存のウエハの上に、ダイ
ヤモンド膜を膜側が凸になるように気相成長させる。膜
側が凸である複合材料をホルダ−面が傾き得るようにし
た研磨装置によて研磨し、薄膜の前面を研磨する。これ
により反りのある平滑なダイヤモンドの大面積のミラ−
ウエハを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SAW(弾性表面波素
子)、サ−ミスタ、半導体デバイス用(トランジスタ、
センサ、ダイオ−ド)基板或いは、耐圧ディスク、ディ
スク保護膜、X線窓などに利用できるダイヤモンドウエ
ハ−とその製造方法に関する。ダイヤモンドはヤング率
と密度の比で決まる音速が極めて大きい。このため、表
面弾性波の速度も抜群に速い。SAWの基板素子として
期待されている。SAWはフィルタ、位相シフタ、コン
ボルバなどの用途がある。
【0002】ダイヤモンドは優れた物理的、化学的性質
を持つ。しかし、大面積で安価な材料ができない。超高
圧合成法は、バルクのダイヤモンドを作ることができる
が、小さい粒子状のものしかできない。精々数mm角の
小粒子である。大きくても1センチ角である。小さいも
のしか製造できない。従ってダイヤモンドウエハ−とい
えるような薄い板状の広い面積を持つものは未だに存在
しない。SiやGaAsのように、太い単結晶のインゴ
ットをブリッジマン法によって引き上げることができれ
ばよいのであるが、ダイヤモンドの場合これができな
い。バルク結晶からなるダイヤモンドウエハ−を製造す
ることはできない。
【0003】エレクトロニクスの分野で利用できるため
には、少なくとも1インチ径以上の大きさのウエハ−を
必要とする。2インチ、3インチ、あるいは5インチ径
のウエハ−が製造できることが切に望まれる。またデバ
イスの製造ラインに乗るためには、厚みが1mm以下で
あることが必要である。1インチ以上、1mm以下の多
結晶ダイヤモンドウエハ−が切に望まれる。さらにそれ
だけでなく、単結晶のダイヤモンドウエハ−ができれば
もっと好都合である。Si半導体やGaAs半導体によ
り、特性の安定した素子を製造することができるように
なったのは、高品質の単結晶のウエハ−が存在したから
である。
【0004】
【従来の技術】ダイヤモンドは気相合成法により薄膜が
できるようになっている。これは加熱された適当な基板
の上に原料ガスを流して、ダイヤモンドの薄膜を気相成
長させる方法である。少なくとも水素ガスと炭化水素ガ
ス、或いは前記ガスにホウ素を含むガス、窒素を含むガ
スを原料ガスとして導入し、加熱された基板に与えて、
化学反応により薄膜合成し、これを基板の上に積んでゆ
くものである。ガスを励起する方法として幾つかの方法
が知られている。熱フィラメント法、マイクロ波プラズ
マCVD法、高周波プラズマCVD法、DCプラズマジ
ェットCVD法などがある。方法によっては面積の広い
ダイヤモンドの膜を製造することもできる。しかし合成
速度が遅いので、あまり厚い膜は作りにくい。時間をか
ければ、かなり厚い膜を作ることもできる。
【0005】しかし現在のところ、ダイヤモンドウエハ
−といえるようなものは存在しない。多結晶のダイヤモ
ンドウエハ−がない。まして単結晶のウエハ−は全く存
在しないのである。大きいバルク単結晶ダイヤモンドを
成長させることができないので、全体がダイヤモンドで
成るウエハ−は勿論できない。適当な基板ウエハ−の上
にダイヤモンド薄膜を形成するという複合的なウエハ−
を製作できる可能性がある。被膜を形成した後も被膜を
除かず、基板+被膜の複合ウエハ−とするのである。ダ
イヤモンドのヘテロエピタキシャル成長については、既
に幾つかの技術が提案されている。例えば、特開昭63
−224225号、特開平2−233591号、特開平
4−132687号である。
【0006】これらは、単結晶のSiC基板、Si基
板、ニッケル基板、コバルト基板の上にダイヤモンド単
結晶を成長させたと言っている。エレクトロニクス素材
や耐磨ディスクとする場合、表面の部分の性質しか利用
しないという場合が多い。だからこのような複合的なも
のでも差し支えない場合が多い。しかし、そのように複
合的なウエハ−であっても、現在のところ産業上利用可
能なダイヤモンドウエハ−は現存しない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】その理由は、研磨がで
きないということにある。気相成長させたダイヤモンド
膜は凹凸がある。研磨により平滑にしなければならな
い。Siウエハ−でも、インゴットから切り出したウエ
ハ−は研磨してミラ−面にする。ダイヤモンドウエハ−
でも同様で、表面がミラ−状でなければならない。しか
し研磨できない。どうして研磨できないのか?ダイヤモ
ンドは極めて硬いということが一つの理由である。しか
し、これはダイヤモンド砥粒を使い圧力をかけ、時間を
かけることにより、研磨することができる。砥粒も被研
磨物も同じ材料であるので、共けずりという。
【0008】致命的な困難がある。研磨装置は、平坦な
ホルダ−にウエハ−を貼り付け、平坦な研磨板(研磨定
盤)に押し当てて、ホルダ−をシャフト周りに自転さ
せ、研磨定盤を公転させて、遊離砥粒あるいは固定砥粒
の作用により、ウエハ−の下面を削ってゆくものであ
る。出来上がったミラ−ウエハ−は平坦でなければなら
ないので、平坦なホルダ−が使われるのは当然である。
Siウエハ−の場合は、これで8インチのウエハ−もう
まく研磨できる。基板とダイヤモンド薄膜からなる複合
膜であるから、熱膨張率の違いがある。合成の後冷却す
るので、強い熱応力が発生する。又、膜自身の真性応力
も存在する。製造条件により、被膜側に凸のもの(凸反
り)、被膜側に凹のもの(凹反り)、平坦なものができ
る。いずれの場合も、圧力をかけ、時間をかけて研磨し
ても、研磨出来ない部分が残る。
【0009】図9に示すように、凹反りの場合は、ウエ
ハ−の中間部に未研磨部が残る。周辺部が削られるのは
当然である。強い圧力でウエハ−を押さえるので、中心
部は研磨板に接触する。しかし中間部は研磨板に接触で
きず研磨されない。凸反りの場合は、ウエハ−の外周に
広い未研磨部が残る。反りがない場合なら綺麗に研磨出
来そうに思える。ところがそうでない。反りがないとい
っても、実はねじれがあって、ランダムに未研磨部が残
る。いずれの場合でも、従来の研磨装置によっては、ダ
イヤモンド複合材料を全体均一に研磨することができな
い。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、はじめから凸
に反っているダイヤモンド以外の材料の単結晶基板の凸
反りの面に、気相合成法により、ダイヤモンド膜を形成
し、面が傾き得るホルダ−に基板を貼り付け、ホルダ−
を傾けながら研磨し、面粗度がRmax500Å(50
nm)以下、Ra200Å(20nm)以下になるよう
に研磨したものである。ダイヤモンドの膜厚は、2μm
〜150μmとし、好ましくは10μm〜50μmが良
い。ヘテロエピタキシャル成長させるために成長初期に
基板に負バイアスをかけ、炭化水素/水素の比率を高く
するのが有効である。後に炭化水素/水素の比率を下げ
る。
【0011】薄膜形成のために用いる気相合成法は、フ
ィラメントCVD法、プラズマCVD法、マイクロ波プ
ラズマCVD法、火炎法などである。圧力は1Torr
〜300Torrである。ダイヤモンドを合成する場合
の原料は、水素ガスと炭化水素ガスである。ダイヤモン
ドを気相合成する場合の原料ガスは、主に水素と炭化水
素を用いるが、水素の全て、もしくは一部を不活性ガス
に置換してもかまわない。又、炭素を含む、有機・無機
ガスを炭化水素の代わりに置き換えることもできる。
又、酸素を含む有機・無機ガスを添加することも可能で
ある。
【0012】本発明は、始めから反りのある基板を使
う。凸の方に薄膜成長させる。気相合成後の試料は薄膜
側に凸反りである。平坦なものは不可である。薄膜側に
凹反りなものも不可である。凸反りでなければ一様に研
磨できない。研磨は、ホルダ−面を傾けながら凸面の全
体を一様に研磨する。これが本発明の眼目である。研磨
によりRmax500Å(50nm)、Ra200Å
(20nm)以下の面粗度にする。この程度の面粗度で
あれば、この上にフォトリソグラフィ−により電極形
成、不純物打ち込み、拡散、選択エッチングなどのウエ
ハ−プロセスを行なうことができる。こうして単結晶の
ダイヤモンドウエハ−を作ることができる。
【0013】
【作用】本発明は、ダイヤモンドを成長させる基板自体
が反りのあるものを使う。そうすると、ダイヤモンド膜
を合成した後も、所望の反りのあるものが得られるの
で、本発明で提案する研磨装置を使って、全面を均一に
研磨することができる。図1に本発明のダイヤモンドウ
エハ−の断面図を示す。始めから反りのある基板を使
い、この上にダイヤモンド膜を形成するから、合成後も
反りがある構造になる。基板とダイヤモンド膜との熱膨
張率が違うし、厚い膜を形成するので、反りの程度は初
期状態と合成後状態で異なることもあるであろう。しか
し研磨の際に、反りが凸反り(薄膜側に)で、反り量が
2μm〜150μmであれば良い。薄膜形成による反り
の変化を見込んで、初期の基板の反りを適当に定めてお
く。
【0014】ウエハ−の反りについてさまざまな定義の
方法がある。しかしここでは、ウエハ−の周辺部を含む
平面からの中心部の高さΔHを反り量とする。薄膜側が
凸になるのを負、薄膜側が凹になるのを正とする。この
定義を使うと、本発明は、研磨前のウエハの反りが−1
50μm〜−2μmの範囲にあると表現できる。つまり
薄膜側に凸反りになるようにする。図1は凸反りを示
し、反りΔHは負である。基板は、Si単結晶、Ni単
結晶、Cu単結晶、SiC単結晶などを用いることがで
きる。Siを基板に用いる場合は、ダイヤモンドとの境
界に薄いβ−SiCの境界層が発生するようにする。
【0015】ダイヤモンド、基板、反りについて次に説
明する。 [A.ダイヤモンド被膜] ダイヤモンド膜は次の特性を持つべきである。 1.膜厚:2μm〜150μm、特に10μm〜50μ
mが望ましい。膜厚が大きいと膜形成のコストが増大す
る。1000μmの膜でも良いのであるが膜生成の時
間、材料の点で不利である。膜厚が少ないと、研磨が困
難である。研磨の際に研磨面と偏当たりして割れること
もある。
【0016】2.研磨後の面粗度:Rmaxが500Å
(50nm)以下 Raが200Å(20nm)以下 面粗度がこれ以上大きいと、デバイス用ウエハ、耐磨ウ
エハとして利用できない。なぜなら、面粗度が大きいと
微細配線をその表面に形成することができない。また摩
擦係数も大きくなり耐磨工具などにも利用できない。 3.単結晶である。単結晶の基板の上にエピタキシャル
成長するので、単結晶にすることができる。
【0017】[B.基板(基体)]ダイヤモンド薄膜を
ヘテロエピタキシャル成長により形成する基板は、C
u、Ni、SiC、Si、Cu−Ni合金などの単結晶
基板である。核発生を促進するために、基板にバイアス
をかけるのが有効である。ここでは、Siウエハ−の場
合について説明する。Si基板は単結晶である必要があ
る。(110)Siウエハ−の上に、(110)ダイヤ
モンドを成長させることができる。(111)Siウエ
ハ−の上に(111)ダイヤモンドをヘテロエピタキシ
ャル成長させることができる。また(100)Siに、
(100)ダイヤモンドをエピタキシャル成長させるこ
とができる。
【0018】基板の厚みは0.1mm〜1mmとするの
が良い。基板が薄すぎると研磨することができない。反
対に厚すぎると半導体プロセスに乗せることができな
い。デバイス作製のためのウエハ−としては不適であ
る。基板形状は、ウエハ−プロセスを円滑に行なえるた
めに、円形であるのが好都合である。従来のSiのウエ
ハ−プロセスが円形ウエハ−を対象にして設計されてお
り、円形のウエハ−であればこのように、Siデバイス
製造工程と同じような装置を用いることができる。また
方位を示すためのオリエンテ−ションフラット(OF)
や、インデックスフラット(IF)が付いていても良
い。しかし矩形であっても同じようにヘテロエピタキシ
−することができる。
【0019】[C.反り]基板は始めから反りがあるも
のを使う。平坦なウエハ−を使わない。この点で現在半
導体工業で普通に使われているSi単結晶ウエハ−を利
用することはできない。初期反りは−2μm〜−150
μmとは限らないが、薄膜合成後の反りが−2μm〜−
150μmとなるようにする。反りΔHは研磨の直前に
−150μm≦ΔH≦−2μmとなっていればよい。よ
り好ましくは−50μm≦ΔH≦−5μmとする。
【0020】前節では、研磨が良好に行われるための条
件として、研磨前のウエハ−の形状について述べた。ウ
エハ−の内部は一様な組成、一様な構造であった。さら
に本発明においては、不均一な膜構造を採用して、膜構
造をさらに強化することができる。これは研磨が良好に
行われるうえで効果のある改良である。
【0021】ダイヤモンドの表面が研磨される時は、そ
の界面にもかなり大きい力がかかる。この強大な力によ
って、ダイヤモンド膜が基板から剥離してしまったり、
チッピングを起こしたりする。特に均一性の高い膜の場
合は、ダイヤモンドが基板から剥離する恐れがある。そ
こで、ダイヤモンドが界面から剥離しないように工夫を
する。そのためには、ダイヤモンドと基板との接合力を
強化し、研磨時に加わる力を分散させる必要がある。本
発明者はさらに接合力を増大させる方法について考察を
深めた。
【0022】ダイヤモンドと基板結晶との接合力を高め
るには、界面に異種物質を形成することが有効である。
ダイヤモンドを形成する基板は、SiやGaAsのよう
に、ダイヤモンドよりも格子定数の大きいものである場
合が多い。そこでダイヤモンドと基板の中間の大きさの
格子定数をもつ異種物質を、基板とダイヤモンドの間に
形成する。異種物質の中間層によって格子定数の不連続
が緩和され接合力が強化される。例えば、SiCなどが
望ましい。これは基板がSiの場合は最適であるが、S
i以外の基板であってもSiCを中間層に使うことがで
きる。
【0023】それ以外にも接合力を強化する方法がない
かどうかさらに実験を重ねた。実験によって、界面近く
のダイヤモンドを窒素含有のものとすると、ダイヤモン
ドと基板の接合力が増し、密着性が高くなることが分か
った。窒素による界面強化の理由は次のように考えられ
る。窒素原子は5つの殻外電子を持つ。これは炭素の殻
外電子数4より一つ多い。窒素の余った殻外電子が界面
における基板との結合力を強化する。このような窒素に
よる結合の強化は、窒素の濃度が0.1重量ppm以上
で効果が認められた。しかし反面窒素の含有が多くなる
とダイヤモンド膜質の低下を招く。窒素濃度の上限は1
000重量ppmである。より好ましくは、1ppm〜
100ppmの範囲の窒素を加える。
【0024】接合力を強化する第3の手段は、ランダム
方位のダイヤモンド領域を適宜形成することである。部
分的に多結晶ダイヤモンドを形成すると、クラックの進
行を抑制できるので、割れや剥離に対して抗力を増す
ことができる。結晶方位がランダムなダイヤモンドは、
基板表面に傷つけ処理をすることによって容易に形成す
ることができる。傷つけ処理をしない部分は基板に方位
整合した結晶が成長する。そこで部分的に表面に傷つけ
処理をしてランダム方位のダイヤモンドを形成する。
【0025】ランダム方位の多結晶は1%以上であれば
接合力強化の効果がある。多結晶比率が増えるほどに接
合は強化される。チッピングや剥離が起こり難くなる。
しかし、方位の揃ったダイヤモンドの方が透光性や電気
的特性に優れている。そもそも本発明は方位の揃った単
結晶ダイヤモンドを作るのが目的であった。それで全面
にランダム方位の多結晶ダイヤモンドを形成するのは望
ましくない。そこで部分的にランダム方位の多結晶を作
り、残りの部分は基板と方位が同一のダイヤモンド(単
一方位ダイヤモンド)とする。
【0026】部分的にランダム方位ダイヤモンドを作る
には、部分的に傷つけ処理を行えば良い。その部分にの
みランダム方位ダイヤモンドが成長するからである。ラ
ンダム方位ダイヤモンドをどのように配置しても補強効
果はある。しかし目的によって好ましい配置というもの
がある。一つはウエハ−の周辺部にランダム方位多結晶
ダイヤモンドを作るというものである。図16にこれを
示す。周辺部に傷つけ処理をしてここに多結晶ダイヤモ
ンドを成長させる。
【0027】もう一つの配置は、周期的に多結晶ダイヤ
モンド領域を形成することである。図17、図18にこ
れを示す。ダイヤモンド膜の上にICなどを製作する場
合は、基板の上に周期的に同じICパタ−ンを形成す
る。この場合は、方位の揃ったダイヤモンド(単一方位
ダイヤモンド)も周期的に存在するのが望ましい。そこ
で隣接デバイスの丁度境界になる部分に多結晶ダイヤモ
ンドを形成する。ランダム方位ダイヤモンドの部分を切
断して個々のデバイスに分離する。単一方位ダイヤモン
ド領域の広さは、デバイスの面積に合致させると好都合
である。一般にデバイスは1mm2 以上の面積を持つの
で、単一方位ダイヤモンドの一つの広さは1mm2 以上
とするのが良い。さらにICの製作後に、ウエハ−を分
割するので、単一方位ダイヤモンドは、劈開方向である
(111)面に直角の面方位を持つことが望ましい。
【0028】
【実施例】
[膜全体が均一のもの:実施例1〜8、比較例9〜1
2]図3に示すような工程により本発明のダイヤモンド
ウエハ−を作り、電極を形成して断線歩留まりを調べ
た。ダイヤモンドウエハ−は、後に示す表の条件、方法
で作った。結果も表に列挙している。ここではSi単結
晶を基板にしている。図3ののように反りのある円板
状基板を用意する。円板状の基板の凸の面に、ダイヤモ
ンド膜を、マイクロ波プラズマCVD法、フィラメント
CVD法、プラズマジェットCVD法によりコ−テイン
グした。圧力は1〜300Torrである。
【0029】Si基板の場合は始めにβ−SiCを成長
させるので、高炭化水素濃度の原料ガスを用いる。また
基板に負のバイアス(−50V〜−1000V)をかけ
るのが好ましい。炭化水素としてメタンを使う時は、メ
タンと水素の体積比(CH4/H2 )を3%以上にす
る。
【0030】β−SiCが出来た後、低炭化水素濃度の
原料ガスを用いる。メタンの場合は、メタンと水素の体
積比は、0.1vol%〜3vol%である。ただし、
始めの工程(β−SiCの形成)と後の工程の炭化水素
の比は相対的なものである。図3のように膜側が凸で
あるSiC/ダイヤモンド膜が形成される。膜と基板の
間の応力のために基板の反りが変化するが、これは多く
の場合僅かである。初期の反りと、ダイヤモンド膜合成
後の反りの関係は、製造方法、製造条件により違う。い
ずれにしても、ダイヤモンド合成後の反りΔHが、−1
50μm≦ΔH≦−2μmであるようにする。薄膜側が
凸であるウエハ−のダイヤモンド膜を、機械式研磨機に
より研磨した。図3のように、表面は凹凸のない平滑
な面になる。
【0031】さらにアルミ膜を蒸着した(図3)。フ
ォトリソグラフィ−によりアルミの一部をエッチング
し、微細配線を形成した。線幅は、0.5μm〜2μm
の間で変化させた。図3のような微細平行線パタ−ン
を有するダイヤモンドウエハ−になる。これはSAWと
する時の櫛形電極と同じような寸法である。そして断線
歩留まりを調べた。これらの結果を表1〜表6に示す。
12の試料について個別に説明する。表1は、基板の厚
み、直径、初期反り量(ΔH)である。
【0032】
【表1】
【0033】ここで試料番号1〜8は実施例であり、9
〜12は比較例である。基板の厚みの単位はmm、直径
の単位はインチである。反りの単位はμmである。まだ
薄膜が付いていない段階で反りの正負は決まらないが、
ここで負は凸面に薄膜成長させるということである。正
は凹面に薄膜成長させるということである。試料1の基
板は、Si(100)で1mm厚、2インチウエハ−で
ある。反りは−5μmである。試料2はSi(10
0)、1mm厚、4インチ径で反りが−15μmであ
る。、試料3はSi(111)、0.35mm厚、8イ
ンチウエハ−であり、反りは−60μmである。
【0034】試料4はSi(100)で0.1mm厚、
1インチ径、反りが−10μmである。試料5はSi
(100)で0.8mm厚、3インチ、ΔH−2.5μ
m、試料6はSi(110)で厚みが0.5μm、2イ
ンチ径、反り−10μmである。試料7はSi(11
1)で0.3mm厚、5インチ径、反り−2.5μmで
ある。試料8はSi(110)で厚みは1mm、4イン
チウエハ−、反りは−15μmである。以上は実施例で
ある(ΔHが−150μm〜−2μm)。
【0035】次の4つは比較例である。試料9はSi
(100)で厚みは0.05mm、2インチ径で凹反り
+200μmである。試料10はSi(111)で1m
m厚、8インチ径、反り+400μmである。試料11
はSi(110)で3mm厚、0.5インチ径、反りが
ない(ΔH=0)。試料12はSi(100)で0.5
mm厚、3インチ径、反り0である。比較例の基板は反
りがないか、反りが正(ΔH>0)である。この上にマ
イクロ波プラズマCVD法、フィラメントCVD法、プ
ラズマジェットCVD法により、SiC膜、ダイヤモン
ド膜を合成した。反応の前期と後期において炭化水素/
水素の体積比を変化させることもある。初期にSiCを
形成するためには炭化水素の比率を高める方が良い。ま
た基板側にバイアスをかけることもある。始めにこれら
3つの製造方法について説明する。
【0036】図4はフィラメントCVD装置の概略構成
図である。真空チャンバ11の内部にサセプタ12が設
けられる。この上に基板13が戴置される。チャンバ1
1にはガス排出口14があり、真空排気装置(図示しな
い)につながっている。電極15がサセプタ12の周辺
部に設けられる。電極15の間にフィラメント17が取
り付けられる。チャンバ11のガス導入口18から原料
ガスである水素や炭化水素ガスなどが導入される。19
は真空計である。電源21によりフィラメントに通電
し、これを加熱する。フィラメント17の熱により基板
とガスが強く加熱される。冷却媒体20がサセプタの内
面を通過し、サセプタ12を冷却し、基板を適当な温度
に保持する。フィラメントの熱により原料ガスが励起さ
れて気相反応が起こり反応生成物が基板の上に堆積す
る。サセプタにバイアスをかけることもある。図17は
基板にバイアスをかけるようにした装置の構成図であ
る。電源62によって負バイアス印加する。グリッド6
1はプラズマ分布を均一にする。
【0037】図5はマイクロ波CVD装置の概略構成図
である。縦長の真空チャンバ22には原料ガスが上から
下へと送られる。支持棒23の上端にサセプタ24があ
り、ここに基板25が戴置される。原料ガス26は真空
チャンバ22の上方から導入される。これは基板25の
近傍を通り、下方の出口27から排出される。プラズマ
の生成される部分は冷却装置28により冷却される。マ
グネトロン29で発振したマイクロ波33は横長の真空
導波管30を伝搬する。原料ガスの流れと直交する方向
に進行し、原料ガスを励起してプラズマ31とする。ピ
ストン32により共鳴板34が動き、適当なモ−ドの定
在波を立たせることができる。
【0038】図18は基板にバイアスをかけることがで
きるように改良した装置を示す。これはグリッド65を
基板25の上方に設け、プラズマ分布を平均化してい
る。電源66によって基板に負バイアスをかけている。
図19はTMモ−ドのマイクロ波を印加できる装置の概
略構成図である。マグネトロン70によりマイクロ波が
発生する。結合機71から導波管72に導かれる。モ−
ド選択装置73により適当なマイクロ波モ−ドが選ばれ
る。これがチャンバ75で曲がり、誘電体の窓76を通
って、反応室77に入る。サセプタ78の上には基板7
9が置かれる。サセプタ78には電源81によって負バ
イアスが加えられる。
【0039】図6はプラズマジェットCVD装置を示
す。チャンバ35の内部下方にサセプタ36があり、こ
の上に基体(基板)37を戴置してある。チャンバ35
の上方にはプラズマト−チ38が設置される。これは中
心の陰極と、外周部をなす陽極の間にガス40を通し、
電源39により直流電圧を印加して放電を起こさせて、
プラズマとする。ガスはアルゴン、水素などのプラズマ
点灯維持のためのガス、キャリヤガスなどと、原料とな
る炭化水素ガスなどである。図20は基板にバイアスを
掛けることのできる改良装置を示す。
【0040】ダイヤモンド膜の合成は、このように、真
空容器に原料ガスを流しこれを熱、マイクロ波などによ
り励起し、加熱した基体の上に膜形成させるものであ
る。原料ガスは炭化水素ガスと水素ガスよりなる。ダイ
ヤモンドの被膜形成はこれ以外の方法でも行なうことが
できるが、ここではマイクロ波プラズマCVD法、フィ
ラメントCVD法、プラズマジェットCVD法のいずれ
かを使っている。表2に製造方法、製造条件などを各試
料について示す。
【0041】
【表2】
【0042】試料1は、マイクロ波プラズマCVD法に
て製膜した。炭化水素ガスとしてメタンを使っている。
始めの30分はメタン/水素の体積比が4%であり、基
板に−200Vのバイアスをかけている。これは水素ラ
ジカルの発生核生成を促進する。これによりSiの基板
上にSiCを形成することができる。この後メタン/水
素体積比を下げ、メタン/水素比1%の原料ガスを供給
する。バイアスはかけない。試料2はマイクロ波プラズ
マCVD法による。始めの5分間は、−300Vのバイ
アスをかけ、メタン/水素比を15%にした。これ以後
のメタン/水素は3%である。バイアスはかけない。
【0043】試料3もマイクロ波プラズマCVD法によ
り製造した。初期(30分)のメタン/水素は2%で、
バイアスはかけない。後期でのメタン/水素比は0.5
%である。後半もバイアスはかけない。試料4はフィラ
メントCVD法による。始めの30分はメタン/水素比
が5%である。−50Vのバイアスをかけている。後期
には、メタン/水素比を2%に下げている。バイアスは
0である。試料5はフィラメントCVD法により成膜し
ている。始め10分間は4%のメタン/水素体積比と
し、バイアス−150Vをサセプタにかけている。後に
はメタン/水素比を1%に落としている。バイアスはか
けない。
【0044】試料6もフィラメントCVD法による。初
期の60分はメタン/水素比を30%にする。極めて高
濃度のメタンを含む原料を用いている。サセプタにはバ
イアスをかけない。60分経過後は、メタン/水素比を
3%に落としている。バイアスはかけない。試料7はプ
ラズマジェットCVD法を用いる。初期の15分は、1
0%のメタン/水素比の原料ガスを供給する。サセプタ
に−400Vかける。後期はメタン/水素比を1%と
し、バイアスはかけない。
【0045】試料8はマイクロ波プラズマCVD法によ
る。始めの90分は20%のメタン/水素比の原料ガス
を導入する。高濃度のメタンを含むガスである。バイア
スはかけない。後半ではメタン/水素比を0.5%に落
とす。依然としてバイアスはかけない。比較例である試
料9は、マイクロ波プラズマCVD法により製膜する。
メタン/水素比は始めから終わりまで0.5%で一定で
ある。始めに正バイアス(+150V)をかける。後半
ではバイアスをなしにする。試料10は、フィラメント
CVD法による。始めはバイアスをかけず、途中から+
200Vの正バイアスを基板にかける。原料中のメタン
/水素比は終始3体積%である。
【0046】試料11は、フィラメントCVD法でダイ
ヤモンド膜を作る。原料ガス中のメタン/水素比は2%
である。始め−10Vの負バイアスをかける。後に0バ
イアスとする。試料12は、マイクロ波プラズマCVD
法で製膜する。原料ガス中のメタン/水素比は始め3%
である。後に2%に減ずる。バイアスは終始かけない。
このような製造法、条件で製膜したものの、SiCの部
分と、ダイヤモンドの部分の膜厚を測定し、さらにヘテ
ロエピタキシャル成長の成否を評価した。その結果を表
3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】SiCの膜厚の単位はnm(10Å)であ
る。ダイヤモンドの膜厚はμm(1000nm=100
00Å)単位で表している。ヘテロエピタキシャルの成
否というのは、基板の結晶方位と、SiCの結晶方位
と、ダイヤモンドの結晶方位が同一である場合に合格
(〇)とし、そうでない場合は不合格(×)と表現して
いる。つまり(111)Si基板の上に(111)Si
C膜、(111)ダイヤモンドが成長すると合格とす
る。ダイヤモンドは当然単結晶であり、基板と結晶方位
が整合しているのである。面方位の整合性は、RHEE
D(高速反射電子線回折)により、回折スポットの検証
を行なうことによって調べた。
【0049】試料1はSi基板の上に、10nm(10
0Å)のβ−SiC膜、30μmのダイヤモンド膜が整
合してエピタキシャル成長している。基板がSi(10
0)であるので、β−SiC、ダイヤモンドは(10
0)である。試料2はSi基板の上に、5nmのβ−S
iC膜、50μmのダイヤモンド膜がヘテロエピタキシ
ャル成長している。試料3はSi(111)の上に、1
5nmの(111)β−SiC膜、100μmの(11
1)ダイヤモンド膜がヘテロエピタキシャル成長してい
る。試料4はSi(100)の上に、20nmのβ−S
iC、15μmのダイヤモンド膜がヘテロエピタキシャ
ル成長できている。
【0050】試料5はSi(100)の上に、8nmの
β−SiC、5μmのダイヤモンド膜をヘテロエピタキ
シャル成長している。試料6は、25nmのβ−Si
C、30μmのダイヤモンド膜を得ている。試料7は、
15nmのβ−SiC、100μmのダイヤモンド膜を
ヘテロエピタキシャル成長させている。試料8は、8n
mのβ−SiC、5μmのダイヤモンド膜をヘテロエピ
タキシャル成長させるのに成功している。比較例である
試料9は80nmのβ−SiC膜、150μmのダイヤ
モンド膜を得るが、これはエピタキシャル成長ではな
い。また表面の荒れも著しい。ダイヤモンド、β−Si
C共に単結晶ではない。
【0051】試料10は580nmのβ−SiC膜、8
00μmのダイヤモンド膜を得るがこれもエピタキシャ
ル成長でない。表面の荒れは試料9よりもさらに顕著で
ある。これも単結晶でない。試料11は、1nmのβ−
SiC、2μmのダイヤモンド膜を形成している。これ
はヘテロエピタキシャル成長している。試料12は、1
0nmのβ−SiC、30μmのダイヤモンド膜をヘテ
ロエピタキシャル成長させている。これも表面がかなり
荒れている。Si基板の上にβ−SiC、ダイヤモンド
膜を合成した後、ダイヤモンド表面の面粗度Rmax、
Raを測定した。この結果を表4に示す。単位はμm
(=1000nm=10000Å)である。
【0052】
【表4】
【0053】合成後のダイヤモンド膜のRmaxは0.
1μm〜30μmの間に広く分布している。Raは0.
04μm〜9μmの間に分布する。試料1の面粗度は、
Rmax0.25μm(2500Å)、Ra0.08μ
m(800Å)である。試料2は、Rmax0.32μ
m、Ra0.11μmである。試料3は荒れがあってR
max0.95μm、Ra0.38μmである。試料1
よりも面粗度が大きい。これは一つには基板が広いし膜
も厚いからであろう。
【0054】試料4はRmax0.20μm、Ra0.
095μmである。低い面粗度である。試料5はRma
x0.1μm、Ra0.04μmである。これは最も面
粗度が低い例である。膜厚が薄いことが原因しているの
であろう。試料6はRmax0.33μm、Ra0.1
3μmである。試料7はRmax0.98μm、Ra
0.43μmである。面粗度が悪い。これは基板面積が
広くて、膜厚もかなり厚いからであろう。試料8は、R
max0.14μm、Ra0.06μmである。低い面
粗度である。これは膜厚が薄いことも関係がある。比較
例の試料9は、Rmax15μm、Ra6μmである。
これはエピタキシャル成長していない。凹凸が激しく
て、実施例の試料1〜8と著しく異なる。
【0055】試料10はRmax30μm、Ra9μm
である。これはさらに面粗度が落ちる。エピタキシャル
成長でなく、粗面になっている。試料11はRmax1
μm、Ra0.3μmである。比較的低いが、それでも
実施例(試料1〜8)に比較すると断然大きい。試料1
2は、Rmax8μm、Ra2μmである。試料11、
12は面粗度が大きいがヘテロエピタキシャル成長して
いる。
【0056】気相成長したダイヤモンド膜は、面粗度が
大きいので、そのままではフォトリソグラフィ−により
ダイヤモンド膜に電子デバイスを作ることができない。
どうしても研磨しなければならない。ところがSiやG
aAsを研磨するような装置では反りのあるウエハを研
磨することは勿論できない。反りのあるウエハを平坦な
研磨ヘッドに付けて、研磨盤に押しつけて研磨しても、
周縁部が未研磨になるか、中心部、あるいは中間部が未
研磨になる。特別な研磨装置が必要である。
【0057】特別な研磨装置により、ダイヤモンド膜を
基板に付けたままの状態で機械的に研磨した。そして研
磨後の面粗度と反り量を測定した。研磨するので面粗度
は減少する。凹凸があるので完全に研磨できない試料も
ある。そこで研磨できた領域の割合も調べた。研磨方法
も従来のSi、GaAsやその他の材料を研磨する場合
とは異なるので、先ずこれについて説明する。
【0058】研磨装置の概略を図7に示す。ホルダ−の
部分の拡大断面図を図8に示す。回転定盤41は回転主
軸42の上に支持されて回転する。この上にダイヤモン
ドの砥粒が固着されている。ダイヤモンドを研磨するの
で、研磨板である定盤にもダイヤモンド粒子が固着さ
れ、ダイヤモンド粒子が摩滅しながら、ウエハ−のダイ
ヤモンドを研磨してゆくのである。数百時間の長い時間
がかかる。ホルダ−43に緩衝板(ゴムのような板材)
44を接着し、この上にウエハ−(基板の上にダイヤモ
ンド膜を成長させたもの)を張り付ける。
【0059】緩衝板44を使うのが一つの工夫である。
ホルダ−43の中心にはホルダ−軸46が取り付けられ
る。固着しているのではなくて、回転トルクを伝える
が、軸に対してホルダ−面が自在に傾くことができるよ
うになっている。ホルダ−は自転し、回転定盤41が公
転する。ホルダ−43の上面の一点を加圧シャフト47
によって押さえるようになっている。加圧シャフト4
7、ホルダ−軸46の上端はア−ム48により支持され
ている。ア−ム48にはホルダ−軸46に圧力をかける
ための油圧シリンダ49が取り付けられる。ホルダ−軸
46に強い力を加えて、ダイヤモンド砥粒とダイヤモン
ド膜が共に消耗するようにして研磨する。ア−ム48に
はモ−タ50があり、これの回転力がホルダ−軸46を
回転させる。モ−タの出力軸53に取り付けたプ−リ5
4から、ベルト55を経て、ホルダ−軸46に固着した
プ−リ56に回転トルクが伝達される。これによりホル
ダ−が軸まわりに自転する。
【0060】ア−ム48の上には加圧シャフト47に圧
力を加えるための油圧シリンダ51が設けられる。図8
に示すように、ホルダ−43の上面には円形の溝59が
あり、加圧シャフト47は溝を押さえている。ホルダ−
軸46はホルダ−の中心を押さえ回転させるが、ホルダ
−の傾きを許す。加圧シャフト47の圧力によりホルダ
−43面が、回転定盤面に対して傾斜する。ウエハ−4
5は凸に反っているが、ホルダ−が傾く。傾き角は加圧
シャフトの加圧力による。加圧シャフトの加圧力を変化
させて、ウエハ−の回転定盤との接触点を変更すること
ができる。接触点を中心から周辺まで移動させることに
より、周辺部まで均一に研磨することができる。あるい
は周辺部から中心に向かって研磨することができる。
【0061】ホルダ−軸とホルダ−を固定した通常の研
磨装置によりウエハ−を研磨するとダイヤモンド膜の全
体を研磨することができない。どこかに研磨できない部
分が必ず残る。研磨量を増やせば削れるわけであるがそ
うすると他の部分でダイヤモンドが完全に除去され基板
が露呈する部分が生ずる。通常の軸固定ホルダ−を使っ
た研磨と、図7、図8の軸傾斜ホルダ−を用いた本発明
の研磨の結果を図9によって説明する。図9〜は軸
固定ホルダ−により研磨したものである。合成直後のウ
エハ−の反りの状態により、研磨後の状態が異なる。
【0062】 平坦なウエハの場合…合成直後に平坦
なウエハ−は平坦に研磨されそうに思えるがそうではな
い。図9ののように、研磨できない部分がどこかにラ
ンダムに発生する。未研磨部はざらざらしており、光の
反射が弱いのでくすんで見える。肉眼でよく分かる。む
らになって未研磨部が残るから、合成後平坦なウエハ−
はかえって良くない。これは以外な結果である。 凹反りの場合…凹反り(ΔH>0)の場合は図9の
に示すように中間部にリング状の未研磨部が残存す
る。 凸反りの場合…凸反りの場合(ΔH<0)は、図9
のに示すように外周部に未研磨部が残る。
【0063】ところが本発明のように、軸とホルダ−面
が固定されず、ホルダ−面が軸に対して傾斜するような
ホルダ−を使い凸反りのウエハ−(ΔH<0)を研磨す
ると、全体を研磨することができる。図9のに示す。
このように一様に研磨されている。全体が鏡面になる。
そこで図7、図8の装置によって試料ウエハ−を研磨
し、研磨後の面粗度、研磨面積を測定した。これの結果
を表5に示す。
【0064】
【表5】
【0065】研磨後の面粗度の単位はÅである。表4は
μm(10000Å)を単位にしているのに注意するべ
きである。研磨後の面粗度はRmax3Å〜800Å、
Ra1Å〜400Åに分布している。試料1は合成直後
の面粗度が中程度であるが、研磨後はRmax20Å、
Ra5Åに減っている。全面が研磨されている(100
%研磨)。反りは研磨の前後で殆ど変わらない。試料2
は合成後の面粗度は中程度である。これは研磨後に、R
max30Å、Ra7Åとなり、やはり中程度の面粗度
になる。この程度の面粗度なら十分にフォトリソグラフ
ィ−によりパタ−ンを描くことができる。100%研磨
出来る。反りは研磨の前と同じ程度である。
【0066】合成直後に面粗度の大きい試料3は研磨後
Rmax150Å、Ra12とかなり粗い面Åになって
いる。研磨の前に面粗度の大きいものは研磨後も面粗度
が大きいようである。これも全面にわたり研磨されてい
る。反りも研磨前と殆ど変わらない。試料4において、
研磨後はRmax18Å、Ra2Åになっている。10
0%研磨できた。反りは殆ど変わらない。試料5はもと
もと面粗度の小さい試料であるが、研磨後Rmax5
Å、Ra1Åに減っている。全ての試料の中で最も面粗
度が低い。極めて平滑である。反りは研磨の前後で変わ
らない。研磨の割合は100%である。
【0067】試料6は合成後の面粗度は中程度であっ
た。研磨すると、Rmax8Å、Ra1Åである。優れ
て平滑な面である。100%研磨出来ている。試料7は
研磨前の面粗度が悪かったが、研磨の後も面粗度が劣
る。Rmax80Å、Ra60Åである。100%研磨
可能であった。試料8は4インチSi(110)の上に
ダイヤモンドを形成したものである。面粗度が極めて小
さかったが、研磨後も面粗度が小さく平滑である。Rm
ax3Å、Ra2Åである。100%研磨できる。
【0068】比較例の試料9は、合成後の面粗度が劣
り、しかもエピタキシャル結晶でない。これを研磨した
結果、Rmax400Å、Ra300Åになった。粗い
面である。しかも全体を研磨することができない。50
%もの面積が未研磨部として残る。研磨により、もちろ
ん凹凸が減るが、しかしそれほど顕著でない。このよう
な面粗度であると半導体プロセスには乗りにくい。試料
10は合成後(研磨前)の面粗度が極めて大きい。研磨
後も面粗度が悪くて、Rmax800Å、Ra400Å
である。反りは研磨の前後で殆ど変わらない。未研磨部
が80%残った。20%だけ研磨することができた。
【0069】試料11は偏当たりして研磨できない。試
料12は、合成後の面粗度が悪いが、これを研磨する
と、Rmax540Å、Ra280Åになる。これはな
お面が荒れており、半導体デバイスの形成には不適当で
ある。試料11、12はヘテロエピタキシャル出来てい
るが、面粗度が劣り、研磨しても十分な平滑面にならな
い。次に、ダイヤモンド被膜面の上にアルミニウムを蒸
着し、フォトリソグラフィ−により櫛形電極を形成し
た。電極の線幅は0.5μm〜2μmにしてある。アル
ミ膜の厚さは1500Å(150nm=0.15μm)
である。凹凸があるので電極が断線することがある。そ
こで断線しなかったサンプルの割合(断線歩留まり)も
調べた。結果を表6に示す。
【0070】
【表6】
【0071】試料1は、−5μmの反りの2インチ(1
00)Si基板の上に、β−SiC10nm、ダイヤモ
ンド30μmを被覆したものである。これに1μm線幅
のアルミ電極パタ−ンを形成すると歩留まりは99%で
ある。試料2は、反りが−15μmの4インチ(10
0)Siウエハに、5nmのβ−SiCと50μm厚の
ダイヤモンド被膜を成長させている。線幅が0.8μm
のアルミ櫛形電極を形成すると、断線歩留まりは97%
であった。サブミクロンの電極が高い歩留まりで形成で
きるということである。
【0072】試料3は、反りが−60μmの8インチ
(111)Siウエハ−の上に、15nmのβ−SiC
と、100μmものダイヤモンド膜を積み重ねたもので
ある。これは反りが大きいし、研磨後の面粗度も良くな
いのであるが1.2μm幅の電極の歩留まりが94%で
ある。満足できる結果であると言える。試料4は、−1
0μmの反りの1インチ(100)Siウエハに、20
nm厚のβ−SiCと15μm厚のダイヤモンド膜を被
覆したものである。これに1.5μm線幅の電極を形成
すると、96%の歩留まりになる。これも良い結果であ
る。
【0073】試料5は、反り−2.5μmの3インチの
(100)Siウエハ−に、8nmのβ−SiC、5μ
m厚のダイヤモンド膜を被覆したものである。平坦度も
平滑度も良い。0.6μm幅の櫛形電極を作ると、歩留
まりは95%であった。これは最も幅の狭い電極である
が、このような狭さでこの歩留まりは驚異的である。試
料6は、反り−10μmの2インチ(110)Siウエ
ハ−に、25nmのβ−SiCと30μmのダイヤモン
ドを形成したものである。1μm幅の電極を形成した時
の歩留まりは99%である。満足できる値である。
【0074】試料7は、反り−2.5μmの5インチ
(111)Siウエハ−の上に、15nmのβ−Si
C、100μmのダイヤモンド膜を作った例である。こ
れは面粗度が良くない(Rmax8nm、Ra6nm)
が、0.8μm幅の電極の歩留まりが92%である。満
足できるデ−タである。試料8は反り−15μmの4イ
ンチ(110)Siウエハ−の上に、8nmのβ−Si
C、5μmのダイヤモンドを形成したものである。面粗
度は良いし、反りも少ない。この上に、2μm線幅の櫛
形電極を形成すると、断線歩留まりが90%になった。
【0075】これらの実施例に係るダイヤモンドウエハ
−は櫛形電極形成に関して、何れも90%を上回る断線
歩留まりを示す。つまり殆ど断線しないということであ
る。これは膜面が平滑で凹凸が少ないからである。表面
弾性波素子に使うと、極めて特性の優れたものが高歩留
まりで得られるということである。半導体素子に用いる
場合でも、細い電極パタ−ンができるということは、リ
ソグラフィ−技術を用いて様々な構造が作製できるとい
うことである。比較例を説明する。試料9は反りが+2
00μmの2インチ(100)Siウエハ−に80nm
のβ−SiC、150μmのダイヤモンドを合成したも
のである。面粗度が悪い。これに線幅が1.5μmの櫛
形電極を形成すると、断線歩留まりは10%であった。
これは面の凹凸が大きくてフォトリソグラフィ−により
細かい電極構造を作ることができないということを意味
している。
【0076】試料10は、反り+400μmの8インチ
(111)Siウエハ−に580nmのβ−SiCと8
00μmの厚いダイヤモンド膜を形成したものである。
研磨前の面粗度が悪く、研磨後も悪い。これに、線幅
0.5μmの電極を製作すると、歩留まりは8%に過ぎ
ない。これも面粗度が悪くてフォトリソグラフィ−では
微細構造を作ることができない。試料11は、反りなし
の0.5インチSi(110)ウエハ−に、1nmのβ
−SiC、2μmのダイヤモンドを形成してある。これ
は研磨できなかったので、電極蒸着、エッチングの試験
はしない。
【0077】試料12は、反りなしの3インチSi(1
00)ウエハ−に、10nmのβ−SiCと30μmの
ダイヤモンド膜を形成したものである。これに1.6μ
m幅の櫛形電極を作ると断線歩留まりが15%であっ
た。これも細かい電極をウエハに作り込むことができな
いということである。反りは0であるが、これは先にも
繰り返し述べているように、実はうねりが存在しねじれ
があって、平滑に研磨することができない。面粗度が悪
いなどの難点がある。このために電極構造を高歩留まり
で作製出来ない。
【0078】[膜全体が不均一の場合:試料13:実施
例]直径3インチのSi{111}の単結晶基板を用意
した。CH4 中で基板1000℃で1分間熱処理した。
これによって立方晶のSiCが10nmの厚さに成長し
た。RHEEDによってSiCがエピタキシャル成長し
ていることを確かめた。図15のように、基板の外周部
2mmの領域に、平均粒径50μmのダイヤモンド粉を
用いて傷つけ処理した。この基板の上に、熱フィラメン
トCVD法によって、ダイヤモンドを成長させた。フィ
ラメントは、タングステンである。成長条件は、
【0079】 基板温度 930℃ 圧力 80 Torr 原料ガス総流量 800sccm フィラメント温度 2100℃ 成長時間 100時間
【0080】 原料ガスの組成 最初の10分間 H2 97.8体積% CH4 2.2体積% それ以後 H2 99.2体積% CH4 0.8体積% 基板バイアス 最初の10分間 −125V〜−150V それ以後 0V 膜厚 50μm
【0081】基板の全面にダイヤモンド膜が50μmの
厚みで成長した。結晶方位をX線回折によって調べた。
膜の中央部では、法線方向が<111>±2°である部
分が98%以上であった。面の中央部で結晶粒子の基板
方位に対する回転角が最大でも4°である。つまり膜の
中央部は基板と方位の揃った結晶であるということがで
きる。図21にこれを示す。傷つけ処理を行った周辺部
でのダイヤモンドにおいて方位はランダムで整合してい
なかった。ウエハ−の反りは−20μmであった。ダイ
ヤモンド面を研磨した。全面が鏡面研磨されて、膜と基
板の間に剥離が起こらなかった。
【0082】[膜全体が不均一の場合:試料14:比較
例]直径3インチのSi{111}の単結晶基板を用意
した。傷つけ処理は行わない。この基板の上に、熱フィ
ラメントCVD法によって、ダイヤモンドを成長させ
た。フィラメントは、タングステンである。成長条件
は、
【0083】 基板温度 1050℃ 原料ガス総流量 800sccm 圧力 250 Torr フィラメント温度 1900℃ 成長時間 100時間
【0084】 原料ガスの組成 最初の10分間 H2 97.8体積% CH4 2.2体積% それ以後 H2 99.2体積% CH4 0.8体積% 基板バイアス 最初の10分間 −125V〜−150V それ以後 0V 膜厚 90μm
【0085】基板の全面にダイヤモンド膜が90μmの
厚みで成長した。結晶方位をX線回折によって調べた。
膜の全体に於いて法線方向が<111>±2°である部
分が98%以上であった。膜全体で結晶粒子の基板方位
に対する回転角が最大でも4°である。つまり膜の全体
が基板と方位の揃った結晶であるということができる。
傷つけ処理を行った周辺部でのダイヤモンドにおいて方
位はランダムで整合していなかった。ウエハ−の反りは
+52μmであった。ダイヤモンド面を研磨した。50
%研磨した時点で、周辺部のダイヤモンドが30mm2
の広さで欠け落ちてしまった。
【0086】[膜全体が不均一の場合:試料15:実施
例]直径2インチのSi{100}の単結晶基板を用意
した。図10、図11に示すように、2mm×2mmの
周期で、1.6mm×1.6mの領域にフォトレジスト
膜を形成した。図では4つ分(2×2)しか示していな
いが実際には縦横に多数のレジストパタ−ンがある。平
均粒径が50μmのダイヤモンド粒子によって傷つけ処
理をした。この後フォトレジストを除去した。レジスト
によって覆われていた部分は平滑面のままである。レジ
ストによって覆われていなかった部分が傷つけ処理され
たことになる。つぎに2段階のダイヤモンドの成長を行
う。
【0087】(第1段階) この基板の上に、マイクロ
波プラズマCVD法によって、ダイヤモンドを成長させ
た。成長条件は、
【0088】 基板温度 900℃ 原料ガス総流量 500sccm 圧力 120Torr 成長時間 10時間 原料ガスの組成 H2 97.99体積% CH4 2 体積% N2 0.01体積% 基板バイアス なし 膜厚(局所的) 8μm
【0089】この成長をした後、試料を一旦外部に取り
出した。図12に示すように、傷つけ処理した格子状の
部分にのみダイヤモンドが8μmの高さで成長した。
1.6mm×1.6mmの正方形部分にはダイヤモンド
が堆積しない。そのダイヤモンドの結晶方位をSEMに
よって観察した。方位が全くランダムの多結晶であるこ
とが分かった。
【0090】(第2段階) 格子状にランダム方位ダイ
ヤモンドが形成された基板の上に、マイクロ波プラズマ
CVD法によって、再びダイヤモンドを成長させた。成
長条件は、
【0091】 基板温度 900℃ 原料ガス総流量 500sccm 圧力 80Torr 成長時間 100時間 原料ガスの組成 最初の5分間 H2 98 体積% CH4 2 体積% 残り99時間55分 H2 96.2 体積% CH4 3.8 体積%
【0092】 基板バイアス 最初の5分 −150V 残りの99時間55分 0V 膜厚(局所的) 180μm 反り −8μm
【0093】この成長によって、180μmのダイヤモ
ンド膜を得る事ができた。成長表面を観察して、表面の
全体が方位の揃ったダイヤモンドであることが分かっ
た。一方断面の観察から、傷つけ処理した格子の部分に
は、ランダム方位のダイヤモンドが残っていることが判
明した。しかしこれは単一方位のダイヤモンドによって
覆い尽くされて表面には現れない。図13はその断面図
である。基板より膜が厚く書かれているがこれは膜の構
造を強調するためである。実際には基板の方が厚い。ラ
ンダム方位ダイヤモンドが図12におけるよりも高くな
っているのは第2段階の成長においてなおしばらくラン
ダム方位ダイヤモンドの成長が続くからである。
【0094】ダイヤモンド面を研磨した。全面が鏡面研
磨されていた。膜の剥離も全く起こらなかった。図13
に現れるランダム方位ダイヤモンドが界面を補強してい
るからである。優れたダイヤモンド膜である。本発明の
効果が良く分かる。この実施例ではランダム方位のダイ
ヤモンドは表面に出ないが、表面に出るようにしても良
い。図16はそのような変形例を示す。
【0095】[膜全体が不均一の場合:試料16:実施
例]直径2インチのSi{100}の単結晶基板を用意
した。YAGレ−ザによって、幅100μm、深さ10
μmの溝を、Si基板の全面に、1mm×1mmの周期
で切った。平坦な部分(突部)と凹部が交代する断面形
状になる。凹部が格子状に形成されているパタ−ンであ
る。この基板の上にマイクロ波プラズマCVD法によっ
て、100時間かけてダイヤモンドを形成した。成長条
件は、
【0096】 基板温度 900℃ 原料ガス総流量 500sccm 圧力 60Torr 成長時間 100時間 原料ガスの組成 最初の5分間 H2 98 体積% CH4 2 体積% 残り99時間55分 H2 96.2 体積% CH4 3.8 体積%
【0097】 基板バイアス 最初の5分 −150V 残りの99時間55分 0V 膜厚(局所的) 180μm 反り −32μm
【0098】成長表面の観察によって、ほぼ方位の揃っ
たダイヤモンドであることが分かった。断面の観察か
ら、このダイヤモンド膜は、図14のようになっている
ことが分かった。初めに溝を切った部分はダイヤモンド
が成長せず孔になっている。しかし次第にダイヤモンド
が周辺から迫ってくるので、孔の上部もダイヤモンドに
よて覆われる。ために空孔が閉じ込められたものにな
る。空孔以外は方位の揃った高品質のダイヤモンドであ
る。これを研磨すると、ダイヤモンドの全面が鏡面研磨
されていた。膜の剥離も全く起こらなかった。格子状の
空孔の存在が界面の接合を強化し剥離を防いでいるので
ある。
【0099】[膜全体が不均一の場合:試料17:比較
例]試料15と同様の直径2インチのSi{100}の
単結晶基板を用意した。傷つけ処理も溝加工も全く行わ
ない。平滑な基板の上に、マイクロ波プラズマCVD法
によって、ダイヤモンドを成長させた。成長条件は、
【0100】 基板温度 700℃ 圧力 15Torr 原料ガス総流量 500sccm 成長時間 300時間 原料ガスの組成 最初の5分間 H2 98 体積% CH4 2 体積% 残り99時間55分 H2 96.2 体積% CH4 3.8 体積%
【0101】 基板バイアス 最初の5分 −180V 残りの99時間55分 0V 膜厚(局所的) 150μm 反り −180μm
【0102】この成長によって、150μmのダイヤモ
ンド膜を得る事ができた。成長表面を観察して表面の全
体が、方位の揃ったダイヤモンドであることが分かっ
た。均一なダイヤモンド膜である。ダイヤモンド面を研
磨した。ほぼ20%が鏡面研磨された時点で、ほぼ中央
で二つに割れてしまった。また鏡面研磨された領域の約
15%の領域で剥離が起こっていた。剥離は基板とダイ
ヤモンドの界面で起こっていた。界面の状態が均一であ
ると界面の結合力が弱いということが分かる。
【0103】[FETを作製した実施例:試料18]本
発明の実施例に係るダイヤモンド基板にMESFET
(metal-semiconductor field effect transistor)を作
製した。直径2インチ(50mm)の{100}Si単
結晶基板を用意した。図24、図25に示すように、
2.5mm×2.5mmの周期で、2.1mm×2.1
mmの正方形状にフォトレジスト膜を形成した。図25
は2×2個分だけを示す。このSiウエハ−を平均粒径
100μmのダイヤモンド粒子によって全面に傷つけ処
理した。これを図26に示す。格子状に傷付け部分が発
生する。その後レジストを除去した。レジストに覆われ
ていた部分は平滑表面を持っている。この基板に以下の
条件によって、マイクロ波プラズマCVD法によってア
モルファスカ−ボンを形成した。
【0104】 a−Cの生成 基板温度 700℃ 原料ガス総流量 500sccm 成長時間 5時間 原料ガスの組成 H2 90 体積% CH4 10 体積% 基板バイアス 0 V a−C膜厚(局所的) 10μm
【0105】傷付け処理した部分にのみアモルファスカ
−ボンが成長していた。この後、次の条件でマイクロ波
プラズマCVD法によって、単一方位ダイヤモンド膜を
成長させた。
【0106】 単一方位ダイヤモンド 基板温度 900℃ 原料ガス総流量 500sccm 成長時間 30時間 原料ガスの組成 最初5分間 H2 98 体積% CH4 2 体積% それ以後 H2 96.2体積% CH4 3.8体積%
【0107】 基板バイアス 最初5分間 −150 V それ以後 0 V 膜厚 35μm 反り −3μm
【0108】これは成長表面の観察によって方位の揃っ
た単一方位ダイヤモンドであることが分かった。この時
の基板の反りは−3μmであった。このウエハ−を本発
明の研磨装置によって研磨した。剥離やチッピング、ク
ラックが発生することなく、全面を鏡面研磨することが
できた(図27)。鏡面ウエハ−の上に、次の条件でマ
イクロ波プラズマCVD法によって、ボロンド−プダイ
ヤモンドを形成した。
【0109】 B−ダイヤモンド 基板温度 950℃ 原料ガス総流量 500sccm 成長時間 2時間 原料ガスの組成 H2 99 体積% CH4 1 体積% B26 1 ppm 基板バイアス 0 V 膜厚 1μm
【0110】ボロンド−プダイヤモンド膜の膜厚は1μ
mである。次に電子ビ−ム蒸着法によって、ウエハ−の
全面にタングステン膜を形成した。これが図28に示す
状態である。さらにフォトリソグラフィによって、部分
的にタングステンを除去し、電極とした。これが図29
に示す状態である。次いでマイクロ波プラズマCVD法
によってノンド−プダイヤモンドをこの上に成長させ
た。条件は以下のようである。
【0111】 ノンド−プダイヤモンド 基板温度 950℃ 原料ガス総流量 500sccm 成長時間 3時間 原料ガスの組成 H2 98.8体積% CH4 1.2体積% 基板バイアス 0 V 膜厚 2μm
【0112】これによって2μmの厚みのノンド−プダ
イヤモンドが選択的に成長した。タングステンの上には
何も成長しない。ボロンド−プダイヤモンドの上にだけ
ノンドープダイヤモンドが成長する。アモルファスカ−
ボンの上にはアモルファスカ−ボンが成長した。このよ
うに下地によって成長するものが異なる。ここで成長し
たノンド−プダイヤモンドは2μmの厚みである。図3
0はこの状態を示す。
【0113】さらに抵抗加熱法によりアルミニウムを全
面に蒸着した。図31はこれを示す。フォトリソグラフ
ィによって、ノンド−プダイヤモンドの上に一部分のみ
にアルミニウムを残して他の部分のアルミニウムを除去
した。こうして図32、図33に示すように、ダイヤモ
ンドウエハ−の全面にFETを形成した。中央部のタン
グステン電極がドレイン電極である。リング状のアルミ
ニウム電極がゲ−ト電極である。最外方のタングステン
がソ−ス電極である。ボロンド−プダイヤモンドがp型
のチャンネルを構成する。ウエハ−の全面に縦横に並ぶ
FETが形成される。
【0114】アモルファスカ−ボンの部分を、幅200
μmの刃を用いて、ダイシングし、個々のFETを分離
した。全部で300のFETが得られた。殆ど全てが良
好に動作した。研磨によって、境界層が剥離せず損傷を
受けなかったということである。こうして本発明はダイ
ヤモンドFETをも提供することができる。アモルファ
スカ−ボンは隣接素子の境に設けるが、これは境界層を
強化すると同時に、ウエハ−の切断を容易にする作用が
ある。
【0115】
【発明の効果】ダイヤモンドバルクの基板は高圧合成法
で作られる。これは高温の状態で高圧を印加して多結晶
のダイヤモンドを作るものである。面積が小さくて、実
験用には意味があろうが実用的意義には乏しいものであ
った。本発明は、ダイヤモンドの大面積ウエハ初めて与
えるものである。これは、入手しやすい結晶基板の上に
これらのダイヤモンドの膜を形成した複合構造である。
複合構造にすると反りが発生して研磨することができ
ず。ミラ−ウエハ−にすることができなかった。鏡面で
ないウエハ−ではフォトリソグラフィ−でデバイスを作
製することができない。本発明者は反りのある基板を採
用し、これにダイヤモンド膜を凸になるように形成し、
ホルダ−面が傾き得るようにした研磨装置により、凸反
りウエハ−を研磨するようにしている。研磨の成功によ
り、初めて面積の広い実用的なダイヤモンドミラ−ウエ
ハ−を作製することができるようになった。
【0116】また本発明のダイヤモンドウエハ−は、単
結晶基板の上にヘテロエピタキシャル成長させているの
で、ダイヤモンド自体が単結晶である。また基板の面方
位を指定することにより、任意の結晶方位の単結晶のダ
イヤモンドウエハ−を作ることができる。ダイヤモンド
の半導体材料への応用に突破口を開く有意義な発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】凸反り基板の上にダイヤモンド膜を形成した反
りのあるダイヤモンドウエハ−の構造を示す断面図。中
間部にβ−SiCが生成している。
【図2】全体としての反りが0であるが、凹凸の反りが
混在しうねりを持つダイヤモンドウエハ−の一例を示す
断面図。
【図3】凸反り基体の上にダイヤモンド膜を被覆し研磨
しさらに電極形成する工程を示す概略断面図。
【図4】本発明においてダイヤモンド膜合成に用いるフ
ィラメントCVD装置の概略構成図。
【図5】本発明においてダイヤモンド膜合成に用いるマ
イクロ波プラズマCVD装置の概略構成図。
【図6】本発明においてダイヤモンド膜合成に用いるプ
ラズマジェットCVD装置の概略構成図。
【図7】本発明においてダイヤモンド膜を研磨するため
に用いる、研磨装置の概略正面図。
【図8】図7の研磨装置のホルダ−の部分のみの拡大断
面図。
【図9】平坦なホルダ−にダイヤモンド被覆ウエハを張
りつけて研磨した時に、未研磨部が残ることを説明する
ための研磨後のウエハの面を示す底面図。は合成後平
坦なウエハを研磨したもの、は凹反りのウエハを研磨
したもの、は凸反りのウエハを研磨したものである。
は本発明で採用する研磨方法により研磨したものを示
す。
【図10】基板の上に格子状の部分を除いて正方形のレ
ジスト膜を多数周期的に形成した状態をしめす基板の一
部の平面図。
【図11】図10と同じものの側面図。
【図12】図10の基板を傷つけ処理してダイヤモンド
を形成したとき、レジストによって覆われなかった部分
にのみ多結晶ダイヤモンドが成長していることを示す基
板の一部の断面図。
【図13】図12の基板のうえにさらにダイヤモンドを
成長させたものの断面図。
【図14】YAGレ−ザによって溝を切った基板の上に
ダイヤモンドを成長させたときにできるダイヤモンド膜
の断面図。
【図15】円形の基板の外周部にのみ傷つけ処理をした
ウエハ−の平面図。
【図16】基板の上にランダム方位のダイヤモンドと基
板に整合した単一方位のダイヤモンドを周期的に成長さ
せ、ランダム方位ダイヤモンドが表面に露呈している実
施例を示す断面図。
【図17】本発明においてダイヤモンド膜合成に用いる
フィラメントCVD装置の改良型を示す断面図。
【図18】本発明においててダイヤモンド膜合成に用い
るマイクロ波プラズマCVD装置の改良型の概略構成
図。
【図19】本発明においてダイヤモンド膜合成に用いる
他のマイクロ波プラズマCVD装置の概略構成図。
【図20】本発明においてダイヤモンド膜合成に用いる
プラズマジェットCVD装置の概略構成図。
【図21】Si基板の外周部を傷つけ処理して、二段階
成長によって外周部にランダム方位ダイヤモンドが成長
し内方には基板方位に整合した単一方位ダイヤモンドが
成長することを示すウエハ−の断面図
【図22】ウエハ−の上に周期的構造を持つようにアモ
ルファスカ−ボン膜を形成したものの断面図。
【図23】ウエハ−の上に周期的構造を持つようにアモ
ルファスカ−ボン膜を形成しさらに単一方位ダイヤモン
ド膜を形成したウエハ−の断面図。
【図24】円形Siウエハ−に格子状に正方形のレジス
ト膜を縦横に形成したものを示す平面図。線のある部分
がレジストのない部分である。
【図25】図24の2×2素子分の平面図と断面図。周
期は2.5mm×2.5mmである。正方形のレジスト
パタ−ンは2.1mm×2.1mmである。
【図26】ダイヤモンド粒子をブラストすることによっ
て傷つけ処理したウエハ−の部分平面図。
【図27】Siウエハ−の上に周期的にアモルファスカ
−ボン膜を形成しさらにその上に単一方位ダイヤモンド
膜を形成し研磨した後のウエハ−の断面図。
【図28】図27のウエハの上にボロンド−プダイヤモ
ンド膜とタングステン膜を形成したウエハ−の断面図。
【図29】図28のウエハ−のタングステンをフォトリ
ソグラフィによって選択的にエッチングし電極を形成し
た状態を示す断面図。
【図30】図29のウエハ−にさらにノンド−プダイヤ
モンド膜を選択的に成長させた状態を示す断面図。タン
グステンの上には何も成長せず、アモルファスカ−ボン
にはアモルファスカ−ボンが、ボロンド−プダイヤモン
ドの上にはノンド−プダイヤモンドが成長している。
【図31】図30のウエハ−の上にさらにアルミニウム
を蒸着したものの断面図。
【図32】図31のウエハ−においてアルミニウムを選
択的にエッチングしゲ−ト電極を形成しFETを作製し
た状態の断面図。
【図33】図31のウエハ−においてアルミニウムを選
択的にエッチングしゲ−ト電極を形成しFETを作製し
た状態の平面図。
【符号の説明】
11 真空チャンバ 12 サセプタ 13 基板 14 ガス排出口 15 電極 16 電流導入端子 17 フィラメント 18 ガス導入口 19 真空計 20 冷却媒体 21 電源 22 真空チャンバ 23 支持棒 24 サセプタ 25 基板 26 原料ガス 27 出口 28 冷却装置 29 マグネトロン 30 真空導波管 31 プラズマ 32 ピストン 33 マイクロ波 34 共鳴板 35 真空チャンバ 36 サセプタ 37 基板(基体) 38 プラズマト−チ 39 直流電源 40 原料ガス 41 回転定盤 42 回転主軸 43 ホルダ− 44 緩衝板 45 ウエハ 46 ホルダ−軸 47 加圧シャフト 48 ア−ム 49 油圧シリンダ 50 モ−タ 51 油圧シリンダ 53 出力軸 54 プ−リ 55 ベルト 56 プ−リ 59 溝 61 グリッド 62 電源 65 グリッド 66 電源 70 マグネトロン 71 結合機 72 導波菅 73 モード選択装置 75 チャンバ 76 窓 77 反応室 81 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/205 (72)発明者 藤森 直治 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号住友電 気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 築野 孝 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号住友電 気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 僅かな反りのあるダイヤモンド以外の材
    料よりなる基板と、基板の上にヘテロエピタキシャル成
    長させかつ研磨によりRmax500Å(50nm)、
    Ra200Å(20nm)以下の面粗度にしたダイヤモ
    ンド膜とからなり、膜側に凸に反り、周辺部の中央部に
    対する高さΔHが、−150μm≦ΔH≦−2μmであ
    るようにしたことを特徴とするウエハ−。
  2. 【請求項2】 ウエハ−が円形であり、かつ1インチ以
    上の直径を持ち、外周から中心に向かって単調に被膜側
    に凸に反っていることを特徴とする請求項1に記載のウ
    エハ−。
  3. 【請求項3】 基板が(100)Si単結晶であり、
    (100)ダイヤモンドの被膜がヘテロエピタキシャル
    成長していることを特徴とする請求項2に記載のウエハ
    −。
  4. 【請求項4】 ダイヤモンドとSi基板の間に、薄いβ
    −SiCが存在することを特徴とする請求項3に記載の
    ウエハ−。
  5. 【請求項5】 ダイヤモンド膜の厚みが2μm〜100
    0μmであることを特徴とする請求項1に記載のウエハ
    −。
  6. 【請求項6】 周辺部を含む平面に対する中心部の高さ
    が2μm〜150μmである反りを有するダイヤモンド
    以外の材料の基板の凸反りの面上に、少なくとも水素と
    炭化水素ガスを含むガスを用いて気相合成法によりダイ
    ヤモンド被膜をヘテロエピタキシャル成長させ、これを
    被膜が外側になるように、面が傾斜し得るホルダ−に取
    り付け、研磨板に被膜側を押し当てて、ホルダ−面を傾
    けることにより、凸反りの薄膜面を研磨し、面粗度がR
    max500Å(50nm)、Ra200Å(20n
    m)以下になるようにすることを特徴とするウエハ−の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 ダイヤモンド以外の絶縁体、半導体、又
    は金属より成る基板と、基板の上に方位整合して成長さ
    せ、かつ表面を研磨によりRmax100nm、Ra5
    0nm以下の面粗度に仕上げられたダイヤモンド膜とか
    らなり、ダイヤモンド膜側に凸に反り、中央部に対する
    周辺部の高さΔHが−150μm〜−2μmであるよう
    にしたことを特徴とするウエハ−。
  8. 【請求項8】 ダイヤモンドと基板の界面付近における
    基板面に平行な断面において、基板結晶との間にランダ
    ムな方位関係を有するダイヤモンド又は空孔が基板面積
    全体の0.1%〜50%存在し、なおかつ表面において
    は基板結晶との結晶方位のずれが10°以下である領域
    が基板面積の60%以上を占め、さらに表面を研磨によ
    りRmax100nm、Ra50nm以下の面粗度に仕
    上げられたことを特徴とするウエハ−。
  9. 【請求項9】 実質的に直径1インチ以上の円形であ
    り、外周から中心に向かって単調に凸に反っていること
    を特徴とする請求項7又は8に記載のウエハ−。
  10. 【請求項10】 ダイヤモンドが成長した基板が立方晶
    の元素半導体または化合物半導体の(100)単結晶で
    あることを特徴とする請求項9に記載のウエハ−。
  11. 【請求項11】 ダイヤモンドが成長した基板とダイヤ
    モンドの間に、基板結晶と方位整合して成長した立方晶
    のSiCが存在することを特徴とする請求項7又は8に
    記載のウエハ−。
  12. 【請求項12】 ダイヤモンド膜の厚みが2μm〜10
    00μmであることを特徴とする請求項7又は8に記載
    のウエハ−。
  13. 【請求項13】 ダイヤモンドの基板近傍の少なくとも
    厚さ1μmの領域において、0.1ppm以上100p
    pm以下の窒素を含有することを特徴とする請求項7ま
    たは8に記載のウエハ−。
  14. 【請求項14】 ダイヤモンドと基板の界面近傍におけ
    る基板面に平行な断面において、基板結晶との間にラン
    ダムな方位関係を有するダイヤモンドが基板の外周部に
    おいて基板面積の1%以上50%以下存在し、なおかつ
    表面においては基板結晶との結晶方位ずれが10°以下
    である領域が60%以上を占める事を特徴とする請求項
    8に記載のウエハ−。
  15. 【請求項15】 ダイヤモンドと基板の界面から1μm
    以上10μm以下の領域における基板面に平行な断面に
    おいて、90%以上のダイヤモンドが基板結晶との結晶
    方位ずれが10°以下であって面積が1mm2 以上であ
    る領域が周期的に配列し、それの領域の面積が全基板面
    積の60%以上を占めることを特徴とする請求項8に記
    載のウエハ−。
  16. 【請求項16】 ダイヤモンドと基板の界面から1μm
    以上10μm以下の領域における基板面に平行な断面に
    おいて、90%以上のダイヤモンドが基板結晶との結晶
    方位ずれが10°以下であって面積が1mm2 以上であ
    る領域が周期的に配列しており、それ以外の領域はラン
    ダムな方位のダイヤモンドよりなることを特徴とする請
    求項15に記載のウエハ−。
  17. 【請求項17】 ダイヤモンドと基板の界面から1μm
    以上10μm以下の領域における基板面に平行な断面に
    おいて、90%以上のダイヤモンドが基板結晶との結晶
    方位ずれが10°以下であって面積が1mm2 以上であ
    る領域が周期的に配列しており、それ以外の領域は空孔
    であることを特徴とする請求項15に記載のウエハ−。
  18. 【請求項18】 結晶方位のずれが10°以下であるダ
    イヤモンドが存在する領域の周期構造の基本ベクトルが
    ダイヤモンドの<111>方向に平行であることを特徴
    とする請求項15に記載のウエハ−。
  19. 【請求項19】 自立したダイヤモンド膜であって、両
    面がRmax50nm、Ra20nm以下の面粗度に仕
    上げられており、膜に平行なある断面において、90%
    以上のダイヤモンドが互いの結晶方位のずれが10°以
    下であって面積が1mm2 以上である領域が周期的に配
    列しており、それ以外の領域がランダムな方位のダイヤ
    モンドであることを特徴とするウエハ−。
  20. 【請求項20】 ダイヤモンド以外の絶縁体、半導体、
    又は金属である単結晶基板の表面を部分的に傷付け処理
    し、少なくとも水素と炭化水素ガスを含むガスを用いて
    気相合成法により、初めに傷付け処理した部分に、ラン
    ダムな方位関係を有するダイヤモンド膜を形成し、この
    後傷つけ処理しない部分には基板に対して方位整合した
    ダイヤモンド膜を形成し、これを機械的に研磨し、ダイ
    ヤモンド膜面を面粗度がRmax100nm、Ra50
    nm以下の平滑さにすることを特徴とするウエハ−の製
    造方法。
  21. 【請求項21】 基板の外周部において、基板面積の1
    %以上50%以下の部分に傷つけ処理し、中央部は傷つ
    け処理をしないことを特徴とする請求項20に記載のウ
    エハ−の製造方法。
  22. 【請求項22】 基板上の周期性を有するパタ−ン領域
    のみに傷つけ処理し、他の部分には傷つけ処理を行わな
    いことを特徴とする請求項20に記載のウエハ−の製造
    方法。
  23. 【請求項23】 ダイヤモンド以外の絶縁体、半導体、
    又は金属である単結晶基板の表面に部分的に凹部を形成
    し、少なくとも水素と炭化水素ガスを含むガスを用いて
    気相合成法により、基板の凹部以外の部分にダイヤモン
    ドの核を発生させ基板に対して方位整合したダイヤモン
    ド膜を形成し、凹部の上方を方位整合したダイヤモンド
    によって覆い尽くし、全体が連続膜になるようにダイヤ
    モンド膜を成長させ、このダイヤモンド膜を機械的に研
    磨し、ダイヤモンド膜面を面粗度がRmax100n
    m、Ra50nm以下の平滑さにすることを特徴とする
    ウエハ−の製造方法。
  24. 【請求項24】 ホルダ−面が軸に対して傾斜しうるホ
    ルダ−に基板を取付け、膜側を研磨板に押し当て、ホル
    ダ−面を傾けることによってダイヤモンド面の全体を研
    磨するようにしたことを特徴とする請求項20又は23
    に記載のウエハ−の製造方法。
  25. 【請求項25】 ダイヤモンドと基板の界面付近におけ
    る基板面に平行な断面において、非ダイヤモンド炭素膜
    が基板面積全体の0.1%〜50%存在し、なおかつ表
    面においては基板結晶との結晶方位のずれが10°以下
    であるダイヤモンドの領域が基板面積の60%以上を占
    め、さらに表面を研磨によりRmax100nm、Ra
    50nm以下の面粗度に仕上げられている事を特徴とす
    るウエハ−。
  26. 【請求項26】 ダイヤモンド以外の絶縁体、半導体、
    又は金属である単結晶基板の表面に部分的に非ダイヤモ
    ンド炭素膜を形成し、この後基板と非ダイヤモンド炭素
    膜の上に基板に対して方位整合したダイヤモンド膜を形
    成し、これを機械的に研磨し、ダイヤモンド膜面を面粗
    度がRmax100nm、Ra50nm以下の平滑さに
    することを特徴とするウエハ−の製造方法。
  27. 【請求項27】 基板の上に、非ダイヤモンド炭素膜を
    縦横周期的に形成することを特徴とする請求項26に記
    載ウエハ−の製造方法。
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