JPH0672797A - 高圧相物質の合成方法 - Google Patents

高圧相物質の合成方法

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JPH0672797A
JPH0672797A JP22431692A JP22431692A JPH0672797A JP H0672797 A JPH0672797 A JP H0672797A JP 22431692 A JP22431692 A JP 22431692A JP 22431692 A JP22431692 A JP 22431692A JP H0672797 A JPH0672797 A JP H0672797A
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single crystal
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vapor phase
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JP22431692A
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English (en)
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Takashi Chikuno
孝 築野
Takahiro Imai
貴浩 今井
Naoharu Fujimori
直治 藤森
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、エピタキシャル成長を長時
間維持でき、均質でかつ大型の単結晶層を成長すること
ができる高圧相物質の合成方法を提供することである。 【構成】 本発明では、20℃での平衡状態の圧力領域
が1000気圧以上である高圧相物質の結晶層を気相か
ら成長させる方法について開示する。まず所定の気相条
件を設定し、高圧相物質について、所定の気相条件下で
成長速度が最大となる結晶面から表面が構成される基板
を用いて、基板表面上に所定の気相条件下で高圧相物質
の結晶層をエピタキシャル成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンド、立方晶
窒化硼素などの高圧相物質単結晶の合成方法に関し、特
に切削工具、耐摩工具、半導体材料、電子部品、光学部
品などに用いられる比較的大型の高圧相物質結晶層の合
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンド、立方晶窒化硼素(c−B
N)を代表とする高圧相物質は、高硬度、高熱伝導率、
透明度などの数多くの優れた性質を有することから、各
種工具、光学部品、半導体、電子部品等の材料として幅
広く用いられており、今後さらに重要性が増すものと考
えられる。
【0003】高圧相物質のうちダイヤモンドは、これま
で知られている物質中で最高の硬度を示すこと、電気的
には非常に良い絶縁体であること、熱伝導率が大きく、
高温で銅の5倍程度の値を示すことなどの優れた性質を
同時に有する。
【0004】またダイヤモンドは、赤外領域の一部を除
いて、紫外、可視、赤外線の広い波長範囲にわたって光
の透過性が良く、さらに不純物の添加により半導体とな
るなどの特質を有する。
【0005】これらの性質を利用して、工具表面へのコ
ーティング、電子材料、特に高出力の半導体レーザに用
いられるLSIなどの放熱板などへのダイヤモンドの応
用が既に進められている。また、高温領域でも動作可能
な高温半導体としてのダイヤモンドの応用も考えられて
いる。
【0006】ダイヤモンドは過去には天然に産出するも
のが工業用に使用されていたが、現在では人工的に合成
されたものが中心に用いられている。
【0007】また、立方晶窒化硼素(c−BN)は元来
天然には産出しない。立方晶窒化硼素(c−BN)は、
ダイヤモンドには劣るものの、Alの5倍程度の非常に
高い熱伝導率と高硬度とを有している。さらに、鉄系材
料は切削時に発生する熱によりダイヤモンドと反応する
ため、ダイヤモンドによる加工が難しいのに対し、立方
晶窒化硼素はそのようなことはなく鉄系材料の加工に有
効であるといった特徴もある。
【0008】また立方晶窒化硼素に期待される将来の用
途として、その高い抵抗率と熱伝導率を利用し、LSI
などの電子素子の放熱基板として用いることが考えられ
る。また不純物の添加により半導体とすることが可能で
あると考えられる。これらのエレクトロニクス分野への
立方晶窒化硼素の応用のためには、単結晶薄膜の形成技
術が必要である。
【0009】高圧相物質の結晶層は現在工業的にはすべ
てそれらが安定である数万気圧以上の圧力下で合成され
ている。
【0010】現在、人工的にダイヤモンドを合成する方
法として実現しているものに、超高圧法と、気相合成法
がある。超高圧法ではダイヤモンドが安定状態を保つ超
高圧下で10ct以上のダイヤモンド単結晶が合成され
た事例が報告されている(たとえば「INDIAQUA
No.50,1088,p.126」参照)。
【0011】しかしながら、超高圧法によるダイヤモン
ド単結晶の製造に用いられる超高圧容器は非常に高価で
あり、また容器の内容積には制限がある。このため大面
積のダイヤモンド単結晶を成長させることは非常に困難
であり、単結晶ダイヤモンドを安価に供給できない原因
となっている。
【0012】一方、従来から気相合成法を用いて比較的
大面積のダイヤモンドが人工的に製造されてきたが、こ
れらはすべて多結晶薄膜からなり数十μm以上の厚さを
有する良質の単結晶ダイヤモンドは得られていない。
【0013】しかしながら、ダイヤモンドの用途の中で
特に平滑な面を必要とする超精密工具や工学部品、半導
体などに用いられる場合は、結晶方位に均一な単結晶ダ
イヤモンドを用いることが必要であった。そこで、従来
から気相合成法による単結晶ダイヤモンドをエピタキシ
ャル成長する条件が検討されており、さらには気相合成
法により大面積の単結晶ダイヤモンドを製造する方法が
開発されてきた。
【0014】まず第1の成長方法としては、ヘテロエピ
タキシャル成長に基づく技術がある。すなわち、異種結
晶基板上に高圧相物質を気相合成法によりエピタキシャ
ル成長させることで、大面積の単結晶を得ようというも
のである。たとえば、ダイヤモンドをヘテロエピタキシ
ャル成長できる基板としては、これまでに立方晶窒化硼
素(c−BN)(111)(001)、Ni(111)
(001)等が報告されている。
【0015】しかしながら、Niについては連続膜が得
られておらず、立方晶窒化硼素(c−BN)では大面積
の単結晶基板を用意することが難しいという問題があ
る。また、異種結晶基板上でのヘテロエピタキシャル成
長では、ダイヤモンドと基板との格子定数や熱膨張係数
が異なるために、歪が発生しやすく欠陥の多い多結晶し
か得られないという問題がある。
【0016】そこで、第2の成長方法としては、ホモエ
ピタキシャル成長に基づく技術が検討されている。
【0017】たとえば、ダイヤモンドの場合では、高圧
合成法によって得られたmmオーダのダイヤモンド単結
晶を方位を揃えて並べ基板とし、その基板表面上に一体
の単結晶ダイヤモンドを得る方法(特開平2−1319
94号参照)、また砥粒として用いられるような数10
〜100μm程度の粒子を選択エッチングしたSi基板
上に並べ、その上に単結晶ダイヤモンドを成長させる方
法(M. W. Geis and H. I. Smith : Spring Meeting of
Electrochemical Soc., Washington DC 1990)等があ
る。
【0018】このようにした方法では、気相合成法によ
り成長する結晶層が基板に対してエピタキシャル成長を
維持できれば、単結晶に近い粒界が微小角粒角のみとな
る大面積薄膜層を得ることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】一方、以上に述べてき
た従来の方法では膜厚が厚くなるにつれて、完全なエピ
タキシャル成長を維持できなくなってくるのが問題であ
った。すなわち、結晶成長の間に方位のずれが起こって
しまうわけである。この原因としては、二次的な核形
成、双晶の生成等が考えられる。たとえば、ダイヤモン
ドのホモエピタキシャル成長において平坦な表面形態を
与えるとされるのは(001)面での成長である( H.
Shiomi : Japanese Journal of Applied Physics 28 19
90)が、この上に厚くホモエピタキシャル成長させる
と、次第に双晶などに起因する異常結晶成長が支配的と
なってしまう。
【0020】このように、単数もしくは複数のダイヤモ
ンド基板から大型の単結晶ダイヤモンドもしくはそれに
準ずるダイヤモンド単体を得る方法においては、長時間
ホモエピタキシャル成長を維持できないことが大きな問
題であった。
【0021】本発明は、上記のような従来の問題を解決
するためになされたものであって、エピタキシャル成長
を長時間維持でき、均質でかつ大型の単結晶層を成長す
ることができる高圧相物質の合成方法を提供することを
目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、25℃での平
衡状態の圧力領域が1000気圧以上である高圧相物質
の結晶層を気相から成長させる方法に関する。
【0023】本発明の高圧相物質の合成方法の特徴は、
所定の気相成長条件を設定し、高圧相物質について、所
定の気相成長条件下で成長速度が最大となる結晶面から
表面が構成される基板を用いて、基板表面上に所定の気
相成長条件下で高圧相物質の結晶層をエピタキシャル成
長させる点である。
【0024】本発明においては高圧相物質の結晶層をホ
モエピタキシャル成長させてもよく、またヘテロエピタ
キシャル成長させてもよい。また、本発明においては、
高圧相物質の単結晶の成長に用いられる基板は、高圧相
物質の単結晶が成長できる材料からなる基板であれば何
であってもよい。
【0025】本発明において、方位がほぼ等しくなるよ
うに近接して配置された複数の高圧相物質単結晶を基板
として気相から高圧相物質を成長させることもできる。
この場合、接合面に多結晶成分を含むことなく、互いに
均質の高圧相物質と融合し全体として1個の大面積単結
晶を得ることができる。
【0026】本発明に従って、たとえばダイヤモンド単
結晶を合成させる場合には、気相成長面として(11
0)面が最大速度で形成されるような気相合成条件にお
いて、結晶面が(110)±5°面から表面が構成され
るダイヤモンド基板を用いて、(110)±5°面上
に、上記の気相合成条件においてダイヤモンド単結晶を
ホモエピタキシャル成長させることが好ましい。
【0027】これは、ダイヤモンドの気相成長条件にお
いて、(110)±5°面が他の成長面よりも容易にか
つ最も速い成長速度で結晶層を成長することができるか
らである。
【0028】また、本発明に従って、上述したように複
数のダイヤモンド単結晶基板を並べて大面積のダイヤモ
ンド単結晶を成長させる場合には、気相成長面として
(110)が最大速度で形成されるような気相合成条件
において、結晶面が(110)±5°面から表面が構成
されるダイヤモンド単結晶基板を複数用いて、(11
0)±5°面上に上記の気相合成条件においてダイヤモ
ンド単結晶をホモエピタキシャル成長させることが好ま
しい。また、隣り合うダイヤモンド単結晶基板に対して
各結晶方位が相互になす角を5°以内とし、かつその間
隔を100μm以内となるように設定することが好まし
い。
【0029】しかしながら、本発明に従ってダイヤモン
ド単結晶を合成させる場合、成長面は(110)±5°
にのみ限定されるのではなく、たとえば本発明において
気相合成条件がメタン・水素系でのフィラメントCVD
法においてメタンの濃度が5%以下であるような場合に
は、成長面を(111)面に設定することが好ましく、
また気相成長がメタン濃度が4%以上となるマイクロ波
プラズマCVD法による場合には、成長面を(001)
面に設定することが好ましい。
【0030】また、本発明に従って、たとえば立方晶窒
化硼素を合成させる場合には、気相成長面として(11
1)面が最大速度で形成されるような気相合成条件にお
いて、結晶面が(111)±10°面から表面が構成さ
れる立方晶窒化硼素を用いて、(111)±10°面上
に、上記の気相合成条件において立方晶窒化硼素をホモ
エピタキシャル成長させることが好ましい。
【0031】これは、立方晶窒化硼素の気相成長条件に
おいて、(111)±10°面が他の成長面よりも容易
にかつ最も速い成長速度で結晶層を成長することができ
るからである。
【0032】また、本発明に従って、上述したように複
数の立方晶窒化硼素単結晶基板を並べて大面積の立方晶
窒化硼素単結晶を成長させる場合には、気相成長面とし
て(111)面が最大速度で形成されるような気相合成
条件において、結晶面が(111)±10°面から表面
が構成される立方晶窒化硼素単結晶基板を複数用いて、
(111)±10°面上に、上記の気相合成条件におい
て立方晶窒化硼素単結晶をホモエピタキシャル成長させ
ることが好ましい。また、隣り合う立方晶窒化硼素単結
晶基板に対して、各結晶方位が相互になす角を5°以内
とし、かつその間隔を100μm以内となるように設定
することが好ましい。
【0033】本発明において、気相合成法としては公知
のプラズマCVD法、フィラメントCVD法、火炎法等
のいずれの方法を用いることができ、いずれの方法を用
いても合成方法には依存せず等しい効果が発揮される。
【0034】
【作用】本発明に従う高圧相物質の合成方法について、
図1〜図6を参照してその作用機構を説明する。
【0035】本発明の高圧相物質の合成方法では、気相
合成による高圧相物質のエピタキシャル成長において、
まず所定の気相成長条件を設定し、所定の高圧相物質に
ついて、設定した所定の気相条件下で成長速度が最大と
なる結晶面から表面が構成される基板を用いて、薄膜結
晶層をエピタキシャル成長させる。
【0036】本発明では、図4に示すように所定の気相
成長下で所定の高圧相物質をエピタキシャル成長中、単
結晶2からなる基板1表面上に何らかの原因により結晶
成長方位以外の方位を向いた領域aが一部形成されたと
しても、所定の気相条件下で成長速度が最大となる結晶
面から表面が構成される基板を用いているので、図5に
示すように結晶成長方位以外の方位を向いた領域aの成
長速度が基板を構成する表面の結晶面の成長速度を上回
ることは決してない。
【0037】この結果、結晶成長方位以外の方位を向い
た領域aは、結局結晶成長方位に成長する、成長速度が
最も速いエピタキシャル結晶層3内に取込まれ、それ以
上大きく成長することはない。
【0038】このため、従来のように図1に示した、所
定の気相条件下で成長速度が最大となる結晶面から表面
が構成されない基板を用いた場合のように、基板1表面
上に何らかの原因により結晶成長方位以外の方向を向い
た領域bが一部形成され、その領域bが本来の結晶成長
方位よりも速い速度で成長し(図2)、図3に示すよう
に異常結晶成長が支配的になってしまうようなことはほ
とんどない。
【0039】したがって、本発明の高圧相物質の合成方
法では、二次的な核形成、双晶の成長等による異常結晶
成長がおこりにくく、多結晶化の進行を大幅に抑制する
ことができるようになる。このように、安定的に単結晶
あるいは単結晶に非常に近い単体からなる高圧相物質が
安定的に成長されることで、ホモエピタキシャル成長が
長時間維持される。
【0040】
【実施例】
実施例1 本実施例においては、超高圧法により人工合成されたN
含有量が5ppm以上の、いわゆるIp型ダイヤモンド
単結晶からダイヤモンド単結晶基板を用意した。
【0041】(110)面が成長面となるように、縦4
mm、横3mm、厚さ0.3mmのサイズに成形、研摩
した(110)基板と、(001)面が成長面となるよ
うに、縦4mm、横4mm、厚さ0.3mmのサイズに
成形、研摩した(001)基板をそれぞれ5個ずつ用意
した。電子線回折により、いずれの基板も面方位のずれ
が1°以下であることを確認した。
【0042】このようにして用意したダイヤモンド単結
晶基板上に公知のマイクロ波プラズマCVD法によっ
て、水素(H2 )に対するメタンガス(CH4 )のモル
比が1.5%となるように水素およびメタンガスを供給
して、ガス圧力60Torr、基板温度870℃の条件
下でダイヤモンドの成長を400時間かけて行なった。
【0043】ダイヤモンドの成長を終えた後基板をそれ
ぞれ取出して調べたところ、(110)基板上には78
0±20μmの厚さのダイヤモンド層が成長していた。
この(110)基板上に成長していたダイヤモンド層は
いずれも単結晶を維持していることが認められた。成長
した結晶層が単結晶になっているか否かの判断は、X線
回折法を用いて調べた。
【0044】これに対して、(001)基板上には40
0±10μmの厚さのダイヤモンド層が成長していた。
しかし、この(001)基板上に成長していたダイヤモ
ンド層ではいずれも(111)双晶による多結晶化が起
こっていることが認められた。
【0045】実施例2 本実施例においては、実施例1と同様に、超高圧法によ
り人工合成されたN含有量が5ppm以上の、いわゆる
Ip型ダイヤモンド単結晶からダイヤモンド単結晶基板
を用意した。(110)面が成長面となるように、縦4
mm、横3mm、厚さ0.3mmのサイズに成形、研摩
した(110)基板と、(001)面が成長面となるよ
うに、縦4mm、横4mm、厚さ0.3mmのサイズに
成形、研摩した(001)基板をそれぞれ2個ずつ用意
した。
【0046】(110)基板、(001)基板をそれぞ
れ2個ずつ方位を揃えて接するように並べ、気相合成用
の基板として用いるものとした。電子線回折を利用した
測定法を用いて、並べた2個の基板の面方位同士のずれ
を調べたところ、(110)基板では1.3°、(00
1)基板では0.8°であった。
【0047】このようにして準備した2種類の基板上に
公知のマイクロ波プラズマCVD法によって、水素(H
2 )に対するメタンガス(CH4 )のモル比が1.5%
となるように水素およびメタンガスを供給して、ガス圧
力60Torr、基板温度870℃の条件下でダイヤモ
ンドの成長を300時間かけて行なった。
【0048】ダイヤモンドの成長を終えた後基板をそれ
ぞれ取出して観察したところ、2個の(110)基板上
には一体的に約600μmの厚さのダイヤモンド層が成
長していた。(110)基板を用いた場合には各基板に
成長した単結晶がきれいに接合しているのがX線回折に
より確認された。
【0049】これに対して、2個の(001)基板上に
は一体的に約310μmの厚さのダイヤモンド層が成長
していた。しかし、(001)基板を用いた場合には各
基板から成長した結晶の境界部分が特に多結晶化してい
るのがX線回折により確認された。
【0050】実施例1および実施例2の結果から明らか
なように、マイクロ波プラズマCVD法によって、水素
に対するメタンガスのモル比が1.5%になるように水
素およびメタンガスを供給し、ガス圧力を60Tor
r、基板温度を870℃とした成長条件下では、(11
0)面を成長面とする(110)基板を用いれば、(0
01)面を成長面とする(001)基板を用いるのに比
べて、結晶成長速度が速くかつ良質の単結晶あるいは単
結晶に非常に近い単体のダイヤモンド薄膜層を得ること
ができる。
【0051】このようにして得られたダイヤモンド単結
晶層を板状に成形、研摩して単結晶基板とし、複数の単
結晶基板を成長面を揃えて配置し、上記実施例2と同様
の成長条件下において気相合成を行なえば、さらに大面
積でかつ結晶方位のばらつきの少ない大型のダイヤモン
ド単結晶層を得ることができる。
【0052】また、本発明を用いれば、上記の実施例の
ように成長させたダイヤモンド単結晶に、BやN等の不
純物を均一に含有させ半導体を得ることも可能となる。
【0053】本実施例は高圧相物質として代表的なダイ
ヤモンドを用いた典型的な例を示すものであって、本発
明を何ら限定するものではない。本発明は、立方晶窒化
硼素等の他の高圧相物質の気相合成にも十分応用するこ
とができる。
【0054】また、本発明は、さらに高圧相物質のヘテ
ロエピタキシャル成長による気相合成においても応用す
ることが可能である。たとえば、Ni、Cu、炭化珪素
等の材料からなる基板を用いてダイヤモンド単結晶をヘ
テロエピタキシャル成長させることができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、均質で大型かつ大面積
の高圧相物質の単結晶を容易に得ることができる。本発
明では、高圧相物質の成長を気相合成により行なうの
で、BやN等の種々の不純物を容易に含有させることが
できる種々のドーピングが可能となる。したがって、本
発明の合成方法により得られるダイヤモンド等をはじめ
とする高圧相物質の単結晶を、精密工具刃先、耐摩工
具、耐熱工具、半導体基材、放熱基板、高圧相半導体材
料、光学材料、音響振動板等に幅広い用途に用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の高圧相物質の合成方法に従うエピタキシ
ャル成長の第1の工程を示す図である。
【図2】従来の高圧相物質の合成方法に従うエピタキシ
ャル成長の第2の工程を示す図である。
【図3】従来の高圧相物質の合成方法に従うエピタキシ
ャル成長の第3の工程を示す図である。
【図4】本発明に基づく高圧相物質の合成方法に従うエ
ピタキシャル成長の第1の工程を示す図である。
【図5】本発明に基づく高圧相物質の合成方法に従うエ
ピタキシャル成長の第2の工程を示す図である。
【図6】本発明に基づく高圧相物質の合成方法に従うエ
ピタキシャル成長の第3の工程を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 単結晶 3 エピタキシャル結晶層 a,b 結晶方位以外の方位を向いた領域 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃での平衡状態の圧力領域が100
    0気圧以上である高圧相物質の結晶層を気相から成長さ
    せる方法であって、 所定の気相成長条件を設定し、前記高圧相物質につい
    て、前記所定の気相条件下で成長速度が最大となる結晶
    面から表面が構成される基板を用いて、前記基板表面上
    に前記所定の気相条件下で前記高圧相物質の結晶層をエ
    ピタキシャル成長させることを特徴とする、高圧相物質
    の合成方法。
  2. 【請求項2】 前記高圧相物質の結晶層としてダイヤモ
    ンド単結晶層を成長させる際に、前記基板として(11
    0)±5°面を有するダイヤモンド単結晶を使用するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の高圧相物質の合成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記高圧相物質の結晶層として立方晶窒
    化ホウ素単結晶層を成長させる際に、前記基板として
    (111)±10°面を有する立方晶窒化ホウ素単結晶
    を使用することを特徴とする、請求項1に記載の高圧相
    物質の合成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004067812A1 (ja) * 2003-01-28 2006-05-18 住友電気工業株式会社 ダイヤモンド複合基板及びその製造方法

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