JP3951324B2 - 気相合成ダイヤモンドおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は熱伝導率に特に優れた気相合成ダイヤモンドおよびその製造方法に関する。特にヒートシンクなどに適する膜厚方向に高い熱伝導率を有するダイヤモンド膜を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイヤモンドは高硬度、高熱伝導率など優れた特性を有する卓越した材料である。ダイヤモンドの気相合成法は、このように優れた性質を有するダイヤモンドを大面積のウエハ−として比較的安価に製造することを可能にした。ダイヤモンドは多くの美点を有するから多様な応用の途が開けている。ダイヤモンドの優れた性質の内、何を利用するかによってその用途も異なってくる。ここでは熱伝導率が高いという性質を利用する。
【0003】
ダイヤモンドの工業製品への応用として最も有望なものに半導体素子のヒートシンクがある。特に発熱著しい半導体レ−ザ(LD)の冷却のためダイヤモンドのヒートシンクは最良のものである。ダイヤモンドは特に熱伝導率が高いから放熱性に優れている。素子で発生する熱を低温側(ヒートシンクの他面)へ迅速に導き他の材料に伝えあるいは空気中に放射する。
【0004】
ところがここに問題がある。同じようにダイヤモンドといっても製造法によってその熱伝導率が甚だしく異なる。試料によって、2倍あるいは3倍の違いがあることもある。この点で温度が同じであれば熱伝導率がほぼ同じになる金属などとは違う。
【0005】
どうして熱伝導率の値がそのようにばらつくのか?大面積のダイヤモンドは現在のところ気相合成法によって作製される。気相合成法といってもさまざまの方法がある。おなじ方法であっても基板温度、基板の表面状態、ガスの圧力、ガスの流量などの条件によっても製品のダイヤモンドの膜質は大きく異なる。硬度、靱性、耐摩耗性、絶縁性などが違う。レ−ザなどの冷却素子として利用しようとする場合は特に熱伝導率が問題になる。熱伝導率が低いダイヤモンドではあまり有用でない。熱伝導率の値は特に重要な因子になる。ダイヤモンドの熱伝導率を厳密に評価しなければならない。
【0006】
ところがダイヤモンドのような熱伝導率の高い物質の熱伝導率評価は非常に困難である。熱伝導率が高いことや形状的制約のため直接測定が困難である。そこでもっと測定し易い他の性質と関連づけて熱伝導率を評価したいものである。
【0007】
ダイヤモンドの熱伝導率は、ダイヤモンドの結晶性によって影響されると考えられている。ダイヤモンドの結晶性は一般にラマン散乱分光法によって評価される。ラマン散乱分光法において、ダイヤモンド結晶は1332cm-1にピークを有する。ダイヤモンドの結晶性が優れているほどこのピークは鋭く半値幅(FWHM)が狭くなる。ピークの高さと半値幅の狭さによってダイヤモンド結晶性を評価できる。熱伝導率を下げる要因について明確な知見が得られていないが、結晶性と熱伝導率には相関があると考えられている。そこでラマン散乱の半値幅と熱伝導率の間には強い関係があるとし、ラマン散乱半値幅によって熱伝導率の大体の評価が可能であるとする意見も出されている。
【0008】
▲1▼ Physical Review vol.50 No.6,pp3702-3713
これは合成速度を極力抑えることによって時間を掛けてダイヤモンド結晶を作製している。そして、ラマン散乱の1332cm-1ピークの半値幅が1.5cm-1〜1.9cm-1という高品質のダイヤモンドを作製できたという。その熱伝導率が20W/cmKであったと述べている。すばらしく高い熱伝導率のダイヤモンドである。この結果からも結晶性に優れると熱伝導率も高くなるらしい。さらにこの文献は、熱伝導率の異方性についても指摘している。面方向の熱伝導率と厚み方向の熱伝導率とは値が違う、というのである。
【0009】
単結晶であるのならともかく多結晶のダイヤモンドであるのに熱伝導率の異方性があるのは奇妙である。これは結晶方位による異方性ではなく基板との関係による異方性である。
【0010】
その理由として文献▲1▼は気相合成ダイヤモンドは成長方向(厚み方向)に長く延びた柱状結晶となる、それで厚み方向と面方向(厚みと直交する)では熱伝導率が相違するのであると説明している。つまり厚み方向には粒界をあまり越えずに熱が伝わるので熱伝導率が高くなり、面方向には多くの粒界を越えなくてはならないので熱が伝わり難いというものである。これは結晶そのものの異方性でなく結晶形状の異方性による熱伝導率異方性である。通常の気相合成ダイヤモンドはそのような高い熱伝導率を示さないし等方性の熱伝導率を持つ。しかし高い熱伝導率の場合異方性が現れるということである。それは新しい発見であった。
【0011】
▲2▼ 特願平5−192118号
これは本発明者らのダイヤモンドの発明である。ラマン散乱の半値幅が7cm-1〜15cm-1のダイヤモンドを作製したところ、熱伝導率が10W/cmK以上であったということを述べている。またラマン散乱の半値幅によって熱伝導率のおおよそを評価できるという考えをとっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ラマン散乱の半値幅の狭い高品質のダイヤモンドが高い熱伝導率を持つということはほぼ事実のようである。しかし高品質ダイヤモンドを気相合成によって作るには合成速度を極端に遅くするしかない。原料ガス中の炭化水素の濃度を低くし励起源のパワーも抑えつつ時間を掛けて薄いダイヤモンド膜を合成すると品質の優れたダイヤモンドを気相合成できる。しかし低速合成は当然に製造のコストを押し上げる。ダイヤモンドはもともと高価であるが、そのような方法によって作ったものはより一層高価になる。レ−ザなど比較的安価な半導体素子のヒートシンクにはとても使えない。高品質のダイヤモンドをより安価に作るということが強く望まれる。
【0013】
もう一つの問題がある。本出願人は▲2▼において熱伝導率が10W/cmKを越えるダイヤモンドの製造方法を提案している。しかしその後ヒートシンクなど半導体基板に対する熱伝導率の要求はますます厳しくなってきた。現在では13W/cmK以上の熱伝導率が要求されている。
【0014】
つまり、より高熱伝導率のダイヤモンドをより安価に製造する事が希求されているのである。高熱伝導率ダイヤモンドをより安価に製造する方法を提供する事が本発明の目的である。本発明者は、より高熱伝導率のダイヤモンドをより安価に得るために鋭意検討実験を重ねた。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の方法においては、合成速度の指標として単位時間当たりの成長膜厚(μm/hr)ではなく、単位時間単位投入電力量当たりの合成重量(g/hrkW)を採用する。たとえ同一の条件で合成しても、基板の大きさ、投入電力によって成長膜厚は変動する。合成コストの指標としては役に立たない。合成コストを評価するには、一定エネルギーによってどれだけの分量のダイヤモンドが合成できるのかという値によらなければならない。エネルギーは時間とパワー(電力)の積である。それで単位時間単位投入電力でダイヤモンド重量を割った値g/hrkWがコストの指標になるのである。
【0016】
本発明者は、様々の方法、多様な条件によってダイヤモンドの合成実験を行い、合成したダイヤモンドを様々の角度から評価した。そして適当な条件において、基板の上にダイヤモンドの多結晶が柱のように成長するが、その柱状結晶は成長と共に次第に数が減り寸法が大きくなってくるという事が分かった。そして結晶の粒子が小さいほど熱伝導率が低いということも分かってきた。つまり結晶粒子を大きくすると熱伝導率も大きくできるのである。
【0017】
本発明のダイヤモンド合成法は、次のような手順よりなる。
(1)基板を用意する工程と、
(2)気相合成法によりダイヤモンドを基板の上に成長させる工程と、
(3)ダイヤモンド成長面を研磨する工程と、
(4)基板を除去する工程と、
(5)ダイヤモンドの基板側の全部を45μm以上研削する工程。
【0018】
基板の上にダイヤモンドを気相合成法によって成長させ、成長面側Gのダイヤモンドをまず機械研削あるいはレーザによって研削する。つぎに基板を除去する。これは基板をエッチングなどによって化学的に除くか、或いは基板を研削し機械的に除去するか何れであっても差し支えない。ダイヤモンドの自立膜になる。基板面側Bが露呈する。これを機械研削あるいはレーザによる研削によって、底面の部分を少なくとも45μm除去する。
【0019】
成長面側Gは既に研削してあり最後に基板面側Bも研削するから両面が平坦平滑なダイヤモンド板になる。ここで基板面側Bというのは基板に付着していた方の面ということであり、基板を除去する事によって初めて露出する面である。既に基板は取り除かれているが基板が付いていた面ということで基板面側Bということにする。反対側の面が成長面側Gである。
【0020】
特に(5)の基板側Bを研削する工程が本発明の特徴を顕著に示している。その理由を述べる。基板の上に柱状の多結晶が成長するが結晶の直径が基板から遠ざかるに従って大きくなる。基板側は結晶粒が小さいが徐々にこれが大きくなるのである。そこで一旦ダイヤモンドを成長させ基板から取り除いた後、基板に付着していた側を研削し除去すると粒径の小さい部分のダイヤモンドがなくなる。
【0021】
粒径の大きいダイヤモンドばかりになる。粒界が熱伝導率を下げているのであるから粒界を減らすと熱伝導率を上げることができる。本発明は基板側を削る事によって結晶粒の小さい部分を除去し熱伝導率を上げるようにしている。前記の(5)の工程にはそのような意味がある。図2は、本発明のダイヤモンド膜の柱状結晶の断面図である。図1の従来例のダイヤモンド膜と比較すると基板面側の粒径がかなり大きくなっていることが分かる。
【0022】
さらに(2)の気相合成のステップにおいて、次の条件を課すと一層良い。
(a)窒素ガス濃度を全ガス中に於いて原子比で50ppm以下に抑える。
(b)最初の10μm〜50μmの厚みまでは、単位時間単位投入電力当たり4mg/hrkW以下で成長させ、それ以後の成長速度を5mg/hrkW以上の速度で成長させる。つまり成長速度をVとすると、前期速度Viと後期速度Veがあって、Vi≦4mg/hrkW、Ve≧5mg/hrkWとするのである。
【0023】
(c)気相合成法はマイクロ波プラズマCVD法が最適である。
窒素ガスはダイヤモンドの性質を劣化させるので原料ガス中に全く含まれないというのが最も望ましい。しかし窒素ガスは市販の水素や炭化水素ガスには必ず含まれる不純物である。(a)は不純物である窒素を50ppm以下にして劣化を抑制する事という意味である。(b)は成長速度を速くしてコストを下げるため後半での速度を高めるということである。
【0024】
基板側の面を研削する(5)の工程において、特に、
(d)基板面側を45μm以上研削するとより熱伝導率を増加させることができる。
(e)レーザ光線による平面研削がより望ましい。
【0025】
本発明の方法によって製造されたダイヤモンドは次の性質を持つ。
(イ)膜厚方向の熱伝導率κtが13W/cmK以上である。
(ロ)基板側のダイヤモンド結晶の粒径σbが4μm以上である。より好ましくは10μm以上である。
(ハ)ラマン散乱分光法におけるダイヤモンドのピーク(1332cm-1)の半値幅が4cm-1以上であっても良い。
(ニ)さらにκt≧17W/cmK、κl≧14W/cmKであることが望ましい。κt>1.2κlという強い異方性を持つと更に良い。
【0026】
【発明の実施の形態】
気相合成法によって作ったダイヤモンドをヒートシンクを初めとする半導体基板製品に利用しようとする時、熱伝導率が大きいということが重要である。特に膜厚方向の熱伝導率の高い事が必須である。本発明は既に述べたように、高熱伝導率のダイヤモンドを低コストで製造する事を目的にしている。膜厚方向と面平行方向の熱伝導率異方性がどうして発生するのか?これに対する考察から膜厚方向の熱伝導率をさらに増進するような改良の方途を見つけることができよう。
【0027】
気相合成ダイヤモンドは、基板に直角な柱状の結晶の集合である。それぞれの柱状結晶は徐々に太く成長してゆく。もちろん結晶の数は成長方向に減少してゆく。つまり初め存在した柱状結晶は次第に姿を消し、いくつかの柱状結晶が有力になってさらに肥大して行く傾向にある。つまり基板近くでの結晶粒径は小さく結晶の密度が高い。基板から離れるに従って結晶粒径は大きくなり結晶の数は減ってくる。柱状であるという性質は保存される。柱状であるから基板に直交する方向の熱伝導率κtは、基板平行な方向の熱伝導率κlよりも大きい。κt>κlである。
【0028】
そこで本発明者は基板面側Bの結晶粒径に着目した。B側の結晶粒径を制御する事によって、κtを向上させることができるのではないか?さらにB側に結晶粒径の問題を克服すればより高速により安価に高熱伝導率ダイヤモンドを合成できるのではないかと考えた。
【0029】
多結晶の粒径が小さいことが熱伝導を抑制しており、基板側Bで結晶粒が小さいという事が分かれば、基板側Bでの結晶粒を大きくすれば良いはずである。基板側の結晶粒径を制御する事によってκtの大きいダイヤモンドを得る事ができるはずである。
【0030】
基板側Bの結晶粒径σbが平均4μm以上であれば、κt≧13W/cmKとする事ができる、ということを本発明者は発見した。基板側平均粒径σbをさらに大きくする事によってκt≧17W/cmKにすることすら可能である。好ましくは基板側Bでの粒径σbを10μm以上とする。粒径はSEM(走査型電子顕微鏡)観察によって求める事ができる。
【0031】
σb≧4μmならば、κt≧13W/cmKというふうに本発明の内容を単純に表現する事ができる。σb≧10μmなら更に良い。基板から成長し始めるときは粒径が小さい。4μm以上という訳にいかない。柱状成長するから多結晶の粒径は次第に大きくなる。そこで成長後に基板側を研削して除去し小さい粒径の多結晶を除くのである。
【0032】
さらに本発明はラマン散乱の半値幅と熱伝導率の相関が従来考えられているものほどには強くないということをも明らかにする。従来法は、半値幅(FWHM)が小さい程結晶性が優れ、それが高熱伝導率と等価であるとしていた。結晶性に優れたダイヤモンドは低速度で時間を掛けて合成する他に途はなかった。しかし本発明者はそのような思想が全面的には正しくないと思う。ヒートシンクとして使うためにはκtが大きければ良い。つまり膜厚方向に結晶性が大きく長くあれば良い。面方向にはたくさんの粒界があってもκtにはあまり影響しない。
【0033】
ラマン散乱の1332cm-1ピークの半値幅が小さいということは膜厚方向にも面方向にも結晶性が優れていることを意味する。しかし高熱伝導率は膜厚方向だけでよいのである。するとラマン散乱の半値幅がそれほど小さくなくても(前記▲1▼の1.5〜1.9cm-1等と比べて)、厚み方向には高い熱伝導率を賦与できる。だから本発明では、ラマン散乱1332cm-1のピーク半値幅が4cm-1より大きくても良いという事が分かった。
【0034】
これは熱伝導率の異方性によるものである。κtもκlも大きくなくてはいけないということであれば▲1▼のように半値幅は2cm-1より小さくなければいけないであろう。しかし本発明は特にκtだけ大きければ良いから、半値幅が4cm-1以上であることを許容する。結晶性に対する制限が緩和されるから成長速度をより高くできる。
【0035】
4cm-1より大きくても良いと言ってもあまりに結晶性質が悪いとκtも小さくなってしまう。半値幅FWHMの許される上限は10cm-1である。つまり、4cm-1≦FWHM≦10cm-1である。
本発明は基板に関するダイヤモンドの熱伝導率の異方性を利用する。異方性を利用するから、当然にκt>κlであるが、より望ましくは、2割以上κtが大きくなるのがよい。κt>1.2κlである。
【0036】
ダイヤモンドの膜厚tは、薄すぎると膜厚方向の熱伝導率が高いことによる熱伝導率向上効果が小さくなる。厚すぎるとコストが上がり好ましくない。250μm〜1000μmが好ましい。これは基板側を研削して除去した後の厚みである。
【0037】
本発明のダイヤモンド合成法は既に述べたように次のような手順よりなる。
(1)基板を用意する工程と、
(2)気相合成法によりダイヤモンドを基板の上に成長させる工程と、
(3)ダイヤモンド成長面を研磨する工程と、
(4)基板を除去する工程と、
(5)ダイヤモンドの基板側の全部を45μm以上研削する工程。
以下にそれぞれの工程について詳細に述べる。
【0038】
[1.基板を用意する工程(図3)]
基板は気相合成法によってその上にダイヤモンドを成長させることができるものであればどのようなものであっても良い。例えば、シリコン、モリブデン、Ni、Pt、Ir等を基板とすることができる。単結晶でも多結晶でもよい。
【0039】
[2.気相合成によってダイヤモンドを成長させる工程(図4、図5)]
この工程はできるだけ高純度、高品質のダイヤモンドを安価に合成できる方法でなければならない。合成方法は熱フィラメントCVD法、火炎法、マイクロ波プラズマCVD法などが適する。特に高純度のダイヤモンドを合成できることからマイクロ波プラズマCVD法が最適である。
【0040】
本発明においては品質は落とさずに基板面側Bのダイヤモンド粒径をできる限り大きくする必要がある。こうした要求に応えるためには次のような2段階成長が好適である。
【0041】
ダイヤモンド膜が10μm〜50μmの厚さになるまで、単位時間(hr)単位電力(kW)当たり4mg/hrkW以下の低速で成長させる(図4)。それ以後は5mg/hrkW以上の高速で成長させる(図5)。Vi≦4mg/hrkW、Ve≧5mg/hrkWとするのは次の理由による。
【0042】
もしも初めから終わりまで高速成長するとコストは下がる。しかし成長初期の基板上に発生する結晶粒が極めて小さくなる。結晶粒が小さいと熱伝導率が低くヒートシンクとして適さない。少なくとも成長の初期は低速で成長させる必要がある。しかし反対に終始低速成長させるとコストが嵩むのでやはりヒートシンクには使い難い。
【0043】
そこで多少コストは上がるものの、初期は低速成長させ基板に粒径の大きい結晶からなる膜を付けて置く。これは基板と垂直な方向に延びる柱状の結晶の集合である。一旦粒径の大きい膜ができると成長速度を上げても結晶粒が小さくはならない。柱状を保持したまま結晶粒径は増加し続ける。この切り替えが巧妙なところである。結果として高速成長であるにも拘らず粒径の大きい柱状の結晶粒よりなる稠密な膜を生成することができる。高速成長によって膜厚を増やすことができるから製膜のコストを下げることができる。
【0044】
1段目の成長速度Viはより好ましくは、1mg/hrkW≦Vi≦4mg/hrkWが望ましい。2段目の成長速度Veはより好ましくは5mg/hrkW≦Ve≦15mg/hrkWである。
【0045】
さらに窒素ガスの問題がある。高品質高熱伝導率のダイヤモンドを合成するには、ガスに窒素ガスができるだけ含まれない方が良い。窒素は気相合成ダイヤモンドの品質を落とすということに本発明者は気づいた。メタンガスなどの炭化水素ガスや水素ガスを原料ガスとして使うが、その中には幾ばくかの窒素を含む。市販のガスには窒素が不純物としてかなり含まれる。窒素は一般に不活性であるから不純物として多少含まれていても差し支えないように感じられている。しかしそうでない。窒素はダイヤモンド合成には悪影響を及ぼす。市販のガスが多くの窒素を含む場合は更に精製して50ppm以下にする必要がある。
【0046】
[3.ダイヤモンド成長面を研磨する工程(図6)]
気相合成法によって作られたダイヤモンドは表面が結晶粒の自形(本来の結晶形状)に象られているため、夥しい起伏がある。凹凸が甚だしいのでそのままでは使用できない。そこでダイヤモンド砥粒を分散させた回転する研磨板を有する研磨装置によってダイヤモンド成長面側Gを研磨する。ダイヤモンドを研磨するのであるからダイヤモンド砥粒を使うしかない。この研磨によって表面粗さがRmax1μm以下に仕上げる。
【0047】
[4.基板を除去する工程(図7)]
例えば酸によって基板を溶解除去する。酸の種類は基板に依存する。或いは基板を研磨によって除去する事も可能である。ダイヤモンドだけからなる自立膜を得る。最終的な厚みが250μm〜1000μmになるのであるから、それに削り代を加えたものがこの時のダイヤモンド厚みになっている。
【0048】
[5.ダイヤモンドの基板側を研削する工程(図8)]
以上に述べた方法で作ったダイヤモンドは基板から直角に延びる柱状の結晶の集合である。基板に接触する部分Bの結晶粒は比較的小さく基板から離れるにしたがって粒径が大きくなる。結晶粒密度は減っていく。そこで基板に近い部分を除去すると結晶粒の大きい基板から離れて生成された部分だけが残る。基板側の除去厚みが大きい程、残った結晶の粒径は大きい。つまり熱伝導率が高い。熱伝導率を高くするだけなら、基板側Bの除去量が多い方が良い。しかしそうするとダイヤモンドの損失も増える。除去量は少なくとも45μmとする。より好ましくは45μm〜100μm除去する。
【0049】
研削の手法としては、機械研削も可能である。しかし硬質のダイヤモンドを機械研削するのは工具の制約もあり時間も掛かる。レ−ザ光線を線状に集光してダイヤモンド基板側をスキャンすることによって光学的に研削することもできる。YAGレ−ザによって光学的に研削できる。加工精度の観点から最も良いのはエキシマレ−ザである。
【0050】
【実施例】
本発明の効果を調べるために5つの試料A〜Eを異なる方法によって作製した。そしてこれらの試料の基板側の結晶粒径σb、基板面側Bと成長面側Gでのラマン散乱の1332cm-1のピークの半値幅、膜厚方向熱伝導率κt、面方向熱伝導率κl、κt/κl比、ダイヤモンド膜厚、除去量等を測定した。
【0051】
【表1】
【0052】
Mはマイクロ波プラズマCVD法、FはフィラメントCVD法による合成を意味する。試料AとBは速度を2段階に分けている。成長速度を変える為に基板温度とメタンの濃度を変動させる。速度を速くする為には基板温度を上げメタン濃度を上げる。ここではCOも原料に使うのでCO濃度も速度制御の為に利用される。試料C、D、Eは成長速度が一定である。
【0053】
【表2】
【0054】
試料Bについては製造方法は同じである。基板側を削るのであるがその深さが違う。もともとの厚みが300μmであり研削量が0μm、15μm、45μmとなるから、最終的な厚みが300μm、285μm、255μmになる。個々の例について説明する。
【0055】
[試料A]
Si基板の上にマイクロ波プラズマCVD法により条件を2段階に切り替えてダイヤモンド膜を成長させた。1段階は基板温度が900℃、メタンガス量が18sccm、CO量が6sccmである。ガス中の窒素濃度は50ppm以下であることを確かめた。基板温度が比較的低く供給炭素濃度も低い。ために成長速度が遅くなる。この条件で50hr成長させた。実測によると単位時間単位電力あたり成長速度は1.5mg/hrkWで低速の成長であった。
【0056】
2段階目は基板温度が980℃でメタンガス量が42sccm、CO量が18sccmである。基板温度が高く炭素の量も多い。この条件で90hr成長させた。成長速度は9mg/hrkWの高速の成長であった。成長面側(表面)を研磨した。この状態で膜厚が300μmである。Si基板を酸によって溶解除去した。こうしてダイヤモンドは自立膜になる。基板側の研削を行わなかった。つまり基板側というのは最初に核発生した部分である。
【0057】
自立膜になったダイヤモンドをラマン散乱、結晶粒径測定、熱伝導率測定を行った。結晶粒径の測定はSEM(走査型電子顕微鏡)によって基板側面を観察し、平均粒径を計算した。熱伝導率の測定は、膜厚方向(κt)にはレ−ザフラッシュ法によって行い、面平行方向(κl)には定常比較法の原理によって測定した。
【0058】
ラマン散乱の1332cm-1のピークの半値幅(FWHM)は基板側Bで4.4μm、成長面側Gで5.1μmであった。FWHMは結晶の質を反映し小さいほど質が良いという事である。成長面側は最終段階で成長した部分である。高速成長しているにも拘らずそれほど結晶性が低下していない。
【0059】
SEMによって基板面側の結晶粒径を測定すると平均が7μmであった。かなり大きい結晶粒が多いということである。基板側を研削しなかったにも拘らず結晶粒が大きい。これは1.5mg/hrkWという低速の成長に起因するものであろう。
【0060】
最も重要な熱伝導率は面直角方向のκtが19.3W/cmKと極めて大きい。レ−ザヒートシンクに対する最新の要求である13W/cmKを軽く凌駕する。面方向のκlは14.2W/cmKでありこれも十分に高い値である。κt/κlは1.359であって熱伝導率に強い異方性のある事が分かる。
【0061】
試料Aは基板側を削る事なく十分なκtを与えることができる。これは成長の条件を適切な2段階に分けているからである。1段階でゆっくりと大きい結晶粒のものを成長させているので熱伝導率が大きいのである。2段階は高速成長させてコストを下げている。このようなものであれば基板側を研削する必要がない。
【0062】
[試料B]
Si基板の上に、マイクロ波プラズマCVD法によって2段階法によりダイヤモンド膜を合成した。1段階は基板温度は850℃でメタン量は16sccm、CO量は4sccmであって炭素量が少ない。これで30hr成長させた。速度は3.2mg/hrkWであり低速の成長である。次の2段階は基板温度を980℃に上げる。メタン量は42sccm、CO量は18sccmである。これで80hr成長させた。速度は8.3mg/hrkWであり高速の成長である。
【0063】
ダイヤモンド成長面に凹凸があるから機械的に研磨して平滑にした。酸によってSi基板を溶解除去した。ダイヤモンド自立膜を得た。これの厚みは300μmであった。裏面(基板側)を研削することの効果を確かめるために同じ条件で作った300μm厚みのダイヤモンド膜をそれぞれ研削深さ0μm、15μm、45μmになるように研削した。研削はエキシマレ−ザを線集光し表面をスキャンすることによって行った。ラマン散乱のピークのFWHMは基板側で約4.2cm-1、成長面側(表面側)で4.8cm-1であって裏面研削の影響はあまりない。
【0064】
しかし基板側の粒径には研削の著しい影響が現れる。研削しないとき基板面側の結晶の平均粒径は2μmである。基板側を15μm削り取ると露呈下部分の平均粒径は5μmに増える。約2倍以上にもなる。基板側を45μm削り取ると新たに露出した部分の平均粒径は12μmにもなる。裏面研削の顕著な効果が如実に分かる。
【0065】
粒径の増加は熱伝導率の増加を引き起こす。裏面を削らないときκt=15.7W/cmK、κl=14.8W/cmKである。異方性は1.061で小さい。これ自体要求水準の13W/cmKを越えているから満足できる値である。しかし裏面を研削除去するとさらに熱伝導率を上げることができる。基板面側を15μm研削除去すると、κt=17.4W/cmK、κl=15.4W/cmKに増える。異方性も1.130に増える。裏面を45μm削り取るとκt=20.9W/cmK、κl=16.7W/cmKとなる。異方性も1.251に増える。
【0066】
[試料C]
Siウエハ−に、マイクロ波プラズマCVD法によって、1段階でダイヤモンド膜を作った。基板温度を低く炭素の濃度も低くし時間を掛けて成長させた。基板温度は880℃、メタン流量は16sccmである。CO流量は6sccmである。ガス流量、温度、圧力は終始一定である。成長速度は遅い。700時間(hr)かけて製膜した。成長面側を研磨して平坦にした。酸によって基板からダイヤモンド膜だけを除いた。膜厚は300μmである。成長速度は1.5mg/hrkWである。基板側を研削しなかった。
【0067】
時間を掛けてじっくり成長させたので、結晶の性質は優れている。ラマン散乱の半値幅が基板側で3.2cm-1、成長面側で3.6cm-1であった。基板側の結晶粒の大きさは6μmでかなり大きい。熱伝導率は大きくκt=19W/cmK、κl=16.5W/cmKで優れている。κt/κl=1.152である。時間を掛けた成長であるので結晶粒が大きい良質のダイヤモンド膜を得る事ができるが時間が掛かりすぎてコスト高になる。
【0068】
[試料D]
Siウエハ−に、マイクロ波プラズマCVD法によって、1段階でダイヤモンド膜を成長させた。試料Cとは反対の条件を選んだ。基板温度は高くし炭素濃度も高め成長速度を速くした。メタン供給量は48sccm、CO量は22sccm、水素量は576sccmである。基板温度は1000℃にして40時間製膜した。短時間の合成である。表面を研磨し平坦平滑にした。酸によってSiを溶解除去しダイヤモンドの自立膜を得た。厚みは300μmであった。
【0069】
基板側の研削をしない。平均の成長速度は11.8mg/hrkWである。ラマン散乱の1332cm-1ピークの半値幅は基板側で10.8cm-1、成長面側で7.4cm-1である。結晶品質が劣る。基板側の結晶粒の平均直径は0.5μmで極めて小さい。熱伝導率はκt=12.8W/cmK、κl=10.5W/cmKである。面方向の熱伝導率が特に悪い。異方性も強くてκl/κt=1.219である。成長が速すぎて結晶粒が小さく、粒界が多いので熱伝導が良くないのである。
【0070】
[試料E]
Siウエハ−にフィラメントCVD法によって1段階でダイヤモンド膜を製膜した。基板温度を低くしメタン量も減らす。成長速度はこれによって下がる。しかし水素量も減らすので成長速度は試料Cよりも速い。メタン流量は4sccm、水素量は200sccmとガス量が少ない。基板温度は750℃でこれらの試料では最低の温度である。圧力は100Torrである。製膜時間は250時間である。表面を研磨して平滑にした。
【0071】
酸によってSiを溶かして除去した。厚みは300μmである。基板側の研削をしなかった。平均成長速度は3.3mg/hrkWである。基板側の結晶平均粒径は1.3μmであり小さい結晶から成り立っている事が分かる。半値幅は基板側も成長面側も5.8cm-1である。熱伝導率はκt=13.8W/cmK、κl=13.9であった。κt/κl=0.993であって、異方性が殆どない。
【0072】
これらの試料A〜Eを検討する。試料Dのように高温で高濃度のメタンを流して高速成長させたものはラマン散乱半値幅からしても結晶性が悪い。結晶性が悪いと熱伝導率も低い。ダイヤモンドヒートシンクに要求される13W/cmK以上という条件を満足しにくい。反対に試料Cのように低メタン濃度、低基板温度で成長させるとラマン散乱半値幅(4cm-1以下)からみて優れた結晶ができているという事が分かる。熱伝導率も大きくてヒートシンクに使える。しかし製造コストが高くなりすぎて、実際にはヒートシンクなどには使えない。試料EはフィラメントCVD法によるがこれも熱伝導率はあまり高くない。
【0073】
これらの結果からラマン散乱半値幅が小さい(結晶性が良い)ということと、熱伝導率が大きいという事は相関があるが、それだけではなくて、粒径が大きいということが重要である。結晶性を高めるには時間を掛けてゆっくり製膜するしかない。しかし熱伝導率κtに直接関係するのは面垂直方向に存在する粒界の数であってこれを減らすためには必ずしも結晶性そのものを高める必要がない。試料A、Bのように初め低速成長で大きい粒径の核を発生させ、次いで高速成長して柱状成長の幅を広げてゆくと、面と直角の方向には高い熱伝導率を持つものが得られる。2段階では高速の成長を行うから全体としての時間は短縮される。
【0074】
2段階製造によって比較的低コストで高熱伝導率のダイヤモンドを製造する事ができる。2段階の高速の成長はコストを下げるだけでなく熱伝導率の異方性κt/κlをも高めることができる。
【0075】
そして基板除去後に基板側を研磨すると、小さい結晶粒の部分を除き大きい結晶粒の部分を露呈させるから、さらに熱伝導率を上げることができる。試料Bの基板側面研削は顕著な熱伝導率増加を示す。試料Aでも基板側を除去すればさらに熱伝導率を上げることができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明は、基板の上にダイヤモンドを初め低速度で気相合成して粒径の大きい結晶を核発生させ、次いで高速度で気相合成して厚み方向に柱状結晶の粒径を増大させ、基板を除去した後、基板側を研削するので、基板側の結晶粒の小さい部分が除かれる。結果として結晶粒の大きい柱状結晶の集合としてのダイヤモンドが得られる。
【0077】
厚み方向には粒界が少なく、厚み方向の熱伝導率κtが13W/cmK以上になる。2段階目での成長速度は大きいので成長速度はかなり大きく合成のコストも下げられる。従来のように熱伝導率を上げるには成長速度を下げるという方法によらないので、膜厚方向に高熱伝導率を持つダイヤモンドを低コストで作製することができる。
【0078】
柱状結晶形成による熱伝導率異方性を巧みに利用し厚み方向の熱伝導率を特に高めるようにした。結晶性そのものを高揚するのではないから低速成長でなくても良い。結晶性を強く反映するラマン散乱のピークの半値幅が4cm-1〜10cm-1であってもκtは十分な大きさになり得る。
【0079】
発熱する半導体素子、例えばレ−ザのヒートシンクなどは板厚方向の熱伝導率が高いという事が特に重要であるが、本発明のダイヤモンドはそのような用途にぴったりである。レ−ザの冷却能力を増強できるから結果としてレ−ザの高性能化、低価格化に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の気相合成法によって製作したダイヤモンド膜の柱状成長を示す断面図。
【図2】2段階に条件を変える本発明の気相合成法によって製作したダイヤモンド膜の柱状成長を示す断面図。
【図3】ダイヤモンド膜をその上に成長させるべき基板の断面図。
【図4】基板の上に第1の条件によってダイヤモンド膜を低速に成長させたものの断面図。
【図5】さらに第2の条件によってダイヤモンド膜を高速に成長させたものの断面図。
【図6】成長面側を研磨した後の試料の断面図。
【図7】基板を除去しダイヤモンド自立膜としたものの断面図。
【図8】基板側を一部研削除去した試料の断面図。
Claims (5)
- ラマン散乱分光法における波数1332cm−1のダイヤモンドのピークの半値幅が4cm−1以上であって、厚み方向の熱伝導率をκtとし、面内方向の熱伝導率をκlとした時、κt≧κl×1.2かつκt≧13W/cmKであることを特徴とする気相合成ダイヤモンド。
- 成長面側の面と基板側の面とに露出する結晶粒の平均粒径を比較して小さい方の面において、その平均粒径が4μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の気相合成ダイヤモンド。
- κt≧17W/cmKかつκl≧14W/cmKであることを特徴とする請求項1に記載の気相合成ダイヤモンド。
- 基板を用意する工程と、気相合成法によりダイヤモンドを基板上に成長させる工程と、ダイヤモンド成長面を研磨する工程と、基板を除去する工程と、ダイヤモンドの基板側の全部を45μm以上研削する工程とを含み、気相合成法によりダイヤモンド膜を成長させる工程が、窒素ガス濃度が全ガス中に原子比50ppm以下であり、最初の10〜50μmの膜厚までは投入電力あたりの成長速度が4mg/hrkW以下で成長させ、それ以後を投入電力当たりの成長速度を5mg/hrkW以上で成長させることを特徴とする気相合成ダイヤモンドの製造方法。
- レーザ光線を用いた平面研削によってダイヤモンド基板面側を研削する事を特徴とする請求項4に記載の気相合成ダイヤモンドの製造方法。
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