JPH08191009A - 複合型六方晶系フェライト磁性粉 - Google Patents
複合型六方晶系フェライト磁性粉Info
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Abstract
が複合されて成る複合型六方晶系フェライト磁性粉のS
FDを低減させて、短波長領域での記録特性を向上させ
る。 【構成】 六方晶系フェライトに複合されるスピネル
フェライトとして、一般式M1+x Fe2-x O4 (ただ
し、式中xは0<x<0.1の数を表し,MはCo,N
i,Zn,Cu,Mg,Mnの中から選択される少なく
とも一種の元素を表す)で示される組成のものを用い
る。複合は内包型あるいは表面被着型のどちらの形式で
もよいが、表面被着型はとくに効果的である。
Description
体や磁気繊維、磁性ガラスなどの複合材料に適する六方
晶系フェライト磁性粉に関する。
レンテレフタレートフィルムなどから成る非磁性基体
と、この基体面上に形成された磁性粉および樹脂バイン
ダを主成分とする磁性層とで構成されている。そしてこ
のような構成の磁気記録媒体においては、従来γ−Fe
2 O3 、Co被着γ−Fe2 O3 、CrO2 あるいは金
属Feなどの針状磁性粉を用い、塗布面内長手方向の磁
化を利用する磁気記録方式が採られていた。しかし、こ
の記録方式においては、高周波域における記録再生の向
上を計ろうとすると、記録媒体内の減磁界が増加するた
め、記録密度をそれほど向上させることができないとい
う問題がある。
るため、磁気記録媒体の基体と垂直な方向の磁化を利用
する垂直磁気記録方式が提案され、開発が進められてい
る。この垂直磁気記録方式は、高周波域においても記録
媒体内の減磁界の問題が生じないため、高密度の磁気記
録に適している。
して、従来、Co−Cr合金などの金属磁性薄膜を、真
空蒸着法やスパッタ法により基体面上に被着させた構成
のものが知られている。この種の磁気記録媒体は、磁性
層が金属薄膜からなるため、環境安定性や走行耐久性、
また生産性などにも問題があった。
少ない塗布型の垂直磁気記録媒体として、垂直方向に磁
化容易軸を配向しやすい六方晶系フェライト磁性微粒子
を、磁性粉として使用した磁気記録媒体が知られてい
る。磁気記録媒体に適した六方晶系フェライト磁性粉と
しては、たとえばM型のBaFe12O19、W型のBaM
e2 Fe16O27(Meは置換金属元素)などの単相の六
方晶系フェライト磁性粒子、M型あるいはW型の六方晶
系フェライトとスピネルフェライトとを1粒子中に同時
に含む複合型六方晶系フェライト磁性粒子、あるいはそ
れらの原子の一部を他の元素で置換した六方晶系フェラ
イト磁性粒子などがあげられる。このような六方晶系フ
ェライト磁性粉を製造する方法としては、ガラス結晶化
法、共沈−焼成法、水熱合成−焼成法、両者の沈殿物を
フラックス中で焼成するフラックス法などが一般的であ
る。
ち、単相の六方晶系フェライトは一般に飽和磁化があま
り高くないのに対して、複合型六方晶系フェライトは、
スピネルフェライトを複合化させることによって磁化が
向上し、60emu/g以上の飽和磁化が容易に得られ
るという特長があるため、高記録密度の磁気記録媒体用
としてとくに注目されている。
うな六方晶系フェライトのスピネルフェライトの複合化
による飽和磁化の向上は、主として長波長領域での出力
向上に寄与することが認められるものの、短波長領域で
はむしろ複合化により出力が低下する傾向があり、しか
もこのような複合粉には、ロット間で磁性粉保磁力がバ
ラつくという欠点も認められていた。
トの複合化が必ずしも各粒子毎に均一には進まないこと
があげられる。各粒子の複合化の不均一が、短波長特性
の支配因子の一つと言われる磁性粉のSFD(Switchin
g Field Distribution:個々の磁性粒子のHc分布状態
を表す)を大きくし、その結果、磁気記録媒体の記録再
生特性を劣化させていると考えられる。
けるこのような問題を解決するためになされたものであ
り、その高い磁化を維持しつつ、従来の欠点であったS
FDを低減化し、短波長領域においても高い出力特性を
示す磁気記録媒体が製造可能な磁性粉を提供することを
その目的としている。
方晶系フェライト磁性粉は、六方晶系フェライトに複合
化されるスピネルフェライトの組成に、その特徴があ
る。すなわち本発明の特徴は、六方晶系フェライトとス
ピネルフェライトとが複合されて成る複合型六方晶系フ
ェライト磁性粉において、前記スピネルフェライトが、
一般式 M1+x Fe2-x O4 …………(1) (ただし、式中xは0<x<0.1の数を表し,MはC
o,Ni,Zn,Cu,Mg,Mnの中から選択される
少なくとも一種の元素を表す)で示されることを特徴と
している。
成におけるxの範囲を、これまで通常用いられてきた範
囲とは異なるようにしたことにより、複合型六方晶系フ
ェライトの特長である高い飽和磁化を維持しつつ、その
SFDを大幅に改善することを可能にしている。
スピネルフェライト組成中、x>0であることが第一の
特徴であるが、さらにxは0.1より小さいことが好ま
しい。xが0.1以上であるとスピネルフェライトの磁
化が低減するため、好ましくない。
フェライトと複合化され得る六方晶系フェライトとして
は、M型(マグネトプランバイト型)あるいはW型など
の単相の六方晶系フェライト、もしくはすでにスピネル
フェライトが複合化された各種の複合型六方晶系フェラ
イトなどががあげられる。これらの六方晶系フェライト
は、次の一般式で表すことができる。
なくとも一種の元素を、M1は2価の金属元素群から選
ばれる少なくとも一種の元素を、M2は4〜6価の金属
元素群から選ばれる少なくとも一種の元素を、aは[x
+(3−m)y]/2(なおmはM2の平均原子価)で
示される数を、nは0.8以上3以下の数を、xは0以
上3以下の数を、yは0以上2以下の数をそれぞれ表し
ている)上記一般式(2)で表される六方晶系フェライ
トにおいて、とくに2価の金属M1としては、Co,Z
n,Niから選択される少なくとも一種の元素を用いる
ことが効果的である。また、これらの六方晶系フェライ
トの中で、n=0.8〜1.03、a=0で表されるM
型Baフェライトは、工業的に最も得易いため、スピネ
ルフェライトとの複合化の対象として好ましい。
スピネルフェライト、および一般式(2)で示される六
方晶系フェライトとを複合化させる手段としては、特定
の方法に限定されるものではない。その複合化の手段の
一つとして、スピネルフェライトと六方晶系フェライト
のそれぞれの構成元素を含む原料を一括で調合した後、
ガラス結晶化法など前述した従来の六方晶系フェライト
の製造方法にしたがって、結晶を作製するいわゆる一括
方法があげられる。この方法によれば、六方晶系フェラ
イト結晶中のRブロック層間にスピネル構造のフェライ
トが食い込む形で結晶成長して、本発明の磁性粉が得ら
れる。なお、このときスピネルフェライトの一部は、六
方晶系フェライトの結晶の表面に成長する。
般式(2)で表される六方晶系フェライト磁性粒子を従
来の六方晶系フェライトの方法により合成した後、一般
式(1)で表されるスピネルフェライトを合成するとい
うように2段階で行う方法があげられる。この場合に
は、六方晶系フェライト磁性粒子の表面に被着する形
で、スピネルフェライトが成長する。本発明の効果は、
上記どちらの複合化方法によってでも得ることができる
が、とくに後者の、スピネルフェライトを六方晶系フェ
ライト表面に被着させる複合方法をとることによって、
本発明の効果がより顕著に得られる。
フェライトに対するスピネルフェライトの複合化の割合
は、モル比にして0.2〜5、より好ましくは0.5〜
2の範囲にあることが望ましい。モル比で0.2より少
ない場合には、複合化による飽和磁化向上の効果が少な
くなるため、好ましくない。5より多い場合には、得ら
れる結晶の一軸異方性が失われて磁性粉の磁場配向性が
低下したり、あるいは粒子が粗大化するため、やはり好
ましくない。
として磁気繊維あるいは磁性ガラスなどの複合材料など
広範な使途を有する。磁気記録媒体に用いる場合は、と
くに磁気的に安定であることが要求されるため、その平
均粒径は10〜60nmの範囲内にあることが好まし
い。その保磁力は、高すぎると記録時にヘッド磁界が飽
和して通常の磁気ヘッドによる書き込みが困難になり、
低すぎると記録信号の保持が不可能となるため、200
〜4000 Oeの範囲内となるように調整されること
が望ましい。
におけるスピネルフェライトの組成は、上記一般式
(1)におけるxの値が0以下(x≦0)のもの、すな
わち化学量論組成にしたがうかもしくは鉄過剰型のもの
であった。このような組成は、スピネルフェライト中に
Fe2+を生成させ、Fe3+との電子交換により電気抵抗
を低減させることを目的としたものであった。
成領域の複合型磁性粉の欠点である、SFDが大きく、
飽和磁化が大きいわりには短波長特性が伸びず、しかも
ロット間で磁性粉保磁力がバラつくという現象につい
て、考察が進められた。
は必ずしもその理由は定かではないが、次のように考え
ることができる。すなわちx≦0の場合は、結晶化の過
程でスピネルフェライト中にFe2+イオンができ易い
が、一方このFe2+イオンはFe3+イオンに容易に酸化
され易いという性質がある。したがって結晶生成時のわ
ずかな酸素濃度の違いによりその数が変化しやすく、そ
れに応じて磁性粉の磁気特性も変化しやすい。したがっ
てx≦0の場合に磁性粉SFDが大きい理由は、結晶生
成過程における個々の磁性粒子を取りまく酸素濃度が、
微視的には必ずしも一定とならず、その結果、結晶化の
過程でスピネルフェライト中にできるFe2+イオン濃度
が各粒子ごとに異なるため、と考えられる。またロット
間の磁性粉保磁力がバラつくのも、やはり結晶生成時の
酸素濃度の微妙な変化により、磁性粉中のFe2+濃度が
変化するためと考えられる。
ライト磁性粉の上記難点を、スピネルフェライト一般式
中のM元素量xを0<xとして化学量論組成より大きく
設定することにより、言い換えれば、鉄濃度を化学量論
組成より少なく鉄不足型とすることにより解消しようと
したものである。
ェライトを用いて結晶中のFe2+濃度を低減させること
により、複合型六方晶系フェライト磁性粉のSFDが小
さくなり、粒子間、ロット間の保磁力Hcのバラツキが
改善される。磁性粉の保磁力が安定に制御される結果、
作製した磁気記録媒体の短波長特性が改善される。同時
に、複合型六方晶系フェライト磁性粉本来の特長である
高い飽和磁化は損なわれないため、その長波長特性も従
来どおり確保できる。
明する。
階で作製するにあたり、まず、単相六方晶系Baフェラ
イト磁性粉末を作製した。単相粉の作製にあたって、B
aCl2 、FeCl3 、CoCl2 およびNbCl5 の
各水溶液を調製し、それらを混合した。各水溶液の調製
は、それらを混合したときにBa,Fe,Co,および
Nbの各元素が、次の化学式 Ba・Fe12-2x Cox Nbx/2 O19 (ただし、x=0.64)で表されるCo−Nb置換B
aフェライトの組成比で含まれるようにした。そしてこ
の混合溶液にアルカリを加え、pH13のもとで共沈物
を沈殿させた。さらにこの混合物を120℃にて4時間
加熱することにより、上記Co−Nb置換Baフェライ
トの前駆体を生成させた。ついでこの前駆体を水洗した
後、BaCl2 を混合(乾燥した前駆体に対するBaC
l2 の重量比=1:1)し、十分撹拌した後、スプレー
ドライヤーにて乾燥した。このようにして得られた乾燥
混合物を、900℃で2時間熱処理した後、BaCl2
フラックスを水洗により除去して、上記組成のM型の単
相六方晶系Baフェライト磁性粉末を得た。
ライト磁性粉末0.1モルを加えた水に、Coスピネル
フェライト(化学式Co1+x Fe2-x O4 においてx=
0.05としたもので表される組成を有する)0.2モ
ルに相当するCoとFeとを含むCoCl2 とFeCl
2 の水溶液をさらに加え、撹拌混合した。得られた混合
液にアルカリ水溶液を混合し、pH13のもとで、Ba
フェライト磁性粉末上にスピネルフェライト成分を共沈
させた。その後チッソバブリングを施しながら、このス
ラリーの温度を約90℃まで高めた後、チッソバブリン
グを酸素バブリングに切り替えて約4時間反応させた。
その後、得られたこのスラリーを水洗いしてアルカリを
除去し、次いで乾燥させることにより磁性微粒子を得
た。
電子顕微鏡観察、組成分析を行った結果、これは表面に
Coスピネルフェライトが被着した複合型六方晶系Ba
フェライト磁性粉であることが確認された。
粉末を作製し、その0.1モルを加えた水に、Coスピ
ネルフェライト(化学式Co1+x Fe2-x O4において
x=0.026としたもので表される組成を有する)
0.2モルに相当するCoとFeとを含むCoCl2 お
よびFeCl2 の水溶液をさらに加え、撹拌混合した。
得られた混合液にアルカリ水溶液を混合し、pH13の
もとで、Baフェライト磁性粉末上にスピネルフェライ
ト成分を共沈させた。その後チッソバブリングを施しな
がら、このスラリーの温度を約90℃まで高めた後、チ
ッソバブリングを酸素バブリングに切り替えて約4時間
反応させた。その後、得られたこのスラリーを水洗いし
てアルカリを除去し、次いで乾燥させることにより磁性
微粒子を得た。
同様にX線回折、電子顕微鏡観察、組成分析を行った結
果、これは表面にCoスピネルフェライトが被着した複
合型六方晶系Baフェライト磁性粉であることが確認さ
れた。
粉末を作製し、その0.1モルを加えた水に、実施例2
で用いたものと同組成のCoスピネルフェライト0.1
モル相当のCoCl2 およびFeCl2 の水溶液をさら
に加え撹拌混合した他は実施例2と同様にして、磁性微
粒子を得た。
同様にX線回折、電子顕微鏡観察、組成分析を行った結
果、これは表面にCoスピネルフェライトが被着した複
合型六方晶系Baフェライト磁性粉であることが確認さ
れた。
粉末を作製し、その0.1モルを加えた水に、Co−Z
nスピネルフェライト{化学式(Co0.8 Zn0.2 )
1+x Fe2-x O4 においてx=0.026としたもので
表される組成を有する}0.2モルに相当するCo、Z
n、Feを含むCoCl2 、ZnCl2 、FeCl2 の
水溶液をさらに加え、撹拌混合した。得られた混合液に
アルカリ水溶液を混合し、pH13のもとで、Baフェ
ライト磁性粉末上にスピネルフェライト成分を共沈させ
た。その後チッソバブリングを施しながら、このスラリ
ーの温度を約90℃まで高めた後、チッソバブリングを
酸素バブリングに切り替えて約4時間反応させた。その
後、得られたこのスラリーを水洗いしてアルカリを除去
し、次いで乾燥させることにより磁性微粒子を得た。
同様にX線回折、電子顕微鏡観察、組成分析を行った結
果、これは表面にCo−Znスピネルフェライトが被着
した複合型六方晶系Baフェライト磁性粉であることが
確認された。
にあたっては、実施例2で用いられたM型の六方晶系B
aフェライトと同じ組成比のBa,Fe,Co,および
Nbを含むBaCl2 、FeCl3 、CoCl2 および
NbCl5 の各水溶液と、同じく実施例2で用いられた
Coスピネルフェライトと同じ組成比のCoとFeとを
含むCoCl2 およびFeCl3 の各水溶液を加え、撹
拌混合した。得られた混合液にアルカリ水溶液を混合
し、オートクレーブ中にて120℃、pH13のもとで
約6時間水熱処理を行った。
l2 を混合(乾燥した前駆体に対するBaCl2 の重量
比=1:1)し、十分撹拌した後、スプレードライヤー
にて乾燥した。このようにして得られた乾燥混合物を、
900℃で2時間熱処理した後、BaCl2 フラックス
を水洗により除去して、磁性微粒子を得た。
回折、電子顕微鏡観察、組成分析を行った結果、これ
は、表面および内部にスピネル層を含むスピネル内包型
の複合型六方晶系Baフェライト磁性粉であることが確
認された。
粉末を作製し、それに加えるCoスピネルフェライト原
料として、Coスピネルフェライトの組成を表す化学式
Co1+x Fe2-x O4 においてx=0としたものを用い
た他は実施例2と同様にして、表面にCoフェライトの
被着された複合型六方晶系Baフェライト磁性粉を作製
した。
粉末を作製し、それに加えるCoスピネルフェライト原
料として、Coスピネルフェライトの組成を表す化学式
Co1+x Fe2-x O4 においてx=−0.4としたもの
を用いた他は実施例2と同様にして、表面にCoフェラ
イトの被着された複合型六方晶系Baフェライト磁性粉
を作製した。
粉末を作製し、それに加えるCo−Znスピネルフェラ
イト原料として、Co−Znスピネルフェライトの組成
を表す化学式(Co0.8 Zn0.2 )1+x Fe2-x O4 に
おいてx=0としたものを用いた他は実施例4と同様に
して、表面にCoフェライトの被着された複合型六方晶
系Baフェライト磁性粉を作製した。
するCoスピネルフェライト原料として、Coスピネル
フェライトの組成を表す化学式Co1+x Fe2- x O4 に
おいてx=0としたものを用いた他は、実施例5と同様
にして、Coスピネルフェライトを内包した複合型六方
晶系Baフェライト磁性粉を試作した。
および比較例の磁性粉のそれぞれについて、磁気特性、
形状特性およびSFDの値を測定した。それらの測定結
果を、置換金属元素Mの種類、xの値、およびスピネル
フェライトとBaフェライトのモル比とともに次の表1
に示す。
ルフェライトを複合化させた磁性微粒子において、スピ
ネル型フェライト組成を鉄不足型とすることにより、磁
性粉のSFDが改善されていることが分かる。
試作をそれぞれ5回繰り返し、保磁力のバラツキの度合
いを調べたところ、実施例2では±20 Oeであるの
に対し、比較例1の場合は±70 Oeであった。この
ことからも鉄不足型スピネルフェライトを用いた本発明
の複合磁性粉は、保磁力のバラツキを小さくし保磁力の
安定制御が可能であるということが理解されよう。さら
に、実施例2および比較例1の磁性粉の電気抵抗を測定
したところ、それぞれ4×106 Ωcm、7×107 Ωcm
であり、本発明は、磁性粉の電気抵抗低減にも効果があ
ることが判明した。
トの組成を鉄不足型とした本発明の複合磁性粉によれ
ば、従来の組成のスピネルフェライトと六方晶系フェラ
イトを複合させた磁性粉に比べて、短波長特性の支配因
子であるSFDが大幅に改善されると同時に、副次的効
果として、保磁力の安定制御、電気抵抗の低減などの効
果も認められる。したがって、本発明によれば、短波長
領域においても高い出力特性を示す磁気記録媒体が製造
可能な磁性粉が提供される。
Claims (3)
- 【請求項1】 六方晶系フェライトとスピネルフェライ
トとが複合されて成る複合型六方晶系フェライト磁性粉
において、 前記スピネルフェライトが、一般式 M1+x Fe2-x O4 (ただし、式中xは0<x<0.1の数を表し,MはC
o,Ni,Zn,Cu,Mg,Mnの中から選択される
少なくとも一種の元素を表す)で示されることを特徴と
する複合型六方晶系フェライト磁性粉。 - 【請求項2】 前記スピネルフェライトが、単相六方晶
系フェライト磁性粒子もしくは複合型六方晶系フェライ
ト磁性粒子の表面に被着されていることを特徴とする特
許請求の範囲請求項1記載の複合型六方晶系フェライト
磁性粉。 - 【請求項3】 平均粒径が10〜60nm、保磁力が2
00〜4000 Oeであることを特徴とする特許請求
の範囲請求項1あるいは2記載の複合型六方晶系フェラ
イト磁性粉。
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JP00249995A JP3429881B2 (ja) | 1995-01-11 | 1995-01-11 | 複合型六方晶系フェライト磁性粉及びその製造方法 |
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JPH08191009A true JPH08191009A (ja) | 1996-07-23 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010109056A (ja) * | 2008-10-29 | 2010-05-13 | Kyocera Corp | 磁性体と誘電体との複合焼結体およびそれを用いたlc複合電子部品 |
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KR20090123101A (ko) * | 2008-05-27 | 2009-12-02 | 주식회사 이엠따블유안테나 | 고투자율을 갖는 니켈 아연 페라이트 제조 방법 및 이를이용한 안테나 |
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- 1995-01-11 JP JP00249995A patent/JP3429881B2/ja not_active Expired - Fee Related
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