JP2010109056A - 磁性体と誘電体との複合焼結体およびそれを用いたlc複合電子部品 - Google Patents

磁性体と誘電体との複合焼結体およびそれを用いたlc複合電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、100MHz〜1Hzにおける、比透磁率および比誘電率の高い磁性体と誘電体との複合焼結体、およびそれを用いたLC複合電子部品を提供することを目的とする。
【解決手段】 CuがBa、Fe、Co、ZnおよびCuの合量に対し3.3〜7.5原子%占めるY型六方晶Baフェライトを主結晶とし、CuがFe、Co、ZnおよびCuの合量に対し8.7〜16.3原子%占めるZnスピネル型フェライトおよびSrTiOを他の結晶として含む磁性体と誘電体との複合焼結体であって、該複合焼結体の結晶中の前記Y型六方晶Baフェライトおよび前記Znスピネル型フェライトの合量の割合が63〜77であり、前記Znスピネル型フェライトの割合が15〜31質量%であり、前記SrTiOの割合が10〜17質量%である磁性体と誘電体との複合焼結体を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器の高周波ノイズ対策用EMIフィルタ等に用いられる、磁性体の性質と誘電体の性質とを合わせ持つ磁性体と誘電体との複合焼結体およびLC複合電子部品に関する。
従来、電子機器の高周波ノイズ対策用としては、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタが多く用いられている。近年では、携帯電話、無線LAN等の移動体通信機器の高周波化に伴い、EMIフィルタにも数百MHz〜数GHzの高周波数帯域でも使用可能なフィルタ特性が求められている。
一般的に、このような電子機器のノイズ対策用として使用されているEMIフィルタは、コンデンサとインダクタとを個々に組み合わせて構成されているものが多い。しかし、近年では電子機器の小型化に伴い、磁性体により形成されるインダクタ層と、誘電体により形成されるコンデンサ層とを積層して両者を一体化した複合積層体の中に、銀電極などでコイルを形成したものが提案されてきている。しかし、このようなフィルタの場合、その積層構造の制約により、大きな面積が必要になり、電子機器の小型化への要求を十分に満足できなかった。
この問題点を解決するために、磁性体と誘電体とが混合焼成された複合焼結体の内部に、銀あるいは銀−パラジウム電極などでコイルを形成したノイズフィルタが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
このような複合焼結体に用いられる磁性体材料としては、数MHz〜数百MHz帯領域で比透磁率が高いMn−Zn系、Ni−Zn系、Ni−Cu−Zn系等のスピネル型フェライトが多く用いられてきた。しかし、このスピネル型フェライトは、磁気異方性が低いために数百MHzの周波数で自然共鳴を起こしてしまい、透磁率の周波数限界(スネークの限界)を超えることができず、数百MHz〜数GHz帯領域では十分な透磁率が得られないため、高い周波数帯域でのフィルタ材料には適用することができなかった。
そこで、最近では、スピネル型フェライトの周波数限界を超えた高い周波数領域まで比透磁率を維持する六方晶フェライトが、数百MHz〜数GHz帯領域での磁性体材料として提案されている。
この六方晶フェライトは、c軸に対して垂直な面内に磁化容易軸を持ち、フェロックスプレーナ型フェライトとも呼ばれる磁性体材料である。フェロックスプレーナ型の代表的なフェライトとしては、Co置換系Z型六方晶Baフェライト(3BaO・2CoO・12Fe)、Co置換系Y型六方晶Baフェライト(2BaO・2CoO・6Fe)、Co置換系W型六方晶Baフェライト(BaO・2CoO・8Fe)等が知られている。
これらのフェロックスプレーナ型フェライトの中でも、Y型六方晶Baフェライト単相の合成温度(約1050℃)は、Z型六方晶Baフェライト単相(1300℃)およびW型六方晶Baフェライト単相(1200℃)それぞれの合成温度に比べて低く、また、Y型六方晶Baフェライトは、比透磁率の周波数限界が3GHz以上まで向上しているため、数百MHz〜数GHz帯領域での磁性体材料として有望視されている。
例えば、Y型またはM型六方晶フェライトを主相とする磁性体材料からなる高周波用磁性体材料が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。この高周波用磁性体材料は、数百MHz〜数GHz帯域で使用でき、1000℃以下の温度で焼成可能で、焼結体密度が90%以上のものである。1000℃以下の温度で焼成できる材料であれば、同時焼成する内部電極として、銀を用いることができ、パラジウムを含む電極に対して、低抵抗であることによる特性向上と低コスト化が見込める。
さらに、高周波用磁性体材料として、例えば六方晶フェライトとNi−Cu−Znフェライト粉体の混合粉体に、焼結助剤としてBiO3添加し、880から950℃で焼結させた材料が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
一方、複合焼結体に用いられる誘電体材料としては、CaTiO、SrTiOやガラス等の常誘電体、BaTiO等の強誘電体が挙げられ、例えば、誘電体材料として比誘電率が高いBaTiOを用い、高い比透磁率および比誘電率を両立した材料が提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。
この特許文献3には、磁性体材料としてNi―Zn系フェライトまたはNi−Zn―Cu系フェライトから選択された1種を用い、誘電体材料として少なくともBaTiO、TiO、または、リラクサー系材料から選択される1種を用い、ガラス材料としてSiOとAlとROまたはRO(ただし、RはCa、Ba、Pb、Zn、Tiの群から選択された少なくとも1種)の3種の組成比が合計で100重量%とされることが記載されている。
特開平2−249294号公報 特開2003−146739号公報 特開2003-221232号公報 特開2003−226573号公報
しかしながら、特許文献4に記載された複合焼結体では、磁性体材料としてNi―Zn系フェライトまたはNi−Zn―Cu系フェライト、すなわち、スピネル型フェライトを用いているため、数百MHz以上の高周波での比透磁率が低くなるという課題があった。
これに対して、Ni―Zn系フェライトまたはNi−Zn―Cu系フェライトの替わりに、磁性体材料として六方晶Baフェライトを用いることが考えられる。その場合、焼成時に六方晶Baフェライトとガラスとが反応し、100MHzにおける比透磁率が低くなってしまうという課題があった。
また、特許文献3に記載された複合焼結体では、高周波で透磁率が得られるが、比透磁率は2から4程度であり、低い比透磁率しか得られていない。
したがって、本発明は、100MHz〜1GHzにおける、比透磁率および比誘電率の高い磁性体と誘電体との複合焼結体、およびそれを用いたLC複合電子部品を提供することを目的とする。
本発明の複合焼結体は、金属元素としてBa、Fe、Co、ZnおよびCuを含み、CuがBa、Fe、Co、ZnおよびCuの合量に対し3.3〜7.5原子%占めるY型六方晶Baフェライトを主結晶とし、金属元素としてFe、Co、ZnおよびCuを含み、CuがFe、Co、ZnおよびCuの合量に対し8.7〜16.3原子%占めるZnスピネル型フェライトおよびSrTiOを他の結晶として含む磁性体と誘電体との複合焼結体であって、該複合焼結体の結晶中の前記Y型六方晶Baフェライトおよび前記Znスピネル型フェライトの合量の割合が63〜77であり、前記Znスピネル型フェライトの割合が15〜31質量%であり、前記SrTiOの割合が10〜17質量%であることを特徴とする
また、前記複合焼結体中にBiを含み、該Biの含有量がBi換算で1〜9質量%であることが好ましい。
さらに、前記磁性体と誘電体との複合焼結体は、100MHzにおける比透磁率が5.0以上であり、1GHzにおける比透磁率が4.5以上であるとともに、100MHzおよび1GHzにおける比誘電率が35以上であることが好ましい。
本発明のLC複合電子部品は、前記磁性体と誘電体との複合焼結体からなる絶縁基体の内部または表面に、コンデンサ回路およびインダクタ回路が形成されていることを特徴とする。
本発明の磁性体と誘電体との複合焼結体によれば、金属元素としてBa、Fe、Co、ZnおよびCuを含み、CuがBa、Fe、Co、ZnおよびCuの合量に対し3.3〜7.5原子%占めるY型六方晶Baフェライトを主結晶とし、金属元素としてFe、Co、ZnおよびCuを含み、CuがFe、Co、ZnおよびCuの合量に対し8.7〜16.3原子%占めるZnスピネル型フェライトおよびSrTiOを他の結晶として含む磁性体と誘電体との複合焼結体であって、該複合焼結体の結晶中の前記Y型六方晶Baフェライトおよび前記Znスピネル型フェライトの合量の割合が63〜77であり、前記Znスピネル型フェライトの割合が15〜31質量%であり、前記SrTiOの割合が10〜17質量%であることにより、100MHz〜1GHzにおける、比透磁率および比誘電率を高くすることができる。
また、前記複合焼結体中にBiを含み、該Biの含有量がBi換算で1〜9質量%であることにより1000℃以下で焼成することが可能となり、複合焼結体の吸水率を0.1%以下と低くできる。安価に製造できる。また、銀、銅および金などの含有比率の高い導体と同時焼成可能となるので、例えば、LC複合電子部品などは、導体の抵抗を低くでき、フィルタ特性などの電気特性を向上させるができる。
さらに、磁性体と誘電体との複合焼結体の100MHzにおける比透磁率が5.0以上であり、1GHzにおける比透磁率が4.5以上であるとともに、100MHzおよび1GHzにおける比誘電率が35以上であることにより、例えば、LC複合電子部品の絶縁材料に用いることにより、LC複合電子部品を小型化することができる。
また、上述の磁性体と誘電体との複合焼結体からなる絶縁基体の内部または表面に、コンデンサ回路およびインダクタ回路が形成されているLC複合電子部品によれば、数百MHz〜数GHzの高周波帯域でも使用可能なLCフィルタ特性を得ることができる。
本発明の誘電体と磁性体との複合焼結体(以下、単に複合焼結体と呼ぶことがある)は、金属元素としてBa、Fe、Co、ZnおよびCuを含み、CuがBa、Fe、Co、ZnおよびCuの合量に対し3.3〜7.5原子%占めるY型六方晶Baフェライトを主結晶とし、金属元素としてFe、Co、ZnおよびCuを含み、CuがFe、Co、ZnおよびCuの合量に対し8.7〜16.3原子%占めるZnスピネル型フェライトおよびSrTiOを他の結晶として含む磁性体と誘電体との複合焼結体であって、該複合焼結体の結晶中の前記Y型六方晶Baフェライトおよび前記Znスピネル型フェライトの合量の割合が63〜77であり、前記Znスピネル型フェライトの割合が15〜31質量%であり、前記SrTiOの割合が10〜17質量%である。なお、結晶の割合は、X線回折の結果をリートベルト解析したものである。リートベルト解析については後述する。
このような複合焼結体では、Cuを含有するY型六方晶BaフェライトおよびCuを含有するZnスピネル型フェライトを含むことにより100MHzにおける比透磁率だけでなく、1GHzにおける比透磁率も高くすることができる。なお、CuはY型六方晶BaフェライトおよびZnスピネル型フェライトの一部元素を置換していると考えられる。また、SrTiO、Cuを含有するY型六方晶BaフェライトおよびCuを含有するZnスピネル型フェライト含有するために100MHzおよび1GHzにおける比誘電率を高くすることができる。
また、複合焼結体がBiをBi換算で1〜9質量%含有していることにより、1000℃以下の焼成温度でも焼成可能となり、複合焼結体の吸水率を0.1%以下と低くできる。
このような複合焼結体は、例えば、Y型六方晶Baフェライト粉末、SrTiO粉末、CuO粉末および必要に応じてBi粉末およびガラス粉末を混合し、焼成することにより作製できる。焼成過程でY型六方晶Baフェライトの元素の一部がCuに置換されるなどしてY型六方晶Baフェライトに含まれる金属元素Ba、Fe、Co、ZnおよびCuのうちCuが3.3〜7.5原子%占めるようになり、Cuを含んだZnスピネル型フェライトが生成される。このZnスピネル型フェライトは、含まれる金属元素Fe、Co、ZnおよびCuのうち8.7〜16.3原子%占めるようになる。このように作製するのは、原料として最終的な焼結体に必要な割合で、Cu含有Y型六方晶Baフェライト粉末およびCu含有Znスピネル型フェライト粉末を調合しても、焼成過程で結晶の割合が変わるために調合した結晶割合の複合焼結体ができないためである。なお、Cu含有Znスピネル型フェライトは全量を焼成過程で生成するようにはせず、一部は原料としてCu含有Znスピネル型フェライト粉末を調合しても良い。
また、焼成過程でM型六方晶Baフェライトが生成されることがあるが、M型六方晶Baフェライトは100MHzにおける比透磁率は比較的高いものの、1GHzでは比透磁率は低くなるため、生成量が少ないことが好ましい。さらに、焼成過程で他の副生成物が生成されることもあるがBi粉末およびガラス粉末の合量を原料粉末の12質量%以下とすれば、その割合を少なくできる。またさらに、原料にBiが含まれる場合、焼成の過程でBiが溶解し、Y型六方晶Baフェライト粉末およびSrTiO粉末の焼結を促進し、さらにBiFeOが生成され、焼結が強固になる。
焼成後の複合焼結体の結晶中のY型六方晶BaフェライトおよびZnスピネル型フェライトの合量の割合が63質量%以上であるとともに、Znスピネル型フェライトの割合が15質量%以上であることにより、複合焼結体の100MHzにおける比透磁率を5.0以上とするとともに、1GHzにおける比透磁率を4.5以上とすることができる。ただし、Y型六方晶BaフェライトおよびZnスピネル型フェライトの合量の割合が76質量%より多くなったり、Znスピネル型フェライトの割合が15質量%より多くなるような条件では、焼成後の誘電体材料の割合が少なくなり、複合焼結体の比誘電率が低くなってしまう。Znスピネル型フェライトは1GHzにおける比透磁率を高くするのに特に必要である。
焼成後の複合焼結体の結晶中のSrTiOの割合が10質量%以上であることにより、複合焼結体の100MHzにおける比誘電率を35以上とすることができる。ただし、SrTiOの割合が17質量%より多くなると、焼成後の磁性体材料の割合が少なくなり、複合焼結体の比透磁率が低くなってしまう。
なお、六方晶フェライトとは、六方晶系結晶構造を有しているとともに磁化容易軸を持っているもののことである。具体的には、六方晶フェライトは結晶方向により異なる異方性磁界を持つために回転磁化共鳴周波数(fr)が高くなるとともに、c軸に垂直な結晶面(c面)内のa軸が磁界の方向に容易に磁化され、かつ外部磁界の方向の変化に容易に追従して磁化の向きが変化する。このため、高い周波数領域(数百M〜数GHz)においても、比透磁率が高い状態を維持することが可能である。一方、スピネル型フェライトなどは、数MHz程度では、数百といった高い比透磁率が得られるが、前記のような磁化容易軸を持たないため、1GHz程度で比透磁率が急激に低下してしまう。
六方晶フェライトには、M型、W型、Y型およびZ型などがあるが、Y型六方晶フェライトは数百M〜数GHzにおける比透磁率が高くできるため磁性体材料として好ましい。また、Baを含む六方晶Baフェライトは、酸化鉄や炭酸バリウム等の原料から仮焼合成する際の温度を低くすることができるので好ましい。
リートベルト解析とは、X線回折の結果から評価対象の試料中に含まれている結晶の種類およびその量を解析するものである。リートベルト法は、J.Am.Ceram.Soc.,81[11]2978-82(1998)に記載されている方法を用いた。具体的には、解析対象の試料をディフラクトメーター法で測定した2θ=10°以上80°以下の範囲のX線回折パターンに対して、RIETAN-2000プログラムを使用することにより、評価対象の試料中に含まれている結晶の種類、および結晶の合計量に対するそれぞれの結晶の量(質量%)を評価した。
複合焼結体の原料となる磁性体材料のY型六方晶Baフェライトの典型的な組成比はBaFe1222(ただし、MはCo、CuおよびZnから選ばれる1種以上の元素)であるが、磁性体材料としては、主な結晶としてY型六方晶Baフェライトが生じる範囲でこの組成からずれたものでもよい。例えば、Ba2.05Zn1.4Cu0.5Co0.05Fe1222は100MHzにおける比透磁率が高く、かつ合成温度を低くすることができるため、Y型六方晶Baフェライトの好ましい組成であり、本発明では、このような組成比のY型六方晶Baフェライト粉末をCuO粉末と焼成して複合焼結体とすることにより、さらに比透磁率を高めている。詳細は不明であるが、このように複合焼結体を作製することにより、あらかじめCu含有量の高いY型六方晶Baフェライト粉末を用いる場合よりも比透磁率が高くなる。なお、Y型六方晶Baフェライトに含まれるBa、Fe、Co、ZnおよびCu以外の金属元素は、それらに合計100質量部に対して2原子部以下、好ましくは1原子部%以下である。
Znスピネル型フェライトの典型的な組成はZnFeであるが、主な結晶としてZnスピネル型フェライトが生じる範囲で、この組成からずれたものでもよい。また、Znスピネル型フェライトについても、あらかじめZnスピネル型フェライト粉末あるいはCU含有量の高いZnスピネル型フェライト粉末を用いて複合焼結体を作製するよりも、焼成過程で生成させる方が、比透磁率を高くすることができる。これにより複合焼結体の1GHzでの比透磁率を特に高くできる。なお、Znスピネル型フェライトに含まれるFe、Co、ZnおよびCu以外の金属元素は、それらに合計100質量部に対して2原子部以下、好ましくは1原子部%以下である。
Y型六方晶Baフェライト粉末を作製するには、原料の主成分として、それぞれ酸化物換算でFeを57〜63モル%、MOを18〜22モル%(ただし、MはCo、CuおよびZnから選ばれる1種以上の金属元素)、BaOを残部となるように調合する。この際、各原料はこれに限定されず、焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用いても良い。なお、Mは単独の元素でも、2種以上の元素が混在した形態であってもよい。Mとして2種以上を混合して用いる場合には、混合した総計モル%を18〜22モル%とすればよい。
このような配合比率で混合した粉末を、大気中で900〜1050℃の温度範囲で、1〜10時間仮焼した後、粉砕することによってY型六方晶Baフェライト粉末を得ることができる。
Y型六方晶Baフェライトは、850℃付近からBaFe1219結晶およびBaFe結晶の分解が始まり、生成されてくる。この分解、生成を十分に行なうためには、900〜1050℃の温度範囲で、1〜5時間仮焼することが好ましい。そうすることにより、仮焼合成時にY型六方晶Baフェライトを80質量%以上生成することが可能となる。なお、仮焼温度が1025℃以下であれば、合成と同時に進行する粉と粉との焼結が抑制されるため、粉砕が容易となって細かい粉砕粉を得やすく、誘電体材料などと組み合わせて焼成する際の焼結性を向上させることができる。
粉砕に際しては振動ミル、回転ミル、バレルミル等を用いて、磁性体材料を鋼鉄ボール、セラミックボール等のメディアと、水またはイソプロピルアルコール(IPA)、メタノール等の有機溶剤を用いて湿式で行なうことができる。
その際、Y型六方晶Baフェライトの素原料となる粉末は、平均粒子径が0.1〜5μm、より好ましくは0.1〜1μmであることが仮焼時の焼結性を高める点で望ましい。なお、「平均粒子径」とは、粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径d50を意味する。粉体の粒度分布は、例えばレーザ回折・散乱法によるマイクロトラック粒度分布測定装置X−100(日機装株式会社製)を用いて測定できる。
かくして得られるY型六方晶Baフェライトは、単独で焼結させれば、数MHz〜数百MHzにおける比透磁率が6〜17、数百MHz〜2GHzにおける比透磁率が2〜10と、高周波数帯域まで比透磁率が高い磁性体材料となる。
誘電体材料としては、100MHzにおける比誘電率が比較的高く、100MHzにおける誘電損失の小さいSrTiOを用いるのが好ましい。SrTiOはBaTiOより、100MHzにおける誘電損失が小さいため好ましい。また、SrTiOは、CaTiOおよびMgTiOより、100MHzにおける比誘電率が大きいため好ましい。ただし、BaTiO、CaTiOおよびMgTiOが混合されていてもかまわない。誘電体材料中のSrTiOの比率は、90質量%以上、好ましくは95質量%以上であり、特に99質量%以上(残部は不純物)が好ましい。
SrTiO粉末の平均粒子径は、誘電体と磁性体との複合焼結体の透磁率、誘電率を高くするために、0.1〜3.0μm、さらには1.2〜2.2μmであることが好ましい。
SrTiO粉末の平均粒子径が細かすぎると、Y型六方晶Baフェライト粉末間の至るところにSrTiO粉末が分散配置され、Y型六方晶Baフェライトの焼結を阻害し、所望の透磁率を得られないことになる。また、高い比透磁率を得るためには誘電体材料の量をそれほど多くできず、後述するように焼結性を向上させるためには添加するBi粉末の量もそれほど多くできないことから、焼結時にSrTiO粉末を大幅に粒成長させることはあまり期待できない。そのような状態でも比誘電率を高くするため、SrTiO粉末は、ある程度平均粒子径が大きい方が好ましい。すなわち、原料の混合時のSrTiO粉末の平均粒子径は1.2〜2.2μmが好ましい。
CuO粉末は、添加量が少ないと、焼成過程でZnスピネル型フェライトの生成が少なくなるとともに、Y型六方晶BaフェライトおよびZnスピネル型フェライトに含まれるCuの量が少なくなるため、他の原料粉末100質量部に対して3質量部以上であることが好ましい。また、添加量が多いと逆にY型六方晶Baフェライトの比透磁率が低くなり、複合焼結体の比透磁率が低くなるため、他の原料粉末100質量部に対して15質量部以下であることが好ましい。
CuO粉末の平均粒子径0.5〜5μmであることが好ましい。5μm以下であることにより、焼成過程での反応性が高くなりZnスピネル型フェライトが生成されやすくなる。0.5μm以上であることにより、原料調合時の分散がよくなる。
Biは、比較的低温で融解する酸化物であり、上述した磁性体材料および誘電体材料の焼結を助ける。複合焼結体と同時焼成する導体として、パラジウムなどをほぼ含有しない銀を主体とする導体を用いる場合には、1000℃以下でも焼結することが必要であり、そのためには、調合時のBi粉末の量は1.0質量%以上であることが好ましい。
調合時のBi粉末の量が増えると焼結性は向上するが、磁性体材料および誘電体材料の一部が分解するか、もしくは原料同士が反応して副生成物を生じる。調合時のBi粉末の量は12質量%以下が好ましく、特に9質量%以下が良い。
Bi粉末の平均粒子径は、焼結性を向上させるために、0.1〜5.0μm、さらには0.3〜1.0μmであることが好ましい。Bi粉末の平均粒子径を0.1μm以上にすることにより、粉末の凝集が起こりにくくなり、Bi粉末の分散が不均一となって、焼結状態にムラが生じることが抑制できる。Bi粉末の平均粒子径が5.0μm以下であることにより、Bi粉末溶解が遅くなって反応が進まなくなることが抑制できる。
ガラス粉末のガラス転移点は、より低温で焼結を助けるため、Bi粉末とともに用いる場合はBiの融点以下、そうでなければ、650℃以下、特に600℃以下であることが好ましい。ガラスのガラス転移点を下げることにより、上述した磁性体材料および誘電体材料の焼結をBiよりも低温の領域で助けるとともに、複合焼結体の体積固有抵抗を高くすることができる。Biより低温で磁性体材料および誘電体材料の一部を強固に接合させることにより、体積固有抵抗を高くすることができると考えられる。また、ガラス転移点を下げるためLiを含有するガラスであることが好ましい。
また、調合時のBi粉末とガラス粉末の合量は、焼結によりZnスピネル型フェライト以外の副生成物が増えすぎないように10.0質量%以下とするのが好ましい。
調合時の磁性体材料であるY型六方晶Baフェライト粉末の量としては、70.0〜86.7質量%であることが好ましい。70.0質量%以上であることにより、複合焼結体の100MHzにおける比透磁率を高くすることができる。86.7質量%以下であることにより、原料組成に、焼結助剤のBi粉末および誘電体材料を十分に含めることができる。
調合時の誘電体材料であるSrTiO粉末の量としては、12.0〜20.0質量%であることが好ましい。12.0質量%以上であることにより、複合焼結体の100MHzにおける比誘電率を高くすることができる。20.0質量%以下であることにより、原料組成に、焼結助剤のBi粉末および磁性体材料を十分に含めることができる。
なお、原料組成中にはAlを実質的に含まないことが好ましい。Alは、磁性体材料や誘電体材料を作る際の仮焼合成後の粉砕などに、アルミナのメディアを用いることなどで、不純物として混じることがある。Alは複合焼結体の焼成時に、ZnAl結晶などを生じさせることで、誘電損失などの誘電特性を劣化させることがある。原料組成のAlの量は、複合焼結体をX線回折で測定した際に、複合焼結体に含まれているAlを含む結晶のピーク強度が、複合焼結体に含まれている結晶のうち最も高いピーク強度を有する結晶のピーク強度に対して100分の1以下であるようにするのが好ましい。
所定の比率で混合した磁性体材料、誘電体材料、CuO粉末および必要に応じてBi粉末およびガラス粉末を、所望の形状に成形した後に900〜1200℃で焼成することにより、100MHzおよび1GHzにおける、比透磁率および比誘電率の高い磁性体と誘電体との複合焼結体を得ることができる。
次に、本実施形態の磁性体と誘電体との複合焼結体からなる絶縁基体の内部または表面にコンデンサ回路およびインダクタ回路を形成したLC複合電子部品について説明する。
LC複合電子部品の例であるEMIフィルタ部品を、図1をもとに説明する。複数の絶縁層1が積層され、この絶縁層1の表面に配線層2が形成されている。また、絶縁層1によって隔てられた配線層2同士を電気的に接続するビアホール導体3が絶縁層1を貫通して形成されている。
さらに、これらの配線層2およびビアホール導体3により複数の絶縁層1からなる絶縁基体の内部には、回路的にインダクタ部4およびコンデンサ部5が形成され、フィルタ回路をなしている。
このインダクタ部4は、配線層2およびビアホール導体3により多層のコイル状に形成されているが、通常、回路のインダクタンスを増加させるためには、このコイルの巻き数を増加させる必要がある。しかし、本実施形態の複合磁性材料のような透磁率の高い磁性材料を用いた場合、コイルの巻き数を増やさずとも必要なインダクタンスを得ることが可能となる。これより、配線層2の積層数を減少することができることより、電子部品の小型、低背化が可能になる。
そして、このLC複合電子部品において、絶縁層1は、実施形態の誘電体と磁性体との複合焼結体により形成されている。
また、配線層2およびビアホール導体3を形成する低抵抗金属が、金、銀、銅のいずれかを含む金属であることが望ましい。配線層2として金、銀、銅のいずれかの低抵抗金属を主成分として含有する場合には、配線層2を低抵抗化でき、特に高周波信号の信号損失、遅延を小さくできる。内部の配線層2およびビアホール導体3を、純度の高い金、銀、銅にする場合は、LC複合電子部品の焼成温度は1000℃以下とする。
また、このようなLC複合電子部品を製造するには、70.0〜86.7質量%のY型六方晶Baフェライト粉末、12.0〜20.0質量%のSrTiO粉末、および必要に応じて0〜9.0質量%のBi粉末と0〜9.7質量%の粉末と、これら粉末の合量100質量部に対して3.0〜15.0質量部のCuO粉末を混合した原料に対して、適当な有機バインダ、分散剤、溶媒を添加、混合してスラリーを調製し、これを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法、あるいは圧延法、プレス成形法により、シート状に成形する。
そして、このシート状成形体に所望によりスルーホールを形成した後、スルーホール内に、低抵抗金属を含有する導体ペーストを充填する。
そして、シート状成形体表面には、金属ペーストを用いてスクリーン印刷法、グラビア印刷法などの公知の印刷手法を用いて配線層の厚みが2〜15μmとなるように、配線パターンを印刷塗布するか、または金属箔を貼りつけ、パターン状に加工したものを貼りつける。
そして、複数のシート状成形体を位置合わせして積層圧着した後、電子部品の大きさに合わせて切断した後、酸化性雰囲気中、または低酸化性雰囲気中、200〜500℃で脱バインダ処理した後、酸化性雰囲気または非酸化性雰囲気で900〜1200℃の温度で焼成することにより、本実施形態の磁性体と誘電体との複合焼結体からなる絶縁基体の内部または表面にコンデンサ回路およびインダクタ回路が形成されたLC複合電子部品を作製することができる。
なお、焼成雰囲気については、用いる低抵抗金属の種類に応じて適宜決定され、例えば、銅等の酸化性雰囲気中での焼成によって酸化する金属を用いる場合には非酸化性雰囲気中で焼成を行なう必要があるが、金、銀に関しては酸化雰囲気中での焼成を行なうことも可能である。
上述したような工程を経ることによって、前述したように高い透磁率、および誘電率を有するとともに、数百MHz〜数GHzの高周波数帯域でもノイズの減衰特性が高い、LCフィルタを再現性よく得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
まず、Fe粉末、CoO粉末、CuO粉末、ZnO粉末およびBaCO粉末を出発原料とし、組成比がBa2.05Zn1.4Cu0.5Co0.05Fe1222となるように調合をした。調合した粉末に、有機溶媒としてIPA、メディアとして鋼鉄ボールを用いて湿式混合し、乾燥した後、大気中、950℃で仮焼し、さらに湿式で72時間粉砕し、平均粒子径1μmのY型六方晶Baフェライトを主結晶とする磁性体材料(100MHzにおける比誘電率:25、100MHzにおける比透磁率:15)を得た。
次に、誘電体材料として、市販のSrTiO粉末(平均粒子径0.9μm、100MHzにおける比誘電率:180、100MHzにおける比透磁率:1.0)を準備した。
CuO粉末としては、市販の平均粒子径1.0μmのものを準備した。Bi粉末としては、市販の平均粒子径3.0μmのものを準備した。ガラス粉末としては、組成が、BaがBaO換算で41質量%であり、SiがiO換算で40質量%であり、CaがCaO換算で15質量%であり、LiがLiO換算で4質量%であり、ガラス転移点が547℃で平均粒子径1.0μmのガラス粉末を準備した。
以上の原料粉末を表1に示す混合比となるように混合し、さらに、有機溶媒としてIPA、メディアとして鋼鉄ボールを用いて湿式混合し、乾燥した後、比透磁率、比誘電率、誘電損失、嵩密度および吸水率を評価できるようにプレス成形し、大気中で表1記載の温度で2時間焼成し、誘電体と磁性体との複合焼結体を得た。なお、各焼成温度は焼成後の複合焼結体の吸水率が1.0%以上と大きくなり、焼結不足となる温度より約20℃高い温度としてある。
かくして得られた誘電体と磁性体との複合焼結体について、比透磁率、比誘電率、嵩密度および吸水率を評価した。比透磁率、比誘電率については、100MHzおよび1GHzでの値を測定し評価した。
比透磁率は、同軸管を用いたSパラメータ法により測定し、比誘電率はインピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製 HP4291A)を用いた平行平板法により測定することができる。なお、LC複合電子部品において、絶縁層の比誘電率、比誘電率および誘電損失を直接測定できない場合は、LC複合電子部品のフィルタ特性などの電気特性と、絶縁層や電極などの寸法を測定して、電磁界シミュレーションを行なった結果を比較して比誘電率、比誘電率および誘電損失を求めることができる。
また、X線回折を行ない、その結果をリートベルト解析し、複合焼結体中に含まれている結晶の種類と含まれている結晶全体に対するそれらの割合を求めた。解析結果から、Y型六方晶Baフェライト、Znスピネル型フェライト、M型六方晶Baフェライト、SrTiOおよびBiFeOの割合を表1に示した。これらの合計が100質量%になっていない試料は、これら以外の結晶が観測されたものである。
さらに、断面を鏡面研磨し、走査型電子顕微鏡で3000倍を用いて観察し、結晶粒子の組成分析をEDS(エネルギー分散型X線分析)で行なった。結晶粒子に含まれる元素の比率により、結晶粒子がY型六方晶Baフェライト、Znスピネル型フェライト、M型六方晶BaフェライトおよびSrTiOのいずれかであるか判定したのち、Y型六方晶Baフェライトと判定された結晶については、Ba、Fe、Co、ZnおよびCuの合量に対してCuが占める割合を測定し、Znスピネル型フェライトについてはFe、Co、ZnおよびCuの合量に対してCuが占める割合を測定した。表1にはそれぞれ10個の結晶粒子を測定した結果の平均値を記載した。
Figure 2010109056
金属元素としてBa、Fe、Co、ZnおよびCuを含み、CuがBa、Fe、Co、ZnおよびCuの合量に対し3.3〜7.5原子%占めるY型六方晶Baフェライトを主結晶とし、金属元素としてFe、Co、ZnおよびCuを含み、CuがFe、Co、ZnおよびCuの合量に対し8.7〜16.3原子%占めるZnスピネル型フェライトおよびSrTiOを他の結晶として含む磁性体と誘電体との複合焼結体であって、該複合焼結体の結晶中の前記Y型六方晶Baフェライトおよび前記Znスピネル型フェライトの合量の割合が63〜77であり、前記Znスピネル型フェライトの割合が15〜31質量%であり、前記SrTiOの割合が10〜17質量%である本発明の実施の範囲の試料No.5〜8、11〜13、18〜20および22〜25の複合焼結体は、100MHzにおける比透磁率が5.0以上であり、1GMHzにおける比透磁率が4.0以上であり、100MHzおよび1GHzにおける比誘電率が35以上と、比透磁率および比誘電率が高いものとなった。
特に、Biの含有量がBi換算で1〜9質量%である試料No.5〜8、11〜13、18、19、24および25では1000℃以下の焼成温度で、複合焼結体の吸水率が0.1以下となった。
これに対して、本発明の実施の範囲外の試料No.1〜4、9〜10、14〜17、21および26では、含まれる結晶量あるいは結晶中のCu量が上述の範囲外であるため、100MHzにおける比透磁率が5.0より低くいか、1GMHzにおける比透磁率が4.0より低いか、100MHzおよび1GHzにおける比誘電率が35より低くなった。
また、得られた本実施形態のLC複合電子部品でLC複合EMIフィルタチップ部品の周波数特性をネットワークアナライザーにより測定した結果、従来の誘電体を用いた場合と同等のコイルターン数で、減衰極の低周波化が実現しており、従来品の誘電体を用いたローパスフィルタと同等のサイズで、より低周波からの減衰特性を得ることが可能であることがわかった。
本発明の一実施例であるLC複合電子部品の断面図である。
符号の説明
1・・・絶縁層(磁性体と誘電体との複合焼結体)
2・・・配線層
3・・・ビアホール導体
4・・・インダクタ部
5・・・コンデンサ部

Claims (4)

  1. 金属元素としてBa、Fe、Co、ZnおよびCuを含み、CuがBa、Fe、Co、ZnおよびCuの合量に対し3.3〜7.5原子%占めるY型六方晶Baフェライトを主結晶とし、金属元素としてFe、Co、ZnおよびCuを含み、CuがFe、Co、ZnおよびCuの合量に対し8.7〜16.3原子%占めるZnスピネル型フェライトおよびSrTiOを他の結晶として含む磁性体と誘電体との複合焼結体であって、該複合焼結体の結晶中の前記Y型六方晶Baフェライトおよび前記Znスピネル型フェライトの合量の割合が63〜77であり、前記Znスピネル型フェライトの割合が15〜31質量%であり、前記SrTiOの割合が10〜17質量%であることを特徴とする磁性体と誘電体との複合焼結体。
  2. 前記複合焼結体中にBiを含み、該Biの含有量がBi換算で1〜9質量%であることを特徴とする請求項1記載の磁性体と誘電体との複合焼結体。
  3. 100MHzにおける比透磁率が5.0以上であり、1GHzにおける比透磁率が4.5以上であるとともに、100MHzおよび1GHzにおける比誘電率が35以上であることを特徴とする請求項1または2記載の磁性体と誘電体との複合焼結体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の磁性体と誘電体との複合焼結体からなる絶縁基体の内部または表面に、コンデンサ回路およびインダクタ回路が形成されていることを特徴とするLC複合電子部品。
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