JPH0614486B2 - 磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末及びその製造法

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JPH0614486B2
JPH0614486B2 JP63142707A JP14270788A JPH0614486B2 JP H0614486 B2 JPH0614486 B2 JP H0614486B2 JP 63142707 A JP63142707 A JP 63142707A JP 14270788 A JP14270788 A JP 14270788A JP H0614486 B2 JPH0614486 B2 JP H0614486B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、19<(Fe+M)/Ba≦22(但し、MはCo、N
i、Zn、Mn及びMgから選ばれる金属(II)の1種又は2種
以上とTi、Sn、Zr及びGeから選ばれる金属(IV)の1種又
は2種以上)の組成を有し、且つ、粒子の表面から核晶
部に至るまでの間において、組成元素中のBaが直線状の
濃度勾配を持って存在しているBaを含む板状複合フェラ
イト微粒子からなる磁気記録用板状複合微粒子粉末及び
その製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、例えば、特開昭55-86103号公報にも述べられてい
る通り、適当な抗磁力と大きな磁化値を有し、且つ、適
当な平均粒度を有する強磁性の非針状粒子が記録用磁性
材料、特に垂直磁気記録用磁性材料として要望されつつ
ある。
一般に、強磁性の非針状粒子としてはBaを含む板状フェ
ライト粒子がよく知られている。
従来からBaを含む板状フェライトの製造法の一つとし
て、BaイオンとFe(III)とが含まれたアルカリ性懸濁液
を反応装置としてオートクレーブを用いて水熱処理する
方法(以下、これを単に水熱処理法という。)が知られ
ている。
先ず、磁気特性について言えば、磁気記録用に適したBa
を含む板状フェライト微粒子粉末の抗磁力は、一般に30
0〜2000 0e程度のものが要求されており、上記水熱処理
法において生成するBaを含む板状フェライト微粒子粉末
の抗磁力を低減させ、適当な抗磁力とする為にフェライ
ト中のFe(III)の一部をCo(II)、Ti(IV)又はMn、Zn、Ni
等の2価の金属イオンで置換することが提案されてい
る。
磁化値は、出来るだけ大きいことが必要であり、この事
実は例えば特開昭56-149328号公報の(・・・・磁気記録媒
体材料に使われるマグネトプランバイトフェライトにつ
いては可能な限り大きな飽和磁化・・・・が要求される。」
と記載されている通りである。
従来、Baを含む板状フェライト微粒子粉末の磁化値を向
上させる方法として、例えば、Baを含む板状フェライト
微粒子粉末の粒子表面に亜鉛を固溶させる方法(特開昭
62-176918号公報)等が知られている。
次に、磁気記録用に適したBaを含む板状フェライトの微
粒子粉末の粒度について言えば、出来るだけ微細な粒
子、殊に0.3μm以下であることが要求されている。
この事実は、例えば、特開昭56-125219号公報の「・・・・
垂直磁化記録が面内記録に対して、その有為性が明らか
となるのは、記録波長が1μm以下の領域である。しか
してこの波長領域で十分な記録・再生を行なうために
は、上記フェライトの結晶粒径は、略0.3μm以下が望
ましい。しかし、0.01μm程度となると、所望の強磁性
を呈しないため、適切な結晶粒径としては0.01から0.3
μm程度が要求される。」なる記載の通りである。
近時、Baを含む板状フェライト微粒子粉末の特許向上に
対する要求は、止まることがなく、上述した適当な抗磁
力と大きな磁化値を有し、且つ、適当な平均粒度を有す
ることに加えて、更に、保磁力分布の拡がりが小さいこ
とが強く要求されている。
その理由は、例えば、社団法人電子通信学会「電子通信
学会技術研究報告」MR77-36(1978年発行)の「Co固溶型
(ドープ型)酸化鉄磁性粉は、保磁力が熱的、経時的に
変化しやすいため、テープにしたとき、転写及び消去特
性が劣るという大きな欠点を有している。これらの欠点
は、室温でもCoイオンが結晶内を動くことに起因すると
考えられている。」なる記載及び特開昭61-17426号公報
の「・・・・γ-Fe2O3粒子が微粒子になるにつれ抗磁力分布
が広がり、さらに、コバルト被着を行うとこの抗磁力分
布はより一層広がる傾向にあることがわかった。・・・・高
密度記録を計るために上記コバルト被着型γ−Fe2O3
子の微細化を進めると、所定の抗磁力Hcは得られても、
抗磁力分布の悪い消去特性に劣る磁性粉しか得られな
い。・・・・」なる記載の通り、組成元素の不均一性に起因
して保磁力分布の拡がりが大きくなり、その結果、消去
特性が悪くなる為である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
適当な抗磁力と大きな磁化値とを有し、且つ、適当な平
均粒度を有しており、しかも保磁力分布の拡がりが小さ
いBaを含む板状フェライト微粒子粉末は、現在最も要求
されているところであるが、前述した磁化値を向上させ
る公知方法による場合には、保磁力分布の拡がりが大き
いという欠点を有するものであった。
そこで、大きな磁化値を有すると同時に、保磁力分布の
拡がりが小さいBaを含む板状フェライト微粒子粉末を得
る方法の確立が強く要求されている。
〔問題を解決する為の手段〕
本発明者は、大きな磁化値を有すると同時に、保磁力分
布の拡がりの小さいBaを含む板状フェライト微粒子粉末
を得るべく種々検討を重ねた結果、本発明に到達したも
のである。
即ち、本発明は、19<(Fe+M)/Ba≦22(但し、Mは
Co、Ni、Zn、Mn及びMgから選ばれる金属(II)の1種又は
2種以上とTi、Sn、Zr及びGeから選ばれる金属(IV)の1
種又は2種以上)の組成を有し、且つ、粒子の表面から
核晶部に至るまでの間において組成元素中のBaが直線状
の濃度勾配を持って存在しているBaを含む板状複合フェ
ライト微粒子からなる磁気記録用板状複合フェライト微
粒子粉末及び第二鉄塩水溶液、Ba塩及び金属M塩(但
し、MはCo、Ni、Zn、Mn及びMgから選ばれる金属(II)の
1種又は2種以上とTi、Sn、Zr及びGeから選ばれる金属
(IV)の1種又は2種以上)とアルカリ性水溶液とを50〜
150℃の温度範囲で混合することによりアルカリ性混合
物微粒子を生成させ、当該アルカリ性混合物微粒子を
過、水洗した後300〜600℃の温度範囲で加熱焼成し、次
いで、当該加熱焼成物微粒子とFe、Zn及び前記金属Mを
含む水溶液とからなるpH4未満の懸濁液とした後、当該
懸濁液中にアルカリ性水溶液を添加してpH4以上の懸濁
液とすることにより、加熱焼成物微粒子表面にFe、Zn及
び前記金属Mからなる水酸化物が沈着している加熱焼成
物微粒子を得、該微粒子を別、乾燥し、次いで、融剤
の存在下、800〜1100℃の温度範囲で加熱焼成すること
を特徴とする19<(Fe+M)/Ba≦22但し、MはCo、N
i、Zn、Mn及びMgから選ばれる金属(II)の1種又は2種
以上とTi、Sn、Zr及びGeから選ばれる金属(IV)の1種又
は2種以上)の組成を有し、且つ、粒子の表面から核晶
部に至るまでの間において、組成元素中のBaが直線状の
濃度勾配を持って存在しているBaを含む板状複合フェラ
イト微粒子からなる磁気記録用板状複合フェライト微粒
子粉末の製造法である。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、第二鉄塩水溶
液、Ba塩及び金属M塩(但し、MはCo、Ni、Zn、Mn及び
Mgから選ばれる金属(II)の1種又は2種以上とTi、Sn、
Zr及びGeから選ばれる金属(IV)の1種又は2種以上)と
アルカリ性水溶液とを50〜150℃の温度範囲で混合する
ことによりアルカリ性混合物微粒子を生成させ、当該ア
ルカリ性混合物微粒子を過、水洗した後300〜600℃の
温度範囲で加熱焼成し、次いで、当該加熱焼成物微粒子
とFe、Zn及び前記金属Mを含む水溶液とからなるpH4未
満の懸濁液とした後、当該懸濁液中にアルカリ性水溶液
を添加してpH4以上の懸濁液とすることにより、加熱焼
成物微粒子表面にFe、Zn及び前記金属Mからなる水酸化
物が沈着している加熱焼成物微粒子を得、該微粒子を
別、乾燥し、次いで、融剤の存在下、800〜1100℃の温
度範囲で加熱焼成した場合には、19<(Fe+M)/Ba≦
22(但し、MはCo、Ni、Zn、Mn及びMgから選ばれる金属
(II)の1種又は2種以上とTi、Sn、Zr及びGeから選ばれ
る金属(IV)の1種又は2種以上)の組成を有し、且つ、
粒子の表面から核晶部に至るまでの間において、組成元
素中のBaが直線状の濃度勾配を持って存在しているBaを
含む板状複合フェライト微粒子を得ることができ、その
結果、大きな磁化値を有すると同時に、保磁力分布の拡
がりを小さくできる点にある。
本発明に係るBaを含む板状複合フェライト微粒子粉末
は、後出の実施例に示す通り、粒子の表面から核晶部に
至るまでの間において、組成元素中のBaが直線状の正の
濃度勾配を持って存在しており、Baが濃度勾配をもって
存在している部分は10〜60重量%である。
本発明において、Baが直線状の濃度勾配を持って存在し
ている理由については、未だ明らかではないが、本発明
者は、Ba以外の他の組成元素中の二価の金属がBaと逆の
負の濃度勾配を持って存在していることからBaが二価の
金属と置換しているのではないかと考えている。
本発明において、保磁力分布の拡がりが小さい理由につ
いて、本発明者は、前述した通り、組成元素中のBaの濃
度勾配が直線状となっていることから明らかな通り、Ba
が均一に存在している為であろうと考えている。本発明
に係るBaを含む板状複合フェライト粒子粉末のS.F.D.は
2.0、殊に1.7以下である。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べる。
本発明における第二鉄塩としては、硝酸第二鉄、塩化第
二鉄等を使用することができる。
本発明におけるBa塩としては、水酸化物、硝酸塩、塩化
物等を使用することができる。
本発明における金属(II)塩としては、Co、Ni、Zn、Mn及
びMgから選ばれる金属の硝酸塩、塩化物等を使用するこ
とができる。
金属(II)塩の添加量は、第二鉄に対し2〜15原子%であ
る。2原子%未満の場合には、抗磁力が2000 0e以上と
なり、磁気記録用として好ましい板状複合フェライト粒
子を得ることはできない。15原子%を越える場合には、
抗磁力が300 0e以下となり、また、磁化値が55emu/g以
下となる為、磁気記録用として好ましい板状複合フェラ
イト粒子を得ることはできない。
本発明における金属(IV)塩としては、Ti、Sn、Zr及びGe
から選ばれる金属の塩化物、硫酸塩、硝酸塩等を使用す
ることができる。金属(IV)塩の添加量は、第二鉄に対し
2〜15原子%である。2原子%未満の場合には、抗磁力
が2000 0e以上となり、磁気記録用として好ましい板状
複合フェラト粒子を得ることはできない。15原子%を越
える場合には、抗磁力が300 0e以下となり、また、磁化
値が55emu/g以下となる為、磁気記録用として好ましい
板状複合フェライト粒子を得ることはできない。
金属(II)塩及び金属(IV)塩の割合は、金属(IV)/金属(I
I)で1以下である。
本発明におけるアルカリ性混合物微粒子を生成させる際
の反応温度は50〜150℃である。50℃未満の場合にもア
ルカリ性混合物微粒子を生成させることができるが生成
反応に長時間を要する。150℃を越える場合には、生成
するアルカリ性混合物微粒子の粒度が大きくなり、磁気
記録用として好ましい板状複合フェライト粒子を得るこ
とはできない。反応温度が100℃以上の場合には、オー
トクレーブ等を使用することが好ましい。
本発明におけるアルカリ性混合物微粒子の水洗物の加熱
焼成温度は300〜600℃である。300℃未満の場合には、
本発明に係る複合フェライト粒子における核晶部のフェ
ライトの生成が十分ではない。600℃を越える場合に
は、得られる板状複合フェライト微粒子の組成元素中の
Baが直線状の濃度勾配を示しておらず、その結果、S.F.
D.の値が悪いものである。
本発明における加熱焼成物微粒子は、粒子表面にFe、Zn
及び前記金属Mからなる水酸化物を沈着させる。水酸化
物はFe、Zn及び前記金属Mを含む塩とアルカリとを反応
させることにより生成させることができる。Fe塩は、第
一鉄塩及び第二鉄塩のいずれであってもよく、第一鉄塩
としては、硝酸第一鉄、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等を使
用することができ、第二鉄塩としては前出各種第二鉄塩
を使用することができる。Zn塩としては、塩化亜鉛、硝
酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛や臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等
のハロゲン化物を使用することができる。
Fe塩、Zn塩及び金属M塩の添加量は、得られる板状複合
フェライト微粒子の組成が19<(Fe+M)/Ba≦22の範
囲となるように添加すればよい。22を越える場合には板
状複合フェライト微粒子中にα-Fe2O3が混在し、19以下
である場合には得られる板状複合フェライト微粒子の磁
化値が小さくなる。
本発明における加熱焼成物微粒子とFe、Zn及び金属Mを
含む水溶液との懸濁液のpHは4未満である。pH4以上で
ある場合には、Znの水酸化物が単独で分離生成する為、
加熱焼成物微粒子表面にZnの水酸化物を均一に沈着させ
ることができない。
本発明におけるpH4未満の懸濁液に、アルカリ水溶液を
添加してpH4以上とすることにより、Fe、Zn及び金属M
からなる水酸化物を加熱焼成微粒子表面に沈着させるこ
とができる。pH12を越える場合は、一旦生成した亜鉛等
の水酸化物の溶解が生起する。
本発明における800〜1100℃の加熱焼成温度は、フェラ
イト化の為の工程である。800℃未満である場合には、
フェライト化反応が十分に生起しない。1100℃以上であ
る場合には、粒子成長が著しく粒子が粗大化する為、磁
気記録用として好ましい板状複合フェライト微粒子粉末
を得ることができない。
本発明における加熱焼成工程においては融剤を存在させ
ることが必要である。融剤としては、通常使用されるア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、のハロゲン化物及び硫
酸塩等の一種又は二種以上を用いることができ、例え
ば、KCl、NaCl、BaCl2、SrCl2、オルトケイ酸ソーダ等
を使用することができる。融剤の量は、加熱焼成物微粒
子に対し、3〜400重量%である。3重量%未満である
場合には、加熱焼成時に粒子及び粒子相互間で焼結が生
起し、好ましくない。400量%を越える場合にも本発明
の目的を達成することができるが必要以上に添加する意
味がない。
本発明における融剤の洗浄は、水や塩酸、酢酸、硝酸等
の酸水溶液の一種又は二種以上を用いて行うことができ
る。
〔実施例〕
次に、実施例及び比較例により本発明を説明する。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の平均径
は、電子顕微鏡写真により測定した値である。
保磁力分布は、S.F.D.(Switching Field Distribution)
の値で示し、S.F.D.の値が小さい程保磁力分布が小さい
ことを示す。
S.F.D.の測定は、磁気測定器の微分回路を使用して、Hc
の微分曲線を得、この曲線の半価巾を測定し、この値を
曲線のピーク値のHcで除することにより求めた。
実施例1 Fe(NO3)3 14.0mol、Co(NO3)2 1.21 mol(Fe(III)に対
し8.64原子%に該当する。)、TiCl4 0.38 mol(Fe(II
I)に対し2.71原子%に該当する。)及びBa(OH)2 1.11
mol((Fe+M)/Ba=14.0原子%となる。)とNaOH 16
6 molとをオートクレーブ中で120℃まで加熱し、機械的
に撹拌しつつ、この温度に2時間保持し、アルカリ性混
合物微粒子を沈澱させた。
室温にまで冷却後、アルカリ性混合物微粒子沈澱を別
し、充分水洗した後、乾燥し、次いで450℃で加熱焼成
した。
上記加熱焼成物微粒子100gを0.47 molのFeCl2と0.058
molのZnCl2と0.048 molのCo(NO3)2、0.014 molのTiCl4
とを含む水溶液中に分散混合して得られたpH 3.5の
懸濁液を0.5時間撹拌混合し、次いで、該懸濁液にNaOH
を添加し、pH 7.1において粒子表面にFe(II)、Zn、
Co及びTiからなる水酸化物を沈着させた後、別、乾燥
した。
次いで、粒子表面にFe(II)、Zn、Co及びTiの水酸化物が
沈着している加熱焼成物微粒子粉末50gに100gのNaCl
からなる融剤(加熱焼成物微粒子に対して200重量%に
該当する。)を含む水溶液を添加し、水分を蒸発後、85
0℃にて大気中1.5時間加熱焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、蛍光X線分析の結果、
組成{Fe+Zn(II)+CO(II)+Ti(IV)}/Baが21.1であ
り、電子顕微鏡観察の結果、平均径0.06μmであり、抗
磁力Hcが620 Oe、磁化値σsが64.4 emu/gであって、S.
F.D.は1.27であった。
また、得られたBaを含む板状複合フェライト粒子粉末50
gを1Nの塩酸水溶液1に浸漬した後、該塩酸水溶液
中のBaイオン量を一定時間経過ごとに化学分析により測
定し、粒子中に存在するBaの濃度を求めた。
この時のBa濃度は図1に示される通りであり、粒子表面
から核晶部に至るまでの間において組成元素中のBaが直
線状の濃度勾配を持って存在しており、Baが均斉に存在
していることが認められた。
尚、図1中横軸は、粒子の表面(0wt%の点)から中心
部(100wt%の点)に至るまでを示したものであり、縦
軸は、Feに対するBaの割合を示したものである。
実施例2 Fe(No3)3 14.0 mol、CoCl2 0.75 mol(Fe(III)に対し
5.36原子%に該当する。)、TiCl4 0.41 mol(Fe(III)
に対し2.93原子%に該当する。)及びBa(OH)2 0.92mol
((Fe+M)/Ba=16.5原子%となる。)とNaOH 164 m
olとをオートクレーブ中で130℃まで加熱し、機械的に
撹拌しつつ、この温度に2時間保持し、アルカリ性混合
物微粒子を沈澱させた。
室温にまで冷却後、アルカリ性混合物微粒子沈澱を別
し、充分水洗した後、乾燥し、次いで500℃で加熱焼成
した。
上記加熱焼成物微粒子100gを0.1 molのFeCl2と0.3 mol
のFeCl3と0.051 molのZnCl2と0.009 molのCoCl2、0.004
molのTiCl4とを含む水溶液中に分散混合して得られたp
H 3.9の懸濁液を0.5時間撹拌混合し、次いで、該懸濁液
にNaOHを添加し、pH 7.5において粒子表面にFe(II)、Fe
(III)、Zn、Co及びTiからなる水酸化物を沈着させた
後、別、乾燥した。
次いで、粒子表面にFe(II)、Fe(III)、Zn、Co及びTiの
水酸化物が沈着している加熱焼成物微粒子粉末50gに10
0gのNaClからなる融別(加熱焼成物微粒子に対して200
重量%に該当する。)を含む水溶液を添加し、水分を蒸
発後、820℃にて大気中2時間加熱焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、蛍光X線分析の結果、
組成{Fe+Zn(II)+Co(II)+Ti(IV)}/Baが19.3であ
り、電子顕微鏡観察の結果、平均0.05μmであり、抗磁
力Hcが890 0e、磁化値σsが62.6 emu/gであって、S.F.
D.は0.78であった。
また、得られたBaを含む板状複合フェライト粒子粉末50
gの粒子中に存在するBaの濃度を実施例1と同様にして
求めた。
この時のBa濃度は図2に示される通りであり、粒子表面
から核晶部に至るまでの間において組成元素中のBaが直
線状の濃度勾配を持って存在しており、Baが均斉に存在
していることが認められた。
実施例3 Fe(NO3)3 14.0 mol、NiCl2 0.83 mol(Fe(III)に対し
5.92原子%に該当する。)、TiCl4 0.44 mol(Fe(III)
に対し3.14原子%に該当する。)及びBaCl21.66 mol
((Fe+M)/Ba=9.20原子%となる。)とNaOH 165 m
olとをオートクレーブ中で100℃まで加熱し、機械的に
撹拌しつつ、この温度に2時間保持し、アルカリ性混合
物微粒子を沈澱させた。
室温にまで冷却後、アルカリ性混合物微粒子沈澱を別
し、充分水洗した後、乾燥し、次いで400℃で加熱焼成
した。
上記加熱焼成物微粒子100gを1.05 molのFeCl3と0.060
molのZnCl2と0.088 molのNiCl2、0.031 molのTiCl4とを
含む水溶液に分散混合して得られたpH 2.0の懸濁液を0.
5時間撹拌混合し、次いで、該懸濁液にNaOHを添加し、p
H 8.2おいて粒子表面にFe(II)、Zn、Ni及びTiからなる
水酸化物を沈着させた後、別、乾燥した。
次いで、粒子表面にFe(II)、Zn、Ni及びTiの水酸化物が
沈着している加熱焼成物微粒子粉末50gに100gのBaCl2
からなる融剤(加熱焼成物微粒子に対して200重量%に
該当する。)を含む水溶液を添加し、水分を蒸発後、95
0℃にて大気中0.5時間加熱焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、蛍光X線分析の結果、
組成{Fe+Zn(II)+Ni(II)+Ti(IV)}/Baが20.2であ
り、電子顕微鏡観察の結果、平均径0.06μmであり、抗
磁力Hcが1092 0e、磁化値σsが60.5 emu/gであって、
S.F.D.は1.08であった。
また、得られたBaを含む板状複合フェライト粒子粉末50
gの粒子中に存在するBaの濃度を実施例1と同様にして
求めた。
この時のBa濃度は図3に示される通りであり、粒子表面
から核晶部に至るまでの間において組成元素中のBaが直
線状の濃度勾配を持って存在しており、Baが均斉に存在
していることが認められた。
比較例1 水熱合成法により、Feに対し9.50原子%のBa、8.25原子
%のCo及び2.86原子%のTiを含有する板状Baフェライト
微粒子を得た。
得られた微粒子100gを0.07 molの塩化亜鉛水溶液中に
分散混合し、pH 7.1において粒子表面に亜鉛の水酸化物
を沈着させた後、別、乾燥した。
次いで、粒子表に亜鉛の水酸化物が沈着している板状Ba
フェライト微粒子粉末50gに100gのNaClからなる融剤
(微粒子粉末に対して200重量%に該当する。)を含む
水溶液を添加し、水分を蒸発後、850℃において1.5時間
加熱焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、螢光X線分析の結果、
組成{Fe+Zn(II)+Co(II)+Ti(IV)}/Baが16.6であ
り、電子顕微鏡観察の結果、平均径0.06μmであり、抗
磁力Hcが650 0e、磁化値σsが63.5 emu/gであって、S.
F.D.は2.1であった。
この粒子粉末のBa濃度は、図4に示す通りであり、Baの
濃度勾配は認められなかった。
〔発明の効果〕
本発明に係るBaを含む板状複合フェライト微粒子粉末
は、前実施例に示した通り、大きな磁化値を有すると同
時に、保磁力分布の拡がりが小さい19<(Fe+M)/Ba
≦22(但し、MはCo、Ni、Zn、Mn及びMgから選ばれる金
属(II)の1種又は2種以上とTi、Sn、Zr及びGeから選ば
れる金属(IV)の1種又は2種以上)の組成を有し、且
つ、粒子の表面から核晶部に至るまでの間において組成
元素中のBaが直線状の濃度勾配を持って存在しているBa
を含む板状複合フェライト微粒子粉末からなる磁気記録
用板状複合フェライト微粒子粉末であるので、磁気記録
用磁性材料として最適である。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図4は、粒子の表面(0wt%の点)から中心部
(100wt%の点)に至るまでのBaの濃度を示したもので
ある。 図1乃至図3は、それぞれ実施例1乃至実施例3で得ら
れた板状複合フェライト粒子粉末であり、図4は比較例
1で得られた板状Baフェライト粒子粉末である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】19<(Fe+M)/Ba≦22(但し、MはCo、
    Ni、Zn、Mn及びMgから選ばれる金属(II)の1種又は2種
    以上とTi、Sn、Zr及びGeから選ばれる金属(IV)の1種又
    は2種以上)の組成を有し、且つ、粒子の表面から核晶
    部に至るまでの間において組成元素中のBaが直線状の濃
    度勾配を持って存在しているBaを含む板状複合フェライ
    ト微粒子からなる磁気記録用板状複合フェライト微粒子
    粉末。
  2. 【請求項2】第二鉄塩水溶液、Ba塩及び金属M塩(但
    し、MはCo、Ni、Zn、Mn及びMgから選ばれる金属(II)の
    1種又は2種以上とTi、Sn、Zr及びGeから選ばれる金属
    (IV)の1種又は2種以上)とアルカリ性水溶液とを50〜
    150℃の温度範囲で混合することによりアルカリ性混合
    物微粒子を生成させ、当該アルカリ性混合物微粒子を
    過、水洗した後300〜600℃の温度範囲で加熱焼成し、次
    いで、当該加熱焼成物微粒子とFe、Zn及び前記金属Mを
    含む水溶液とからなるpH4未満の懸濁液とした後、当該
    懸濁液中にアルカリ性水溶液を添加してpH4以上の懸濁
    液とすることにより、加熱焼成物微粒子表面にFe、Zn及
    び前記金属Mからなる水酸化物が沈着している加熱焼成
    物微粒子を得、該微粒子を別、乾燥し、次いで、融剤
    の存在下、800〜1100℃の温度範囲で加熱焼成すること
    を特徴とする19<(Fe+M)/Ba≦22(但し、MはCo、
    Ni、Zn、Mn及びMgから選ばれる金属(II)の1種又は2種
    以上とTi、Sn、Zr及びGeから選ばれる金属(IV)の1種又
    は2種以上)の組成を有し、且つ、粒子の表面から核晶
    部に至るまでの間において、組成元素中のBaが直線状の
    濃度勾配を持って存在しているBaを含む板状複合フェラ
    イト微粒子からなる磁気記録用板状複合フェライト微粒
    子粉末の製造法。
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