JP3011787B2 - 針状六方晶系フェライト磁性粉及びその製造方法 - Google Patents
針状六方晶系フェライト磁性粉及びその製造方法Info
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- JP3011787B2 JP3011787B2 JP3138402A JP13840291A JP3011787B2 JP 3011787 B2 JP3011787 B2 JP 3011787B2 JP 3138402 A JP3138402 A JP 3138402A JP 13840291 A JP13840291 A JP 13840291A JP 3011787 B2 JP3011787 B2 JP 3011787B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度磁気記録を目的
とする垂直磁気記録方式の塗布型媒体として使用する垂
直磁気異方性を有する針状六方晶系フェライト磁性粉及
びその製造方法に関する。
とする垂直磁気記録方式の塗布型媒体として使用する垂
直磁気異方性を有する針状六方晶系フェライト磁性粉及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、垂直磁気異方性(磁化容易軸が長
軸に対して垂直方向にある性質)を有するフェライト磁
性粉としては、板状のものと針状のものとが知られてい
る。そして上記の板状フェライト磁性粉の製造法として
は、例えば、共沈法、ガラス結晶化法、水熱合成法等種
々の方法が知られている。また、上記の針状フェライト
磁性粉の製造法としては、例えば、針状のオキシ水酸化
鉄等を炭酸バリウムで被覆した後、焼成する方法(特開
昭61−104602号公報参照)が知られている。
軸に対して垂直方向にある性質)を有するフェライト磁
性粉としては、板状のものと針状のものとが知られてい
る。そして上記の板状フェライト磁性粉の製造法として
は、例えば、共沈法、ガラス結晶化法、水熱合成法等種
々の方法が知られている。また、上記の針状フェライト
磁性粉の製造法としては、例えば、針状のオキシ水酸化
鉄等を炭酸バリウムで被覆した後、焼成する方法(特開
昭61−104602号公報参照)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の板状フ
ェライト磁性粉は、磁化容易軸を同一方向に揃えて平坦
に塗布することが容易ではないとの問題がある。また、
上記の針状フェライト磁性粉は、上記の方法で製造する
際に高い飽和磁化を得ようとして焼成温度を高くする
と、粒子間焼結が進むと共に粒子自体の形状も崩れ、針
状性を保持できなくなる問題がある。特に、微細な針状
粒子を原料とする場合には、粒子間焼結及び形状の崩れ
を起こしやすく、Si、Alなどの焼結防止剤を用いて
も、高い飽和磁化を持ち、かつ粒子間の融着がなく針状
性を保持した粒子を得ることは困難である。
ェライト磁性粉は、磁化容易軸を同一方向に揃えて平坦
に塗布することが容易ではないとの問題がある。また、
上記の針状フェライト磁性粉は、上記の方法で製造する
際に高い飽和磁化を得ようとして焼成温度を高くする
と、粒子間焼結が進むと共に粒子自体の形状も崩れ、針
状性を保持できなくなる問題がある。特に、微細な針状
粒子を原料とする場合には、粒子間焼結及び形状の崩れ
を起こしやすく、Si、Alなどの焼結防止剤を用いて
も、高い飽和磁化を持ち、かつ粒子間の融着がなく針状
性を保持した粒子を得ることは困難である。
【0004】従って、本発明の目的は、粒子間焼結を起
こし難く、高い飽和磁化を持ち、且つ針状性を保持し
た、垂直磁気異方性を有する針状六方晶系フェライト磁
性粉及びその製造方法を提供することにある。
こし難く、高い飽和磁化を持ち、且つ針状性を保持し
た、垂直磁気異方性を有する針状六方晶系フェライト磁
性粉及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、フェライト磁性粉を構
成するFe 元素の一部と置換される2価金属元素にSn
元素を含有させることにより、保磁力の大きさを種々の
値に制御することが可能となり、焼成温度の上昇に伴う
粒子間の融着及び針状性の崩れが防止されると共に、飽
和磁化の著しく向上した垂直磁気異方性を有する針状六
方晶系フェライト磁性粉が得られることを知見した。
を達成すべく鋭意検討した結果、フェライト磁性粉を構
成するFe 元素の一部と置換される2価金属元素にSn
元素を含有させることにより、保磁力の大きさを種々の
値に制御することが可能となり、焼成温度の上昇に伴う
粒子間の融着及び針状性の崩れが防止されると共に、飽
和磁化の著しく向上した垂直磁気異方性を有する針状六
方晶系フェライト磁性粉が得られることを知見した。
【0006】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、一般式AFe12-2x M1 x Sny M2 (x-y) O19
(但し、AはBa、Sr及びPbより選択された一種以
上の元素、M1 はCo、Ni及びZnより選択された一
種以上の2価金属、M2 は4価金属であり、0<x<
1.5、0<y<0.8、 x−y≧0である。)で表
される形状が針状で垂直磁気異方性を有することを特徴
とする針状六方晶系フェライト磁性粉を提供するもので
ある。
ので、一般式AFe12-2x M1 x Sny M2 (x-y) O19
(但し、AはBa、Sr及びPbより選択された一種以
上の元素、M1 はCo、Ni及びZnより選択された一
種以上の2価金属、M2 は4価金属であり、0<x<
1.5、0<y<0.8、 x−y≧0である。)で表
される形状が針状で垂直磁気異方性を有することを特徴
とする針状六方晶系フェライト磁性粉を提供するもので
ある。
【0007】また、本発明は、本発明の上記針状六方晶
系フェライト磁性粉の好ましい製造方法として、針状の
オキシ水酸化鉄または酸化鉄の水分散スラリーに、水溶
性バリウム化合物、水溶性ストロンチウム化合物及び水
溶性鉛化合物より選択された一種以上の化合物、水溶性
2価金属(Co、Ni及びZnより選択された1種以
上)化合物及び水溶性スズ化合物と、必要に応じて添加
される水溶性4価金属化合物とを、水酸化アルカリと共
に添加し、次いで炭酸ガス及び/または炭酸塩を添加す
るか、あるいは添加せずにpH8〜12として、上記オ
キシ水酸化鉄または酸化鉄の表面を添加金属化合物で被
覆し、濾過、水洗、乾燥した後、700〜1200℃で
焼成することを特徴とする針状六方晶系フェライト磁性
粉の製造方法を提供するものである。
系フェライト磁性粉の好ましい製造方法として、針状の
オキシ水酸化鉄または酸化鉄の水分散スラリーに、水溶
性バリウム化合物、水溶性ストロンチウム化合物及び水
溶性鉛化合物より選択された一種以上の化合物、水溶性
2価金属(Co、Ni及びZnより選択された1種以
上)化合物及び水溶性スズ化合物と、必要に応じて添加
される水溶性4価金属化合物とを、水酸化アルカリと共
に添加し、次いで炭酸ガス及び/または炭酸塩を添加す
るか、あるいは添加せずにpH8〜12として、上記オ
キシ水酸化鉄または酸化鉄の表面を添加金属化合物で被
覆し、濾過、水洗、乾燥した後、700〜1200℃で
焼成することを特徴とする針状六方晶系フェライト磁性
粉の製造方法を提供するものである。
【0008】以下、まず本発明の針状六方晶系フェライ
ト磁性粉について詳述する。本発明の針状六方晶系フェ
ライト磁性粉において、Fe元素の一部と置換されてい
るSn元素は、保磁力制御のために一般的に使用されて
いる4価金属であるTi元素と同様の作用を持つものと
して、Co、Ni、Znより選択された1種以上の2価
金属とSnとの組み合わせ、例えばCo−Sn、Ni−
Sn、Zn−Snなどとの組み合わせでFe元素の一部
と置換されている。
ト磁性粉について詳述する。本発明の針状六方晶系フェ
ライト磁性粉において、Fe元素の一部と置換されてい
るSn元素は、保磁力制御のために一般的に使用されて
いる4価金属であるTi元素と同様の作用を持つものと
して、Co、Ni、Znより選択された1種以上の2価
金属とSnとの組み合わせ、例えばCo−Sn、Ni−
Sn、Zn−Snなどとの組み合わせでFe元素の一部
と置換されている。
【0009】Fe 元素の一部と置換される元素としてC
o−Tiなどの組み合わせを使用した場合にも、Fe元
素の一部が置換されていない場合、即ち、一般式AFe
12-aM1 a O19において、a=0の場合であるAFe12
O19と比較して、粒子間焼結防止効果及び針状保持効果
があるが、置換元素の一つとしてSn元素を使用するこ
とにより更に高い効果を得ることができる。
o−Tiなどの組み合わせを使用した場合にも、Fe元
素の一部が置換されていない場合、即ち、一般式AFe
12-aM1 a O19において、a=0の場合であるAFe12
O19と比較して、粒子間焼結防止効果及び針状保持効果
があるが、置換元素の一つとしてSn元素を使用するこ
とにより更に高い効果を得ることができる。
【0010】Sn元素の上記一般式中でのモル比yが大
きい程針状保持効果は大きくなるが、モル比yが大きい
程飽和磁化の値が小さくなる傾向があり、yが0.8超
であると飽和磁化の値が小さくなり過ぎる。また、本発
明の針状六方晶系フェライト磁性粉は、Fe 元素の一部
が、Sn元素と2価金属との組み合わせに、更にチタ
ン、ジルコニウムなどの4価金属を組み合わせたもの、
例えば、Co−Sn−Ti、Ni−Sn−Tiなどの組
み合わせと置換されていてもよい。このようにSn元素
及び2価金属に、更に必要に応じ4価金属を組み合わせ
ることにより、保磁力の大きさを種々の値に制御するこ
とが可能であり、飽和磁化の値が約50emu /g以上に
保持された針状粒子とすることもできる。
きい程針状保持効果は大きくなるが、モル比yが大きい
程飽和磁化の値が小さくなる傾向があり、yが0.8超
であると飽和磁化の値が小さくなり過ぎる。また、本発
明の針状六方晶系フェライト磁性粉は、Fe 元素の一部
が、Sn元素と2価金属との組み合わせに、更にチタ
ン、ジルコニウムなどの4価金属を組み合わせたもの、
例えば、Co−Sn−Ti、Ni−Sn−Tiなどの組
み合わせと置換されていてもよい。このようにSn元素
及び2価金属に、更に必要に応じ4価金属を組み合わせ
ることにより、保磁力の大きさを種々の値に制御するこ
とが可能であり、飽和磁化の値が約50emu /g以上に
保持された針状粒子とすることもできる。
【0011】次に、本発明の針状六方晶系フェライト磁
性粉の製造方法について説明する。本発明の針状六方晶
系フェライト磁性粉は、原料化合物となる針状のオキシ
水酸化鉄または酸化鉄を、水中で上記のFe元素の一部
と置換される元素であるM1 とスズの各水溶性化合物で
被覆した後に、焼成することにより得られる。上記の操
作は、以下のようにして行われる。
性粉の製造方法について説明する。本発明の針状六方晶
系フェライト磁性粉は、原料化合物となる針状のオキシ
水酸化鉄または酸化鉄を、水中で上記のFe元素の一部
と置換される元素であるM1 とスズの各水溶性化合物で
被覆した後に、焼成することにより得られる。上記の操
作は、以下のようにして行われる。
【0012】上記の原料化合物を、水に分散させてスラ
リーとした水分散スラリーに、一般式AFe12-2x M1
x Sny M2 (x-y) O19において、Aで表される元素の
水溶性化合物、上記のFe元素の一部と置換される元素
であるM1 の水溶性化合物及びスズの水溶性化合物の水
溶液を、水酸化アルカリ水溶液と共に添加してよく混合
して混合物を得る。尚、上記のSnと共にFe元素の一
部と置換される元素であるM2 を用いる場合には、この
際に上記M2 の水溶性化合物を、他の水溶液と同時に上
記スラリーに混合すれば良い。
リーとした水分散スラリーに、一般式AFe12-2x M1
x Sny M2 (x-y) O19において、Aで表される元素の
水溶性化合物、上記のFe元素の一部と置換される元素
であるM1 の水溶性化合物及びスズの水溶性化合物の水
溶液を、水酸化アルカリ水溶液と共に添加してよく混合
して混合物を得る。尚、上記のSnと共にFe元素の一
部と置換される元素であるM2 を用いる場合には、この
際に上記M2 の水溶性化合物を、他の水溶液と同時に上
記スラリーに混合すれば良い。
【0013】しかる後に、炭酸ガス及び/又は炭酸塩を
添加するか、あるいは他の方法で、上記の操作により得
られた混合物のpHを8〜12の一定値に保つ。その
後、上記の混合物を濾過、水洗、乾燥し、固型物を得
る。得られた固型物を焼成することにより、本発明の針
状六方晶系フェライト磁性粉が得られる。一般式AFe
12-2x M1 x Sny M2 (x-y) O19において、A元素の
水溶性化合物としては、塩化バリウム等が挙げられる。
添加するか、あるいは他の方法で、上記の操作により得
られた混合物のpHを8〜12の一定値に保つ。その
後、上記の混合物を濾過、水洗、乾燥し、固型物を得
る。得られた固型物を焼成することにより、本発明の針
状六方晶系フェライト磁性粉が得られる。一般式AFe
12-2x M1 x Sny M2 (x-y) O19において、A元素の
水溶性化合物としては、塩化バリウム等が挙げられる。
【0014】上記M1 の水溶性化合物としては、塩化コ
バルト等が挙げられる。上記Snの水溶性化合物として
は、塩化スズ等が挙げられる。又、上記M2 の水溶性化
合物としては、塩化チタン等が挙げられる。上記M1 、
M2 及びスズの水溶性化合物の水溶液の上記原料化合物
のスラリーに対する添加量及び濃度は、原料化合物の粒
子の大きさと、目的とする上記一般式におけるx、yの
値とにより適宜選択される。
バルト等が挙げられる。上記Snの水溶性化合物として
は、塩化スズ等が挙げられる。又、上記M2 の水溶性化
合物としては、塩化チタン等が挙げられる。上記M1 、
M2 及びスズの水溶性化合物の水溶液の上記原料化合物
のスラリーに対する添加量及び濃度は、原料化合物の粒
子の大きさと、目的とする上記一般式におけるx、yの
値とにより適宜選択される。
【0015】尚、上記の操作で原料化合物を分散させる
水、各水溶性化合物を溶解させる水及び固型物の水洗に
用いる水は、何れも脱イオン水を用いることが好まし
い。上記の固型物の焼成の操作は、通常空気雰囲気下で
行われ、焼成温度は700〜1200℃である。本発明
の製造方法によれば、上記M1 とスズの水溶性化合物を
水酸化鉄又は酸化鉄の水分散スラリーに同時に混合して
攪拌し、同時に被覆するため、被覆粒子が微細になり原
料針状粒子を均一に被覆することが可能である。このた
め、得られる本発明の針状六方晶系フェライト磁性粉
は、特性の揃った品質の高いものである。
水、各水溶性化合物を溶解させる水及び固型物の水洗に
用いる水は、何れも脱イオン水を用いることが好まし
い。上記の固型物の焼成の操作は、通常空気雰囲気下で
行われ、焼成温度は700〜1200℃である。本発明
の製造方法によれば、上記M1 とスズの水溶性化合物を
水酸化鉄又は酸化鉄の水分散スラリーに同時に混合して
攪拌し、同時に被覆するため、被覆粒子が微細になり原
料針状粒子を均一に被覆することが可能である。このた
め、得られる本発明の針状六方晶系フェライト磁性粉
は、特性の揃った品質の高いものである。
【0016】上述したように、本発明の製造方法によれ
ば、飽和磁化が高く、保磁力の大きさを種々の値に制御
することが可能であり、かつ、針状を保持した針状六方
晶系フェライト磁性粉を容易に得ることができる。
ば、飽和磁化が高く、保磁力の大きさを種々の値に制御
することが可能であり、かつ、針状を保持した針状六方
晶系フェライト磁性粉を容易に得ることができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を比較例と共に挙げ、本発明を
更に具体的に説明する。 実施例1 一般式AFe12-2x M1 x Sny M2 (x-y) O19におい
て、A=Ba 、M1 =Co で、M2 を用いない目的物B
a Fe12-2x Co x Sny O19を以下の操作により得
た。
更に具体的に説明する。 実施例1 一般式AFe12-2x M1 x Sny M2 (x-y) O19におい
て、A=Ba 、M1 =Co で、M2 を用いない目的物B
a Fe12-2x Co x Sny O19を以下の操作により得
た。
【0018】原料化合物である針状ゲーサイトの水分散
スラリーに対して、塩化バリウム水溶液〔目的物の上記
一般式においてBa/Fe=1.1/(12−2x)と
なるような添加量及び濃度〕と、塩化コバルト水溶液及
び塩化スズ水溶液とを、水酸化ナトリウム水溶液と共に
加え、pHが12の混合物を得た。この際、塩化コバル
ト、塩化スズは、本発明の針状六方晶系フェライト磁性
粉である目的物の上記一般式において、x=y=0.5
となるような濃度及び添加量とした。その後、上記の操
作で得られた混合物に炭酸ガスを通じてpHを10.5
とし、良く攪拌した。得られた混合物を各々濾過、水
洗、乾燥して固形物を得た。得られた固形物を空気雰囲
気下で、1000℃で1時間焼成して、上記一般式で表
される本発明の針状バリウムフェライト磁性粉を得た。
尚、上記塩化バリウム、塩化コバルト、塩化スズ及び水
酸化ナトリウムの水溶液は、何れも脱イオン水に溶解し
た水溶液である。
スラリーに対して、塩化バリウム水溶液〔目的物の上記
一般式においてBa/Fe=1.1/(12−2x)と
なるような添加量及び濃度〕と、塩化コバルト水溶液及
び塩化スズ水溶液とを、水酸化ナトリウム水溶液と共に
加え、pHが12の混合物を得た。この際、塩化コバル
ト、塩化スズは、本発明の針状六方晶系フェライト磁性
粉である目的物の上記一般式において、x=y=0.5
となるような濃度及び添加量とした。その後、上記の操
作で得られた混合物に炭酸ガスを通じてpHを10.5
とし、良く攪拌した。得られた混合物を各々濾過、水
洗、乾燥して固形物を得た。得られた固形物を空気雰囲
気下で、1000℃で1時間焼成して、上記一般式で表
される本発明の針状バリウムフェライト磁性粉を得た。
尚、上記塩化バリウム、塩化コバルト、塩化スズ及び水
酸化ナトリウムの水溶液は、何れも脱イオン水に溶解し
た水溶液である。
【0019】また、上記一般式でA=Ba 、M1 =Co
で、x=y=0.6、0.7の各目的物を、上記x=y
=0.5の目的物と同様にして得た。得られた本発明の
針状六方晶系バリウムフェライト磁性粉は、何れもX線
回析スペクトルによりマグネトプランバイト型であるこ
とが確認された。また、これらのバリウムフェライト磁
性粉それぞれについて振動試料型磁力計で磁気特性を測
定し、透過型電子顕微鏡で針状保持の状態を観察した。
その結果を下記表1に示す。また、本実施例の電子顕微
鏡写真を図1として示す。
で、x=y=0.6、0.7の各目的物を、上記x=y
=0.5の目的物と同様にして得た。得られた本発明の
針状六方晶系バリウムフェライト磁性粉は、何れもX線
回析スペクトルによりマグネトプランバイト型であるこ
とが確認された。また、これらのバリウムフェライト磁
性粉それぞれについて振動試料型磁力計で磁気特性を測
定し、透過型電子顕微鏡で針状保持の状態を観察した。
その結果を下記表1に示す。また、本実施例の電子顕微
鏡写真を図1として示す。
【0020】比較例1 一般式AFe12-2x M1 x Sny M2 (x-y) O19におい
て、x=y=1.0であるBa Fe10Co SnO19を目
的物とした他は実施例1と同様にして針状バリウムフェ
ライト磁性粉を得た。得られた針状バリウムフェライト
磁性粉の磁気特性の測定と針状保持の状態の観察を実施
例1と同様にして行った。その結果を下記表1に示す。
て、x=y=1.0であるBa Fe10Co SnO19を目
的物とした他は実施例1と同様にして針状バリウムフェ
ライト磁性粉を得た。得られた針状バリウムフェライト
磁性粉の磁気特性の測定と針状保持の状態の観察を実施
例1と同様にして行った。その結果を下記表1に示す。
【0021】比較例2 一般式AFe12-2x M1 x Sny M2 (x-y) O19におい
て、A=Ba、x=y=0であるBa Fe12 O19を目
的物とした他は実施例1と同様にして針状バリウムフェ
ライト磁性粉を得た。得られた針状バリウムフェライト
磁性粉の磁気特性の測定と針状保持の状態の観察を実施
例1と同様にして行った。その結果を下記表1に示す。
また、本比較例の電子顕微鏡写真を図2として示す。
て、A=Ba、x=y=0であるBa Fe12 O19を目
的物とした他は実施例1と同様にして針状バリウムフェ
ライト磁性粉を得た。得られた針状バリウムフェライト
磁性粉の磁気特性の測定と針状保持の状態の観察を実施
例1と同様にして行った。その結果を下記表1に示す。
また、本比較例の電子顕微鏡写真を図2として示す。
【0022】比較例3 塩化スズの代わりに塩化チタンを用い、一般式BaFe
12-2x Cox Tix O19において、x=0.5、及びx
=0.8の化合物を目的物とした他は実施例1と同様に
して針状バリウムフェライト磁性粉を得た。得られた針
状バリウムフェライト磁性粉の磁気特性の測定と針状保
持の状態の観察を実施例1と同様にして行った。その結
果を下記表1に示す。
12-2x Cox Tix O19において、x=0.5、及びx
=0.8の化合物を目的物とした他は実施例1と同様に
して針状バリウムフェライト磁性粉を得た。得られた針
状バリウムフェライト磁性粉の磁気特性の測定と針状保
持の状態の観察を実施例1と同様にして行った。その結
果を下記表1に示す。
【0023】実施例2 一般式AFe12-2x M1 x Sny M2 (x-y) O19におい
て、xを0.8と0.6にそれぞれ固定し、yを変化さ
せた計7種の本発明の針状バリウムフェライト磁性粉を
製造した。製造方法は、塩化コバルト、塩化スズを加え
る代わりに塩化コバルト、塩化スズ、塩化チタンを加え
た他は実施例1と同様にした。得られた針状バリウムフ
ェライト磁性粉の磁気特性の測定と針状保持の状態の観
察を実施例1と同様にして行った。その結果を下記表2
に示す。
て、xを0.8と0.6にそれぞれ固定し、yを変化さ
せた計7種の本発明の針状バリウムフェライト磁性粉を
製造した。製造方法は、塩化コバルト、塩化スズを加え
る代わりに塩化コバルト、塩化スズ、塩化チタンを加え
た他は実施例1と同様にした。得られた針状バリウムフ
ェライト磁性粉の磁気特性の測定と針状保持の状態の観
察を実施例1と同様にして行った。その結果を下記表2
に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明の針状六方晶系フェライト磁性粉
は、粒子間焼結を起こし難く、高い飽和磁化を持ち、且
つ針状性を保持した、垂直磁気異方性を有するものであ
る。
は、粒子間焼結を起こし難く、高い飽和磁化を持ち、且
つ針状性を保持した、垂直磁気異方性を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られた本発明の針状六方
晶系フェライト磁性粉の粒子構造を示す電子顕微鏡写真
( 倍率3 万倍) である。
晶系フェライト磁性粉の粒子構造を示す電子顕微鏡写真
( 倍率3 万倍) である。
【図2】図2は、比較例2で得られた従来の針状フェラ
イト磁性粉の粒子構造を示す電子顕微鏡写真( 倍率3 万
倍) である。
イト磁性粉の粒子構造を示す電子顕微鏡写真( 倍率3 万
倍) である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 明 群馬県渋川市金井425番地 関東電化工 業株式会社 研究開発センター内 (72)発明者 杉本 光男 東京都練馬区氷川台4−56−5 (56)参考文献 特開 昭61−104602(JP,A) 特開 昭61−275130(JP,A) 特開 平4−149031(JP,A) 特開 平4−149028(JP,A) 特開 平2−26833(JP,A) 特開 平2−40127(JP,A) 特開 平3−232726(JP,A) 特開 平4−280819(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 49/00 H01F 1/11
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式AFe12-2x M1 x Sny M2
(x-y) O19(但し、AはBa、Sr及びPbより選択さ
れた一種以上の元素、M1 はCo、Ni及びZnより選
択された一種以上の2価金属、M2 は4価金属であり、
0<x<1.5、0<y<0.8、 x−y≧0であ
る。)で表される形状が針状で垂直磁気異方性を有する
ことを特徴とする針状六方晶系フェライト磁性粉。 - 【請求項2】 針状のオキシ水酸化鉄または酸化鉄の水
分散スラリーに、水溶性バリウム化合物、水溶性ストロ
ンチウム化合物及び水溶性鉛化合物より選択された一種
以上の化合物、水溶性2価金属(Co、Ni及びZnよ
り選択された1種以上)化合物及び水溶性スズ化合物
と、必要に応じて添加される水溶性4価金属化合物と
を、水酸化アルカリと共に添加し、次いで炭酸ガス及び
/または炭酸塩を添加するか、あるいは添加せずにpH
8〜12として、上記オキシ水酸化鉄または酸化鉄の表
面を添加金属化合物で被覆し、濾過、水洗、乾燥した
後、700〜1200℃で焼成することを特徴とする針
状六方晶系フェライト磁性粉の製造方法。
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JP3138402A JP3011787B2 (ja) | 1991-05-13 | 1991-05-13 | 針状六方晶系フェライト磁性粉及びその製造方法 |
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