JPH081893A - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents

化粧シート及びその製造方法

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JPH081893A
JPH081893A JP6156388A JP15638894A JPH081893A JP H081893 A JPH081893 A JP H081893A JP 6156388 A JP6156388 A JP 6156388A JP 15638894 A JP15638894 A JP 15638894A JP H081893 A JPH081893 A JP H081893A
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ionizing radiation
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curable resin
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decorative sheet
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JP6156388A
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Yasuo Nakai
康夫 中井
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 深みや奥行き等の立体感の意匠表現に優れた
化粧シートとその製造方法を提供する。 【構成】 基材(2)の少なくとも片面に、基材の色と
異なる色の電離放射線硬化性樹脂からなる着色表面層
(3)を部分的に設けた化粧シート(1)。その製造方
法は、着色剤を含む有色の電離放射線硬化性樹脂液を、
着色表面層が成す凹凸模様と逆形状の凹部を有するロー
ル凹版と基材間に介在させた状態で、電離放射線により
硬化させた後、電離放射線硬化性樹脂液の硬化物として
得られた着色表面層が密着した基材をロール凹版から剥
離し化粧シートとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、彫り物調の立体感に富
んだ表現が可能な高意匠性を有する化粧シートとその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、彫り物の如く立体感を有する板状
又はシート状の部材は、平面的な化粧材では得られない
独特の意匠感を表現できるが、このような部材を得るに
は、基材を手彫りするか、機械切削加工により機械彫り
する方法等が取られてきた。しかし、このような方法
は、一品生産的で生産性が悪く、安価に大量に生産でき
るものではなかった。そこで、薄い化粧シートとして擬
似的に彫り物を表現すべく、フィルム等の基材にシルク
スクリーン印刷により厚盛り印刷を行い、印刷が施され
ていない部分を凹部を成し、この凹部を彫刻された部分
と見立てたものも試みられてきた。また、やや厚手の熱
可塑性樹脂シートをエンボスして彫刻による凹凸を模倣
した化粧シート等も試みられてきた。また、部材を彫刻
して形成された凹部に、部材とは異なる色の樹脂等を埋
め込んで、彫刻により形成された模様を浮き出させる方
法等も行われて来た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法によるものでは、実際に彫刻する場合には一品毎に
彫刻する必要があり、彫刻部材の効率的な大量生産が出
来ない。また、化粧シートとして、シルクスクリーン印
刷を利用した厚盛り印刷や、エンボスによる凹凸形成で
は、所詮浅くてぼけた感じしか得られず、段差部分が台
形やレンズ状など所望の傾斜を有する形状や、シャープ
で微細な表現まで出来る凹凸形状は不可能であり、リア
ルさに欠け意匠性の低いものしか得られなかった。従っ
て、本発明は、平板状あるいはシート状の彫刻物を、擬
似的ではあるが、極めてリアルで、従来の手掘りの彫刻
のようなシャープな立体的凹凸の再現が可能な高意匠性
を有する化粧シートと、生産性に優れ、安価に且つ大量
生産に適した製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の化粧シ
ートでは上記課題を解決するために、基材の少なくとも
片面に、電離放射線硬化性樹脂からなる基材とは異なる
色の着色表面層が部分的に形成されており、着色表面層
が形成されていない部分が凹部を成して基材が露出して
いることを特徴とする構成とするものである。
【0005】さらに、本発明の化粧シートの製造方法で
は、次の(A) 〜(E) の工程によりなることを特徴とする
ものである。 (A) 着色表面層の凹凸模様と逆関係の凹部を有するロー
ル凹版の当該凹部に着色した電離放射線硬化性樹脂液を
充填する充填工程。 (B) ロール凹版及びロール凹版に充填された電離放射線
硬化性樹脂液に対して、ロール凹版の回転方向に同期し
て走行する電離放射線硬化性樹脂液とは異なる色を有す
る基材を接触させる接触工程。 (C) 基材がロール凹版に接触している間に、基材とロー
ル凹版間にある電離放射線硬化性樹脂液に対して電離放
射線を照射して硬化させる硬化工程。 (D) 硬化させることで電離放射線硬化性樹脂液を硬化物
として基材と密着させて着色表面層とする密着工程。 (E) 基材に密着して着色表面層となった電離放射線硬化
性樹脂液の硬化物と共に、基材をロール凹版から剥離し
て化粧シートとする剥離工程。
【0006】以下、図面に従って本発明を詳述する。図
1は本発明の化粧シートの一実施例を示す斜視図であ
り、図2は本発明の化粧シートの一実施例を示す縦断面
図である。本発明の化粧シート1は、基材2の表面上
に、透明、半透明又は不透明の着色表面層2を部分的に
形成したものである。基材2上に着色表面層2が形成さ
れていない部分は凹部を形成し、当該凹部から基材2が
露出して基材が見える。その結果、凹部形状のパターン
に相当する色模様及び立体形状による凹凸模様を呈す
る。
【0007】先ず、本発明の化粧シートの材料について
基材2から説明する。基材2は、透明、半透明又は不透
明で、着色又は非着色のものを使用する。従って、基材
としては無着色で透明の場合もある。このような基材と
しては、例えば樹脂のフィルムやシート、紙、あるいは
金属箔等があり、その形態は特に制限ないが、連続生産
に適してる点で、フィルム、シート、紙、金属箔等の連
続帯状の形態が好ましい。また、基材は、着色表面層を
硬化させる電離放射線との関係で選択する場合もある。
すなわち、基材2が電離放射線に対して透過性が有れ
ば、後で述べる様に基材側から電離放射線を照射して電
離放射線硬化性樹脂の硬化が行える。また、基材が、例
えば金属箔等のように電離放射線に対して不透過性なら
ば、電離放射線硬化性樹脂の硬化は着色表面層側から電
離放射線を照射することとなる。従って、基材の選定
は、意匠性は可視光領域に於ける光学特性等で選択し、
化粧シートの製造方法では基材の電離放射線に対する透
過性により硬化方法を適宜使い分けるが、逆に設備する
装置的に於いて可能な硬化方法から基材を選択すること
もあり得る。通常は、樹脂フィルム又は樹脂シートが電
離放射線に対して透過性があるため基材側から電離放射
線の照射が行えるので(また同時に着色表面層側から照
射しても良い)、装置上の観点、及び化粧シートの強度
上の観点から好ましい。
【0008】基材として用いる樹脂のフィルム又はシー
トとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポ
リアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン等の塩素系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアク
リル樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリイミド等の厚さ10〜300μm程度、好ま
しくは20〜100μm程度であり、特に塩化ビニル樹
脂フィルムや2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムがコスト、強度等の点で優れている。また、基材に
このような樹脂を用いる場合には、基材と着色表面層と
なる電離放射線硬化性樹脂との密着性を向上する意味
で、基材表面をコロナ放電処理、プラズマ放電処理、プ
ライマーコート処理等の公知の易接着処理を施しておく
こともある。
【0009】着色表面層3は、少なくとも電離放射線硬
化性樹脂と着色剤とからなる電離放射線硬化性樹脂液に
電離放射線を照射した結果得られる硬化物で形成された
ものである。着色表面層は、基材の片面を全面覆うこと
なく少なくとも一部は基材を露出させ、当部から基材が
見えるようにして、着色表面層の色と基材の色との違い
による色模様と、また露出部が凹部となり、あたかも彫
刻されたような、深い凹凸感をリアルに表現するための
ものである。本発明で、着色表面層が基材と異なる色と
は、基材が無色透明の場合もあり、の場合は、着色表面
層は少なくとも無色透明でなければ目視認識可能であ
り、例えば無色半透明でも、これを異なる色ということ
とする。また、当然であるが、基材の色の色相と同一色
相だが彩度及び/又は明度が異なる場合も、異なる色と
なる。なお、着色表面層は、基材の両面にあってもよ
い。この場合は、両面に成形された各々の着色表面層
は、同一の色でも別の色でも良い。
【0010】着色表面層を形成する電離放射線硬化性樹
脂としては、公知の紫外線硬化性樹脂及び電子線硬化性
樹脂が使用できる。このような電離放射線硬化性樹脂と
しては、例えば、分子中に(メタ)アクリロイル基
〔「(メタ)アクリロイル」の(メタ)の意味は、アク
リロイル又はメタクリロイルを意味する。以下、同
様。〕等のエチレン性不飽和基やエポキシ基等の光重合
性官能基を2個以上有するオリゴマー、及び/又は単官
能並びに多官能の単量体を適宜混合したものである。
【0011】前記オリゴマーとしては、例えば、ウレタ
ン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレート、シリコーン
(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリレート類、不飽和ポリエステル類、
エポキシ樹脂類、あるいは、ポリエン/ポリチオール類
等が挙げられる。
【0012】前記単官能又は多官能の単量体としては、
例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系
単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、
(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル
酸フェニル、(メタ)メタクリル酸ラウリル等の(メ
タ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸−2−
(N、N−ジエチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル
酸−2−(N、N−ジベンジルアミノ)エチル等の不飽
和酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、等
の単官能単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、等の複数の
(メタ)アクリロイル基を有する多官能単量体、あるい
は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオー
ル化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグ
リコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレ
ート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等が
挙げられる。これらの単官能又は多官能の単量体は前記
オリゴマーに対して適宜混合することで、電離放射線硬
化性樹脂液の粘度を制御し塗工適性を調整したり、また
硬化物の硬度、可撓性をバランスさせることが好まし
い。
【0013】また、着色表面層の形成に用いる樹脂とし
て、電離放射線硬化性樹脂と共に非電離放射線硬化性樹
脂を併用してもよい。非電離放射線硬化性樹脂は、着色
表面層の基材との密着性や表面物性、可撓性等を適宜調
整するために用いる。このような非電離放射線硬化性樹
脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、セルロース系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール等の
ポリビニルアセタール系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体等が挙げられる。特に、基材に塩化ビニル樹脂
を用い場合には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体や塩
化ビニル系樹脂は、より良好な密着性が得られる。な
お、非電離放射線硬化性樹脂の配合量は、通常1〜70
重量%の範囲、好ましくは、5〜50重量%の範囲で用
いる。
【0014】なお、電離放射線としては、可視光線、紫
外線、X線等の電磁波、電子線等の粒子線があるが、通
常は紫外線又は電子線が用いられる。また、電離放射線
として紫外線を用いる場合は、上述した成分の他にさら
に、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、チオキサン
トン類等の公知の光重合開始剤、また、n−ブチルアミ
ン、トリエチルアミン等のアミン類、トリ−n−ブチル
ホスフィン等の公知の光増感剤等を添加する。
【0015】着色表面層の形成に電離放射線硬化性樹脂
と共に使用される着色剤成分は、電離放射線による硬化
を阻害しない範囲で、公知の各種顔料や染料が使用でき
る。電離放射線として、紫外線又は電子線を使用する場
合は、紫外線は電子線に比較して吸収されやすいので、
着色剤の種類、配合量、着色表面層の厚み等を考慮し
て、紫外線か電子線の何方を使うか等を適宜選択すれば
よい。例えば、特に、カーボンブラック、酸化チタン、
弁柄等を着色剤として使用する場合は、紫外線では吸収
が多いため、電子線の方が短時間に硬化させることが出
来る。なお、着色剤としては、金粉、銀粉、アルミニウ
ム粉、銅粉、真鍮粉等の金属粉や金属薄片、あるいは金
属蒸着した合成樹脂フィルムの裁断片等の金属光沢を有
する金属光沢顔料や、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗片、
塩化酸化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有するパー
ル顔料等の光輝性顔料を用いてもよい。
【0016】以上の電離放射線硬化性樹脂と着色剤とか
らなる組成物を電離放射線硬化性樹脂液として使用する
が、電離放射線硬化性樹脂液には、必要に応じて適宜、
前記した電離放射線硬化性樹脂、非電離放射線硬化性樹
脂、着色剤の他に、さらに、紫外線あるいは電子線等に
よる硬化を阻害しない範囲で、その他の添加剤とて適
宜、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸バ
リウム等の充填剤、安定剤、熱重合禁止剤等を配合して
もよい。なお、基材側においても、着色した基材にすべ
く着色剤や充填剤等を添加した基材を用い、なお且つ基
材側から電離放射線を照射する時は、これら添加剤によ
り電離放射線の透過性が低下して着色表面層の硬化阻害
で支障を来さない範囲で使用する添加剤及び添加量を考
慮する。
【0017】以上の述べた成分からなる電離放射線硬化
性樹脂液は、常温でそれ自身液状であることが好まし
い。固形の場合、溶剤を添加して液状にできるが、好ま
しくない。なぜならば、本発明の化粧シートでは、厚み
のある着色表面層の凹凸を微細且つシャープに形成させ
るため、後述するロール凹版による凹凸の完全再現が溶
剤分の揮発による体積収縮により難しいからである。但
し、若干の溶剤を添加して電離放射線硬化性樹脂液の粘
度を低下させて、化粧シートの製造工程での作業適性向
上を図ることもできる。この場合、基材がロール凹版に
接触する前に溶剤はなるべく揮発させておくことが好ま
しい。
【0018】着色表面層を基材に部分形成して得られる
パターン形状は特に限定されない。図1に示すような、
文字等でもよく、記号、図形、ヘアライン等の多数の直
線又や曲線の線等の抽象パターンであってもよい。本発
明の化粧シートで得られる模様は、上記の表面着色層の
部分形成によるパターン以外に各種の模様がある。上記
のパターンによる模様では、パータンに対応して露出す
る基材と着色表面層との色の差にる色模様、またそのパ
ターンによる立体的凹凸模様が含まれる。また、図2に
例示する化粧シートの着色表面層の表面は平坦だが、図
3に例示する様に凸凹であってもよく、この表面の凸凹
が呈する凹凸模様も化粧シートの模様に含まれる。この
ような表面凹凸模様には、例えば、御影石の劈開面の凹
凸を型取りして、その表面質感を表わしたもの等でもよ
いし、微小な凹凸を形成すれば艶消表面も演出できる。
さらに、艶消面を表面にパターン状に形成すれば、艶消
部分と光沢部分とによる模様も表現できる。さらに、図
4に例示する化粧シートでは、着色表面層の厚みを所々
で変えた結果えられる色模様及び凹凸模様が演出され
る。この場合、着色表面層が不透明であれば、立体的凹
凸模様の立体感がより複雑となり、さらに着色表面層が
少なくとも厚みの薄い部分で透明又は半透明であれば、
当部分の色は基材の色と合成された色となり、着色表面
層及び基材の色と共により複雑な色模様を演出できるこ
ととなる。以上のように、本発明の化粧シートの模様
は、基本的には着色表面層と露出した基材とによる色模
様と立体的な凹凸模様とであるが、これと上述した各種
模様を組み合わせた複雑な模様もあり、これらの組み合
わせにより複雑な彫り物調の意匠感をも表現できるもの
である。
【0019】着色表面層の厚さは、電離放射線で硬化が
可能であり、且つ凹凸模様が十分に彫り物の意匠感を表
現しうる程度の厚みであればよく、特に制限はされず、
通常は10〜500μm程度である。10μm未満では
意匠効果が少なく、また500μmを越えると硬化時間
が長くなったり、コスト高の電離放射線硬化性樹脂の樹
脂量も多くなり不経済となり好ましくない。
【0020】また、基材には、公知の印刷手段により所
望の印刷模様を施しておいてもよい。この場合、着色表
面層が形成されてない基材の露出部分から、印刷模様が
見えることとなる。印刷模様の形成面は着色表面層側で
あり、基材が透明又は半透明であれば、反対面側でもよ
い。なお、基材側から電離放射線を照射する場合で特に
紫外線を用いる際は、形成された印刷模様による電離放
射線の吸収も配慮して、色や着色剤等を選定するとよ
い。さもないと、印刷模様に対応して着色表面層の硬化
時間が有為に異なることとなる。しかし、この点も考慮
して硬化時間を設定すれば良い時もある。
【0021】以上の様な材料を用いて本発明の化粧シー
トが形成されるが、その製造方法を図5、図6を参照し
て説明する。図5は、本発明の化粧シートの製造方法の
製造工程の工程図、図6は本発明の化粧シートの製造方
法の一実施例で使用する製造装置を示した図である。先
ず、図6の製造装置から説明すれば、同図において、4
は形成する着色表面層の凹凸模様と逆形状の凹部41が
設けられたロール凹版、3aは電離放射線硬化性樹脂
液、2は連続帯状の基材、5は基材2をロール凹版4に
圧接する押圧ロール、51は基材2の走行を支えるガイ
ドロール、6は送りロール、7a及び7bは電離放射線
硬化性樹脂液を硬化するための電離放射線照射装置、3
は電離放射線硬化性樹脂液の硬化物として基材2上に形
成された着色表面層、1は着色表面層3を基材2上に有
する本発明の化粧シート、10は電離放射線硬化性樹脂
液の塗工装置、12は塗工装置10において電離放射線
硬化性樹脂液の塗出量制御の一環を担うための空洞、1
1はロール凹版上に塗工された後の電離放射線硬化性樹
脂液が溶剤分を含む場合、それを乾燥させる為の乾燥装
置である。
【0022】ロール凹版2は円筒状の版材であり、所望
の着色表面層の凹凸模様と逆形状の凹部21を設けるに
は、円筒状の版材に直接旋盤加工たり、電鋳法で形成し
たミルによるミル加工等で切削する方法、電鋳法、ある
いはフォトエッチング法等により行う。ロール凹版の材
質としては、銅、クロム、鉄等の金属、NBR、エポキ
シ樹脂、エボナイト等の合成樹脂、ガラス等のセラミッ
クス等が使用できる。ロール凹版をガラスの様な透明な
材質を用いた中空の円筒状とし、且つ内部に電離放射線
照射装置を設置した構造とすれば、電離放射線を着色表
面層側から照射することが可能となる。また、ロール凹
版の大きさは特に限定されるものではい。なお、図示は
しないがロール凹版は駆動装置に接続されており軸芯の
回りに矢印方向に回転駆動される。
【0023】図6のような装置による凹凸シート製造工
程は図5に示すように、充填工程101、接触工程10
2、硬化工程103、密着工程104、剥離工程105
の工程から構成される。充填工程は、着色表面層の凹凸
模様と逆関係の凹部を有するロール凹版を回転させ、そ
のロール凹版の凹部に着色した電離放射線硬化性樹脂液
を塗工装置により充填する工程である。次の接触工程
は、ロール凹版及び充填工程でロール凹版の凹部に充填
された電離放射線硬化性樹脂液に対して、ロール凹版の
回転方向に対して同期して走行する電離放射線硬化性樹
脂液とは異なる色の連続帯状の基材を接触させる工程で
ある。この時、基材がロール凹版の外表面に接触してい
る部分が、化粧シートで基材が露出する部分になる。次
の硬化工程は、接触工程によって基材がロール凹版に接
触して、後述の剥離工程で剥離するまでの間に、基材と
ロール凹版との間に介在する電離放射線硬化性樹脂液
を、電離放射線照射装置により電離放射線を照射して、
硬化させる工程である。次の密着工程は、前の硬化工程
と通常同時に進行する工程で、硬化工程で電離放射線硬
化性樹脂液を硬化させることで形成された硬化物を着色
表面層として基材に密着させる工程である。そして最後
の剥離工程は、前の密着工程で着色表面層が密着形成さ
れた基材を剥離して化粧シートとして得る工程である。
なお、基材の両面に着色表面層を形成するには、一旦片
面に形成したシートの裏面に再度上記の工程を通して別
の着色表面層を形成する。かくして、所望の凹凸を有す
る本発明の化粧シートを得ることができる。
【0024】
【作用】本発明の化粧シートでは、着色表面層はシャー
プな凹凸形状による凹凸模様を有し、基材と着色表面層
との色の差による色模様、前記凹凸模様とにより、従来
にない極めてリアルな彫り物調の意匠が表現されうる。
しかも、着色表面層には、その表面に更に凹凸模様を形
成したり、その厚みを所々変化させたり、段差部分に傾
斜を持たせたり、あるいは基材の両面に形成したりし
て、複雑な彫り物調の意匠表現がなされる。また、化粧
シートの製造方法では、着色表面層の形成を、その凹凸
模様と逆関係にある凹部を有するロール凹版と基材間に
電離放射線硬化性樹脂液が介在された状態で電離放射線
を照射し硬化させて行うので、精密微細な形状まで忠実
に再現されシャープな凹凸形状が形成されうる。そし
て、連続帯状の基材の使用により連続生産が極めて容易
に行える。
【0025】
【実施例】以下、本発明の化粧シートとその製造方法に
ついて具体的な実施例に基づいて説明する。 《実施例》ロール凹版として、図1に示す文字部のみが
凸部になっており、且つ深さ300μmのものを準備し
た。次に、図6に例示される様な製造装置で、基材とし
て、厚み0.1mmで赤色の着色塩化ビニル樹脂フィルム
を用い、これに下記の組成の白色の電離放射線硬化性樹
脂液を上記ロール凹版を使用して本発明の化粧シートを
製造した。なお、電離放射線とてしは電子線を用い、ラ
インスピードは15m/minで、照射条件は照射エネ
ルギー175keV、照射線量10Mradとした。 電離放射線硬化性樹脂液 オリゴマー(ウリタンアクリレートオリゴマー) 30重量部 モノマー(単官能アクリレート) 30重量部 モノマー(2官能アクリレート) 10重量部 着色剤(酸化チタン) 30重量部
【0026】
【発明の効果】本発明の化粧シートによれば、微細でシ
ャープな形状による凹凸模様をも再現可能なため、リア
ルな彫り物調の、従来にない高意匠感を表現できる。ま
た、基材と着色表面層との色違いが凹部を浮き立たせ
る。さらに、着色表面層の表面にも同時に凹凸模様を設
けたり、段差部分に傾斜を持たせたり、部分部分で厚み
を変えて、基材の色との掛け合わせにより、より複雑な
色模様や凹凸模様による意匠効果を表現できる。また、
本発明の化粧シートの製造方法によれば、シャープで微
細な凹凸模様まで形成可能であり、しかも大量連続生産
が容易で、化粧シートを安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの一実施例を示す斜視図
【図2】本発明の化粧シートの一実施例を示す縦断面図
【図3】本発明の化粧シートの別の実施例を示す縦断面
【図4】本発明の化粧シートの別の実施例を示す縦断面
【図5】本発明の化粧シートの製造方法の工程図
【図6】本発明の化粧シート製造方法の一実施例に用い
る製造装置を示す断面図
【符号の説明】
1 化粧シート 2 基材 3 着色表面層 3a 電離放射線硬化性樹脂液 4 ロール凹版 41 凹部 5 押圧ロール 51 ガイドロール 6 送りロール 7a,7b 電離放射線照射装置 10 塗工装置 11 乾燥装置 12 空洞 101 充填工程 102 接触工程 103 硬化工程 104 密着工程 105 剥離工程

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも片面に、電離放射線硬
    化性樹脂からなる基材とは異なる色の着色表面層が部分
    的に形成されており、着色表面層が形成されていない部
    分が凹部を成して基材が露出していることを特徴とする
    化粧シート。
  2. 【請求項2】 次の(A) 〜(E) の工程によりなることを
    特徴とする化粧シートの製造方法。 (A) 着色表面層の凹凸模様と逆関係の凹部を有するロー
    ル凹版の当該凹部に着色した電離放射線硬化性樹脂液を
    充填する充填工程。 (B) ロール凹版及びロール凹版に充填された電離放射線
    硬化性樹脂液に対して、ロール凹版の回転方向に同期し
    て走行する電離放射線硬化性樹脂液とは異なる色を有す
    る基材を接触させる接触工程。 (C) 基材がロール凹版に接触している間に、基材とロー
    ル凹版間にある電離放射線硬化性樹脂液に対して電離放
    射線を照射して硬化させる硬化工程。 (D) 硬化させることで電離放射線硬化性樹脂液と硬化物
    として基材と密着させて着色表面層とする密着工程。 (E) 基材に密着して着色表面層となった電離放射線硬化
    性樹脂液の硬化物と共に、基材をロール凹版から剥離し
    て化粧シートとする剥離工程。
JP6156388A 1994-06-16 1994-06-16 化粧シート及びその製造方法 Withdrawn JPH081893A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011020360A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Konica Minolta Holdings Inc 微細な凹凸パターンを有するフィルム構造体の形成方法、微細な凹凸パターンを有するフィルム構造体、太陽エネルギー収集用プリズムシート及び立体視ディスプレイ用光学フィルム
JP2021507214A (ja) * 2017-12-14 2021-02-22 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 放射線捕捉デバイス用の構造化表面部品、そのような部品を製造する方法及びx線検出器

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