JPH08184983A - 電子写真用転写紙及びその製造方法 - Google Patents

電子写真用転写紙及びその製造方法

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JPH08184983A
JPH08184983A JP32890594A JP32890594A JPH08184983A JP H08184983 A JPH08184983 A JP H08184983A JP 32890594 A JP32890594 A JP 32890594A JP 32890594 A JP32890594 A JP 32890594A JP H08184983 A JPH08184983 A JP H08184983A
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transfer paper
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jis
electrophotography
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JP32890594A
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Yoshihiko Hibino
良彦 日比野
Hiroo Kaji
裕夫 鍛治
Hiroaki Matsuzaki
洋明 松崎
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 カール発生量の抑制とジャム(紙詰まり)等
の走行性の優れ、かつ両面コピー時に裏抜け特性に優れ
た電子写真用転写紙及びその製造方法を提供する。 【構成】 最高温度を500℃とする以外はJIS P
8128に準じて灰分を求めた時の灰分が10%以上で
あり、かつ、64g/m2の電子写真用転写紙を基準とし、
厚さ方向(Z方向)に12分割した表面の灰分量(S
1)と裏面の灰分量(W1)の差の絶対値が3%以内で
あり、更にJIS P8138に規定された紙の不透明
度が85%以上である電子写真用転写紙であり、抄紙速
度が800m/min.以上で、ストックインレットに
導入されるパルプスラリーの固形分濃度が0.5%以下
の条件で、ツインワイヤー型抄紙機を使って抄造され、
かつ抄紙時における上部ワイヤーの脱水比率を12%以
下にして製造する電子写真用転写紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用転写紙及び
その製造方法に関するものであり、更に詳しくは、高速
の静電複写方式のOn Demand Printing対応機、並びにプ
リンターにおいて、カール性に優れ、且つ、紙づまり等
の走行性に関するトラブルが少なく、かつ両面コピーに
対して裏抜けの少ない電子写真用転写紙及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真用転写紙に要求される品質特性
としては、転写性(感光体に現像されたトナー像を忠実
に転写すること)、定着性(定着工程においてトナーを
紙に強固に定着できること)、走行性(紙が機内を走行
する際、重送、ジャム等の発生が無く、且つカールが小
さいこと)、機器適性の維持(感光体や紙送り等の接触
部品を消耗したり、現像剤を汚染しないこと)等が必要
である。
【0003】複写機、プリンターなどで紙面上のトナー
像を熱定着する際、紙の片面から熱が加わるため、紙が
カールし、ジャム(紙詰まり)、排紙トレイ収容性不
良、ソーター収容性不良等のトラブルが発生する。熱定
着後カールは、高速の静電複写方式のOn Demand Printi
ng対応機、並びにプリンター等においては、紙の走行性
能だけでなく生産性にも大きく影響を与える重要な特性
であると言える。
【0004】従来、熱定着後カールを改善しようとする
試みは様々に行われており、例えば、紙をツインワイヤ
ーにて抄紙し、厚さ方向の紙料密度を均等化することに
よりカールの発生を抑制する方法(特開昭 58-176641
号)、基紙のワイヤーサイド面に水溶性、又はエマルジ
ョン性樹脂の水溶液を塗布、乾燥して、カールの発生を
抑制し、重送の無い転写紙を得る方法(特開昭59-17558
号)、厚さ、密度、平滑度、剛度、灰分、水分を特定し
て、カールや重送の無いコピー用紙を得る方法(特開平
4-223477号)、用紙のマイクロ波透過強度の最大値と最
小値の比、及びフェンチェルの浸水伸度を規定すると共
に、用紙中にパルプ繊維素反応型の水素結合剤を含有さ
せることにより剛度とカール発生改善効果のある転写紙
を得る方法(特開平4-142552号)、用紙のクロス方向に
与える拘束力と含有水分率を規定してカール発生改善効
果のある転写紙を得る方法(特開平4-163399号)等が開
示されている。
【0005】一方、最近のデジタル処理技術の進歩によ
りOn Demand Printingと言われるパブリッシャーシステ
ムがハードの分野で開発されつつあるが、ハードの中心
となるエンジン部分は静電複写方式が用いられている。
また、このシステムでは高速性が必要不可欠であり、更
に編集、製本工程が含まれる事から両面コピーが行われ
る事から転写紙の不透明性が重要な特性となる。
【0006】また、従来、電子写真用転写紙の灰分は紙
粉の発生や複写機の機器適性の維持の問題から、最大で
も8%以下に押さえられ、これを規格とした特許(特公
平5-35426号)等が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】複写機やプリンタ
ーにおける熱定着後のカール発生量の抑制とジャム(紙
詰まり)等の走行性の優れた電子写真用転写紙を得るた
めに適用できる技術としては、前述のような方法が開示
されているが、特開昭 58-176641号に示される様な密度
だけを均等化しても、十分なカールコントロールはでき
ず、特開平4-163399号に示されるようにドライヤー部で
のコントロールを行っても、カールに対する抑制効果は
少ない等、これらの方法で得られた電子写真用転写紙で
あっても、画質安定性、機器内の走行性や機器適性等の
品質特性を全てにわたって満足しているものでは無く、
複写機やプリンター等の高速化への技術に対応して、カ
ール発生量の抑制とジャム(紙詰まり)等の走行性に対
する十分な品質の電子写真用転写紙を得ることはできな
かった。
【0008】また、紙の不透明度を両面コピーでも満足
のいく品質まで向上させるには、特公平 5-35426号に示
される様な灰分では十分でなく、従来の技術では坪量を
増加せざるを得なかった。しかし、これでは製本を前提
にしているOn Demand Printingでは本の厚さが印刷物よ
り厚くなってしまうと言う問題があった。
【0009】従って、本発明の目的は、高速の静電複写
方式のOn Demand Printing対応機、並びにプリンターに
おける熱定着後のカール発生量の抑制とジャム(紙詰ま
り)等の走行性に優れると共に、両面コピーに対して十
分な不透明度を有する電子写真用転写紙及びその製造方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、熱定着後のカール発生量の抑制とジャ
ム(紙詰まり)等の走行性に優れると共に、両面コピー
に対して十分な不透明度を有する電子写真用転写紙につ
いて鋭意検討した結果、本発明の電子写真用転写紙は、
最高温度を500℃とする以外はJIS P−8128
に準じて灰分を求めた時の灰分が10%以上であり、6
4g/m2の該転写紙を基準とし、厚さ方向(以下、Z方
向)に12分割し、該転写紙の表面の灰分量(S1)と
該転写紙の裏面の灰分量(W1)の差の絶対値が3%以
内であり、かつJIS P−8138に規定された紙の
不透明度が85%以上であることを満足した時に、前記
の目的を達成するものである。
【0011】また、本発明の電子写真用転写紙は、ツイ
ンワイヤー型抄紙機を使って抄造され、抄紙速度が80
0m/min.以上で、ストックインレットに導入され
るパルプスラリーの固形分濃度が0.5%以下であり、
かつ抄紙時における上部ワイヤーの脱水比率が12%以
下にすることによって該電子写真用転写紙を製造し、該
転写紙の灰分の表裏差を減じると共に、灰分のバラツキ
が小さくする事により、灰分が多くても機器適性を維持
したままで前記の目的を達成するものである。
【0012】本発明でいう電子写真用転写紙の灰分の表
裏差とは、以下の通り定義される。抄紙機の幅方向5c
m×流れ方向20cmの紙をシートスプリッター等で等
坪量になるように剥離した表(S層)と裏(W層)各層
の試料それぞれについて、紙の剥離面に粘着テープ(ニ
チバン製、セロテープNo.405(幅18mm))を紙
の端部から端部まで空気層が入る事の無いようによく貼
った後、テープの上から紙に向けて強い荷重を掛け、重
量を測定する。テープと紙とを良く密着させた後、テー
プと紙とを毎分20〜50mmの速度で試料測定面とテ
ープが180゜の角度を維持したままゆっくり引き剥
し、剥離した紙の重量を測定する。剥離前後の重量差か
ら、剥離部分の重量を逆算する。以上の操作を数回繰り
返し、64g/m2の電子写真用転写紙を基準とし、S層、
W層についてそれぞれZ方向に6分割する。
【0013】これらの操作で得られた数層の紙につい
て、最高温度を500℃とする以外はJIS P812
8に準じて灰分を求め、S層、W層の最外層の灰分をS
1、W1とし、S1−W1の絶対値を紙の灰分の表裏差
と定義する。
【0014】電子写真用転写紙の坪量が重くなった場
合、64g/m2を基準では1層の厚さは5〜8μmとなる
事から、この厚さに準じて分割数は当然多くなる。ま
た、坪量が軽い場合は、逆に分割数は少なくなる。
【0015】従来、電子写真用転写紙の灰分は用紙全体
の灰分として捕らえられてきた。しかしながら、高速の
複写機では電子写真用転写紙やトナーが120〜240
℃程度に瞬時に加熱されるため、紙中の水分が瞬時に蒸
発され、それによる用紙の収縮がカール発生のメカニズ
ムの一つと考えられており、電子写真用転写紙の表裏で
の灰分差、並びに均一性が収縮に重要な役割を持ってい
るものと推定される。本発明では、従来から使用されて
いる用紙全体の灰分だけではなく、瞬時に加熱される最
外層の灰分に着目し、この表裏の灰分差が3%以内であ
れば、熱定着後カールが抑えられることを見いだしたも
のである。
【0016】更に、本発明では、両面コピーに対する裏
抜け適性を得るために、最高温度を500℃とする以外
はJIS P8128に準じた転写紙の灰分を10%以
上とすると共に、該転写紙の不透明度を85%以上とす
ることで、製本を前提にしているOn Demand Printingで
も品質特性を維持できる事を見いだしたものである。灰
分が高ければ不透明度が向上する事は公知であるが、本
発明では、灰分の表裏差を減じると共に、灰分のバラツ
キを小さくする事により、従来の転写紙よりも灰分が多
くても、機器適性を維持したままで使用できる事を見い
だしたものである。
【0017】また、本発明に使用されるパルプとして
は、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、
TMPなどの他に古紙パルプが挙げられる。使用に当た
っては、それらを数種類目的に応じた比率で混合して用
いる。
【0018】全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、電
子写真複写機の転写後のカール対策から40%以下が好
ましい。
【0019】なお、本発明で言う古紙パルプの原料とし
ては、(財)古紙再生促進センターの古紙標準品質規格
表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、
特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、
別上切、新聞、雑誌等が挙げられる。更に具体例として
は、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱
紙、感圧紙などのプリンター用紙、及びPPC用紙等の
OA古紙、アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙等
の塗被紙、あるいは上質紙、色上質、ノート、便箋、包
装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、
スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカート
ン等の非塗被紙等の紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、
高歩留りパルプ含有紙等が使用されるが、印字、複写、
印刷、非印刷を問わず特に限定されるものではない。
【0020】また、古紙パルプは一般的に、 (1)離解……古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理
して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。 (2)除塵……古紙に含まれる異物(プラスチックな
ど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去す
る。 (3)脱墨……繊維より界面活性剤を用いて剥離された
印刷インキをフローテーション法、または洗浄法で系外
に除去する。 (4)漂白……酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白
色度を高める。 の4工程の組み合わせから作られる。
【0021】本発明の電子写真用転写紙に用いる填料
は、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョー
ク等の炭酸カルシウム、カオリン、焼成クレー、パイロ
フェライト、セリサイト、タルク等のケイ酸塩類やホワ
イトカーボン、珪石粉、二酸化チタン等の無機塩類、及
び尿素樹脂等の有機顔料が使用でき、用紙に対して重量
比10%以上、好ましくは、15%以下配合する。
【0022】使用できる内添サイズ剤としては、ロジン
系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性
サイズ剤等のサイズ剤があげられる。硫酸バンド、カチ
オン澱粉等、適当なサイズ剤と繊維への定着剤を組み合
わせて使用する。
【0023】また、本発明の電子写真用転写紙は、サイ
ズプレス工程で成紙の表面に澱粉、ポリビニールアルコ
ール、ラテックス、無水マレイン酸系サイズ、α−オレ
フィン系サイズ、スチレン−アクリル酸系サイズ等の各
種の表面サイズ剤、エチレン−尿素樹脂等の寸法安定化
剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機導電剤、ジ
メチルアミノエチルメタアクリレート等の有機導電剤、
界面活性剤、顔料、染料を塗布することができるが、サ
イズプレス工程で塗抹する方式としては、コンベンショ
ナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、あるい
はメタリングブレード方式のサイズプレス、ビルブレー
ド、ショートドウェルコーター等の装置を用いることは
勿論可能である。
【0024】紙料中にはこの他に、本発明の所望の効果
を損なわない範囲で、従来から使用されている歩留まり
向上剤、各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あ
るいは両性のろ水向上剤、紙力向上剤等の抄紙用内添助
剤が必要に応じて適宜選択して使用される。例えば、各
種澱粉、及びポリアクリルアミド、ポリエチレンイミ
ン、ポリアミン、ポリアミド・ポリアミン、尿素ホルマ
リン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、植物ガム、ポリビ
ニールアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリアミド樹脂の内の1種あるいは2種以上が適宜
組み合わされて使用される。
【0025】なお、染料、pH調節剤、消泡剤、ピッチ
コントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内
添助剤を目的に応じて適宜添加することも可能である。
【0026】次に、本発明にかかる電子写真用転写紙の
製造方法について述べる。本発明においては、該転写紙
の灰分の表裏差を減じると共に、灰分のバラツキを小さ
くする事に特徴がある。因みに、従来から電子写真用転
写紙の生産に使われてきた、長網抄紙機はワイヤー上で
のパルプスラリーからの脱水が1方向に限定されている
事から、どうしても該転写紙の灰分分布は表裏で大きく
異なり易い。
【0027】該転写紙の灰分の表裏差が大きくなると共
に、灰分のバラツキも大きくなると、灰分を増量してい
った場合、感光体や紙送り等の接触部品を消耗したり、
現像剤を汚染すると言う機器適性の維持が難しくなる
が、本発明の転写紙では機器特性を維持したままで不透
明度向上に必要な灰分の増加が可能になる。
【0028】本発明における該転写紙の灰分の表裏差を
減じると共に、灰分のバラツキを小さくする製造方法
は、ツインワイヤー型抄紙機、特にオントップのコンビ
ネーション抄紙機を用いて紙の両面から脱水する方法が
好ましい。ツインワイヤー抄紙機の場合、抄紙速度が8
00m/min.以上で、ストックインレットに導入さ
れるパルプスラリーの固形分濃度が0.5%以下の条件
で、上部ワイヤーの脱水率を12%以下、好ましくは1
0%以下で操業する事で上記の灰分条件を達成すること
が可能となる。
【0029】抄紙速度が800m/min.以下の場
合、生産性が阻害されるだけでなく、長網抄紙機同様、
重力方向への脱水量が増加してしまい、転写紙のZ方向
での灰分の調節が困難になる。
【0030】また、現在の様に高速で抄紙を行う場合、
トップワイヤーの脱水率が15%以上になると、紙の地
合が乱れてしまい、電子写真用転写紙としてトナー定着
性に問題が生じる。
【0031】ツインワイヤー型抄紙機を用いて抄紙する
ことを特徴とする電子写真用転写紙については、前述の
様に転写紙をツインワイヤーにて抄紙し、厚さ方向の紙
料密度を均等化することによりカールの発生を抑制する
方法(特開昭 58-176641号)が開示されているが、これ
は紙をZ方向に4等分して、この密度が均等化されるこ
とを必須の要件としているのに対し、本発明では64g/
m2の電子写真用転写紙を基準とし、Z方向に12分割
し、密度ではなしに、灰分の表裏差を規定している点が
大きく異なるものである。
【0032】
【作用】本発明で規定したように、64g/m2の電子写真
用転写紙を基準とし、Z方向に12分割し、最高温度が
500℃である以外はJIS P8128に準じて測定
した紙の表面の灰分量(S1)と紙の裏面の灰分量(W
1)の差の絶対値が3%以内とする事により、熱定着後
の紙中の水分蒸発と、それによる用紙の収縮が表裏で十
分にバランスが採られるため、カール発生量の抑制とジ
ャム(紙詰まり)等の走行性が改善される。
【0033】また、最高温度が500℃である以外はJ
IS P8128に準じて測定した転写紙の灰分量と該
転写紙の不透明度を規定する事により、両面コピーに対
して裏抜けの少なく、かつ機器特性に問題の無い転写紙
を得ることができる。
【0034】更に、抄紙速度が800m/min.以上
で、ストックインレットに導入されるパルプスラリーの
固形分濃度が0.5%以下の条件で、ツインワイヤー型
抄紙機を使って抄造され、かつ抄紙時における上部ワイ
ヤーの脱水比率を12%以下にすることによって、該転
写紙の灰分の表裏差を規定値内に納める事ができる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれに限定されるものではない。以
下における部、%はすべて重量によるものである。
【0036】実施例1 1.原紙配合; LBKP(ろ水度;350ml、c.s.f) 70部 NBKP(ろ水度;400ml、c.s.f) 30部 軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製;TP−121) 16部 アニオン性中性ロジンサイズ剤(荒川化学社製;KS−767) 0.5部 硫酸バンド 1部 両性澱粉(ナショナルスターチ社製;Cato3210) 1部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部 上記配合の0.54%濃度のパルプスラリーを抄幅4,
800mm、抄紙速度850m/min.でオントップ
ワイヤー(ベルフォームフォーマー)抄紙機によりトッ
プワイヤーの脱水率を8%として原紙抄造を行なった。
この原紙に、以下の配合で固形分付着量1.2g/m2サイ
ズプレスを行ない、坪量70g/m2の電子写真用転写紙を
得た。
【0037】 2.サイズプレス液配合; 酸化澱粉(日本食品加工社製;MS−3800) 5部 塩化ナトリウム 0.15部スチレン -アクリル酸系表面サイズ剤(荒川化学社製;ホ゜リマロン1308S) 0.15部 水 94.70部 上記の電子写真用転写紙の灰分分布は、抄紙機の幅方向
5cm×流れ方向20cmの転写紙をシートスプリッタ
ー等で等坪量になるように剥離した表(S層)と裏(W
層)各層の試料それぞれについて、紙の剥離面に粘着テ
ープ(ニチバン製、セロテープNo.405(幅18m
m))を紙の端部から端部まで空気層が入る事の無いよ
うによく貼った後、テープの上から紙に向けて強い荷重
を掛け、重量を測定する。テープと紙とを良く密着させ
た後、テープと紙とを毎分20〜50mmの速度で、試
料測定面とテープが180゜の角度を維持したままゆっ
くり引き剥し、剥離した紙の重量を測定した。剥離前後
の重量差から、剥離部分の重量を逆算する。以上の操作
を数回繰り返し、S層、W層についてそれぞれZ方向に
各6層(厚さが5〜8μmになる様)に分離した。
【0038】これらの操作で得られた数層の紙につい
て、最高温度を500℃とする以外はJIS P812
8に準じて灰分を求め、S層、W層の最外層の灰分をS
1、W1とし、S1−W1の絶対値を紙の灰分の表裏差
として求めた。また、これとは別に剥離する前の転写紙
の灰分値も求めた。表1にはこれらの灰分の測定結果を
示した。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2 実施例1で填料の配合量を16部から15部へ減量し、
アニオン性中性ロジンサイズ剤の添加量を0.4部、坪
量を80g/m2とした以外は同様にしてサンプルを調整
し、実施例2の電子写真用転写紙とした。
【0041】実施例3 実施例2で、填料の種類を炭酸カルシウムから二酸化チ
タン/タルク=7/3の填料に変更した以外は同様にし
てサンプルを調整し、実施例3の電子写真用転写紙とし
た。
【0042】実施例4 実施例1で填料の配合量を16部から20部へ増量し、
アニオン性中性ロジンサイズ剤をアルキルケテンダイマ
ー(荒川化学製:SPK−903)0.09部、硫酸バ
ンド0.4部とした以外は同様にしてサンプルを調整
し、実施例4の電子写真用転写紙とした。
【0043】実施例5 実施例1で上部脱水比率を10%とした以外は同様にし
てサンプルを調整し、実施例5の電子写真用転写紙とし
た。
【0044】実施例6 実施例1で抄紙機をオントップフォーマー(シムフォー
マー)とした以外は同様にしてサンプルを調整し、実施
例6の電子写真用転写紙とした。
【0045】実施例7 実施例1で原紙のパルプ配合をLBKP40部、NBK
P20部、模造古紙40部とした以外は同様にしてサン
プルを調整し、実施例7の電子写真用転写紙とした。
【0046】実施例8 実施例1で原紙のパルプ配合をLBKPを60部、NB
KPを20部、模造古紙パルプを20部、上部脱水比率
を12%とした以外は同様にしてサンプルを調整し、実
施例8の電子写真用転写紙とした。
【0047】比較例1 実施例1で上部脱水比率を20%とした以外は同様にし
てサンプルを調整し、比較例1の電子写真用転写紙とし
た。
【0048】比較例2 実施例1で上部脱水比率を15%とし、原紙のパルプ配
合をLBKP30部、NBKP20部、模造古紙パルプ
50部とした以外は同様にしてサンプルを調整し、比較
例2の電子写真用転写紙とした。
【0049】比較例3 比較例1で抄紙速度を700m/min.にした以外は
同様にしてサンプルを調整し、比較例3の電子写真用転
写紙とした。
【0050】比較例4 実施例1で抄紙機をフォードリニアタイプ(長網抄紙
機)とし、抄紙速度700m/min.、坪量を64g/
m2としたとした以外は同様にしてサンプルを調整し、比
較例4の電子写真用転写紙とした。
【0051】比較例5 実施例7のパルプ配合で抄紙機をフォードリニアタイプ
(長網抄紙機)とし、抄紙速度700m/min.とし
た以外は同様にしてサンプルを調整し、比較例5の電子
写真用転写紙とした。
【0052】比較例6 フォードリニアタイプ(長網抄紙機)の抄紙機で抄造さ
れた市販品のPPC用紙サンプルを比較例6の電子写真
用転写紙とした。
【0053】比較例7 実施例1で上部脱水比率を15%とし、填料の種類を炭
酸カルシウムから炭酸カルシウム/タルク=5/5の填
料に変更し、配合部数を16部から46部に、坪量を8
0g/m2とした以外は同様にしてサンプルを調整し、比較
例7の電子写真用転写紙とした。
【0054】以上の結果を表2にまとめて示した。表2
には、原紙の製造条件と表1に示された様な64g/m2
電子写真用転写紙を基準とし、Z方向に12分割(厚さ
が5〜8μm程度)した各層の灰分の測定結果をまとめ
て示した。
【0055】
【表2】
【0056】上記の電子写真用転写紙の電子写真適性
(主に通紙特性)は、キヤノン社製の電子写真式複写機
(NP−9800)を用いてA4判縦目にて裁断された
サンプルで以下の方法にて評価を行なった。
【0057】1.カール;A4判の紙を常温・常湿(2
3±5℃、60±15%)で抄紙と直角方向(CD方
向)に通紙して片面複写を8、000枚、両面複写を
4、000枚した後、カール面を上にして平らな台の上
に置き、四隅の中で最も台の面より高い値を測定し、1
5枚の平均値で評価した。電子写真用転写紙としては、
最高7mm以下、平均で5mm以下が望ましい。
【0058】2.ジャム(紙詰まり);A4判の紙を抄
紙と直角方向(CD方向)に2,500枚片面通紙した
時の、ジャムの発生回数で評価した。電子写真用転写紙
としては、常温・常湿では1回以下が、常温・高湿(2
3±5℃、80±15%)では3回以下が必要とされて
いる。
【0059】3.トナー定着性;上記複写機にて複写し
た光学濃度が約1.4の画像部に、市販の18mm幅セ
ロハン粘着テープ(ニチバン社製;セロテープ)を30
0g/cmの線圧で貼り付け、1cm/sec.の速度
で剥離した際の、剥離前の画像濃度に対する剥離後の画
像濃度の比(以下、OD比と略す)を指標として評価し
た。 OD比=剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度 電子写真用転写紙としては、OD比で0.7以上のトナ
ー定着性が必要とされている。なお、画像濃度の測定に
はマクベス反射型濃度計(Macbeth社製;RD−
918)を使用した。
【0060】4.感光体の摩耗性;上記複写機にてA4
判の紙を抄紙と直角方向(CD方向)に10,000枚
トナー現像をせずに片面通紙した後、通常のコピーをと
って、そのコピー画像に黒すじ、白抜けが無い場合を
○、黒すじが少し認められる場合が△、黒すじ、白抜け
が目立つ場合を×として評価を行った。 5.裏抜け評価;上記複写機にて光学濃度が約1.4の
黒ベタ画像部に、30ポイントのゴシック体の白抜き文
字の図柄を複写し、10枚重ねた白紙の転写紙上に複写
面を下にして乗せて、白抜き文字がはっきりと判読でき
る場合を×、おぼろげに読める場合を△、全く読めない
場合を○として評価した。
【0061】表3には、静電複写機の通紙結果を示し
た。
【0062】
【表3】
【0063】
【発明の効果】表2及び表3から明らかなように、本発
明の電子写真用転写紙は、最高温度を500℃とする以
外はJIS P8128に準じて灰分を求めた時の灰分
が10%以上であり、転写紙を64g/m2を基準とし、Z
方向に12分割した表面の灰分量(S1)と裏面の灰分
量(W1)の差の絶対値が3%以内とし、JIS P8
138に規定された紙の不透明度が85%以上であるこ
とる事により、熱定着後の紙中の水分蒸発と、それによ
る用紙の収縮が表裏で十分にバランスが採られるため、
カール発生量の抑制とジャム(紙詰まり)等の走行性が
改善すると共に、両面コピーに対する裏抜けを改良する
事ができる。
【0064】また、抄紙速度が800m/min.以上
で、ストックインレットに導入されるパルプスラリーの
固形分濃度が0.5%以下の条件で、ツインワイヤー型
抄紙機を使って抄造され、かつ抄紙時における上部ワイ
ヤーの脱水比率を12%以下にすることによって、該転
写紙の灰分の表裏差を規定値内に納める事ができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最高温度を500℃とする以外はJIS
    P8128に準じて求めた時の灰分が10%以上であ
    り、かつ64g/m2の電子写真用転写紙を基準とし、厚さ
    方向(Z方向)に12分割した時の、該転写紙の表面の
    灰分量(S1)と紙の裏面の灰分量(W1)の差の絶対
    値が3%以内であると共に、JIS P8138に規定
    された紙の不透明度が85%以上であることを特徴とす
    る電子写真用転写紙。
  2. 【請求項2】 電子写真用転写紙が、古紙パルプを含有
    してなることを特徴とする請求項1記載の電子写真用転
    写紙。
  3. 【請求項3】 電子写真用転写紙の製造方法において、
    該転写紙がツインワイヤー型抄紙機を使って抄造され、
    抄紙速度が800m/min.以上で、ストックインレ
    ットに導入されるパルプスラリーの固形分濃度が0.5
    %以下であり、かつ抄紙時における上部ワイヤーの脱水
    比率が12%以下として該転写紙を製造し、最高温度を
    500℃とする以外はJIS P−8128に準じて求
    めた時の灰分が10%以上で、該転写紙の表裏の灰分差
    の絶対値を3%以内とし、かつJIS P8138に規
    定された紙の不透明度が85%以上であることを特徴と
    する電子写真用転写用紙の製造方法。
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