JPH07295280A - 電子写真用転写紙及びその製造方法 - Google Patents

電子写真用転写紙及びその製造方法

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JPH07295280A
JPH07295280A JP8943894A JP8943894A JPH07295280A JP H07295280 A JPH07295280 A JP H07295280A JP 8943894 A JP8943894 A JP 8943894A JP 8943894 A JP8943894 A JP 8943894A JP H07295280 A JPH07295280 A JP H07295280A
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JP8943894A
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Yoshihiko Hibino
良彦 日比野
Hiroo Kaji
裕夫 鍛治
Takehiko Yasujima
岳彦 安島
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カール発生量の抑制とジャム(紙詰まり)等
の走行性の優れた電子写真用転写紙及びその製造方法を
提供することにある。 【構成】 64g/m2の電子写真用転写紙を基準とし、厚
さ方向(Z方向)に12分割した表面の灰分量(S1)
と裏面の灰分量(W1)の差の絶対値が3%以内であ
り、好ましくは灰分量の標準偏差が1.0%以内である
電子写真用転写紙であり、抄紙速度が800m/mi
n.以上で、ストックインレットに導入されるパルプス
ラリーの固形分濃度が0.5%以下の条件で、ツインワ
イヤー型抄紙機を使って抄造され、かつ抄紙時における
上部ワイヤーの脱水比率を12%以下にして製造する電
子写真用転写紙の製造方法。 【効果】 トナーの定着性に優れると共に、複写機上の
カール発生量の抑制とジャム(紙詰まり)等の走行性の
良好な電子写真適性を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用転写紙及び
その製造方法に関するものであり、更に詳しくは、静電
複写方式のコピー機、並びにプリンターにおいて、カー
ル性に優れ、且つ、紙づまり等の走行性に関するトラブ
ルの少ない電子写真用転写紙及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真用転写紙に要求される品質特性
としては、転写性(感光体に現像されたトナー像を忠実
に転写すること)、定着性(定着工程においてトナーを
紙に強固に定着できること)、走行性(紙が機内を走行
する際、重送、ジャム等の発生が無く、且つカールが小
さいこと)、機器適性の維持(感光体や紙送り等の接触
部品を消耗したり、現像剤を汚染しないこと)等が必要
である。
【0003】複写機、プリンターなどで紙面上のトナー
像を熱定着する際、紙の片面から熱が加わるため、紙が
カールし、ジャム(紙詰まり)、排紙トレイ収容性不
良、ソーター収容性不良等のトラブルが発生する。熱定
着後カールは、複写機、プリンター等の紙走行性能に大
きく影響を与える重要な特性であると言える。
【0004】従来、熱定着後カールを改善しようとする
試みは様々に行われており、例えば、紙をツインワイヤ
ーにて抄紙し、厚さ方向の紙料密度を均等化することに
よりカールの発生を抑制する方法(特開昭 58-176641
号)、基紙のワイヤーサイド面に水溶性、又はエマルジ
ョン性樹脂の水溶液を塗布、乾燥して、カールの発生を
抑制し、重送の無い転写紙を得る方法(特開昭59-17558
号)、厚さ、密度、平滑度、剛度、灰分、水分を特定し
て、カールや重送の無いコピー用紙を得る方法(特開平
4-223477号)、用紙のマイクロ波透過強度の最大値と最
小値の比、及びフェンチェルの浸水伸度を規定すると共
に、用紙中にパルプ繊維素反応型の水素結合剤を含有さ
せることにより剛度とカール発生改善効果のある転写紙
を得る方法(特開平4-142552号)、用紙のクロス方向に
与える拘束力と含有水分率を規定してカール発生改善効
果のある転写紙を得る方法(特開平4-163399号)等が開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】複写機やプリンタ
ーにおける熱定着後のカール発生量の抑制とジャム(紙
詰まり)等の走行性の優れた電子写真用転写紙を得るた
めに適用できる技術としては、前述のような方法が開示
されているが、特開昭 58-176641号に示される様な密度
だけを均等化しても、十分なカールコントロールはでき
ず、特開平4-163399号に示されるようにドライヤー部で
のコントロールを行っても、カールに対する抑制効果は
少ない等、これらの方法で得られた電子写真用転写紙で
あっても、画質安定性、機器内の走行性や機器適性等の
品質特性を全てにわたって満足しているものでは無く、
複写機やプリンター等の高機能化への技術に対応して、
カール発生量の抑制とジャム(紙詰まり)等の走行性に
対する十分な品質の電子写真用転写紙を得ることはでき
なかった。
【0006】従って、本発明の目的は、複写機やプリン
ターにおける熱定着後のカール発生量の抑制とジャム
(紙詰まり)等の走行性の優れた電子写真用転写紙及び
その製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく、熱定着後のカール発生量の抑制とジャム
(紙詰まり)等の走行性の優れた電子写真用転写紙につ
いて鋭意検討した結果、本発明の電子写真用転写紙は、
64g/m2の該転写紙を基準とし、厚さ方向(以下、Z方
向)に12分割し、最高温度を500℃とする以外はJ
IS P8128に準じて測定した該転写紙の表面の灰
分量(S1)と該転写紙の裏面の灰分量(W1)の差の
絶対値が3%以内であること、好ましくは灰分量の標準
偏差が1.0%以内にすることを満足した時に、前記の
目的を達成するものである。
【0008】また、本発明の電子写真用転写紙は、ツイ
ンワイヤー型抄紙機を使って抄造され、抄紙速度が80
0m/min.以上で、ストックインレットに導入され
るパルプスラリーの固形分濃度が0.5%以下であり、
かつ抄紙時における上部ワイヤーの脱水比率が12%以
下にすることによって該電子写真用転写紙を製造し、該
転写紙の灰分の表裏差を減じると共に、灰分のバラツキ
を小さくする事により、前記の目的を達成するものであ
る。
【0009】本発明でいう電子写真用転写紙の灰分の表
裏差とは、抄紙機の幅方向5cm×流れ方向20cmの
紙をシートスプリッター等で等坪量になるように剥離し
た表(S層)と裏(W層)各層の試料それぞれについ
て、紙の剥離面に粘着テープ(ニチバン製、セロテープ
No.405(幅18mm))を紙の端部から端部まで空
気層が入る事の無いようによく貼った後、テープの上か
ら紙に向けて強い荷重を掛け、重量を測定する。テープ
と紙とを良く密着させた後、テープと紙とを毎分20〜
50mmの速度で、試料測定面とテープが180゜の角
度を維持したままゆっくり引き剥し、剥離した紙の重量
を測定する。剥離前後の重量差から、剥離部分の重量を
逆算する。以上の操作を数回繰り返し、64g/m2の電子
写真用転写紙を基準とし、S層、W層についてそれぞれ
Z方向に6分割する。
【0010】これらの操作で得られた数層の紙につい
て、最高温度を500℃とする以外はJIS P812
8に準じて灰分を求め、S層、W層の最外層の灰分をS
1、W1とし、S1−W1の絶対値を紙の灰分の表裏差
と定義する。
【0011】電子写真用転写紙の坪量が重くなった場
合、64g/m2を基準では1層の厚さは5〜8μmとなる
事から、この厚さに準じて分割数は当然多くなる。ま
た、坪量が軽い場合は、逆に分割数は少なくなる。
【0012】従来、電子写真用転写紙の灰分は用紙全体
の灰分として捕らえられてきた。しかしながら、高速の
複写機では電子写真用転写紙やトナーが120〜240
℃程度に瞬時に加熱されるため、紙中の水分が瞬時に蒸
発され、それによる用紙の収縮がカール発生のメカニズ
ムの一つと考えられており、電子写真用転写紙の表裏で
の灰分差、並びに均一性が収縮に重要な役割を持ってい
るものと推定される。本発明では、従来から使用されて
いる用紙全体の灰分ではなく、瞬時に加熱される最外層
の灰分に着目し、この表裏の灰分差が3%以内であれ
ば、熱定着後カールが抑えられることを見いだしたもの
である。
【0013】更に、本発明では、灰分をZ軸方向で細か
く見ていった場合、表裏の灰分差が小さいだけでなく、
用紙全体の灰分のバラツキが小さい紙の方が、より効果
的に熱定着後カールを抑えることが可能であることも判
っており、数層に分割した紙の各層の灰分の標準偏差が
1%以内であることが好ましい。
【0014】また、本発明に使用されるパルプとして
は、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、
TMPなどの他に古紙パルプが挙げられる。使用に当た
っては、それらを数種類目的に応じた比率で混合して用
いる。
【0015】全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、電
子写真複写機の転写後のカール対策から40%以下が好
ましい。
【0016】なお、本発明で言う古紙パルプの原料とし
ては、(財)古紙再生促進センターの古紙標準品質規格
表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、
特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、
別上切、新聞、雑誌等が挙げられる。更に具体例として
は、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱
紙、感圧紙などのプリンター用紙、及びPPC用紙等の
OA古紙、アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙等
の塗被紙、あるいは上質紙、色上質、ノート、便箋、包
装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、
スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカート
ン等の非塗被紙等の紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、
高歩留りパルプ含有紙等が使用されるが、印字、複写、
印刷、非印刷を問わず特に限定されるものではない。
【0017】また、古紙パルプは一般的に、 (1)離解……古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理
して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。 (2)除塵……古紙に含まれる異物(プラスチックな
ど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去す
る。 (3)脱墨……繊維より界面活性剤を用いて剥離された
印刷インキをフローテーション法、または洗浄法で系外
に除去する。 (4)漂白……酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白
色度を高める。 の4工程の組み合わせから作られる。
【0018】本発明の電子写真用転写紙に用いる填料
は、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョー
ク等の炭酸カルシウム、カオリン、焼成クレー、パイロ
フェライト、セリサイト、タルク等のケイ酸塩類やホワ
イトカーボン、珪石粉等の無機塩類や、尿素樹脂等の有
機顔料が使用でき、用紙に対して重量比20%以下、好
ましくは、10%以下配合する。
【0019】使用できる内添サイズ剤としては、ロジン
系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性
サイズ剤等のサイズ剤があげられる。硫酸バンド、カチ
オン澱粉等、適当なサイズ剤と繊維への定着剤を組み合
わせて使用する。
【0020】また、本発明の電子写真用転写紙は、サイ
ズプレス工程で成紙の表面に澱粉、ポリビニールアルコ
ール、ラテックス、無水マレイン酸系サイズ、α−オレ
フィン系サイズ、スチレン−アクリル酸系サイズ等の各
種の表面サイズ剤、エチレン−尿素樹脂等の寸法安定化
剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機導電剤、ジ
メチルアミノエチルメタアクリレート等の有機導電剤、
界面活性剤、顔料、染料を塗布することができるが、サ
イズプレス工程で塗抹する方式としては、コンベンショ
ナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、あるい
はメタリングブレード方式のサイズプレス、ビルブレー
ド、ショートドウェルコーター等の装置を用いることは
勿論可能である。
【0021】紙料中にはこの他に、本発明の所望の効果
を損なわない範囲で、従来から使用されている歩留まり
向上剤、各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あ
るいは両性のろ水向上剤、紙力向上剤等の抄紙用内添助
剤が必要に応じて適宜選択して使用される。例えば、各
種澱粉、及びポリアクリルアミド、ポリエチレンイミ
ン、ポリアミン、ポリアミド・ポリアミン、尿素ホルマ
リン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、植物ガム、ポリビ
ニールアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリアミド樹脂の内の1種あるいは2種以上が適宜
組み合わされて使用される。
【0022】なお、染料、pH調節剤、消泡剤、ピッチ
コントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内
添助剤を目的に応じて適宜添加することも可能である。
【0023】次に、本発明にかかる電子写真用転写紙の
製造方法について述べる。本発明においては、該転写紙
の灰分の表裏差を減じると共に、灰分のバラツキを小さ
くする事に特徴がある。因みに、従来から電子写真用転
写紙の生産に使われてきた、長網抄紙機はワイヤー上で
のパルプスラリーからの脱水が1方向に限定されている
事から、どうしても該転写紙の灰分分布は表裏で大きく
異なり易い。
【0024】本発明における該転写紙の灰分の表裏差を
減じると共に、灰分のバラツキを小さくする製造方法
は、ツインワイヤー型抄紙機、特にオントップのコンビ
ネーション抄紙機を用いて紙の両面から脱水する方法が
好ましい。ツインワイヤー抄紙機の場合、抄紙速度が8
00m/min.以上で、ストックインレットに導入さ
れるパルプスラリーの固形分濃度が0.5%以下の条件
で、上部ワイヤーの脱水率を12%以下、好ましくは1
0%以下で操業する事で上記の灰分条件を達成すること
が可能となる。
【0025】抄紙速度が800m/min.以下の場
合、生産性が阻害されるだけだなく、長網抄紙機同様、
重力方向への脱水量が増加してしまい、転写紙のZ方向
での灰分の調節が困難になる。
【0026】また、現在の様に高速で抄紙を行う場合、
トップワイヤーの脱水率が15%以上になると、紙の地
合が乱れてしまい、電子写真用転写紙としてトナー定着
性に問題が生じる。
【0027】ツインワイヤー型抄紙機を用いて抄紙する
ことを特徴とする電子写真用転写紙については、前述の
様に転写紙をツインワイヤーにて抄紙し、厚さ方向の紙
料密度を均等化することによりカールの発生を抑制する
方法(特開昭 58-176641号)が開示されているが、これ
は紙をZ方向に4等分して、この密度が均等化されるこ
とを必須の要件としているのに対し、本発明では64g/
m2の電子写真用転写紙を基準とし、Z方向に12分割
し、密度ではなしに、灰分の表裏差と標準偏差を規定し
ている点が大きく異なるものである。
【0028】
【作用】本発明で規定したように、64g/m2の電子写真
用転写紙を基準とし、Z方向に12分割し、最高温度が
500℃である以外はJIS P8128に準じて測定
した紙の表面の灰分量(S1)と紙の裏面の灰分量(W
1)の差の絶対値が3%以内とし、好ましくは灰分量の
標準偏差が1.0%以内とする事により、熱定着後の紙
中の水分蒸発と、それによる用紙の収縮が表裏で十分に
バランスが採られるため、カール発生量の抑制とジャム
(紙詰まり)等の走行性が改善される。
【0029】また、抄紙速度が800m/min.以上
で、ストックインレットに導入されるパルプスラリーの
固形分濃度が0.5%以下の条件で、ツインワイヤー型
抄紙機を使って抄造され、かつ抄紙時における上部ワイ
ヤーの脱水比率を12%以下にすることによって、該転
写紙の灰分の表裏差と標準偏差を規定値内に納める事が
できる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれに限定されるものではない。以
下における部、%はすべて重量によるものである。
【0031】実施例1 1.原紙配合; LBKP(ろ水度;350ml、c.s.f) 70部 NBKP(ろ水度;400ml、c.s.f) 30部 軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製;TP−121) 10部 アニオン性中性ロジンサイズ剤(荒川化学社製;KS−767) 0.5部 硫酸バンド 1部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 1部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部 上記配合の0.54%濃度のパルプスラリーを抄幅4,
800mm、抄紙速度850m/min.でオントップ
ワイヤー(ベルフォームフォーマー)抄紙機によりトッ
プワイヤーの脱水率を8%として原紙抄造を行なった。
この原紙に、以下の配合で固形分付着量1.2g/m2サイ
ズプレスを行ない、坪量64g/m2の電子写真用転写紙を
得た。
【0032】 2.サイズプレス液配合; 酸化澱粉(日本食品加工社製;MS−3800) 5部 塩化ナトリウム 0.15部スチレン -アクリル酸系表面サイズ剤(荒川化学社製;ホ゜リマロン1308S) 0.15部 水 94.70部 上記の電子写真用転写紙の灰分分布は、抄紙機の幅方向
5cm×流れ方向20cmの転写紙をシートスプリッタ
ー等で等坪量になるように剥離した表(S層)と裏(W
層)各層の試料それぞれについて、紙の剥離面に粘着テ
ープ(ニチバン製、セロテープNo.405(幅18m
m))を紙の端部から端部まで空気層が入る事の無いよ
うによく貼った後、テープの上から紙に向けて強い荷重
を掛け、重量を測定する。テープと紙とを良く密着させ
た後、テープと紙とを毎分20〜50mmの速度で、試
料測定面とテープが180゜の角度を維持したままゆっ
くり引き剥し、剥離した紙の重量を測定した。剥離前後
の重量差から、剥離部分の重量を逆算する。以上の操作
を数回繰り返し、S層、W層についてそれぞれZ方向に
各6層(厚さが5〜8μmになる様)に分離した。
【0033】これらの操作で得られた数層の紙につい
て、最高温度を500℃とする以外はJIS P812
8に準じて灰分を求め、S層、W層の最外層の灰分をS
1、W1とし、S1−W1の絶対値を紙の灰分の表裏差
として求めた。また、これらの各層の灰分値の標準偏差
から、灰分のバラツキを求めた。表1には各層の灰分の
測定結果を示した。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 実施例1で填料を軽質炭酸カルシウムからインドネシア
クレーに、アニオン性中性ロジンサイズ剤の添加量を
0.4部とした以外は同様にしてサンプルを調整し、実
施例2の電子写真用転写紙とした。
【0036】実施例3 実施例1でアニオン性中性ロジンサイズ剤をアルキルケ
テンダイマー(荒川化学製:SPK−903)0.09
部、硫酸バンド0.4部とした以外は同様にしてサンプ
ルを調整し、実施例3の電子写真用転写紙とした。
【0037】実施例4 実施例1で上部脱水比率を10%とした以外は同様にし
てサンプルを調整し、実施例4の電子写真用転写紙とし
た。
【0038】実施例5 実施例1で抄紙機をオントップフォーマー(シムフォー
マー)とした以外は同様にしてサンプルを調整し、実施
例5の電子写真用転写紙とした。
【0039】実施例6 実施例1で原紙のパルプ配合をLBKP40部、NBK
P20部、模造古紙40部とした以外は同様にしてサン
プルを調整し、実施例6の電子写真用転写紙とした。
【0040】実施例7 実施例1で原紙のパルプ配合をLBKPを60部、NB
KPを20部、模造古紙パルプを20部、上部脱水比率
を12%とした以外は同様にしてサンプルを調整し、実
施例7の電子写真用転写紙とした。
【0041】比較例1 実施例1で上部脱水比率を20%とした以外は同様にし
てサンプルを調整し、比較例1の電子写真用転写紙とし
た。
【0042】比較例2 実施例1で上部脱水比率を15%とし、原紙のパルプ配
合をLBKP30部、NBKP20部、模造古紙パルプ
50部とした以外は同様にしてサンプルを調整し、比較
例2の電子写真用転写紙とした。
【0043】比較例3 比較例1で抄紙速度を700m/min.にした以外は
同様にしてサンプルを調整し、比較例3の電子写真用転
写紙とした。
【0044】比較例4 実施例1で抄紙機をフォードリニアタイプ(長網抄紙
機)とし、抄紙速度700m/min.とした以外は同
様にしてサンプルを調整し、比較例4の電子写真用転写
紙とした。
【0045】比較例5 実施例4のパルプ配合で抄紙機をフォードリニアタイプ
(長網抄紙機)とし、抄紙速度700m/min.とし
た以外は同様にしてサンプルを調整し、比較例5の電子
写真用転写紙とした。
【0046】比較例6 フォードリニアタイプ(長網抄紙機)の抄紙機で抄造さ
れた市販品のPPC用紙サンプルを比較例6の電子写真
用転写紙とした。
【0047】以上の結果を表2にまとめて示した。表2
には、原紙の製造条件と表1に示された様な64g/m2
電子写真用転写紙を基準とし、Z方向に12分割(厚さ
が5〜8μm程度)した各層の灰分の測定結果をまとめ
て示した。
【0048】
【表2】
【0049】上記の電子写真用転写紙の電子写真適性
(主に通紙特性)は、キヤノン社製の電子写真式複写機
(NP−9800)を用いてA4判縦目にて裁断された
サンプルで以下の方法にて評価を行なった。
【0050】1.カール;A4判の紙を常温・常湿(2
3±5℃、60±15%)で抄紙と直角方向(CD方
向)に通紙して片面複写を8、000枚、両面複写を
4、000枚した後、カール面を上にして平らな台の上
に置き、四隅の中で最も台の面より高い値を測定し、1
5枚の平均値で評価した。電子写真用転写紙としては、
最高7mm以下、平均で5mm以下が望ましい。
【0051】2.ジャム(紙詰まり);A4判の紙を抄
紙と直角方向(CD方向)に2,500枚片面通紙した
時の、ジャムの発生回数で評価した。電子写真用転写紙
としては、常温・常湿では1回以下が、常温・高湿(2
3±5℃、80±15%)では3回以下が必要とされて
いる。
【0052】3.トナー定着性 上記複写機にて複写した光学濃度が約1.4の画像部
に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社
製;セロテープ)を300g/cmの線圧で貼り付け、
1cm/sec.の速度で剥離した際の、剥離前の画像
濃度に対する剥離後の画像濃度の比(以下、OD比と略
す)を指標として評価した。 OD比=剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度 電子写真用転写紙としては、OD比で0.7以上のトナ
ー定着性が必要とされている。なお、画像濃度の測定に
はマクベス反射型濃度計(Macbeth社製;RD−
918)を使用した。
【0053】表3には、静電複写機の通紙結果を示し
た。
【表3】
【0054】
【発明の効果】表2、及び3から明らかなように、本発
明の電子写真用転写紙は、転写紙を64g/m2を基準と
し、Z方向に12分割した表面の灰分量(S1)と裏面
の灰分量(W1)の差の絶対値が3%以内とし、好まし
くは灰分量の標準偏差を1.0%以内とする事により、
熱定着後の紙中の水分蒸発と、それによる用紙の収縮が
表裏で十分にバランスが採られるため、カール発生量の
抑制とジャム(紙詰まり)等の走行性が改善する事がで
きる。
【0055】また、抄紙速度が800m/min.以上
で、ストックインレットに導入されるパルプスラリーの
固形分濃度が0.5%以下の条件で、ツインワイヤー型
抄紙機を使って抄造され、かつ抄紙時における上部ワイ
ヤーの脱水比率を12%以下にすることによって、該転
写紙の灰分の表裏差と標準偏差を規定値内に納める事が
できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 64g/m2の電子写真用転写紙を基準と
    し、厚さ方向(Z方向)に12分割し、該転写紙の表面
    の灰分量(S1)と紙の裏面の灰分量(W1)の差の絶
    対値が3%以内であることを特徴とする電子写真用転写
    紙。
  2. 【請求項2】 64g/m2の電子写真用転写紙を基準と
    し、厚さ方向(Z方向)に12分割し、その灰分量の標
    準偏差が1.0%以内であることを特徴とする請求項1
    記載の電子写真用転写用紙。
  3. 【請求項3】 電子写真用転写紙が、古紙パルプを含有
    してなることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写
    真用転写紙。
  4. 【請求項4】 電子写真用転写紙の製造方法において、
    該転写紙がツインワイヤー型抄紙機を使って抄造され、
    抄紙速度が800m/min.以上で、ストックインレ
    ットに導入されるパルプスラリーの固形分濃度が0.5
    %以下であり、かつ抄紙時における上部ワイヤーの脱水
    比率が12%以下として該転写紙を製造し、該転写紙の
    表裏の灰分差の絶対値を3%以内とし、更に灰分量の標
    準偏差を1%以内にすることを特徴とする電子写真用転
    写用紙の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007121409A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用転写紙、及びこれを用いた画像形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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