JPH08179291A - 液晶表示素子用プラスチック基板の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子用プラスチック基板の製造方法

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JPH08179291A
JPH08179291A JP32541494A JP32541494A JPH08179291A JP H08179291 A JPH08179291 A JP H08179291A JP 32541494 A JP32541494 A JP 32541494A JP 32541494 A JP32541494 A JP 32541494A JP H08179291 A JPH08179291 A JP H08179291A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチック基材シートの光学的特性に悪影
響を及ぼすおそれがなく、また、製造工程におけるプラ
スチック基板シートのロスの発生を防止することができ
るとともに耐溶剤性の劣るプラスチックからなる基材シ
ートを用いる場合にも製造上の制約を受けることがない
液晶表示素子用プラスチック基板シートの製造方法を提
供する 【構成】 表面平滑性の高い耐熱性支持体1上に、ハー
ドコート層2、ガスバリア層3をこの順に形成して転写
用積層体5とする一方、高分子材料からなる基材4を用
意し、この基材4と転写用積層体5とを基材4の一方の
面と転写用積層体5のガスバリア層3とが対向する状態
で接着し、しかる後、転写用積層体5を構成する耐熱性
支持体1を剥離除去することにより、基材4上に、ガス
バリア層3、ハードコート層2がこの順に積層された液
晶表示素子用プラスチック基板6とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子用プラスチ
ック基板の製造方法に関し、特に基材シートのロスの発
生が少ないとともに、基材シートの光学特性に悪影響を
及ぼすことのない液晶表示素子用プラスチック基板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】基板にプラスチックを用いたプラスチッ
ク基板液晶表示素子は、ガラス基板を用いた液晶表示素
子に比較して軽量であるとともに可撓性を具え基板が破
損しにくい等の利点を有することから、種々の用途への
応用が期待されている。
【0003】すなわち、ガラスは、液晶表示素子の基板
に要求される透明性、光学等方性、ガスバリア性、耐薬
品性、耐熱性、平滑性、寸法安定性等に優れた材料では
あるが、柔軟性に欠けることから例えば電子手帳、ノー
ト型パソコン等の携帯用端末のディスプレーに用いる
と、破損することがある。
【0004】これに対し、プラスチックは柔軟性を有
し、重量が軽く、ロールによる長尺加工が可能である等
の特性を具えていることから例えば前記の携帯用端末の
ディスプレーに用いられる液晶表示素子の基板材料とし
て注目されている。ただし、プラスチックシート単体で
は、前述した基板材料の要求特性を満足することができ
ないため、ガスバリア性を付与するためのガスバリア
層、高い表面硬度を付与するためのハードコート層等の
各機能性膜をプラスチックシートに積層する必要があ
る。特に、ガスバリア層とハードコート層とは、一般
に、この順にプラスチックシート上に積層され、これら
の層はいずれもコーティング法により形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
製造方法により液晶表示素子用プラスチック基板を製造
する場合には、プラスチック基材シート上に直接に溶液
状態の機能性膜形成樹脂を塗布した後、溶剤成分を乾燥
するために熱をかける必要があり、この熱によりプラス
チック基材の光学的特性に悪影響を及ぼすおそれがあ
る。また、耐溶剤性の劣るプラスチックを用いる場合に
は、例えば機能性膜形成樹脂を水系で塗布しなければな
らないという製造上の制約を受けることになる。
【0006】さらに、従来の製造方法において、コーテ
ィングはロールあるいは枚葉の状態のプラスチック基材
シート上に行なうため、コーティング時に不良部分が発
生した場合には、プラスチック基材シートごと廃棄しな
ければならず、複数回のコーティングによるプラスチッ
ク基材シートのロスは液晶表示素子用プラスチック基板
を製造するうえで大きな問題となっている。
【0007】本発明はかかる事情に基づいてなされたも
のであり、本発明の目的は、プラスチック基材シートの
光学的特性に悪影響を及ぼすおそれがなく、また、製造
工程におけるプラスチック基板シートのロスの発生を防
止することができるとともに耐溶剤性の劣るプラスチッ
クからなる基材シートを用いる場合にも製造上の制約を
受けることがない液晶表示素子用プラスチック基板シー
トの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の液晶表示素子用プラスチック基板の製造方
法は、高分子材料からなる基材上にガスバリア層とハー
ドコート層とがこの順に積層されてなる液晶表示素子用
プラスチック基板の製造方法であって、表面平滑性の高
い耐熱性支持体上にハードコート層を形成した後、該ハ
ードコート層上にガスバリア層を形成して転写用積層体
を形成し、次いで、高分子材料からなる基材と前記転写
用積層体とを該基材の一方の面と該転写用積層体のガス
バリア層とが対向する状態で接着し、その後、前記積層
体を構成する前記耐熱性支持体を剥離除去する構成と
し、さらに必要に応じて、前記ガスバリア層の形成にプ
ラズマCVD法を用い、このプラズマCVD法において
有機珪素化合物を気化させて得られるガスと酸素ガスと
不活性ガスとの混合比を変化させることにより、炭素、
水素、珪素および酸素のうちの1種もしくは2種以上の
混合物または化合物の含有量が膜表面から深さ方向に向
かって減少する珪素酸化物膜を形成し、この珪素酸化物
膜をガスバリア層とする構成とした。
【0009】
【作用】本発明のプラスチック液晶表示素子の製造方法
においては、先ず、表面平滑性の高い耐熱性支持体を用
意し、この表面平滑性の高い耐熱性支持体上にハードコ
ート層を形成する。次いで、このハードコート層上にガ
スバリア層を形成する。これにより、表面平滑性の高い
耐熱性支持体上に、ハードコート層、ガスバリア層がこ
の順に積層された転写用積層体が得られる。一方、高分
子材料からなる基材を用意する。そして、この高分子材
料からなる基材と前記転写用積層体とを接着する。この
とき、前記転写用積層体と高分子材料からなる基材と
は、転写用積層体のガスバリア層側と基材の一方の面と
が対向する状態で接着する。これにより、高分子材料か
らなる基材上にガスバリア層、ハードコート層、表面平
滑性の高い耐熱性支持体がこの順に積層されることにな
る。その後、表面平滑性の高い耐熱性支持体を剥離除去
すると、高分子材料からなる基材上に、ガスバリア層、
ハードコート層がこの順に積層された液晶表示素子用プ
ラスチック基板が得られる。このようにして得られる液
晶表示素子用プラスチック基板は、表面平滑性の高いハ
ードコート層を有するものである。それ故、本発明の方
法により製造される液晶表示素子用プラスチック基板を
一対用意し、各基板のハードコート層面に透明電極層を
設けた後、透明電極層面同士を対向させて配設し、この
基板間に液晶材料を注入し封止すれば、基板間隔が一定
で安定した性能を発揮する液晶表示素子を得ることがで
きる。このように、本発明の製造方法は、高分子材料か
らなる基材上に直接にガスバリア層、ハードコート層を
形成するものではなく、一旦、表面平滑性の高い耐熱性
支持体上に、ハードコート層、ガスバリア層をこの順に
形成して積層体とした後、この積層体をガスバリア層側
から高分子材料からなる基材に接着し、しかる後、表面
平滑性の高い耐熱性支持体を剥離除去することにより高
分子材料からなる基材上に、ガスバリア層、ハードコー
ト層がこの順に積層された液晶表示素子用プラスチック
基板を製造するように構成されている。したがって、こ
の方法によれば、ガスバリア層およびハードコート層の
各層をコーティングにより形成する場合でも、溶剤成分
の乾燥に要する熱が高分子材料からなる基材の光学特性
に悪影響を及ぼす心配は皆無であり、またコーティング
時に不良部分が発生した場合でも、高分子材料からなる
基材のロスが発生することはない。しかも、この方法に
よれば、液晶材料側の最表面となるハードコート層が、
製造工程中、表面平滑性の高い耐熱性支持体により保護
されるので、製造工程におけるハードコート層の傷つき
・汚染が防止される。
【0010】また、本発明のプラスチック液晶表示素子
の製造方法においては、必要に応じて、ガスバリア層の
形成にプラズマCVD法を用い、このプラズマCVD法
において有機珪素化合物を気化させて得られるガスと酸
素ガスと不活性ガスとの混合比を変化させることによ
り、炭素、水素、珪素および酸素のうちの1種もしくは
2種以上の混合物または化合物の含有量が膜表面から深
さ方向に向かって減少する珪素酸化物膜を形成し、この
珪素酸化物膜をガスバリア層としてもよい。このように
すれば、緻密でガスバリア性が極めて高いとともに耐衝
撃性の優れた珪素酸化物の連続層からなるガスバリア層
が形成される。しかも、この珪素酸化物膜は、炭素、水
素、珪素および酸素のうちの1種もしくは2種以上の混
合物または化合物を含有し、かつその含有量が膜表面か
ら深さ方向に向かって減少するように、すなわち膜表面
における含有量が最も多く、高分子材料からなる基材と
の界面における含有量が最も少なくなるように形成され
ているので、最もクラックが発生し易いガスバリア層表
面では耐衝撃性が向上する一方、ガスバリア層とハード
コート層との密着は強固なものとなる。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明する。図1(イ)に示すように、先ず、表面平
滑性の高い耐熱性支持体1を用意する。 耐熱性支持体
1は、表面平滑性が高く、かつ耐熱性に優れていること
が必要であり、表面平滑度は、通常、Ra =0.2μm
以下、耐熱温度は、通常、120℃以上である。また、
耐熱性支持体1は、この耐熱性支持体1上に積層される
ハードコート層2との間で剥離可能な性質を有している
ことが必要である。
【0012】上記の性質を有する耐熱性支持体1の形成
材料としては、例えば2軸延伸ポリエステルフィルムが
挙げられる。耐熱性支持体1の厚さは、通常、25〜2
00μm程度である。
【0013】次に、図1(ロ)に示すように、耐熱性支
持体1上に、ハードコート層2を形成する。ハードコー
ト層2は高い表面硬度を有し、後に詳述する基材4の可
撓性を損ねることなく基材4に耐衝撃性を付与するとと
もに基材4の表面の傷つき・汚染を防止する作用乃至機
能を有する層であり、形成材料としては、例えばウレタ
ンアクリレート系樹脂、フェノキシエーテル系樹脂、エ
ポキシ系樹脂などが挙げられる。
【0014】このハードコート層2の形成にはコーティ
ング法を好適に採用することが可能であり、具体的に
は、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート
法、ダイコート法等の各種コーティング法をいずれも好
適に採用することができる。
【0015】このようにして形成されるハードコート層
2の厚さは、通常、5〜30μm程度である。次いで、
図1(ハ)に示すように、ハードコート層2上に直接に
あるいは接着剤を介してガスバリア層3を形成する。な
お、接着剤としては、例えばポリエステルウレタン系樹
脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられる。
【0016】ガスバリア層3は、後に詳述する基材4に
ガスバリア性を付与する作用乃至機能を有する層であ
り、コーティング法を採用して塗設してもよいし、物理
的気相蒸着(PVD)法、化学的気相蒸着(CVD)法
等の手法を採用して連続層として形成してもよい。
【0017】ガスバリア層3をコーティング法を採用し
て形成する場合、ガスバリア層3の形成材料としては、
例えばポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリシラザンなど
が挙げられる。
【0018】コーティング法により形成されるガスバリ
ア層3の厚さは、通常、0.3〜20μm程度である。
一方、ガスバリア層3を連続膜として形成する場合に
は、特に有機珪素化合物を気化させて得られるガスと酸
素ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いた次のような特
定のプラズマCVD法を好適に採用することができる。
【0019】図2は本発明の液晶表示素子用プラスチッ
ク基板の製造方法において好適に使用可能なプラズマC
VD装置の一例を示す説明図である。図2に示すよう
に、このプラズマCVD装置11は、チャンバー12、
このチャンバー12内に配設された供給ローラ13、巻
取ローラ14、冷却・電極ドラム15、補助ローラ1
6、16を備え、冷却・電極ドラム15は電源17に接
続されているとともに、チャンバー12内は真空ポンプ
18により所望の真空度に設定できるように構成されて
いる。また、チャンバー12内の冷却・電極ドラム15
の近傍には、原料供給ノズル19の開口部が設けられ、
この原料供給ノズル19の他端はチャンバー12外部に
配設されている原料気化供給装置21およびガス供給装
置22に接続されている。さらに、冷却・電極ドラム1
5の近傍にはプラズマの発生を促進するマグネット23
が設けられている。
【0020】このプラズマCVD装置を使用してガスバ
リア層3を形成する場合、先ず、ハードコート層2が形
成された耐熱性支持体1の原反をプラズマCVD装置の
供給ローラ13に装着し、補助ローラ16、冷却・電極
ドラム15、補助ローラ16を経由して巻取ローラ14
に至る原反搬送パスを形成する。
【0021】次いで、真空ポンプ18によりチャンバー
12内を真空度10-1〜10-8torr、好ましくは真空度
10-3〜10-7torrに減圧する。そして、原料気化供給
装置21において原料である有機珪素化合物を気化させ
て得られるガスと、ガス供給装置22から供給される酸
素ガスおよび不活性ガスとを混合させ、この混合ガスを
原料供給ノズル19を介してチャンバー12内に導入す
る。ここで、この混合ガス中のそれぞれのガスの含有率
は、有機珪素化合物を気化させて得られるガスが1〜4
0%、酸素ガスが10〜70%、不活性ガスが10〜6
0%の範囲で変化させることが可能であり、例えば有機
珪素化合物を気化させて得られるガスと酸素ガスと不活
性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度と
することができる。
【0022】一方、冷却・電極ドラム15には電源17
からの所定の電圧が印加されているため、チャンバー1
2内の原料供給ノズル19の開口部と冷却・電源ドラム
15との近傍でグロー放電プラズマPが発生する。この
グロー放電プラズマPは、混合ガス中の1つ以上のガス
成分から導出されるものである。この状態で、ハードコ
ート層2が形成された耐熱性支持体1を一定速度で搬送
させ、グロー放電プラズマPによって冷却・電極ドラム
15の周面上の耐熱性支持体1上に形成されているハー
ドコート層2上に珪素酸化物の連続層からなるガスバリ
ア層3を形成する。このときのチャンバー12内の真空
度は、10-1〜10-4torr、好ましくは10-1〜10-2
torrとする。また、ハードコート層2が形成された耐熱
性支持体1の搬送速度は10〜300m/分、好ましく
は50〜150m/分とする。
【0023】このようにハードコート層2上にガスバリ
ア層3が形成された耐熱性支持体1は巻取ローラ14に
巻き上げられる。このように有機珪素化合物を気化させ
て得られるガスと、ガス供給装置22から供給される酸
素ガスおよび不活性ガスとの混合ガスの混合比を変化さ
せる特定のプラズマCVD法においては、得られる珪素
酸化物の連続層中に含有される炭素、水素、珪素および
酸素のうちの1種もしくは2種以上の混合物または化合
物の含有量が膜表面から深さ方向に向かって減少するよ
うに混合ガスの混合比を変化させる。
【0024】このような特定のプラズマCVD法を採用
したガスバリア層3の形成では、プラズマ化した原料ガ
スを酸素で酸化しながらSiOx の形でハードコート層
2上に薄膜が形成されるので、形成された珪素酸化物の
薄膜は緻密で隙間の少ない連続層となる。したがって、
このような珪素酸化物の連続層からなるガスバリア層3
のバリア性は、従来の真空蒸着により形成された珪素酸
化物膜のバリア性よりもはるかに高いものとなり、薄い
層厚で充分なバリア性を得ることができる。また、Si
x プラズマによりハードコート層2の表面が清浄化さ
れ、ハードコート層2の表面に極性基やフリーラジカル
が発生するので、形成された珪素酸化物の薄膜とハード
コート層2との接着性が高いものとなる。さらに前述の
ように珪素酸化物薄膜の形成時の真空度は10-1〜10
-4torr、好ましくは10-1〜10 -2torrであり、従来の
真空蒸着による珪素酸化物膜形成時の真空度(10-4
10-5)torrに比べて低いので、ハードコート層2が形
成された耐熱性支持体1の原反交換の際の真空状態設定
時間を短くすることができ、真空度も安定し易く、成膜
プロセスが安定する。
【0025】このプラズマCVD法において使用に供す
る有機珪素化合物としては、例えば1,1,3,3-テトラメチ
ルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルト
リメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメ
チルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメ
チルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニ
ルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルエトキシシ
ラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどが挙げ
られる。これらのかでも、1,1,3,3-テトラメチルジシロ
キサン、ヘキサメチルジシロキサンが特に好適に用いら
れる。これらの有機珪素化合物は、常温・常圧では液体
である。
【0026】このようにして得られる珪素酸化物の連続
層からなるガスバリア層3の性質は、珪素酸化物連続層
の組成SiOx のXの値および層厚により決定され、ハ
ードコート層2が形成された耐熱性支持体1の搬送速
度、プラズマ発生時の電気的パワー、混合ガスの混合比
を適正化することにより良好な珪素酸化物連続層を形成
することができる。特に、炭素、水素、珪素および酸素
のうちの1種もしくは2種以上の混合物または化合物の
含有量が膜表面において最も多く、高分子材料からなる
基材との界面において最も少なくなるように混合ガスの
混合比を変化させることにより、最もクラックが発生し
易いガスバリア層表面では耐衝撃性が向上する一方、ガ
スバリア層3とハードコート層2との密着は強固なもの
となる。
【0027】この特定のプラズマCVD法を採用してガ
スバリア層3を形成する場合、ガスバリア層3の厚さ
は、通常、0.02〜0.1μm程度である。本発明の
方法においては、上述のようにして耐熱性支持体1上
に、ハードコート層2、ガスバリア層3をこの順に形成
して転写用積層体5を作成する一方、高分子材料からな
る基材4を用意する。
【0028】基材4の形成材料としては、液晶表示素子
に要求される光学的特性の点から、例えばポリカーボネ
ート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエチレン
テレフタレート樹脂などが好適に用いられる。
【0029】基材4はシート形状で使用に供される。図
1(ニ)に示すように、本発明の方法では、基材4と上
記の転写用積層体5とを接着剤または粘着剤を介して接
着する。この接着は、基材4の一方の面と転写用積層体
5のガスバリア層3との間で行なう。なお、図1(ニ)
において、6は接着層である。
【0030】ここで、接着に用いることのできる接着剤
・粘着剤としては、例えばウレタン系接着剤、アクリル
系接着剤などが挙げられる。これらの接着剤・粘着剤か
らなる接着層6の厚さは、通常、1〜20μm程度であ
る。
【0031】図1(ホ)に示すように、本発明の方法に
おいては、上述のようにして基材4と上記の転写用積層
体5とを接着した後、転写用積層体5を構成する耐熱性
支持体1をハードコート層2との界面から剥離し、除去
することにより液晶表示素子用プラスチック基板7を得
る。
【0032】このようにして得られる液晶表示素子用プ
ラスチック基板7は、高分子材料からなる基材4上に、
バリア性に優れるガスバリア層3、表面平滑性の高いハ
ードコート層2がこの順に積層されたものであり、可撓
性を有しているとともに割れにくいという利点を有し、
しかも光学的要求性能を満足していることから、例えば
電子手帳、ノート型パソコン等の携帯用端末の液晶表示
素子を構成する基板として好適に利用可能である。
【0033】
【発明の効果】以上に詳述した通り、本発明の液晶表示
素子用プラスチック基板の製造方法によれば、表面平滑
性に優れ、かつ耐熱性を具えた耐熱性支持体上に、ハー
ドコート層、ガスバリア層をこの順に形成して転写用積
層体とした後、この転写用積層体と高分子材料からなる
基材とを、転写用積層体のガスバリア層と基材の一方の
面とが対向する状態で接着し、しかる後、転写用積層体
を構成する耐熱性支持体を剥離除去することにより、高
分子材料からなる基材上に、ガスバリア層とハードコー
ト層とを転写する構成としたので、本発明の方法によれ
ば、ガスバリア層およびハードコート層の各層をコーテ
ィングにより形成する場合でも、溶剤成分の乾燥に要す
る熱が高分子材料からなる基材の光学特性に悪影響を及
ぼす心配は皆無であり、またコーティング時に不良部分
が発生した場合でも、高分子材料からなる基材のロスが
発生することはない。しかも、この方法によれば、液晶
材料側の最表面となるハードコート層が、製造工程中、
表面平滑性の高い耐熱性支持体により保護されるので、
製造工程におけるハードコート層の傷つき・汚染が確実
に防止される。
【0034】また、ガスバリア層を特定のプラズマCV
D法を採用してハードコート層上に特定の珪素酸化物の
連続層を成膜することにより形成するようにすれば、緻
密でバリア層に優れ、しかも最もクラックが発生し易い
最表面の耐衝撃性が向上しているとともに、ハードコー
ト層との密着性が強固なガスバリア層を有する液晶表示
素子用プラスチック基板を効率良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子用プラスチック基板の製
造方法を工程順に示す説明図である。
【図2】本発明の方法において好適に使用することので
きるプラズマCVD装置の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…耐熱性支持体 2…ハードコート層 3…ガスバリア層 4…基材 5…転写用積層体 7…液晶表示素子用プラスチック基板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料からなる基材上にガスバリア
    層とハードコート層とがこの順に積層されてなる液晶表
    示素子用プラスチック基板の製造方法であって、表面平
    滑性の高い耐熱性支持体上にハードコート層を形成した
    後、該ハードコート層上にガスバリア層を形成して転写
    用積層体を形成し、次いで、高分子材料からなる基材と
    前記転写用積層体とを該基材の一方の面と該転写用積層
    体のガスバリア層とが対向する状態で接着し、その後、
    前記転写用積層体を構成する前記耐熱性支持体を剥離除
    去することを特徴とする液晶表示素子用プラスチック基
    板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ガスバリア層の形成にプラズマCV
    D法を用い、このプラズマCVD法において有機珪素化
    合物を気化させて得られるガスと酸素ガスと不活性ガス
    との混合比を変化させることにより、炭素、水素、珪素
    および酸素のうちの1種もしくは2種以上の混合物また
    は化合物の含有量が膜表面から深さ方向に向かって減少
    する珪素酸化物膜を形成し、この珪素酸化物膜をガスバ
    リア層とする請求項1記載の液晶表示素子用プラスチッ
    ク基板の製造方法。
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