JPH08177928A - ロータリダンパ - Google Patents

ロータリダンパ

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Publication number
JPH08177928A
JPH08177928A JP33584994A JP33584994A JPH08177928A JP H08177928 A JPH08177928 A JP H08177928A JP 33584994 A JP33584994 A JP 33584994A JP 33584994 A JP33584994 A JP 33584994A JP H08177928 A JPH08177928 A JP H08177928A
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JP
Japan
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vanes
oil
vane
shaft
casing
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Pending
Application number
JP33584994A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyo Horiba
千誉 堀場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08177928A publication Critical patent/JPH08177928A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2202/00Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
    • B60G2202/20Type of damper
    • B60G2202/22Rotary Damper

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 チェックバルブの個数を半減して加工および
組立工数の減少を図ると共に、併せてロータリダンパと
しての有効ストロークの短縮化をも防止する。 【構成】 油室からアキュムレータに向う作動油の流れ
を直接シャフトとベアリングの摺接隙間を通して許容す
ると共に、上記と逆向きの流れを当該摺接隙間からベー
ンの内部油路とその出口部分に設けたチェックバルブと
を通して許容する構造のロータリダンパにおいて、チェ
ックバルブをベーンの両側の油室に直に向けて一個づつ
合計二個配置する代わりに、当該チェックバルブ19,
30をベーン15,16の先端に一個づつ配置し、これ
らチェックバルブ29,30から各ベーン15,16の
先端とケーシング2との間のクリアランスを通して油室
17〜20に繋ぐ一方、これらチェックバルブ29,3
0をカートリッジとしてベーン15,16の内部油路2
8a,28bの出口部分に埋設して設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、往復回動運動を利用
して車両やその他の機器の外部振動を減衰する油圧式の
ロータリダンパの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の油圧式のロータリダンパ
としては、例えば、平成6年特許出願公開第12946
7号公報において開示された図5および図6に示すもの
が既に知られている。
【0003】すなわち、このものは、内周面に二つのセ
パレートブロックbを対向して設けた円筒状のケーシン
グaの両端開口部にそれぞれ耐圧壁面を構成するサイド
ケースc,dを当て、これらサイドケースc,dをケー
シングaにボルトeで固定して当該ケーシングaの両端
開口部を塞いでいる。
【0004】左右のサイドケースc,d間には、軸受
f,gを介してシャフトhを回動自在に挿通し、かつ、
ケーシングa内に位置して当該シャフトhの外周に二枚
のベーンiをもつベーン体jをスプラインkで結合して
いる。
【0005】ベーンiおよびセパレートブロックbの先
端は、それぞれケーシングaの内周面とベーン体jの外
周面との間に所定のクリアランスを保って対向し、これ
らセパレートブロックbとベーンiとでケーシングaの
内部を四つの油室rに区画している。
【0006】また、サイドケースc,dの内周端部分に
は、当該サイドケースc,dの内面から表面を僅かに突
出させてスラスト受け用のベアリングn,qを嵌着し、
これらベアリングn,qでシャフトhに加わるスラスト
荷重を受け止めつつ、かつ、サイドケースc,dの内面
とベーンiの側面との間に所定のクリアランスを確保し
ている。
【0007】一方、前記油室rを、スプラインkにより
互いに通じているベアリングn,qとベーン体jおよび
シャフトhとの摺接隙間から、ベアリングgとシャフト
hとの摺接隙間を通してシャフトh内に設けたアキュム
レータsに連通すると共に、上記スプラインkの部分
を、ベーンiに形成した内部油路uから当該内部油路u
の出口部分に配設したチェックバルブvを通して各油室
rに連通している。
【0008】かくして、ケーシングaとシャフトhとの
間に相対的な回動運動が生じると、両セパレートブロッ
クbの間にベーンiを挟んで両側に位置する油室rの一
方が収縮されると同時に他方が拡張される。
【0009】これにより、収縮された油室r内の作動油
は、上記ベアリングgとシャフトhとの間の摺接隙間か
らアキュムレータs内へと流出しようとするが、このよ
うな油室r内の動圧に対しては、上記ベアリングgとシ
ャフトhとの間の摺接隙間が絞り効果を発揮してこれを
カットする。
【0010】その結果、作動油が収縮側の油室rから上
記したベーンiとセパレートブロックbの先端およびベ
ーンiの両側面にあるクリアランスを通して拡張側の油
室rに押し出され、これらクリアランスを通る作動油の
流動抵抗で所定の減衰力を発生する。
【0011】それに対して、温度変化に伴う比較的ゆっ
くりとした油室r内の作動油の静圧的な圧力変動に際し
ては、ベアリングgとシャフトhとの間の摺接隙間が絞
り効果を発揮することなく、上昇時には、油室r内の作
動油が当該摺接隙間を通してアキュムレータsに吸収さ
れる。
【0012】また、下降時には、アキュムレータsから
上記ベアリングgとシャフトhとの間の摺接隙間を通
り、かつ、スプラインkおよびベーンiの内部油路uを
通してチェックバルブvを開きつつ各油室rに作動油が
補給され、このようにして、油室r内の作動油に過不足
が生じるのを防止する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の油圧式のロータリダンパにあっては、ベーンiに穿っ
た縦孔とこれに直交する貫通孔とで内部油路uを構成
し、かつ、当該貫通孔の両端出口部分に位置してそれぞ
れチェックバルブvを配設している。
【0014】そのために、一つのベーンiに対して二つ
のチェックバルブvが必要となるので、部品点数が多く
なると共に加工および組立工数も多くなって製作に多大
の手数を要するという欠点をもつ。
【0015】また、チェックバルブvを板状のバルブで
構成し、これを固定ピンwと回り止めピンyでベーンi
に取り付けるようにしているために、その取り付けに手
数が掛る。
【0016】しかも、これらピンw,yがベーンiの表
面から突出することになるので、その突出分だけロータ
リダンパとしての有効ストロークが減殺されるという欠
点をも有する。
【0017】したがって、この発明の目的は、チェック
バルブの個数を半減して加工および組立工数の減少を図
ると共に、併せて、有効ストロークをも損なうことのな
いこの種のロータリダンパを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発
明において、チェックバルブをベーンの先端部分に位置
して配置し、かつ、当該チェックバルブからベーンの先
端とケーシングとの間のクリアランスを通して各油室に
繋ぐことによって達成される。
【0019】さらに、好ましくは、上記と併せてチェッ
クバルブをカートリッジとして形成し、当該チェックバ
ルブをベーンの内部油路の先端部分に埋設して嵌着する
ことによりさらに一層効果的に達成される。
【0020】
【作用】すなわち、このものによれば、ベーンに対して
縦孔による内部油路を形成し、この内部油路が一個のチ
ェックバルブによりベーンとケーシングとの間のクリア
ランスを通して当該ベーンの両側の油室の何れにも連通
する。
【0021】その結果、チェックバルブの個数が半減
し、それに伴って、部品管理の手数と併せて加工および
組立工数も低減する。
【0022】また、チェックバルブをカートリッジとし
て構成し、これをベーンの内部油路の先端部分に埋設し
て嵌着したことにより、当該チェックバルブがベーンの
表面から突出することがなくなるのでロータリダンパと
しての有効ストロークを何等損なうこともない。
【0023】
【実施例】以下、図面に基づいてこの発明の実施の一例
を説明する。
【0024】図1は、図2のA−A線に沿う切断展開図
を示すものであって、ロータリダンパ1は、円筒状をし
たケーシング2と、当該ケーシング2の両端開口部に嵌
着したサイドケース3,4と、これらサイドケース3,
4によって回動自在に支持したシャフト5と、ケーシン
グ2およびサイドケース3,4並びにシャフト5とによ
って画成された作動室6(図2参照)とを備えている。
【0025】ケーシング2は、作動室6の外周耐圧壁面
を構成しており、かつ、両端内周面を切り欠くことによ
り、中央部分に所定の長さ寸法を残して両端部分をそれ
ぞれ薄肉部2a,2bに構成している。
【0026】また、内周面には、図2にみられるよう
に、180度の位相差をもって軸方向に向う二つ(一つ
或いは三つ以上であってもよい)の溝7a,7bを穿
ち、これら溝7a,7b内にセパレートブロック8,9
をそれぞれの基端側を嵌着して設けてある。
【0027】セパレートブロック8,9は、それぞれの
幅方向の長さ寸法を上記ケーシング2における中央部分
の所定の長さ寸法に適合して構成(図1参照)し、か
つ、基端側の厚さ寸法を先端側の厚さ寸法よりも大きく
作ってある。
【0028】図1に戻って、サイドケース3,4は、作
動室6の両側耐圧壁面を構成すると共に、シャフト5を
回動自在に支持するためのものである。
【0029】この実施例の場合、サイドケース3は、シ
ャフト5に対するジャナール軸受としての役目の他にス
ラスト荷重を支持するスラストブッシュとしての役目を
も併せもつ厚肉円板からなるベアリング3aと、密封用
のシール10を嵌装した薄肉キャップ3bとの二つの部
材に分けて構成してある。
【0030】同様に、サイドケース4もまた、ジャーナ
ル軸受としての役目の他にスラスト荷重を支持するスラ
ストブッシュとしての役目をも併せもつ厚肉円板のベア
リング4aと、密閉用の薄肉キャップ4bの二つの部材
にそれぞれ分けて構成している。
【0031】なお、上記薄肉キャップ4bには作動油の
注入孔4cが設けてあり、当該注入孔4cは、ロータリ
ダンパ1への作動油注入後にスチールボール4dによっ
て密封される。
【0032】このように、両サイドケース3,4を、単
純な形をした円板形状のベアリング3a,4aと密封用
の薄肉キャップ3b,4bとの二つの部材に分けて構成
することにより、サイドケースとしての本来の役目を確
保しつつ加工の容易化と軽量化とを図ることができる。
【0033】ベアリング3a,4aにおける背面側の外
周部分には、それぞれ面取りが施されており、これら面
取りによって薄肉キャップ3b,4bとの間に環状溝1
1a,11bを形成し、これら環状溝11a,11b内
にシール12a,12bを嵌装してある。
【0034】上記したサイドケース3,4は、ベアリン
グ3a,4aを内側にしてケーシング2における両端薄
肉部2a,2b内の突き当たりまで挿入される。
【0035】そして、しかる後に、これら両端薄肉部2
a,2bを薄肉キャップ3b,4bに沿って折り曲げ、
この折り曲げによる加締め13a,13bによってケー
シング2に対し一体的に取り付けられる。
【0036】かくして、ケーシング2と各サイドケース
3,4のベアリング3a,4aは、シャフト5と協同し
て密閉された作動室6を画成することになる。
【0037】シャフト5は、その外周に上記したケーシ
ング2の中央部分における所定の長さ寸法に適合する長
さの太径部5aを有し、この太径部5aの外周面に前記
ケーシング2側の溝7a,7bと同じように180度の
位相差をもつ軸方向の二つの溝14a,14b(図2参
照)を穿ち、これら溝14a,14b内に基端側を嵌着
してそれぞれベーン15,16を設けている。
【0038】これらベーン15,16もまた、セパレー
トブロック8,9と同様にケーシング2における中央部
分の所定の長さ寸法に適合して構成すると共に、基端側
の厚さ寸法を先端側の厚さ寸法よりも大きく構成してあ
る。
【0039】また、セパレートブロック8,9とベーン
15,16の高さは、それぞれの先端がシャフト5にお
ける太径部5aの外周面とケーシング2の内周面との間
に所定のクリアランスを保って対向する寸法に作ってあ
る。
【0040】これにより、セパレートブロック8,9と
ベーン15,16は、図2にみられるように、互いに協
同して作動室6内を四つの油室17,18,19,20
に区画すると共に、ケーシング2とシャフト5の相対的
な回動運動に伴い上記クリアランスを通して作動油のや
り取りを行いつつ油室17,19と油室18,20を交
互に収縮・膨張させることになる。
【0041】再び図1に戻って、シャフト5は、パイプ
状の中空構造として構成してあり、かつ、サイドケース
3,4のベアリング3a,4aによって回動自在に支持
されている。
【0042】シャフト5の一方の端部は、外方に向かっ
て先細りとなるテーパ21状に形成してあり、かつ、サ
イドケース3の薄肉キャップ3bを貫通して外部に延
び、その突出部分をシール10で油密に封じている。
【0043】また、シャフト5の他方の端部は、サイド
ケース4の薄肉キャップ4bの近くまで延びて当該薄肉
キャップ4b内に開口している。
【0044】上記シャフト5の外部への突出端は、他端
から穴加工を施すことによって閉じられており、かつ、
テーパ21の部分の外周面には、スプライン22が刻設
してあって外部振動体へと連結し得るようにしてある。
【0045】かくして、ロータリダンパ1は、外部振動
体からスプライン22を通してシャフト5に往復回動運
動が伝えられると、ベーン15,16が当該シャフト5
を通して軸心周りに左右に回動し、ケーシング2側のセ
パレートブロック8,9との間の油室17,19および
18,20を交互に収縮・拡張させる。
【0046】これにより、収縮する側の油室内の作動油
が、ベーン15,16の先端とケーシング2との間のク
リアランス、ベーン15,16の両側面とベアリング3
a,4aとの間のクリアランス、セパレートブロック
8,9の先端とシャフト5の太径部5aとの間のクリア
ランス、およびセパレートブロック8,9の両側面とベ
アリング3a,4aとの間のクリアランスを通して拡張
する側の油室に流れることになる。
【0047】そして、これらクリアランスを流れる作動
油の流動抵抗によって減衰力が発生し、この減衰力がベ
ーン15,16からシャフト5を通して外部の振動体に
作用し、当該振動体の動きを制振する。
【0048】この場合、油室17,19と油室18,2
0との間には、発生減衰力に基づく作動油の圧力差が生
じ、これら圧力差によってセパレートブロック8,9と
ベーン15,16をそれぞれ拡張する低圧側の油室に向
って押す。
【0049】この圧力差に基づく押圧力は、セパレート
ブロック8,9とベーン15,16を拡張側の油室に向
って押し倒そうとする転倒モーメントとして作用する。
【0050】そこで、図3を用いて、セパレートブロッ
ク8,9とベーン15,16に作用する上記転倒モーメ
ントについて考えてみることにする。
【0051】ただし、この図3にあっては、セパレート
ブロック8とベーン15のみを示してあるが、これらと
対向するセパレートブロック9とベーン16についても
全く同じことが言える。
【0052】今、油室17,19が収縮側になって内部
作動油圧力がPとなり、これら油室17,19に対向す
る拡張側の油室18,20の内部作動油圧力が仮にp=
0になったとする。
【0053】ここで、セパレートブロック8,9とベー
ン15,16の高さ寸法をH、幅寸法をB(図1参照)
とすると、これらセパレートブロック8,9とベーン1
5,16には、それぞれx点の周りに反時計回りの転倒
モーメントM M=B×H×P×H/2 =1/2×B×P×H2 …………… が作用する。
【0054】それに対して、セパレートブロック8,9
とベーン15,16は、前記したように、基端側の厚さ
寸法Tが先端側の厚さ寸法tよりも大きく構成してある
ために、これらの寸法差に基づく受圧面を有している。
【0055】その結果、これらの寸法差に基づく受圧面
にも油室17,19の内部作動油圧力Pが作用して、セ
パレートブロック8,9とベーン15,16には、x点
周りに逆向きの時計方向回りの復元モーメントm m=(T−t)/2×B×P×{T/2+t/2+(T−t)/4} =1/2×B×P×(T−t)×1/4×(3T+t) …………… が上記反時計回りの転倒モーメントMに抗して発生す
る。
【0056】勿論、この復元モーメントmは、上記基端
側と先端側の厚さ寸法の差に基づいて発生するものであ
る。
【0057】したがって、セパレートブロック8,9と
ベーン15,16の厚さ方向の断面が長方形であった場
合には、上記式において「T=t」となって復元モー
メントは働かない。
【0058】そのために、この場合には、ケーシング2
とセパレートブロック8,9およびシャフト5とベーン
15,16との間に転倒モーメントMに抗し得るだけの
結合強度を必要とする。
【0059】しかし、この実施例のロータリダンパ1に
あっては、前記したようにセパレートブロック8,9と
ベーン15,16の基端側と先端側との厚さ寸法の差に
基づく復元モーメントmが作用する。
【0060】そこで、この復元モーメントmが転倒モー
メントMと等しいか、或いはそれ以上になるように、す
なわち「M≦m」になるようにセパレートブロック8,
9とベーン15,16の基端側および先端側の厚さ寸法
T,tを選んでやる。
【0061】このようすれば、復元モーメントmが転倒
モーメントMに打ち勝つことになるので、セパレートブ
ロック8,9とベーン15,16がx点周りに反時計方
向へと転倒することはない。
【0062】そして、そのための条件は、上記式およ
び式において「M≦m」と置いて整理した H2≦1/4×(3T2−2Tt−t2)…………… で与えられることになる。
【0063】ただし、上記した式において、左辺と右
辺が等しくなるようににとった場合には、「M=m」と
なってセパレートブロック8,9とベーン15,16は
バランスした状態を保つ。
【0064】それに反して、右辺を大きくとった場合に
は、「M<m」となってセパレートブロック8,9とベ
ーン15,16には、復元モーメントmがx点周りに逆
方向の転倒モーメントとして働くことになる。
【0065】そのために、セパレートブロック8,9と
ベーン15,16は、復元モーメントmと転倒モーメン
トMとの差によって油室17,19側へと向って転倒し
ようとするが、これは、ケーシング2セパレートブロッ
ク8,9およびシャフト5とベーン15,16の接合面
の働きによって抑えることができる。
【0066】このことから、特に、当該実施例にあって
は、上記セパレートブロック8,9とベーン15,16
における基端部に厚さ方向へと向って両側から突出する
鍔部8a,9a,15a,16aを構成し、当該鍔部8
a,9a,15a,16aによってそれぞれの接合面の
厚さ方向の寸法を大きくとっている。
【0067】かくして、セパレートブロック8,9とベ
ーン15,16が転倒しないための条件は、上記式か
らそれらの幅寸法Bと作動油圧力Pによらずに、高さ寸
法Hと基端側の厚さ寸法Tおよび先端側の厚さ寸法tと
の断面形状のバランスによってのみ決定されることが分
かる。
【0068】したがって、上記式を満たすように、こ
れら高さ寸法Hと基端側の厚さ寸法Tおよび先端側の厚
さ寸法tを決めてやれば、ケーシング2とセパレートブ
ロック8,9およびシャフト5とベーン15,16の結
合は、単に当該部分のシール性を確保できる程度の結合
力でよいことになる。
【0069】そのための結合手段としては、溶接(蝋付
けを含む)や圧入或いは接着剤等が考えられる。
【0070】しかし、溶接では、加熱による熱変形が生
じるので高い寸法精度を必要とするロータリダンパ1に
は不向きであり、しかも、互いに結合されるケーシング
2とセパレートブロック8,9、およびシャフト5とベ
ーン15,16の材質や溶接棒或いは蝋材の選定にも制
限が生じる。
【0071】また、圧入ではシール性に難点があり、接
着材では厳しい使用環境が考えられるロータリダンパ1
にあっては耐久性の上で問題がある。
【0072】そこで、当該実施例にあっては、確実なシ
ール性と耐久性を有し、かつ、結合後の変形も少ない結
合手段として、ケーシング2側の溝7a,7bに対する
セパレートブロック8,9の嵌着部とシャフト5側の溝
14a,14bに対するベーン15,16の嵌着部に、
それぞれメタルフローまたはレーザ溶接を施して油密構
造にしてある。
【0073】すなわち、メタルフローは、一方の金属部
材に設けた溝内にもう一方の金属部材を冷間加工により
充分に流入させて強固な結合を得る加圧接合手段であっ
て、例えば、軸とプーリのように結合箇所が円または楕
円でしかもエンドレスである場合に適している。
【0074】しかし、この実施例のように、シール性の
確保を目的とするような場合にあっては、たとえ、上記
のような条件を満たさなくても、例えば、ケーシング2
の外周或いはシャフト5の太径部5aを金型で拘束し、
セパレートブロック8,9とベーン15,16をそれぞ
れ加圧することでケーシング2およびシャフト5の変形
を最小限に保って結合することができる。
【0075】また、レーザ溶接は、各種の溶接の中でも
他のものとは大きく異なり、局部的に熱を加えて結合す
る手段であるために熱変形が極めて少なく、したがっ
て、この実施例の場合の結合手段として適している。
【0076】なお、メタルフローやレーザ溶接によって
もセパレートブロック8,9とベーン15,16の結合
力をある程度確保できるので、その範囲内において先に
述べた復元モーメントmを転倒モーメントMよりも小さ
くとってやったとしても、セパレートブロック8,9と
ベーン15,16が転倒を起こすことはない。
【0077】一方、この種のロータリダンパ1にあって
は、作動油の温度変化やその他外部漏洩等によって油室
17〜20内に封入してある作動油に過不足が生じたと
すると、ロータリダンパ1としての減衰作用に直接悪影
響を与える。
【0078】そこで、これを防止し、かつ、併せてロー
タリダンパ1の作動方向における発生減衰力に差を与え
て外部振動体に生じた振動を効果的に制振するために、
当該実施例のロータリダンパ1は、以下に述べるような
構成を備えている。
【0079】すなわち、図1に示すように、中空構造に
したシャフト5の中空部23の内部にフリーピストン2
4を挿入し、当該フリーピストン24で中空部23内を
ガス室25とアキュムレータ油室26とに区画してい
る。
【0080】上記アキュムレータ油室26は、サイドケ
ース4における薄肉キャップ4bの内部からベアリング
4aとシャフト5の軸受面の摺接隙間を通り、かつ、図
2に示すベーン15,16の基端面に設けた油路27
a,27bを通してベーン15,16の内部油路28
a,28bに連通している。
【0081】これら内部油路28a,28bの先端部分
には、ベーン15,16の先端から当該内部油路28
a,28bに向い埋設して嵌着したチェックバルブ2
9,30が設けてある。
【0082】上記チェックバルブ29,30は同一の構
造となっており、図4にみられるように、ケース31を
絞り成形で構成することにより、当該ケース31内にチ
ェックボール32とチェックスプリング33を納めてそ
れぞれカートリッジ構造に構成してある。
【0083】そして、図2および図4から分かるよう
に、これらチェックバルブ29,30をそれぞれベーン
15,16の先端から内部油路28a,28b内に嵌着
して埋め込み、内部油路28a,28bをチェックバル
ブ29,30およびケーシング2の内周面とベーン1
5,16の先端との間のクリアランスを通してベーン1
5,16の左右にある油室17,20と油室18,19
に連通している。
【0084】一方、各油室17〜20は、ベーン15,
16の基端面に設けた油路27a,27bにより互いに
連通するシャフト5とベアリング3a,4aとの間の摺
接隙間を通してアキュムレータ油室26に通じると共
に、油室17,19は、ベーン15,16の側面に穿っ
た伸圧減衰力比設定用のオリフィス34a,34bを通
して内部油路28a,28bにも通じている。
【0085】かくして、ケーシング2とシャフト5との
間に相対的な回動運動が生じると、収縮された側の油室
内にある作動油がシャフト5とベアリング4aとの間の
摺接隙間を通してアキュムレータ油室26にも流出しよ
うとするが、このようにロータリダンパ1の作動によっ
て油室内に発生した動圧に対しては、上記シャフト5と
ベアリング4a間の摺接隙間が絞り効果を発揮してこれ
をカットする。
【0086】そのために、収縮側の油室内の作動油が、
先に述べたようにベーン15,16の先端とケーシング
2との間のクリアランス、ベーン15,16の両側面と
ベアリング3a,4aとの間のクリアランス、セパレー
トブロック8,9の先端とシャフト5の太径部5aとの
間のクリアランス、およびセパレートブロック8,9の
両側面とベアリング3a,4aとの間のクリアランスを
通して拡張する側の油室に流れ、これらクリアランスを
通る作動油の流動抵抗で所定の減衰力を発生することに
なるのである。
【0087】また、この場合、ベーン15,16の側面
に設けたオリフィス34a,34bは、上記ロータリダ
ンパ1の作動に際して油室17,19が収縮側になった
ときにのみ、当該油室17,19内の作動油の一部をオ
リフィス34a,34bから内部油路28a,28bお
よびチェックバルブ29,30を開いて拡張側の油室1
8,20に流し、当該方向への作動時における発生減衰
力の低下割合をこれらオリフィス34a,34bの圧損
でも制限しつつ反対方向の作動時における発生減衰力と
の間に適正な差を与える。
【0088】それに対して、温度変化に伴う比較的ゆっ
くりとした作動油の圧力変動に際しては、上昇時には、
シャフト5とベアリング4aとの間の摺接隙間が絞り効
果を発揮することなく、過剰になった油室17〜20内
の作動油を当該摺接隙間からアキュムレータ油室26に
向って流す。
【0089】逆に、下降時にあっては、アキュムレータ
油室26内に蓄圧されている作動油を、シャフト5とベ
アリング4aとの間の摺接隙間からベーン15,16の
内部油路28a,28b、チェックバルブ29,30、
およびケーシング2とベーン15,16間のクリアラン
スを通して各油室17〜20に吸い込む。
【0090】このようにして、油室17〜20内の作動
油に過不足が生じるのを防止して温度補償を行う。
【0091】しかし、これとても、温度変化に伴う作動
油の粘度変化に合わせてセパレートブロック8,9の先
端とベーン15,16周りのクリアランスを適切に変え
てやらないと、ロータリダンパ1としての発生減衰力特
性がバラツクことになる。
【0092】そのために、当該実施例にあっては、セパ
レートブロック8,9およびベーン15,16を、その
他の部材に比べて熱膨張係数の大きいアルミ材で構成し
てある。
【0093】そして、このようにセパレートブロック
8,9を含めてベー15,16をアルミ材で構成したと
しても、ベーン15,16のそれぞれの側面は、サイド
ケース3,4のベアリング3a,4aの内面と対面し、
しかも、これらベアリング3a,4aの内面を、シャフ
ト5とベーン15,16の結合部側面からベーン15,
16の側面に亙って容易に同一平面に保つことが可能で
ある。
【0094】その結果、シャフト5にスラスト荷重が加
わったとしても、当該スラスト荷重はこれらベアリング
3a,4aによって直接受け止められ、ベーン15,1
6の側面がベアリング3a,4aの内面に押し付けられ
て摺動することはない。
【0095】そのために、ベーン15,16の側面がベ
アリング3a,4aによって摩耗されることがないで、
長年の使用によってもこれらベアリング3a,4aの内
面とベーン15,16の側面との間のクリアランスは所
期の状態に保たれ、常に安定した減衰力特性を発揮す
る。
【0096】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、ベーンの先端にチェックバルブを設け、ケーシング
とベーン間のクリアランスを利用して当該チェックバル
ブに所期の機能をもたせたことにより、チェックバルブ
の個数を半減して部品管理の手数と加工および組立工数
を低減し、併せて、コストダウンをも図ることが可能に
なる。
【0097】また、請求項2の発明によれば、上記に加
えて、チェックバルブをカートリッジ化し、これをベー
ンの内部油路の先端部分に押し込んで嵌着したことによ
り、当該チェックバルブがベーンの表面から突出するこ
とがなくなるので、ロータリダンパとしての有効ストロ
ークを何等損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるロータリダンパ1の一実施例を
示す縦断正面図である。
【図2】同上、縦断側面図である。
【図3】セパレートブロックおよびベーンの取付機能説
明図である。
【図4】チェックバルブの拡大断面図である。
【図5】従来のロータリダンパを示す縦断正面図であ
る。
【図6】同じく、同上の縦断正面図である。
【符号の説明】
1 ロータリダンパ 2 ケーシング 3,4 サイドケース 3a,4a ベアリング 5 シャフト 15,16 ベーン 17,18,19,20 油室 26 アキュムレータ油室 28a,28b 内部油路 29,30 チェックバルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油室からアキュムレータに向う作動油の
    流れを直接シャフトとベアリングとの間の摺接隙間を通
    して許容すると共に、逆に、アキュムレータから油室に
    向う作動油の流れを上記摺接隙間からベーンに形成した
    内部油路と当該内部油路の出口部分に配設したチェック
    バルブとを通して許容する構造のロータリダンパにおい
    て、チェックバルブをベーンの先端部分に位置して配置
    し、かつ、当該チェックバルブからベーンの先端とケー
    シングとの間のクリアランスを通して各油室に繋いだこ
    とを特徴とするロータリダンパ。
  2. 【請求項2】 チェックバルブをカートリッジとして形
    成し、当該チェックバルブをベーンの内部油路の先端部
    分に埋設して嵌着した請求項1のロータリダンパ。
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