JP3734232B2 - ロータリーダンパ - Google Patents

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    • B60G2202/20Type of damper
    • B60G2202/22Rotary Damper

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、揺動運動を利用して車両やその他の外部振動を減衰する油圧式のロータリーダンパの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のロータリーダンパとしては、例えば、特願平6−261177号公報に示されるようなものが知られている。
図2は当該公報に開示された断面図を示すもので、ロータリーダンパ1は、円筒状のケーシング2と、当該ケーシング2の両端開口部に嵌着したサイドケース3,4と、これらケーシング2とサイドケース3,4によって画成された作動室5と、当該作動室5内に亙って配置したベーン体6と、当該ベーン体6に固定して嵌挿したシャフト7を備えている。
【0003】
ケーシング2は、作動室5の外周耐圧壁面を構成し、かつ、両端内周面を切り欠くことにより中央部分に所定の寸法を残してそれぞれ薄肉部2a,2bを形成している。
また、内周面には、180度の位相差をもつ二つのセパレートブロック8,9がメタルフロー又はレーザー溶接等にて固定してあり、これらセパレートブロック8,9は、それぞれの幅長を上記中央部分の所定の寸法に適合させている。
【0004】
サイドケース3,4は、作動室5の両側耐圧壁面を構成するとともに、ベーン体6のシャフト7を回動自在に支持するためのものである。
サイドケース3は、シャフト7に対する軸受部材としての役目の他にスラスト荷重を受け持つスラストブッシュとしての役目をも併有する厚肉円板からなるベアリング3aと、密封用のオイルシール10を嵌装した薄肉キャップ3bとの二つの部材に分けて構成されている。
同様に、サイドケース4もまた、軸受部材としての役目とスラスト荷重を受け持つスラストブッシュとしての役目をも併有する厚肉円板のベアリング4aと、密閉用の薄肉キャップ4bの二つの部材にそれぞれ分けて構成されている。
【0005】
このように、サイドケース3,4を単純な形をした円板形状の軸受用ベアリング3a,4aと密封用の薄肉キャップ3b,4bとで構成することにより、上記に述べた本来の役目を確保しつつ加工の容易化と軽量化とを図ることが可能になる。
なお、上記薄肉キャップ4bには作動油の注入孔4cが設けてあり、当該注入孔4cは、ロータリーダンパ1への作動油注入後にスチールボール4d等の密封手段によって密封される。
【0006】
ベアリング3a,4aにおける背面側の外周部分には、それぞれ面取りが施されていて薄肉キャップ3b,4bとの間に環状溝11a,11bを形成し、これら環状溝11a,11b内にシール12a,12bを嵌装している。
上記したサイドケース3,4は、ベアリング3a,4aを内側にしてケーシング2における両端薄肉部2a,2b内の突き当たりまで挿入され、しかる後に、これら両端薄肉部2a,2bを薄肉キャップ3b,4bに沿わせて折り曲げることにより、加締め39a,39bによってケーシング2に対し一体的に取り付けている。かくして、ケーシング2とサイドケース3,4は、互いに協同して密閉された作動室5を画成することになる。
【0007】
ベーン体6の外周面からは、ケーシング2側のセパレートブロック8,9と同数枚すなわち二枚のベーン13,14が180度の位相をもって突出しており、これらベーン13,14もまた、セパレートブロック8,9と同様にケーシング2における中央部分の所定の寸法に適合させている。
また、セパレートブロック8,9及びベーン13,14は、それぞれの先端がベーン体6の外周面及びケーシング2の内周面に所定の隙間を維持して摺接する。これにより、セパレートブロック8,9とベーン13,14は互いに協同して作動室5内を四つの油室15,16,17,18に区画するとともに、ベーン体6の回動に伴って油室15,17と油室16,18を交互に収縮、膨張させることになる。
【0008】
一方、ベーン体6に固定して嵌挿したシャフト7は、パイプ材を用いて中空構造に構成してあり、サイドケース3,4のベアリング3a,4aによって回動自在に支持されている。
シャフト7の一方の端部は、サイドケース3の薄肉キャップ3bを貫通して外部に延び、かつ、その突出部分をオイルシール10で密封している。また、シャフト7の他方の端部は、サイドケース4の薄肉キャップ4bの近くまで延びて当該薄肉キャップ4b内に開口している。シャフト7の外部への開口端部分は、外方に向かって先細りとなるテーパ19状に形成して連結部20を構成しており、この連結部20の部分にブロック21をシール21aを介して外部と遮断して嵌着している。
【0009】
かくして、上記構成のロータリダンパ1に対して、外部振動体から連結部20を通してシャフト7に往復回動運動が伝えられると、作動室5内においてベーン体6がベーン13,14とともに軸心周りに左右に回動し、ケーシング2側のセパレートブロック8,9との間の油室15,17及び16,18を交互に収縮、拡張させる。
【0010】
これにより、収縮する側の油室内の作動油が、ベーン13,14の先端とケーシング2との摺接隙間、ベーン13,14の両側面とベアリング3a,4aとの摺接隙間、セパレートブロック8,9の先端とベーン体6の摺接隙間、およびセパレートブロック8,9の両側面とベアリング3a,4aとの間の隙間を通して拡張する側の油室に流れる。
そして、これら隙間を流れる作動油の流動抵抗によって減衰力が発生し、この減衰力がベーン13,14からベーン体6およびシャフト7を通して外部の摺動体に作用し、当該振動体の動きを制振する。
【0011】
一方、シャフト7の中空部22は、外周にシール25aを嵌着したフリーピストン25によってブロック21側のガス室26と開口端側の貯油室27とに区画してあり、これらガス室26と貯油室27とでアキュムレータを構成している。アキュムレータの貯油室27は、サイドケース4の薄肉キャップ4bの内部からベアリング4aの軸受面に穿った油路28b、及びベーン体6とシャフト7との間の油路29a,29bを通してベーン13,14の内部油路30a,30bに連通している。
【0012】
そして、これら内部油路30a,30bがベーン13,14に圧入して設けたチェックバルブ31,32,33,34を通して各油室15〜18に連通するとともに、チェックバルブ31,33と並列に設けた伸圧減衰力比設定用のオリフィス35a,35bを通して油室15,17にも通じている。
更に、図2に示すように、これらチェックバルブ31〜34をそれぞれケース36を介してベーン13,14の両面に圧入して埋め込み、各チェックバルブ31〜34を通して内部油路30a,30bをそれぞれ油室15〜18に連通させている。
【0013】
これにより、作動油の温度変化や外部漏洩等によって油室15〜18内に封入した作動油に不足が生じたときには、貯油室27内の作動油を当該貯油室27と各油室15〜18を結ぶ上記経路を通してチェックバルブ31〜34を開きつつ油室15〜18に吸い込んでこの不足分を補充する。
逆に、過剰になった場合には、油室15〜18内の作動油を伸圧減衰力比設定用のオリフィス35a,35bから油路29a,29bおよび油路28bを通して貯油室27に押し出し、かくして、この過剰分を排除することによりロータリダンパ1としての減衰作用を保証する。
【0014】
一方、ロータリダンパ1の作動に際しては、油室15,17が収縮側になったときにのみ作動油の一部を伸圧減衰力比設定用のオリフィス35a,35bから上記経路を通してシャフト7内の貯油室27に逃がし、当該方向への作動時における発生減衰力の低下割合をオリフィス35a,35bの圧損で制限しつつ、反対方向の作動時における発生減衰力との間に適正な差を与える。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で説明した特願平6−261177号にあっては、ケーシング2とセパレートブロック8及び9を別体構造とし、メタルフロー又はレーザー溶接にて固定し、一体化するという構造となっているため、予めケーシング内部をホーニング等により加工し、真円度を確保しておいても、セパレートブロック8及び9を固定する際に内径が歪んでしまうという不具合が発生する。ケーシング2の内径部はベーンが一定のクリアランスで摺接しながら回動する構造であるため、内径部が歪んでいると、所望の減衰トルクが得られないばかりか、ベーンとケーシング内径部が干渉してしまい、スムーズな揺動運動を得ることができない。
【0016】
上記不具合を是正するためには、ケーシング2にセパレートブロック8,9を固定後に、内径の歪を修正する工程が必要となる。しかし、ケーシング2にセパレートブロック8,9を固定した後にはホーニング加工は出来ないため、歪取りの工数が非常に多大となり加工工数、工程ともに複雑となりケーシング2とセパレートブロックを分割した意味がなくなってしまうと言う問題があった。
更に、ケーシング2のセパレートブロック8,9を固定する部分の長手寸法と、セパレートブロック8,9の長手寸法を部品レベルで同一とすることは極めて困難であり、ギャップを生じてしまうためにギャップ部分からの作動油の洩れに起因して、減衰トルクがばらついてしまう言う問題もあった。
【0017】
上記不具合を是正するためには、ケーシング2にセパレートブロック8,9を固定した後に、両端薄肉部2a,2bを加工しなければならないため、加工性が悪く、更にセパレートブロック8,9の部分は、断続切削となり加工刃具の寿命が短く大量生産には向かないと言う問題があった。
また、上記従来技術にあっては、ケーシング2の両端を加締める構造となっていたため、シール用のOリングも2個所必要であり、しかも加締めを片方づつ実施しなければならないこともあって、組立工程を簡素化出来ず、組立工数,加工工数ともに低減することが難しいと言う問題もあった。
【0018】
本発明は以上のような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1にケーシングとセパレートブロックを一体化し、部品精度を確保し易い構造を提供すること、第2にパッキンケースでケーシングと両端のベアリングを包込み、端部1箇所のみを加締めて非分解化する構造を提供することであリ、第3に端部1箇所の加締め構造による組立性の改良、部品点数の削減等のコスト低減である。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明の手段は、パッキンケース内にケーシングを挟持する形態で耐圧壁を構成する左右一対のベアリングを嵌挿し、当該一対のベアリングによってケーシングの中心部にシャフトを回動自在に挿通し、前記パッキンケースの底部に介装したオイルシールによって内部を密閉するとともに,前記ケーシングの内周側に設けたセパレートブロックとシャフト側から延びるベーンとでケーシング内を複数の油室に区画したロータリーダンパにおいて、前記セパレートブロックを前記ケーシングと一体に成形し、前記パッキンケースをプレス成形で薄肉かつ一体成形された筒状の小径底部と、小径底部に連設した外筒部と、外筒部に連設した加締め部とで構成し、前記小径底部内にオイルシールを挿入し、前記外筒部内に左方のベアリングと、外周端面にシールを装着した右方のベアリングと、上記左右のベアリングで挟持されたケーシングと、右方のベアリングを覆うようにして当該右方のベアリングに当接するロアキャップとを順次嵌挿し、更にロアキャップの外周側面を前記加締め部で加締めたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に本発明に係るロータリーダンパの構造を図1に示す実施形態に基づいて説明する。
本発明のロータリダンパは従来技術と同じく、パッキンケース103A内にケーシング107を挟持する形態で耐圧壁を構成する左右一対のベアリング107,108を嵌挿し、当該一対のベアリング107,108によってケーシング102の中心部にシャフト101を回転自在に挿通し、前記パッキンケース103Aの底部に介装したオイルシール110によって内部を密閉するとともに、前記ケーシング102の内周側に設けたセパレートブロック102A、102Bとシャフト101側から延びるベーン106A,106Bとでケーシング2内を複数の油室A,B,C,Dに区画している。そして本発明は前記前記セパレートブロック102A,102Bを前記ケーシング102と一体に成形し、前記パッキンケース103Aをプレス成形で薄肉かつ一体成形された筒状の小径底部103Dと、小径底部103Dに連設した外筒部103Eと、外筒部103Eに連設した加締め部Zとで構成し、前記小径底部103D内にオイルシール110を挿入し、前記外筒部103E内に左方のベアリング107と、外周端面にシール115を装着した右方のベアリング108と、上記左右のベアリング107,108で挟持されたケーシング102と、右方のベアリング108を覆うようにして当該右方のベアリングに当接するロアキャップ104とを順次嵌挿し、更にロアキャップ104の外周側面を前記加締め部Zで加締めたことを特徴とする。
以下更に詳しく説明する。
シャフト101は内部に中空孔を有し、当該中空孔には外面にシール105Aを装着したフリーピストン105が移動可能に収納され、オイルタンク室101Bと所定圧力のガスが封入され前記オイルタンク室101Bを所定の圧力に加圧するガス室101Aとを区画している。ベーン体106は2枚のベーン106A,106Bを有するとともに、シャフト101に対してスプライン結合等の機械的結合により固定されている。
【0021】
ベーン体106を挟持する左右一対のベアリング107,108は、その中心部においてベーン106A,106Bを回動可能に挟持する一方、ベーン体106に結合されたシャフト101を回動可能に支持する軸受機能と、シャフト101のスラスト入力を受け持つスラストブッシュとしての機能を持つとともに、作動油室A,B,C,Dの高圧に耐えられる様に厚肉に形成されている。なお、ベーン体の円筒部106Cと摺接するベアリング107,108のベーン側には、図1(B)の拡大図に示すように、それぞれ突出部107A,108Aを形成し、この突出部107A,108Aの厚さ分に対応する隙間dをベアリング107,108とベーン106A,106Bとの間に形成し、これによりスラスト入力時にベーン106A,106Bの側面がベアリング端面と直接摺動しないようにしている。
【0022】
カートリッジ型チェックバルブ109,110,111,112は、ベーン106A,106Bにそれぞれ図示の態様で圧入固定されている。また、ベーン106A,106Bには、伸圧減衰力比を設定するためのオリフィス106F,106Gがチェックバルブ109,112と並列に設けられている。ケーシング102の内周側には、1対のセパレートブロック102A,102Bがケーシング102に対して一体形成されており、位置決めピン113,114により左右1対のベアリング107,108との同芯が確保されている。
【0023】
パッキンケースアッセンブリ103には、左方のベアリング107,ケーシング102,シール115を装着した右方のベアリング108及びロアキャップ104を内側に嵌挿して支持するとともに、左方有底部には作動油を外部に洩らさない様にシャフト101を密封するオイルシール110が組み込まれている。
ロアキャップ104は、ベアリング108を側方から支持しシール115を介して作動油を外部に洩らさない様に密封するとともに、中央部にオイルタンク室104Aを形成している。当該ロアキャップ104の右端底部には、作動油注入用孔104Bが設けてあり、作動油を注入後、スチールボール116等の密封手段によって密封される。
【0024】
前記パッキンケースアッセンブリ103は、車体取付け部材103Bとパッキンケース103Aとを別部品として製作し、車体取付け部材103Bをパッキンケース103Aにプロジェクション溶接等により固定する構造としたため、パッキンケース103Aはロアキャップ104と同様、大量生産に適したプレス成形により製作することができるとともに、高圧が加わらないこともあって薄肉化することができる。パッキンケース103Aはその端部一箇所を内側へ折り曲げ加工(加締め部Z)することによって、前記一対のベアリング107,108及びケーシング102及びロアキャップ104を一体的に固定している。
【0025】
次に各部品の材質について説明する。パッキンケース103A及びロアキャップ104は高圧が加わらないために薄肉プレス鋼板等で一体成形される。ケーシング102及びベアリング107,108は鉄系焼結合金又は鋳物等の摺動性の良い材質で型成形し、シャフト101を直接回動可能に支持している。加締めに関連する部品は平面合わせ構造のため、ベアリング107,108とベーン106A,106B間の適正隙間の確保が容易であるとともに、加締め加工が容易になる。
【0026】
なお、パッキンケース103Aとケーシング102の固定方法は、所要の減衰トルクが圧入により得られる結合トルクより低い場合は、圧入で十分である。減衰トルクが圧入により得られる保持トルクより高い場合は、パッキンケース103と変形しにくいセパレートブロック部102A,102Bの外周面とを部分的に溶融して一体化するレーザー溶接,セパレートブロック部102A,102Bの外周面に対応するパッキンケース103側に予め穿孔しておき、穿孔部を一体的に溶接する栓溶接,パッキンケース103とセパレートブロック部102A,102Bの外周面との間に電流を流して、電気抵抗を利用し部分的に溶融して一体化するプロジェクション溶接等により補強される。
【0027】
次に本発明に係るロータリダンパの作動を説明する。ケーシング102内にはケーシング102と同芯にベーン体106が回動自在に収納されており、ベーン体106には2枚のベーン106A,106Bが180゜の間隔をもって一体に形成されている。
ケーシング102の両側には、ベアリング107,108が設けられており、ベーン体106の円筒部106Cの両側面は、ベアリングの微小段差の突出部107A,108Aと摺接し、円筒部106Cはケーシング102のセパレートブロック部102A,102Bの内周面に摺接している。
【0028】
ベーン106A,106Bはケーシング内面102C,102Dの内側で且つセパレートブロック102A,102Bとの間に収容される一方、ベーン体106と同芯状に結合されたシャフト101は、ベアリング107,108の内径との間に、各々減衰力発生用の僅かな嵌合隙間をもって案内されている。これらセパレートブロック102A,102Bとベーン106A,106Bとによって、ケーシング102内に高粘度作動油で満たされた4つの油室A,B,C,Dを区画している。
【0029】
本実施形態の場合、温度変化に対応して上記クリアランスによる発生減衰力をほぼ一定に自動調整できる減衰力温度補償構造とするために、ケーシング102は鉄系の焼結合金又は鋳物材で構成し、ベーン体106はアルミ材で構成することにより、熱膨張係数の差を利用して上記クリアランスを調整できるようになっている。
【0030】
外部からロータリーダンパのシャフト101に揺動運動が伝わると、シャフト101と機械的に結合されたベーン体106のベーン106A,106Bがケーシング102内で揺動し、油室A,DとB,Cとが交互に拡大又は縮小される。
この時、縮小する側の油室内の作動油が、ベーン106A,106Bとケーシング内面102C間の嵌合隙間及びベーン106A,106Bの側面とベアリング107,108間の隙間、更にベーン体の円筒部106Cとセパレートブロック102A,102Bの内周面間の嵌合隙間を通して拡大する油室側へ押し出され、これら微小隙間を通る作動油の流動抵抗で所要の減衰力を発生する。
【0031】
一方、縮小する油室からシャフト側へ漏出した作動油は、ベアリング108とシャフト101間の嵌合隙間及び油溝108Bを通過する間に減圧されながら、オイルタンク室101Bへ還流される。このためオイルタンク室101Bは高圧となることはないので、ロアキャップ104を薄肉プレス材で成形することができるのである。オイルタンク室101Bへ還流した作動油は、フリーピストン105が、ガス室101Aの圧力により付勢されているため、油溝108B,ベーン内通路106D,チェックバルブ109,110,111,112を通って拡大する油室内に補給され、キャビテーションの発生を防止する。
【0032】
【発明の効果】
本発明では、ケーシングとセパレートブロックを成形型で一体成形する構造としたため、ケーシング内径部の真円度は勿論、ケーシング内径部とセパレートブロック内径部の同芯度も成形型で保証されることから、真円度及び同芯性の精度が向上するとともに部品加工性及び組立性を良くすることができる。またケーシングをセパレートブロックと一体成形後に加工するので、ケーシングとセパレートブロックの間にギャップを生ずることがなく、機械加工が容易なため大量生産に適しているうえ、巾方向の寸法のバラツキが少なくなることもあって、作動性を向上させるとともに、減衰トルクのバラツキを小さくすることができる。
【0033】
更に、パッキンケースを有底円筒状に一体成形すると共にその端部を1箇所折り曲げ加工して加締ることにより、ベアリング,ケーシング,ロアキャップを一体的に固定する非分解構造としたため、密封用のOリングも1箇所のみとすることができるため、工程の簡素化及び部品点数の削減ができる。
【0034】
加えて、本発明では厚肉に形成された一対のベアリングとケーシング及びベーン体により作動時に高圧となる作動油室を形成するので、高圧の加わらないパッキンケース,ロアキャップを薄肉構造とすることができる。更にベアリングは、摺動性の良い鉄系焼結合金又は鋳物にするとともに、ベーン体側に微小段差の突出部を設けてベーン体の内周側円筒部に当接させ、シャフトに対してスラスト入力が加わっても、ベアリングとベーンは直接摺動しない様に構成したので、ベーンの摩耗,作動性に関して、下記の様な効果が得られる。
まず、ベーンの摩耗を防ぎ、隙間増大による減衰トルク低下を押えることができるため、信頼性が向上するとともに作動フリクションを低減することができる。 つぎに、シャフトに対するスラスト荷重の入力に容易に適応できるため、本発明品をサスペンションに適用する場合のレイアウトの自由度が大きくなる。
更に車体取付け部材とパッキンケースを別部品とし、車体取付け部材をパッキンケースにプロジェクション溶接等により固定する構造としたため、パッキンケースを大量生産に適したプレス成形により安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明に係るロータリーダンパのX−O−X線断面図である。
(B)ベアリングの微小段差部分を示す拡大図である。
(C)実施形態に係るベーン部の横断面図である。
【図2】(A)従来技術に係るロータリーダンパのA−A線断面図である。
(B)従来技術に係るベーン部の横断面図である。
【符号の説明】
A,B,C,D 油室
101 シャフト
102 ケーシング
102A,102B セパレートブロック
103A パッキンケース
104 ロアキャップ
106 ベーン体
106A,106B ベーン
106C ベーン体の円筒部
107 左方のベアリング
108 右方のベアリング
110 オイルシール
115 シール

Claims (3)

  1. パッキンケース内にケーシングを挟持する形態で耐圧壁を構成する左右一対のベアリングを嵌挿し、当該一対のベアリングによってケーシングの中心部にシャフトを回転自在に挿通し、前記パッキンケースの底部に介装したオイルシールによって内部を密閉するとともに、前記ケーシングの内周側に設けたセパレートブロックとシャフト側から延びるベーンとでケーシング内を複数の油室に区画したロータリーダンパにおいて、前記セパレートブロックを前記ケーシングと一体に成形し、前記パッキンケースをプレス成形で薄肉かつ一体成形された筒状の小径底部と、小径底部に連設した外筒部と、外筒部に連設した加締め部とで構成し、前記小径底部内にオイルシールを挿入し、前記外筒部内に左方のベアリングと、外周端面にシールを装着した右方のベアリングと、上記左右のベアリングで挟持されたケーシングと、右方のベアリングを覆うようにして当該右方のベアリングに当接するロアキャップとを順次嵌挿し、更にロアキャップの外周側面を前記加締め部で加締めたことを特徴とするロータリーダンパ
  2. ベアリングは焼結合金又は鋳物により厚肉円板状に成形後機械加工され、軸受け機能と油圧機能とを併有するとともに、ベーン体の円筒部に摺接する当該ベアリングのベーン体側に突出部を形成し、この突出部の厚さ分の隙間をベーン側面とベアリング端面間に設けたことを特徴とする請求項1に記載のロータリーダンパ
  3. パッキンケースと有底状ケーシングとは、圧入又は溶接により固定したことを特徴とする請求項1に記載のロータリーダンパ
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