JP3664198B2 - ロータリーダンパ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、揺動運動を利用して車両やその他の外部振動を減衰する油圧式のロータリーダンパの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のロータリーダンパとして、本出願人は特願平8−150305号を出願している。このロータリーダンパの構造を図3に示す実施形態に基づいて説明する。シャフト101は内部に中空孔を有し、当該中空孔には外面にシール105Aを装着したフリーピストン105が移動可能に収納され、シャフトの右端中空部101Bを含むタンク室104Aと、所定圧力のガスが封入され前記タンク室104Aを所定の圧力に加圧するガス室101Aとを区画している。ベーン体106は2枚のベーン106A,106Bを有するとともに、シャフト101に対してスプライン結合等の機械的結合により固定されている。
【0003】
ケーシング102を挟持する左右一対のベアリング107,108は、ケーシング102に収容されたベーン106A,106Bを回動可能に挟持する一方、その中心部においてベーン体106に結合されたシャフト101を回動可能に支持する軸受機能と、シャフト101のスラスト入力を受け持つスラストブッシュとしての機能とを持つとともに、油室A,B,C,Dの高圧に耐えられる様に厚肉に形成されている。なお、ベーン体の円筒部106Cと摺接するベアリング107,108のベーン側には、図3(B)の拡大図に示すようにスラスト入力時にベーン106A,106Bの側面がベアリング端面と直接摺動しない様に、微小段差dの突出部107A,108Aを設けている。突出部107A,108Aの外径は、ベーン体の円筒部106Cの外径よりやや小さく設定し、ケーシング102のセパレートブロック102A,102Bの内径と干渉しないようになっている。
【0004】
カートリッジ型チェックバルブ109,110,111,112は、ベーン106A,106Bにそれぞれ図示の態様で圧入固定され、タンク室104Aに連通するベーン内通路106D,106Eから負圧となる油室A,B,C,Dに作動油を補給する。また、ベーン106A,106Bには、伸圧減衰力比を設定するためのオリフィス106F,106Gがチェックバルブ109,112と並列に設けられている。ケーシング102には、1対のセパレートブロック102A,102Bが形成されており、当該セパレートブロックから起立する位置決めピン113,114により左右1対のベアリング107,108との同芯が確保されている。
【0005】
パッキンケースアッセンブリ103には、左方のベアリング107,ケーシング102,シール115を装着した右方のベアリング108及びロアキャップ104を内側に嵌挿して支持するとともに、左方底部には作動油を外部に洩らさない様にシャフト101を密封するオイルシール116が組み込まれている。ロアキャップ104は、ベアリング108を側方から支持しシール115を介して作動油を外部に洩らさない様に密封するとともに、中央部にオイルタンク室104Aを形成している。当該ロアキャップ104の右端底部には、作動油注入用孔104Bが設けてあり、作動油を注入後、スチールボール116等の密封手段によって密封される。
【0006】
前記パッキンケースアッセンブリ103は、車体取付け部材103Bとパッキンケース103Aとを別部品として製作し、車体取付け部材103Bをパッキンケース103Aにプロジェクション溶接等により固定する構造としたため、パッキンケース103Aはロアキャップ104と同様、大量生産に適したプレス成形により製作することができるとともに、高圧が加わらないこともあって薄肉化することができる。パッキンケース103Aはその端部を内側へ折り曲げ加工(加締め部Z)することによって、前記一対のベアリング107,108及びケーシング102及びロアキャップ104を一体的に固定している。
【0007】
なお、パッキンケース103Aとケーシング102の固定方法は、所要の減衰トルクが圧入により得られる結合トルクより小さい場合は、圧入で十分である。減衰トルクが圧入により得られる保持トルクより大きい場合は、パッキンケース103と変形しにくいセパレートブロック部102A,102Bの外周面とを部分的に溶融して一体化するレーザー溶接,セパレートブロック部102A,102Bの外周面に対応するパッキンケース103側に予め穿孔しておき、穿孔部を一体的に溶接する栓溶接,パッキンケース103とセパレートブロック部102A,102Bの外周面との間に電流を流して、電気抵抗を利用し部分的に溶融して一体化するプロジェクション溶接等により補強される。
【0008】
次にロータリーダンパの作動を説明する。ケーシング102内にはケーシング102と同芯にベーン体106が回動自在に収納されており、ベーン体106には2枚のベーン106A,106Bが180゜の間隔をもって一体に形成されている。ケーシング102の両側には、ベアリング107,108が設けられており、ベーン体106の円筒部106Cの両側面は、ベアリングの微小段差の突出部107A,108Aと摺接し、円筒部106Cはケーシング102のセパレートブロック部102A,102Bの内周面に摺接している。
【0009】
ベーン106A,106Bはケーシング内面102C,102Dの内側で且つセパレートブロック102A,102Bとの間に収容される一方、これらセパレートブロック102A,102Bとベーン106A,106Bとによって、ケーシング102内に高粘度作動油で満たされた4つの油室A,B,C,Dを区画している。この場合、温度変化に対応して発生減衰力をほぼ一定に自動調整できる減衰力温度補償構造とするために、ケーシング102は鉄系の焼結合金又は鋳物材で構成し、ベーン体106はアルミ材で構成することにより、熱膨張係数の差を利用して上記クリアランスを調整できるようになっている。
【0010】
外部からロータリーダンパのシャフト101に揺動運動が伝わると、シャフト101と機械的に結合されたベーン体106のベーン106A,106Bがケーシング102内で揺動し、油室A,DとB,Cとが交互に拡大又は縮小される。この時、縮小する側の油室内の作動油が、ベーン106A,106Bとケーシング内面102C,102D間との嵌合隙間及びベーン106A,106Bの側面とベアリング107,108間の隙間、更にベーン体の円筒部106Cとセパレートブロック102A,102Bの内周面間の嵌合隙間、及びオリフィス106F,106Gからベーン内通路106D,106Eを経てチェックバルブ110,111を介して拡大する油室側へ押し出され、これら微小隙間を通る作動油の流動抵抗で所要の減衰力を発生する。
【0011】
一方、縮小する油室からシャフト側へ漏出した作動油は、ベアリング108とシャフト101間の嵌合隙間及び油溝108Bを通過する間に減圧されながら、タンク室104Aへ還流される。このためタンク室104Aは高圧となることはないので、ロアキャップ104を薄肉プレス材で成形することができる。タンク室104Aへ還流した作動油は、フリーピストン105が、ガス室101Aの圧力により付勢されているため、油溝108B,ベーン内通路106D,106E、チェックバルブ109,110,111,112を通って拡大する油室内に補給され、キャビテーションの発生を防止する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で説明した特願平8−150305号にあっては、図3(C)に示すように、ベーン体の右旋回によって縮小される油室A,Dの作動油の一部はオリフィス106F,106Gを通過し、ベーン内通路106D,106Eを経て、チェックバルブ110,111を介して拡大する油室B,Cに補給されるべきなのであるが、チェックバルブ110,111が、オリフィス106F,106Gの出口側のベーン内通路106D,106Eに対して、タンク室104Aに連なる還流通路108Bから遠い外周側に配置されていることもあって、オリフィスを通過した作動油がベーン内通路106D,還流通路108Bを介してタンク室104Aに還流してしまい、チェックバルブ110,111を介する油室B,Cへの補給が不十分であった。
【0013】
本発明は以上のような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、縮小する油室からオリフィスを介して流出する作動油を拡大する油室に効率良く補給できる構造を提供することである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明に係るロータリーダンパの構造を図1に示す本発明の第1実施形態に基づいて説明する。従来技術と同一の部分は同一の部品番号を用い、異なる部分にのみ異なる部品番号を付して説明する。また、作動及び作用効果については、従来技術と異なる部分についてのみ説明する。
【0015】
図1に示す本発明の第1実施形態の特徴は、図3に示す従来構造のベアリング107と位置決めピン113で位置合わせされたケーシング102とを1体に形成し、有底状ケーシング1としたことである。組み立てる際には、まず上記有底状ケーシング1に、シャフト101に予めスプライン等により結合されたベーン体6を収容する。次に外筒部内面103CのL2区間に接着剤を塗布したパッキンケース103Aに、ベーン体6を収容した前記有底状ケーシング1を嵌挿する。更にパッキンケース内面のL1区間に接着剤を塗布した後、位置決めピン114により位置合わせして同芯性が確保されたベアリング108を嵌挿する。
【0016】
その後ベアリング右端面側の外周面取り部にシール115を装着し、ベアリング右端面にロアキャップ104を密着させて嵌挿し、パッキンケース103Aの端部を内側へ折り曲げ加工(図3の可締め部Zと同じ)することによって、有底状ケーシング1,ベアリング108,ロアキャップ104を1体的に固定する。勿論、外筒部内面103CのL1+L2区間に接着剤を塗布したパッキンケース103Aに、シャフト101に予めスプライン等により結合されたベーン体6を収容した有底状ケーシング1と、当該有底状ケーシング1に位置決めピン114により位置合わせされたベアリング108とを結合したサブアッセンブリーとして嵌挿することもできる。この場合は、有底状ケーシング1の外径部にヒトデ状の逃げ溝を数か所形成するか、或いは有底状ケーシング1の外径をベアリング108の外径より僅かに小さくする等の工夫をすることにより、接着剤が有底状ケーシング1により掻き取られベアリング108の接着が不十分となることを防止する。
【0017】
上記のようにして組立てられたロータリーダンパはパッキンケース103Aと有底状ケーシング1及びベアリング108とが接着剤により固着される。接着剤によるベアリング108の軸方向の固着強度をF1,有底状ケーシング1の軸方向の固着強度をF2,同じくベアリング108の回転方向の固着強度をT1,有底状ケーシング1の回転方向の固着強度をT2,固着した接着剤の破断応力をτ1,パッキンケース材の破断応力をτ2,パッキンケースの内径をDとすると、下記の関係が成立する。 F1=π・D・L1・τ1 (1) F2=π・D・L2・τ1 (2)T1=π・D2・L1・τ1/2 (3) T2=π・D2・L2・τ1/2 (4) (1)式と(2)式とを比較すると図1に示す形状からL1<L2(即ちF1<F2)であるので、(1)式により計算された固着強度F1が、ロータリーダンパの内圧によりベアリングが受ける軸方向の推力Fрに対し、安全率をk1として下式を満足するように、DとL1を決めれば良い。 F1≧Fр・k1 (5)
【0018】
次にベーン体6の回動により発生する最大減衰トルクTmに対する接着材の回転方向の接着強度について考える。ベアリング108には、ベーン体6の回動に伴う内周側当接面の回動摩擦トルクは受けるが、減衰トルクは直接には負荷されない。回動摩擦トルクは比較的小さいので、(3)式による回転方向の固着強度はほとんど問題にしなくてよい。しかし有底状ケーシング1には、前記最大減衰トルクTmが反力として作用する。この値は大きいので、(4)式により計算された回転方向の固着強度T2が最大減衰トルクTmに対し、安全率をk2として、下式を満足するようにDとL2を決めれば良い。
T2≧Tm・k2 (6)
【0019】
有底状ケーシング1とベアリング108の当接面には、ロータリーダンパの内圧が加わるので、パッキンケース103Aの当該当接面に対応する部分には、前記ロータリーダンパの内圧に基づく軸方向の推力Fpが、パッキンケースを伸ばす方向に作用する。よってパッキンケース103Aの板厚をt,破断応力をτ2,安全率をk3とすれば、パッキンケースの破断強度をF1(≒接着材による軸方向の固着強度)として下式を満足するような板厚tを採用すれば良い。 F1=π・D・t・τ2≒π・D・L1・τ1≧Fp・k3 (7)
【0020】
すなわち、有底状ケーシング1とベアリング108の外周側をパッキンケース103Aの外筒部内面に接着剤で固定することにより、パッキンケースの可締め部Zにはロータリーダンパの軸方向の推力が加わらなくなる。このため可締め部Zはオイルタンク室104Aの低い内圧にさえ耐えればよい。この場合の可締め強度は比較的小さくてよいので、(7)式による板厚tは薄くすることができるため、簡単な可締め構造にすることが可能となるとともに軽量化が可能となる。
【0021】
次に各部品の材質について説明する。パッキンケース103A及びロアキャップ104は高圧が加わらないために薄肉プレス鋼板等で成形される。有底状ケーシング1とベアリング108は鉄系焼結合金又は鋳物等の摺動性の良い材質で型成形し、シャフト101を直接回動可能に支持している。加締めに関連する部品は平面合わせ構造のため、有底状ケーシング1及びベアリング108とベーン6A,6B間の適正隙間の確保が容易であるとともに、加締め加工が容易になる。
【0022】
図1(B)においてベーン6A,6Bが右旋回する場合、油室A,Dは縮小するので、作動油の1部はオリフィス6F,6Gを通ってベーン内通路6D,6Eに吐き出される。しかしオリフィス6F,6Gのベーン内通路6D,6Eへの出口がタンク室104Aへの還流通路108Bからみて、チェックバルブ110,111よりも外周側に配置されているために、オリフィスから吐き出された作動油は、通路が短く通路抵抗の小さいチェックバルブ110,111側へスムーズに流れ、拡大する油室B,Cに効率よく補給することができるため、作動油の補給不足に起因するキャビテーションの発生を防止することができる。
【0023】
ベーン体6を挟持する一対の有底状ケーシング1及びベアリング108は、その中心部においてベーン6A,6Bを回動可能に挟持する一方、ベーン体6に結合されたシャフト101を回動可能に支持する軸受機能と、シャフト101のスラスト入力を受け持つスラストブッシュとしての機能を持つとともに、油室A,B,C,Dの高圧に耐えられる様に厚肉に形成されている。なお、ベーン体の円筒部6Cと摺接する有底状ケーシング1及びベアリング108のベーン側には、図1(A)に示すようにスラスト入力時にベーン6A,6Bの側面が直接摺動しない様に、微小段差dの突出部1C,108Aを設けている。突出部1C,108Aの外径は、ベーン体の円筒部6Cの外径よりやや小さく設定し、有底状ケーシング1のセパレートブロック1A,1Bの内径と干渉しないようになっている。
【0024】
次にロータリーダンパの作動を説明する。有底状ケーシング1内にはこれと同芯にベーン体6が回動自在に収納されており、ベーン体6には2枚のベーン6A,6Bが180゜の間隔をもって一体に形成されている。有底状ケーシング1の右側には、ベアリング108が設けられており、ベーン体6の円筒部6Cの両側面は、ベアリングの微小段差の突出部1C,108Aと摺接し、円筒部6Cは有底状ケーシング1のセパレートブロック部1A,1Bの内周面に摺接している。
【0025】
ベーン6A,6Bはケーシング内面1D,1Eの内側で且つセパレートブロック1A,1Bとの間に収容される一方、これらセパレートブロック1A,1Bとベーン6A,6Bとによって、有底状ケーシング1内に高粘度作動油で満たされた4つの油室A,B,C,Dを区画している。この場合、温度変化に対応して発生減衰力をほぼ一定に自動調整できる減衰力温度補償構造とするために、有底状ケーシング1は鉄系の焼結合金又は鋳物材で構成し、ベーン体6はアルミ材で構成することにより、熱膨張係数の差を利用して上記クリアランスを調整できるようになっている。
【0026】
外部からロータリーダンパのシャフト101に揺動運動が伝わると、シャフト101と機械的に結合されたベーン体6のベーン6A,6Bが有底状ケーシング1内で揺動し、油室A,DとB,Cとが交互に拡大又は縮小される。この時、縮小する側の油室内の作動油が、ベーン6A,6Bとケーシング内面1C,1D間の嵌合隙間及びベーン6A,6Bの側面とベアリング108間の隙間、更にベーン体の円筒部6Cとセパレートブロック1A,1Bの内周面間の嵌合隙間、及びオリフィス6F,6Gからベーン内通路6D,6Eを経てチェックバルブ110,111を介して拡大する油室側へ押し出され、これら微小隙間を通る作動油の流動抵抗で所要の減衰力を発生する。
【0027】
一方、縮小する油室からシャフト側へ漏出した作動油は、ベアリング108とシャフト101間の嵌合隙間及び還流通路108Bを通過する間に減圧されながら、タンク室104Aへ還流される。このためタンク室104Aは高圧となることはないので、ロアキャップ104を薄肉プレス材で成形することができる。
【0028】
図2に示す本発明の第2実施形態は、第1実施形態に対して、ベアリング108と有底状ケーシング1の位置を入れ替えたものである。有底状ケーシング1のパッキンケース103Aに対する接着巾L1は大きいので、軸方向の固着強度が(2)式で示されるように第1実施例に対して格段に大きくなる。このためロータリーダンパの内圧による軸方向の推力Fpにより固着部が剪断されて、当該推力Fpが可締め部に加わる懸念はほとんどなくなる。
【0029】
上記した懸念がなくなることもあって、パッキンケースの外筒部内面103CのL1+L2区間に接着剤を塗布したパッキンケース103Aに、シャフト101に予めスプライン等により結合されたベーン体6を収容した有底状ケーシング1とベアリング108とを、位置決めピン114により位置合わせして結合したサブアッセンブリーとして嵌挿することができる。この場合は、ベアリング108の外径を有底状ケーシング1の外径より僅かに小さくする等の工夫をすることにより、接着剤がベアリング108により掻き取られ有底状ケーシング1の接着が不十分となることを防止する。
【0030】
パッキンケース103Aの外筒部内面に接着材が付着した状態でシール115を装着した場合は、密封性能が低下することが懸念されるが、本実施形態の場合はロータリーダンパの内圧による軸方向の推力Fpに対する有底状ケーシング1の接着巾L2には十分な余裕があるので、接着巾L2をシール115の装着部に掛からなくなるまで短くすることによって、この懸念を解消することができる。
【0031】
また本実施形態の場合、ベアリング108に加わるロータリーダンパの内圧による軸方向の推力Fpは、パッキンケース103Aの底面で受けること、またベアリング108にはベーン体6の回動に伴う内周側当接面の比較的小さい回動摩擦トルクは受けるが減衰トルクは直接には負荷されず、回動摩擦トルクに対しては位置決めピンでも耐えうることから、ベアリング108部への接着剤の塗布を省略することもできる。
【0032】
【発明の効果】
本発明においては、縮小される油室側のオリフィス6F,6Gのベーン内通路6D,6Eへの出口を、拡大する油室側への作動油補給用のチェックバルブよりも、タンクへの還流通路108Bからみて遠い外周側に配置したので拡大する油室に効率よく補給することができるため、作動油の補給が容易になり、作動油の補給不足に起因するキャビテーションの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の第1実施形態に係るロータリーダンパのX−O−X線断面図である。(B)第1,第2実施形態に係るベーン部の横断面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係るロータリーダンパのX−O−X線断面図である。
【図3】(A)従来技術に係るロータリーダンパのX−O−X線断面図である。(B)ベーン体の円筒部と摺接するベアリングのベーン側の断面図である。(C)従来技術に係るベーン部の横断面図である。
【符号の説明】
A,B,C,D 油室
1C,108A 微小段差の突出部
1 有底状ケーシング
1A,1B セパレートブロック
6 ベーン体
6A,6B ベーン
6D,6E ベーン内通路
6F,6G オリフィス
101 シャフト
103A パッキンケース
104 ロアキャップ
104A タンク室
108 ベアリング
109,110,111,112 チェックバルブ
115 シール
116 オイルシール
Claims (1)
- 有底円筒状に形成したパッキンケースに、シャフトに結合されたベーン体を収容する形態で耐圧壁を構成するケーシングとベアリングを嵌挿し、当該一対のケーシング及びベアリングの中心部に、前記ベーン体を結合したシャフトを回動自在に挿通し、前記パッキンケースの底部に介装したオイルシールによって内部を密閉するとともに、前記ケーシングの内周面に設けたセパレートブロックとシャフト側から延びるベーンとで、ケーシング内を複数の油室に区画したロータリーダンパの本体構造において、ベーンによって区画された油室に、タンク室に連通するベーン内通路から作動油を吸入するチェックバルブと並列に設けられたオリフィスを、チェックバルブよりもタンク室から遠い外周側に設けたことを特徴とするロータリーダンパ。
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JPH10141411A JPH10141411A (ja) | 1998-05-29 |
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