JP2007085376A - 液体封入式筒型マウント - Google Patents

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Abstract

【課題】構造の簡素化及び小型化によるコストの低減を図ると共に、強度及び減衰性に優れた液体封入式筒型マウントを提供する。
【解決手段】内筒1と外筒2との間で変形を受けるマウント本体33,43を含む成形体3,4が、軸方向に衝合された状態で内筒1と外筒2との間に組み込まれており、マウント本体33,43の衝合面間に、円周方向複数の液室A,Bを画成したものであるため、マウント本体33,43の液室形成のための凹部33a,43a,33b,43bを外周側へ開放した形状とする必要はなく、このため成形体3,4の外周部及び外筒2の軸方向寸法を小さくすることができる。また、オリフィスCが成形体3,4の外周に形成されているので、オリフィス形成のための別部材を組み込む必要がなく、しかも長いオリフィスCを形成することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば自動車のエンジン支持手段として用いられ、封入した液体の挙動を利用して振動吸収及び緩衝を行う筒型の液体封入式マウントに関する。
自動車のエンジンやトランスミッション等を含むパワーユニット(以下、単にエンジンという)は、その振動が車体へ伝達されるのを極力防止するため、エンジンマウントを介して車体に弾性的に支持されており、このようなエンジンマウントとして、筒型の液体封入式マウントがある。この種の液体封入式筒型マウントは、基本的には、エンジン側及び車体フレーム側のうちの一方に取り付けられる内筒と、その外周にあってエンジン側及び車体フレーム側のうちの他方に取り付けられる外筒との間が、ゴム状弾性材料からなるマウント本体を介して結合されており、このマウント本体によって画成され非圧縮性の粘性流体(封入液)が封入された第一及び第二液室が、オリフィスを介して互いに連通された構造を備える。
そして例えば車体のバウンドによる衝撃等の大変位が入力されたような場合は、マウント本体の大きな変形によって、第一液室と第二液室との間で封入液がオリフィスを反復流動することによって、変位力を速やかに減衰し、通常走行時のエンジンの機関振動による小振幅の継続振動に対しては、マウント本体の小刻みな変形によって液室内の液圧変化を吸収して動バネ定数を低下させるので、車体側への伝達振動を低減することができる。
図12は、従来の液体封入式筒型マウントにおける内筒と弾性体との一体成形物を示すものである。すなわち図12に示されるように、この種の液体封入式筒型マウントにおいて、ゴム状弾性材料からなるマウント本体101は、内周部が内筒102と一体に加硫接着されており、外周側に、このマウント本体101を外筒103に圧入することによって第一液室又は第二液室となる二つの凹部(図では一つのみ図示される)100を有し、その軸方向両側が大気と隔てる端壁部101a,101bとなっている。また、マウント本体101の外周部には、外筒103との嵌着力を補償するための補強筒104が埋設されており、この補強筒104には、凹部100の開口縁と対応する窓部104a(円周方向2ヵ所)が開設されている(例えば特許文献1参照)。
実開平6−69479号公報
ところが、このような構造の一体成形物を金型で成形する場合、成形後の離型の都合上、マウント本体101における凹部100の外周部の開口縁(補強筒104の窓部104a)の大きさLを、凹部100の内部の間口Lと同等又はそれより大きくする必要がある。このため、マウント本体101の外周部の軸方向幅、言い換えれば補強筒104の軸方向幅が大きなものとなっており、ひいてはその外周に嵌合される外筒103の軸方向幅も大きなものとなり、マウント全体の大型化を来していた。しかも補強筒104は、大きな窓部104aを開設しているので、その強度を十分に高めることが困難であった。
また、大変位の入力に対する大きな減衰力を得るには、オリフィスの長さを十分に長くする必要があるが、特許文献1に記載された従来構造によれば、長いオリフィスを得るために、円弧状をなす複数のオリフィス形成部材を組み込んでおり、したがって構造が複雑で製造コストが高いものとなっていた。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題とするところは、構造の簡素化及び小型化によるコストの低減を図ると共に、強度及び減衰性に優れた液体封入式筒型マウントを提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る液体封入式筒型マウントは、内筒と、この内筒の外周側に配置された外筒と、前記内筒と外筒との間に軸方向に対向した状態で介在された一対の成形体とを備え、この成形体はそれぞれ、前記内筒側に固定される内周補強筒と、前記外筒側に固定される外周補強筒と、これら内周補強筒と外周補強筒の間にゴム状弾性材料で一体成形されたマウント本体からなり、前記一対の成形体の間に、互いに軸方向に密接衝合された前記マウント本体により円周方向に互いに分離した複数の液室が画成され、前記成形体の外周を経由して、前記複数の液室間を互いに連通するオリフィスが形成されたものである。
すなわち、内筒と外筒との間で変形を受けるマウント本体を含む成形体が軸方向に衝合した状態で前記内筒と外筒との間に組み込まれており、この成形体のマウント本体の衝合面間に、円周方向複数の液室を画成したものであるため、マウント本体の液室形成のための凹部を外周側へ開放した形状とする必要はなく、このため成形体の外周部(外周補強筒)及び外筒の軸方向寸法を小さくすることができる。また、オリフィスが外周補強筒の外周に形成されているので、オリフィス形成のための別部材を組み込む必要がなく、しかも外周補強筒には液室形成のための窓部を開設する必要がないので、長いオリフィスを形成することができる。
請求項2の発明に係る液体封入式筒型マウントは、請求項1に記載の構成において、オリフィスが、一方の成形体における外周補強筒の外周に形成されて一端が一方の液室に開口した流路と、他方の成形体における外周補強筒の外周に形成されて一端が他方の液室に開口した流路を互いに接続したものである。
請求項3の発明に係る液体封入式筒型マウントは、請求項1に記載の構成において、成形体の内周面に、内筒の外周面に適当なつぶし代をもって密接される内周シールリップが形成されたものである。
請求項4の発明に係る液体封入式筒型マウントは、請求項2に記載の構成において、一対の成形体は、軸方向に互いに対向する端部の外周面に、オリフィス間に位置して外筒の内周面に適当なつぶし代をもって密接される外周シールリップが形成され、軸方向に互いに背反する端面に、前記外筒の端部の内向き鍔部に適当なつぶし代をもって密接される背面シールリップが形成され、この背面シールリップと前記オリフィスの間の外周面と、前記外筒の内周面との間に隙間が形成されたものである。
請求項1〜4の発明に係る液体封入式筒型マウントによれば、内筒と外筒との間で変形を受けるマウント本体を含む成形体の外周部及び外筒の軸方向寸法を小さくすることができ、ひいては当該マウント全体の小型化を図ることができる。また、オリフィス形成のための別部材を組み込む必要がないので構造を簡素化することができ、しかも長いオリフィスを確保して、優れた減衰性を発揮することができる。
請求項2の発明に係る液体封入式筒型マウントによれば、双方の成形体における外周補強筒の外周に形成したオリフィスを接続することによって、オリフィス長さを一層長くすることができる。
請求項3の発明に係る液体封入式筒型マウントによれば、液室に封入された封入液が成形体の衝合面から成形体と内筒との嵌合面を経由して漏れるのを、内周シールリップによって防止することができる。
請求項4の発明に係る液体封入式筒型マウントによれば、成形体の外周面を外筒の内周面に圧入する際の抵抗が小さくなり、双方の成形体のオリフィス間での封入液の短絡は、外周シールリップによって防止され、成形体と外筒との間からの封入液の漏洩は、背面シールリップによって防止される。
以下、本発明に係る液体封入式筒型マウントの好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。まず図1は、本発明に係る液体封入式筒型マウントの第一の形態を、その外周側から見た外観図、図2は、図1の液体封入式筒型マウントから外筒を除去した状態を、その外周側から見た外観図、図3は、図1の液体封入式筒型マウントにおける一方の成形体を、軸心を通る平面で切断して示す断面斜視図、図4は、図1におけるIV−IV’線断面図、図5は、図4におけるV−O−V’線断面図、図6は、図4におけるVI−O−VI’線断面図、図7は、図5におけるVII−VII’線断面図、図8は、封入液の流動経路を示す説明図である。
第一の形態による液体封入式筒型マウントは、図1、図5及び図6に示されるように、金属製の中空軸状の内筒1と、この内筒1の外周側に配置された円筒状を呈する金属製の外筒2と、この内筒1と外筒2との間に軸方向に対向した状態で介在された一対の成形体3,4とを備える。
成形体3,4は、互いに同一のものであって、図3、図5、図6及び図7に示されるように、内筒1の外周面に圧入固定される金属製の内周補強筒31,41と、外筒2の内周面に圧入固定される金属製の外周補強筒32,42と、これら内周補強筒31,41と外周補強筒32,42の間にゴム状弾性材料で一体成形されたマウント本体33,43からなる。すなわち成形体3(4)は、不図示の金型内に、予め加硫接着剤を塗布した内周補強筒31(41)及び外周補強筒32(42)をセットし、型閉じによってこの補強筒31,32(41,42)間に画成されたキャビティ内に未加硫ゴム材料を充填して加熱・加圧することにより、マウント本体33(43)を補強筒31,32(41,42)と一体に加硫成形したものである。
詳しくは、マウント本体33(43)は、内周補強筒31(41)に加硫接着された内周筒部331(431)と、外周補強筒32(42)に加硫接着された外周嵌合部332(432)と、前記内周筒部331(431)の軸方向中間部と外周嵌合部332(432)との間に円周方向連続して形成され対向方向へ倒れるように傾斜した円錐状の端壁部333(433)と、内周筒部331(431)と外周嵌合部332(432)との間の空間を円周方向に2分割するように、端壁部333(433)から対向方向へ立ち上がると共に内周筒部331(431)及び外周嵌合部332(432)と連続した一対の仕切壁部334(434)とを有する。このため、マウント本体33(43)には、その内周筒部331(431)、外周嵌合部332(432)、端壁部333(433)及び仕切壁部334,334(434,434)に囲まれ、対向方向へ開口した円周方向一対の円弧状凹部33a,33b(43a,43b)が形成されている。
ここで、外周補強筒32(42)は、成形体3,4の互いの対向端部側に、内周へ凸の断面略U字形をなす溝状屈曲部32a(42a)が円周方向に連続して形成されており、マウント本体33(43)の外周嵌合部332(432)の外周面には、この溝状屈曲部32a(42a)内に沿って延びる円周方向有端の溝3a(4a)が形成されている。そして、この溝3a(4a)における円周方向一端は、切欠部3b(4b)を介して成形体3,4の互いの対向端部側へ開口しており、円周方向他端は、外周嵌合部332(432)に外周補強筒32(42)の溝状屈曲部32a(42a)を径方向に貫通して開設された開口部3c(4c)を介して、一方の円弧状凹部33b(43a)に開口している。
また、内周補強筒31(41)は、互いの対向方向の端部側が、内筒1の外周面に対して所要の締め代を有する円筒31a(41a)をなし、反対側が、互いの背反方向へ漸次拡径する円錐筒31b(41b)をなし、その内周に、マウント本体33(43)から連続して形成されたゴム層335,435の内周面は、内筒1の外周面に対して非接触となっている。
一対の成形体3,4は、図2に示されるように、切欠部3b,4bの位置を合わせ、図5及び図6に示されるように、マウント本体33,43における内周筒部331,431の対向端面が互いに密接衝合した状態で、内周補強筒31,41が内筒1の外周に圧入嵌着されると共に、マウント本体33,43における外周嵌合部332,432の対向端面が互いに密接衝合した状態で、この外周嵌合部332,432が外筒2の内周に圧入嵌着され、軸方向両側が、外筒2によってカシメられている。そしてこれによって、成形体3,4間に、軸方向に互いに対向した円弧状凹部33a,43aからなる上部液室Aと、軸方向に互いに対向した円弧状凹部33b,43bからなる下部液室Bが画成されると共に、成形体3,4(外周嵌合部332,432)の外周面と外筒2との間を経由して両液室A,Bを互いに連通するオリフィスCが形成されている。
オリフィスCは、一方の成形体3に形成された溝3a及び切欠部3bと外筒2との間を経由して開口部3cから下部液室Bに開放された流路C1と、他方の成形体4に形成された溝4a及び切欠部4bと外筒2との間を経由して開口部4cから上部液室Aに開放された流路C2とを、前記切欠部3b,4bで互いに接続したものである。しかも成形体3,4の外周補強筒32,42には従来技術のような液室形成のための窓部が存在しないので、成形体3側の流路C1及び成形体4側の流路C2は、双方共、円周方向へ300度以上にわたって延びており、したがって、2周近く周回する長いオリフィスCを確保することができる。
また、オリフィスCが外周補強筒32,42の溝状屈曲部32a,42aによって、マウント本体33,43の外周嵌合部332,432の外周に形成されているので、オリフィス形成のための別部材を組み込む必要がない。
上部液室A、下部液室B及びオリフィスCは、シリコーンオイル等、非圧縮性の粘性流体(以下、封入液という)で満たされている。そして、オリフィスCにおける液柱共振周波数は、それぞれの流路長さ及び流路断面積と、マウント本体33,43における端壁部333,433及び仕切壁部334,434のバネ定数などによって、例えば車体のバウンド等、衝撃入力による大変位の周波数域に同調されている。
なお、成形体3,4のマウント本体33,43における外周嵌合部332,432は、図2に示される溝3aと溝4aの間の外周面、すなわち対向端部の外周面332a,432aと、溝3aの端部間及び溝4aの端部間の外周面332b,432bにおいて、外筒2の内周面に適当な締め代をもって密接されると共に、図5に示されるように、軸方向に互いに背反する端面332c,432cにおいて、外筒2の軸方向両端の内向き鍔部21,22の内側面と適当な締め代をもって密接されている。また、図5及び図6に示されるように、外周嵌合部332,432の軸方向に互いに背反する側の外周面332d,432dは、外筒2の内周面よりも僅かに小径に形成されている。
以上の構成を備える第一の形態による液体封入式筒型マウントにおいて、内筒1は、支持対象の振動体であるエンジンを含むパワーユニット側及び支持体である車体フレーム側のうちの一方に、また、外筒2は、パワーユニット側及び車体フレーム側のうちの他方に連結される。したがって、パワーユニット側あるいは車体側からの振動が入力されると、内筒1と外筒2は、成形体3,4のマウント本体33,43の変形を伴いながら、相対的に反復変位される。
このとき、入力された振動が、例えば走行中のバウンド等による低周波大振幅の変位である場合は、この振動変位の半周期において、内筒1が外筒2に対して相対的に下方へ大きく変位されることによって、マウント本体33,43における端壁部333,433及び仕切壁部334,434が大きな変形を受け、内筒1の下側の下部液室Bが加圧されるので、下部液室B内の封入液は、オリフィスCを通じて相対的に低圧の上部液室A側へ移動する。そして次の半周期では、内筒1が外筒2に対して相対的に上方へ変位されることによって、上述とは逆に、封入液は上部液室Aから容積拡張過程にある下部液室Bへ向けてオリフィスC内を移動する。このとき、オリフィスC内では、入力された低周波振動に対する液柱共振によって、封入液が円滑に流れるため、前記マウント本体33,43の変形に伴う内部摩擦による減衰力のほか、オリフィスC内を封入液が流れる時の摩擦によって減衰力を発生し、入力変位を短時間で収束させる。
ここで、オリフィスCは、成形体3の外周に形成された流路C1と、成形体4の外周に形成された流路C2を直列に接続したものであって、成形体3,4と外筒2の間を2周近く周回する長いものとなっているため、大きな減衰力を確保することができる。
また、入力された振動がエンジンの機関振動等による中・高周波数帯域の継続的な小振幅の振動変位である場合は、オリフィスCにおける液柱慣性が大きくなるので、作動液がこのオリフィスCを介して反復移動することはなく、マウント本体33,43における端壁部333,433が僅かに膨らむように小刻みに反復変形することによって、上部液室A及び下部液室Bの液圧変化が有効に吸収され、動ばね定数が低下するので、車体側への伝達振動が有効に絶縁される。
この液体封入式筒型マウントの製造においては、図3に示されるような成形体3,4を成形する。この成形体3,4は互いに同一であって、軸方向に衝合することによって液室を画成するものであるため、従来のように単一の成形体で液室を画成するものである場合に比較して、小さな金型で成形することができる。
また、液室となる凹部33a,43a,33b,43bを、従来のように外周側へ開放した形状とする必要がないため、マウント本体33,43の端壁部333,433を対向方向へ倒れるように傾斜した円錐状として、外周嵌合部332,432の軸方向幅、ひいてはこれを固定する外筒2の軸方向幅を小さくすることができる。しかも前記外周嵌合部332,432に埋設された外周補強筒32,42は、オリフィスを形成するための溝状屈曲部32a,42aを有することによって、機械的強度の大きなものとなっている。
成形された成形体3,4は、切欠部3b,4bの互いの位相を合わせながら、図5及び図6に示されるように、マウント本体33,43の内周筒部331,431を軸方向に密接衝合させた状態で、内周補強筒31,41を内筒1の外周に圧入嵌着すると共に、外周嵌合部332,432を、軸方向に密接衝合させた状態で、内向き鍔部21,22がまだ形成されていない円筒状の外筒2の内周に圧入嵌着する。このとき、内周筒部331,431は、内周補強筒31,41の互いの対向端部側の円筒31a,41aにのみ、内筒1の外周面に対する締め代が設定されており、外周嵌合部332,432は、対向端部の外周面332a,432aにのみ、外筒2の内周面に対する締め代が設定されているので、容易に圧入することができる。
そして上述の圧入作業を、液槽に貯留したシリコーンオイル等の粘性流体中で行うことによって、その一部が封入液として上部液室A、下部液室B及びオリフィスCに閉じ込められ、封入される。圧入後は、外筒2の軸方向両端を内周側へ屈曲する(内向き鍔部21,22を形成する)ことによってカシメれば良い。
ここで、本発明による液体封入式筒型マウントは、軸方向に分割されたマウント本体が軸方向に分割されているため、上部液室A、下部液室B及びオリフィスC内の封入液を確実に密封することが重要である。図9はそのような観点で、封入液に対する密封性を向上させた液体封入式筒型マウントの第二の形態を、外筒を除去した状態を外周側から見た外観図、図10は、図9における一方の成形体を、軸心を通る平面で切断して示す断面斜視図、図11は、この液体封入式筒型マウントを、図4におけるV−O−V’線と対応する位相上で切断した断面図である。
すなわち、図10及び図11に示されるように、内周補強筒31,41の円錐筒31b,41bの内周に形成されたゴム層335,435の内周面には、内筒1の外周面に対して適当な締め代をもって密接される内周シールリップ335a,435aが形成され、内周筒部331,431の互いの対向端面には、互いに適当な締め代をもって密接衝合される正面シールリップ331a,431aが形成され、図10に示されるように、仕切壁部334,434の端面には、対向する仕切壁部の端面に適当な面圧で密接される正面シールリップ334a,434aが形成されている。
また、図9及び図10に示されるように、マウント本体33,43の外周嵌合部332,432には、その対向端部の外周面から溝3a,4aの円周方向両端間の外周面にかけて延び、外筒2の内周面に適当な締め代をもって密接される外周シールリップ332e,432eが形成されると共に、軸方向に互いに背反する端面に、図11に示される外筒2の軸方向両端の内向き鍔部21,22の内側面と適当な締め代をもって密接される背面シールリップ332f,432fが形成されている。
また、前記外周嵌合部332,432における軸方向に互いに背反する側の外周面332d,432dは、外筒2の内周面よりも僅かに小径に形成されているが、この外周面332d,432dには、軸方向に延び、前記外筒2の内周面と適当な面圧で接触される多数の案内突条332g,432gが、円周方向等間隔で形成されている。
なお、その他の部分の構成は、先に説明した第一の形態と同様である。
この構成によれば、振動入力に伴う内筒1と外筒2の相対変位によって、上部液室A又は下部液室Bが加圧された時に、内部の封入液が、マウント本体33,43の衝合面から、内周補強筒31,41と内筒1との嵌合面を介して外部へ漏れるのを、正面シールリップ331a,431a及び内周シールリップ335a,435aによって確実に遮断し、前記マウント本体33,43の衝合面から、外周嵌合部332,432と外筒2との嵌合面を介して外部へ漏れるのを、外周シールリップ332e,432e及び背面シールリップ332f,432fによって確実に遮断する。
また、低周波大振幅の変位入力時に、仕切壁部334,434の衝合面の間を介して液室A,B間で封入液が短絡するのを、仕切壁部434の端面と密接された正面シールリップ334a及び仕切壁部334の端面と密接された正面シールリップ434aが遮断するので、オリフィスCによる減衰機能が損なわれない。
また、ゴム層335,435の内周面に形成された内周シールリップ335a,435aは、内筒1の外周面に対する面圧を局部的に増大させるだけであり、同様に、外周嵌合部332,432に形成された外周シールリップ332e,432eは、外筒2の内周面に対する面圧を局部的に増大させるだけであるため、当該液体封入式筒型マウントを組み立てる際の圧入抵抗の増大が最小限に抑えられる。しかも、外周嵌合部332,432における小径の外周面332d,432dには多数の案内突条332g,432gが形成されているので、外筒2の内周に斜めに圧入されてしまう不具合を防止することができる。
本発明に係る液体封入式筒型マウントの第一の形態を、その外周側から見た外観図である。 図1の液体封入式筒型マウントから外筒を除去した状態を、その外周側から見た外観図である。 図1の液体封入式筒型マウントにおける一方の成形体を、軸心を通る平面で切断して示す断面斜視図である。 図1におけるIV−IV’線断面図である。 図4におけるV−O−V’線断面図である。 図4におけるVI−O−VI’線断面図である。 図5におけるVII−VII’線断面図である。 封入液の流動経路を示すための説明図である。 本発明に係る液体封入式筒型マウントの第二の形態を、外筒を除去した状態を外周側から見た外観図である。 図9における一方の成形体を、軸心を通る平面で切断して示す断面斜視図である。 本発明に係る液体封入式筒型マウントの第二の形態を、図4におけるV−O−V’線と対応する位相上で切断した断面図である。 従来の液体封入式筒型マウントにおける内筒と弾性体との一体成形物を示す部分断面図である。
符号の説明
1 内筒
2 外筒
21,22 内向き鍔部
3,4 成形体
3a,4a 溝
3b,4b 切欠部
3c,4c 開口部
31,41 内周補強筒
32,42 外周補強筒
32a,42a 溝状屈曲部
33,43 マウント本体
33a,33b,43a,43b 円弧状凹部
331,431 内周筒部
331a,431a,334a,434a 正面シールリップ
332e,432e 外周シールリップ
332f,432f 背面シールリップ
335a,435a 内周シールリップ
332,432 外周嵌合部
332g,432g 案内突条
333,433 端壁部
334,434 仕切壁部
335,435 ゴム層
A 上部液室
B 下部液室
C オリフィス
C1,C2 流路

Claims (4)

  1. 内筒(1)と、この内筒(1)の外周側に配置された外筒(2)と、前記内筒(1)と外筒(2)との間に軸方向に対向した状態で介在された一対の成形体(3,4)とを備え、この成形体(3,4)はそれぞれ、前記内筒(1)側に固定される内周補強筒(31,41)と、前記外筒(2)側に固定される外周補強筒(32,42)と、これら内周補強筒(31,41)と外周補強筒(32,42)の間にゴム状弾性材料で一体成形されたマウント本体(33,43)からなり、前記一対の成形体(3,4)の間に、互いに軸方向に密接衝合された前記マウント本体(33,43)により円周方向に互いに分離した複数の液室(A,B)が画成され、前記成形体(3,4)の外周を経由して、前記複数の液室(A,B)間を互いに連通するオリフィス(C)が形成されたことを特徴とする液体封入式筒型マウント。
  2. オリフィス(C)が、一方の成形体(3)における外周補強筒(332)の外周に形成されて一端が一方の液室(B)に開口した流路(C1)と、他方の成形体(4)における外周補強筒(432)の外周に形成されて一端が他方の液室(A)に開口した流路(C2)を互いに接続したものであることを特徴とする請求項1に記載の液体封入式筒型マウント。
  3. 成形体(3,4)の内周面に、内筒(1)の外周面に適当なつぶし代をもって密接される内周シールリップ(335a,435a)が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の液体封入式筒型マウント。
  4. 一対の成形体(3,4)は、軸方向に互いに対向する端部の外周面に、双方のオリフィス(C1,C2)間に位置して外筒(2)の内周面に適当なつぶし代をもって密接される外周シールリップ(332e,432e)が形成され、軸方向に互いに背反する端面に、前記外筒(2)の端部の内向き鍔部(21,22)に適当なつぶし代をもって密接される背面シールリップ(332f,432f)が形成され、この背面シールリップ(332f,432f)と前記オリフィス(C1,C2)の間の外周面(332d,432d)と、前記外筒(2)の内周面との間に隙間が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の液体封入式筒型マウント。
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