JP3626260B2 - ロータリダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回動運動を利用して減衰作用を行うロータリダンパに関し、例えば、自動車のサスペンションや自動二輪車における後輪サスペンション用の減衰器としての使用に適するロータリダンパの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のロータリダンパとしては、例えば、昭和64年特許出願公開第12152号公報にみられるようなものが知られている。
【0003】
すなわち、このものは、内壁面に180度の位相差をもって配設した二つのセパレートブロックをもつケーシング内に、同じく180度の位相差を保って放射方向に延びる隔壁部材であるベーンを備えたロータを回動自在に配置して構成してある。
【0004】
上記ベーンは、ケーシングに対して回動自在に支持されるロータシャフトと一体に構成してあり、かつ、各ベーンの一方の面には、それぞれケーシングの内壁面へと摺接するシール部材が配設してある。
【0005】
また、ケーシングにおけるセパレートブロックの外周面にも、ロータシャフトの外周面と摺接するシール部材が配設してあって、これらシール部材により油密状態を保ちつつケーシング内をロータとの相対回動運動に伴って交互に拡張および収縮を繰り返す二組の作動油室に区画している。
【0006】
そして、これら二組の作動油室をロータシャフトに穿った半径方向の油孔と中心部に設けた連絡流路を通して相互に連通し、この連絡流路中に両効き用の減衰力発生機構を介装して収縮側の作動油室から拡張側の作動油室に向う作動油に流動抵抗を与え、所定の動作方向に対して当該減衰力発生機構により減衰力を発生するようにしている。
【0007】
なお、ロータシャフト内には、上記連絡流路と軸方向に並べて温度補償用のアキュムレータを配設し、このアキュムレータを一方の組みの作動油室へと絞りを通して連通し、当該アキュムレータで温度変化に伴う作動油体積の過不足を補償すると共に、絞りによる流動抵抗でロータリダンパの作動時にアキュムレータへと流入する作動油の流れを制限している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来のロータリダンパにあっては、ケーシングの内部をロータのベーンで二組の作動油室に区画するに当り、当該ベーンをロータシャフトと一体に構成し、かつ、これらベーンの一方の面にシール部材を取り付けてケーシングの内壁面との間を油密に保つようにしている。
【0009】
このことから、ロータシャフトと一体になっているベーンの付根部分は、加工技術の上でどうしてもアール形状とならざるを得ず、このアール部を避けるために当該ロータシャフトを回動支持するケーシング側のベアリングの内端面にも面取りを施してやる必要がある。
【0010】
その結果、この面取りによってロータシャフトとベアリングの間に環状の隙間が生じるのをどうしても避けることができず、そうかと言って、ベーンの付根部分のアール形状のところにまで亙ってベーン側のシール部材を延ばすこともできない。
【0011】
そのために、ロータリダンパの作動の際に当該隙間を通して収縮側の作動油室から隣り合う拡張側の作動油室へと作動油が洩れ、この作動油の洩れで減衰力にバラツキが生じて常に安定した減衰力特性を確保することができないという不都合があった。
【0012】
また、ロータの加工に当っても、ロータシャフトの中央部分から延びるベーンが邪魔になって、当該ロータシャフトの両側の軸部分を同時加工によって作ることができない。
【0013】
このことから、ロータシャフトの両側の支持軸部分の同軸度を確保するためには高精度の加工を必要とし、当該加工に手数と時間が掛ってコスト高にならざるを得ないという問題点をも有していた。
【0014】
したがって、この発明の目的は、ベーンによる二組の作動油室間のシール性能を向上させて減衰力特性の安定化を図ると共に、ロータシャフトとベーンの加工をも容易にすることのできる新規の構成を備えたロータリダンパを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記した目的は、この発明によれば、ロータを支持部材であるロータシャフトと当該ロータシャフトを貫いて嵌着した隔壁部材であるベーンとの二つの部材に分けて構成し、かつ、ベーンの外周面に樹脂をモールドしてシール部材を形成することで達成される。
【0016】
すなわち、このようにすることで、ロータシャフトに対するベーンの付根部分の隅形状を直角に加工することができる。
【0017】
その結果、ケーシング側のベアリングの内端面の面取りも不要となるので、当該部分にできる隙間が極端に小さくなる。
【0018】
しかも、併せて、ベーン側のシール部材をロータシャフトとベーンの付根部分一杯のところまで配設することで当該隙間を通る作動油の洩れ量を殆ど零にし、常に安定した減衰力特性を確保することができる。
【0019】
また、ロータの製作に際しても、ロータシャフトとベーンをそれぞれ独立して加工することができるので、ベーンを挟むロータシャフトの両側の支持軸部分の同軸度を、高精度の加工によることなく同時加工によってその容易に確保することが可能になるのである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1および図2において、ロータリダンパのケーシング1を形作るハウジング2は、軸方向に貫通して形成したボアー3(図2参照)を有する。
【0022】
ボアー3の両端は、ハウジング2の両側面にボルト4で取り付けた左右のサイドパネル5,6によりシール7,8を介して閉じられており、これらハウジング2とサイドパネル5,6とでロータリダンパのケーシング1を構成している。
【0023】
ハウジング2におけるボアー3の内部には、ロータ9が回動自在に配設してある。
【0024】
上記ロータ9は、支持部材であるロータシャフト10と、当該ロータシャフト10を貫いて嵌着した隔壁部材であるベーン11との二つの部分に分けて構成してある。
【0025】
ベーン11は、先端の稜線部分に面取りを施した平板状の部材として構成されており、かつ、ロータシャフト10から外方へと放射状に突出する部分で180度の位相差をもつ二つのベーン部11a,11bを形成している。
【0026】
これらベーン部11a,11bは、ロータシャフト10にベーン11を嵌着した状態で外周から型を宛てがい、この型内に樹脂を注入してそれぞれの外周面を樹脂でモールドすることにより、樹脂製のシール部材12a,12bで覆われている。
【0027】
この場合、上記樹脂は、ベーン部11a,11bの外周面全体をロータシャフト10の表面にまで亙って覆うだけでなく、ロータシャフト10に対するベーン11の両側面における嵌着隙間にも入り込み、この部分をシール部材12c(図1参照)で埋める。
【0028】
これにより、両側のベーン部11a,11bを覆うシール部材12a,12bは、嵌着隙間内に亙って入り込んだシール部材12cの部分を通して互いに連結され、当該シール部材12cによって両端のシール部材12a,12bがベーン部11a,11bから脱落するのを阻止している。
【0029】
しかも、上記と併せて、当該樹脂は、各ベーン部11a,11bに厚さ方向へと貫通して穿ったそれぞれの孔の内部にも入り込み、これらの部分をもシール部材12d(図2参照)で埋めて各シール部材12a,12bの両面側の部分をそれぞれ裏面から結ぶ。
【0030】
かくして、シール部材12a,12bがベーン部11a,11bから脱落するのを阻止すると共に、シール部材12a,12bがベーン部11a,11bから剥離して浮き上がるのをも防止している。
【0031】
上記ロータ9は、ベーン部11a,11bに設けたシール部材12a,12bの先端と両側面をハウジング2におけるボアー3の内壁とサイドパネル5,6の内壁とに摺接させつつ、これらの摺接部分を油密状態に保ってケーシング1におけるハウジング2のボアー3内に配設される。
【0032】
また、ロータシャフト10の両端軸部分は、図1にみられるように、サイドパネル5,6に設けたベアリング13a,13bで回動自在に両持ち支持されており、かつ、オイルシール14a,14bとダストシール15a,15bで密封されている。
【0033】
上記ロータシャフト10は、それぞれサイドパネル5,6を貫通して外部へと突出し、例えば、図示しない車体のばね下側にリンク等を介して取り付けられる取付部10a,10bを形作っている。
【0034】
これら取付部10a,10bと対応してサイドパネル5,6の外側面には、もう一方の取付部である取付フランジ5a,5b,6a,6b(図4,図5参照)が形成してあり、ケーシング1は、これら取付フランジ5a,5b,6a,6bを通して例えば図示しない車体のばね上側に取り付けられる。
【0035】
一方、ロータ9のベーン部11a,11bと対向してハウジング2のボアー3の内壁には、同じく軸方向に沿い180度の位相差をもって二つのセパレートブロック3a,3bがそれぞれ形成してある。
【0036】
上記セパレートブロック3a,3bに対しても、それぞれの先端面から両側面へと亙って密封部材であるシール16a,16bが介装してあり、これらシール16a,16bを介してロータシャフト10の外周面とサイドパネル5,6の内壁とに接し、それらの接触部分を油密状態に保っている。
【0037】
このようにして、セパレートブロック3a,3bとベーン部11a,11bとでケーシング1の内部を、ロータ10との相対回動運動に伴って交互に拡張および収縮を繰り返す二組の作動油室17a,17bと作動油室17c,17dとに区画している。
【0038】
しかも、上記において、ロータ9をロータシャフト10とベーン11との二つの部材に分け、これらを組み合わせて構成したことにより、当該ロータシャフト10から延びるベーン部11a,11bの付根部分の形状を直角に加工することが容易になる。
【0039】
このことから、ロータシャフト10を回動自在に支持するサイドパネル5,6側のベアリング13a,13bの内端面の面取りが不要となり、当該部分にできる隙間を極端に小さくすることができる。
【0040】
しかも、併せて、ベーン部11a,11bのシール部材12a,12bをこれらベーン部11a,11bの付根部分一杯のところまで配設することができるので、当該隙間を通る作動油の洩れ量を殆ど零にすることができる。
【0041】
さらに、ロータ9を形成するロータシャフト10とベーン11を二つの部分に分けて構成したことにより、ベーン11に関係なくロータシャフト10を独立して加工することができる。
【0042】
そのために、ベーン11を挟むロータシャフト10の両側の支持軸部分の同軸度を、同時加工によって高精度の加工を施すことなく容易に確保することもできる。
【0043】
図2と図3から分かるように、上記作動油室17a,17b,17c,17dの上方には、ハウジング2を横方向に貫通して二本のボアー18,19が形成してある。
【0044】
ボアー18の両開口端は、サイドパネル5,6の内壁面を鋳抜いて形成した窪み20,21にそれぞれシール22,23で油密に通じている。
【0045】
一方、ボアー19の左方開口端は、サイドパネル5に嵌着したシール24により当該サイドパネル5の内壁面で油密に閉じられると共に、右方開口端は、サイドパネル5の内壁面を鋳抜いて形成した窪み25にシール26で油密に通じている。
【0046】
サイドパネル5側の窪み20は、図4に示すように、当該サイドパネル5に対して鋳抜きで形成した油路27と内壁面に向って開く開口27a,27bとで作動油室17a,17bの収縮側へのストロークエンド部分(図2参照)に連通している。
【0047】
また、サイドパネル6側の窪み21は、図3および図5に示すように、鋳抜きで形成した油路28を通して窪み25へと通じ、さらに、この窪み25から同じく鋳抜きで形成した油路29と内壁面に向って開く開口29a,29bとで各作動油室17c,17dの収縮側へのストロークエンド部分に連通している。
【0048】
なお、上記した油路29と開口29a,29bとによる窪み25と各作動油室17c,17dとの連通関係については、先に述べたサイドパネル5側における窪み20と各作動油室17a,17bの連通関係と同様であり、先の説明に基いて容易に理解できることであるので図2にあっては図示を省略してある。
【0049】
かくして、ケーシング1とロータ10の相対的な回動運動に伴い交互に拡張および収縮される二組の作動油室17a,17bと作動油室17c,17dは、サイドパネル5の油路27と窪み20からハウジング2にボアー18として構成された連絡流路30、およびサイドパネル6側の窪み21,油路28、並びに窪み25と油路29を通して相互に連通されることになる。
【0050】
図3に戻って、連絡流路30の内部には、ガイドロッド31の基端鍔部をハウジング2とサイドパネル6とで挟んで両効き用の減衰力発生機構32が固定してある。
【0051】
減衰力発生機構32は、上記したガイドロッド31の他に、隔壁部材33と当該隔壁部材33を挟んで両側から当てた減衰力発生バルブ34,35を備え、これら隔壁部材33と減衰力発生バルブ34,35をガイドロッド31に嵌挿したのちナット36で固定することによって構成されている。
【0052】
隔壁部材33は、外周に嵌着したシール37で油密状態を保ちつつ、連絡流路30内をサイドパネル5の窪み20に通じる部分とサイドパネル6の窪み21に通じる部分との二つに区画している。
【0053】
隔壁部材33には、二組のポート38,39がそれぞれ軸方向へと貫通して穿設してあり、この一方の組みのポート38を減衰力発生バルブ34で閉じると共に、他方の組みのポート39を減衰力発生バルブ35で閉じている。
【0054】
一方、もう一つのボアー19内には、外周にシール40を備えたフリーピストン41を摺動自在に挿入し、当該フリーピストン41でボアー19内を左方のガス室42と右方の油室43とに区画している。
【0055】
油室43の右端は、ハウジング2とサイドパネル6とで挟んで固定した隔壁部材44によって隔離されており、かつ、シール45でサイドパネル6の窪み25と隔絶している。
【0056】
隔壁部材44には、油室43と窪み25を相互に連通する油路46が穿設してあり、サイドパネル6の外部からこの油路46へと向って流量制限用の絞り47をもつカットバルブ48が螺挿してある。
【0057】
また、左方のサイドパネル5には、ガス室42に向ってガス給排バルブ49が設けてある。
【0058】
かくして、ボアー19の内部を温度補償用のアキュムレータ50として構成すると共に、当該アキュムレータ50の油室43は、カットバルブ48の絞り47から窪み25と油路28を通してサイドパネル6の窪み21に連通されることになる。
【0059】
さらに、アキュムレータ50の油室43は、ハウジング2に穿った油路51により連絡流路30を通してサイドパネル5の窪み20にも通じており、当該油路51の途中には、連絡流路30側へと向って開くチェックバルブ52が介装してある。
【0060】
セパレートブロック3a,3bとベーン部11a,11bとで区画されたケーシング1内の作動油室17a,17b,17c,17dのうち、油路27によって組みをなす作動油室17a,17bは、図2,図5および図6で示すように、ハウジング2とサイドパネル6とに亙って穿設した油路53,54,55によりシール56で油密にサイドパネル6の油路28にも連通している。
【0061】
なお、上記油路28は、先に述べたように、一方においてサイドパネル6の窪み21から連絡流路30中の減衰力発生機構32を通してサイドパネル5側の窪み20と油路27を通して作動油室17a,17bに通じ(図3,図4参照)ており、また、他方にあっては、サイドパネル6の窪み25から油路29を通して作動油室17c,17dにも通じ(図3,図5参照)ている。
【0062】
これにより、油路53,54,55は、上記した減衰力発生機構32を通るメイン流路に対して当該減衰力発生機構32を迂回しつつ作動油室17a,17bと作動油室17c,17dを相互に連通するバイパス流路57を形成することになる。
【0063】
上記バイパス流路57における油路54には、サイドパネル6の油路28へと向って開くチェックバルブ58が介装してある。
【0064】
そして、このバイパス流路57における油路53へと向けてハウジング2の外部からシール59により油密状態を保って絞りバルブ60を螺挿し、この絞りバルブ60の外部突出端に摘み61を取り付けて当該バイパス流路57を流れる作動油の流量を可変制御し得るようにし、これらによって減衰力調整機構62を構成している。
【0065】
同様に、油路29で組みをなすもう一方の作動油室17c,17dもまた、図4と図7で示すように、ハウジング2とサイドパネル5とに亙って穿設した油路53a,54a,55aによりシール56aで油密状態を保ちつつ油路28aを通してにサイドパネル5の窪み20に連通している。
【0066】
なお、この窪み20も、先に述べたように、一方において連絡流路30中の減衰力発生機構32を通してサイドパネル6側の窪み21から油路28,窪み25および油路29を通して作動油室17a,17bに通じ(図3,図5参照)ており、また、他方にあっては、サイドパネル5の油路27を通して作動油室17a,17bにも通じ(図4参照)ている。
【0067】
これにより、油路53a,54a,55aもまた、減衰力発生機構32を通るメイン流路を迂回しつつ作動油室17a,17bと作動油室17c,17dを相互に連通するバイパス流路57aを形成することになる。
【0068】
上記バイパス流路57aにおける油路54a内にも、サイドパネル5側の油路28aへと向って開くチェックバルブ58aが介装してある。
【0069】
そして、このバイパス流路57aにおける油路53aへと向けてハウジング2の外部からシール59aにより油密状態を保って絞りバルブ60aを螺挿し、この絞りバルブ60aの外部突出端に摘み61aを取り付け、それによって、バイパス流路57aを流れる作動油の流量を可変制御し得る減衰力調整機構62aを構成したのである。
【0070】
次に、以上のように構成したこの発明によるロータリダンパの作用について説明する。
【0071】
先づ、組立の終わったロータリダンパ内に作動油を注入する際には、外部からカットバルブ48を螺退させてアキュムレータ50における隔壁部材44の油路46を開く。
【0072】
また、これと併せて、ガス給排バルブ49を取り外して治具を挿し込み、当該治具でフリーピストン41の位置決めを行う。
【0073】
次いで、この状態から図面上において図示を省略した注油口を通してロータリダンパ内へと作動油を注入し、ロータリダンパ内が当該作動油で満たされたところで注油口を閉じる。
【0074】
そして、しかる後に、治具を取り外すと共にカットバルブ48を螺進し、当該カットバルブ48で油路46を閉じてからガス給排バルブ49を取り付け、ガス室42へと所定圧力のガスを封入する。
【0075】
これにより、上記の注油作業時において、予め、カットバルブ48による油路46の閉鎖が解かれていることから、注入された作動油が当該カットバルブ48の絞り47で流れを阻害されることなくアキュムレータ50の油室43へと速やかに行き渡り、短時間でしかも確実に注油作業が終了する。
【0076】
しかも、その後は、アキュムレータ50の油室43がカットバルブ48の絞り47を通してサイドパネル6の窪み25に連通し、当該絞り47による流動抵抗で窪み25から急激に油室43へと流入しようとする作動油の流れに制限を加えることになる。
【0077】
その結果、温度変化のような比較的ゆっくりとした作動油の膨張および縮小に伴う体積変化に対しては、カットバルブ48の絞り47による流動抵抗に関係なく作動油が窪み25と油室43の間を出入りし、アキュムレータ50が本来の温度補償機能を果すことになる。
【0078】
一方、この状態での使用に際してロータリダンパが外力を受け、ロータリダンパのケーシング1とロータ9との間に相対的な回動運動が生じて、一方の組みの作動油室17a,17bが収縮しつつ他方の組みの作動油室17c,17dが拡張したとする。
【0079】
すると、収縮した組みの作動油室17a,17b内にあった作動油が、サイドパネル5の開口27a,27bから油路27を通して窪み20に押し出されると共に、併せてバイパス流路57から減衰力調整機構62を通してチェックバルブ58を押し開きつつサイドパネル6側の油路28にも押し出される。
【0080】
このとき、バイパス流路57からの作動油は、減衰力調整機構62の絞りバルブ60によって流動抵抗を受け、当該流動抵抗に応じた減衰力を発生しつつ油路28から窪み25,油路29および開口29a,29bを通して拡張する組みの作動油室17c,17dへと流入する。
【0081】
また、サイドパネル5の窪み20に押し出されてきた作動油は、当該作動油の圧力が減衰力発生機構32における減衰力発生バルブ34のクラッキング圧力を越えたときにのみ、連絡流路30から減衰力発生バルブ34を押し開きつつサイドパネル6の窪み21を通して油路28に流入する。
【0082】
そして、ここで上記バイパス流路57からの作動油と一緒になり、窪み25および油路29を通して拡張する組みの作動油室17c,17dへと流入し、これら作動油室17c,17d内の作動油の不足分を補う。
【0083】
したがって、上記したロータリダンパの作動時における減衰力特性は、作動油が減衰力調整機構62の絞りバルブ60と減衰力発生機構32における減衰力発生バルブ34を通して流れるときの流動抵抗によって決まることになる。
【0084】
また、上記とは逆に、一方の組みの作動油室17a,17bが拡張して他方の組みの作動油室17c,17dが収縮する方向にケーシング1とロータ9が相対回動運動を起したとする。
【0085】
この場合には、収縮した組みの作動油室17c,17d内の作動油が、サイドパネル6の開口29a,29bから油路29,窪み25および油路28を通して窪み21に押し出されると共に、バイパス流路57aから減衰力調整機構62aを通してチェックバルブ58aを押し開きつつサイドパネル5側の油路28aから窪み20にも押し出される。
【0086】
このとき、バイパス流路57aからの作動油は、減衰力調整機構62aの絞りバルブ60aによって流動抵抗を受け、当該流動抵抗に応じた減衰力を発生しつつ窪み20から油路27および開口27a,27bを通して拡張する組みの作動油室17a,17bに流入する。
【0087】
また、サイドパネル6の窪み21に押し出されてきた作動油は、当該作動油の圧力が減衰力発生機構32における減衰力発生バルブ35のクラッキング圧力を越えたときにのみ、連絡流路30から減衰力発生バルブ35を押し開きつつサイドパネル5の窪み20に流入する。
【0088】
そして、ここで上記したバイパス流路57aからの作動油と一緒になり、油路27を通して拡張する組みの作動油室17a,17bへと流入し、これら作動油室17a,17b内の作動油の不足分を補う。
【0089】
したがって、この場合におけるロータリダンパの減衰力特性は、作動油が減衰力調整機構62aの絞りバルブ60aと減衰力発生機構32における減衰力発生バルブ35を通して流れるときの流動抵抗によって決まることになる。
【0090】
以上のことから、ロータリダンパの作動方向に応じて減衰力発生機構32の減衰力発生バルブ34,35を使い分けることで、それぞれの場合における減衰力特性を適宜に設定し得る。
【0091】
しかも、そればかりでなく、ロータリダンパの作動方向に応じて減衰力調整機構62,62aの摘み61,61aを選択し、外部からこれら摘み61,61aを操作して絞りバルブ60,60aによる流動抵抗を調節してやることにより、上記した減衰力発生バルブ34,35による減衰力特性をそれぞれ独立して調整することもできる。
【0092】
しかし、これとても、作動油の流れがサイドパネル6側の窪み25を通るときにアキュムレータ50の影響を受けて作動油圧力に変化をきたすと、減衰力特性が変動を起して乱れてしまうことになる。
【0093】
そのために、窪み25とアキュムレータ50の油室43との間に絞り47を置き、アキュムレータ50の影響を当該絞り47によりカットして、アキュムレータ50が極力窪み25内の作動油に影響を与えないようにしている。
【0094】
ただし、上記において、作動油室17a,17bが収縮側になったときには、窪み25を通る作動油の流れが絞りバルブ60と減衰力発生バルブ34とを通ったのちの戻り油で殆ど圧力がないために、当該作動油が絞り47を通してアキュムレータ50の油室43に流入することはない。
【0095】
それに対して、作動油室17c,17dが収縮側になった場合には、絞りバルブ60aと減衰力発生バルブ35を通る前の圧力作動油が窪み25に流れてくるので、作動油の一部が絞り47によって制限を受けるとはいえ、当該絞り47を通してアキュムレータ50の油室43に流入することになる。
【0096】
そのために、拡張する側の作動油室17a,17bに補給される作動油の油量が不足し、作動油室17a,17b内にバキュームが生じて次にロータリダンパが反転したときの初期の減衰力特性を乱すことになる。
【0097】
しかし、この場合にあっても、アキュムレータ50の油室43内の圧力作動油が、油路51からチェックバルブ52を押し開きつつそのときに戻り側となっている連絡流路30の部分に流入し、ここからメインの流れと一緒になって拡張する側の作動油室17a,17bに補給される。
【0098】
そのために、これら作動油室17a,17bで不足する油量をアキュムレータ50からの作動油で充足し、当該作動油室17a,17b内にバキュームが生じるのを阻止して、次にロータリダンパが反転したときの初期の減衰力特性の乱れを防止する。
【0099】
以上、これまで述べてきたこの発明の実施の態様にあっては、ロータ9におけるベーン11を、先端の稜線部分に対して面取りを施した平板状の部材を用いて構成してきた。
【0100】
そのために、このものでは、ベーン11をロータシャフト10に嵌着するときに当該ベーン11が殆ど厚さ方向に向って弾性変形しない。
【0101】
このことから、ロータシャフト10に対してベーン11を嵌着するときに、当該嵌着の度合いが硬いと所定の状態でベーン11を嵌着するのが困難となり、逆に緩いと、嵌着後に所定の状態をそのまま保持しておくことが難しくなる。
【0102】
図8乃至図10は、上記の点を考慮してロータ9aを構成した場合の実施の態様を示すもので、当該実施の態様にあっては、中心部分に貫通孔11dをもつ二枚の板材11eを用いて間に空隙11fを残しつつ両側端を接合してベーン11cを構成している。
【0103】
このものによれば、ベーン11cが空隙11fの存在によって厚さ方向に弾性変形することが可能になることから、当該ベーン11cをロータシャフト10に対して容易に所定の状態で嵌着し得るばかりか、嵌着後にベーン11cの弾性力を利用してロータシャフト10に対し当該ベーン11cを所定の状態のまま確固に保持しておくことができる。
【0104】
また、このものによれば、シール部材12a,12b,12c,12dを構成する樹脂が貫通孔11dと空隙11fにも入り込むことから、ベーン11cに対するシール部材12a,12bの密着度をさらに向上させることもできる。
【0105】
なお、これまで述べた何れの実施の態様にも言えることであるが、樹脂の種類によっては、シール部材12a,12bの密封性に多少なりとも問題の生じる恐れが考えられる。
【0106】
この場合には、図8乃至図10の後者の実施の態様において例示されているように、ベーン部11a,11bに対するシール部材12a,12bのモールドに際して、これらシール部材12a,12bの先端から両側面に亙って同時にシール溝12e,12fを形作ってやる。
【0107】
そして、これらシール溝12e,12fへとベーンシール12g,12hを嵌着し、当該ベーンシール12g,12hを通してケーシング1内におけるボアー3とサイドパネル5,6の内壁との間をそれぞれシールしてやる。
【0108】
このようにすれば、密封性に優れたベーンシール12g,12hを用いてこれらボアー3とサイドパネル5,6の内壁との間のシール性能を良好に保つことが可能になる。
【0109】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、ロータを支持部材であるロータシャフトと当該ロータシャフトを貫いて嵌着した隔壁部材であるベーンとの二つの部材に分けて構成したことにより、ロータシャフトとベーンの接合部における隅部形状を直角に加工することが容易となり、その結果、ケーシング側のベアリングの内端面の面取りも不要となるので、当該部分にできる隙間を極端に小さくすることができる。
【0110】
しかも、ロータシャフトから突出するベーン部の外周面に樹脂をモールドしてシール部材を形成することで、ベーン側のシール部材をロータシャフトとベーンの付根部分一杯のところまで配設することができ、当該隙間を通る作動油の洩れ量を殆ど零にして常に安定した減衰力特性を確保することが可能になる。
【0111】
また、ロータの製作に際しても、ロータシャフトとベーンをそれぞれ単独で加工し、その後に、ベーンをロータシャフトに嵌着してロータを構成することができるので、高精度の加工を施すことなくロータの同軸度を容易に確保することができる。
【0112】
請求項2の発明によれば、ベーンを二枚の板材により間に空隙を残して厚さ方向に弾性力を付与しつつ両側端を接合して構成したことにより、ロータシャフトに対してベーンを容易に所定の状態で嵌着し得るばかりか、嵌着後においてベーンをそれ自体の弾性力で所定の状態のまま確固に保持しておくこともできる。
【0113】
また、このものによれば、シール部材を構成する樹脂が二枚の板材の間の空隙にも入り込むことから、ベーンに対するシール部材の密着度を向上させることもできる。
【0114】
請求項3の発明によれば、シール部材の先端と両側面に亙って一連のシール溝を形成し、当該シール溝に対してベーンシールを嵌着することにより、密封性に優れたベーンシールを用いてケーシング内におけるボアーとサイドパネルの内壁との間のシール性能を良好に保つことができるという効果をも付与することができる。
【0115】
請求項4の発明によれば、上記の効果に加えて、ロータシャフトとベーンの嵌着隙間に亙って形成されたシール部材によりベーン部の外周面にモールドされたシール部材を互いに連結し、ベーン部のシール部材が当該ベーン部から脱落するのを阻止し得る。
【0116】
請求項5の発明によれば、ベーン部を貫通する厚さ方向の孔内に亙ってシール部材を形成し、当該シール部材を通してベーン部の両面にモールドされたシール部材を互いに連結することで、ベーン部のシール部材が当該ベーン部から脱落したり或いは剥離するのをも防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるロータリダンパの実施の形態を示す縦断正面図である。
【図2】同上、図1におけるW−W線からの縦断側面図である。
【図3】同じく、図1におけるX−X線からの横断平面図である。
【図4】図1におけるY−Y線からの切断面図で、左側のサイドパネルを内壁面側からみた側面図である。
【図5】同じく、図1におけるZ−Z線からの切断面図で、右側のサイドパネルを内壁面側からみた側面図である。
【図6】図2における減衰力調整機構の部分を縦断して示す正面図である。
【図7】同じく、図2におけるもう一方の減衰力調整機構の部分を縦断して示す正面図である。
【図8】ロータの他の実施の態様を示す縦断正面図である。
【図9】同上、縦断側面図である。
【図10】同じく、一部を切断して示す平面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 ハウジング
3 ボアー
3a,3b セパレートブロック
5,6 サイドパネル
9,9a ロータ
11,11c ベーン
11a,11b ベーン部
11e 板材
11f 空隙
12a,12b,12c,12d シール部材
12e,12f シール溝
12g,12h ベーンシール
13a,13b ベアリング
17a,17b,17c,17d 作動油室
30 連絡流路
32 減衰力発生機構
33 隔壁部材
34,35 減衰力発生バルブ

Claims (5)

  1. ケーシングとロータの相対回動運動に伴って交互に拡張および収縮を繰り返す両作動油室を連絡流路で互に連通し、この連絡流路の途中に作動油の流れに対して所定の減衰抵抗を与える減衰力発生機構を介装したロータリダンパにおいて、上記ロータを支持部材であるロータシャフトと当該ロータシャフトを貫いて嵌着した隔壁部材であるベーンとの二つの部材に分けて構成し、かつ、ロータシャフトから突出するベーン部の外周面に樹脂をモールドしてシール部材を形成したことを特徴とするロータリダンパ。
  2. 二枚の板材を用いて中間部に空隙を残しつつ両側端を接合してベーンを構成した請求項1のロータリダンパ。
  3. シール部材の先端から両側面に亙って一連のシール溝を形成し、当該シール溝に対してベーンシールを嵌着した請求項1または2のロータリダンパ。
  4. ロータシャフトとベーンの嵌着隙間に亙ってシール部材を形成し、当該シール部材を通してベーン部の外周面にモールドしたシール部材を互いに連結した請求項1,2または3のロータリダンパ。
  5. ベーン部を貫通する厚さ方向の孔内に亙ってシール部材を形成し、当該シール部材を通してベーン部の両面にモールドされたシール部材を互いに連結した請求項1,2,3または4のロータリダンパ。
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