JPH09126264A - ロータリダンパ - Google Patents

ロータリダンパ

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Publication number
JPH09126264A
JPH09126264A JP30370595A JP30370595A JPH09126264A JP H09126264 A JPH09126264 A JP H09126264A JP 30370595 A JP30370595 A JP 30370595A JP 30370595 A JP30370595 A JP 30370595A JP H09126264 A JPH09126264 A JP H09126264A
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JP
Japan
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side panels
housing
oil
rotary damper
hydraulic oil
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Application number
JP30370595A
Other languages
English (en)
Inventor
Kozo Yamamoto
耕三 山本
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータリダンパのケーシングを摩耗に弱いア
ルミ材で作って軽量化を図ったとしても、当該ケーシン
グがロータとの相対回動運動に伴って早期に摩耗するの
を防止して常に安定した減衰力特性を確保する。 【解決手段】 ケーシング1をハウジング2と当該ハウ
ジング2の左右から当てたサイドパネル5,6とで構成
する。また、ロータ11側のベーンと摺接するサイドパ
ネル5,6の内壁面には凹部8を形成し、これら凹部8
内に耐摩耗性の材料からなる摺動プレート9をサイドパ
ネル5,6の内壁面と同一平面状態に保って嵌合する。
そして、これらサイドパネル5,6と摺動プレート9と
の間に回り止め機構を施し、当該摺動プレート9でケー
シング1の一部を構成するサイドパネル5,6の内壁面
がロータ11側のベーンとの摺接によって摩耗されるの
を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回動運動を利用
して減衰作用を行うロータリダンパに関し、例えば、自
動車のサスペンションや自動二輪車における後輪サスペ
ンション用の減衰器としての使用に適するロータリダン
パの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のロータリダンパとして
は、例えば、平成7年6月20日付で出願公開された平
成7年特許出願公開第158680号公報にみられるよ
うなものが知られている。
【0003】すなわち、このものは、ハウジングの両端
面をそれぞれサイドパネルで塞いで形成したケーシング
と、当該ケーシングに対して回動自在に支架したロータ
とでロータリダンパの本体部分を構成している。
【0004】本体部分の内部は、ハウジングの内壁面に
設けたセパレートブロックとロータの外周面から延びる
ベーンとで二組の作動油室に区画されており、かつ、こ
れらセパレートブロックとベーンの先端面から両側面に
亙りそれぞれシールを介装することで、ケーシングとロ
ータの相対的な回動運動に伴い上記二組の作動油室を油
密状態に保って交互に収縮および拡張させるようにして
いる。
【0005】そして、これら二組の作動油室をハウジン
グに穿った連絡流路を通して相互に連通し、この連絡流
路中に減衰力発生機構を介装することで収縮側の作動油
室から拡張側の作動油室に向う作動油に流動抵抗を与
え、それぞれの動作方向に対して所定の減衰力を発生す
るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、一例とし
て挙げた上記のロータリダンパにもみられるように、こ
れまでのロータリダンパにあっては、その作動に際して
ロータ側のベーンの両側面がシールを挟んでケーシング
側の左右のサイドパネルの内壁面と油密に摺接する構造
をとっている。
【0007】この場合、両サイドパネルがベーンとの摺
接に当って充分に摩耗に耐える材料で作ってあれば問題
はないが、当該ロータリダンパを自動車や自動二輪車の
サスペンションに用いる場合には、軽量化による燃料消
費性能(燃費)を考慮してハウジングと共に両サイドパ
ネルをもアルミ材で作るのが一般である。
【0008】このことから、ロータリダンパに対して大
きなスラスト力が加わるとベーンと一方のサイドパネル
とが互に強い力で押し付けられ、この状態を保って両者
が摺動することからアルミ製のサイドパネルが早期に摩
耗を起すことになる。
【0009】その結果、二組の作動油室間に減衰力発生
機構を通らないでベーンとサイドパネルとの間の隙間か
ら直接洩れてしまう作動油の流れが生じたり、或いは、
作動油に混じったサイドパネルの摩耗粉が減衰力発生機
構のバルブ部分に挟まったりして減衰力特性を乱すとい
う不都合を生じることになる。
【0010】したがって、この発明の目的は、軽量化を
図るために両サイドパネルを摩耗に弱いアルミ材等で作
ったとしても、当該サイドパネルの摩耗を防止して常に
安定した減衰力特性を確保することのできる新規の構成
を備えたロータリダンパを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、この発明
によれば、ケーシングとロータの回動変位に伴って交互
に収縮および拡張を繰り返す両作動油室を連絡流路で相
互に連通し、この連絡流路の途中に減衰力発生機構を介
装して作動油の各流れ方向に対しそれぞれ所定の減衰抵
抗を与えるようにしたロータリダンパにおいて、上記ケ
ーシングをハウジングと当該ハウジングの左右から当て
たサイドパネルとで構成し、これら左右のサイドパネル
のロータと摺接する内壁面に耐摩耗性の材料からなる摺
動プレートを介在することによって達成される。
【0012】すなわち、上記のように構成することによ
って、ハウジングから切り離された両サイドパネルのロ
ータと摺接する内壁面に対して耐摩耗性に優れた摺動プ
レートを容易に介在させることができる。
【0013】しかも、ロータの両側面は、常にこれらサ
イドプレート側の摺動プレートと摺接して動作すること
になるので、両サイドプレートを摩耗に弱いアルミ材で
作って軽量化を図ったとしても、ロータリダンパに加わ
るスラスト力によってこれらサイドプレートが早期に摩
耗することはない。
【0014】その結果、両作動油室間に生じる作動油の
直接の洩れやサイドプレートの摩耗粉による作動油の汚
染によって減衰力特性に乱れを生じることがなく、常に
安定した減衰力特性を確保することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。
【0016】図1および図2において、ロータリダンパ
のケーシング1を形作るハウジング2は、軸方向に貫通
して形成したボアー3を有する。
【0017】ボアー3の両端開口部は、ハウジング2の
両側面に取付ボルト4で結合した左右のサイドパネル
5,6によりそれぞれシール7を介して閉じられてお
り、これらハウジング2とサイドパネル5,6とでロー
タリダンパのケーシング1を構成している。
【0018】この実施の形態の場合、左右のサイドパネ
ル5,6の内壁面にはそれぞれ凹部8が構成してあっ
て、これら凹部8内に耐摩耗性の材料からなる摺動プレ
ート9がサイドパネル5,6の内壁面と同一平面状態に
保って嵌合してある。
【0019】摺動プレート9は、ハウジング2と各サイ
ドパネル5,6間に介装した位置合わせ用のダウェルピ
ン10(図4参照)をそれぞれ摺動プレート9を通して
挿通することにより、これらダウェルピン10でサイド
パネル5,6に対する回り止めをも行っている。
【0020】なお、図4にあっては、ハウジング2と左
方のサイドパネル5との間に介装した位置合わせ用のダ
ウェルピン10のみを示してあるが、ハウジング2と右
方のサイドパネル6との間にも同様にして位置合わせ用
のダウェルピンが設けられていることは言うまでもな
い。
【0021】図1と図2に戻って、上記ハウジング2に
おけるボアー3の中心部には、左右のサイドパネル5,
6を貫通してロータ11が挿通してあり、当該ロータ1
1の両側面は、サイドパネル5,6の内壁面に設けた上
記耐摩耗性の材料からなる摺動プレート9とそれぞれ対
面している。
【0022】ロータ11の一方の端部は、左方のサイド
パネル5から外部へと突出して、例えば、図示しない車
体のばね下側にリンク等を介して取り付けられる取付部
12を形作っている。
【0023】また、ケーシング1には、もう一方の取付
部である二つの取付穴13が形成してあり、ケーシング
1は、これら取付穴13を通して例えば図示しない車体
のばね上側に取り付けられる。
【0024】上記ロータ11は、サイドパネル5,6に
設けたベアリング14により回動自在に両持ち支持され
ており、かつ、オイルシール15とダストシール16と
で密封してある。
【0025】ロータ11のボアー3内に位置する部分の
外周面には、軸方向に沿い180度位相をずらせて二枚
のベーン17が形成してある。
【0026】ベーン17は、それぞれの先端面から両側
面へと亙って介装したベーンシール18を備え、これら
ベーンシール18を通してボアー3の内壁面とサイドパ
ネル5,6の内壁面に設けた上記摺動プレート9とに接
し、これらの接触部分を油密状態に保って摺接するよう
にしてある。
【0027】上記ロータ11側のベーン17と対向して
ハウジング2のボアー3の内壁面には、同じく軸方向に
沿い180度位相をずらせて二枚のセパレートブロック
19がそれぞれ形成してある。
【0028】これらボアー3側におけるセパレートブロ
ック19もまた、先端面から両側面へと亙って先に述べ
たベーン17側のベーンシール18と同一のシール20
を備えており、これらシール20を通してロータ11の
外周面とサイドパネル5,6の内壁面とに接し、これら
接触部分を油密状態に保っている。
【0029】かくして、ケーシング1におけるボアー3
の内部をベーン17とセパレートブロック19とによ
り、ケーシング1とロータ11の相対回動運動に伴って
交互に収縮および拡張を繰り返す二組の作動油室21,
22と作動油室23,24とに区画している。
【0030】なお、上記した作動油室21,22と作動
油室23,24は、それぞれロータ11に穿った油孔2
5,26(図2と図3参照)を通して各組毎にそれぞれ
連通している。
【0031】上記作動油室21,22,23,24の下
方には、ハウジング2を横方向に貫通して二本のボアー
27,28が水平方向に並べて形成してある。
【0032】図1におけるZ−Z線からの断面である図
5において示してあるように、これらボアー27,28
の左右の開口端部分は、シール29,30を挟んで左右
のサイドパネル5,6により油密に閉じられている。
【0033】なお、この場合、ボアー28の左方の開口
端には、予め、外周にシール31を備えた栓体32を嵌
着しておき、当該栓体32をハウジング2とサイドパネ
ル5により挟んで固定し、前記シール30と併せてシー
ル31により二重に密封するようにしてある。
【0034】上記ボアー27の内部には、両効き用の減
衰力発生機構33が固定して配置してある。
【0035】図6の部分拡大図に示すように、この実施
の形態の場合、減衰力発生機構33は、ハウジング2と
左方のサイドパネル5とで挟んで固定したガイドロッド
34と、このガイドロッド34の外周に嵌着した二つの
隔壁体35,36とを備えている。
【0036】隔壁体35,36は、外周面に介装したシ
ール37,38でボアー27の内部を三つの油室39,
40,41に区画しており、これら油室39,40,4
1で連絡流路42を形作っている。
【0037】隔壁体35,36における油室40側の面
には減衰バルブ43,44が設けてあって、これら隔壁
体35,36に穿った一方の組のポート45,46を塞
いでおり、また、隔壁体35,36に穿ったもう一方の
組のポート47,48を油室39,41側に設けた戻り
バルブ49,50でそれぞれ塞いでいる。
【0038】そして、上記した隔壁体35,36と減衰
バルブ43,44および戻りバルブ49,50をナット
51でガイドロッド34に固定することにより減衰力発
生機構33を構成している。
【0039】図5に戻って、もう一つのボアー28の内
部には、外周面にシール52を備えたフリーピストン5
3が摺動自在に挿入してあり、当該フリーピストン53
でボアー28の内部を右方のガス室54と左方の油室5
5とに区画している。
【0040】油室55は、ハウジング2に形成した油路
56でもう一方のボアー27内における連絡流路42中
の油室40に通じおり、かつ、右方のサイドパネル6に
はガス室54に向いガス給排バルブ57が設けてあっ
て、これらにより、ボアー28の内部を温度補償機構5
8として構成している。
【0041】上記ガス給排バルブ57と併せて右方のサ
イドパネル6には、連絡流路42中の油室39に向って
注油ポート59が穿設してあり、当該注油ポート59
は、通常の状態においてプラグ60で閉じられている。
【0042】一方、油孔25で相互に連通した一方の組
の作動油室21,22は、図2と図5に示されているよ
うに、当該作動油室22の収縮側のストロークエンド部
分から縦方向へと向けてハウジング2に形成した油路6
1で減衰力発生機構33を納めたボアー27における連
絡流路42中の油室39に通じている。
【0043】また、油孔26で相互に連通したもう一方
の組の作動油室23,24は、図2と図4および図5に
おいて示すように、作動油室24の収縮側のストローク
エンドに開口して右方のサイドパネル6と摺動プレート
9とに亙り軸線と平行に穿った横孔62から、サイドパ
ネル6に設けた縦孔63と横孔64を通してサイドパネ
ル6に設けた油室65に通じている。
【0044】そして、この油室65からさらに減衰力発
生機構33のガイドロッド34の基端部分に穿った油孔
66を通してボアー27における連絡流路42中の油室
41に通じている。
【0045】かくして、ケーシング1とロータ11の相
対的な回動運動に伴い交互に収縮および拡張される二組
の作動油室21,22と作動油室23,24は、一方で
は油路61により、また、他方では横孔62から縦孔6
3,横孔64,油室65および油孔66により減衰力発
生機構33を備えた連絡流路42を通して相互に連通さ
れることになる。
【0046】次に、以上のように構成したこの発明によ
る実施の形態であるロータリダンパの作用について説明
する。
【0047】先づ、組立の終わったロータリダンパ内に
作動油を注入する際には、外部から右方のサイドプレー
ト6に設けたガス給排バルブ57とプラグ60を取り外
してガス室54と注油ポート59を開いてやる。
【0048】そして、この状態からガス室54へと治具
を挿入してフリーピストン53の位置決め行い、かつ、
注油ポート59へと注油ノズルを挿入して内部のエアー
を排出しつつ連絡流路42の油室39へと作動油を注入
する。
【0049】すると、油室39に注入された作動油が、
ハウジング2に形成した油路61を通して、さらには、
ロータ11に穿った油孔25を通して作動油室21,2
2にそれぞれ供給される。
【0050】一方、油室39に注入された上記作動油
は、減衰力発生機構33の減衰バルブ43と戻りバルブ
50を開いて油室40,41にも流入する。
【0051】このとき、油室40を通る作動油の一部が
ハウジング2に形成した油路56を通して温度補償機構
58の油室55に供給される。
【0052】また、戻りバルブ50を開いて油室41へ
と流れてきた残りの作動油は、減衰力発生機構33にお
けるガイドロッド34の油孔66から左方のサイドパネ
ル5に設けた油室65,横孔64,縦孔63,横孔62
を通して、さらには、ロータ11に穿った油孔26を通
して作動油室23,24へとそれぞれ供給される。
【0053】そこで、ロータリダンパ内が当該作動油で
満たされたところで治具と注油ガンを取り外し、ガス給
排バルブ57とプラグ60を施してガス給排バルブ57
から温度補償機構58のガス室54へと所定圧力のガス
を供給してやれば、ロータリダンパ内は所定圧力をもつ
作動油によって満たされることになる。
【0054】次で、この状態での使用に際してロータリ
ダンパが外力を受けると、ケーシング1とロータ11と
が相互に摺接しながら相対的な回動運動を行う。
【0055】この場合において、ケーシング1とロータ
11との間には、上記回動運動を起す回転力に伴って生
じる半径方向のラジアル荷重だけでなく、それと併せ
て、軸方向のスラスト荷重も加わることがしばしば生じ
る。
【0056】しかし、上記のラジアル荷重は、ロータ1
1が左右のサイドパネル5,6に設けたベアリング14
で両持ち支持されているので、これらベアリング14に
よって吸収されることになる。
【0057】したがって、ロータ11側のベーン17の
先端がベーンシール18を通してハウジング2の内壁面
に接していたとしても、当該ベーンシール18を押し潰
してこれらハウジング2の内壁面とベーン17の先端面
とが強い力で一方側に押し付けられることはない。
【0058】その結果、ロータリダンパを軽量化するた
めにアルミ材を用いてハウジング2を作ったとしても、
当該ハウジング2の内壁面が早期に摩耗して作動油の洩
れを生じるようなことは起らない。
【0059】それに対して、スラスト荷重は、サイドパ
ネル5,6の内壁面とベーン17の側面との間で支持さ
れることになるが、この部分には、両者間の油密性を良
好に確保するためにその全長に亙ってベーン17側のベ
ーンシール18が配置してある。
【0060】そのために、当該スラスト荷重は、これら
サイドパネル5,6の内壁面とベーン17の側面との間
でベーンシール18を通して支持されることになる。
【0061】このことから、ベーンシール18の弾性力
を大きく越えるようなスラスト荷重が加わると、当該ベ
ーンシール18が押し潰されてサイドパネル5,6とベ
ーン17とが強い力で一方側に押し付けられ、軽量化の
ためにアルミ材で作ったサイドパネル5,6が早期に摩
耗して作動油の洩れを生じ、ロータリダンパとしての性
能が低下する。
【0062】その点、上記したこの発明による実施の形
態にあっては、サイドパネル5,6のベーン17と摺接
する内壁面に耐摩耗性の材料からなる摺動プレート9を
介在している。
【0063】これにより、ベーン17の両側面は、常
に、これらサイドプレート5,6側の摺動プレート9と
摺接して動作することから、ロータリダンパに加わるス
ラスト荷重によってベーンシール18が押し潰されたと
しても、摩耗に弱いアルミ材で作ったサイドプレート
5,6が早期に摩耗することはない。
【0064】したがって、作動油室21,22と作動油
室23,24間に生じる作動油の直接の洩れやサイドプ
レート5,6の摩耗粉による作動油の汚染によってロー
タリダンパとしての性能が低下することがなく、常に安
定した動作を確保することが可能になるのである。
【0065】一方、上記のようにしてロータリダンパの
ケーシング1とロータ11との間に相対的な回動運動が
生じ、一方の組みの作動油室21,22が収縮しつつ他
方の組みの作動油室23,24が拡張したとする。
【0066】すると、収縮した組みの作動油室21,2
2内の作動油が油路61を通して連絡流路42の油室3
9に押し出され、当該油室39から減衰力発生機構33
における隔壁体35のポート45を通して減衰バルブ4
3を押し開きつつ油室40に流入し、さらに、隔壁体3
6のポート48から戻りバルブ50を開いて油室41へ
と流入する。
【0067】そして、この油室41に流入した作動油
は、ガイドロッド34の油孔66からサイドパネル5の
油室65,横孔64,縦孔63,横孔62を通して拡張
する組みの作動油室23,24へと流入し、これら拡張
した側の作動油室23,24内の作動油の不足分を補
う。
【0068】その結果、上記したロータリダンパの作動
時における減衰力特性は、作動油が減衰力発生機構33
の減衰バルブ43を通して流れるときの流動抵抗によっ
て決まることになる。
【0069】また、上記とは逆に、一方の組みの作動油
室21,22が拡張して他方の組みの作動油室23,2
4が収縮する方向にケーシング1とロータ11が相対回
動運動を起したとする。
【0070】この場合には、収縮した組みの作動油室2
3,24内の作動油が、今度は横孔62から縦孔63,
横孔64,油室65,油孔66を通して連絡流路42の
油室41に押し出される。
【0071】この油室41に押し出された作動油は、今
度は逆に、減衰力発生機構33における隔壁体36のポ
ート46を通して減衰バルブ44を押し開きつつ油室4
0に流入し、さらに、隔壁体35のポート47から戻り
バルブ49を開いて油室39へと流入する。
【0072】そして、油室39からハウジング2に穿っ
た油路61を通して拡張する組みの作動油室21,22
へと流入し、これら拡張した側の作動油室21,22内
の作動油の不足分を補う。
【0073】したがって、この場合におけるロータリダ
ンパの作動時における減衰力特性もまた、減衰力発生機
構33の減衰バルブ44を通して作動油が流れるときの
流動抵抗によって決まることになる。
【0074】以上のことから、ロータリダンパの作動方
向に応じて減衰力発生機構33における減衰バルブ4
3,44の特性を使い分けることにより、それぞれの場
合における減衰力特性を適切に設定し得ることになる。
【0075】しかし、そうとは言っても、上記した作動
油の流れにおいて、当該作動油の一部が温度補償機構5
8の油室55へと流れ込むような事態が生じると、拡張
する側の作動油室に補給される作動油量が不足してバキ
ュームが生じ、次にロータリダンパが反転したときの初
期の減衰力特性を乱すことになる。
【0076】これを防止するためには、連絡流路42か
ら温度補償機構58の油室55に通じる油路に絞り抵抗
を与えて、当該油室55へと流れ込もうとする作動油量
を極力少なく抑えるようにしてやればよい。
【0077】しかし、このようにしたとしても、油室5
5に流れ込む作動油量をゼロにすることはできないの
で、拡張する側の作動油室がバキューム気味になるのま
では防止することができず、したがって、ロータリダン
パの反転時における初期減衰力特性を所望の値に確保す
ることができない。
【0078】しかも、ロータリダンパ内への注油作業時
に当該絞り抵抗が作動油の流れを阻害することになるの
で、注油作業に長時間を要して作業能率が上がらず、コ
スト高となる。
【0079】その点、当該実施の形態にあっては、ロー
タリダンパの何れの方向への作動時にあっても、減衰力
発生機構33の減衰バルブ43,44を通った後の作動
油が流れてくる連絡流路42における油室40の部分を
油路56で温度補償機構58の油室55へと連通してい
る。
【0080】そのために、連絡流路42における油室4
0内の作動油圧力は、減衰力発生機構33の減衰バルブ
43,44を通ることによって常に低圧の状態に保たれ
ることから、油路56に絞り抵抗を与えることなく当該
油室40を温度補償機構58の油室55に連通したとし
ても、油室40内の作動油が温度補償機構58の油室5
5へと流れ込むことはない。
【0081】その結果、温度補償機構58の本来の機能
を損なうことなくロータリダンパとしての減衰力発生機
構33による減衰力特性と温度特性の安定化が図れる。
【0082】また、ロータリダンパへの作動油の注油の
際には、油路56によって絞り抵抗を受けることなく当
該油路56を通して容易に温度補償機構58の油室55
に作動油が流入することになるので、作動油の注油作業
が短時間で行われることにもなる。
【0083】なお、これまで述べてきた実施の形態にあ
っては、左右のサイドパネル5,6に設けた凹部8内に
それぞれの内壁面と同一平面状態に保って摺動プレート
9を嵌合し、これら摺動プレート9をハウジング2とサ
イドパネル5,6間における位置合わせ用のダウェルピ
ン10で回り止めを行うようにしてきた。
【0084】しかし、このようにする代わりに、この発
明の他の実施の形態として示した図7のように、ハウジ
ング2と左右のサイドパネル5,6との間に耐摩耗性の
材料からなる摺動プレート9aを挟み込んで設置し、か
つ、これら摺動プレート9aとハウジング2およびサイ
ドプレート5,6との間にそれぞれシール7,7aを介
装してやる。
【0085】そして、取付ボルト4を利用してこれらハ
ウジング2とサイドパネル5,6との位置決めを行うと
共に、併せて、摺動プレート9aの回り止めをも行うよ
うにしたとしても、先の実施の形態の場合と同様の作用
・効果を奏し得ることはこれまで述べてきた説明に基い
て容易に理解できよう。
【0086】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、ケーシングをハウジングと当該ハウジングの左右か
ら当てたサイドパネルとで構成し、これら左右のサイド
パネルのロータと摺接する内壁面に耐摩耗性の材料から
なる摺動プレートを介在することにより、ハウジングか
ら切り離された両サイドパネルのロータと摺接する内壁
面に対して耐摩耗性に優れた摺動プレートを容易に介在
させることができる。
【0087】しかも、ロータの両側面は、常にこれらサ
イドプレート側の摺動プレートと摺接して動作すること
になるので、両サイドプレートを摩耗に弱いアルミ材で
作って軽量化を図ったとしても、ロータリダンパに加わ
るスラスト力によってこれらサイドプレートが早期に摩
耗することはない。
【0088】その結果、両作動油室間に生じる作動油の
直接の洩れやサイドプレートの摩耗粉による作動油の汚
染によって減衰力特性に乱れを生じることがなく、常に
安定した減衰力特性を確保することが可能になる。
【0089】請求項2の発明によれば、左右のサイドパ
ネルの内壁面にはそれぞれ凹部を構成し、これら凹部内
に耐摩耗性の材料からなる摺動プレートをサイドパネル
の内壁面と同一平面状態に保って嵌合したことにより、
必要最小限の大きさの摺動プレートを用いて上記の効果
を達成することができる。
【0090】また、請求項3の発明によれば、摺動プレ
ートをハウジングと左右のサイドパネルとの間に挟み込
んで設置し、かつ、これら左右のサイドパネルと摺動プ
レートを通してハウジングに取付ボルトをねじ込むこと
により、ダウェルピンを用いることなく当該取付ボルト
を利用してハウジングとサイドパネル間の位置決めと摺
動プレートの回り止めを行いつつ、請求項1の発明と同
等の効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるロータリダンパの実施の形態を
示す縦断正面図である。
【図2】同上、図1におけるW−W線からの縦断側面図
である。
【図3】同じく、図1におけるX−X線からの縦断側面
図である。
【図4】図1におけるY−Y線からの切断図で、左方の
サイドパネルを内壁面側からみた側面図である。
【図5】同じく、図1におけるZ−Z線からの横断平面
図である。
【図6】図5における減衰力発生機構の部分を拡大して
示す横断平面図である。
【図7】この発明によるロータリダンパの他の実施の形
態を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 ハウジング 4 取付ボルト 5,6 サイドパネル 8 凹部 9,9a 摺動プレート 10 ダウェルピン 11 ロータ 17 ベーン 21,22,23,24 作動油室 33 減衰力発生機構 42 連絡流路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングとロータの回動変位に伴って
    交互に収縮および拡張を繰り返す両作動油室を連絡流路
    で相互に連通し、この連絡流路の途中に減衰力発生機構
    を介装して作動油の各流れ方向に対しそれぞれ所定の減
    衰抵抗を与えるようにしたロータリダンパにおいて、上
    記ケーシングをハウジングと当該ハウジングの左右から
    当てたサイドパネルとで構成し、これら左右のサイドパ
    ネルのロータと摺接する内壁面に耐摩耗性の材料からな
    る摺動プレートを介在したことを特徴とするロータリダ
    ンパ。
  2. 【請求項2】 左右のサイドパネルの内壁面に凹部を構
    成して摺動プレートを同一平面状態に保って嵌合し、か
    つ、これら左右のサイドパネルと摺動プレートを通して
    ハウジングに位置合わせ用のダウェルピンを挿通し、当
    該ダウェルピンで摺動プレートの回り止めを行った請求
    項1のロータリダンパ。
  3. 【請求項3】 摺動プレートをハウジングと左右のサイ
    ドパネルとの間に挟み込んで設置し、かつ、これら左右
    のサイドパネルと摺動プレートを通してハウジングに取
    付ボルトをねじ込み、当該取付ボルトによりハウジング
    とサイドパネル間の位置決めと併せて摺動プレートの回
    り止めをも行った請求項1のロータリダンパ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7258211B2 (en) * 2003-03-20 2007-08-21 Honda Motor Co., Ltd. Rotary damper
JP2012197861A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Kyb Co Ltd ロータリダンパ

Cited By (3)

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EP2503180A3 (en) * 2011-03-22 2017-10-04 KYB Corporation Rotary damper

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