JP2968873B2 - ロータリダンパ - Google Patents

ロータリダンパ

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JP2968873B2
JP2968873B2 JP21543391A JP21543391A JP2968873B2 JP 2968873 B2 JP2968873 B2 JP 2968873B2 JP 21543391 A JP21543391 A JP 21543391A JP 21543391 A JP21543391 A JP 21543391A JP 2968873 B2 JP2968873 B2 JP 2968873B2
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oil
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chambers
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光博 加島
順一 荒井
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Kayaba Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、揺動運動を減衰するロ
ータリダンパの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ロータリダンパは例えば基端を揺動軸に
支持されたベーンを円筒状のケーシングの内側に収装
し、ベーンとケーシングの内側に設けた隔壁とベーンの
両端に位置するサイドプレートによりケーシングの内側
に複数の油室を画成している。
【0003】揺動軸が揺動するとこれらの油室が拡縮
し、縮小する油室の作動油が拡大する油室へとベーンと
ケーシングとの隙間やベーンとサイドプレートとの隙間
を介して流通し、その際の流通抵抗により減衰力を発生
させて揺動軸の揺動を減衰する。
【0004】同時に拡大収縮する油室同士は一方のサイ
ドプレートに形成された通路を介して連通する。また、
油量不足の油室に油溜室の作動油を供給すべくチェック
弁を備えた通路がサイドプレートに形成される。
【0005】
【発明の課題】ところで、このようなロータリダンパの
場合には揺動軸とベーンを大径の同一部材から削り出す
ようになっており、またサイドプレートにも通路を形成
しておく必要があるなど、各部材の加工が難しく、製造
コストが高いという問題があった。
【0006】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
もので、ロータリダンパの加工性の向上と構造の簡略化
を目的とする。
【0007】
【課題を達成するための手段】本発明は、円筒状のケー
シングの内側に同心的に配置された揺動軸の対称位置に
ベーンを設け、ケーシング内周の対称位置に隔壁を形成
し、ベーンと隔壁とベーンの両端に位置するサイドプレ
ートとによりケーシングの内側に4個の油室を画成し、
ベーン摺動間隙を経由してこれらの油室間を流通する作
動油の流通抵抗により揺動軸の揺動に対する減衰力を発
生するとともに、これらの油室の油量変動を補償する油
溜室と、油溜室の作動油を各油室に導くチェック弁とを
備えたロータリダンパにおいて、前記ベーンと揺動軸を
異径嵌合により結合し、前記サイドプレートをケーシン
グの両端にボルトで締め付け、揺動軸に形成した中空部
とこの中空部から揺動軸並びにベーンを横断方向に貫通
して各油室に至る通路とを介して前記油溜室と各油室と
を連通するとともに、前記チェック弁をベーンのこれら
の通路の開口部に設けている。
【0008】
【作用】ベーンと揺動軸とケーシングとサイドプレート
がそれぞれ独立した部材として構成されるため、各部材
の加工が容易で部材ごとの材質の選択が可能になる。ま
た、油溜室と各油室とをサイドプレートを介さずに連通
したので、サイドプレートの加工も容易になる。
【0009】
【実施例】図1及び図2に本発明の実施例を示す。
【0010】図1において、1は両端を開口した円筒形
のケーシング2を同心的に貫通する揺動軸であり、この
揺動軸1の外周にベーン3がスプライン結合する。
【0011】ベーン3は揺動軸1の外側を覆う環状断面
部3Aと、環状断面部3Aの外周の対称位置に設けたベ
ーン部3Bからなる。ベーン部3Bは先端をそれぞれケ
ーシング2の内周に摺接する。一方、環状断面部3Aの
外周に摺接する隔壁2Aがケーシング2の内周の対称位
置に相対して形成される。
【0012】ケーシング2の両端には図2に示すように
サイドプレート4と5がケーシング2の外側を通るボル
ト6により締め付けられる。これらのサイドプレート4
と5にはベーン3を軸方向に支持するスラストベアリン
グ15と16が装着される。
【0013】このようにして、ベーン3と隔壁2Aとサ
イドプレート4と5により、ケーシング2の内側に4つ
の油室7、8、9、10が画成される。
【0014】揺動軸1の先端はサイドプレート4に設け
たベアリング11に回転自由に支持される。また、揺動
軸1の基端はオイルシール12、ベアリング13、ダス
トシール14を介してサイドプレート5を回転自由に貫
通する。
【0015】揺動軸1の先端には中空部1Aが形成さ
れ、サイドプレート4にはこの中空部1Aにオリフィス
17を介して連通する油溜室18が付設される。油溜室
18には圧力変化に応じて伸縮する体積弾性体19が収
装される。
【0016】中空部1Aは揺動軸1とベーン3の内部を
貫通する通路20を介して各油室7〜10に連通する。
また、これらの通路20の開口部に臨んでベーン3に板
状のチェック弁21が取り付けられる。
【0017】なお、通路20は揺動軸1とベーン3を軸
横断方向に貫通する貫通孔20Aと、これと直角にベー
ン部3Aに形成されたポート20Bからなり、貫通孔2
0Aの両端はスチールボール22により密閉される。
【0018】また、隔壁2Aにはケーシング2とサイド
プレート4、5との隙間を介して各油室7〜10から流
出する作動油を相互に連通する連通孔23が設けられ
る。この連通孔23には作動油注入時にエア抜きを行う
ためのエアブリーダ24が付設される。
【0019】次に作用を説明する。
【0020】揺動軸1が揺動すると、揺動軸1にスプラ
イン結合するベーン3が一体に揺動し、油室7と9及び
油室8と10が同時に拡縮する。
【0021】例えば揺動軸1が図1の時計回りに揺動す
ると、油室7と9が縮小し、油室8と10が拡大する。
そして、油室7、9から油室8、10へと作動油がベー
ン3の摺動隙間を介して流通し、その際の流通抵抗によ
り減衰力を発生させる。
【0022】この作動油の一部はケーシング2とサイド
プレート4、5との隙間を介して流出し、連通孔23を
介して相互に連通する。
【0023】また、拡大する油室8、10への流入作動
油が不足の場合は、油溜室18の作動油がオリフィス1
7、揺動軸1の中空部1A、通路20及びチェック弁2
1を介してこれらの油室8、10に供給される。したが
って、拡大する油室8、10が負圧化することはない。
【0024】揺動軸1が反時計回りに揺動した場合は油
室8、10が縮小する一方、油室7、9が拡大する。こ
の場合も、時計回りの揺動時と同様の流通経路で作動油
が流通し、同様の減衰力を発生させる。なお、油室8と
10及びポート20Bの間にチェック弁21と並列にオ
リフィスを設ければ、揺動軸1の揺動方向に応じて発生
減衰力を変化させることができる。
【0025】ところで、このロータリダンパにおいて、
揺動軸1とベーン3、ケーシング2とサイドプレート
4、5はそれぞれ独立した部材として形成され、組み立
て時に結合されるように構成されているので、個々の部
材は形状が比較的単純で加工が容易であり、焼結やアル
ミダイキャストなど様々な方法で形成することができ
る。
【0026】このため、例えば揺動軸1を鉄系材料で構
成する一方、ベーン3をこれより熱膨張性の高いアルミ
材で構成し、温度上昇に伴うベーン3の膨張によりケー
シング2とベーン3のクリアランスを変化させて作動油
の粘性変化による減衰力の変化を補償するなどの機能を
持たせることも可能である。
【0027】また、ケーシング2とサイドプレート4、
5をボルト6で結合する構造としたので、ベーン3とサ
イドプレート4、5とのクリアランスのばらつきも少な
い。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明は、ベーンと揺動軸
を異径嵌合により結合し、ケーシングの両端にサイドプ
レートをボルトで固定するので、これらの部材は独立し
た部材として個別に加工でき、加工が容易になるととも
に部材ごとの材質の選択が可能になる。
【0029】また、揺動軸に形成した中空部と、揺動軸
とベーンを横断方向に貫通する通路により油溜室と油室
とを連通し、チェック弁をベーンのこれらの通路の開口
部に設けたので、サイドプレートに通路を形成する必要
がなく、サイドプレートの加工も容易になる。
【0030】したがって、ロータリダンパの製造コスト
を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すロータリダンパの横断面
図である。
【図2】図1中のA−O−B矢視図並びC−C矢視図の
合成図である。
【符号の説明】
1 揺動軸 2 ケーシング 3 ベーン 4,5 サイドプレート 6 ボルト 7,8,9,10 油室 18 油溜室 20 通路 21 チェック弁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−44761(JP,A) 実開 昭63−78737(JP,U) 実開 平2−102036(JP,U) 実開 平2−63293(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 9/12 F16F 9/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のケーシングの内側に同心的に配
    置された揺動軸の対称位置にベーンを設け、ケーシング
    内周の対称位置に隔壁を形成し、ベーンと隔壁とベーン
    の両端に位置するサイドプレートとによりケーシングの
    内側に4個の油室を画成し、ベーン摺動間隙を経由して
    これらの油室間を流通する作動油の流通抵抗により揺動
    軸の揺動に対する減衰力を発生するとともに、これらの
    油室の油量変動を補償する油溜室と、油溜室の作動油を
    各油室に導くチェック弁とを備えたロータリダンパにお
    いて、前記ベーンと揺動軸を異径嵌合により結合し、前
    記サイドプレートをケーシングの両端にボルトで締め付
    け、揺動軸に形成した中空部とこの中空部から揺動軸並
    びにベーンを横断方向に貫通して各油室に至る通路とを
    介して前記油溜室と各油室とを連通するとともに、前記
    チェック弁をベーンのこれらの通路の開口部に設けたこ
    とを特徴とするロータリダンパ。
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