JPH11132019A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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JPH11132019A
JPH11132019A JP29194997A JP29194997A JPH11132019A JP H11132019 A JPH11132019 A JP H11132019A JP 29194997 A JP29194997 A JP 29194997A JP 29194997 A JP29194997 A JP 29194997A JP H11132019 A JPH11132019 A JP H11132019A
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intake
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徹朗 後藤
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信 中村
Akira Hidaka
章 日高
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダヘッドの外部に突出する部品数を少
なくし、シリンダヘッドの周囲に大きなスペースを確保
する必要のない内燃機関の吸排気弁駆動制御装置を提供
する。 【解決手段】 シリンダヘッドSの後端の上部に支持プ
レート47を取り付ける。この支持プレート47は、シ
リンダヘッドカバーとともにシリンダヘッドSの上部を
塞ぐようになっている。そして、支持プレート47の隔
壁49と側壁50,51とで囲まれる内部側に制御シャ
フト23を回動させる油圧シリンダ35が配置される。
一方、支持プレート47の外側で油圧シリンダ35に対
向する部位には、油圧シリンダ35に油圧を給排する油
圧回路61が配置され、この油圧回路61には、油路6
5,66を機関運転状態に応じて切り換える切換弁69
が取り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用内
燃機関の運転状態に応じて吸気弁・排気弁の開閉時期を
可変制御する吸排気弁駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】吸気弁・排気弁の開閉時期や作動角を可
変制御する装置は、従来から種々の形式のものが提供さ
れているが、その一つとして例えば実開昭57−198
306号公報や特開平6−185321号公報に記載さ
れているように、不等速軸継手の原理を応用したものが
知られている。これは、機関の回転に同期して回転する
駆動軸の外周に、各気筒毎に分割した円筒状のカムシャ
フトを回動可能に設け、かつ該カムシャフトの端部のフ
ランジ部と駆動軸側のフランジ部とにそれぞれ半径方向
に沿った係合溝を形成するとともに、両フランジ部間に
介在する環状ディスクに各係合溝に係合する一対のピン
を設けた構成であって、上記環状ディスクを制御ハウジ
ングでもって回転自在に保持するとともに、該制御ハウ
ジングを介して環状ディスクをカムシャフトに対し偏心
させることができるようにしてあり、その偏心量を制御
することにより、バルブリフト特性が変化するようにな
っている。
【0003】ここで、制御ハウジングを軸直角方向に移
動させる作動機構として、図5に示すものが知られてい
る。この作動機構は、図示しない制御ハウジングに連繋
される制御シャフト100と、この制御シャフト100
にアーム101を介して連繋される油圧シリンダ102
と、この油圧シリンダ102の圧力室に油圧を給排する
油圧回路103と、この油圧回路103の油路を機関運
転状態に応じて切り換える切換弁105とを有してい
る。このうち、制御シャフト100は、図外のシリンダ
ヘッドの上部に回動可能に支持されており、上記油圧シ
リンダ102によって回動させられ、上記制御ハウジン
グを軸直角方向に移動させる。そして、この作動機構
は、制御シャフト100の回動角度をセンサ106によ
り検知し、その検知信号をコントローラ107に入力し
て、コントローラ107によって切換弁105を作動さ
せることにより油圧シリンダ102の作動を制御し、制
御シャフト100の回動角度を制御するようになってい
る(特開平7−196256号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな吸排気弁駆動制御装置は、図5に示すように、油圧
シリンダ102,油圧回路103及び切換弁105を支
持プレート109を介して図示しないシリンダヘッドの
隔壁の外側に取り付けるようになっており、油圧シリン
ダ102,油圧回路103及び切換弁105がシリンダ
ヘッドの外部に露出するようになっていたため、シリン
ダヘッドの周囲に大きなスペースを確保しなければなら
なかった。
【0005】又、上記従来技術は、図5に示すように、
油圧回路103及び切換弁105を油圧シリンダ102
の作動方向に対して直交するように配置する構成であっ
たため、油圧回路103の油路構造が複雑であった。そ
のため、油圧回路103の油路構造を簡単化することが
できる吸排気弁駆動制御装置の提供が望まれていた。
【0006】又、上記従来技術は、図5に示すように、
油圧シリンダ102,油圧回路103及び切換弁105
が支持プレート109を介して図示しないシリンダヘッ
ドの隔壁の外側に偏って取り付けられるようになってお
り、支持プレート109をシリンダヘッドから剥がす方
向に作用する力が大きいため、支持プレート109のシ
リンダヘッドへの取付強度を大きくしなければならず、
又、支持プレート109とシリンダヘッドとの間のシー
ルを厳重にしなければ油漏れを生じる虞があるという不
具合があった。
【0007】そこで、本発明は、このような従来技術の
不具合を解消することができる内燃機関の吸排気弁駆動
制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリンダヘッ
ドに回動可能に支持され、機関の回転に同期して回転す
る駆動軸と、この駆動軸の外周に相対回転可能に設けら
れ、かつ気筒毎に分割されていると共に、吸排気弁を駆
動するカムを外周に有する円筒状のカムシャフトと、上
記駆動軸の軸心に対して同心あるいは偏心動して上記駆
動軸と上記カムシャフトとの相対的な角速度を変化させ
ることにより、上記吸排気弁の作動角を可変制御する制
御機構と、シリンダヘッド上部に回動可能に支持される
と共に上記制御機構に連繋され、回動角度に応じて上記
制御機構の上記駆動軸の軸心に対する偏心量を変える制
御シャフトと、上記制御シャフトに連繋されて、上記制
御シャフトを回動させる油圧シリンダと、上記油圧シリ
ンダに油圧を給排する油圧回路と、上記油圧回路の油路
を機関運転状態に応じて切り換える切換弁と、上記油圧
シリンダ,油圧回路及び切換弁を上記シリンダヘッドに
取り付ける支持プレートと、を備えている。そして、本
発明は、上記支持プレートが上記シリンダヘッドの上部
に取り付けられ、この支持プレートとシリンダヘッドカ
バーとで塞がれるシリンダヘッド上部側に上記油圧シリ
ンダが配置されたことを特徴としている。
【0009】又、本発明は、上記油圧回路が、上記支持
プレートを挟んで上記油圧シリンダと対向するように上
記支持プレートに取り付けられ、上記切換弁が、上記油
圧シリンダの作動方向と並行に上記油圧回路に組み付け
られたことを特徴としている。
【0010】又、本発明は、上記支持プレートには、上
記制御シャフトと上記油圧シリンダの連繋作業用の穴が
形成されたことを特徴としている。
【0011】又、本発明において、上記制御回路は、上
記油圧シリンダのピストンによって画された圧力室と油
圧源とを上記切換弁を介して選択的に連通する複数の油
路と、これら油路とシリンダヘッド内部空間とを上記切
換弁を介して選択的に連通するドレーン油路とを備えて
いる。そして、ドレーン油路が、上記シリンダヘッドの
車両搭載時に、上記各油路よりも上方に位置するように
上記油圧回路に配置されたことを特徴としている。
【0012】又、本発明は、上記油圧シリンダのピスト
ンロッド穴開口端が、上記シリンダヘッドの車両搭載時
に、上記油圧シリンダのピストンによって画された圧力
室よりも上方に位置することを特徴としている。
【0013】
【発明の効果】本発明は、支持プレートがシリンダヘッ
ドの上部に取り付けられ、この支持プレートとシリンダ
ヘッドカバーとで塞がれるシリンダヘッド上部側に油圧
シリンダが配置されるようになっているため、油圧シリ
ンダをシリンダヘッドの外部に突出させていた従来例に
比較して、シリンダヘッドの外方に突出する部品が少な
くなり、シリンダヘッドの周囲に大きなスペースを確保
する必要がなくなった。従って、本発明によれば、車両
のエンジンルーム内のスペースを有効に利用することが
できる。
【0014】又、本発明は、油圧回路が支持プレートを
挟んで油圧シリンダと対向するように支持プレートに取
り付けられ、切換弁が油圧シリンダの作動方向と並行に
油圧回路に組み付けられているため、油圧シリンダに対
して油圧回路及び切換弁が直交するように組み付けられ
ていた従来例に比較して、油圧構造を簡単化することが
できる。加えて、本発明は、上記のように、油圧シリン
ダが支持プレートとシリンダヘッドカバーとで塞がれる
シリンダヘッド上部側に配置され、支持プレートを挟ん
で油圧回路及び切換弁が配置されており、支持プレート
に作用する荷重のバランスがとれるため、支持プレート
の一方側に油圧シリンダ,油圧回路及び切換弁の全てを
取り付けていた従来例に比較し、支持プレートのシリン
ダヘッドへの取付強度を小さくすることができる。更
に、支持プレートをシリンダヘッドに確実に取り付ける
ことができるため、支持プレートとシリンダヘッドとの
間のシールが容易となる。
【0015】又、本発明は、支持プレートに形成された
穴を利用して、制御シャフトと油圧シリンダの連繋作業
を行うことができるので、吸排気弁駆動制御装置の組立
作業を容易に行うことができる。
【0016】又、本発明は、シリンダヘッドを車両に搭
載した時に、ドレーン油路が他の油路よりも上方に位置
するように油圧回路に配置されているため、機関停止時
に油圧シリンダ内部の油がドレーン油路を介して外部に
漏出するのを防止することができる。
【0017】又、本発明は、シリンダヘッドを車両に搭
載した時に、油圧シリンダのピストンロッド穴開口端が
油圧シリンダの圧力室よりも上方に位置するようになっ
ているため、機関停止時に油圧シリンダ内部の油がピス
トンロッド穴から外部に漏出するのを防止することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。
【0019】図1は、この発明に係る吸排気弁駆動制御
装置の実施の形態を示す分解斜視図であり、図2は、図
1のA方向矢視図である。
【0020】この図1〜図2に示すように、シリンダヘ
ッドSの上部に、全気筒に亘って連続した駆動軸1が配
設されている。この駆動軸1は、内部に潤滑油通路(図
示せず)が形成された中空状のものであって、一端にス
プロケット2が取り付けられ、タンミングチェーン3を
介して図外のクランクシャフトに連動している。そし
て、この駆動軸1の外周には、各気筒毎に分割された円
筒状のカムシャフト5が相対回動可能に嵌合しており、
各カムシャフト5の端部に、第1フランジ部6が設けら
れている。各カムシャフト5は、例えば吸気弁7を駆動
する一対のカム5aを有し、かつその一対のカム5aの
中間のジャーナル部5bが、図外のシリンダヘッド側の
隔壁状をなすカムブラケット取付部に凹設した半円形軸
受面と図示せぬカムブラケットとの間で回転自在に支持
されている。
【0021】また、駆動軸1には、短いスリーブ9が固
定されており、各スリーブ9の端部に、それぞれ上記第
1フランジ部6と対向するように、第2フランジ部10
が形成されている。両フランジ部6,10の間には、円
環状をなす環状ディスク11が介装されており、この環
状ディスク11は、制御ハウジング12の円形の開口部
12a内に回転自在に嵌合保持されている。具体的に
は、制御ハウジング12の開口部12a内周面は単純な
円筒面をなし、ここに、環状ディスク11の外周面がベ
アリング13を介して回転自在に嵌合している。
【0022】上記第1フランジ部6および第2フランジ
部10には、それぞれ半径方向に沿った係合溝15,1
6が形成されている。両係合溝15,16は、互いに1
80゜異なる位置に配置されている。そして、環状ディ
スク11には、互いに180゜異なる位置にそれぞれ保
持孔17,18が貫通形成されているとともに、それぞ
れに、第1ピン20,第2ピン21が回転可能に嵌合し
ている。これらのピン20,21は、互いに逆向きに突
出しており、第1ピン20の先端部が第1フランジ部6
の係合溝15に摺動可能に係合しているとともに、第2
ピン21の先端部が第2フランジ部10の係合溝16に
摺動可能に係合している。なお、係合溝15,16に摺
接する各ピン20,21の先端部の側面は、平行な一対
の平面に加工されている。
【0023】上記のような偏心型の可変動弁機構自体
は、例えば前述した特開平6−185321号公報等に
おいて公知の構成であるので、その詳細な説明は省略す
るが、環状ディスク11が駆動軸1の中心に対し同心位
置にあれば、各カムシャフト5は駆動軸1に対し等速回
転し、カム5aのプロフィールに沿ったバルブリフト特
性が得られる。また環状ディスク11が駆動軸1の中心
に対し偏心すると、一種の不等速軸継手となり、各カム
シャフト5が駆動軸1に対し不等速回転する。これによ
り、その偏心量に応じて、バルブリフト特性およびバル
ブ作動角が変化する。
【0024】上記環状ディスク11を回転自在に保持す
る制御ハウジング12は、駆動軸1と直交する面に沿っ
た板状部材である。この制御ハウジング12の上部に
は、図2中上方に向かって開口する係合溝22が略矩形
に切欠形成されている。そして、これらの係合溝22を
通過するように、制御シャフト23が駆動軸1と平行に
設けられている。詳しくは、制御シャフト23の偏心カ
ム25がブロック26を介して制御ハウジング12の係
合溝22に係合されている。そして、制御ハウジング1
2の図2中左下方には、円形支持孔27が形成されてお
り、この円形支持孔27に支持シャフト29が挿通され
ている。なお、制御ハウジング12は、支持シャフト2
9を支持部(揺動中心)とし、この支持シャフト29の
回りに揺動できるようになっている。ここで、上記制御
ハウジング12,環状ディスク11,ベアリング13,
ピン20,21及び係合溝15,16を備えたフランジ
部6,10は、駆動軸1の軸心に対して同心あるいは偏
心動して駆動軸1とカムシャフト5との相対的な角速度
を変化させることにより、吸排気弁の作動角を可変制御
する制御機構28を構成している。また、上記支持シャ
フト29は、各気筒毎に分割して構成されており、図示
せぬ支持部を介してシリンダヘッドSに支持されてい
る。
【0025】ブロック26は、図2中左側の第1のブロ
ック部材26aと、図2中右側の第2のブロック部材2
6bとに2分割されている。そして、これら第1及び第
2のブロック部材26a,26bは、偏心カム25を回
動可能に支持する略半円形のカム受容部27a,27b
を備えており、偏心カム25を両側から挟み、係合溝2
2内を壁面28a,28bに沿って図2中上下方向にス
ライドできるようになっている。
【0026】上記制御シャフト23は、シリンダヘッド
S側のカムブラケット取付部30に凹設された半円形軸
受面31とカムブラケット32の間で回転自在に支持さ
れているものであって、駆動軸1と平行にかつ全気筒に
亘って連続しており、その一端(後端)がアーム33を
介して油圧シリンダ35のピストンロッド36先端に連
結されている。ここで、アーム33は、その側面に形成
した穴37にピン39を挿入し、このピン39を制御シ
ャフト23側の穴(図示せず)に嵌合させることによ
り、制御シャフト23に対する位置決めがされた後、ボ
ルト40で制御シャフト23の端部に固定される。又、
アーム33は、アーム33のロッド取付溝41にピスト
ンロッド36の先端二面幅部42が挿入されるようにな
っており、アーム33のスリット43及びピストンロッ
ド36先端の穴45に係合するピン46によって油圧シ
リンダ35に連繋されている。
【0027】油圧シリンダ35は、シリンダヘッドS後
端の上部に固定される支持プレート47に配置されてお
り、その作動方向が制御シャフト23に直交するように
なっている。支持プレート47は、制御シャフト1に対
して直交する方向に延びる隔壁49と、その隔壁49の
両端にそれぞれ一体形成されてシリンダヘッドS前方へ
延びる側壁50,51とを備えており、これら隔壁49
及び側壁50,51の上部が図外のシリンダヘッドカバ
ーを固定できるように形成されている。又、支持プレー
ト47の一方の側壁50の内側には、油圧シリンダ35
が配置されている。この油圧シリンダ35は、シリンダ
52が支持プレート47の側壁50の内側及び隔壁49
の前方側に一体に形成され、側壁50の外側に形成され
たシリンダ穴53からピストンロッド36を挿入するよ
うになっている。即ち、油圧シリンダ35は、支持プレ
ート47と図外のシリンダヘッドカバーとで塞がれるシ
リンダヘッドS内部側に配置されることになる。ここ
で、油圧シリンダ35は、制御機構28(制御ハウジン
グ12,環状ディスク11等)が吸気弁側に配置されて
いる場合には排気弁側に配置され、制御機構が排気弁側
に配置されている場合には吸気弁側に配置されるように
なっている。尚、ピストンロッド36の端部には、シリ
ンダ52内部を2室に画成するピストン55が形成され
ており、このピストン55の外周には、ピストンリング
56が嵌合されるようになっている。そして、シリンダ
穴53は、側壁50にボルト57で固定されるシール部
材59及び蓋部材60によって密封されるようになって
いる。
【0028】支持プレート47の隔壁49の後方側でか
つ油圧シリンダ35に対向する部位には、油圧回路61
がガスケット62を介してボルト63で固定されてい
る。この油圧回路61は、複数の油路65,66とドレ
ーン油路67とを備えている(図4参照)。そして、こ
の油圧回路61には、油路65,66,67を切り換え
る切換弁69がボルト70で固定されている。
【0029】上記切換弁69は、図外のコントローラか
らの制御信号に基づいて作動して油路65,67を切り
換える電磁弁であり、油圧シリンダ35と並行に配置さ
れている。但し、上記切換弁69は、図3に示すよう
に、支持プレート47の隔壁49に形成された穴71の
中心軸の延長上に位置しないように、油圧シリンダ35
の作動方向に対して所定角度Θ傾けて油圧回路61に取
り付けられている。支持プレート47の隔壁49の穴7
1は、制御シャフト23の中心線の延長上に位置してお
り、制御シャフト23と油圧シリンダ35のピストンロ
ッド36とを連繋する作業用の穴である。即ち、支持プ
レート47の隔壁49の穴71は、図1に示すように、
アーム33を制御シャフト23に固定する際に、ボルト
40を支持プレート47の外側(後方側)から締め付け
ることができ、制御シャフト23と油圧シリンダ35の
連繋作業を容易に行うことができ、吸排気弁駆動制御装
置の組立作業を能率的に行うことができる。加えて、図
3に示すように、切換弁69を油圧シリンダの作動方向
Lに対して所定角度Θ傾けることにより、支持プレート
47の隔壁49の穴71から制御シャフト23を回動操
作することができるので、機関組み付け時やメンテナン
ス時における吸排気弁駆動制御装置の作動チェックを支
持プレート47の隔壁49の穴71を利用して行うこと
ができる。
【0030】上記油圧回路61は、油圧シリンダ35に
形成された油圧ポート72,73に連通する油路65,
66と、支持プレート47の隔壁49に形成されたドレ
ーンポート74に連通するドレーン油路67とを備えて
おり(図4参照)、油路65,66が切換弁69により
油圧ポンプ(図示せず)又はドレーン油路67に選択的
に連通されるようになっている。その結果、油圧シリン
ダ35のピストン55によって画された圧力室76,7
7が図外の油圧ポンプ側又はドレーン油路67側に選択
的に連通され、油圧シリンダ35内に油圧が給排される
ことになる。
【0031】又、上記油圧回路61は、図4に示すよう
に、機関の車両搭載時において、ドレーン油路67が他
の油路65,66よりも上方に位置するように形成され
ている。従って、機関停止時に、油圧シリンダ35の圧
力室76,77内の油がドレーン油路67を介して漏出
するようなことがない。尚、図4においては、Hは機関
の車両搭載時における水平線である。
【0032】更に、上記油圧シリンダ35は、図4に示
すように、機関の車両搭載時において、ロッドガイド7
9に形成されたピストンロッド穴80の開口端81がピ
ストン55によって画された圧力室76,77よりも上
方に位置するように形成されている。従って、機関停止
時に、油圧シリンダ35の圧力室76,77内の油がロ
ッドガイド79のピストンロッド穴80から外部に漏出
するようなことがない。
【0033】尚、図1に示すように、支持プレート47
の他方の側壁51側には、カム82の回転速度を検知す
るセンサ83が取り付けられている。
【0034】このように構成された本実施の形態は、油
圧回路61の油路65,66が切換弁69によって図外
の油圧ポンプ又はドレーン油路67に選択的に連通さ
れ、油圧シリンダ35内に油圧が給排されてピストンロ
ッド36が作動し、アーム33を介して制御シャフト2
3が回転すると、制御ハウジング12が支持シャフト2
9を中心として揺動し、環状ディスク11の中心が駆動
軸1及びカムシャフト5の中心から所定量偏心する。
【0035】以上のように、本実施の形態は、支持プレ
ート47がシリンダヘッドSの後端上部に取り付けら
れ、この支持プレート47の隔壁49の内側(前方側)
に油圧シリンダ35が配置される一方、支持プレート4
7の隔壁49の外側(後方側)で油圧シリンダ35に対
向する部位に油圧回路61が配置され、この油圧回路6
1に切換弁69が取り付けられている。従って、本実施
の形態によれば、支持プレート103の外部に油圧シリ
ンダ100,油圧回路101及び切換弁102が全て配
置された従来例(図5参照)に比較し、シリンダヘッド
Sの外方に突出する部品が少なくなり、シリンダヘッド
Sの周囲に大きなスペースを確保する必要がなくなる。
【0036】又、本実施の形態は、この支持プレート4
7の隔壁49の内側(前方側)に油圧シリンダ35が配
置される一方、支持プレート47の隔壁49の外側(後
方側)で油圧シリンダ35に対向する部位に油圧回路6
1が配置され、この油圧回路61に切換弁69が取り付
けられているため、隔壁49の内外(前後)で重さのバ
ランスがとれ、支持プレート47のシリンダヘッドSへ
の取付強度を従来例よりも小さくすることができる。
又、上記したように、支持プレート47の内外に作用す
る荷重のバランスがとれ、支持プレート47をシリンダ
ヘッドSに確実に取り付けることができるので、支持プ
レート47とシリンダヘッドSとの間のシールを容易に
行うことができる。
【0037】又、本実施の形態は、支持プレート47の
内側に油圧シリンダ35が配置され、支持プレート47
の外側で油圧シリンダ35に対向する部位に油圧回路6
1が配置され、切換弁69が油圧シリンダ35と並行と
なるように油圧回路61に取り付けられているため、油
圧回路61の油路構造を簡単化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す内燃機関の吸排気弁
駆動制御装置の分解斜視図。
【図2】図1のA方向矢視図。
【図3】図1のB方向から見た要部組立図。
【図4】図1のC−C線に沿う油圧シリンダの断面図。
【図5】従来の要部斜視図
【符号の説明】
S・・・シリンダヘッド 1・・・駆動軸 5・・・カムシャフト 5a・・・カム 23・・・制御シャフト 28・・・制御機構 35・・・油圧シリンダ 47・・・支持プレート 55・・・ピストン 61・・・油圧回路 65,66・・・油路 67・・・ドレーン油路 69・・・切換弁 71・・・穴 76,77・・・圧力室 80・・・ピストンロッド穴 81・・・開口端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日高 章 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに回動可能に支持され、
    機関の回転に同期して回転する駆動軸と、 この駆動軸の外周に相対回転可能に設けられ、かつ気筒
    毎に分割されていると共に、吸排気弁を駆動するカムを
    外周に有する円筒状のカムシャフトと、 上記駆動軸の軸心に対して同心あるいは偏心動して上記
    駆動軸と上記カムシャフトとの相対的な角速度を変化さ
    せることにより、上記吸排気弁の作動角を可変制御する
    制御機構と、 シリンダヘッド上部に回動可能に支持されると共に上記
    制御機構に連繋され、回動角度に応じて上記制御機構の
    上記駆動軸の軸心に対する偏心量を変える制御シャフト
    と、 上記制御シャフトに連繋されて、上記制御シャフトを回
    動させる油圧シリンダと、 上記油圧シリンダに油圧を給排する油圧回路と、 上記油圧回路の油路を機関運転状態に応じて切り換える
    切換弁と、 上記油圧シリンダ,油圧回路及び切換弁を上記シリンダ
    ヘッドに取り付ける支持プレートと、 を備えてなる内燃機関の吸排気弁駆動制御装置におい
    て、 上記支持プレートが上記シリンダヘッドの上部に取り付
    けられ、この支持プレートとシリンダヘッドカバーとで
    塞がれるシリンダヘッド上部側に上記油圧シリンダが配
    置されたことを特徴とする内燃機関の吸排気弁駆動制御
    装置。
  2. 【請求項2】 上記油圧回路が、上記支持プレートを挟
    んで上記油圧シリンダと対向するように上記支持プレー
    トに取り付けられ、 上記切換弁が、上記油圧シリンダの作動方向と並行に上
    記油圧回路に組み付けられたことを特徴とする請求項1
    記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 上記支持プレートには、上記制御シャフ
    トと上記油圧シリンダの連繋作業用の穴が形成されたこ
    とを特徴とする請求項1記載の内燃機関の吸排気弁駆動
    制御装置。
  4. 【請求項4】 上記制御回路は、上記油圧シリンダのピ
    ストンによって画された圧力室と油圧源とを上記切換弁
    を介して選択的に連通する複数の油路と、これら油路と
    シリンダヘッド内部空間とを上記切換弁を介して選択的
    に連通するドレーン油路とを備え、 上記ドレーン油路が、上記シリンダヘッドの車両搭載時
    に、上記各油路よりも上方に位置するように上記油圧回
    路に配置されたことを特徴とする請求項1記載の内燃機
    関の吸排気弁駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 上記油圧シリンダのピストンロッド穴開
    口端が、上記シリンダヘッドの車両搭載時に、上記油圧
    シリンダのピストンによって画された圧力室よりも上方
    に位置することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の
    吸排気弁駆動制御装置。
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