JPH09242520A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Info

Publication number
JPH09242520A
JPH09242520A JP8048551A JP4855196A JPH09242520A JP H09242520 A JPH09242520 A JP H09242520A JP 8048551 A JP8048551 A JP 8048551A JP 4855196 A JP4855196 A JP 4855196A JP H09242520 A JPH09242520 A JP H09242520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drive shaft
shaft
intake
cam
exhaust valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8048551A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Yamada
吉彦 山田
Makoto Nakamura
信 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Unisia Jecs Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Unisia Jecs Corp filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP8048551A priority Critical patent/JPH09242520A/ja
Publication of JPH09242520A publication Critical patent/JPH09242520A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動軸の外径を大きく設定して捩り剛性を高
めつつ環状ディスクの偏心量を大きく設定することを可
能にする。 【構成】 駆動軸21と、該駆動軸21の外周に同軸上
に設けられた各気筒毎のカムシャフト22と、駆動軸2
1と各カムシャフト22の端部に対向して設けられた両
フランジ部間30,32に配置されて、中心Yが駆動軸
21の軸心Xに対して偏心揺動自在に設けられた環状デ
ィスク29とを備えている。そして、駆動機構によって
駆動軸21の軸心Xを中心とした左右に揺動する前記環
状ディスク29の左右揺動角度を夫々約22.5°の同
一角度に設定して、駆動軸21とカムシャフト22との
回転位相差が小作動角時と大作動角時で同一となるよう
に制御した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、内燃機関の運転状態に
応じて吸気・排気弁の開閉時期を可変制御する吸排気弁
駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の装置としては種々提供さ
れており、その一つとして本出願人が先に出願した実願
平4−157909号に記載されたものがある。
【0003】図11に基づいて概略を説明すれば、この
吸排気弁駆動制御装置は、多気筒機関のクランク軸から
スプロケットを介して回転力が伝達される中空状の駆動
軸1と、該駆動軸1の外周同軸上に相対回転自在に設け
られたカムシャフト2と、各気筒毎に分割された該カム
シャフト2の分割端部間に設けられた制御機構3とを備
えている。
【0004】前記駆動軸1は、図に示すように機関前後
方向に沿って延設されていると共に、軽量化の要請から
内部中空状に形成されている。
【0005】前記各カムシャフト2は、夫々外周に1気
筒当たり2つの吸気弁4,4をバルブリフター4a,4
aを介してバルブスプリング5のばね力に抗して開作動
させる2個のカム6,6を一体に有していると共に、シ
リンダヘッド7上の一対のカム軸受8,9によって回転
自在に支持されている。
【0006】前記制御機構3は、各カムシャフト2の一
端部に一体に設けられた円環状の第1フランジ部10
と、駆動軸1の所定外周位置にスリーブ12を介してス
プライン結合されて、前記第1フランジ部10に対向す
る円環状の第2フランジ部13と、両フランジ部10,
13間に介装されて駆動軸1の軸心Xから略径方向へ揺
動自在に設けられた略円環状のディスクハウジング14
と、該ディスクハウジング14の内周に有する大径な支
持孔14a内にプレーンベアリング15を介して回転自
在に保持された環状ディスク16とを備えている。前記
各スリーブ12は、駆動軸1に対してスプライン結合し
ている。
【0007】前記ディスクハウジング14は、直径方向
の一端部がシリンダヘッド7の上端部に固定された図外
の支軸によって回転自在に支持されていると共に、他端
部が前記支軸を中心に駆動機構により揺動するようにな
っている。更に、第1,第2フランジ部10,13の外
周部には、互いに180°位置に細長い係合溝17,1
8が半径方向に沿って形成されている。一方、環状ディ
スク16の両側面には、互いに反対方向に突出して前記
各係合溝17,18に係合するピン19,20が突設さ
れている。
【0008】そして、例えば機関の高回転時には、ディ
スクハウジング14が揺動せずに、環状ディスク16の
中心が駆動軸1の軸心Xに合致する一方、機関の低回転
時には、図外の駆動機構によりディスクハウジング14
が揺動し、環状ディスク16を駆動軸1の軸心Xに対し
て偏心動させる。
【0009】即ち、例えば機関高回転時には、環状ディ
スク16の中心が駆動軸1の軸心Xに合致して、駆動軸
1とカムシャフト2との回転位相差が生じない。したが
って、駆動軸1の回転に伴い制御機構3を介してカムシ
ャフト2が駆動軸1と同期回転し、カム6,6による弁
の作動角が図12Aの実線で示すように大きくなり、開
弁時期が早くなる共に、閉弁時期が遅くなるため、吸気
慣性力を利用した吸気充填効率が向上する。
【0010】一方、低回転域では、駆動機構によりディ
スクハウジング14を介して環状ディスク16の中心が
駆動軸1の軸心Xから偏心動されるため、各ピン19,
20が各係合溝17,18の内周面に沿って径方向に摺
動し、一方側ピン20が駆動軸1の軸心Xに接近する場
合は、他方側ピン19は軸心Xから離れる関係になる。
したがって、この場合は、環状ディスク16は、駆動軸
1に対して角速度が大きくなり、カムシャフト2の角速
度も大きくなる。このため、カムシャフト2は、駆動軸
1に対して2重に増速された状態になる。したがって、
駆動軸1とカムシャフト2の回転位相差が図12Bに示
すように変化し、カムシャフト2の角速度が相対的に大
きい場合は、駆動軸1に対する回転位相は両者1,2が
等速になるまで進み、やがてカムシャフト2の角速度が
相対的に小さくなると、回転位相は両者1,2が等速に
なるまで遅れる。
【0011】そして、図12Bで示すように回転位相差
の最大,最小点の途中に同位相点Pが存在し、同図Bの
回転位相の変化では、弁の作動角が図12Aの破線で示
すようにP点よりも前の開弁時期が遅れ、P点より後の
閉弁時期が進み、全体に小さく制御される。したがっ
て、吸排気弁のバルブオーバラップが小さくなり、燃焼
室の残留ガスが減少し、安定した燃焼により燃費の向上
が図れる。また、早い閉弁時期制御により吸気充填効率
が向上し、低速トルクを高めることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
内燃機関のバルブタイミング(吸気弁の開閉時期)とし
ては、機関のパーシャル運転領域つまり部分負荷領域で
はポンプ損失を低減し、また全開高回転域での吸気充填
効率の向上を図るために吸気弁の閉時期を遅角側に制御
することが望ましく、例えば下死点後90°(クランク
角)付近で閉じられることが望ましい。また、低中速回
転領域では、低中速トルク及び排気エミッションの改善
を図るために、閉時期は下死点付近が望ましい。即ち、
吸気弁の閉時期の変化量は、クランク角度90°(カム
シャフト角度では45°に相当)程度が最適である。
【0013】一方、吸気弁の開時期は、大作動角時では
上死点前30°(クランク角)、小作動角時では上死点
付近に設定することが望ましい。
【0014】そして、環状ディスク16が一方側に偏心
動する前記従来例にあっては、前記バルブタイミングの
変化を得るための駆動軸1と各カムシャフト2の回転位
相差は、図12Bに示すように大きな回転位相差が必要
になると共に、最大位相差の位置Q1が下死点後90°
の位置Q2と一致しないため、さらに大きな回転位相差
(偏心量)が必要になる。
【0015】そこで、環状ディスク16の偏心量を大き
くするために、駆動軸1の外径を小さくすることも考え
られるが、駆動軸1の外径を単純に小さくすると、捩り
剛性が著しく低下してしまい、捩り振動が発生し易くな
ると共に、強度的な耐久性が悪化する。
【0016】また、本出願人が先に出願した例えば特開
平6−2516号に記載の発明のように、環状ディスク
を一方側だけでなく、駆動軸の軸心を中心として左右両
方向に偏心させるものもあるが、この場合は、図13
A,Bに示すように大作動角時の回転位相差(一点鎖線
参照)と小作動角時の回転位相差(破線参照)とでは、
その回転位相差の量が異なっている。
【0017】即ち、環状ディスクの中心が駆動軸の軸心
と同心上にある場合は、図13Bの実線で示すように駆
動軸とカムシャフトとの回転位相差が生じず、バルブリ
フト特性が図13に実線で示すように中作動角になる。
一方、低回転域などでは、環状ディスクの一方側の偏心
動により駆動軸とカムシャフトの回転位相差が図13B
の破線で示すように大きくなる(最大位相量a)のに対
し、高回転域では環状ディスクの他方側の偏心動によ
り、回転位相差が図13Bの一点鎖線で示すように、比
較的小さくなる(最大位相量b)。
【0018】この結果、全体的な回転位相差の変化量が
不足して、目的とする作動角の変化量を得るこが不可能
になり、機関性能を十分に引き出すことができなくな
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記先願に係
る従来例の課題に鑑みて案出されたもので、請求項1の
発明は、機関の回転に同期して回転する駆動軸と、該駆
動軸と同軸上に配設され、かつ外周に吸排気弁を駆動す
るカムを有するカムシャフトと、該カムシャフトの端部
に固定された第1フランジ部に対向配置され、かつ前記
駆動軸に連結固定された第2フランジ部と、該両フラン
ジ部の外周側の互いに径方向の反対側端部に形成された
係合溝と、前記両フランジ部間に配置されて、前記駆動
軸の軸心に対してディスクハウジングを介して偏心揺動
自在に設けられた環状ディスクと、各基端部が環状ディ
スクのピン孔内に保持され、互いに軸方向へ反対に突出
した先端部が前記各係合溝に係合した一対のピンと、前
記ディスクハウジングを偏心揺動させる駆動機構とを備
えた内燃機関の吸排気弁駆動制御装置において、前記環
状ディスクを駆動軸の軸心を中心として左右両方向へ偏
心揺動自在に設けると共に、該左右両方向への揺動量を
略同一に設定したことを特徴としている。
【0020】また、請求項2の発明は、前記ディスクハ
ウジングは、駆動機構の偏心カムを介して略直線状にス
ライドして揺動するように形成したことを特徴としてい
る。
【0021】
【発明の実施の形態】図1〜図3は本発明に係る吸排気
弁駆動制御装置を4気筒機関に適用した実施例を示し、
図1の21は図外の機関のクランク軸からスプロケット
を介して回転力が伝達される駆動軸、22は各気筒毎に
駆動軸21の外周に一定の隙間をもって配置され、かつ
駆動軸21の中心Xと同軸上に設けられた4本のカムシ
ャフト、45はシリンダヘッド43の上端部にボルト4
4で固定されて、前記カムシャフト22等が保持される
枠体であって、前記駆動軸21は、機関前後方向に延設
されていると共に、軽量化等の要請から内部中空状に形
成されている。
【0022】前記カムシャフト22は、各気筒毎に分割
形成されて夫々内部中空状に形成され、シリンダヘッド
43上端部に有する図外のカム軸受に回転自在に支持さ
れていると共に、図2Aに示すように外周の所定位置に
吸気弁23をバルブスプリング24のばね力に抗してバ
ルブリフター25を介して開作動させる複数のカム26
…が一体に設けられている。
【0023】また、各カムシャフト22には、一方側の
分割端部に第1フランジ部27が設けられている一方、
駆動軸21には、第1フランジ部27と対向する位置に
第2フランジ部32が結合されており、該両フランジ部
27,32間に環状ディスク29が配置されている。前
記第1フランジ部27は、図5にも示すように中空部か
ら半径方向に沿った細長い矩形状の係合溝30が形成さ
れていると共に、その外周面の円周方向に環状ディスク
29の一側面に摺接する突起面27aが一体に設けられ
ている。
【0024】前記第2フランジ部32は、内周に一体に
有するスリーブ28を介して駆動軸21に結合されてい
る。つまり、スリーブ28は、小径な一端部28bがカ
ムシャフト22の前記他方側の分割端部内に回転自在に
挿入している共に、略中央位置に直径方向に貫通した連
結軸31を介して駆動軸21に連結固定されている。ま
た、第2フランジ部32は、図6にも示すように前記係
合溝30と反対側に半径方向に沿った細長い矩形状の係
合溝33が形成されていると共に、外周面に環状ディス
ク29の他側面に摺接する突起面28aが一体に設けら
れている。
【0025】前記枠体45は図2A〜図4に示すように
全体がシリンダヘッド43上端部の吸気側を包囲する略
矩形枠状を呈し、ロッカカバー49の内側に配置されて
機関前後方向に沿って延設された両側一対の支持部45
a,45aと、該両支持部45a,45a間に直角方向
から架設された複数の横梁部45b…とから構成されて
いる。前記横梁部45bは、上面の一端側に後述の制御
シャフト42を軸受けする半円状の軸受溝46が形成さ
れていると共に、下面の略中央位置にカムシャフト22
の上半分を軸受けする円弧溝たるカム軸受溝50が形成
されている。また、横梁部45bの他端側略中央位置に
は、後述する軸受40の一端部を回転自在に支持する軸
孔45cが貫通形成されている。
【0026】前記環状ディスク29は、略ドーナツ板状
を呈し、内径がカムシャフト22の内径と略同径に形成
されて、駆動軸21の外周面との間に環状の隙間部Sが
形成されていると共に、小巾の外周部29aが環状のデ
ィスクハウジング34の内周面34aに回転自在に支持
されている。また、直径線上の対向位置に貫通形成され
たピン孔29b,29cには、各係合溝30,33に係
入する一対のピン36,37が設けられている。この各
ピン36,37は、互いにカムシャフト軸方向へ逆向き
に突出しており、基部がピン孔29b,29c内に回転
自在に支持されていると共に、先端部の両側縁に図5及
び図6に示すように前記係合溝30,33の対向内面3
0a,30b、33a,33bと当接する2面巾状の平
面部36a,36b、37a,37bが形成されてい
る。尚、該環状ディスク29の外径は、約38mmに設定
されている。
【0027】前記ディスクハウジング34は、図2Aに
示すように略円環状を呈し、外周の上端部に有するボス
部35の一端部外端縁に略U字形の支持溝38が形成さ
れていると共に、ボス部35の他端部にカム孔39が貫
通形成されている。そして、前記支持溝38内に挿通し
た支軸40によってディスクハウジング34の一端部が
回動及びスライド移動自在に支持されていると共に、前
記カム孔39内に挿通された偏心カム41の回動によっ
てディスクハウジング34が揺動するようになってい
る。
【0028】前記支軸40は、図3にも示すように、機
関の前後方向に延設されて軸孔45cに回転自在に挿通
支持されていると共に、図2Aに示すように、ディスク
ハウジング34に対応した部位の両端縁に平坦な当接面
40a,40bが形成され、この当接面40a,40b
が支持溝38の対向面38a,38bに面接触状態で当
接している。
【0029】前記偏心カム41は、リング状を呈し、外
径がカム孔39の内径より若干小さく設定されていると
共に、周方向の肉厚が薄肉部41aから漸次厚肉部41
bに変化している。また、軸方向に貫通形成された貫通
孔41cを介して中空状の制御シャフト42に固定支持
されている。この制御シャフト42は、図1,図2A及
び図3に示すように、機関の前後方向に沿って延設され
て、前記横梁部45bの軸受溝46と枠体45の上部に
ボルト48によって固定されたベアリングキャップ47
との間に軸受されている。また、この制御シャフト42
は、駆動機構51によって回転制御されるようになって
いる。
【0030】そして、前記偏心カム41は、図2Aに示
す中立位置Zから図8A及び図9Aに示すように一方向
あるいは他方向へ同一回動角θ1,θ2で偏心回動する
ようになっている。換言すれば、偏心カム41の回動に
伴い環状ディスク29の中心Yが図8B及び図9Bに示
すように駆動軸21の軸心Xに対して同心位置から両方
向へ夫々約22.5°の角度で偏心するように設定さ
れ、したがって、両方向の最大偏心角度が45°(クラ
ンク角90°)に設定されている。
【0031】前記駆動機構51は、図7に示すように制
御シャフト42の一端部に設けられた油圧アクチュエー
タ52と、該油圧アクチュエータ52に油圧を給排する
油圧回路53とを備えている。前記油圧アクチュエータ
52は、筒状ハウジング54内に2枚羽根の回転ベーン
55が対角線上に位置する各第1油室56,56及び第
2油室57,57を隔成しつつ回動自在に設けられてい
ると共に、該回転ベーン55が制御シャフト42に連結
されている。前記油圧回路53は、第1,第2油室5
6,57に油圧を給排する一対の第1,第2油通路58
a,58bと、該両油通路58a,58bの端部に設け
られた4ポート2位置型の電磁切換弁59と、オイルメ
インギャラリ60の上流端に設けられたオイルポンプ6
1と、各油通路58a,58bと適宜連通してオイルパ
ン62内に作動油を戻すドレン通路63と、ポンプ吐出
圧を一定圧に制御するリリーフバルブ64とを備えてい
る。そして、前記回転ベーン55は、中立位置から左右
方向へ同一回転量となるように左右の最大回転位置が規
制されている。
【0032】更に、前記電磁切換弁59は、機関回転数
や吸気空気量等の信号に基づいて現在の機関運転状態を
検出するコントローラ65からのON−OFF信号によ
って切り換え作動し、OFF信号によってオイルポンプ
61と第1油通路58aとを連通させると共に、第2油
通路58bとドレン通路63を連通させ、ON信号によ
って前記とは逆に連通させるようになっている。
【0033】以下、本実施例の作用について説明する。
まず、機関低速低負荷時には、コントローラ65から電
磁切換弁59にON信号が出力されてオイルポンプ61
から吐出された油圧が第1油室56,56内に流入する
一方、第2油室57,57内の作動油がドレン通路63
からオイルパン62内に排出される。このため、回転ベ
ーン55が図中反時計方向に回転して制御シャフト42
を周方向に回転させる。したがって、偏心カム41は、
図8Aに示すように、破線位置から図中反時計方向へ回
転して、θ角度位置まで最大に回転し、最大厚肉部41
bが上部側に移動する。
【0034】依って、ディスクハウジング34は、カム
孔39を介して支軸40を支点として揺動し、環状ディ
スク29の中心Yが図8に示すように駆動軸21(カム
シャフト22)の中心Xから約22.5°の角度で偏心
する。つまり、偏心カム41の回動に伴いボス部35の
カム孔39側が左上方向へ引き上げられると支持溝38
の対向面38a,38bが支軸40の当接面40a,4
0b上をスライドしつつ全体が反時計方向へ揺動して所
定量偏心する。したがって、スリーブ28側の係合溝3
3とピン37並びにカムシャフト21側の係合溝30と
ピン36との摺動位置が駆動軸21の1回転毎に移動
し、環状ディスク29の角速度が変化して不等角速度回
転になる。
【0035】即ち、係合溝33とピン37の摺動位置が
駆動軸21の中心Xに接近する場合は、係合溝30とピ
ン36の摺動位置が中心Xから離れる関係になる。この
場合は、環状ディスク29は、駆動軸21に対して角速
度が小さくなり、環状ディスク29に対しカムシャフト
22の角速度も小さくなる。したがって、カムシャフト
22は、駆動軸21に対して、部分的に2重に減速され
た状態になる。
【0036】一方、機関が高速高負荷域に移行した場合
は、コントローラ65から電磁切換弁59にOFF信号
が出力されて、第1油室56,56内の作動油がドレン
通路63から排出されると共に、第2油室57,57内
にオイルポンプ61から油圧が圧送され、回転ベーン5
5が逆に時計方向に回転する。したがって、偏心カム4
1は、図9Aに示すように時計方向へ逆回転して、破線
位置から時計方向へ前記反時計方向の回転角度と同一角
度量θまで回転する(実線位置)。
【0037】これによってディスクハウジング34も揺
動して、環状ディスク29の中心Yが、図9Bに示すよ
うに駆動軸21の中心Xから他方向へ約22.5の角度
で偏心する。依って、この場合も、環状ディスク29と
駆動軸21との間に回転位相が生じ、またカムシャフト
22の中心と環状ディスク29の中心Yも偏心している
ため、両者22,29間に回転位相差が生じる。したが
って、スリーブ28側の係合溝33とピン37並びにカ
ムシャフト21側の係合溝30とピン36との摺動位置
が駆動軸21の1回転毎に移動し、環状ディスク29の
各速度が変化して不等角速度回転になる即ち、係合溝3
0とピン36の摺動位置が駆動軸21の中心Xに接近す
る場合は、係止溝33とピン36の摺動位置が中心Xか
ら離れる関係になる。したがって、環状ディスク29
は、駆動軸21に対して角速度が大きくなり、環状ディ
スク29に対してカムシャフト22の角速度も大きくな
る。したがって、カムシャフト22は、駆動軸21に対
して、部分的に2重に増速された状態になる。
【0038】この結果、該夫々の角速度の変化に基づき
カムシャフト22及びカム26と駆動軸21との回転位
相差は、図10Bに示すように変化し、バルブタイミン
グは同図Bに示すようにバルブリフトを一定のままカム
シャフト22の位相差に応じて変化する。
【0039】つまり、カムシャフト22の角速度が相対
的に大きい場合は、駆動軸21に対する回転位相は両者
21,22が等速になるまで進み、やがてカムシャフト
22の角速度が相対的に小さくなると回転位相は両者2
1,22が等速になるまで遅れる。そして、図10Bで
示すように回転位相差の最大,最小点の途中に同位相点
(P点)が存在し、同図の破線で示す回転位相の変化で
は、P点よりも前の吸気弁23の開弁時期が遅れ、P点
より後の閉弁時期は進み、図10Aの破線で示すように
弁の作動角が小さくなる。
【0040】したがって、前記のように機関低速低負荷
域では、吸気弁23のバルブタイミングが図10Aの破
線で示すように作動角が小さくなり、開時期が少し遅
れ、閉時期が早くなる。これによって、吸排気弁のバル
ブオーバラップが小さくなり、燃焼室の残留ガスが減少
し、安定した燃焼により燃費の向上が図れる。また、早
い閉時期により、吸気充填効率が向上し、低速トルクを
高めることができる。
【0041】一方、高速高負荷域では、図10Aの一点
鎖線で示すように作動角が大きくなり、同時期が早くな
ると共に、閉時期が遅くなるため、吸気慣性力を利用し
た吸気充填効率が向上し、高出力化が図れる。
【0042】尚、例えば機関の中速中負荷域などの場合
において、回転ベーン55を所定の手段によって回動中
心位置に保持し、図2に示すように環状ディスク29の
中心Yが駆動軸21の軸心Xと合致するように制御した
場合には、環状ディスク29と駆動軸21との間に回転
位相差が生じず、したがって図10Bの実線(直線)で
示すようにカムシャフト22と駆動軸21との回転位相
差も生じない。したがって、駆動軸21の回転に伴いス
リーブ28が同期回転する。この結果、吸気弁23の作
動角が、図10Aの実線で示すように小作動角(破線)
と大作動角(一点鎖線)との略中間の中作動角に制御さ
れる。これによって、機関運転状態に応じた最適なバル
ブタイミング特性が得られる。
【0043】このように、本実施例では、機関運転変化
に応じてバルブタイミングを高精度かつ最適に制御する
ことが可能になることは勿論のこと、特に、環状ディス
ク29の駆動軸21の軸心Xに対する左右の偏心量、つ
まり中心合致位置から小作動角への偏心量と大作動角へ
の偏心量を同一に設定したため、全体に大きな偏心角度
(カムシャフト角で45°=クランク角90°)が得ら
れ、駆動軸21とカムシャフト22との回転位相差を十
分に大きくすることが可能になる。この結果、バルブタ
イミングの可変量を大きくすることができ、機関性能の
向上が図れるしかも、環状ディスク29の左右の偏心量
を同一に設定したことにより、駆動軸21の外径を小さ
くする必要がなくなり、可及的に大きく設定することが
できるため、捩り剛性が高くなり、耐久性の向上が図れ
る。
【0044】さらに、ディスクハウジング34は、単に
支点を中心に回動するのではなく、支軸40上を支持溝
38を介してスライド移動しながら揺動するため、駆動
軸21の中心Xに対する環状ディスク29の中心Yの偏
心量を大きく取ることが可能になり、前述の同量の偏心
量と相俟ってバルブタイミングの可変量を一層大きくす
ることが可能になる。
【0045】また、本実施例では、ディスクハウジング
34を、偏心カム41を用いて揺動させるようにしたた
め、カムシャフト22の回転トルク変動に起因するディ
スクハウジング34の交番荷重による打音や摩耗等の発
生を確実に防止できる。
【0046】更にまた、枠体45で制御シャフト42や
支軸40等の構成部品を支持する構造としたため、駆動
機構51を含めた全体のユニット化が可能になり、シリ
ンダヘッド43に対する組付性が極めて良好になる。ま
た、カムシャフト22のカム軸受用ブラケットと制御シ
ャフト42の軸受を横梁部45bで兼用したため、部品
点数の削減が図れ、組付性が一層良好になるばかりか、
駆動軸21の中心Xと制御シャフト42の中心を介して
環状ディスク29の中心Yと位置精度が出し易くなる。
また、前記ユニット化によって各構成部品の芯出しやク
リアランスの精度を向上させることが可能になる。
【0047】尚、駆動機構は、前記実施例のものに限定
されるものではなく、例えばラック,ピニオン型やシリ
ンダ,ピストン型等によって構成することも可能であ
る。
【0048】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、駆動軸の軸心に対する環状ディスクの両方向の
偏心量を、同一に設定したため、全体に大きな偏心角度
が得られ、吸気,排気弁の開閉時期の変化量を例えばク
ランク角の約90°まで大きくすることが可能になる。
したがって、機関運転状態に応じた高精度かつ最適なバ
ルブタイミング制御を得ることができる。
【0049】しかも、駆動軸の外径を小さくすることな
く、大きな偏心角度が得られるので、該駆動軸の外径を
十分に大きく設定することが可能になる。この結果、駆
動軸の捩り剛性が高くなり、捩り振動の低下及び耐久性
の向上が図れる。
【0050】また、ディスクハウジングの偏心移動を、
単に一点を中心として回動させることにより行うのでは
なく、左右方向へスライド移動させることにより行うよ
うにしたため、駆動軸の中心に対する環状ディスクの偏
心量を大きく取ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図2のA−A線断面
図。
【図2】Aは図1のB−B線断面図、Bは同心制御時の
作用説明図。
【図3】本実施例の平面図。
【図4】図3のC−C線断面図。
【図5】図3のD−D線断面図。
【図6】図3のE−E線断面図。
【図7】本実施例の駆動機構を示す概略図。
【図8】Aは一方側への揺動作用を示す図1のB−B線
断面図、Bは一方側揺動制御時の作用説明図。
【図9】Aは他方側への揺動作用を示す図1のB−B線
断面図、Bは他方側揺動制御時の作用説明図。
【図10】本実施例の駆動軸とカムシャフトとの回転位
相差とバルブタイミングの特性図。
【図11】従来の吸排気弁駆動制御装置を示す要部断面
図。
【図12】同従来例の駆動軸とカムシャフトとの回転位
相差とバルブタイミングの特性図。
【図13】他の従来例における駆動軸とカムシャフトと
の回転位相差とバルブタイミングの特性図。
【符号の説明】
21…駆動軸 22…カムシャフト 27…第1フランジ部 29…環状ディスク 32…第2フランジ部 29b,29c…ピン孔 30,33…係合溝 34…ディスクハウジング 36,37…ピン 41…偏心カム 51…駆動機構

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の回転に同期して回転する駆動軸
    と、該駆動軸と同軸上に配設され、かつ外周に吸排気弁
    を駆動するカムを有するカムシャフトと、該カムシャフ
    トの端部に固定された第1フランジ部に対向配置され、
    かつ前記駆動軸に連結固定された第2フランジ部と、該
    両フランジ部の外周側の互いに径方向の反対側端部に形
    成された係合溝と、前記両フランジ部間に配置されて、
    前記駆動軸の軸心に対してディスクハウジングを介して
    偏心揺動自在に設けられた環状ディスクと、各基端部が
    環状ディスクのピン孔内に保持され、互いに軸方向へ反
    対に突出した先端部が前記各係合溝に係合した一対のピ
    ンと、前記ディスクハウジングを偏心揺動させる駆動機
    構とを備えた内燃機関の吸排気弁駆動制御装置におい
    て、 前記環状ディスクを駆動軸の軸心を中心として左右両方
    向へ偏心揺動自在に設けると共に、該左右両方向への揺
    動量を略同一に設定したことを特徴とする内燃機関の吸
    排気弁駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ディスクハウジングは、駆動機構の
    偏心カムを介して略直線状にスライドして揺動するよう
    に形成したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の
    吸排気弁駆動制御装置。
JP8048551A 1996-03-06 1996-03-06 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 Pending JPH09242520A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8048551A JPH09242520A (ja) 1996-03-06 1996-03-06 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8048551A JPH09242520A (ja) 1996-03-06 1996-03-06 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09242520A true JPH09242520A (ja) 1997-09-16

Family

ID=12806519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8048551A Pending JPH09242520A (ja) 1996-03-06 1996-03-06 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09242520A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1057988A2 (en) 1999-06-01 2000-12-06 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel supply apparatus of internal combustion engine
US6341487B1 (en) 1999-03-30 2002-01-29 Nissan Motor Co., Ltd. Catalyst temperature control device and method of internal combustion engine
US6341584B1 (en) 1998-11-09 2002-01-29 Nissan Motor Co., Ltd. Valve timing control device and method for vehicle engine
CN106801635A (zh) * 2015-10-22 2017-06-06 现代自动车株式会社 连续可变气门打开持续时间装置及设有该装置的发动机

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS631707A (ja) * 1986-06-23 1988-01-06 Honda Motor Co Ltd 4サイクルエンジンのバルブ開閉機構
JPH062516A (ja) * 1992-06-17 1994-01-11 Unisia Jecs Corp 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH062515A (ja) * 1992-06-17 1994-01-11 Unisia Jecs Corp 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH06185321A (ja) * 1992-06-17 1994-07-05 Unisia Jecs Corp 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH0734825A (ja) * 1993-07-26 1995-02-03 Unisia Jecs Corp 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH09166007A (ja) * 1995-12-15 1997-06-24 Unisia Jecs Corp 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS631707A (ja) * 1986-06-23 1988-01-06 Honda Motor Co Ltd 4サイクルエンジンのバルブ開閉機構
JPH062516A (ja) * 1992-06-17 1994-01-11 Unisia Jecs Corp 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH062515A (ja) * 1992-06-17 1994-01-11 Unisia Jecs Corp 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH06185321A (ja) * 1992-06-17 1994-07-05 Unisia Jecs Corp 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH0734825A (ja) * 1993-07-26 1995-02-03 Unisia Jecs Corp 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH09166007A (ja) * 1995-12-15 1997-06-24 Unisia Jecs Corp 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6341584B1 (en) 1998-11-09 2002-01-29 Nissan Motor Co., Ltd. Valve timing control device and method for vehicle engine
DE19953856C2 (de) * 1998-11-09 2003-07-10 Nissan Motor Ventilsteuervorrichtung und Ventilsteuerverfahren für ein Fahrzeugtriebwerk
US6341487B1 (en) 1999-03-30 2002-01-29 Nissan Motor Co., Ltd. Catalyst temperature control device and method of internal combustion engine
EP1057988A2 (en) 1999-06-01 2000-12-06 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel supply apparatus of internal combustion engine
US6332448B1 (en) 1999-06-01 2001-12-25 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel supply apparatus of internal combustion engine
CN106801635A (zh) * 2015-10-22 2017-06-06 现代自动车株式会社 连续可变气门打开持续时间装置及设有该装置的发动机
CN106801635B (zh) * 2015-10-22 2020-10-27 现代自动车株式会社 连续可变气门打开持续时间装置及设有该装置的发动机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3355219B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
KR19980081021A (ko) 가변밸브작동기구
JP3355225B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH0941924A (ja) 動力伝達機構及び動力伝達機構付き可変動弁機構
JPH08240109A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH09242520A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP5835070B2 (ja) 可変動弁装置
JP3205058B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP2000314329A (ja) 内燃機関の可変動弁装置における作動センサ故障時処理装置
JP3181986B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP2601060Y2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH07238815A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP3283905B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH03168309A (ja) 4サイクルエンジンの弁開閉装置
JPH0734825A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP3894237B2 (ja) 可変動弁機構
JPH09166007A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH09195737A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP3347860B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP2000282900A (ja) 制御軸駆動用電磁アクチュエータの揺動防止装置
JPH0734824A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH0742516A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH07119425A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH09177523A (ja) 可変動弁機構
JPH06323114A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置