JP3347860B2 - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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JP3347860B2
JP3347860B2 JP02294194A JP2294194A JP3347860B2 JP 3347860 B2 JP3347860 B2 JP 3347860B2 JP 02294194 A JP02294194 A JP 02294194A JP 2294194 A JP2294194 A JP 2294194A JP 3347860 B2 JP3347860 B2 JP 3347860B2
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吉彦 山田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の運転状態に
応じて吸気・排気弁の開閉時期を可変制御する吸排気弁
駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の装置としては種々提供さ
れており、その一つとして本出願人が先に出願した特願
平4−11591号に記載されたものがある。
【0003】図10〜図12に基づいて概略を説明すれ
ば、この吸排気弁駆動制御装置は、多気筒機関のクラン
ク軸からスプロケットを介して回転力が伝達される中空
状の駆動軸1と、該駆動軸1の外周同軸上に相対回転自
在に設けられたカムシャフト2と、各気筒毎に分割され
た該カムシャフト2の分割端部間に設けられた制御機構
3とを備えている。
【0004】前記駆動軸1は、機関前後方向に沿って延
設され、スプロケット側の図外の1番ジャーナルがシリ
ンダヘッド7の上端部に設けられたカム軸受に回転自在
に支持されている。
【0005】前記各カムシャフト2は、夫々外周に1気
筒当たり2つの吸気弁4,4をバルブリフター4a,4
aを介してバルブスプリング5のばね力に抗して開作動
させる2個のカム6,6を一体に有していると共に、シ
リンダヘッド7上の一対のカム軸受8,9によって回転
自在に支持されている。
【0006】前記制御機構3は、各カムシャフト2の一
端部に一体に設けられた円環状の第1フランジ部10
と、駆動軸1の所定外周位置に連結ピン11によりスリ
ーブ12を介して固定されて、前記第1フランジ部10
に対向する円環状の第2フランジ部13と、両フランジ
部10,13間に介装されて駆動軸1の軸心Xから略径
方向へ揺動自在に設けられた略円環状のディスクハウジ
ング14と、該ディスクハウジング14の内周に有する
大径な支持孔14a内にプレーンベアリング15を介し
て回転自在に保持された環状ディスク16とを備えてい
る。
【0007】また、前記ディスクハウジング14は、直
径方向の一端部がシリンダヘッド7の上端部に固定され
た図外の支軸によって回転自在に支持されていると共
に、他端部が前記支軸を中心に駆動機構により揺動する
ようになっている。更に、第1,第2フランジ部10,
13の外周部には、互いに180°位置に細長い係合溝
17,18が半径方向に沿って形成されている。一方、
環状ディスク16の両側面には、互いに反対方向に突出
して前記各係合溝17,18に係合するピン19,20
が突設されている。
【0008】そして、例えば機関の高回転時には、ディ
スクハウジング14が揺動せずに、環状ディスク16の
中心が駆動軸1の軸心Xに合致する一方、機関の低回転
時には、図外の駆動機構によりディスクハウジング14
が揺動し、環状ディスク16を駆動軸1の軸心Xに対し
て偏心動させる。
【0009】即ち、例えば機関高回転時には、環状ディ
スク16の中心が駆動軸1の軸心Xに合致して、駆動軸
1とカムシャフト2との回転位相差が生じない。したが
って、駆動軸1の回転に伴い制御機構3を介してカムシ
ャフト2が駆動軸1と同期回転し、カム6,6による弁
の作動角が図13Aの実線で示すように大きくなり、開
弁時期が早くなる共に、閉弁時期が遅くなるため、吸気
慣性力を利用した吸気充填効率が向上する。
【0010】一方、低回転域では、駆動機構によりディ
スクハウジング14を介して環状ディスク16の中心が
駆動軸1の軸心Xから偏心可能に制御されるため、各ピ
ン19,20が各係合溝17,18の内周面に沿って径
方向に摺動し、一方側ピン20が駆動軸1の軸心Xに接
近する場合は、他方側ピン19は軸心Xから離れる関係
になる。したがって、この場合は、環状ディスク16
は、駆動軸1に対して角速度が大きくなり、カムシャフ
ト2の角速度も大きくなる。このため、カムシャフト2
は、駆動軸1に対して2重に増速された状態になる。し
たがって、駆動軸1とカムシャフト2の回転位相差が図
13Bに示すように変化し、カムシャフト2の角速度が
相対的に大きい場合は、駆動軸1に対する回転位相は両
者1,2が等速になるまで進み、やがてカムシャフト2
の角速度が相対的に小さくなると、回転位相は両者1,
2が等速になるまで遅れる。
【0011】そして、図13Bで示すように回転位相差
の最大,最小点の途中に同位相点Pが存在し、同図Bの
回転位相の変化では、弁の作動角が図13Aの破線で示
すようにP点よりも前の開弁時期が遅れ、P点より後の
閉弁時期が進み、全体に小さく制御される。したがっ
て、吸排気弁のバルブオーバラップが小さくなり、燃焼
室の残留ガスが減少し、安定した燃焼により燃費の向上
が図れる。また、早い閉弁時期制御により吸気充填効率
が向上し、低速トルクを高めることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、斯かる吸排
気弁駆動制御装置にあっては、機関運転状態の変化に応
じてカムリフト中の弁作動角を可変制御することによ
り、機関性能の向上を図っているが、低回転時に弁作動
角を小さく制御した場合、つまり開弁時期が短縮制御さ
れた場合は、カム6のリフト時のカム面に対する荷重が
増加して吸気弁4がカム6により与えられるリフト曲線
が外れてジャンピング等の不整運動を起こす惧れがあ
る。
【0013】即ち、開閉作動中における吸気弁4の持つ
慣性力(加速度)、特にカムリフト時(吸気弁4の開作
動時)におけるカム面6aに対する負の荷重が増加して
バルブスプリングのばねセット荷重よりも大きくなるこ
とによってジャンピング等が発生し易くなる。したがっ
て、斯かる負の荷重を十分に小さくし、常に慣性力がバ
ルブスプリングのばねセット荷重により小さくなるよう
にカム6,6のプロフィールを設定することが望まし
い。
【0014】しかしながら、前記従来の装置にあって
は、図15に示すように高回転時において環状ディスク
16が駆動軸1に同心制御されて、吸気弁4の弁作動角
が大きくかつ負のカム面6aに対する荷重パターン曲線
(FC)が小さく制御された時点でバルブスプリング5
のばねセット荷重パターン曲線FSを決定し、両パター
ン曲線FC,FSが略平行となるようにカムプロフィー
ルを設定している。
【0015】このため、前述のように、低回転時に弁作
動角を小さく制御した場合には、図14に示すように負
の荷重が増加して該荷重パターン曲線FCの略中央部F
C1がばねセット荷重パターン曲線FSと略等しいか、
より大きくなってジャンピング等が発生してしまう。こ
の結果、機関性能の低下を招くばかりか、動弁系の作動
不良を起こす惧れがある。
【0016】そこで、前記ジャンピング等を防止するた
めにバルブスプリング5のばねセット荷重を大きくする
と、駆動トルクが大きくなり、燃費が悪化したり、ある
いはカム面6aのベース側荷重も増加して吸気弁4の焼
き付き等が発生する惧れがある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記先願の問
題点に鑑みて案出されたもので、請求項1の発明は、機
関によって回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の外部同軸
上に相対回転可能に配設され、かつ外周面に吸排気弁を
駆動するカムを有するカムシャフトと、該カムシャフト
の端部側に駆動軸と同軸上に配置され、かつ駆動軸の軸
心に対して偏心揺動自在な環状ディスクと、該環状ディ
スクを駆動軸に対して同心あるいは偏心動させる駆動機
構とを備え、前記環状ディスクの偏心揺動に伴いカムシ
ャフトの角速度の変化を得て前記吸排気弁の作動角を可
変制御する吸排気弁駆動制御装置において、前記作動角
が最小に制御された際に、前記吸排気弁のバルブリフト
時のカム面に対する荷重パターン曲線とバルブスプリン
グのばねセット荷重パターン曲線が略一定の差をもって
略平行となるように前記カムのプロフィールを設定した
ことを特徴としている。
【0018】請求項2の発明は、前記作動角が最大に可
変制御された際に、前記吸排気弁のバルブリフト時のカ
ム面対する荷重パターン曲線が前記バルブリフトの略中
央付近で略凹状あるいは略平坦状になるように前記カム
のプロフィールを設定したことを特徴としている。
【0019】
【作用】前記請求項1及び2の発明によれば、機関低回
転時に環状ディスクを偏心揺動させて弁の作動角を小さ
く制御した際には、カム面に対する荷重パターン曲線の
負の加速度域(略中央部)が大きくなっても、バルブス
プリングのばね荷重パターン曲線と一定差をもって略平
行になり、常にばねセット荷重パターンよりも小さくな
る。このため、吸排気弁のジャンピング等の発生が確実
に防止される。
【0020】
【実施例】図3〜図6は本発明に係る吸排気弁駆動制御
装置を4気筒の内燃機関の吸気側に適用した実施例を示
し、図中21は機関のクランク軸からスプロケットを介
して回転力が伝達される駆動軸、22は該駆動軸21の
外周に相対回転可能に配置され、かつ駆動軸21の中心
Xと同軸上に設けられた複数のカムシャフトであって、
前記駆動軸21は、機関前後方向に延設されていると共
に、軽量化等の要請から内部中空状に形成されている。
【0021】前記カムシャフト22は、長手方向の所定
位置で各気筒毎に軸直角方向から4分割されており、内
部軸方向に形成された挿通孔22a内に駆動軸21が挿
通している一方、図外のシリンダヘッド上端部に有する
カム軸受52,53に回転自在に支持されている。ま
た、図4に示すようにカムシャフト22の外周の所定位
置に1気筒当たり2つの吸気弁23をバルブスプリング
24のばね力に抗してバルブリフター25を介して開作
動させる複数のカム26…が一体に設けられている。
【0022】また、各カムシャフト22の一方側の分割
端部に第1フランジ部27が一体に固定されており、こ
の第1フランジ部27は、図6にも示すように中空部か
ら半径方向に沿った細長い矩形状の第1係合溝30が形
成されていると共に、その外周面の円周方向に後述する
環状ディスク29の一側面に摺接する突起面27aが一
体に設けられている。
【0023】また、この第1フランジ部27に一定の隙
間をもって対峙する他方側のカムシャフト22の端部側
にスリーブ28と該スリーブ28に一体に有する第2フ
ランジ部32配置されており、第1フランジ部27と第
2フランジ32との対向面間に環状ディスク29が配置
されている。
【0024】前記スリーブ28は、小径な一端部がカム
シャフト22の前記他方側の分割端部内に回転自在に挿
入していると共に、略中央位置に直径方向に貫通した連
結軸31を介して駆動軸21に連結固定されている。こ
の第2フランジ部32は、図7に示すように第1フラン
ジ部27の第1係合溝30と径方向の反対側に半径方向
に沿った細長い矩形状の係合溝33が形成されていると
共に、外周面に環状ディスク29の他側面に摺接する突
起面32aが一体に設けられている。
【0025】前記環状ディスク29は、略ドーナツ板状
を呈し、内径がカムシャフト22の内径と略同径に形成
されて、駆動軸21の外周面との間に環状の隙間部Sが
形成されていると共に、小巾の外周部29aが環状ベア
リング34を介してディスクハウジング35の内周面に
回転自在に支持されている。また、直径線上の対向位置
に貫通形成された保持孔29b,29cには、各係合溝
30,33に係入する一対のピン36,37が設けられ
ている。この各ピン36,37は、互いにカムシャフト
軸方向へ逆向きに突出しており、基部が保持孔29b,
29c内に回転自在に支持されていると共に、先端部の
両側縁に図6及び図7に示すように前記係合溝30,3
3の対向内面30a,30b、33a,33bと当接す
る2面巾状の平面部36a,36b、37a,37bが
形成されている。
【0026】前記ディスクハウジング35は、図3〜図
5に示すように略円環状を呈し、外周の一端部に有する
ボス部35a及び該ボス部35aを貫通した枢支ピン3
8を支点として図4中上下に揺動自在に設けられている
一方、該ボス部35aと反対側の外周面にレバー部35
bが半径方向に沿って突設されている。また、このディ
スクハウジング35は、レバー部35bを介して駆動機
構39により揺動するようになっている。
【0027】前記駆動機構39は、図4及び図8に示す
ようにシリンダヘッドの所定部位に対向して形成された
第1,第2シリンダ40,41と、該各シリンダ40,
41内から出没自在に設けられて各先端縁で前記レバー
部35aの円弧状先端を上下方向から挾持する油圧ピス
トン42及びプランジャ43と、前記第1シリンダ40
内の受圧室40aに油圧を給排して油圧ピストン42を
進退動させる油圧回路44とを備えている。
【0028】前記第2シリンダ41内に設けられたプラ
ンジャ43は、略有底円筒状に形成され、第2シリンダ
41内に弾装されたコイルスプリング45のばね力で進
出方向(レバー部方向)に付勢されている。
【0029】前記油圧回路44は、一端部がオイルパン
46内に、他端部が受圧室40aに夫々連通した油通路
47と、該油通路47のオイルパン46側に設けられた
オイルポンプ48と、該オイルポンプ48の下流側に設
けられた3ポート2位置型の電磁切換弁49とから主と
して構成されている。前記電磁切換弁49は、機関回転
数や吸入空気量等の信号に基づいて現在の機関運転状態
を検出するコントローラ50からのON−OFF信号に
よって流路を切り換え作動し、ON信号によって油通路
47全体を連通する一方、OFF信号によって油通路4
7とドレン通路51を連通するようになっている。
【0030】そして、前記カム26は、そのプロフィー
ルが前記環状ディスク29の駆動軸21の軸心に対する
偏心揺動時に吸気弁23のバルブリフト時のカム面26
aに対する荷重パターン曲線FCとバルブスプリング2
4のばねセット荷重パターン曲線FSが略一定の差をも
って略平行となるように設定されている。
【0031】具体的に説明すれば、カムプロフィール
は、環状ディスク29が駆動軸21の軸心と同心制御
(大作動角制御)されている場合に、図2に示すように
バルブリフト時におけるカム面26aに対する荷重パタ
ーン曲線FCの中央部FC1が凹状になるように設定さ
れ、したがって、ばねセット荷重パターン曲線FSとは
中央部FC1の両側で若干近づくものの中央部FC1付
近では大きく離れるように形成されている。
【0032】これによって、前述のように環状ディスク
29の偏心制御(小作動角制御)時には、図1に示すよ
うにバルブリフト中における荷重パターン曲線FCとば
ねセット荷重パターン曲線FSが一定の差(FS−F
C)で離間しつつ略平行となり、常に荷重パターン曲線
FCがばねセット荷重パターン曲線FSを超えることが
ないように形成されている。
【0033】以下、本実施例の作用について説明する。
【0034】機関高回転時には、斯かる運転状態を検出
したコントローラ50から電磁切換弁49にON信号が
出力されると、オイルポンプ48から油通路47に圧送
された作動油はそのまま受圧室40aに供給される。し
たがって、該受圧室40aの内圧上昇に伴い油圧ピスト
ン42が、図4,図8の実線で示すようにコイルスプリ
ング45のばね力に抗してレバー部35bを押し上げる
ので、ディスクハウジング35つまり環状ディスク29
の回転中心Yと駆動軸21の中心Xが合致する。この場
合は、環状ディスク29と駆動軸21との間に回転位相
は生じず、またカムシャフト22の中心と環状ディスク
29の中心Yも合致しているため、両者22,29間の
回転位相差も生じない。したがって、駆動軸21の回転
に伴い、連結軸31を介してスリーブ28が同期回転す
ると共に、第2フランジ部32側の係合溝33とピン3
7,環状ディスク29,ピン36,第1フランジ部27
側の係合溝30を介してカムシャフト22も同期回転す
る。したがって、吸気弁23は、図13Aの実線で示す
ように弁作動角が大きくなって、閉弁時期が十分に遅く
なる。この結果、吸気充填効率が向上して高出力トルク
が得られる。
【0035】一方、機関低回転時には、コントローラ5
0から電磁切換弁49にOFF信号が出力されて、油通
路47の上流側を遮断すると共に、油通路47の下流側
とドレン通路51を連通する。このため、受圧室40a
内の作動油は、油通路47を逆流してドレン通路51か
らオイルパン46内に戻され、したがって、受圧室40
aの内圧低下に伴い油圧ピストン42がバルブスプリン
グ24及びコイルスプリング45のばね力でプランジャ
43を介して後退移動する。これにより、ディスクハウ
ジング35は、図4,図8の一点鎖線で示すようにプラ
ンジャ43により押し下げられて枢支ピン38を支点と
して下方へ揺動し、環状ディスク29の中心Yが駆動軸
21の中心Xと偏心する。したがって、第2フランジ部
32の係止溝33とピン37並びに第1フランジ部27
の係止溝30とピン36との摺動位置が駆動軸21の1
回転毎に往復移動し、環状ディスク29の角速度が変化
して不等角速度回転になる。
【0036】即ち、一方のピン37が係合溝33内を摺
動して駆動軸21の中心Xから離れ、他方のピン36が
係合溝30内を摺動して中心Xに接近すると、環状ディ
スク29は駆動軸21に対して角速度が大きくなり、カ
ムシャフト22の角速度も大きくなる。したがって、カ
ムシャフト22は、駆動軸21に対して2重に増速され
た状態になる。この結果、カムシャフト22及びカム2
6と駆動軸21との回転位相差は、図13Bに示すよう
に変化する。したがって、吸気弁23は、そのバルブリ
フト特性が図13Aの破線で示すようにバルブリフトは
一定のまま弁作動角(バルブタイミング)が小さくな
り、閉弁時期が十分に早くなる。このため、吸気充填効
率が向上して低速トルクが向上する。
【0037】また、本実施例では、前述のように機関低
回転時には、吸気弁23のバルブリフト中の負の荷重パ
ターン曲線FCが図1に示すようにばねセット荷重パタ
ーン曲線FSから超えることなく、常に略平行状態とな
っているため、吸気弁23のジャンピング等の不整運動
の発生を確実に防止することができる。
【0038】しかも、バルブスプリング24のばねセッ
ト荷重を大きくすることなく、カム面26aに対する荷
重を小さくしてジャンピング等を防止したため、駆動ト
ルクの増加を抑制でき、燃費の悪化や吸気弁23の焼付
き等の発生も防止できる。
【0039】尚、機関高回転時に弁作動角を大きく制御
した際には、図2に示すように荷重パターン曲線FCの
中央部FC1が凹状になるが、吸気弁23のジャンピン
グの発生が起こらないことは勿論のこと、機関の高出力
化に大きな影響を与えることはない。
【0040】また、他例として、弁作動角の大制御中に
おける荷重パターン曲線FCの中央部FC1を図2の一
点鎖線で示すように略平坦状となるようにカム6のプロ
フィールを設定することも可能である。この場合も、弁
作動角の小制御時に荷重パターン曲線FCとばね荷重パ
ターン曲線FSとを一定の差をもって略平行にすること
が可能になる。尚、前記曲線FCと曲線FSとの一定の
差をもって略平行となる期間を、吸気弁23の開弁期間
の半分に設定すれば、機関の吸入量を減らすことなく、
吸気弁23の開弁加速度も急激に増加することがないた
め、安定した機関の高出力化が図れる。
【0041】さらに、図9はさらに異なるカム面26a
に対する荷重パターンの他例を示している。即ち、駆動
軸21に対するカムシャフト22の回転位相差をずらし
て、吸気弁23の大作動角制御時におけるバルブリフト
Yつまり弁開閉時期と、小作動角制御時におけるバルブ
リフトZつまり弁開閉時期を非対称とした場合には、小
作動角制御時における負の荷重パターン曲線FC(実
線)とばねセット荷重パターン曲線FSを略一定をもっ
て略平行とするために、大作動角時における負の荷重パ
ターン曲線FCを破線で示すように中央部から開弁初期
側を凹状になるようにカム26のプロフィールを設定し
たものである。したがって、この場合も前記実施例と同
様な作用効果が得られる。
【0042】尚、本発明は前記各実施例に限定されるも
のではなく、小作動角制御時における負の荷重パターン
曲線FCとばねセット荷重パターン曲線FSを常に一定
の差をもって略平行になるようにカムプロフィールを設
定できればよく、弁の開閉時期の変化は問わない。ま
た、吸気弁の他に排気弁側にも適用できることは勿論で
ある。
【0043】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る吸排気弁駆動制御装置によれば、吸排気弁の作動角
が最小に制御された際において、バルブリフト時のカム
面に対する荷重パターン曲線をバルブスプリングのばね
セット荷重パターン曲線よりも小さくなるようにカムの
プロフィールを設定したため、吸排気弁の開閉作動中に
おけるジャンピング等の不整運動の発生を確実に防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の環状ディスクの偏心制御時
のカム面に対する荷重パターン曲線とばねセット荷重パ
ターン曲線を示す図。
【図2】本実施例の環状ディスクの同心制御時のカム面
に対する荷重パターン曲線とばねセット荷重パターン曲
線を示す図。
【図3】本実施例の要部を示す一部破断図。
【図4】図1のA矢視図。
【図5】本実施例の一部を示す平面図。
【図6】図5のB−B線断面図。
【図7】図5のC−C線断面図。
【図8】本実施例の駆動手段を示す概略図。
【図9】本発明の他例を示す特性図。
【図10】先願の装置における一部破断図。
【図11】図10のD−D線断面図。
【図12】図10のE−E線断面図。
【図13】Aは駆動軸とカムシャフトとの回転位相差の
特性図、Bはバルブリフト特性図。
【図14】先願装置における環状ディスクの偏心制御時
のカム面に対する荷重パターン曲線とばねセット荷重パ
ターン曲線を示す図。
【図15】同先願装置における環状ディスクの同心制御
時のカム面に対する荷重パターン曲線とばねセット荷重
パターン曲線を示す図。
【符号の説明】
21…駆動軸 22…カムシャフト 23…吸気弁 24…バルブスプリング 26…カム 29…環状ディスク 35…ディスクハウジング 39…駆動機構 FC…カム面に対する荷重パターン曲線 FS…ばねセット荷重パターン曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 13/00 301 F01L 1/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関によって回転駆動する駆動軸と、該
    駆動軸の外部同軸上に相対回転可能に配設され、かつ外
    周面に吸排気弁を駆動するカムを有するカムシャフト
    と、該カムシャフトの端部側に駆動軸と同軸上に配置さ
    れ、かつ駆動軸の軸心に対して偏心揺動自在な環状ディ
    スクと、該環状ディスクを駆動軸に対して同心あるいは
    偏心動させる駆動機構とを備え、前記環状ディスクの偏
    心揺動に伴いカムシャフトの角速度の変化を得て前記吸
    排気弁の作動角を可変制御する吸排気弁駆動制御装置に
    おいて、 前記作動角が最小に制御された際に、前記吸排気弁のバ
    ルブリフト時の前記カム面に対する荷重パターン曲線と
    バルブスプリングのばねセット荷重パターン曲線が略一
    定の差をもって略平行となるように前記カムのプロフィ
    ールを設定したことを特徴とする内燃機関の吸排気弁駆
    動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記作動角が最大に可変制御された際
    に、前記吸排気弁のバルブリフト時のカム面に対する荷
    重パターン曲線が前記バルブリフトの略中央付近で略凹
    状あるいは略平坦状になるように前記カムのプロフィー
    ルを設定したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機
    関の吸排気弁駆動制御装置。
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