JPH09195737A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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JPH09195737A
JPH09195737A JP30278696A JP30278696A JPH09195737A JP H09195737 A JPH09195737 A JP H09195737A JP 30278696 A JP30278696 A JP 30278696A JP 30278696 A JP30278696 A JP 30278696A JP H09195737 A JPH09195737 A JP H09195737A
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drive shaft
flange portion
shaft
housing
disc
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JP30278696A
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Inventor
Seinosuke Hara
誠之助 原
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環状ディスクと、各フランジ部とに設けられ
たピン孔とピンとの摩耗等を防止しつつ部品点数の削減
と製造作業能率の向上等を図る。 【解決手段】 駆動軸21とカムシャフト22とに夫々
対向して設けられた両フランジ部31,33と、該両フ
ランジ部31,33の間に介装されて、内周に偏心カム
リング38aが形成されたディスクハウジング38と、
偏心カムリング38aの内周に回転自在に保持されて、
ディスクハウジング38の回転制御に伴い駆動軸21の
軸心Xに対して偏心動する環状ディスク39とを備えて
いる。両フランジ部31,33と環状ディスク39は、
第1,第2連結ピン52,53及び枢支ピン58,59
に連結された一対の第1,第2リンク54,55で連係
すると共に、ディスクハウジング38を第2フランジ部
33の外周面33bで回転自在に支持した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、内燃機関の運転状態に
応じて吸気・排気弁の開閉時期を可変制御する吸排気弁
駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の装置としては種々提供さ
れており、その一つとして本出願人が先に出願した特開
平6−323117号に記載されたものがある。
【0003】図11〜図12に基づいて概略を説明すれ
ば、この吸排気弁駆動制御装置は、多気筒機関のクラン
ク軸からスプロケットを介して回転力が伝達される駆動
軸1と、各気筒毎に分割され、駆動軸1の外周同軸上に
相対回転自在に設けられたカムシャフト2と、該カムシ
ャフト2の分割端部間に設けられた制御機構3とを備え
ている。前記各カムシャフト2は、夫々外周に1気筒当
たり2つの吸気弁4,4をバルブリフター4a,4aを
介してバルブスプリング5のばね力に抗して開作動させ
る2個のカム6,6を一体に有していると共に、シリン
ダヘッド7上の一対のカム軸受8,9によって回転自在
に支持されている。
【0004】前記制御機構3は、図11に示すように各
カムシャフト2の一端部に一体に設けられた円環状の第
1フランジ部10と、駆動軸1の所定外周位置に連結ピ
ン11によりスリーブ12aを介して固定されて、前記
第1フランジ部10に対向配置された円環状の第2フラ
ンジ部12と、両フランジ部10,12間に介装されて
駆動軸1の軸心Xから略径方向へ揺動自在に設けられた
略円環状のディスクハウジング14と、該ディスクハウ
ジング14の内周に有する大径な支持孔内にプレーンベ
アリング13を介して回転自在に保持された環状ディス
ク16とを備えている。また、前記ディスクハウジング
14は、直径方向の一端部がシリンダヘッド7の上端部
に機関前後方向に沿って延設された支軸15によって回
転自在に支持されていると共に、他端部が駆動機構によ
り揺動するようになっている。更に、第1,第2フラン
ジ部10,12の外周部には、互いに180°位置に細
長い係合溝17,18が半径方向に沿って形成されてい
る一方、環状ディスク16の両側面には、互いに反対方
向に突出して前記各係合溝17,18に係合するピン1
9a,19bが突設されている。
【0005】そして、例えば機関の高回転時には、ディ
スクハウジング14が揺動せずに、環状ディスク16の
中心が駆動軸1の軸心Xに合致する一方、機関の低回転
時には、駆動機構20によりディスクハウジング14が
支軸15を支点として揺動し、環状ディスク16を駆動
軸1の軸心Xに対して偏心動させる。
【0006】即ち、例えば機関高回転時には、ディスク
16の中心が駆動軸1の軸心Xに合致して、駆動軸1と
カムシャフト2との回転位相差が生じない。したがっ
て、駆動軸1の回転に伴い制御機構3を介してカムシャ
フト2が駆動軸1と同期回転し、カム6,6による弁の
作動角が大きくなり、開弁時期が早くなる共に、閉弁時
期が遅くなるため、吸気慣性力を利用した吸気充填効率
が向上する(図10(a)の破線)。
【0007】一方、低回転域では、駆動機構によりディ
スクハウジング14を介してディスク16の中心が駆動
軸1の軸心Xから偏心可能に制御されるため、各ピン1
9a,19bが各係合溝17,18の内周面に沿って径
方向に摺動し、一方側ピン19aが駆動軸1の軸心Xに
接近する場合は、他方側ピン19bは軸心Xから離れる
関係になる。したがって、この場合は、ディスク16
は、駆動軸1に対して角速度が大きくなり、ディスク1
6に対し、カムシャフト2の角速度も大きくなる。この
ため、カムシャフト2は、駆動軸1に対して2重に増速
された状態になる。
【0008】したがって、駆動軸1とカムシャフト2の
回転位相差が変化し、カムシャフト2の角速度が相対的
に大きい場合は、駆動軸1に対する回転位相は両者1,
2が等速になるまで進み、やがてカムシャフト2の角速
度が相対的に小さくなると、回転位相は両者1,2が等
速になるまで遅れる。
【0009】そして、回転位相差の最小,最大点の途中
に同位相点が存在し、回転位相の変化では、弁の作動角
が同位相点よりも前の開弁時期が遅れ、同位相点より後
の閉弁時期が進み、全体に小さく制御される(図10
(a)の実線)。したがって、吸排気弁のバルブオーバラ
ップが小さくなり、燃焼室の残留ガスが減少し、安定し
た燃焼により燃費の向上が図れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の装置にあっては、前述のように機関低回転域におけ
る各フランジ部10,12に対する環状ディスク16の
偏心回転を、各係合溝17,18に対して各ピン19
a,19bが摺接しながら行うようになっているため、
該ピン19a,19bの両側縁と各係合溝17,18の
内面との間に集中荷重が発生して面圧が高くなり、摩耗
し易くなる。この結果、両者間に比較的大きな隙間が発
生して、カムシャフト2のトルク変動に伴い打音が発生
すると共に、バルブタイミング制御精度が低下するおそ
れがある。
【0011】また、前述のようにディスクハウジング1
4は、一端部がシリンダヘッド7の上端部に設けられた
支軸15によって支持され、ここを揺動支点として揺動
するようになっている。したがって、支軸15を必ず設
けなければならないため、部品点数の増加と大型化が余
儀なくされる。
【0012】しかも、支軸15は、カムシャフト2のカ
ム軸受8,9とは一切拘わりなく、独立した形でシリン
ダヘッド7上に別個の支持機構により支持されているた
め、さらに大型化が助長され、装置のシリンダヘッド7
上への大きな取付スペースが要求されて、機関への搭載
性が悪化する。
【0013】さらに、ディスクハウジング14の一端部
を支軸15で支持しているため、駆動軸1の軸心Xに対
する環状ディスク16の中心位置決め精度が出しにく
い。この結果、所望のバルブタイミング制御が得られな
いばかりか、各気筒毎にバルブタイミングのばらつきが
生じ、気筒間の出力ばらつきにより機関の作動の不安定
化を招く惧れがある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の実
情に鑑みて案出されたもので、機関により回転駆動する
駆動軸と、各気筒毎に分割形成されて駆動軸の外周に相
対回転自在に設けられ、外周に吸,排気弁を開作動させ
るカムを一体に有するカムシャフトと、該各カムシャフ
トの一端部に固定された第1フランジ部と、駆動軸の所
定部位に固定されて、前記第1フランジ部と対向して固
定された第2フランジ部と、該両フランジ部間に配置さ
れたほぼ円環状のディスクハウジングと、該ディスクハ
ウジングの内周に偏心カムリングを介して回転自在に支
持されて、ディスクハウジングの回動に伴い中心が駆動
軸の軸心に対して偏心動可能な環状ディスクと、前記デ
ィスクハウジングを回動位置制御する駆動機構と、前記
環状ディスクと各フランジ部とを、夫々ピン孔と該ピン
孔に挿通するピンを介して該環状ディスクを両フランジ
部に対して偏心回転可能に連係するリンク部材とを備
え、前記ディスクハウジングを、前記両フランジ部の少
なくともいずれか一方の外周面で回転自在に支持したこ
とを特徴としている。
【0015】前記ディスクハウジングを、前記第2フラ
ンジ部の外周面で回転自在に支持したことを特徴として
いる。
【0016】したがって、例えば機関低回転時には、駆
動機構によってディスクハウジングが回転制御され、こ
れによって偏心カムリングを介して環状ディスクの中心
が駆動軸の軸心に対して偏心する。このため、環状ディ
スクは、駆動軸の回転駆動に伴いリンク機構を介して各
フランジ部に対して相対的に内外の反対方向へ揺動し
て、各フランジ部に対して駆動軸の軸心を中心に偏心回
転する。このため、環状ディスクは駆動軸に対して角速
度が変化して、その角速度変化がカムシャフトに伝達さ
れる。したがって、駆動軸とカムシャフトとの回転位相
差が変化し、弁の作動角が小さく制御される。
【0017】また、前述のような各フランジ部に対する
環状ディスクの偏心回転を、係合溝とピンとの摺動によ
って行うのではなく、リンク機構の揺動によって行うよ
うにしたため、集中荷重の発生が防止されて、摩耗や打
音の発生が防止される。
【0018】しかも、ディスクハウジングは、両フラン
ジ部のいずれか一方の外周面に回転自在に支持されてい
るため、従来のようなディスクハウジングを支持するた
めの支軸や該支軸を支持する支持機構が不要になる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜図4は本発明に係る吸排気
弁駆動制御装置を4気筒内燃機関の吸気側に適用した一
実施例を示し、図中21は機関のクランク軸からスプロ
ケットを介して回転力が伝達される駆動軸、22は該駆
動軸21の外周に相対回転可能に配置され、かつ駆動軸
21の中心Xと同軸上に設けられたカムシャフトであっ
て、前記駆動軸21は、機関前後方向に延設されている
と共に、軽量化等の要請から内部中空状に形成されてい
る。
【0020】前記カムシャフト22は、長手方向の所定
位置で各気筒毎に軸直角方向から分割されており、内部
軸方向に形成された挿通孔22a内に駆動軸21が挿通
している一方、図外のシリンダヘッド7上端部に有する
カム軸受24に回転自在に支持されている。また、図2
に示すように外周の所定位置に1気筒当たり2つの吸気
弁23を図外のバルブスプリングのばね力に抗してバル
ブリフター25を介して開作動させる2つのカム26が
一体に設けられている。
【0021】また、各カムシャフト22の一方側の分割
端部には、図2〜図4に示すように第1フランジ部31
が一体に設けられており、この第1フランジ部31は、
外周部の所定位置に長尺な第1連結ピン52の一端部が
圧入する第1挿通孔32がカムシャフト軸方向に貫通形
成されている。さらに、この第1フランジ部31と所定
の隙間をもって対向する位置に駆動軸21に連結された
第2フランジ部33が設けられている。
【0022】この第2フランジ部33は、外径が第1フ
ランジ部31の外径と同一に設定されていると共に、内
周部に駆動軸21の所定外周面に嵌合したスリーブ33
aを一体に有し、該スリーブ33aに径方向から挿通さ
れた結合ピン34によって駆動軸21に連結されてい
る。また、第2フランジ部33は、外周部の所定位置つ
まり第1フランジ部31の第1挿通孔32と対称位置つ
まり180°の回転位置に長尺な第2連結ピン53が圧
入する第2挿通孔35がカムシャフト軸方向へ貫通形成
されている。
【0023】さらに、前記第2フランジ33の外周側に
円環状のディスクハウジング38が設けられていると共
に、両フランジ部31,33の間には、環状ディスク3
9がサンドイッチ状に介装されている。
【0024】前記ディスクハウジング38は、図1及び
図2,図4に示すように、その巾寸法が第2フランジ部
33と環状ディスク39と各巾寸法全体を合わせた大き
さに設定され、内周面の巾方向の中心位置に偏心カムリ
ング38aが周方向に沿って一体に設けられていると共
に、外周面の巾方向の中央位置に伝達機構の一部を構成
するラック歯40が周方向に沿って一体に設けられてい
る。
【0025】そして、このディスクハウジング38は、
段差径状の一側部38bが第2フランジ部33に回転自
在に支持されている。即ち、この一側部38bは、第2
フランジ部33の巾寸法とほぼ同一に設定されていると
共に、内径が第2フランジ部33の外径寸法より若干大
きく設定されて、内周面が第2フランジ部33の外周面
33bに回転摺動自在に支持されている。また、前記一
側部38bの内周縁に有する小径段差部38cが、第2
フランジ部33の外周面38cに形成された環状切欠部
の端面と環状ディスク39の外側面との間に摺動自在に
挾持されてディスクハウジング38のカムシャフト軸方
向の移動が規制されている。
【0026】また、前記偏心カムリング38aは、図1
に示すように肉厚巾が円周方向に変化し、図示のように
右端部側が最大厚肉部に設定されて、ここから左端部側
へ漸次薄肉に設定されて、全体が三ケ月円環状に形成さ
れている。また、このディスクハウジング38は、後述
する駆動機構43によって回転位置が制御されている。
【0027】前記環状ディスク39は、図1及び図2,
図4に示すように略ドーナツ板状を呈し、中央に駆動軸
21が挿通される比較的大径な挿通孔39aが形成され
て該駆動軸21と挿通孔39a間に隙間Sが形成されて
いると共に、外周面39bが前記偏心カムリング38a
の内周面に回転自在に支持されている。また、環状ディ
スク39は、両側面の夫々180°位置に円弧状の第1
リンク部材54と第2リンク部材55を収容する略円弧
状の収容溝56,57が周方向に沿って形成されてい
る。更に、前記各収容溝56,57の一端部側に有する
ほぼ円弧状の鍔部には、第1,第2枢支ピン58,59
の一端部が回転自在に挿通支持される支持孔39c,3
9dがカムシャフト22の軸方向に沿って貫通形成され
ている。前記第1,第2枢支ピン58,59は、他端部
が夫々第1,第2リンク部材54,55の一端部に有す
る各第1ピン孔54a,55aに回転自在に挿通支持さ
れている。
【0028】前記第1,第2リンク部材54,55は、
図1及び図2,図4に示すように各一端部に有する各第
2ピン孔54b,55bに挿通した前記第1,第2連結
ピン52,53の他端部に回動自在に支持されており、
この第1,第2連結ピン52,53を中心に各一端部が
相対的に内外方向へ揺動自在に支持され、これによっ
て、環状ディスク39の偏心回動を許容するようになっ
ている。
【0029】前記駆動機構43は、図3に示すようにカ
ムシャフト22の上方位置に平行に設けられた制御シャ
フト44と、該制御シャフト44の一端部に設けられた
電磁アクチュエータたるステッピングモータ45とから
構成されている。
【0030】前記制御シャフト44は、外径が比較的小
径に形成され、機関前後方向へ延設されていると共に、
ディスクハウジング38に対応した位置に該ディスクハ
ウジング38のラック歯40に噛合して回転力を伝達す
る伝達機構の一部を構成する筒状のピニオン歯46が一
体に設けられている。
【0031】前記ステッピングモータ45は、コントロ
ーラ47によって回転駆動され、このコントローラ47
は、クランク角センサやエアーフローメータ等の各種セ
ンサによって機関回転数及び機関の負荷等を検出してス
テッピングモータ45に制御信号を出力するようになっ
ている。
【0032】以下、本実施例の作用について説明する。
まず、機関低回転時には、かかる運転状態を検出したコ
ントローラ47からの制御信号によりステッピングモー
タ45が一方向へ回転して制御シャフト44を同方向へ
回転させる。これにより、ディスクハウジング38は、
ピニオン歯46とラック歯40を介して第2フランジ部
33に支持されながら回転して、偏心カムリング38a
が図6に示す位置つまり厚肉部38aが最右端位置に回
転保持されるため、環状ディスク39は図示のように、
その中心Yが駆動軸21の軸心Xから左方向位置に偏心
回転する。
【0033】つまり、環状ディスク39は、駆動軸21
の回転駆動に伴い両リンク部材54,55の揺動を得て
各フランジ部31,33に摺接しつつ駆動軸21の軸心
Xを中心に径方向へ偏心回転する。
【0034】そして、環状ディスク39が、図1に示す
ように駆動軸21に対して図中左方向に偏心している場
合は、第2フランジ部33に保持されている第2連結ピ
ン53に対し、カムシャフト22に連係した第1連結ピ
ン52が180°反対側より遅れ側に位置する。これ
は、駆動軸21の回転に対しカムシャフト22の回転位
相が遅れることを示している(図9(b)のQ1参照)。
【0035】具体的には、図1に示すように第1枢支ピ
ン58が軸心X側へ接近して第1リンク部材54の他端
部が第1連結ピン52を中心に内方向へ揺動すると、反
対側の第2枢支ピン59の他端部が軸心Xから離れて第
2リンク部材55の他端部が第2連結ピン53を中心に
外方向へ相対的に揺動する。これによって、環状ディス
ク39は、第1リンク部材54側の角速度が遅く(小さ
く)なり、第2リンク部材55側の角速度が早く(大き
く)なる。したがって、カムシャフト22は、カム26
の一部つまりカム山の角速度が大きくなり、駆動軸21
に対して2重に増速された状態になる。この結果、カム
シャフト22及びカム26と駆動軸21との回転位相差
は、図9(b)に示すように変化し、またその回転速度比
も図9(c)に示すように変化する。したがって、吸気弁
23は、そのバルブリフト特性が図9(a)の実線で示す
ように弁作動角が小さくなり、閉弁時期が十分に早くな
る。このため、吸気充填効率が向上して低速トルクが向
上する。
【0036】一方、機関高回転時には、ステッピングモ
ータ45がさらに180°回転して制御シャフト44を
同方向へ同角度回転させる。これにより、ディスクハウ
ジング38が回転して偏心カムリング38aの厚肉部が
図7に示すように最左端位置に回転保持されるため、環
状ディスク39は、図示のように各リンク部材54,5
5を介してその中心Yが右方向位置に偏心回転する。し
たがって、第2連結ピン53に対し、第1連結ピン52
が180°反対側より進み側に位置する。このため、前
述と反対の作用つまり、駆動軸21の1回転毎に第1,
第2連結ピン52,53を中心に第1,第2枢支ピン5
8,59側が互いに駆動軸21の軸心X側へ接近あるい
は軸心Xから離れる方向に揺動する。これによって、駆
動軸21に対しカムシャフト22の回転位相差は図9
(b)のQ2点近傍になり、進んだ状態となる。したがっ
て、吸気弁23は、そのバルブリフト特性が図9(a)の
破線で示すようにバルブリフトは一定のまま弁作動角が
大きくなり、閉弁時期が十分に遅くなる。この結果、吸
気充填効率が向上して出力トルクが得られる。
【0037】尚、図8はディスクハウジング38の回動
位置が図1と図7に示す位置の中間位置状態を示し、こ
の位置では、図示の如く第2連結ピン53に対し第1連
結ピン52は180°反対側に位置する状態が発生す
る。この状態では、駆動軸21に対するカムシャフト2
2の回転位相差は等しくなる(図9(b)のP1点参
照)。
【0038】このように、本実施例では、各フランジ部
31,33に対する環状ディスク39の偏心回転を、従
来のように係合溝とピンとの摺動によって行うのではな
く、連結ピン52,53や枢支ピン58,59を介して
各リンク部材54,55の相対的な内外方の揺動によっ
て行うようにしたため、集中荷重の発生が防止されて、
環状ディスク39と各リンク部材54,55間等の摩耗
や打音の発生が防止される。
【0039】また、枢支ピン58,59が、両フランジ
部31,33間に保持され、また各リンク部材54,5
5が各収容溝56,57内にコンパクトに収容されてい
るため、各構成部品の組み立て作業が容易になると共
に、装置の大型化が防止される。
【0040】しかも、本実施例では、ディスクハウジン
グ38を、従来のように支軸によって支持するのではな
く、第2フランジ部33の外周面で支持するようにした
ため、支軸やこの支軸を支持する支持機構が不要とな
り、この分、部品点数の削減が図れると共に、装置全体
のコンパクト化が図れる。
【0041】また、ディスクハウジング38が、駆動軸
21の第2フランジ部33に回転自在に支持されて、こ
の内周側で環状ディスク39を回転自在に支持するよう
にしているため、駆動軸21の軸心Xに対する環状ディ
スク39の回転中心の位置精度が出し易くなる。
【0042】尚、本発明は前記実施例の構成に限定され
るものではなく、例えばディスクハウジング38を第1
フランジ部31の外周面で支持するか、あるいは両フラ
ンジ部31,33に跨った状態で支持することも可能で
ある。
【0043】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、両フランジ部と環状ディスクとを、夫々ピン孔
及びピンを介して複数のリンク部材によって連係し、こ
のリンク機構によって環状ディスクを両フランジ部に対
して偏心回転可能としたため、前記ピン孔とピンとの集
中荷重の発生が防止される。この結果、摩耗の発生がな
くなり、隙間の形成による打音等の発生も防止される。
【0044】しかもディスクハウジングを、従来のよう
な支軸ではなく、少なくともいずれか一方のフランジ部
によって回転自在に支持するようにしたため、前記支軸
や該支軸を支持する支持機構が全く不要になる。したが
って、部品点数が減少し、製造作業能率の向上とコスト
の低廉化が図れると共に、装置全体のコンパクト化が図
れ、機関への搭載性が向上する。さらに、フランジ部の
外周面とディスクハウジング内周面との摺接面は、潤滑
油の保持性を高めることができるから、該摺接面の摩擦
損失を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図2のA−A線断面
図。
【図2】図1のB−B線断面図。
【図3】本実施例の要部平面図。
【図4】本実施例の要部を示す分解斜視図
【図5】図3のC−C線断面図。
【図6】図3のD−D線断面図。
【図7】環状ディスクの他方向の偏心状態を示す図2の
A−A線断面図。
【図8】環状ディスクの同心状態を示す図2のA−A線
断面図。
【図9】(a)は本実施例のバルブリフト特性図、(b)は
駆動軸とカムシャフトの回転位相差特性図、(c)は同回
転角速度比の特性図。
【図10】 (a)は従来装置におけるバルブリフト特性
図、(b)は駆動軸とカムシャフトの回転位相差特性図、
(c)は同回転角速度比の特性図。
【図11】従来装置の要部断面図。
【図12】図11のE−E線断面図。
【符号の説明】
21…駆動軸 22…カムシャフト 23…吸気弁 31…第1フランジ部 32…第1挿通孔 33…第2フランジ部 33b…外周面 35…第2挿通孔 38…ディスクハウジング 38a…偏心カムリング 39…環状ディスク 52…第1連結ピン 53…第2連結ピン 54,55…リンク部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関により回転駆動する駆動軸と、各気
    筒毎に分割形成されて駆動軸の外周に相対回転自在に設
    けられて、外周に吸,排気弁を開作動させるカムを一体
    に有するカムシャフトと、該各カムシャフトの一端部に
    固定された第1フランジ部と、駆動軸の所定部位に固定
    されて、前記第1フランジ部と対向して固定された第2
    フランジ部と、該両フランジ部間に配置された円環状の
    ディスクハウジングと、該ディスクハウジングの内周に
    偏心カムリングを介して回転自在に支持されて、ディス
    クハウジングの回動に伴い中心が駆動軸の軸心に対して
    偏心動可能な環状ディスクと、前記ディスクハウジング
    の回転位置を制御する駆動機構と、前記環状ディスクと
    各フランジ部とを、夫々ピン孔と該ピン孔に挿通するピ
    ンを介して該環状ディスクを両フランジ部に対して偏心
    回転可能に連係するリンク部材とを備え、前記ディスク
    ハウジングを、前記両フランジ部の少なくともいずれか
    一方の外周面で回転自在に支持したことを特徴とする内
    燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ディスクハウジングを、前記第2フ
    ランジ部の外周面で回転自在に支持したことを特徴とす
    る請求項1記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
JP30278696A 1995-11-15 1996-11-14 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 Pending JPH09195737A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014020244A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Toyota Motor Corp 可変動弁装置
JP2015094348A (ja) * 2013-11-14 2015-05-18 トヨタ自動車株式会社 可変動弁装置

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