JPH05113110A - エンジンの弁開閉時期可変装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 カムシャフトとカムプーリとを相対回転させ
ることで弁開閉時期を変更する装置において、油圧の給
排に応じて駆動力入力部材とカムシャフトとを相対回転
させる機構を簡単で加工等が容易な構造とし、かつ機能
的にもすぐれたものとする。 【構成】 カムプーリ３の内部が、カムシャフトに固着
された枠部材の区画壁１３により区画され、その区画空
間内に回動アーム２０が配置されて、回動アーム２０の
両側に油圧室３１，３２が形成されるとともに、回動ア
ーム２０の内方側端部が摺接する円弧状のガイド面２７
が上記区画壁１３に形成され、一方、回動アーム２０の
外方側端部が嵌合する嵌合溝を備えたピボット２３がカ
ムプーリ３の内周部に回転可能に取付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カムプーリ等の駆動力
入力部材に対するカムシャフトの位相を変更可能とする
ことによりエンジンの吸・排気弁の開閉時期を可変とす
る弁開閉時期可変装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、吸入効率向上等のため、カム
プーリ等に対するカムシャフトの位相を変更可能とする
ことにより吸・排気弁の開閉時期を可変とし、運転状態
に応じた弁開閉時期の制御を行うことができるようにし
た装置は種々知られている。例えば特開平２−１４９７
０７号公報には、カムプーリの内方におけるカムシャフ
トの周囲に、油圧室と、パワーピストンと、上記油圧室
に対する油圧の給排に応じて軸方向に移動する筒状の可
動部材等が配設され、この可動部材の外周面と内周面と
にそれぞれヘリカルスプラインが形成され、各ヘリカル
スプラインがカムプーリの内周面に形成されたギヤおよ
びカムシャフトに固定されたインナーギヤにそれぞれ噛
み合うことにより、上記可動部材の移動に伴ってカムプ
ーリとカムシャフトとが相対回転するように構成された
装置が示されている。また、特開平１−９２５０４号公
報には、カムプーリの内周側に複数の突出壁が一体に連
成されて各突出壁間にオイル溝が形成されるとともに、
内部ロータを介してカムシャフトに固定されたベーンが
上記各オイル溝内に配置され、このオイル溝内のベーン
の両側に圧力室が形成されて、この圧力室に対する油圧
の給排により、カムプーリとベーンとが相対回転するよ
うに構成された装置が示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の特開
平２−１４９７０７号公報に示された装置では、上記可
動部材の外周側および内周側の両方にそれぞれヘリカル
スプラインが形成されるとともに、これらに対応するカ
ムプーリの内周ギヤおよびカムシャフト側のインナーギ
ヤが設けられていて、これら内外２組のヘリカルスプラ
イン、ギヤをそれぞれ加工する必要があり、さらに上記
パワーピストンおよびこれに対するブレーキ部材等も具
備されていて部品構成が非常に複雑である。従って、各
部品の成形、加工および組付けが容易でなく、かつ装置
が大型化し易い。

【０００４】また、特開平１−９２５０４号公報に示さ
れた装置では、カムプーリの内周側に、オイル溝を形成
する複数の突出壁が一体に連成されているため、カムプ
ーリの形状が複雑になって、やはりその成形、加工等が
難しい。また、単にカムシャフトに固着されているベー
ンとカムプーリとの間に油圧が作用してベーンとカムプ
ーリとを相対回転させるようになっているすぎないの
で、上記油圧による作動力を増幅させることはできず、
油圧が低いときに作動力が不充分となる可能性がある。

【０００５】本発明は、上記の事情に鑑み、油圧の給排
に応じて駆動力入力部材とカムシャフトとを相対回転さ
せる機構を簡単で加工等が容易な構造とし、かつ機能的
にもすぐれたエンジンの弁開閉時期可変装置を提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、エンジンのカムシャフトの端部の外方に
駆動力入力部材がカムシャフトと相対回転可能に配置さ
れ、上記カムシャフトに固着された枠部材に、上記駆動
力入力部材の内部を等角度で仕切る放射状部を有してそ
の隣接する放射状部の間の連続部が湾曲面状となった区
画壁が設けられ、この区画壁で仕切られた空間内に、カ
ムシャフトと平行な支持軸から枠部材の内方および外方
に延びた状態でこの支持軸を中心に回動可能となった回
動アームが配置され、この回動アームの両側に、オイル
給排の切換が可能なオイル通路に通じる油圧室が形成さ
れるとともに、上記区画壁の湾曲面状の部分は上記回動
アームの内方側端部が摺接する一定の曲率半径の円弧状
のガイド面として形成され、一方、回動アームの外方側
端部が嵌合する嵌合溝を備えたピボットが駆動力入力部
材の内周部に回転可能に取付けられている構成としたも
のである。

【０００７】この構成において、上記ガイド面に対する
摺接部分の好ましい構造の一例としては、上記回動アー
ムの内方側端部に、上記区画壁のガイド面に向けて突出
する状態で回動アーム本体に係合したシール用部材と、
このシール用部材を突出方向に付勢してシール用部材の
先端を上記ガイド面に摺接させるスプリングとが設けら
れる。

【０００８】上記ガイド面に対する摺接部分の好ましい
構造の別の例としては、上記回動アームの内方側端部
に、上記区画壁のガイド面に向けて突出する状態で回動
アーム本体に係合したシール用部材と、このシール用部
材に回動アーム本体の内部から突出方向へ油圧を作用さ
せてシール用部材の先端を上記ガイド面に摺接させる油
圧作用室とが設けられる。

【０００９】上記シール用部材を有する構造において
は、上記シール用部材がローラ状に形成されるととも
に、回動アーム本体に断面略Ｖ形の凹部が形成され、こ
の凹部に上記シール用部材が係合している構成とされる
ことが好ましい。

【００１０】

【作用】上記構成によれば、上記各油圧室に対する油圧
の給排状態が切換えられるとそれに応じて上記回動アー
ムが支持軸を中心に回動し、この回動アームの回動に伴
い、支持軸および枠部材を介して回動アームを保持して
いるカムシャフトと回動アーム外方側端部がピボットを
介して結合されている駆動力入力部材とが相対回転し、
これによってカムシャフトの位相が変えられ、弁開閉時
期が変更される。この動作において、上記回動アーム外
方側端部がピボットの嵌合溝に嵌合した状態を保ちつ
つ、回動アームの回動に伴って上記ピボットが回転する
ことにより、このピボットを介して回動アーム外方側端
部と駆動力入力部材との結合状態が確保される。

【００１１】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図１乃至図３は本発明の一実施例を示している。これら
の図において、１はカムシャフトであり、シリンダヘッ
ド２上に回転自在に支承されている。カムシャフトの端
部の外方には、駆動力入力部材としてのカムプーリ３が
配置されている。このカムプーリ３は外周面に歯を有す
るタイミングプーリであって、円筒状に形成されてお
り、このカムプーリ３とフロントカバー４およびリヤカ
バー５がボルト６により結合された状態で、これらがカ
ムシャフト１および後記枠部材１０に相対回転可能に保
持されている。そしてこのカムプーリ３は、タイミング
ベルト７を介して図外のクランクシャフトに設けられた
クランクプーリに連結され、クランクシャフトと同期し
て回転するようになっている。

【００１２】上記カムプーリ３の内部には、カムシャフ
ト１の端部に固着された枠部材１０が配置されている。
この枠部材１０は、フロントプレート１１と、リヤプレ
ート１２と、この両プレート１１，１２間に位置する区
画壁１３とを有し、これらを貫通してカムシャフト１に
締結された取付けボルト１４により、カムシャフト１に
固着されている。上記区画壁１３は、等角度で放射状に
三方へ延びてカムプーリ１の内部を一定区画の３つの空
間に仕切る放射状部１３ａを有し、各放射状部１３ａが
中心側の部分１３ｂで互いに連なった形状とされ、この
中心側の部分１３ｂにおいて、隣接する放射状部間の連
続部が湾曲面状に形成されている。

【００１３】上記区画壁１３によって仕切られた各区画
空間内にはそれぞれ、支持軸１６を介して枠部材１０に
取り付けられた回動アーム２０が配置されている。上記
支持軸１６は、カムシャフト１と平行に配置された状態
で枠部材１０の前後プレート１１，１２に回転可能取り
付けられており、カムプーリ３の内周面に近い位置（枠
部材１０の外周寄りの位置）で回動アーム２０を支持し
ている。そして上記回動アーム２０が、後記ストッパ１
７，１８で規制された一定範囲内で、支持軸１６を中心
に回動可能となっている。この回動アーム２０により上
記各区画空間がさらに２つに仕切られて、第１油圧室３
１および第２油圧室３２が形成されている。

【００１４】上記回動アーム２０は、比較的厚い板状の
回動アーム本体２１と、その内方側端部に設けられたシ
ール用部材２５およびスプリング２６によって構成され
ている。上記回動アーム本体２１は、その外方側端部寄
りの部分が上記支持軸１６に取付けられるとともに、外
方側端部に本体部分より薄肉の板状のベーン部２２を一
体に備えている。これに対し、カムプーリ３の内周部に
は、円柱状のピボット２３が回転可能に取付けられてお
り、このピボット２３には嵌合溝２４が形成され、この
嵌合溝２４に上記ベーン部２２が嵌合している。

【００１５】後に詳述するように上記嵌合溝２４に対す
るベーン部２２の嵌合量は回動アーム２０の回動に伴っ
て変化するが、回動アーム２０の回動範囲内で嵌合溝２
４からベーン部２２が抜け出すことのないように、嵌合
溝２４が充分な深さに形成されている。

【００１６】また、上記シール用部材２５は、上記区画
壁１３の湾曲面状の部分で形成されたガイド面２７に摺
接するもので、ローラ状に形成され、回動アーム本体２
１の内方側端部に形成された断面略Ｖ字形の凹部２８に
係合するとともに、回動アーム本体内部のスプリング収
容溝２９に収容されたスプリング２６により、突出方向
に付勢され、上記ガイド面２７に押付けられている。上
記ガイド面２７は上記支持軸１６の軸心を曲率中心とす
る一定の曲率半径の円弧状に形成されている。そして、
このガイド面２７の両側において上記区画壁１３にスト
ッパ１７，１８が取付けられている。

【００１７】上記各回動アーム２０の片側の第１油圧室
３１および反対側の第２油圧室３２にはそれぞれ、枠部
材１０のリヤプレート１２に形成されたオイル給排用の
ポート３３，３４が開口している。上記第１油圧室３１
に開口するポート３３は、リヤプレート１２およびカム
シャフト１にわたって形成された通路３５を介して外部
の第１オイル通路３６に連通し、上記第２油圧室３２に
開口するポート３４は、リヤプレート１２およびカムシ
ャフト１にわたって形成された通路３７を介して外部の
第２オイル通路３８に連通しており、これら第１，第２
オイル通路３６，３８は切換バルブ４０に接続されて、
オイル給排の切換が可能となっている。

【００１８】上記切換バルブ４０は、図外のコントロー
ルユニットからの制御信号に応じて作動するソレノイド
バルブからなり、第１オイル通路３６を油圧供給通路４
１に連通させるとともに第２オイル通路３８をドレン通
路４２に連通させる状態と、逆に第２オイル通路３８を
油圧供給通路４１に連通させるとともに第１オイル通路
３６をドレン通路４２に連通させる状態とに切換わるよ
うになっている。上記油圧供給通路４１はオイルポンプ
４３に接続されている。なお、４５はフロントカバー４
とフロントプレート１１との間およびリヤカバー５とリ
ヤプレート１２との間に設けられたＯリング、４６はカ
ムシャフト１とシリンダヘッド２との間のオイルシール
である。

【００１９】以上のような当実施例の装置によると、カ
ムプーリ３の回転が回動アーム２０を介して枠部材１０
およびカムシャフト１に伝えられるが、切換バルブ４０
の作動により上記第１，第２油圧室３１，３２に対する
油圧給排状態が切換えられると回動アーム２０が一定範
囲内で回動し、これによってカムプーリ３とカムシャフ
ト１とが一定角度だけ相対回転する。

【００２０】すなわち、第１油圧室３１に油圧が与えら
れて第２油圧室３２から油圧が抜かれるように切換バル
ブ４０が作動されたときは、図２および図３に実線で示
すように、第１油圧室３１内の油圧により回動アーム２
０が反時計方向に回動して、第２油圧室３２側に位置す
るストッパ１７に当接する状態となる。また、第１油圧
室３１から油圧が抜かれて第２油圧室３２に油圧が与え
られるように切換バルブ４０が切換えられたときは、図
２および図３に二点鎖線で示すように、第２油圧室３２
内の油圧により回動アーム２０が時計方向に回動して、
第１油圧室３１側に位置するストッパ１８に当接する状
態に変化する。このストッパ１７，１８間での回動アー
ム２０の回動に伴い、回動アーム２０の外方側端部にピ
ボット２３を介して結合されているカムプーリ３が、カ
ムシャフト１および枠部材１０に対して一定角度θだけ
相対回転する。従ってこの角度θだけカムシャフト１の
位相が変化して弁開閉時期が変えられる。

【００２１】この場合に、上記回動アーム本体２１の外
方側端部寄りの部分が上記支持軸１６に取付けられて、
支持軸１６からベーン部２２先端までの長さが支持軸１
６から回動アーム２０内方側端部までの長さと比べて充
分に小さくされていれば、回動アーム本体２１に作用す
る油圧に基づいて回動アーム２０のベーン部２２からカ
ムプーリに加わるトルクが、てこの原理で増幅される。
この増幅作用により、油圧が比較的低い場合でも弁開閉
時期制御のための上記動作を確実に行わせることができ
る。

【００２２】このような動作において、上記回動アーム
２０は支持軸１６を中心に回動し、その回動中心がカム
プーリ３の回転中心と異なっているので、回動アーム２
０の回動に伴い、カムプーリ３の内周面に対する回動ア
ーム２０のベーン部２２の角度が変わるとともに、回動
範囲の中間位置（一点鎖線）と両側の位置とで嵌合溝２
４に対して出入方向にベーン部２２が変位するが、比較
的深い嵌合溝２４を有するピボット２３がカムプーリ３
の内周部に取付けられてこれにベーン部２２が嵌合して
いることにより、回動アーム２０の回動に伴って上記ピ
ボット２３が回転し、ベーン部２２と嵌合溝２４との嵌
合状態が保たれる。従って、カムプーリ３と回動アーム
２０との結合状態およびこの部分のシール性が確保され
る。

【００２３】一方、回動アーム２０の内方側端部では、
上記シール用部材２５が、スプリング２６によりガイド
面２７に向けて付勢され、かつ、片側の油圧室３１から
図３に矢印で示す油圧を受けることにより、断面略Ｖ字
形の凹部２８の傾斜面と上記ガイド面２７とに押付けら
れた状態となる。従って、この部分でも確実にシール状
態が保たれ、かつ、ガイド面２７等の加工においてかな
りの大きな公差が許容される。

【００２４】なお、本発明の装置の具体的構造は種々変
更可能であり、その数例を次に説明する。

【００２５】図４および図５は、回動アーム２０のシー
ル用部材２５を付勢する手段の別の実施例を示してい
る。この実施例でも、回動アーム２０の外方端側のベー
ン部２２がカムプーリ３に取り付けられたピボット２３
の嵌合溝２４に嵌合するとともに、回動アーム２０の内
方端側の凹部２８に係合するローラ状のシール用部材２
５が、区画壁１３に形成された円弧状のガイド面２７に
摺接するようになっている点は、前記の実施例と同様で
あるが、上記シール用部材２５が油圧でガイド面２７に
向けて付勢されている。すなわち、回動アーム本体２１
の内部には、上記凹部２８に通じる細幅の油圧作用室５
１と、この油圧作用室５１に連通するとともに回動アー
ム本体２１のリア側に開口した油孔５２とが形成されて
おり、またリヤプレート１２には所定長さの油溝５３が
形成されている。

【００２６】この実施例によると、第１油圧室３１に油
圧が供給されることにより回動アーム２０が図４に示し
た位置となっているときは、油溝５３が第１油圧室３１
と油孔５２とを連通し、また第２油圧室３２に油圧が供
給されることにより回動アーム２０が時計方向に回動し
てストッパ１８に当接する位置に達したときは、油溝５
３が第２油圧室３２と油孔５２とを連通する。こうし
て、油圧が供給されている油圧室から油溝５３を通して
油圧作用室５１に油圧が導入され、この油圧が上記シー
ル用部材２５をガイド面２７に向けて付勢することによ
り、図１〜図３の実施例と同様の作用が得られる。

【００２７】図６は、回動アーム２０の内方側端部に具
備されるシール用部材２５’の形状の変形例を示し、こ
の図のシール用部材２５’は先端が丸くなった柱状に形
成されている。このほかにもシール用部材の形状は適宜
変更して差し支えない。

【００２８】また、上記各実施例では回動アーム本体２
１と別体のシール用部材２５，２５’が設けられている
が、図７のように、回動アーム２０’の本体部分とガイ
ド面２７への摺接部分とが一体のプレート状に形成され
ている構造としてもよい。この実施例によると、前記の
他の実施例と比べ、ガイド面２７の寸法精度を高くする
ことが要求されるが、回動アーム２０’はシンプルにな
る。

【００２９】

【発明の効果】請求項１に記載の弁開閉時期可変装置
は、カムシャフトに固着された枠部材に、駆動力入力部
材の内部を仕切る放射状部を有して放射状部間が湾曲面
状となった区画壁が設けられ、この区画壁で仕切られた
区画空間に回動アームが配置され、この回動アームの両
側に油圧室が形成されるとともに、この回動アームの内
方側端部が上記区画壁の湾曲面状の部分で形成されたガ
イド面に摺接する一方、回動アームの外方側端部が駆動
力入力部材の内周部にピボットを介して結合されている
ため、油圧室に対する油圧の給排に応じた上記回動アー
ムの回動によりカムシャフトと駆動力入力部材とが相対
回転し、弁開閉時期が変えられる。とくに、上記回動ア
ームは支持軸を中心に回動可能とすればよく、上記ガイ
ド面は一定曲率の円弧面としておけばよいので、これら
の構造、形状を非常に簡単にすることができ、しかも、
回動アームの外方側端部は駆動力入力部材の内周側に取
り付けられたピボットの嵌合溝に嵌合しているので、回
動アームの外方側端部と駆動力入力部材との結合状態お
よびシール状態が確保され、回動アームの回動に伴う弁
開閉時期変更動作を良好に行わせることができる。

【００３０】また、請求項２に記載の装置によると、上
記回動アームの内方側端部に、上記区画壁のガイド面に
向けて突出する状態で回動アーム本体に係合したシール
用部材と、このシール用部材を突出方向に付勢してシー
ル用部材の先端を上記ガイド面に摺接させるスプリング
とが設けられているため、回動アーム本体の内方側端部
とガイド面との間のシール性が確保され、かつガイド面
および回動アーム本体の加工公差を大きくすることがで
き、これらの加工が容易になる。

【００３１】請求項３に記載の装置によると、上記回動
アームの内方側端部に、上記区画壁のガイド面に向けて
突出する状態で回動アーム本体に係合したシール用部材
と、このシール用部材に回動アーム本体の内部から突出
方向へ油圧を作用させてシール用部材の先端を上記ガイ
ド面に摺接させる油圧作用室とが設けられているため、
請求項２に記載の装置と同様の効果が得られる。

【００３２】さらに請求項４に記載の装置によると、上
記シール用部材がローラ状に形成されるとともに、回動
アーム本体に断面略Ｖ形の凹部が形成され、この凹部に
上記シール用部材が係合しているため、上記シール用部
材が凹部の傾斜面とガイド面とに圧接して良好なシール
状態を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による弁開閉時期可変装置を
示すもので、図２のＢ−Ｂ線に沿った縦断側面図であ
る。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。

【図３】装置の一部の拡大断面図である。

【図４】回動アームの内方側端部のシール用部材を付勢
する手段についての別の実施例を示す装置の一部の断面
図である。

【図５】図４のＣ−Ｃ線に沿った断面図である。

【図６】回動アームの内方側端部のシール用部材につい
ての別の実施例を示す装置の一部の断面図である。

【図７】回動アームについての別の実施例を示す装置の
一部の断面図である。

【符号の説明】

１ カムシャフト ３ カムプーリ １０ 枠部材 １３ 区画壁 １６ 支持軸 ２０，２０’ 回動アーム ２１ 回動アーム本体 ２２ ベーン部 ２３ ピボット ２４ 嵌合溝 ２５，２５’ シール用部材 ２７ ガイド壁 ３１，３２ 油圧室

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンのカムシャフトの端部の外方に
   駆動力入力部材がカムシャフトと相対回転可能に配置さ
   れ、上記カムシャフトに固着された枠部材に、上記駆動
   力入力部材の内部を等角度で仕切る放射状部を有してそ
   の隣接する放射状部の間の連続部が湾曲面状となった区
   画壁が設けられ、この区画壁で仕切られた空間内に、カ
   ムシャフトと平行な支持軸から枠部材の内方および外方
   に延びた状態でこの支持軸を中心に回動可能となった回
   動アームが配置され、この回動アームの両側に、オイル
   給排の切換が可能なオイル通路に通じる油圧室が形成さ
   れるとともに、上記区画壁の湾曲面状の部分は上記回動
   アームの内方側端部が摺接する一定の曲率半径の円弧状
   のガイド面として形成され、一方、回動アームの外方側
   端部が嵌合する嵌合溝を備えたピボットが駆動力入力部
   材の内周部に回転可能に取付けられていることを特徴と
   するエンジンの弁開閉時期可変装置。
2. 【請求項２】 上記回動アームの内方側端部に、上記区
   画壁のガイド面に向けて突出する状態で回動アーム本体
   に係合したシール用部材と、このシール用部材を突出方
   向に付勢してシール用部材の先端を上記ガイド面に摺接
   させるスプリングとが設けられている請求項１記載のエ
   ンジンの弁開閉時期可変装置。
3. 【請求項３】 上記回動アームの内方側端部に、上記区
   画壁のガイド面に向けて突出する状態で回動アーム本体
   に係合したシール用部材と、このシール用部材に回動ア
   ーム本体の内部から突出方向へ油圧を作用させてシール
   用部材の先端を上記ガイド面に摺接させる油圧作用室と
   が設けられている請求項１記載のエンジンの弁開閉時期
   可変装置。
4. 【請求項４】 上記シール用部材がローラ状に形成され
   るとともに、回動アーム本体に断面略Ｖ形の凹部が形成
   され、この凹部に上記シール用部材が係合している請求
   項２または３に記載のエンジンの弁開閉時期可変装置。