JP3804837B2 - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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    • F01L1/3442Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストン型内燃機関のカムシャフトに装着されるベーンタイプの弁開閉時期制御装置に係り、特にカム変動トルク等に対してバルブタイミングを安定化するロック機構を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
カム変動トルクに対してバルブタイミングを安定化するロック機構(位相固定解除手段)を備えた弁開閉時期制御装置として、特開平1−92504号公報がある。同公報の弁開閉時期制御装置は、図6に示すように回転軸1に中間部材2を介して回転伝達部材3が装着され、回転軸1と回転伝達部材3との間にそれぞれベーン4を隔壁とする周方向の油圧室5が複数形成されてなる回転油圧機構を主体に構成されている。ここでは回転軸1はカムシャフト(シリンダブロックよりタイミングプーリ側に延出させた軸部材)であり、回転伝達部材3はタイミングプーリに一体化されている。ベーン4によって分割された二つの油圧室は、それぞれ回転伝達部材3を強制回転してバルブタイミングを早める進相用室5aと遅らせる遅相用室5bとなる。
【0003】
回転軸1には軸方向に油圧を供給する幹路6、7と、該幹路6、7からそれぞれ分岐した枝路6a、7aと、枝路6aと連通した周状通路6b、枝路7aと連通した周状通路7bとが形成され、周状通路6bは中間部材2に形成された通路2a、を介して各進相用室5aに連通可能とされ、周状通路7bは中間部材2に形成された通路2bを介して各遅相用室5bに連通可能とされている。幹路6、7には図示しない油圧供給装置からの油圧が選択的に供給されるようになっている。
【0004】
そして、回転伝達部材3には退避孔8に収納されたスプリング9によって中間部材側に突出するノックピン10が設けられ、中間部材2には上記ノックピン10の先端部を受容するキー溝11が形成されている。上記ノックピン10を主体とする位相固定解除手段は、ここでは最遅相時と最進相時とに位相固定するように2箇所設けられ、最遅相時に位相固定するノックピン10のキー溝11には上記周状通路7bと連通した通路2b′を介して油圧が供給され、最進相時に位相固定するノックピン10のキー溝11には上記周状通路6bと連通した通路2a′を介して油圧が供給される。
【0005】
上記構成の弁開閉時期制御装置は、スプリング9によって常に回転軸側に付勢されているノックピン10と中間部材側のキー溝11とが一致すると、ノックピン10がキー溝11に嵌合して回転軸1と回転伝達部材3の位相を固定し、カム変動トルクやエンジン始動の低油圧時におけるバルブタイミングを安定化させる。この位相固定状態の解除は、最遅相時の場合、進相のために幹路6、枝路6a、周状通路6b、通路2a′を介して油圧が供給されるときにノックピン10が退避孔8に没入されることにより行われる。同様に最進相時の場合、遅相のために幹路7、枝路7a、周状通路7b、通路2b′を介して油圧が供給されるときに行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の弁開閉時期制御装置においては、位相固定解除手段への油圧の通路2a′、2b′と各周方向油圧室への油圧の通路2a、2bが独立であり、位相固定解除手段への油圧が供給されると共に各周方向油圧室への油圧が供給され、ノックピン10が完全にキー溝から抜出す前に回転軸1と回転伝達部材3との相対回転を開始する力が働く可能性があり、油圧の利用効率が悪い。
【0007】
また、各周方向油圧室へ油圧を供給する通路2a、2b以外に、ノックピン10を退避させる油圧の通路2a′、2b′が必要となり、中間部材2の加工が複雑でコスト高になる。これは位相固定解除手段を最進相位置又は最遅相位置の一方だけとする構成や、中間部材を省略し、カムシャフト1に直接に回転伝達部材3を装着する構成でも同様である。
【0008】
更に、作動油の状態、特に作動油に異物が含まれる場合にノックピン10の動作に問題がある。図7に示すように、キー溝11がノックピン10との間にもつ間隙a(実際の大きさの平均)と退避孔8がノックピン10との間にもつ間隙b(同上)は、オイルクリーンの状態を想定してノックピン10ががたつきなく摺動する値(通常10μ程度)に設定される。しかし、作動油に異物が含まれると、ノックピン10がキー溝11に入るとき角部で異物を噛込んだり、退避孔8中を移動するときも異物を噛込むおそれがあり、弁開閉時期制御が円滑に行われなくなる。
【0009】
本発明は上記従来装置の問題点に鑑みてなされたもので、作動用の流体の通路の加工が簡単であるとともに、油圧の利用効率がよく、ノックピンのキー溝への嵌合と退避を確実に行わせ、位相固定状態と固定解除状態への切換えの信頼性を高めることを解決すべき課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明は種々検討を重ね、キー溝と各周方向油圧室の少なくとも一つを連通した流体通路を退避溝を形成した回転軸又は回転伝達部材に設けることにより、問題を解決できることを確認した。
即ち、本発明は請求項1の構成を備えることにより、位相固定状態を解除する際にキー溝に供給される圧力流体は、その流体圧でノックピンをキー溝から完全に退避させた後更に流体通路を介して各周方向圧力室の少なくとも一つへ供給されて弁開閉時期位相制御を行うので、位相固定状態の解除から弁開閉時期位相制御へと流体圧が有効に使用される。弁開閉時期位相制御状態においては、キー溝から周方向圧力室へ入った流体は上記流体通路を介してキー溝に戻り更に流体圧供給手段からの所定通路へ戻される。
【0011】
また、キー溝からノックピンを退避させる流体圧の回転軸側の通路が上記流体通路と連通するため、上記ノックピンを退避させる回転軸側の通路を弁開閉時期位相制御のための通路として兼用できる。
更に、ノックピンがキー溝から退避されるとき、キー溝内の異物を上記流体通路を通してベーンの周方向圧力室に流すので、キー溝を常にクリーンな状態に維持でき、キー溝におけるノックピンの移動が円滑に行われる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態は、クランクプーリからの回転動力が伝達されるバルブ開閉用のカムシャフトと、該カムシャフトに回転位相角可変に装着されかつタイミングプーリの内周に一体化され、該カムシャフトとの間にそれぞれベーンを隔壁とした複数の周方向油圧室を形成するとともに、該カムシャフトへ上記タイミングプーリの回転を伝達する回転伝達部材と、上記ベーンによって上記各周方向油圧室が二分された進相用室及び遅相用室の少なくとも一方に油圧を供給し、上記タイミングプーリと上記カムシャフトとの相対位相を可変する油圧供給手段と、上記カムシャフト及び回転伝達部材のうち一方部材に形成された退避溝から付勢力によって先端部が押出され他方部材に形成されたキー溝に嵌合し、上記キー溝への油圧によって上記退避溝に退避させられるノックピンと、上記キー溝へ供給された油圧の作動油を各周方向油圧室の少なくとも一つに導く流体通路とを具備した弁開閉時期制御装置において、上記流体通路を上記退避溝を形成した上記回転軸又は回転伝達部材に設けたことを特徴とする。
【0013】
上記構成の弁開閉時期制御装置の作用は、カムシャフトの位相を進ませる場合、油圧供給手段より進相用室に油圧が供給され、カムシャフトを回転伝達部材より位相が進む方向に回転させて、タイミングプーリに対しカムシャフトの位相を進ませる。カムシャフトの位相を遅らせる場合は、油圧供給手段より遅相用室に油圧が供給され、カムシャフトが上記進相時と逆方向に回転してタイミングプーリに対しカムシャフトの位相を遅らせる。
【0014】
カムシャフトとタイミングプーリの位相を固定する場合、例えば最進相位置で固定するエンジンでは、回転伝達部材がカムシャフトに対し最も位相が遅れる回転角だけ回転すると、退避溝とキー溝とが一致してノックピンが付勢部材の力で押出されキー溝に嵌合する。位相固定状態を解除する場合は、進相用室に供給されるべき油圧がキー溝に供給され、該油圧によってノックピンが退避溝側に押されノックピンが自由になる。本弁開閉時期制御装置では、キー溝に供給される作動油は、その油圧でノックピンを退避溝に退避させると同時に、キー溝内の異物を上記流体通路を通してベーンの周方向油圧室に流し、常にキー溝内をクリーンな状態に維持する。
更に、上記流体通路をノックピンが配置される退避溝を形成した上記回転軸又は回転伝達部材に設けることにより、ノックピンの先端がキー溝から完全に抜けた後に、該流体通路を介してキー溝に供給された作動油を各周方向油圧室の少なくとも一つに導くこととなるので、ノックピンがキー溝から完全に抜け出す前に回転軸と回転伝達部材が相対回転を始めるという不具合は確実に防止される。
【0015】
請求項2に従う実施形態は、上記ノックピンが上記回転伝達部材が最進相又は最遅相に制御されるとき上記キー溝に嵌合するようにしたことを特徴とする。
この実施形態では油圧が最大に供給されるときに流体通路に作動油が流れるので、油圧利用効率の良好性及び通路の兼用と同時に異物の除去能力が良好となる。
【0016】
ただし、位相固定位置は、キー溝と退避孔との一致位置で決まることは勿論であるが、この一致位置は最進相位置と最遅相位置の範囲で任意位置(複数を含む)である。
【0017】
請求項に従う実施形態は、上記キー溝が上記ノックピンとの間にもつ間隙を退避溝がノックピンとの間にもつ間隙より大きくしたことを特徴とする。
この実施形態では流体通路に流れる油量を多くでき、請求項2と同様に異物の除去能力が良好となる。
好適な実施形態として、上記流体通路は全ての周方向油圧室に連通させることができる。この場合、進相用室及び遅相用室とで二つ流体通路が必要になるため、例えば最進相位置と最遅相位置とでそれぞれ位相固定解除を行う二つのノックピンと退避溝及びキー溝からなる構成を設ける。
【0018】
本発明の他の実施形態は、クランクプーリからの回転動力が伝達されるカムシャフトに、該カムシャフトとの間にベーンを隔壁とした複数の周方向油圧室を形成すべく回転伝達部材を装着し、該回転伝達部材を回転伝達部材にギヤ結合させ、上記周方向油圧室へ油圧を供給してカムシャフト及び回転伝達部材材間を回転変位するようにした弁開閉時期制御装置に適用することができる。
【0019】
【実施例】
本発明の一実施例に係る弁開閉時期制御装置は、図1に示すように、DOHCエンジンに適用したものであり、シリンダヘッド12に回転可能に支持された排気バルブ用カムシャフト13及び吸気バルブ用カムシャフト14は、シリンダヘッド内において、それぞれ排気バルブ用カムシャフト13の外周に相対回転可能に装着されたギヤ15と吸気バルブ用カムシャフト14の外周に相対回転不能に装着されたギヤ16とが噛合してなる動力伝達手段17を介して連結されている。なお、以下に説明する弁開閉時期制御機構は、ここでは上記排気バルブ用カムシャフト13に装着される。
【0020】
タイミングプーリ18は、シリンダヘッド内より突出した排気バルブ用カムシャフト13(以下、単にカムシャフトという)の端部にボルト19によって締着されている。ボルト19の偏心位置には、回り止め機能を果たすストッパピン20が設けられている。
シリンダヘッド内に延びるカムシャフト13の円筒部21は、フロント側より雄螺子部22と、後述する放射状の枝路23a,23a…、23b,23b…及び分割周状通路24が形成された部分と、リヤ側のジャーナル部25とからなり、ジャーナル部25はカム形成部分26へと続いている。尚、ギヤ15は、ジャーナル部25の外周に前述したように相対回転可能に装着されている。
【0021】
上記枝路23a,23a…、23b,23b…及び分割周状通路24が形成された部分には、弁開閉時期制御装置の主体となる油圧機構27が装着される。油圧機構27は、図2に示すように、カムシャフト13に固着された内周の中間部材28と、該中間部材28に一端が係留され放射方向に延びるベーン29と、該ベーン29の他端側を円陣状に有して中間部材28を同軸状に内包し上記凹溝30a間の凸部が中間部材28の外周面と摺接した環状ハウジング部材30と、図1に示すように、上記中間部材28、ベーン29及び環状ハウジング部材30を軸方向に挟み、上記凹溝30aを上記ベーン29を隔壁として収嵌した周方向の各油圧室31とするフロントプレートハウジング部材32及びリヤプレートハウジング部材33とからなり、ギヤ15に螺入したボルト34によって上記フロントプレートハウジング部材32とリヤプレートハウジング部材33との間が圧接されている。各油圧室31はベーン29によって進相用室31a(図2)と遅相用室31bに二分される。
【0022】
上記油圧機構27のフロントプレートハウジング部材32、環状ハウジング部材30及びリヤプレートハウジング部材33と、上記ギヤ15とを主体に本発明の回転伝達部材を構成している。
なお、フロントプレートハウジング部材32と環状ハウジング部材30のフロント側面の間と、リヤプレートハウジング部材33と環状ハウジング部材30のリヤ側面の間はそれぞれメタルタッチでシールされているが、シール部材が介装されてもよく、その際にはボルト34がシール面の外側になるように屈曲したシールを用いる。
【0023】
また、上記油圧機構27は、中間部材28のリヤ側に向く側面が上記ジャーナル部25に当接しており、この当接状態において、中間部材28のフロント側に向く側面から上記雄螺子部22に締結されたナット25aと上記ジャーナル部25との間に狭圧されている。これにより、中間部材28はカムシャフト13と一体的に回転される。
【0024】
また、カムシャフト13と中間部材28との周方向の位置決めは、両者に係合したキーピン35(図2、図3)によってなされている。
各油圧室31には、油圧供給装置36から作動油圧が供給される。油圧供給装置36は、油圧機構27を制御する油圧制御弁37及びバルブタイミング制御装置39等によって構成されていて、カムシャフト13内の中央軸方向に形成された幹路43は接続通路42a及びシリンダヘッド12に形成された内周溝42を介して油圧制御弁37のAポートに接続されている。もう一つ軸方向には三方に偏心して各幹路44が形成され、各幹路44はシリンダヘッド12に形成された内周溝41を介して油圧制御弁37のBポートに接続されている。また、油圧制御弁37のPポートには例えばエンジンにより駆動される油圧ポンプ38が接続され、Rポートにはリザーバ40が形成されていて、油圧制御弁37がバルブタイミング制御装置39によって作動を制御されることにより、後述するように油圧機構27が進角及び遅角作動及び、中立位置保持を行うようになっている。幹路43は各枝路23b,23b…に連通し、該各枝路23b,23b…は中間部材28に形成された各枝路45を介して遅相用室31bに連通され、各幹路44は分割周状通路24を介して各枝路23a,23a…に連通し、各枝路23a,23a…は中間部材28に形成された各枝路46を介して進相用室31aに連通される。上記枝路23b,23bのうち一つの油圧は後述する位相固定解除手段50に供給されるようになっている(この実施例では最進相位置で動作させる位相固定解除手段が一つ設けられるので遅相用の油圧を導く枝路23bより油圧を与える)。
【0025】
また、幹路43は、両端のボールシール47、48によって他の通路と遮断されている。つまり、幹路43は、図1右方のカムジャーナルの潤滑通路がカムシャフト13の軸心に形成される際に同時に形成されるが、ボール47を圧入することにより該潤滑通路と遮断され、またボール48を圧入し、ボルト19により更に押圧することにより外部と遮断される。また、もう一方の幹路44は、幹路43とほぼ同等の流路抵抗となっている。
【0026】
さて、本実施例の特徴とする位相固定解除手段50は、図2〜図4に示すように、中間部材28の外周側に開口を向けて形成されたキー溝51と、位相固定状態において該キー溝51に先端部が嵌合するように、中間部材28の外周面よりノックピン53の退避を許容する、環状ハウジング部材30に形成された退避孔54と、該退避孔54に収納されノックピン53を内方に押圧する付勢部材(スプリング、ゴム等)55と、上記キー溝51と各周方向油圧室31の一つとを連通した流体通路52とから構成されている。流体通路52はキー溝51と最寄りの油圧室31(遅相用室31b)とを連通している。流体通路52は環状ハウジング部材30に形成しても中間部材28に形成しても、両部材30、28に組み合わせて形成することもできる。しかしながら、環状ハウジング部材30と中間部材28(カムシャフト13)とが相対回転するときにノックピン53がキー溝51と当接しないようにノックピン53をキー溝51から確実に抜くためには、流体通路52は環状ハウジング部材30に設けることが望ましい。
【0027】
また、図4に示すように、キー溝51の開口面における周方向寸法Aを退避溝54の開口面における周方向寸法Bより大きくし、退避溝54がノックピン53との間にもつクリアランスbより、キー溝51がピストン52との間にもつクリアランスaを大きくするようにしている。ここで、aは作動油の異物径より充分に大きな値に設定され(例えば80μ)、bは退避溝54の壁面を移動するノックピン53の角部によって異物が噛込まれない例えば10μが選出される。
【0028】
本実施例の弁開閉時期制御装置は以上のように構成され、次にその作用を説明する。クランクプーリの回転動力が伝達されるタイミングプーリ18によってカムシャフト13が駆動されると、このカムシャフト13の回転が中間部材28、ベーン29、環状ハウジング部材30等を介してギヤ15へ伝達され、更にギヤ15及びギヤ16を介してカムシャフト3に伝達され、カムシャフト13の各バルブとカムシャフト14の各バルブが作動する。
【0029】
ここで、ギヤ15は、カムシャフト13のジャーナル部25に対し周方向の移相が可能となっており、油圧供給装置36の油圧制御弁37を介して油圧ポンプ38からの作動油圧が進相用室31aに作用すると、環状ハウジング部材30及びギヤ15がカムシャフト13に対して図3上反時計方向に回転し、最大、ベーン29の移動角度分θ(図3)だけ、カムシャフト13に対するカムシャフト14の相対位相を進ませる。また、油圧ポンプ38からの作動油圧が遅相用室31bに作用すると、環状ハウジング部材30及びギヤ15がカムシャフト13に対して図2上時計方向に回転し、最進相位置から最大、ベーン29の移動角度分θだけ、カムシャフト13に対するカムシャフト14の相対位相を遅らせる。これにより、カムシャフト14における各バルブの開閉時期とカムシャフト13における各バルブの開閉時期とを調整することができる。
【0030】
ところで、カムシャフト13の最遅相位置(カムシャフト14の最進相位置)では、キー溝51と退避溝54との位相が一致するため、ノックピン53の先端部が付勢部材55の力によってキー溝51内に挿入され、位相固定状態となる。次に遅相用室31bへの油圧が高められると、ノックピン53が退避溝54に没し位相固定解除状態となる。このとき同時に、キー溝51内に滞留している異物は、流体通路52を通して遅相用室31bに流され、キー溝51内にはほとんど異物が残らない。また、通路23aの油圧が高まる進相時には、遅相用室31bから流体通路52及びキー溝51を介して作動油が通路23b側に戻されるときもキー溝51内に異物を滞留させることがない。こうして本実施例では、キー溝51におけるノックピン53の移動の円滑性を確保、特にノックピン53の先端部がキー溝51に嵌合する位相固定時に、退避溝54の壁面を移動するノックピン53の角部に異物が噛込まれる現象を未然に防止することができ、信頼性の高い弁開閉次期制御が可能となる。
【0031】
また、本実施例では、位相固定状態を解除する際にキー溝51に供給される作動油は、その流体圧でノックピン53をキー溝51から完全に退避させた後更に流体通路52を介して進相用室31aへ供給されて弁開閉時期位相制御を行うので、位相固定状態の解除から弁開閉時期位相制御へと流体圧が有効に使用され、油圧を極めて有効に利用することになる。
【0032】
また、通路23bの油圧がノックピン53の退避と遅相用室31bの容積拡大作用とを行うため、通路23bをノックピン53の退避のために増加する必要がなく、カムシャフト13の通路加工数を低減できる。
更に本実施例の場合、上記異物の除去効果を高めるための数々の措置(A>B、a>b)を採っているため、更にノックピン53の円滑な作動が期待できる。
【0033】
また、上記のようにキー溝51の周方向寸法を退避溝54の周方向寸法より大きくすると、必然的にノックピン53のクリアランスaも大きくとれるので、加工精度が要求されない。
また、油圧室31を形成する回転伝達部材としてのハウジングを、環状ハウジング部材30と、該環状ハウジング部材30の両側面を挟むフロントプレートハウジング部材32及びリヤプレートハウジング部材33で構成しているので、ベーン29とフロントプレートハウジング部材32及びリヤプレートハウジング部材33との間隙(油圧力を決定する要素)の設定が高精度に調整でき、簡単な加工方法で応答性が良好となる。
【0034】
更に本実施例では、各油圧室31を区画する中間部材28と環状ハウジング部材30との摺動面に、ラビリンス溝57が設けられおり、ラビリンス溝57には進相用室31a、遅相用室31bのいずれかからの油圧で作動油か溜まり、中間部材28と環状ハウジング部材30との摺動が良好になって摩耗低減効果により耐久性を満たすものである。
【0035】
このラビリンス溝57と同様の効果として、図5に示すように、ベーン29の端面にもラビリンス溝58を設けることができる。
なお、本発明は、特開平1−92504号公報に記載されているような、クランクシャフトからの機関回転力をタイミングベルト又はタイミングチェーン等を介して伝達されるタイミングプーリの内部に周方向圧力室を形成し、カムシャフトの外周に取付けたベーンを介してタイミングプーリの回転力を受けるタイプの弁開閉時期制御装置にみ適用できる。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、流体を各油圧室に導く通路とノックピンを作動させる流体の通路とを兼用して通路加工数が低減できるとともに、ノックピンの退避から位相制御へと流体圧が連続的に使用され、流体圧の利用効率が良好となる。更には、ノックピンのキー溝への嵌合と退避が確実に行われ、位相固定状態と固定解除状態との間の切換わりの信頼性が高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る弁開閉時期制御装置を示す断面図であり、A−A線は図2、図3における破断線を示している。
【図2】 上記弁開閉時期制御装置の進相時の動作を示す断面図であり、B−B線は図1における破断線を示している。
【図3】 上記弁開閉時期制御装置の遅相時の動作を示す断面図である。
【図4】 本発明の一実施例における位相固定解除手段を示す拡大断面図である。
【図5】 ベーンに設けたラビリンス溝を示す正面図(A)と側面図(B)である。
【図6】 従来の弁開閉時期制御装置を示す断面図である。
【図7】 従来の位相固定解除手段を示す説明図である。
【符号の説明】
13はカムシャフト(回転軸)、14はカムシャフト、29はベーン、31は周方向油圧室、36は油圧供給装置(油圧供給手段)、50は位相固定解除手段、51はキー溝、52は流体通路、53はノックピン、54は退避溝である。

Claims (3)

  1. クランクプーリからの回転動力が伝達されるバルブ開閉用の回転軸と、
    該回転軸に回転位相角可変に外装されて該回転軸との間にそれぞれベーンを隔壁とした複数の周方向圧力室を形成する回転伝達部材からなる流体圧機構と、
    前記ベーンによって前記各周方向圧力室が二分された進相用室及び遅相用室の少なくとも一方に流体圧を供給し、前記回転軸と回転伝達部材との位相を相対変位させる流体圧供給手段と、
    前記回転軸及び回転伝達部材のうち一方部材に形成された退避溝から付勢力によって先端部が押出され他方部材に形成されたキー溝に嵌合し、前記キー溝からの流体圧によって前記退避溝に退避させられるノックピンと、
    前記キー溝と前記各周方向圧力室の少なくとも一つとを連通した流体通路とを具備した弁開閉時期制御装置において、
    前記流体通路を前記退避溝を形成した前記回転軸又は回転伝達部材に設けたことを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  2. 前記ノックピンは前記流体圧機構が最進相又は最遅相に制御されたとき前記キー溝に嵌合するようにしたことを特徴とする請求項1記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 前記キー溝が前記ノックピンとの間にもつ間隙は退避溝がノックピンとの間にもつ間隙より大きくされたことを特徴とする請求項1記載の弁開閉時期制御装置。
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