JP4200920B2 - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の吸・排気弁の開閉時期を制御する弁開閉時期制御装置に関する。
従来の弁開閉時期制御装置においては、ハウジング部材と、ハウジング部材に相対回転可能に組付けられるロータ部材と、ロータ部材に形成され、ハウジング部材の1つの突部に設けられた第1退避溝に進退可能に配置される第1ロック部材が嵌入して、ロータ部材とハウジング部材の相対回転を最大進角位置と最大遅角位置の中間の所定位置から遅角側への所定量の相対回転を許容すると共に、所定位置から進角側への相対回転を規制する第1規制溝を有する第1相対回転規制機構と、ロータ部材に形成され、ハウジング部材の他の突部に設けられた第2退避溝に進退可能に配置される第2ロック部材が嵌入して、ロータ部材とハウジング部材の相対回転を所定位置から進角側への所定量の相対回転を許容すると共に、所定位置から遅角側への相対回転を規制する第2規制溝を有する第2相対回転規制機構とからなり、所定位置で第1ロック部材および第2ロック部材がそれぞれ第1規制溝および第2規制溝に嵌入し、ロータ部材とハウジング部材の相対回転をロックするロック機構とから構成されるものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
この装置においては、2つの相対回転規制機構により、ハウジング部材とロータ部材の相対回転を最大進角位置と最大遅角位置の中間の所定位置でロックするため、それぞれの相対回転規制機構を構成する退避溝、ロック部材及び規制溝の製作誤差が積算される。このため、ロック時における規制溝内でのロック部材のガタつきが大きくなり、ロック位置が周方向に変動したり、この変動によりロック部材が規制溝の周方向端面と衝突し異音を発生する虞がある。また、加工部位が多いこと、および高い加工精度が要求され、コストアップとなる。また、2つの相対回転規制機構を配置するため、周方向のスペースが多く必要であり、ハウジング部材とロータ部材との相対回転角度を大きくすることができない。
特開2002−371811号公報 特開2002−097912号公報
そこで本発明は、弁開閉時期制御装置において、ハウジング部材とロータ部材との相対回転を最大進角位置と最大遅角位置の中間の所定位置に簡素な構造で、且つ周方向の変動なくロックできると共に、ハウジング部材とロータ部材の相対回転角度を大きくすることを技術的課題とする。
上記課題を解決するための第1の技術的手段は、内燃機関のクランクシャフト又はカムシャフトと一体的に回転するハウジング部材と、前記ハウジング部材の突部の内周面に相対回転可能に組付けられ、前記ハウジング部材との間に画成される流体圧室を進角油室と遅角油室に分割するベーン部が設けられるロータ部材と、前記ロータ部材に形成され、前記ハウジング部材の突部に進退可能に配置される第1ロック部材が嵌入することで、前記ロータ部材と前記ハウジング部材の相対回転を最大進角位置と最大遅角位置の中間の所定位置から遅角側への所定量の相対回転を許容すると共に、前記所定位置から進角側への相対回転を規制する第1規制溝を有する第1相対回転規制機構と、前記ロータ部材に形成され、前記ハウジング部材の突部に進退可能に配置される第2ロック部材が嵌入することで、前記ロータ部材と前記ハウジング部材の相対回転を前記所定位置から進角側への所定量の相対回転を許容すると共に、前記所定位置から遅角側への相対回転を規制する第2規制溝を有する第2相対回転規制機構とからなり、前記所定位置で前記第1ロック部材及び第2ロック部材がそれぞれ前記第1規制溝及び前記第2規制溝に嵌入し、前記ロータ部材と前記ハウジング部材の相対回転をロックするロック機構とから構成される弁開閉時期制御装置において、前記第1ロック部材及び第2ロック部材は前記ハウジング部材に形成される退避溝を共有することである。
請求項1に記載の発明によれば、第1ロック部材及び第2ロック部材はハウジング部材に形成される退避溝を共有することにより、各ロック部材をそれぞれ別の退避溝に配置しないため、共有する退避溝の精度でロック時における各ロック部材の位置精度を確保することができ、ハウジング部材とロータ部材との相対回転を最大進角位置と最大遅角位置の中間の所定位置に簡素な構造で、且つ周方向の変動なくロックできる。また、退避溝を共有することで加工部位を減らすことができコストを低減することができる。また、相対回転規制機構が配置される突部の周方向の幅を小さくすることができ、隣り合う突部間の流体圧室の周方向幅を拡大できハウジング部材とロータ部材の相対回転角度を大きくすることができる。
上記課題を解決するための第2の技術的手段は、前記第1規制溝と前期第2規制溝は周方向に重合領域を有し、前記重合領域の一端は前記第1ロック部材が当接し前記ロータ部材と前記ハウジング部材の相対回転を前記所定位置から遅角側への相対回転を規制する前記第1規制溝の遅角側端面からなり、前記重合領域の他端は前記第2ロック部材が当接し前記ロータ部材と前記ハウジング部材の相対回転を前記所定位置から進角側への相対回転を規制する前記第2規制溝の進角側端面からなることである。
請求項2に記載の発明によれば、第1規制溝と第2規制溝は周方向に重合領域を有し、重合領域の一端は第1ロック部材が当接しロータ部材とハウジング部材の相対回転を所定位置から遅角側への相対回転を規制する第1規制溝の遅角側端面からなり、重合領域の他端は第2ロック部材が当接しロータ部材とハウジング部材の相対回転を所定位置から進角側への相対回転を規制する第2規制溝の進角側端面から構成したことにより、遅角側端面と進角側端面を一方向からの焼結成形または切削等の加工により形成することができ、遅角側端面と進角側端面の周方向の位置精度を別々に確保するのに対して一度に確保することができ、精度向上をはかることができる。また、一方向からの成形また加工となり工程を簡略できコストを低減することができる。
請求項1および請求項2に記載の発明では、上記した通り、第1ロック部材及び第2ロック部材はハウジング部材に形成される退避溝を共有することとしたため、弁開閉時期制御装置において、ハウジング部材とロータ部材との相対回転を最大進角位置と最大遅角位置の中間の所定位置に簡素な構造で、且つ周方向の変動なくロックできると共に、ハウジング部材とロータ部材の相対回転角度を大きくすることができる。
以下、本発明に従った弁開閉時期制御装置1の実施形態を図面に基づき説明する。
図1乃至図4に示す弁開閉時期制御装置1は、図示しない内燃機関のシリンダヘッドに回転自在に支持されたカムシャフト10の先端部(図1の左端)に一体的に組付けた内部ロータ20からなるロータ部材と、カムシャフト10及び内部ロータ20の外周に所定範囲で相対回転可能に組付けられた外部ロータ30、フロントプレート40、リアプレート50及び外部ロータ30の外周に一体的に設けたタイミングスプロケット31からなるハウジング部材と、内部ロータ20に組付けた4枚のベーン70と、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転を規制する第1相対回転規制機構B1及び第2相対回転規制機構B2とから成るロック機構と、内部ロータ20と外部ロータ30との間に介装されて外部ロータ30に対して内部ロータ20を進角側に付勢するトーションスプリング60(付勢部材)等によって構成されている。ロータ部材とハウジング部材との間には、ベーン70が配置される流体圧室R0が画成され、ベーン70により流体圧室R0は進角油室R1と遅角油室R2に分割されている。尚、タイミングスプロケット31には、周知のように、図示しないクランクシャフトからクランクスプロケットとタイミングチェーンを介して図2の時計方向に回転動力が伝達されるように構成されている。
カムシャフト10は、吸気弁または排気弁の一方を開閉する図示しない周知のカムを有していて、内部にはカムシャフト10の軸方向に延びる4本の進角通路11、遅角通路12及びロック通路13が設けられている。進角通路11は、カムシャフト10に設けた径方向の通路11a及び環状溝11bとシリンダヘッドに設けた接続通路14を介して制御弁100の接続ポート101に接続されている。遅角通路12は、カムシャフト10に設けた取付ボルト91の取付孔内に形成されていて、カムシャフト10に設けた径方向の通路12a及び環状溝12bとシリンダヘッドに設けた接続通路16を介して制御弁100の接続ポート102に接続されている。
また、カムシャフト10には、進角通路11及び遅角通路12とは独立した1本の軸方向のロック通路13、径方向の通孔13a及び環状の通路13bが設けられている。軸方向のロック通路13、径方向の通孔13a及び環状の通路13bは、第1相対回転規制機構B1及び第2相対回転規制機構B2に作動油を供給する通路を構成する。この軸方向のロック通路13は径方向の通孔13a、環状の通路13b及びシリンダヘッドに設けた接続通路16を介して油圧制御弁100のロックポート108に接続されている。
本実施形態では、制御弁100は、ソレノイド103へ通電することによりハウジング109内に軸方向に移動可能に嵌挿されたスプール104をスプリング105に抗して図1の左方向へ移動できるものである。制御弁100は、非通電時には接続ポート101、102及び108が排出ポート107に連通し、通電時には供給ポート106aが接続ポート101又は接続ポート102の少なくともいずれか一方に連通すると共に、供給ポート106bが接続ポート108に連通するように構成されている。このため、制御弁100のソレノイド103の非通電時には、進角通路11、遅角通路12及びロック通路13から作動油が排出される。また、通電時には、進角通路11、遅角通路12の少なくともいずれか一方に作動油が供給されると共に、ロック油路13に作動油が供給されるように、ソレノイド103への通電が図示しない制御装置によりデューティ制御される。
内部ロータ20は、1つの取付ボルト91によってカムシャフト10に一体的に固定されていて、4枚の各ベーン70を夫々径方向に移動可能に取り付けるためのベーン溝21を有する。また、内部ロータ20は、各ベーン70によって区画された進角油室R1に進角通路11から作動油を給排するように進角通路11と各進角油室R1を連通する通路23と、各ベーン70によって区画された遅角油室R2に遅角通路12から作動油を給排するように遅角通路12と各遅角油室R2を連通する通路24と、第1相対回転規制機構B1及び第2相対回転規制機構B2にロック通路13から作動油を給排するようにロック通路13に連通する通路25とを有している。尚、各ベーン70は、ベーン溝21の底部に収容したベーンスプリング71によって径方向外方に付勢されている。
また、図2乃至図4に示すように、内部ロータ20の外周面には、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転位相が、最大進角位置と最大遅角位置との間の所定位置であって内燃機関の始動時に対応する始動位置と最大遅角位置との間にある時に第1ロックプレート61の頭部が所定量嵌入するように周方向に延びる第1規制溝26aと、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転位相が前記始動位置から最大進角位置との間にある時に第2ロックプレート63の頭部が所定量嵌入するように周方向に延びる第2規制溝26bとが形成されている。内部ロータ20の外周面を径外方から見た図5に示すように、第1規制溝26a及び第2規制溝26bは、内部ロータ20の軸方向に隣接して並んで形成されていると共に、両規制溝26a、26bの隣接するそれぞれの端部が周方向に重合する重合領域26cを有している。これにより、ロック機構が配置される突部32の周方向の幅を小さくすることができ、隣り合う突部32間の流体圧室R0の周方向幅を拡大でき、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転角度を大きくすることができる。また、重合領域26cは、一端が第1規制溝26aの遅角側端面26dから成り、他端が第2規制溝26bの進角側端面26eから成る。これにより、重合領域26cの遅角側端面26dと進角側端面26eを一方向からの焼結成形または切削等の加工により形成することができ、遅角側端面26dと進角側端面26eの周方向の位置精度を別々に確保するのに対して一度に確保することができ、精度向上をはかることができる。また、一方向からの成形又は加工となり工程を簡略できコストを低減することができる。
外部ロータ30は、内部ロータ20の外周に所定範囲で相対回転可能に組付けられていて、その両側にはフロントプレート40とリアプレート50が接合され、5本の連結ボルト92によって一体的に連結されている。また、外部ロータ30の内周には周方向に所定の間隔で4つの突部32が径方向内方に向けてそれぞれ突出形成されていて、これら突部32の内周面が内部ロータ20の外周面に摺接し、外部ロータ30が内部ロータ20に回転自在に支持されている。突部32の1つには、第1相対回転規制機構B1と第2相対回転規制機構B2とから構成されるロック機構が設けられている。
第1相対回転規制機構B1及び第2相対回転規制機構B2は、油圧制御弁100のロックポート108から、接続通路16、環状の通路13b、径方向の通孔13a、軸方向の通路13及び径方向の通孔25を介して作動油が供給される。各相対回転規制機構B1、B2は、第1規制溝26a及び第2規制溝26bへの作動油の供給によりアンロック作動して外部ロータ30と内部ロータ20の相対回転を許容し、第1規制溝26a及び第2規制溝26bからの作動油の排出によりロック作動して外部ロータ30と内部ロータ20の相対回転を図2に示すように前記始動位置にてロックする。また、各相対回転規制機構B1、B2は、それぞれ第1、第2ロックプレート61、63とロックスプリング62、64を備えている。接続通路16、環状の通路13b、径方向の通孔13a、軸方向の通路13及び径方向の通孔25は各相対回転規制機構B1、B2に流体を給排する通路を構成する。
第1、第2ロックプレート61、63は、外部ロータ30に設けられた径方向の退避溝31aを共有するように互いに隣り合って配置され、径方向に摺動可能に組付けられている。これにより、第1、第2ロックプレート61、63をそれぞれ別の退避溝に配置しないため、1つの退避溝31aの精度でロック時における第1、第2ロックプレート61、63の位置精度を確保することができ、内部ロータ20と外部ロータ30との相対回転を最大進角位置と最大遅角位置の中間の所定位置に容易に且つ確実にロックできる。また、退避溝31aを単一とすることで加工部位を減らすことができコストを低減することができる。
また、第1、第2ロックプレート61、63は、収容部31bに収容したロックスプリング62、64によって退避孔31aから突出するように付勢されている。
また、第1、第2ロックプレート61、63は、先端部(内径側端部)が内部ロータ20に設けた第1規制溝26a及び第2規制溝26bに摺動可能で抜き差し可能(嵌合・離脱可能)であり、第1規制溝26a及び第2規制溝26bに作動油が供給されることによりロックスプリング62、64の付勢力に抗して径外方向へ移動して退避孔31aに退避収容されるようになっている。また、第1、第2ロックプレート61、63の先端は内部ロータ20の周面に当接可能であり、当接状態では内部ロータ20は回転可能である。
第1規制溝26aは、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転位相が内燃機関の始動時の相対回転位相である始動位置と最大遅角位置との間にあるときロックプレート61に対向するように形成されている。第2規制溝26bは、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転位相が始動位置と最大進角位置との間にあるときロックプレート63に対向するように形成されている。これにより、図3に示すように、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転位相が始動位置から最大遅角位置との間にある時、ロックプレート61の頭部が第1規制溝26a内に嵌入し、始動位置から遅角側への内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転が許容されると共に、始動位置から進角側への内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転が規制される。この時、ロックプレート63の頭部は内部ロータ20の周面に当接する。また、図4に示すように、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転位相が始動位置から最大進角位置との間にある時、ロックプレート63の頭部が第2規制溝26bに嵌入し、始動位置から進角側への内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転が許容されると共に、始動位置から遅角側への内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転が規制される。この時、ロックプレート61の頭部は内部ロータ20の周面に当接する。尚、図2及び図8に示すように、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転位相が前記始動位置にあると共に、第1規制溝26a及び第2規制溝26bから作動油が排出されている時には、ロックプレート61が第1規制溝26aに嵌入すると共に、ロックプレート63が第2規制溝26bに嵌入して、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転位相が始動位置にロックされる。
各ベーン70は、先端の断面形状が円弧形状であり、両プレート40、50間にて内部ロータ20のベーン溝21に径方向に移動可能に取り付けられている。各ベーン70は、外部ロータ30と、外部ロータ30の各突部32と、内部ロータ20と、フロントプレート40と、リアプレート50との間に形成される流体圧室R0を進角用室R1と遅角用室R2とに二分している。また、1つのベーン70Aが、外部ロータ30の突部32の周方向端面32Aに当接することにより、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転の遅角側範囲を規定し、1つのベーン70Bが、外部ロータ30の突部32の周方向端面32Bに当接することにより、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転の進角側範囲を規定している。
トーションスプリング60は、内部ロータ20と外部ロータ30との間に介装されて、外部ロータ30に対して内部ロータ20を進角側に付勢している。トーションスプリング60の付勢力は、内燃機関の運転中、カムシャフト10に作用する変動トルクの平均値(カムシャフト10を遅角側へ回転させるように作用する平均トルク)相当となるように設定されている。トーションスプリング60は、フロントプレート40の環状溝41と、該環状溝41に連続するように内部ロータ20に形成される環状溝27内に収容されて、一端を環状溝41の底部に係止されると共に、他端を環状溝27の底部に係止されている。
また、本実施形態においては、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転位相が内燃機関の始動時に対応する始動位置にあるときに、図示しない吸気弁の開閉時期が内燃機関の始動が可能な時期になるように設定されている。
上記のように構成した本実施形態の弁開閉時期制御装置1の作用について説明する。
内燃機関が停止しているとき、制御弁100は非通電の状態にあり、接続ポート101、102及び108が排出ポート107に連通し、進角通路11、遅角通路12及びロック通路13から作動油が排出されている。この時、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転位相が、図3に示すように、始動時対応位置よりも遅角側にある場合には、第1ロックプレート61の頭部のみが第1規制溝26aに嵌合し、第2ロックプレートの頭部は第2規制溝26bに嵌入せず内部ロータ2の外周面に当接している。したがって、内部ロータ20と外部ロータ30との相対回転が、始動位置と最大遅角位置との間のみに規制された状態にある。この状態にて、内燃機関の始動の際に図示しないクランクシャフトが回転駆動されると、カムシャフト10に作用する変動トルクにより内部ロータ20は外部ロータ30に対して始動位置と最大遅角位置との間でのみ相対回転し、内部ロータ20と外部ロータ30との相対回転位相が始動位置になった時に、スプリング64の付勢力により第2ロックプレート63の頭部が第2規制溝26bに嵌入される。これにより、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転がロックされる。
一方、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転位相が、図4に示すように、始動時対応位置よりも進角側にある場合には、第2ロックプレート63の頭部のみが第2規制溝26bに嵌入し、第1ロックプレート61の頭部は第1規制溝26aに嵌入せず内部ロータ2の外周面に当接している。したがって、内部ロータ20と外部ロータ30との相対回転が、始動位置と最大進角位置との間のみに規制された状態にある。この状態にて、内燃機関の始動の際に図示しないクランクシャフトが回転駆動されると、カムシャフト10に作用する変動トルクにより内部ロータ20は外部ロータ30に対して始動位置と最大進角位置との間でのみ相対回転し、内部ロータ20と外部ロータ30との相対回転位相が始動位置になった時に、スプリング63の付勢力により第1ロックプレート61の頭部が第1規制溝26aに嵌入される。これにより、内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転がロックされる。
これにより、内燃機関の始動時には、大きな回転変動を伴うカムシャフト10、内部ロータ20及び各ベーン70等から成る回転部材と、外部ロータ30、フロントプレート40及びリアプレート50等から成る回転伝達部材の不必要な相対回転が確実にロックされ、回転部材と回転伝達部材の不必要な相対回転に伴うベーン70による打音の発生を防止することができる。
内燃機関の始動後は、内燃機関によりオイルポンプ110が駆動される。また、内燃機関の始動後は、制御弁100に通電され、供給ポート106aが接続ポート101に連通し、オイルパン120からオイルポンプ110及び、接続通路14、環状溝11b、径方向の通路11a、進角通路11、通路23を介して進角油室R1に、作動油が供給される。また、制御弁100が制御され、供給ポート106aが接続ポート102に連通し、接続通路15、環状溝12b、径方向の通路12a、遅角通路12及び通路24を介して遅角油室R2に作動油が供給される。これにより、進角油室R1及び遅角油室R2に作動油が満たされ、内部ロータ20と外部ロータ30との相対回転位相が始動位置に進角油室R1及び遅角油室R2の作動油圧力により保持される。次に、制御弁100が制御され、供給ポート106Bが接続ポート108に連通し、接続通路16、環状溝13b、径方向の通路13a、ロック通路13及び通路25を介して第1規制溝26a及び第2規制溝26bに作動油が供給される。これにより、図9に示すように、第1ロックプレート61の頭部が第1規制溝26aから離脱し第1ロックプレート61が退避孔31aに収容されると共に、第2ロックプレート63の頭部が第2規制溝26bから離脱し第2ロックプレート63が退避孔31aに収容され、内部ロータ20と外部ロータ30との相対回転が可能となる。
次に、弁開閉時期制御装置1の進角操作が必要になった場合は、制御弁100の通電量(ソレノイド103へ供給される電流のデューティ比)を変化させることにより、進角油室R1ヘ作動油を供給し、遅角油室R2から作動油を排出すると共に、第1規制溝26a及び第2規制溝26bに作動油を供給し第1相対回転規制機構B1及び第2相対回転規制機構B2を解除状態にして、内部ロータ20と外部ロータ30との相対回転位相を進角側に変化することができる。また、弁開閉時期制御装置1の遅角操作が必要になった場合は、制御弁100の通電量を変化させることにより、遅角油室R2ヘ作動油を供給及し、進角油室R1から作動油を排出すると共に、第1規制溝26a及び第2規制溝26bに作動油を供給し第1相対回転規制機構B1及び第2相対回転規制機構B2を解除状態にして、内部ロータ20と外部ロータ30との相対回転位相を遅角側に変化することができる。
尚、制御弁100の制御方法は上述した実施例に限定されない。
本発明の実施の形態を示す弁開閉時期制御装置1の縦断面図である。 弁開閉時期制御装置1が始動位置にある図1のA−A線から見た装置の断面図である。 弁開閉時期制御装置1が遅角側にある図1のA−A線から見た装置の断面図である。 弁開閉時期制御装置1が進角側にある図1のA−A線から見た装置の断面図である。 内部ロータに形成された第1規制溝26a及び第2規制溝26bを径外方から見た概略図である。 図3のB−B線から見た第1相対回転規制機構B1及び第2相対回転規制機構B2の概略図である。 図4のC−C線から見た第1相対回転規制機構B1及び第2相対回転規制機構B2の概略図である。 図2のD−D線から見た第1相対回転規制機構B1及び第2相対回転規制機構B2がロックされた状態を示す概略図である。 図2のD−D線から見た第1相対回転規制機構B1及び第2相対回転規制機構B2が解除された状態を示す概略図である。
符号の説明
1・・・弁開閉時期制御装置
2・・・ロータ部材
3・・・ハウジング部材
10・・・カムシャフト(ロータ部材)
20・・・内部ロータ(ロータ部材)
26a・・・第1規制溝
26b・・・第2規制溝
30・・・外部ロータ(ハウジング部材)
40・・・フロントプレート(ハウジング部材)
50・・・リアプレート(ハウジング部材)
61・・・第1ロックプレート(第1ロック部材)
63・・・第2ロックプレート(第2ロック部材)
70・・・ベーン(ベーン部)
B1・・・第1相対回転規制機構
B2・・・第2相対回転規制機構
R0・・・流体圧室
R1・・・進角油室
R2・・・遅角油室

Claims (2)

  1. 内燃機関のクランクシャフト又はカムシャフトと一体的に回転するハウジング部材と、
    前記ハウジング部材の突部の内周面に相対回転可能に組付けられ、前記ハウジング部材との間に画成される流体圧室を進角油室と遅角油室に分割するベーン部が設けられるロータ部材と、
    前記ロータ部材に形成され、前記ハウジング部材の突部に進退可能に配置される第1ロック部材が嵌入することで、前記ロータ部材と前記ハウジング部材の相対回転を最大進角位置と最大遅角位置の中間の所定位置から遅角側への所定量の相対回転を許容すると共に、前記所定位置から進角側への相対回転を規制する第1規制溝を有する第1相対回転規制機構と、前記ロータ部材に形成され、前記ハウジング部材の突部に進退可能に配置される第2ロック部材が嵌入することで、前記ロータ部材と前記ハウジング部材の相対回転を前記所定位置から進角側への所定量の相対回転を許容すると共に、前記所定位置から遅角側への相対回転を規制する第2規制溝を有する第2相対回転規制機構とからなり、前記所定位置で前記第1ロック部材及び第2ロック部材がそれぞれ前記第1規制溝及び前記第2規制溝に嵌入し、前記ロータ部材と前記ハウジング部材の相対回転をロックするロック機構とから構成される弁開閉時期制御装置において、
    前記第1ロック部材及び第2ロック部材は前記ハウジング部材に形成される退避溝を共有することを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  2. 前記第1規制溝と前期第2規制溝は周方向に重合領域を有し、前記重合領域の一端は前記第1ロック部材が当接し前記ロータ部材と前記ハウジング部材の相対回転を前記所定位置から遅角側への相対回転を規制する前記第1規制溝の遅角側端面からなり、前記重合領域の他端は前記第2ロック部材が当接し前記ロータ部材と前記ハウジング部材の相対回転を前記所定位置から進角側への相対回転を規制する前記第2規制溝の進角側端面からなることを特徴とする請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
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