JP6015136B2 - 弁開閉時期制御装置及び内燃機関制御システム - Google Patents

弁開閉時期制御装置及び内燃機関制御システム Download PDF

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Description

本発明は、弁開閉時期制御装置及び内燃機関制御システムに関し、詳しくは、内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転部材と、駆動側回転部材と同軸上に配置され内燃機関の弁開閉用のカムシャフトと一体回転する従動側回転部材とを2種の回転位相で規制する機構を備えている構成の改良に関する。
上記の弁開閉時期制御装置として特許文献1には、駆動回転体としてのハウジングの内部に、従動回転体としての内部ロータを備え、これらを進角室に相対移動させる遅角室と、これら遅角方向に相対移動させる進角室とが示されている。この構成では、進角室と遅角室との一方を選択して作動油を供給することでハウジングと内部ロータとの相対回転位相を遅角位相方向又は遅角位相方向に変位させる相対回転用OCVが示されている。
この特許文献1では、ハウジング側に第一規制部材と第二規制部材とを出退自在に備え、第一規制部材が嵌り込む第一規制溝と、第二規制部材が嵌り込む第二規制溝とを内部ロータに形成している。第一規制部材と第二規制部材とはスプリングにより突出付勢され、内部ロータには第一規制部材に対して抜き出す方向に作動油の圧力を作用させる第一連通路と、第二規制部材に対して抜き出す方向に作動油の圧力を作用させる第二連通路とが形成されている。
この構成では、第一規制部材が第一規制溝に嵌り込むと同時に第二規制部材が第二規制溝に嵌り込む状態が中間ロック位相であり、第二規制部材を第二規制溝から抜き出した状態で第一規制部材が第一規制溝の遅角側の端部に当接する状態が遅角側規制位相である。
この特許文献1に示される弁開閉時期制御装置では、第一規制部材と第二規制部材とに個別に作動油を供給して、各々が対応する第一規制溝又は第二規制溝から抜き出す作動を行わせるための規制部用OCV(規制部用流体制御機構)を備えている。
特開2011‐1852号公報
特許文献1にも記載されるように、エンジン(内燃機関)の始動時には相対回転位相を中間ロック位相に拘束し、エンジンの始動の後には、良好な加速を得るために相対回転位相を遅角側に変位させ、相対回転位相を中間ロック位相より遅角側の遅角側規制位相で規制することが行われている。
特許文献1に記載されるように2つの規制部材を備え、この2つの規制部材を抜き出す方向に作動させるために2つの連通路を備える構成では、2つの連通路を必要とし、2つの連通路に対して選択的に作動油を供給する制御弁(流体制御機構)を必要とするため、構成が複雑になり制御機構として3位置切換型の構成を用いる等、コスト上昇を招くものであった。
本発明の目的は、中間ロック位相で内燃機関を始動した後に、中間ロック位相より遅角側の相対回転位相に規制可能な弁開閉時期制御装置を低廉に構成する点にある。
本発明の特徴は、内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転部材と、前記駆動側回転部材と同軸上に配置され前記内燃機関の弁開閉用のカムシャフトと一体回転する従動側回転部材とを備え、流体の供給により前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との相対回転位相を遅角方向に変位させる遅角室と、流体の供給により前記相対回転位相を進角方向に変位させる進角室とが形成され、前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との何れか一方の回転部材から他方の回転部材に向けて突出付勢される第1出退部材と第2出退部材とを備え、前記第1出退部材が突出状態で嵌り込む第1凹部と、前記第2出退部材が突出状態で嵌り込む第2凹部とを他方の回転部材に形成し、相対回転位相が前記進角方向の作動端となる最進角と前記遅角方向の作動端となる最遅角との間の所定位相となる中間ロック位相と、相対回転位相が前記中間ロック位相より遅角方向となる遅角側ロック位相とが設定され、前記第1出退部材が前記第1凹部に嵌り込むと同時に前記第2出退部材が前記第2凹部に嵌り込むことにより相対回転位相を前記中間ロック位相に拘束する拘束機構を有し、前記第2出退部材が前記第2凹部に嵌り込んだ状態で、相対回転位相の遅角方向への変位を許容するように前記第2凹部が溝状に形成され、この遅角方向への相対回転位相の変位で前記第2出退部材が前記第2凹部の端部に当接することにより相対回転位相を前記遅角側ロック位相に規制する規制機構を有し、前記第1出退部材を前記第1凹部から抜き出す方向に流体を供給する第1解除流路と、前記第2出退部材を前記第2凹部から抜き出す方向に流体を供給する第2解除流路とが、単一の主解除流路から流体が供給されるように構成され、前記第2解除流路から前記第2出退部材に供給される流体の流れを抑制する遅延部が備えられている点にある。
この構成によると、拘束機構により中間ロック位相に拘束した状態から相対回転位相を遅角側ロック位相に変位させる場合には、遅角室に流体を供給する状態で、主解除流路に流体を供給する。この供給により主解除流路から第1解除流路に送られる流体の圧力で第1出退部材は第1凹部から抜き出される。また、主解除油路に流体が供給された場合には、この主解除油路から第2解除流路に送られる流体の流れが遅延部によって抑制されるため第2出退部材の抜き出し方向への作動は遅れ、第1出退部材が第1凹部から抜き出したタイミングにおいて、第2出退部材を第2凹部に嵌り込む状態に維持することが可能となる。
このような理由から、設定時間だけ主解除流路に流体を供給することにより、第1出退部材を第1凹部から抜き出し、相対回転位相が遅角方向に変位を開始した後にも第2出退部材を第2凹部に嵌り込む状態に維持できる。そして、相対回転位相が遅角方向に変位することにより第2出退部材を第2凹部の遅角側の端部に当接させ規制機構により遅角側ロック位相に規制することが可能となる。
このような作動を実現するためには、第1解除流路と第2解除流路に供給する流体を独立して制御する流路を形成しなくて済むため構成が単純化し、この流体を制御する弁体も2位置切換型で済む。
従って、中間ロック位相で内燃機関を始動した後に、中間ロック位相より遅角側の相対回転位相に規制可能な弁開閉時期制御装置が低廉に構成された。
本発明は、前記第2解除流路の流路断面積を、前記第1解除流路の流路断面積より小さく設定することにより前記遅延部が構成されても良い。
これによると、第2解除流路の流路断面積の設定により遅延部を構成するため、特別な部品等を用いないで済み、組み立てが容易となり低廉化も実現する。
本発明は、流体が供給された際に第解除流路に流れる流体の量を制限する位置に移動し、流体を送り出す際には第解除流路に流れる流体を制限しない位置に移動する流量制
御体を備えて前記遅延部が構成されても良い。
これによると、流体が供給される際には流量制御体が流体の流れを制限するため第2出退部材の作動を抑制し、流体を排出する際には制限されずに流体を流し出すため第2規制体を迅速に突出作動させることも可能となる。
本発明は、請求項1に記載の弁開閉時期制御装置の進角室と遅角室との一方を選択して流体を供給する位相制御弁と、主解除流路に流体を供給する解除制御弁とを備え、前記位相制御弁と前記解除制御弁とを制御する制御ユニットを備え、前記制御ユニットは、相対回転位相が中間ロック位相にある状態で内燃機関の始動が行われた場合には、前記位相制御弁の制御により前記遅角室に流体を供給すると共に、前記解除制御弁を制御して設定時間だけ前記主解除流路に流体を供給する制御を行っても良い。
これによると、例えば、相対回転位相が中立ロック位相にある状態で内燃機関を始動させ、この始動の後に相対回転位相を遅角側ロック位相まで変位させる場合には、位相制御弁を制御して遅角室に流体を供給すると共に、制御解除弁を制御して設定時間だけ主解除流路に流体を供給する。この制御により、第1出退部材を第1凹部から抜き出し、相対回転位相が遅角側に変位を開始した後に第2出退部材を第2凹部に嵌り込む状態に維持する。この後に、相対回転位相が遅角側に変位することにより第2出退部材を第2凹部の遅角側の端部に当接させ規制機構により遅角側ロック位相に規制することも可能となる。
本発明の特徴は、内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転部材と、前記駆動側回転部材と同軸上に配置され前記内燃機関の弁開閉用のカムシャフトと一体回転する従動側回転部材とを備え、流体の供給により前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との相対回転位相を遅角方向に変位させる遅角室と、流体の供給により前記相対回転位相を進角方向に変位させる進角室とが形成され、前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との何れか一方の回転部材から他方の回転部材に向けて突出付勢される第1出退部材と第2出退部材とを備え、前記第1出退部材が突出状態で嵌り込む第1凹部と、前記第2出退部材が突出状態で嵌り込む第2凹部とを他方の回転部材に形成し、前記第1出退部材を前記第1凹部から抜き出す方向に流体を供給する第1解除流路と、前記第2出退部材を前記第2凹部から抜き出す方向に流体を供給する第2解除流路とが、単一の主解除流路から供給されるように構成され、前記主解除流路から前記第1出退部材及び前記第2出退部材に流体が供給される際に、前記第1出退部材に流体が供給開始されるタイミングと前記第2出退部材に流体が供給開始されるタイミングとが異なるように、前記第1解除流路または前記第2解除流路に流体の流れを抑制する遅延部が備えられている点にある。
この構成によると、遅延部が備えられているため、単一の主解除流路から第1出退部材と第2出退部材とに対して同時に流体を供給しても第1出退部材と第2出退部材とに流体が供給されるタイミングを異ならせることができる。従って、流体の供給源や流体の供給を制御する部材が1つであったとしても、第1出退部材と第2出退部材との双方が、それぞれ第1凹部と第2凹部とに嵌り込む状態と、第1出退部材又は第2出退部材の一方が第1凹部又は第2凹部に嵌り込む状態とを作り出すことができる。
内燃機関制御システムの構成を示す図である。 図1のII−II線断面図である。 弁開閉時期制御装置の遅角側ロック位相における断面図である。 弁開閉時期制御装置の最遅角ロック位相における断面図である。 オリフィス部の構成を示す断面図である。 図5のVI−VI線断面図である。 中間ロック位相における規制機構の断面と油路系を示す図である。 中間ロック位相から遅角側ロック位相へ回転位相が変化する際の規制機構の断面と油路系を示す図である。 遅角側ロック位相に達した状態の規制機構の断面と油路系を示す図である。 遅角側ロック位相から最遅角ロック位相へ回転位相が変化する際の規制機構の断面と油路系を模式的に示す図である。 最遅角ロック位相に達した状態の規制機構の断面と油路系を示す図である。 別実施形態(a)のオリフィス部の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1及び図2に示すように、内燃機関としてのエンジンEの吸気バルブ1Vの開閉時期を設定する弁開閉時期制御装置10と、エンジンEとを制御するエンジン制御ユニット40を備えて内燃機関制御システムが構成されている。
エンジンEは乗用車等の車両に備えられるものであり、本発明の内燃機関制御システムは、信号待ち等で停車時した際には、このエンジン制御ユニット40がエンジンEを停止させるアイドルストップ制御を実現する。尚、この内燃機関制御システムは、ハイブリッド型の車両のようにエンジンEの停止と始動とが頻繁に行われる車両において、弁開閉時期制御装置10とエンジンEとを制御にも適用できる。
エンジンEには、クランクシャフト1に駆動回転力を伝えるスタータモータMと、燃料の噴射を制御する燃料制御装置5と、点火プラグ(図示せず)による点火を制御する点火制御装置6と、クランクシャフト1の回転角と回転速度とを検出するシャフトセンサ1Sを備えている。弁開閉時期制御装置10には外部ロータ11と内部ロータ12との相対回転位相を検出する位相検出センサ46が備えられている。
エンジン制御ユニット40は、エンジンEを管理するECUとして構成され、このエンジン制御ユニット40は、ソフトウエアで成る機関制御部41と、ソフトウエアで成る位相制御部42とを備えている。機関制御部41はエンジンEの自動始動、自動停止等を行い、位相制御部42は弁開閉時期制御装置10の相対回転位相とロック機構とを制御する。このエンジン制御ユニット40に関連する制御構成と制御形態とは後述する。
〔弁開閉時期制御装置〕
図1〜図4に示すように、弁開閉時期制御装置10は、エンジンEのクランクシャフト1と同期回転する駆動側回転部材としての外部ロータ11と、エンジンEの燃焼室の吸気バルブ1Vを開閉するカムシャフト3に連結ボルト13により連結する従動側回転部材としての内部ロータ12とを備えている。内部ロータ12は、カムシャフト3の軸芯Xと同軸芯に配置され、この内部ロータ12と外部ロータ11とは軸芯Xを中心にして相対回転自在に構成されている。
外部ロータ11と内部ロータ12とは軸芯Xと同軸芯上に配置され、これらはフロントプレート14とリヤプレート15とに挟み込まれる状態で締結ボルト16により締結されている。外部ロータ11に連結するリヤプレート15の外周にはタイミングスプロケット15Sが形成されている。内部ロータ12の中心部位がリヤプレート15の中央部に形成された開口を貫通する状態で配置され、この内部ロータ12の後端位置に吸気側のカムシャフト3が連結する。
外部ロータ11には軸芯Xの方向(内方)に向けて突出する複数の突出部11Tを一体的に形成することにより回転方向で隣接する突出部11Tの間に流体圧室Cが形成されている。内部ロータ12は複数の突出部11Tの突出端に密接する外周を有する円柱状に形成されると共に、流体圧室Cに嵌め込まれる複数のベーン17を備えている。このベーン17は流体圧室Cを回転方向で2つの空間に仕切る位置に配置され、これにより流体圧室Cは進角室Caと遅角室Cbとに分割される。
外部ロータ11と内部ロータ12との相対回転位相(以下、相対回転位相と称する)が最遅角にある状態から相対回転位相を中間ロック位相P1に達するまで付勢力を作用させるトーションスプリング18が備えられている。尚、トーションスプリング18の付勢力が作用する範囲は、中間ロック位相P1を超えるものでも良く、中間ロック位相P1に達しないものであっても良い。
この弁開閉時期制御装置10は、エンジンEのクランクシャフト1に設けた出力スプロケット7と、外部ロータ11のタイミングスプロケット15Sとに亘ってタイミングチェーン8を巻回することで外部ロータ11がクランクシャフト1と同期回転する。図面には示していないが、排気側のカムシャフト3の前端にも弁開閉時期制御装置10と同様の構成の装置を備えており、この装置に対してもタイミングチェーン8から回転力が伝えられる。
弁開閉時期制御装置10は、クランクシャフト1からの駆動力により外部ロータ11が駆動回転方向Sに向けて回転する。また、外部ロータ11に対して内部ロータ12が駆動回転方向Sと同方向へ回転する方向を進角方向Saと称し、この逆方向への回転方向を遅角方向Sbと称している。この弁開閉時期制御装置10では、相対回転位相が進角方向Saに変位する際に変位量の増大に伴い吸気圧縮比を高め、相対回転位相が遅角方向Sbに変位する際に変位量の増大に伴い吸気圧縮比を低減するようにクランクシャフト1とカムシャフト3との関係が設定されている。
ベーン17で仕切られた流体圧室Cのうち、流体としての作動油が供給されることで相対回転位相を進角方向Saに変位させる空間が進角室Caであり、これとは逆に、流体としての作動油が供給されることで相対回転位相を遅角方向Sbに変位させる空間が遅角室Cbである。ベーン17が進角方向の移動端(軸芯Xを中心にした揺動端)に達した状態での相対回転位相を最進角と称し、ベーン17が遅角側の移動端(軸芯Xを中心にした揺動端)に達した状態での相対回転位相を最遅角と称している。尚、最進角は、ベーン17の進角方向の移動端だけはなく、この近傍を含む概念である。これと同様に最遅角はベーン17の遅角方向での移動端だけではなく、この近傍を含む概念である。
内部ロータ12には進角室Caに連通する進角制御油路21と、遅角室Cbに連通する遅角制御油路22と、後述する3つのロック機構にロック解除方向へ作動油を供給する主解除油路23(主解除流路の一例)とが形成されている。この弁開閉時期制御装置10では、エンジンEのオイルパンに貯留される潤滑油を作動油として用いており、この作動油が進角室Ca又は遅角室Cbに供給される。
〔弁開閉時期制御装置:ロック機構〕
この弁開閉時期制御装置10は、図2〜図4に示すように、中間ロック機構L1(拘束機構の一例)と、遅角側ロック機構L2(規制機構の一例)と、最遅角ロック機構L3との3つのロック機構を備えている。中間ロック機構L1(拘束機構の一例)は、外部ロータ11と内部ロータ12との相対回転位相を図2に示す中間ロック位相P1にロックする(拘束する)。遅角側ロック機構L2は、相対回転位相を中間ロック位相P1より遅角方向Sbで図3に示す遅角側ロック位相P2にロックする(規制する)。最遅角ロック機構L3は、相対回転位相を図4に示す最遅角に対応する最遅角ロック位相P3にロックする(拘束する)。
中間ロック位相P1は、相対回転位相が進角方向Saの作動端となる最進角と前記遅角方向Sbの作動端となる最遅角との間の所定位相に設定され、低温状態のエンジンEの始動を良好に行う相対回転位相である。遅角側ロック位相P2は、エンジンEの始動後のアイドリング時にHC排出量を低減できる相対回転位相である。最遅角ロック位相P3は、高温状態で停止しているエンジンE(停止から時間が経過していない状態のエンジンE)を低トルクでクランキングする相対回転位相である。
中間ロック機構L1と遅角側ロック機構L2と最遅角ロック機構L3とは、第1出退部材31と、第2出退部材32と、第1凹部35と、第2凹部36と、第3凹部37との組み合わせにより構成される。
第1出退部材31と第2出退部材32とは、プレート状の部材で構成され、軸芯Xと直交する姿勢で、突出端が軸芯Xに向けて接近・離間できるように外部ロータ11に対し出退自在に支持されている。第1出退部材31は第1スプリング31Sにより内部ロータ12の方向に突出付勢され、第2出退部材32は第2スプリング32Sにより内部ロータ12の方向に突出付勢されている。
第1凹部35は、内部ロータ12の周方向に沿って溝状に形成されている。これと同様に第2凹部36は、内部ロータ12の周方向に沿って溝状に形成されているが、第1凹部35と比較して浅い溝状に形成され、進角方向の端部に第2出退部材32が嵌り込む嵌合孔部36Aが形成されている。第3凹部37は第1出退部材31が嵌り込む孔状に形成されている。
中間ロック位相P1では、第1凹部35に嵌り込んだ第1出退部材31が第1凹部35の内面の進角方向Saの端部に当接すると共に、第2凹部36に嵌り込んだ第2出退部材32が第2凹部36の内面の遅角方向Sbの端部に当接する。
このように相対回転位相を中間ロック位相P1に拘束する第1出退部材31と第1凹部35と第2出退部材32と第2凹部36とで本発明の中間ロック機構L1(拘束機構の具体例)が構成されている。
また、相対回転位相が中間ロック位相P1にある状態で、第1出退部材31を第1凹部35から抜き出した後に、相対回転位相を遅角方向Sbに変位させて第2出退部材32が第2凹部36の内面の進角方向の端部に当接する状態で嵌合孔部36Aに嵌合する相対回転位相が遅角側ロック位相P2である。
このように相対回転位相を遅角側ロック位相P2に規制する第2出退部材32と第2凹部36とで本発明の遅角側ロック機構L2(規制機構の具体例)が構成される。
尚、この遅角側ロック位相P2では、第2出退部材32が第2凹部36の嵌合孔部36Aに嵌り込む構成は必須ではなく、嵌合孔部36Aを備えずに遅角側ロック機構L2を構成しても良い。このように嵌合孔部36Aを備えない構成では、遅角側ロック位相P2において、第2凹部36の遅角方向Sbの壁面に第2出退部材32が当接する構成となる。
更に、遅角側ロック位相P2にある状態で、第2出退部材32を第2凹部36から抜き出し、相対回転位相を更に遅角方向Sbに変位させて第1出退部材31が第3凹部37に嵌り込む回転位相が最遅角ロック位相P3である。
〔弁開閉時期制御装置:油路構成〕
主解除油路23(主解除流路の一例)の作動油を第1凹部35に供給する第1解除油路23A(第1解除流路の一例)と、主解除油路23の作動油を第2凹部36に供給する第2解除油路23B(第2解除流路の一例)と、主解除油路23の作動油を第3凹部37に供給する第3解除油路23Cとが内部ロータ12に形成されている。
特に、主解除油路23から第2解除油路23Bを介して第2出退部材32に供給される作動油の流れを抑制するように、この油路系に遅延部としてのオリフィス部Rが備えられている。前述したように第2凹部36には嵌合孔部36Aが形成され、この嵌合孔部36Aの内端側(回転軸芯側)に接続する第2解除油路23Bにオリフィス部Rが接続している。
オリフィス部Rは、図5、図6に示すように、第2解除油路23Bの内部に移動自在に収容されたボール26(流制御体の一例)と、このボール26が当接するホーン状の当接面27Sを有し第2解除油路23Bに嵌め込まれるリング状のシート27と、当接面27Sからボール26を離間させる付勢力を与えるようにシート27とボール26との間に介装されるスプリング28とを備え、この第2解除油路23Bには、当接面27Sにボール26が当接した場合にも作動油の流れを許すようにシート27の内周には溝部27Aが形成されている。また、この溝部27Aにおける流路断面積を第1解除油路23Aの流路断面積より小さくすることにより第2解除油路23Bに流れる作動油に対して、第1解除油路23Aより高い流路抵抗を設定している。
この構成により、オリフィス部Rは、主解除油路23から第2出退部材32に作動油が供給される場合には作動油の圧力によりボール26が当接面27Sに当接することで溝部27Aにのみ作動油を流す状態に切り換えて(流路面積を小さくして)作動油の流れを抑制し、作動油を排出する場合にはボール26が当接面27Sから離間して制限することなく作動油を排出する。このオリフィス部Rは、内部ロータ12の回転時に遠心力によりボール26が当接面27Sに当接する現象をスプリング28の付勢力で阻止しており、この付勢力が作用する状態でボール26に当接してボール26の位置を決める規制ピン29を第2解除油路23Bの内部に形成している。
このオリフィス部Rを備えたことにより、中間ロック位相P1にある状態で主解除油路23に作動油を供給した場合には、第1凹部35から第1出退部材31に対して迅速に作動油を供給し、短時間のうちに第1出退部材31を第1凹部35から抜き出す。これに対して、第2凹部36に作動油が供給される際にはオリフィス部Rにおいて作動油の流れが制限されるため、第2出退部材32の作動タイミングを、第1出退部材31の作動タイミングより遅らせることが可能となる。
従って、第1出退部材31が第1凹部35から抜け出した後にも、第2出退部材32が第2凹部36に嵌り込んだ状態を維持する。これとは逆に、作動油を排出する場合にはボール26が当接面27Sから離間して制限することなく作動油を排出する。
このように第1出退部材31に対して第2出退部材32が遅延して作動する現象を利用することで、第1出退部材31の抜き出しを確実に行いながら、第2出退部材32を第2凹部36に嵌り込む状態を維持し、中間ロック位相P1から遅角側ロック位相P2への移行を確実に行えるようにしている。
尚、遅延部としてのオリフィス部Rを、ボール26に代えてポペット弁(流制御体の一例)を用いることや、ボール26やポペットが備えられた流路と並列にオリフィス用の流路を備えて構成しても良い。
〔弁開閉時期制御装置の油圧制御部〕
図1に示すように、エンジンEには、エンジンEの駆動力でオイルパンの潤滑油を吸引して作動油として送り出す油圧ポンプ20を備えている。本発明の内燃機関制御システムでは、油圧ポンプ20からの作動油を弁開閉時期制御装置10の進角室Caと遅角室Cbとの一方を選択して供給する電磁操作型の位相制御弁24と、油圧ポンプ20からの作動油を主解除油路23に供給する電磁操作型の解除制御弁25とを備えている。特に、油圧ポンプ20と、位相制御弁24と、解除制御弁25と、作動油が給排される油路とを併せて弁開閉時期制御装置10の油圧制御部が構成されている。
位相制御弁24は、制御信号により進角ポジションと遅角ポジションと中立ポジションとに操作自在な電磁弁として構成されている。つまり、進角ポジションでは、油圧ポンプ20の作動油を進角制御油路21から進角室Caに供給するとともに遅角室Cbの作動油を遅角制御油路22により排出する。遅角ポジションでは、油圧ポンプ20の作動油を遅角制御油路22から遅角室Cbに供給するとともに進角室Caの動油を進角制御油路21により排出する。中立ポジションでは、進角室Caと遅角室Cbとの何れにも作動油を供給しない。
解除制御弁25は、制御信号によりアンロックポジションとロックポジションとに操作自在な電磁弁として構成されている。つまり、アンロックポジションでは、油圧ポンプ20の作動油を主解除油路23から第1凹部35と第2凹部36と第3凹部37とに供給する。ロックポジションでは、主解除油路23から作動油を排出して第1出退部材31と第2出退部材32との嵌り込みを可能にする。
〔制御構成〕
エンジン制御ユニット40は、シャフトセンサ1Sと、イグニッションスイッチ43と、アクセルペダルセンサ44と、ブレーキペダルセンサ45と、位相検出センサ46とからの信号が入力する。このエンジン制御ユニット40は、スタータモータMを制御し、燃料制御装置5を制御し、点火制御装置6を制御する信号を出力すると共に、位相制御弁24と解除制御弁25を制御する信号を出力する。
イグニッションスイッチ43は、システムを起動させるスイッチとして構成され、ON操作によりエンジンEを始動し、OFF操作によりエンジンEを停止させる。また、ON操作された場合には、アイドルストップ制御によるエンジンEの自動停止と自動始動とが可能なシステム起動状態に達する。
アクセルペダルセンサ44は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量を検出し、ブレーキペダルセンサ45は、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込みを検出する。
機関制御部41は、イグニッションスイッチ43の操作に基づいてエンジンEの始動と停止とを実現すると共に、エンジンEがアイドリング状態で停車した際にエンジンEを一時的に停止するアイドルストップ制御を実現する。
位相制御部42は、エンジンEの稼動時に弁開閉時期制御装置10による吸気弁のタイミング制御を行い、エンジンEが停止する際の状況に基づいて弁開閉時期制御装置10の相対回転位相を設定し、ロック機構によるロック状態に移行を実現する。
〔制御形態:アイドルストップ制御〕
アイドルストップ制御は、ブレーキペダルを踏み込んで停車した際に(アクセルペダルが操作されない状態で)、エンジンEを一時的に停止し、ブレーキペダルの踏み操作が解除された際にエンジンEを始動するように制御形態が設定されている。これにより無駄な燃料消費を抑制して燃費が向上する。
アイドルストップ制御によりエンジンEを停止させる場合には、解除制御弁25をアンロックポジションに操作保持することで、図10に示すように、第1出退部材31と第2出退部材32との何れも内部ロータ12の外周面から僅かに浮かせた状態で、位相制御弁24を操作して遅角室Cbに作動油を供給することで相対回転位相を遅角方向Sbに変位させる。これにより相対回転位相が最遅角の近傍に達した場合には解除制御弁25をロックポジションに操作することにより第1出退部材31を嵌り込み可能な状態にしておき、相対回転位相が最遅角に達した時点で、図4、図11に示すように、第1出退部材31の第3凹部37に嵌り込む状態に移行する。このように相対回転位相が最遅角ロック位相P3に達した時点で最遅角ロック機構L3によるロック状態に達し、機関制御部41は、燃料制御装置5により燃焼室への燃料供給を停止すると共に点火制御装置6による点火を停止してエンジンEを停止させる。
このアイドルストップ制御では、エンジンEが高温状態でエンジンEの始動を行えるため混合気の点火が容易である。また、相対回転位相を最遅角に設定してクランキングを行った場合には、吸気圧縮比が低いためクランクシャフト1の回転を軽負荷で円滑に行える。このような理由から、アイドルストップ制御でエンジンEを停止させる場合には、最遅角ロック機構L3により最遅角ロック位相P3でロックしており、ブレーキペダルの踏み操作が解除され、エンジンEを始動する際にはスタータモータMによるクランキングを開始する。
このクランキングによりクランクシャフト1の回転速度が設定値に達した後に、位相制御部42が解除制御弁25をアンロックポジションに操作することで第1出退部材31を第3凹部37から抜き出して最遅角ロック機構L3のロックを解除する。この制御と並行して位相制御弁24を進角ポジションに操作することで相対回転位相を進角方向Saへ移行させながら、燃料制御装置5による燃焼室への燃料供給を行い、点火制御装置6により点火プラグでの点火を行うことでエンジンEを始動させる。
〔制御形態:通常ストップ制御〕
エンジンEが稼動している状況でイグニッションスイッチ43が人為的にOFF操作された場合には、位相検出センサ46の検出結果に基づき位相制御部42が位相制御弁24を操作して、進角室Ca又は遅角室Cbに作動油を供給し、相対回転位相を図2、図7に示す中間ロック位相P1まで移行させる制御が行われる。この移行時には解除制御弁25はアンロックポジションにあり、中間ロック位相P1の近傍に達すると解除制御弁25をロックポジションに切り換え、中間ロック位相P1において中間ロック機構L1によるロック状態に達する。
尚、このロック状態では、第1出退部材31が第1スプリング31Sの付勢力により第1凹部35に嵌り込んだ状態で、第1凹部35の内面の進角方向Saの端部に当接する。また、第2出退部材32は第2スプリング32Sの付勢力により第2凹部36に嵌り込み、第2凹部36の内面の遅角方向Sbの端部に当接する。
この移行の後に、機関制御部41が燃料制御装置5により燃焼室への燃料供給を停止すると共に、点火制御装置6による点火を停止する。この中間ロック位相P1は、低温状態にあるエンジンEを良好に始動できる相対回転位相である。
〔制御形態:通常スタート制御〕
次に、エンジンEが低温にある状態でイグニッションスイッチ43が人為的にON操作された場合には、機関制御部41が、スタータモータMを回転駆動させ、燃料制御装置5による燃焼室への燃料供給を行い、点火制御装置6により点火プラグでの点火を行うことでエンジンEを始動させる。
エンジンEが始動したことを位相検出センサ46からの検出信号で判定し、このエンジンEの始動の後には、位相制御部42が、相対回転位相を遅角側ロック位相P2に変位させ、遅角側ロック機構L2によるロック状態に移行させる制御が行われる。
具体的な制御形態として、エンジンEが始動して所定の回転速度に達したことを、シャフトセンサ1S等からの検出信号に基づいてエンジン制御ユニット40が判別した場合には、位相制御部42が解除制御弁25を、設定時間だけアンロックポジションに操作する。この操作により、主解除油路23に設定時間だけ作動油が供給される。
このように設定時間だけ作動油が供給されることにより、作動油は第1解除油路23Aから直接的に第1出退部材31に作用して第1出退部材31を第1凹部35から抜き出される。これと同時に第2解除油路23Bにも作動油が供給されるが、この第2解除油路23Bから第2出退部材32との間の油路にはオリフィス部Rが形成されているため、第2出退部材32に作用する作動油の圧力上昇が抑制され、第2出退部材32の抜き出し方向への作動は遅れる。
具体的な作動形態として、第2解除油路23Bに作動油が供給された場合には、第2解除油路23Bに流れる作動油の圧力によりボール26が当接面27Sに当接するため、溝部27Aに制限された量の作動油が流れ、しかも、第2凹部36に流れる作動油も、この第2凹部36によって制限される。従って、図8に示すように、第1出退部材を第1凹部から抜き出したタイミングで、第2出退部材32を第2凹部36に嵌り込む状態に維持させることが可能となる。
また、第1出退部材31を第1凹部35から抜き出したタイミングで相対回転位相は遅角方向Sbに変位を開始する。この遅角方向Sbへの変位時には第2出退部材32が第2凹部36に嵌り込んだ状態にあるので、主解除油路23に対する作動油の供給が停止した後に第2出退部材32を第2凹部36の底部に接触する状態に復帰する。そして、相対回転位相が遅角側ロック位相P2に達すると、図3、図9に示すように、第2出退部材32が第2凹部36の嵌合孔部36Aに嵌り込み、相対回転位相が遅角側ロック位相P2にロックされる。
特に、この通常スタート制御では作動油の温度が低く、作動油の粘性が高い状況でエンジンEを始動する。このエンジンEの始動時には油圧ポンプ20から第2解除油路23Bを介して第2出退部材32に供給される作動油に対してオリフィス部Rから作用する抵抗は大きく、第2出退部材32に作用する圧力上昇も緩速で行われる。従って、主解除油路23に作動油を供給した後に、第1出退部材31の規制が解除された後に第2出退部材32の規制が解除されるまでの時間を長く設定することが可能となり、先述した設定時間を厳密に設定しなくても、第1出退部材31だけを確実に抜き出して、遅角側ロック位相P2に移行できる。
尚、この遅角側ロック位相P2では、アイドリング運転時のHC排出量を低減できる。
〔実施形態の作用・効果〕
このように本発明では、アイドルストップ制御によりエンジンEを停止する場合には、相対回転位相を最遅角ロック位相P3まで変位させ、最遅角ロック機構L3でロックする状態に移行することで、この後にエンジンEを始動する場合には低い圧縮比により軽快なクランキングを実現している。
また、運転者がイグニッションスイッチ43をOFF操作してエンジンEを停止させる場合には、相対回転位相を中間ロック位相P1まで変位させて中間ロック機構L1によるロック状態に移行する。これによりエンジンEが低温の状態でもエンジンEの始動を確実に行えるようにする。この後に、運転者がイグニッションスイッチ43をON操作した場合には、クランキングを行い、通常の制御によりエンジンEを始動させる。
このエンジンEの始動の後には、主解除油路23に対して設定時間だけ作動油を供給する制御を行うだけで、第2出退部材32を第2凹部36に嵌め込んだ状態を維持しながら、第1出退部材31を第1凹部35から抜き出す状態に移行できる。そして、遅角側ロック位相P2への移行を確実に行わせ、最遅角ロック機構L3でのロック状態に移行してアイドリング運転時のHC排出量を低減できる。
このように第1出退部材31と第2出退部材32とに対して単一の主解除油路23から作動油を供給する構成であるので、主解除油路23に作動油の供給と排出とを行う2位置切換型で、出力側のポートが単一となる解除制御弁25を使用できることになる。従って、第1出退部材31と第2出退部材32とに対して選択して作動油の給排を行うように出力側のポートが2つ備えるものと比較して解除制御弁25の構成が単純となり、この解除制御弁25と第1出退部材31と第2出退部材32とに作動油を給排するための油路も2つ形成しなくて済む。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い。
(a)図12に示すように、オリフィス部Rとして第2凹部36の流路断面積を小さくすることで、この第2凹部36の一部で第2のオリフィス部Rを構成する。つまり、第2凹部36における流路は、この第2凹部36と、この外部に位置する外部ロータ11の内面との間の空間で形成されるものであり、この第2凹部36を浅く形成することにより、流路断面積を小さくしてオリフィス部Rを構成するのである。特に、本発明では、オリフィス部Rとして、実施形態で説明したようにボール26を用いたものと、第2凹部36で構成されるオリフィス部Rとの2つでオリフィス部Rを備えても良い。
(b)実施形態では、遅延部の具体構成としてオリフィス部Rを採用していたが、この遅延部として、第2解除油路23Bから分岐する分岐油路に、アキュムレータのように、圧力上昇時に作動油の分岐油路の側に逃がす空間を備えて構成しても良い。遅延部を構成することにより、主解除油路23から第2出退部材32に作動油が供給された場合には、この作動油の流れを分岐油路の方向に逃がすことにより、第2出退部材32に作用する圧力の上昇を遅延させる形態で抑制することになり、この第2出退部材32の第2凹部36からの抜き出しを抑制できる。
(c)作動油の温度を計測する温度センサを備え、この温度センサの検出結果に基づいて、主解除油路23に作動油を供給する設定時間を調節するように制御形態を設定する。このように制御形態を設定することにより、例えば、季節により作動油の温度が異なる場合でも、第1出退部材31だけを第1凹部35から確実に抜き出す制御を実現する。
(d)相対回転位相を中間ロック位相P1から遅角側ロック位相P2に変位させる場合に、遅角側ロック位相P2を越えて最遅角の方向に変位していることを検出した場合に相対回転位相を進角方向Saに変位させる制御形態を設定する。このように制御形態を設定することにより、遅角側ロック位相P2に確実にロックする制御が可能となる。また、このように遅角側ロック位相P2にロックできない場合には、主解除油路23に作動油を供給する設定時間を短縮するように制御形態を設定しても良い。
(e)第1出退部材31と第2出退部材32とを、内部ロータ12に対して軸芯Xと平行する方向にスライド移動自在に備え、この第1出退部材31と第2出退部材32とが嵌り込む第1凹部35と第2凹部36とをフロントプレート14又はリヤプレート15に形成する。このように構成することにより、第1出退部材31と第2出退部材32とに大径の部材を用い、強固なロック状態を現出することも可能となる。
(f)第1出退部材31と第2出退部材32とを外部ロータ11に備え、これらが嵌り込む第1凹部35と第2凹部36とを内部ロータ12に備えても良い。
本発明は、弁開閉時期制御装置の相対回転位相を最遅角と最進角との中間となる中間ロック位相でロックする中間ロック機構を備え、この中間ロック位相で内燃機関を始動した後に、これより遅角側の回転位相に維持する装置に利用することができる。
1 クランクシャフト
3 カムシャフト
10 弁開閉時期制御装置
11 駆動側回転部材(外部ロータ)
12 従動側回転部材(内部ロータ)
23 主解除流路(主解除油路)
23A 第1解除流路(第1解除油路)
23B 第2解除流路(第2解除油路)
24 位相制御弁
26 流制御体(ボール)
31 第1出退部材
32 第2出退部材
35 第1凹部
36 第2凹部
40 制御ユニット
E 内燃機関(エンジン)
Ca 進角室
Cb 遅角室
Sa 進角方向
Sb 遅角方向
L1 拘束機構(中間ロック機構)
L2 規制機構(遅角側ロック機構)
P1 中間ロック位相
P2 遅角側ロック位相
R 遅延部(オリフィス部)

Claims (5)

  1. 内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転部材と、
    前記駆動側回転部材と同軸上に配置され前記内燃機関の弁開閉用のカムシャフトと一体回転する従動側回転部材とを備え、
    流体の供給により前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との相対回転位相を遅角方向に変位させる遅角室と、流体の供給により前記相対回転位相を進角方向に変位させる進角室とが形成され、
    前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との何れか一方の回転部材から他方の回転部材に向けて突出付勢される第1出退部材と第2出退部材とを備え、前記第1出退部材が突出状態で嵌り込む第1凹部と、前記第2出退部材が突出状態で嵌り込む第2凹部とを他方の回転部材に形成し、
    相対回転位相が前記進角方向の作動端となる最進角と前記遅角方向の作動端となる最遅角との間の所定位相となる中間ロック位相と、相対回転位相が前記中間ロック位相より遅角方向となる遅角側ロック位相とが設定され、
    前記第1出退部材が前記第1凹部に嵌り込むと同時に前記第2出退部材が前記第2凹部に嵌り込むことにより相対回転位相を前記中間ロック位相に拘束する拘束機構を有し、
    前記第2出退部材が前記第2凹部に嵌り込んだ状態で、相対回転位相の遅角方向への変位を許容するように前記第2凹部が溝状に形成され、この遅角方向への相対回転位相の変位で前記第2出退部材が前記第2凹部の端部に当接することにより相対回転位相を前記遅角側ロック位相に規制する規制機構を有し、
    前記第1出退部材を前記第1凹部から抜き出す方向に流体を供給する第1解除流路と、前記第2出退部材を前記第2凹部から抜き出す方向に流体を供給する第2解除流路とが、単一の主解除流路から流体が供給されるように構成され、前記第2解除流路から前記第2出退部材に供給される流体の流れを抑制する遅延部が備えられている弁開閉時期制御装置。
  2. 前記第2解除流路の流路断面積を、前記第1解除流路の流路断面積より小さく設定することにより前記遅延部が構成されている請求項1記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 流体が供給された際に第解除流路に流れる流体の量を制限する位置に移動し、流体を送り出す際には第解除流路に流れる流体を制限しない位置に移動する流量制御体を備えて前記遅延部が構成されている請求項1又は2記載の弁開閉時期制御装置。
  4. 請求項1に記載の弁開閉時期制御装置の進角室と遅角室との一方を選択して流体を供給する位相制御弁と、主解除流路に流体を供給する解除制御弁とを備え、前記位相制御弁と前記解除制御弁とを制御する制御ユニットを備え、
    前記制御ユニットは、相対回転位相が中間ロック位相にある状態で内燃機関の始動が行われた場合には、前記位相制御弁の制御により前記遅角室に流体を供給すると共に、前記解除制御弁を制御して設定時間だけ前記主解除流路に流体を供給する制御を行う内燃機関制御システム。
  5. 内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転部材と、
    前記駆動側回転部材と同軸上に配置され前記内燃機関の弁開閉用のカムシャフトと一体回転する従動側回転部材とを備え、
    流体の供給により前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との相対回転位相を遅角方向に変位させる遅角室と、流体の供給により前記相対回転位相を進角方向に変位させる進角室とが形成され、
    前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との何れか一方の回転部材から他方の回転部材に向けて突出付勢される第1出退部材と第2出退部材とを備え、前記第1出退部材が突出状態で嵌り込む第1凹部と、前記第2出退部材が突出状態で嵌り込む第2凹部とを他方の回転部材に形成し、
    前記第1出退部材を前記第1凹部から抜き出す方向に流体を供給する第1解除流路と、前記第2出退部材を前記第2凹部から抜き出す方向に流体を供給する第2解除流路とが、単一の主解除流路から供給されるように構成され、
    前記主解除流路から前記第1出退部材及び前記第2出退部材に流体が供給される際に、前記第1出退部材に流体が供給開始されるタイミングと前記第2出退部材に流体が供給開始されるタイミングとが異なるように、前記第1解除流路または前記第2解除流路に流体の流れを抑制する遅延部が備えられている弁開閉時期制御装置。
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