JP3817067B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気弁,排気弁である機関弁の開閉時期を運転状態に応じて可変にするいわゆるベーンタイプのバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のバルブタイミング制御装置としては、例えば特開平8−121124号公報に記載されているものが知られている。
【0003】
概略を説明すれば、このバルブタイミング制御装置は、開口端がフロントカバーとリアカバーで閉塞されたタイミングプーリの筒状のハウジング内部に、カムシャフトの端部に固定されたベーンが回転自在に収納されていると共に、ハウジングの内周面に直径方向から互いに内方へ突出されたほぼ台形状の2つの隔壁部とベーンの2つの羽根部との間に進角側油圧室と遅角側油圧室が画成されている。そして、機関運転状態に応じて前記進角側と遅角側の各油圧室に油圧が給排されてかかる駆動油圧によりベーンを正逆回転させることによりタイミングプーリとカムシャフトとの相対回動位相を変化させて、吸気弁の開閉時期を可変にするようになっている。
【0004】
ところで、前記カムシャフトには、機関作動中におけるバルブスプリングのばね力などに起因して正負(正転,逆転)の回転変動トルク(交番トルク)が発生していることは周知の通りであるが、前述のベーンの遅角側あるいは進角側への回転駆動中に前記大きな変動トルクが作用すると、ベーンの駆動油圧が回転変動トルクの反力に負けてベーンが押し戻されることにより、ベーンの回転挙動が不安定になる。すなわち、ベーンは、例えば進角側へ回転する際に、進角側油圧室に供給された駆動油圧が正の変動トルクの反力に負けて図8の実線で示すように進角側と遅角側への正転,逆転(進退)を繰り返しながら進角側へ回転する。したがって、カムシャフトも同じく正転,逆転を繰り返しながらタイミングプーリとの相対回転を行うため、機関弁の開閉時期制御であるバルブタイミングの制御応答性が低下してしまう。
【0005】
特に、油圧が低いエンジン領域において、バルブタイミングを遅角制御から進角制御に変化させる際の装置の応答性の向上が望まれていた。
【0006】
そこで、特開平8−121123号公報に記載した技術のように、ベーンの内部に逆止弁とパイロット弁とからなるパイロット式逆止弁を設け、この両弁の作動によって進角側あるいは遅角側の油圧室に供給された駆動油圧の油通路内への逆流を規制して、変動トルクによるベーンの逆転を防止するものも提供されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この後者の従来例にあっては、パイロット式逆止弁を用いて各油圧室内の駆動油圧の逆流を阻止するものの、このパイロット式逆止弁は各油圧室に供給された油圧を直接利用して作動するため、かかる油圧室内の油圧の保持能力の低下によって作動精度が低下するおそれがある。すなわち、ハウジング内を摺動回転するベーンの前後端面とフロントカバー及びリアカバーとの間には、ベーンの良好な摺動回転性を確保するために、微小な隙間が形成されている一方、隣接する各油圧室間には大きな差圧が生じている。このため、一方の油圧室に供給された油圧が微小隙間を通り他方の油圧室内にリークしてしまうおそれがある。この結果、パイロット式逆止弁のチェック機能が低下して逆流を効果的に阻止できない可能性がある。
【0008】
また、ハウジングとフロントカバー,リアカバーとの間のシール部材も長期間経過後の劣化などによって各油圧室から外部への油圧のリークが生じた場合にも、パイロット式逆止弁のチェック機能が低下してしまう可能性がある。
【0009】
この結果、バルブタイミングの制御応答性が低下するといった前者の従来例と同じ技術的課題を招来する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来例の実情に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、機関のクランクシャフトによって回転駆動する回転体と、外周に機関弁を作動させる駆動カムを有しかつ回転体と相対回動可能なカムシャフトと、該カムシャフトの端部に固定されて、回転体のハウジング内を摺動回転する複数の羽根部を有するベーンと、前記ハウジングの内周面に内方へ突設された複数の隔壁部と、該隔壁部と前記各羽根部の両側面との間に隔成された遅角側油圧室及び進角側油圧室と、該両油圧室に相対的に油圧を給排して前記ベーンを正逆回転させる油圧回路とを備えたバルブタイミング制御装置であって、前記ハウジングとベーンとの間に、機関作動時に前記カムシャフトに作用する回転トルク変動に伴うベーンの揺動振動を、前記進角側油圧室あるいは遅角側油圧室を介して供給された油圧によって進出するプランジャが対向壁に押接して規制する規制機構を設けたことを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明は、プランジャが前記油圧に加えてコイルスプリングの助勢力が付与されることによって対向壁に押接してカムシャフトに作用する回転トルク変動に伴うベーンの揺動振動を規制する規制機構を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記規制機構は、ベーンの羽根部内に形成された作動用孔と、該作動用孔内に固定されたほぼ筒状のシート部材と、該シート部材の外周面に摺動自在に設けられて作動用孔から前記隔壁部の一側面あるいはハウジングの内周面に押接する前記プランジャと、前記シート部材の内部に形成された仕切壁を介して隔成されたリザーバ室及び高圧室と、仕切壁に穿設されて前記リザーバ室と高圧室を連通する連通孔を開閉して、リザーバ室から高圧室側へのみ作動液の流通を許容するチェック弁と、前記進角側油圧室あるいは遅角側油圧室内に給排された油圧を前記リザーバ室内に給排する給排通路と、前記高圧室内の作動液を排出する排出手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記排出手段は、シート部材の後部側に前記遅角側あるいは進角側の一方の油圧室内の油圧に応じて摺動自在に設けられたピストンと、該ピストンの前端面中央に固定されて、先端部がリザーバ室を通って連通孔からチェック弁の弁体を押圧して開作動させるプッシュロッドとを備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項5記載の発明は、前記排出手段は、前記シート部材とプランジャとの間の形成されて、一端が高圧室に臨む排出通路部と、前記シート部材の周壁に貫通形成されて、排出通路部の他端とリザーバ室とを連通する通孔と、シート部材内に摺動自在に設けられて、少なくとも前記リザーバ室内に油圧が供給されることによって前記通孔を閉止し、前記進角側油圧室あるいは遅角側油圧室内に供給された油圧に押圧されることによって前記通孔を開成する制御弁とを備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項6記載の発明は、前記制御弁は、前記通孔を開閉する弁体と、該弁体に連結されて前記他方側の油圧室から供給油圧を受けて弁体を開方向へ移動させる受圧部とを備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項7記載の発明は、前記弁体と仕切壁との間に、制御弁を弾持する保持ばねを設けたことを特徴としている。
【0017】
請求項8記載の発明は、前記排出通路部を、シート部材の外周面に形成された螺旋状溝あるいは軸方向溝によって構成したことを特徴としている。
【0018】
請求項9記載の発明は、前記規制機構は、ベーンの羽根部内に形成された第1摺動用孔及び第2摺動用孔と、該両摺動用孔を連通する油通路孔と、前記第1摺動用孔内に摺動自在に設けられて、頭部が隔壁部の一側面あるいはハウジングの内周面に当接するプランジャと、前記第2摺動用孔内に摺動自在に設けられて、前記油通路孔の一端開口を開閉する有底円筒状の弁体と、該弁体の底壁に貫通形成されて、前記一方側の油圧室と前記油通路孔とを連通する連通路と、弁体内に設けられて、一方側の油圧室の油圧を連通路から油通路孔方向へのみ流通を許容するチェック弁とから構成したことを特徴としている。
【0019】
請求項10記載の発明は、前記プランジャの先端部が対向する対向壁を、隔壁部の一側面あるいはハウジングの内周面とすると共に、該一側面あるいは内周面を耐摩耗材で形成したことを特徴としている。
【0020】
したがって、本発明によれば、機関運転状態の変化に伴いベーンが例えば遅角側位置から進角側へ回転しようとする場合には、リザーバ室に供給された油圧がチェック弁の弁体を押し開いて高圧室に流入して、該高圧油によりプランジャを例えば隔壁部の一側面方向へ押し出し、プランジャの先端部を前記一側面に常時押接させる形になる。したがって、ここで、カムシャフトから伝達された回転トルク変動が作用し、例えば正の変動トルクにより進角側油圧室に供給された油圧に抗してベーンを遅角側へ押し戻そうとする反力が作用しても、プランジャの隔壁部一側面に対する押圧力、つまり突張力によって正の側のトルク変動に打ち勝つ。このため、ベーンは、プランジャの進出に伴い逆回転を確実に規制されながら、進角側へ速やかに回転する。尚、ここで、負の回転変動トルクは、ベーンを進角側へ回転させるアシスト力として作用することになる。
【0021】
また、コイルスプリングの弾発力は、前記正のトルク変動を吸収しながらも、前記負のトルク変動を助勢することができるから、バルブタイミングの遅角制御から進角制御に変化させる際の装置の応答性を向上させることができる。
【0022】
一方の油圧室内に供給された油圧に即応してピストンがプッシュロッドを押し出して弁体を開作動させるため、一方側の油圧室の圧力上昇と同時に他方側の油圧室内の油を速やかに排出できるため、ベーンの逆転速度が速くなり、バルブタイミング制御応答性が向上する。
【0023】
さらに、プランジャが圧接する隔壁部の一側面あるいはハウジングの内周面が耐摩耗材で形成されているため、プランジャの常時圧接による摩耗が防止される。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施形態を示し、吸気弁側に適用したものを示している。
【0025】
すなわち、機関の図外のクランクシャフトにより合成樹脂製のタイミングチェーンを介して回転駆動される回転体たるタイミングスプロケット1と、該タイミングスプロケット1に対して相対回動可能に設けられたカムシャフト2と、該カムシャフト2の端部に固定されてタイミングスプロケット1内に回転自在に収容されたベーン3と、該ベーン3を油圧によって正逆回転させる油圧回路4と、タイミングスプロケット1とベーン3との相対回動を最大遅角側の回動位置でロックするロック機構10と、前記カムシャフト2に作用する正の回転変動トルクに伴うベーンの揺動振動を規制する規制機構20とを備えている。
【0026】
前記タイミングスプロケット1は、図3および図4にも示すように、外周にタイミングチェーンが噛合する歯部5aを有する回転部材5と、該回転部材5の前方に配置されてベーン3を回転自在に収容した筒状のハウジング6と、該ハウジング6の前端開口を閉塞する蓋体たる円板状のフロントカバー7と、ハウジング6と回転部材5との間に配置されてハウジング6の後端開口を閉塞するほぼ円板状のリアカバー8とから構成され、これら回転部材5とハウジング6及びフロントカバー7,リアカバー8は、4本の小径ボルト9によって軸方向から一体的に結合されている。
【0027】
前記回転部材5は、ほぼ円環状を呈し、周方向の約90°の等間隔位置に各小径ボルト9が螺着する4つの雌ねじ孔5bが前後方向へ貫通形成されていると共に、内部中央位置に後述するスリーブ25が嵌合する段差径状の嵌合孔11が貫通形成されている。さらに、前端面には、前記リアカバー8が嵌合する円板状の嵌合溝12が形成されている。
【0028】
また、前記ハウジング6は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面の周方向の90°位置には4つの隔壁部13が突設されている。この隔壁部13は、ほぼ横断面台形状を呈しており、それぞれハウジング6の軸方向に沿って設けられて、前後の各両端縁がハウジング6の両端縁と同一面になっていると共に、基端側には、小径ボルト9が挿通する4つのボルト挿通孔14が軸方向へ貫通形成されている。さらに、各隔壁部13の内端面中央位置に軸方向に沿って切欠形成された保持溝13b内にコ字形のシール部材15と該シール部材15を内方へ押圧する板ばね16が嵌合保持されている。また、1つの隔壁部13の一側面13aが湾曲状に切欠形成されている。
【0029】
さらに、前記フロントカバー7は、中央に比較的大径なボルト挿通孔17が穿設されていると共に、前記ハウジング6の各ボルト挿通孔14と対応する位置に4つのボルト孔18が穿設されている。
【0030】
また、リアカバー8は、後端面に前記回転部材5の嵌合溝12内に嵌合保持される円板部8aを有していると共に、中央にスリーブ25の小径な円環部25aが嵌入する嵌入孔8cが穿設され、さらに前記ボルト挿通孔14に対応する位置に4つのボルト孔19が同じく形成されている。
【0031】
前記カムシャフト2は、シリンダヘッド22の上端部にカム軸受23を介して回転自在に支持され、外周面所定位置に吸気弁をバルブリフターを介して開作動させる図外のカムが一体に設けられていると共に、前端部にはフランジ部24が一体に設けられている。
【0032】
前記べーン3は、焼結合金材で一体に形成され、フランジ部24と嵌合孔11に夫々前後部が嵌合した前記スリーブ25を介して軸方向から挿通した固定ボルト26によってカムシャフト2の前端部に固定されており、中央に前記固定ボルト26が挿通するボルト挿通孔27aを有する円環状のロータ部27と、該ロータ部27の外周面の周方向の90°位置に一体に設けられた4つの羽根部28とを備えている。
【0033】
前記第1〜第4羽根部28は、3つが横断面長方形状を呈し、他の1つが断面ほぼ逆台形状を呈し、それぞれが各隔壁部13間に配置されていると共に、各外周面の中央に軸方向に切欠された保持溝29にハウジング6の内周面6aに摺接するコ字形のシール部材30と該シール部材30を外方に押圧する板ばね31が夫々嵌着保持されている。また、この各羽根部28の両側と各隔壁部13の両側面との間に夫々4つの進角側油圧室32と遅角側油圧室33が隔成されている。
【0034】
前記油圧回路4は、図1,図3に示すように進角側油圧室32に対して油圧を給排する第1油圧通路41と、遅角側油圧室33に対して油圧を給排する第2油圧通路42との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路41,42には、供給通路43とドレン通路44とが夫々通路切替用の電磁切替弁45を介して接続されている。前記供給通路43には、オイルパン46内の油を圧送するオイルポンプ47が設けられている一方、ドレン通路44の下流端がオイルパン46に連通している。
【0035】
前記第1油圧通路41は、シリンダヘッド22内からカムシャフト2の軸心内部に形成された第1通路部41aと、固定ボルト26の内部軸線方向を通って頭部26a内で分岐形成されて第1通路部41aと連通する4つの第1油路41bと、該頭部26aの小径な外周面とベーン3の基部27内のボルト挿通孔27aの内周面との間に形成されて第1油路41bに連通する油室41cと、ベーン3の基部27内にほぼ放射状に形成されて油室41cと各進角側油圧室32に連通する4本の分岐路41dとから構成されている。
【0036】
一方、第2油圧通路42は、シリンダヘッド22内及びカムシャフト2の内部一側に形成された第2通路部42aと、前記スリーブ25の内部にほぼL字形状に折曲形成されて第2通路部42aと連通する第2油路42bと、回転部材5の嵌合孔11の外周側孔縁に形成されて第2油路42bと連通する4つの油通路溝42cと、リアカバー8の周方向の約90°の位置に形成されて、各油通路溝42cと遅角側油圧室33とを連通する4つの油孔42dとから構成されている。
【0037】
前記電磁切替弁45は、4ポート3位置型であって、内部の弁体が各油圧通路41,42と供給通路43及びドレン通路44とを相対的に切り替え制御するようになっていると共に、コントローラ48からの制御信号によって切り替え作動されるようになっている。コントローラ48は、機関回転数を検出するクランク角センサや吸入空気量を検出するエアフローメータからの信号によって現在の運転状態を検出すると共に、クランク角及びカム角センサからの信号によってタイミングスプロケット1とカムシャフト2との相対回動位置を検出している。
【0038】
前記ロック機構10は、図4および図5に示すように前記回転部材5の嵌合溝12の外周側所定位置に形成された係合溝5cと、この係合溝5cに対応した前記リアカバー8の所定位置に貫通形成されて、内周面がテーパ状の係合孔21と、該係合孔21に対応した前記1つの羽根部28のほぼ中央位置に内部軸方向に沿って貫通形成された摺動用孔35と、該摺動用孔35内に摺動自在に設けられたロックピン34と、該ロックピン34の後端側に弾装されたばね部材であるコイルスプリング39と、ロックピン34と摺動用孔35との間に形成された環状受圧室40とから構成されている。
【0039】
そして、ベーン3が最大遅角側に回転した時点でコイルスプリング39のばね力によってロックピン34が進出して先端係合部34aが係合孔21に係合することにより、ベーン3をリアカバー8にロックさせるようになっている。一方、進角側への回転時には、進角側油圧室32への油圧の供給と同時に油孔36を介して環状受圧室40に同じ油圧が供給されて、ロックピン34をコイルスプリング39のばね力に抗して後退動させて前記係合部34aと係合孔21とのロックを解除するようになっている。
【0040】
前記規制機構20は、図1,図2に示すように周方向へ肉厚の大きな1つの羽根部28に設けられ、該羽根部28の進角側油圧室32側の内部円周方向に沿って形成された作動用孔50と、該作動用孔50の内部に固定された円筒状のシート部材51と、該シート部材51の外周面に進角側油圧室32方向へ進退可能に摺動自在に設けられたプランジャ52と、シート部材51の内部前端側に設けられた仕切壁51aの前後、つまりシート部材51の内部とプランジャ頭部52aの内部とに形成されたリザーバ室53及び高圧室54と、仕切壁51aの中央に穿設された連通路55を開閉してリザーバ室53の油圧を高圧室54内へのみ流入を許容するチェック弁56と、作動用孔50と反対側に設けられて、前後チェック弁56を開作動させる排出手段57と、リザーバ室53と該リザーバ室53から高圧室54に油圧を供給,排出する給排通路58とを備えている。
【0041】
前記作動用孔50は、進角側油圧室32に臨むプランジャ52の摺動用孔部と、その後端側の小径孔部とから構成されており、摺動用孔部は、内周面がプランジャ52の外径よりも若干大きな内径を有して、プランジャ52の外周面との間に円筒状の給排通路58の一部を形成している。
【0042】
前記シート部材51は、後端部51bが摺動用孔部の底部側に形成された小径段差溝50a内に圧入固定されていると共に、該後端部51bの内部に円環状の保持部59が固定されている。
【0043】
前記プランジャ52は、有蓋円筒状を呈し、先端部52aの外面が球面状に形成されていると共に、該先端部52aが一つの隔壁部13の横断面湾曲状に切欠された一側面13aに当接配置されており、その先端部52aの内部に前記高圧室54が形成されている。
【0044】
前記チェック弁56は、高圧室54の内部に設けられ、連通孔55を開閉するボール弁体62と、該ボール弁体62をカップ状のリテーナ63を介して閉方向へ付勢するバルブスプリング64と、プランジャ先端部52aの底壁とリテーナ63の外周縁フランジ部との間に弾装されて、リテーナ63及びボール弁体62等を隔壁51a方向へ保持するコイルスプリング65とから構成されている。
【0045】
尚、リテーナ63の側面にはリザーバ室53の油圧を高圧室54へ導入する連通孔が形成されている。
【0046】
排出手段57は、羽根部28の作動用孔50と反対側に形成されたシリンダ溝66と、該シリンダ溝66内をプランジャ52方向へ摺動する大径なピストン67と該ピストン67の前端面中央に一体に固定されて先端部が連通路55からボール弁体62を押圧して開成させるプッシュロッド68とから構成されている。また、シリンダ溝66の内周面後端部に有する嵌着溝内には、ピストン67の外方への脱落を規制するストッパリング69が嵌着固定されている。前記シリンダ溝66は、内径が比較的大径に形成されて、一端開口が遅角側油圧室33に臨み、したがってピストン67の大径な後部受圧面67aに遅角側油圧室33の油圧が作用するようになっている。
【0047】
前記給排通路58は、作動用孔50の内周面とプランジャ52の外周面との間に形成されて、進角側油圧室32と連通する環状通路部58aと、シート部材51の後端部51b周壁に穿設されて環状通路部58aとリザーバ室53とを連通する一対の通孔60,61とから構成されている。
【0048】
また、前記隔壁部13の湾曲状の一側面13aは、セラミック等の耐摩耗材によって形成されている。
【0049】
以下、本実施形態の作用を説明する。まず、機関始動時及びアイドリング運転時には、コントローラ48から制御信号が入力された電磁切替弁45が供給通路43と第2油圧通路42を連通させると共に、ドレン通路44と第1油圧通路41とを連通させる。このため、オイルポンプ47から圧送された油圧は第2油圧通路42(油通路溝42c→油孔42d)を通って遅角側油圧室33に供給される一方、進角側油圧室32には、機関停止時と同じく油圧が供給されず低圧状態を維持している。このため、ベーン3は、図1に示すように各羽根部28が進角側油圧室32側の各隔壁部13の一側面に当接した状態になる。
【0050】
したがって、タイミングスプロケット1とカムシャフト2との相対回動位置が一方側(遅角側)に保持されて、吸気弁の開閉時期を遅角側に制御する。これによって、慣性吸気の利用による燃焼効率が向上して機関回転の安定化と燃費の向上が図れる。
【0051】
ここで、規制機構20は、図1,図2に示すように遅角側油圧室33へ供給された油圧によって、ピストン67の受圧面67aが押圧されてプッシュロッド68がボール弁体62をバルブスプリング64のばね力に抗して押し出して連通路55を開成させていると共に、進角側油圧室32には油圧が供給されていないから、高圧室54内が低圧状態になっているのでプランジャ52は進出動(伸びストローク)することなく、前述の遅角側油圧室33の油圧による前記他の3つのベーン28の隔壁部13の一側面への当接と同様に先端部52aが対向する一側面13aに当接している。
【0052】
また、この始動時における最大遅角側位置では、ロック機構10のロックピン34によってベーン3がロックされて回転を規制されているため、正負の回転トルク変動によるベーン3の揺動振動が抑制される。
【0053】
その後、車両が発進して機関が低回転低負荷域から中回転中負荷域の通常運転に移行すると、コントローラ48からの制御信号によって電磁切替弁45が作動して、供給通路43と第1油圧通路41を連通させる一方、ドレン通路44と第2油圧通路42を連通させる。したがって、今度は遅角側油圧室33内の油圧が第2油圧通路42を通ってドレン通路44からオイルパン46内に戻されて遅角側油圧室33内が低圧になる一方、進角側油圧室32内に油圧が第1油路41a,41bおよび分岐路41dを経由して供給されて高圧となる。このため、ロック機構10は、受圧室40内の油圧の上昇に伴いロックピン34が後退してベーン3の係合ロックを解除する一方、該ベーン3は、図1に示す位置から時計方向に回転して各羽根部28が図6に示す中間位置を経て,図7に示すように反対側(遅角側油圧室側)の各隔壁部13の他側面に当接する最大進角位置まで回転する。
【0054】
したがって、タイミングスプロケット1とカムシャフト2とは、他方側へ相対回動して吸気弁の開閉時期を進角側へ制御する。これによって、機関のポンプ損失が低減して出力の向上が図れる。
【0055】
そして、規制機構20は、かかる遅角側から進角側へ切り換えられた時点では、図6,図7の矢印で示すように遅角側油圧室33内の油圧が前述のようにドレンされて低圧状態になるため、ピストン67及びプッシュロッド68によるボール弁体62の開作動力が解除される。一方、進角側油圧室32に供給された油圧が給排通路58からリザーバ室53に流入し、さらに連通路55からボール弁体62をバルブスプリング64のばね力に抗して押し開いて高圧室54内に流入する。このため、プランジャ52は、羽根部28の図1に示す位置から時計方向の回転に伴い該回転ストローク量に応じて図6,図7に示すように進出(伸長)して先端部52aが一側面13aに常時当接状態を維持する。ここで、カムシャフト2からベーン3に伝達された変動トルクのうち正の変動トルクが作用して羽根部28を反時計方向へ一時的に回転させようとすると、高圧室54の圧力が高くなって、ボール弁体62を閉塞方向に移動させるため、プランジャ52はボール弁体62で閉塞された高圧室54の油圧によって後退動が規制される。したがって、規制機構20は、正の変動トルクに対するベーン3の反時計方向の回転に対していわば突張力が作用して該正の変動トルクに打ち勝つ。このため、ベーン3は、図8の破線で示すように最遅角側から最進角側への回転中にプランジャ52の進出に伴い反時計方向(遅角側)への回転が確実に規制されつつ、コイルスプリング65の助勢力もあいまって時計方向(進角側)へ速やかに回転する。
【0056】
したがって、タイミングスプロケット1とカムシャフト2との進角側への相対回転速度が上昇して、バルブタイミングの制御応答性が向上する。
【0057】
尚、ここで、負の回転変動トルクは、ベーン3を進角側へ回転させるアシスト力として作用するため、バルブタイミングの制御応答性がさらに向上することになる。
【0058】
また、隔壁部13の一側面13aは、耐摩耗材で形成されているため、前述のようにプランジャ52の先端部52aが正の変動トルクによって常時圧接した状態が続いても摩耗の発生がなく、耐久性の向上が図れる。
【0059】
さらに、機関高回転高負荷域に移行すると、電磁切替弁45が作動してアイドリング運転時などと同じように供給通路43と第2油圧通路42,ドレン通路44と第1油圧通路41とを夫々連通させて、進角側油圧室32を低圧、遅角側油圧室33を高圧にするため、ベーン3は、図1に示すように反時計方向へ回動して、タイミングスプロケット1とカムシャフト2とを一方側へ相対回動させ、吸気弁の開閉時期を遅角側へ制御する。これによって、吸気充填効率の向上による出力の向上が図れる。
【0060】
また、遅角側油圧室33に供給された油圧によってピストン67が前方へ押圧されてプッシュロッド68がボール弁体62を押し開くため、高圧室54内の油圧が連通孔55からリザーバ室53を通って給排通路58から進角側油圧室32に流入し、さらにここで、進角側油圧室32内の油圧と一緒に第1油圧通路41,ドレン通路44を通って排出される。したがって、プランジャ52の突張力が解除されて、ベーン3を反時計方向(遅角側)へ速やかに回転させることができ、復帰応答性も良好になる。
【0061】
また、この時点では、機関の高回転化に伴いオイルポンプ47の吐出圧も高くなっているため、最大遅角位置に回転保持されたベーン3は、遅角側油圧室33の高油圧によって進角側油圧室32側の隔壁部13方向へ強く押し付けられる。したがって、正負の変動トルクによるベーン3の揺動振動(ばたつき)が抑制されている。
【0062】
また、規制機構20によるベーン3の反時計方向の回転を規制することによって、変動トルクによる進角側油圧室32の一時的な高圧化に伴う該進角側油圧室32からの油圧の外部へのリークを防止できるため、作動油の消費量を低減できる。
【0063】
図9は本発明の第2の実施形態を示し、規制機構20を一つの羽根部28の内部ほぼ径方向に配置したものである。すなわち、羽根部28の外周面28aがテーパ状に切欠されていると共に、該外周面28aに対してほぼ垂直方向から作動用孔50が形成されている。また、この作動用孔50内には、筒状のシート部材51やプランジャ52が設けられていることは第1の実施形態と同様であるが、リザーバ室53には、ベーン3の内部に形成された通路孔70を介して進角側の第1油圧通路41から油圧が供給されるようになっていると共に、シリンダ溝66には、同じくベーン3の内部に形成された通路孔71を介して遅角側油圧室33から油圧が供給されるようになっている。
【0064】
また、前記プランジャ52の先端部52aが当接するハウジング6の内周面6aは耐摩耗材で形成されている。
【0065】
したがって、この実施形態も第1の実施形態と同様な作用効果が得らることは勿論のこと、プランジャ52がハウジング6の内周面6aに対して進退動するため、各通路孔70,71の連通対象を変えるだけで、ベーン3の進角側から遅角側への回転時における規制機構として利用することが可能になる。
【0066】
図10及び図11は本発明の第3の実施形態を示し、第1の実施形態とは、規制機構20の作動用孔50,シート部材51,プランジャ52,チェック弁56等の基本構成はほぼ同一であるが、特に排出手段57の構成が相違している。
【0067】
すなわち、排出手段57は、高圧室54内に供給された油圧をリザーバ室53内に戻す戻し通路72と、シート部材51内に摺動自在に設けられて戻し通路72を開閉するスプール状の制御弁73とから主として構成されている。
【0068】
前記戻し通路72は、シート部材51の仕切壁51a近傍に直径方向に沿って穿設されて、リザーバ室53に臨む第2通孔72aと、シート部材51の仕切壁51a側の外周面とプランジャ52の内周面との間に形成されて、第2通孔72aと高圧室54とを連通する通路溝72bとから構成されている。この通路溝72bは、図12に示すようにシート部材51の外周面に形成されて、第2通孔72aの外周に形成された円環溝部72cと、該円環溝部72cから軸方向へ直線状に形成された軸方向溝部72dとから構成されている。
【0069】
前記制御弁73は、リザーバ室53の仕切壁51a側の内部を摺動して前記第2通孔72aを開閉する弁体73aと、該弁体73aの反対側に弁軸を介して設けられ、シート部材51の後端部51b内を摺動する受圧部73bと、前記弁体73aと仕切壁51aとの間に弾装されて、弁体73aを前記戻し通路72が閉じられる方向に付勢するリターンスプリング73cとから構成されている。
【0070】
前記弁体73aは、横断面ほぼコ字形状を呈し、その長さが仕切壁51aと第2通孔72aの孔縁付近までの長さとほぼ同一に設定されて、前端縁が仕切壁51aの端面に当接した段階で第2通孔72aを全開させるようになっている一方、受圧部73bが作動用孔50の底面に当接移動した状態で第2通孔72aを全閉させるようになっている。また、弁体73aには、リザーバ室53と連通路55とを連通させる複数の貫通孔74が穿設されている。
【0071】
前記受圧部73bは、円板状を呈し、リザーバ室53側の前端面が第1受圧面として形成され、後端面が第2受圧面として形成され、該第2受圧面と作動用孔50の底面との間に形成された受圧室75には、羽根部28の基端部に穿設された通孔28aを介して遅角側油圧室33の油圧が供給されるようになっている。
【0072】
前記リターンスプリング73cは、リザーバ室53や受圧室75に油圧が作用しない場合に、弁体73aを閉方向に付勢する程度の小さなセット荷重に設定されている。
【0073】
以下、本実施形態の規制機構20の作用を説明する。まず、前述した機関始動時及びアイドリング運転時における規制機構20は、図10に示すように、遅角側油圧室33に供給された油圧によって、受圧部73bの第2受圧面が押圧されて弁体73aを仕切壁51a側に押し付け、第2通孔72aを全開状態にする。このため、プランジャ52は、高圧室54内が低圧状態になっているので進出動(伸びストローク)することなく、前述の遅角側油圧室33の油圧による前記他の3つのベーン28の隔壁部13の一側面への当接と同様に先端頭部52aが対向する一側面13aに当接している。
【0074】
その後、車両が発進して機関が低回転低負荷域から中回転中負荷域の通常運転に移行すると、前述のようにベーン3が図10に示す位置から時計方向に回転して図11に示すように各隔壁部13の他側面に当接する最大進角位置まで回転する。
【0075】
そして、規制機構20は、かかる遅角側から進角側へ切り換えられた時点では、遅角側油圧室33内の油圧が前述のようにドレンされて低圧状態になるため、受圧室75内の油圧も通孔28aを介して遅角側油圧室33に戻されて低圧になる。一方、進角側油圧室32に供給された油圧が図11の矢印に示すように給排通路58を通ってリザーバ室53内に流入して、受圧部73bの第1受圧面を押圧して受圧部73bを作動用孔50の底面に押し付ける。したがって、弁体73aは、弁軸を介して受圧室75方向へ摺動して、第2通孔72aを全閉状態にする。このため、第2通路72aを介した高圧室54とリザーバ室53との連通が遮断される一方、リザーバ室53内の油圧が弁体73aの各貫通孔74を通って連通路55からバルブスプリング64のばね力に抗してボール弁体62を押し開きながら高圧室54内に流入する。
【0076】
このため、プランジャ52は、羽根部28の図10に示す位置から時計方向の回転に伴い該回転ストローク量に応じて図11に示すように進出(伸長)して頭部52aが一側面13aに常時当接状態を維持する。
【0077】
ここで、カムシャフト2からベーン3に伝達された変動トルクのうち正の変動トルクが作用して羽根部28を反時計方向へ一時的に回転させようとすると、プランジャ52はコイルスプリング65の付勢力とボール弁体62で閉塞された高圧室54の油圧によって後退動が規制されているため、正の変動トルクに対するベーン3の反時計方向の回転に対していわば突張力が作用して該正の変動トルクに打ち勝つ。このため、ベーン3は、最遅角側から最進角側への回転中にプランジャ52の進出に伴い反時計方向(遅角側)への回転が確実に規制されながら時計方向(進角側)へ速やかに回転する。また、コイルスプリング65の付勢力がベーン3の時計方向(進角側)への回転を助勢する。
【0078】
したがって、タイミングスプロケット1とカムシャフト2との進角側への相対回転速度が上昇して、バルブタイミングの制御応答性が向上する。
【0079】
一方、機関中回転中負荷域から高回転高負荷域に移行した場合は、進角側油圧室32から作動油が排出される一方、遅角側油圧室33に油圧が供給され、この油圧が排出手段57を介してリザーバ室53に供給される。したがって、制御弁73の弁体73aは、受圧室75内の上昇油圧によって仕切壁51a方向へ速やかに摺動し、第2通孔72aを開成する。このため、高圧室54の作動油が第2通路72を通って一旦リザーバ室53に流入し、ここから給排通路58,進角側油圧室32を経てドレン通路44に排出される。したがって、プランジャ64は、隔壁部一側面13aに対する突張力が即座に解除されて自由に後退動する。
【0080】
これによって、ベーン3は、遅角側油圧室33内の油圧によって反時計方向(遅角側)へ速やかに回転することができ、タイミングスプロケット1とカムシャフト2とを一方側へ相対回動させ、吸気弁の開閉時期を遅角側へ応答性良く制御することができる。これによって、吸気充填効率の向上による出力の向上が図れる。
【0081】
さらに、機関停止時には、両油圧室32,33への油圧の供給が停止されるため、弁体73aは、第2通孔72aを開成し、したがって、高圧室54が低圧状態になりプランジャ52の突張力が解除される。そして、この状態時において、吸気弁の図外のバルブスプリングのばね力がカムシャフト2を介してベーン3に作用し、該ベーン3を遅角側へ回転させる。したがって、再始動時には、バルブタイミングは予め遅角側に制御されているため、前述のような始動性が向上する。
【0082】
尚、シート部材51の外周に形成される通路溝72bを、図13に示すように第2通孔72aの外周に形成された円環溝部72cから直線状ではなく、螺旋状に形成した螺旋溝72dとすることも可能である。
【0083】
図14〜図16は本発明の第4の実施形態を示し、同じく規制機構20の構造を変更したものである。
【0084】
すなわち、この規制機構20は、1つのベーン13の羽根部28内に形成された第1摺動用孔80と、該第1摺動用孔80に並行に形成された第2摺動用孔81と、羽根部28内部に傾斜状に形成されて両摺動用孔80,81を連通する油通路孔83と、前記第1摺動用孔80内に進退自在に設けられて、頭部84aが進角側油圧室32から隔壁部13の一側面13aに当接するプランジャ84と、前記第2摺動用孔81内に摺動自在に設けられて、前記油通路孔83の一端開口83aを開閉する有底円筒状の弁体85と、該弁体85の底壁に貫通形成されて、進角側油圧室32と油通路孔83とを連通する連通路86と、弁体85の内部に設けられて、進角側油圧室32の油圧を弁体85内の高圧室87を介して油通路孔83方向へのみ流入を許容するチェック弁88とから主として構成されている。
【0085】
前記プランジャ84は、第1摺動用孔80の底面との間に弾装された圧縮ばね89のばね力によって進出方向に付勢保持されていると共に、油通路孔83と連通する第1摺動用孔80の後端部に有する第1受圧室90内の油圧によって進出方向に押圧されるようになっている。
【0086】
前記弁体85は、スプール状を呈し、周壁の中央にグルーブ溝91を介して高圧室87に適宜連通する連通孔92が径方向に貫通形成されていると共に、第2摺動用孔81の底面側の段差面81aに当接した最大左方向の摺動位置でグルーブ溝91が油通路孔83に連通し、第2摺動用孔81の開口縁に設けられたストッパリング93に突き当たった最大右方向の位置で油通路孔83との連通を遮断するようになっている。また、弁体85は、前端面85aが進角側油圧室32の油圧に押圧されて最大左方向に押圧される一方、第2摺動用孔81の底面との間に弾装されたコイルばね94のばね力で図中右方向、つまり閉弁方向に付勢されていると共に、後部側の第2受圧室95に通孔28aを介して供給された遅角側油圧室33の油圧によって同じく閉弁方向に押圧されるようになっている。
【0087】
したがって、この実施形態によれば、機関始動時及びアイドリング運転時には、図14及び図15に示すように遅角側油圧室33に供給された低油圧とコイルばね94のばね力とによって弁体85が最大右方向へ摺動してグルーブ溝91と油通路孔83との連通を遮断する。このため、プランジャ84は、第2受圧室95から油通路孔83を介して供給された第1受圧室90内の低油圧と圧縮ばね89のばね力によって弱い力で進出して頭部84aが一側面13aに当接する。この時点では、遅角側油圧室33に供給された低油圧が受圧面積の大きな羽根部28の一側面に作用するため、ベーン3はプランジャ84の反力によって時計方向へ回転することなく、反時計方向へ押し付けられている。
【0088】
また、機関が低回転域から中回転中負荷域の通常運転に移行すると、電磁切替弁45の切替作動により、遅角側油圧室33の油圧が排出される一方、進角側油圧室32に高圧油が供給される。このため、ベーン3が時計方向へ回転すると共に、図16に示すように弁体85の前端面85aに作用した高圧油によって弁体85が最大左方向へ摺動すると同時にチェック弁88が開成されて、進角側油圧室32の高圧油が高圧室87から通孔92,グルーブ溝91,油通路孔83を通って第1受圧室90に供給される。したがって、プランジャ84は、前方へ進出して突張力を発揮して正のトルク変動に対抗する。このため、ベーン3は、前記各実施形態と同様に圧縮ばね89の助勢力もあいまって遅角側から進角側への回転速度が速くなり、応答性が向上する。
【0089】
しかも、本実施形態によれば、プランジャ84と弁体85とを各摺動用孔80,81にそれぞれ別個に設けたため、プランジャ84と第1摺動用孔80との間のシール長さ(摺接面積)や弁体85と第2摺動用孔81との間のシール長さ(摺接面積)を十分に確保できる。この結果、かかるシール部位のクリアランスの大きさを比較的大きく設定でき、該大きなクリアランスによって各受圧室90,95に流入した作動油内の気泡を速やかに排出することができる。
【0090】
また、圧縮ばね89の設置スペースを確保することができるから、カムトルク変動の大きいエンジンでも高荷重の圧縮ばねを採用することができる。
【0091】
さらに、圧縮ばねのばね定数を大きくすることなく、セット荷重を比較的大きく設定できるので、圧縮ばねが破損することがない。
【0092】
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば規制機構20を各羽根部28に2つ以上設けることも可能である。さらには、プランジャ52を反対向きに配置して、ベーン3の進角側から遅角側への回転中において、負の変動トルクに対する回転戻りを規制することも可能であり、また、両方を組み合わせて構成することも可能である。
【0093】
また、高圧室54に供給される油圧の油圧回路を、各油圧室32,33の油圧回路4とは独立に形成することも可能であり、さらに排出手段57を別構成とすることもできる。
【0094】
さらに、電磁切換弁48を切り換えて第1,第2油圧通路をともに供給通路43,ドレン通路44と遮断して、ベーン3を任意の位置に中間保持することが可能である。
【0095】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、ベーンの遅角側から進角側、あるいは進角側から遅角側への回転時に、規制機構によって正負の回転変動トルクによるベーンの逆転を確実に規制できるため、ベーンの一方向への回転速度が上昇して、バルブタイミング制御の応答性が向上する。
【0096】
規制機構が従来例のように各油圧室の油圧を直接利用して油通路を閉塞するのではなく、主としてコイルスプリング及びチェック弁と高圧室の油圧を利用してプランジャを進出させて対向壁に圧接させることにより変動トルクに対抗させるものであるから、たとえ各油圧室内の油圧が外部へリークして低圧となっても、プランジャの進出動には何ら影響されることがなく、常時安定かつ確実な規制作用が得られる。
【0097】
また、請求項4〜6記載の発明の排出手段によってプランジャの押圧力を速やかに解除できるため、ベーンの復帰回転速度が上昇して、この点でもバルブタイミング制御応答性が向上する。
【0098】
請求項7記載の発明によれば、保持ばねによって制御弁の摺動時の振動を抑制できるため、該制御弁のスムーズな摺動作用が得られる。
【0099】
請求項8記載の発明によれば、排出通路部をシート部材の外周面全体ではなく、軸方向あるいは螺旋状に形成することによってプランジャに対するシート部材の外周面による大きな摺動案内長さを確保できるため、プランジャの径方向のガタ付きや偏荷重の発生を防止でき、シート部材の外周面とプランジャの内周面との間の摩耗の発生を抑制できる。
【0100】
請求項9記載の発明によれば、プランジャと弁体とを各摺動用孔内に別個に設けたため、プランジャ及び弁体と各摺動用孔とのシール長さを十分に確保でき、この結果、かかるシール部のクリアランスを大きくできることによって、各受圧室内に流入した作動油内の気泡を速やかに排出することができる。
【0101】
請求項10記載の発明によれば、プランジャが当接する隔壁部の一側面やハウジングの内周面を耐摩耗材で形成したため、規制機構の長期間に亘る使用後にも摩耗が発生せず、耐久性の向上が図れる。
【0102】
ミング制御応答性が向上する。
【0103】
請求項7記載の発明によれば、保持ばねによって制御弁の摺動時の振動を抑制できるため、該制御弁のスムーズな摺動作用が得られる。
【0104】
請求項8記載の発明によれば、排出通路部をシール部材の外周面全体ではなく、軸方向あるいは螺旋状に形成することによってプランジャに対するシート部材の外周面による大きな摺動案内長さを確保できるため、プランジャの径方向のガタ付きや偏荷重の発生を防止でき、シート部材の外周面とプランジャの内周面との間の摩耗の発生を抑制できる。
【0105】
請求項9記載の発明によれば、プランジャと弁体とを各摺動用孔内に別個に設けたため、プランジャ及び弁体と各摺動用孔とのシール長さを十分に確保でき、この結果、かかるシール部のクリアランスを大きくできることによって、各受圧室内に流入した作動油内の気泡を速やかに排出することができる。
【0106】
請求項10記載の発明によれば、プランジャが当接する隔壁部の一側面やハウジングの内周面を耐摩耗材で形成したため、規制機構の長期間に亘る使用後にも摩耗が発生せず、耐久性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図3のA−A線矢視図。
【図2】本実施形態の一部拡大図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】本実施形態の分解斜視図。
【図5】本実施形態に供されるロック機構を示す図1のC−C線断面図。
【図6】本実施形態のベーン進角側への回転中間位置を示す作用説明図。
【図7】本実施形態のベーン最大進角時の作用説明図。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す概略図。
【図9】本実施形態と従来例のベーンの回転特性図。
【図10】本発明の第3の実施形態を示す要部断面図。
【図11】同実施形態のベーン最大進角時の作用説明図。
【図12】本実施形態に供されるシート部材の正面図。
【図13】本実施形態に供されるシート部材の他例を示す正面図。
【図14】本発明の第4の実施形態を示す要部断面図。
【図15】同要部拡大断面図。
【図16】本実施形態のベーン最大進角時における作用説明図。
【符号の説明】
1…タイミングスプロケット(回転体)
2…カムシャフト
3…ベーン
4…油圧回路
6…ハウジング
6a…内周面
7…フロントカバー
10…規制機構
13…隔壁部
13a…一側面
28…羽根部
32…進角側油圧室
33…遅角側油圧室
50…作動用孔
51…シート部材
52…プランジャ
53…リザーバ室
54…高圧室
55…連通路
56…チェック弁
57…排出手段
58…給排通路
66…シリンダ溝
67…ピストン
68…プッシュロッド
Claims (10)
- 機関のクランクシャフトによって回転駆動する回転体と、外周に機関弁を作動させる駆動カムを有しかつ回転体と相対回動可能なカムシャフトと、該カムシャフトの端部に固定されて、回転体のハウジング内を摺動回転する複数の羽根部を有するベーンと、前記ハウジングの内周面に内方へ突設された複数の隔壁部と、該隔壁部と前記各羽根部の両側面との間に隔成された遅角側油圧室及び進角側油圧室と、該両油圧室に相対的に油圧を給排して前記ベーンを正逆回転させる油圧回路とを備えたバルブタイミング制御装置であって、
前記ハウジングとベーンとの間に、機関作動時に前記カムシャフトに作用する回転トルク変動に伴うベーンの揺動振動を、前記進角側油圧室あるいは遅角側油圧室の油圧をチェック弁を介して供給された高圧室内の油圧によって進出するプランジャが対向壁に押接して規制する規制機構を設けたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 前記プランジャは、前記油圧に加えてコイルスプリングの助勢力が付与されることによって進出して対向壁に押接することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 前記規制機構は、ベーンの羽根部内に形成された作動用孔と、該作動用孔内に固定されたほぼ筒状のシート部材と、該シート部材の外周面に摺動自在に設けられて作動用孔から前記隔壁部の一側面あるいはハウジングの内周面に押接する前記プランジャと、前記シート部材の内部に形成された仕切壁を介して隔成されたリザーバ室及び高圧室と、仕切壁に穿設されて前記リザーバ室と高圧室を連通する連通路を開閉して、リザーバ室から高圧室側へのみ作動液の流通を許容するチェック弁と、前記進角側油圧室あるいは遅角側油圧室内に給排された油圧を前記リザーバ室内に給排する給排通路と、前記高圧室内の作動液を排出する排出手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 前記排出手段は、シート部材の後部側に前記遅角側あるいは進角側の一方の油圧室内の油圧に応じて摺動自在に設けられたピストンと、該ピストンの前端面中央に固定されて、先端部がリザーバ室を通って連通孔からチェック弁の弁体を押圧して開作動させるプッシュロッドとを備えたことを特徴とする請求項3記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 前記排出手段は、前記シート部材とプランジャとの間の形成されて、一端が高圧室に臨む排出通路部と、前記シート部材の周壁に貫通形成されて、排出通路部の他端とリザーバ室とを連通する通孔と、シート部材内に摺動自在に設けられて、少なくとも前記リザーバ室内に油圧が供給されることによって前記通孔を閉止し、前記進角側油圧室あるいは遅角側油圧室内に供給された油圧に押圧されることによって前記通孔を開成する制御弁とを備えたことを特徴とする請求項3記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 前記制御弁は、前記通孔を開閉する弁体と、該弁体に連結されて前記他方側の油圧室から供給油圧を受けて弁体を開方向へ移動させる受圧部とを備えたことを特徴とする請求項5記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 前記弁体と仕切壁との間に、制御弁を弾持する保持ばねを設けたことを特徴とする請求項5または6記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 前記排出通路部を、シート部材の外周面に形成された螺旋状溝あるいは軸方向溝によって構成したことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 前記規制機構は、ベーンの羽根部内に形成された第1摺動用孔及び第2摺動用孔と、該両摺動用孔を連通する油通路孔と、前記第1摺動用孔内に摺動自在に設けられて、頭部が隔壁部の一側面あるいはハウジングの内周面に当接するプランジャと、前記第2摺動用孔内に摺動自在に設けられて、前記油通路孔の一端開口を開閉する有底円筒状の弁体と、該弁体の底壁に貫通形成されて、前記一方側の油圧室と前記油通路孔とを連通する連通路と、弁体内に設けられて、一方側の油圧室の油圧を連通路から油通路孔方向へのみ流通を許容するチェック弁とから構成したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 前記プランジャの先端部が対向する対向壁を、隔壁部の一側面あるいはハウジングの内周面とすると共に、該一側面あるいは内周面を耐摩耗材で形成したことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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