JP3221336B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP3221336B2
JP3221336B2 JP32273796A JP32273796A JP3221336B2 JP 3221336 B2 JP3221336 B2 JP 3221336B2 JP 32273796 A JP32273796 A JP 32273796A JP 32273796 A JP32273796 A JP 32273796A JP 3221336 B2 JP3221336 B2 JP 3221336B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の運転中
に同機関の気筒に設けられた吸気・排気バルブの開閉タ
イミングを変更制御するためのバルブタイミング制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の気筒に設けられた吸気
・排気バルブの開閉タイミングを変更制御するバルブタ
イミング制御装置としては種々提案されており、ベーン
式の同装置として例えば、実開平2−50105号公報
に開示された装置が知られている。
【0003】この公報記載の装置は、同ベーン式のバル
ブタイミング制御装置として、始動位置においてタイミ
ングプーリに対するベーンの相対回転を規制するための
ロックピンを備える。プーリの径方向に形成されたガイ
ド溝に収容されたロックピンは、スプリングの付勢力に
よりベーンの中心へ向かって付勢される。ベーンに形成
された穴にロックピンが係合することにより、ベーンの
相対回転が規制される。機関の始動時には油圧によりロ
ックピンが解除され、プーリに対するベーンの相対回転
が許容される。
【0004】一方、ベーンの相対回転を規制するための
構成としては上述したような装置の他にも、図11〜図
13に示すような構成を有するバルブタイミング制御装
置が考えられる。
【0005】図11に示すように、このバルブタイミン
グ制御装置では、バルブを開閉駆動するためのカムシャ
フト212の外周に、タイミングプーリ222が回転可
能に外嵌されており、同プーリ222には図示しないエ
ンジンのクランクシャフトから回転駆動力が伝達され
る。又、タイミングプーリ222にはハウジング228
が一体回転可能に固定されている。更に、カムシャフト
212の先端部にはベーン体231が一体回転可能に固
定されている。又、カムシャフト212の最先端部に
は、前記ベーン体231及びハウジング228を覆うよ
うにしてカバー238が取り付けられている。
【0006】図12は図11のXII −XII 線に沿った断
面図である(尚、図11は図12のXI−XI線に沿った断
面図に相当する)。同図に示すように、前記ベーン体2
31には、カムシャフト212の軸心回りにおいて略9
0°毎の位置に、放射状に延びる複数のベーン232が
形成されており、各ベーン232は前記ハウジング22
8の内周部に形成された溝部(凹部)234内に配設さ
れている。
【0007】前記溝部234内において前記ベーン23
2の両側には、所定圧の油が供給されてベーン体231
の回転位相を制御をするための進角側油圧室213、及
び遅角側油圧室214が形成されている。そして同装置
にあっては、各油圧室213,214内に供給する油の
圧力を変更することにより、ベーン体231をハウジン
グ228に対し相対的に回転させてカムシャフト212
の回転位相を変更し、バルブの開閉タイミングを変更す
る。
【0008】更に、このバルブタイミング制御装置で
は、図13に示すように、ベーン232の一つにカムシ
ャフト212の軸と平行方向に延びる挿通孔242が形
成されている。この挿通孔242内には、ロックピン2
43が同軸と平行方向に摺動可能に配設されている。タ
イミングプーリ222には前記ロックピン243が嵌入
可能な係止穴249が形成されている。ロックピン24
3とカバー238との間には、同ピン243を前記係止
穴249の方向へと付勢するスプリング248が配設さ
れている。
【0009】また、ロックピン243の係止穴249へ
の係止状態を解除するために、係止穴249の内部、及
び、挿通孔242とロックピン243との間に形成され
る油圧室244の内部には、所定圧力の油が供給される
ようになっている。
【0010】その油の供給のために、係止穴249は、
前記ベーン232の側部に形成された油路250(図1
2)によって遅角側油圧室214の一つと連通されてい
る。また、油圧室244は、べーン体231の内部に形
成された油路245を介して、環状油通路246と連通
されている。
【0011】このためロックピン243は、前記油圧力
と前記スプリング248の付勢力との大小関係に応じて
挿通孔242内を移動するようになり、これが前記係止
穴249にて係止された状態では、前記ベーン体231
とハウジング228との相対回転が規制され、バルブの
開閉タイミングが所定のタイミング(通常、最遅角され
たタイミング近傍)に保持される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のバルブ
タイミング制御装置においては、油圧室213,214
に油圧が十分かかっていないエンジン始動時のベーン2
32とハウジング228とによる打音を防止するため
に、上記ロックピン243が設けられている。また同ロ
ックピン243は、エンジンの始動後、上記油圧室21
3,214に十分な油圧が供給されて以後は、その係止
状態が解除されて、ベーン体231とハウジング228
との相対回転が許容される状態になる必要がある。従っ
て同装置にあっては、ロックピン243の作動性がいか
なる場合も好適に維持される必要がある。
【0013】ところが、同制御装置のように、ロックピ
ン243をカムシャフト212の回転軸と平行方向に移
動させる構造とした場合、図13に示すように、係止穴
249及び挿通孔242において、その遠心方向の位置
に、同カムシャフト212の回転に伴う遠心力によって
スラッジ290が堆積する傾向がある。そして、このよ
うにスラッジ290が堆積する場合には、ロックピン2
43の作動性が低下し、極端な場合には、これが係止穴
249から抜けなくなったり、或いはエンジンの停止時
にもかかわらず、これが同係止穴249から解除された
状態に維持されるなどの不都合が生じることともなる。
【0014】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上記スラッジの堆積を
防止して、ロックピンの作動性を常に好適に維持するこ
とができるバルブタイミング制御装置を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、同一の回転軸心を有して内
燃機関の出力軸及び同機関のバルブを開閉駆動するカム
シャフトの一方及び他方に連結された第1及び第2の回
転体を備えるとともに、前期第1の回転体に形成された
凹部を前記第2の回転体に形成されたベーンにて区画す
ることによりベーンの少なくとも一側に液室を形成し、
該形成した液室に対する液圧制御に基づき前記第1及び
第2の回転体を相対回転させて前記機関出力軸と前記カ
ムシャフトとの相対回転位相を変更し、前記バルブの開
閉タイミングを可変制御する内燃機関のバルブタイミン
グ制御装置において、前記第1及び第2の回転体の一方
にそれら回転体の回転軸心と平行に形成された挿通孔を
移動する移動体が同第1及び第2の回転体の他方に形成
された係止穴に嵌入されることによってそれら第1及び
第2の回転体を所定の回転位相に係止するロック手段
と、前記移動体を前記係止穴の形成された回転体側に付
勢する付勢手段と、機関運転時、前記付勢手段による付
勢力に抗して前記ロック手段による係止を解除するため
の液圧を前記移動体に対し供給する解除液圧供給通路と
を備え、前記解除液圧供給通路はその一端が前記挿通孔
若しくは前記係止穴における前記回転体の遠心方向に開
口するとともに、同開口から前記遠心方向に延びて他端
が前記液室に開口するものとしたことをその要旨とする
ものである
【0016】請求項1記載の発明の構成によれば、機関
始動開始後、その運転に伴って所定状態に達したときに
上記付勢手段に抗する液圧によってロック手段の移動体
が前記係止穴より離脱し、これにより前記第1及び第2
の回転体の係止が解除される。また、前記ロック手段に
解除用の液圧を供給する液圧供給通路は、その開口が前
記挿通孔あるいは係止穴における前記回転体の遠心方向
に設けられるため、同挿通孔或いは係止穴に堆積するス
ラッジは、この解除液圧供給通路の開口から同通路を介
して液室に排出される。
【0017】
【0018】特に、解除液圧供給通路に排出されたスラ
ッジに対し遠心力が働き、その外部への排出性がより向
上する。また、請求項記載の発明は、請求項1記載の
バルブタイミング制御装置において、前記移動体の前記
係止穴への嵌入部及び前記係止穴は、同移動体の嵌入方
向に縮径されるテーパ状を有して形成されることをその
要旨とするものである。
【0019】同構成によれば、少なくとも係止穴内での
スラッジ堆積が防止できる。また、請求項記載の発明
は、同一の回転軸心を有して内燃機関の出力軸及び同機
関のバルブを開閉駆動するカムシャフトの一方及び他方
に連結された第1及び第2の回転体を備えるとともに、
前記第1の回転体に形成された凹部を前記第2の回転体
に形成されたベーンにて区画することによりベーンの少
なくとも一側に液室を形成し、該形成した液室に対する
液圧制御に基づき前記第1及び第2の回転体を相対回転
させて前記機関出力軸と前記カムシャフトとの相対回転
位相を変更し、前記バルブの開閉タイミングを可変制御
する内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前
記第1及び第2の回転体の一方にそれら回転体の回転軸
心と平行に形成された挿通孔を移動する移動体が同第1
及び第2の回転体の他方に形成された係止穴に嵌入され
ることによってそれら第1及び第2の回転体を所定の回
転位相に係止するロック手段と、前記移動体を前記係止
穴の形成された回転体側に付勢する付勢手段と、機関運
転時、前記付勢手段による付勢力に抗して前記ロック手
段による係止を解除するための液圧を前記移動体に対し
供給する解除液圧供給通路とを備え、前記解除液圧供給
通路は、前記挿通孔若しくは前記係止穴における前記回
転体の遠心方向に開口するとともに、前記挿通孔は、同
孔内の圧力を前記回転体の遠心方向に放圧する放圧通路
を備えることをその要旨とするものである。
【0020】同構成によれば、機関始動開始後、その運
転に伴って所定状態に達したときに上記付勢手段に抗す
る液圧によってロック手段の移動体が前記係止穴より離
脱し、これにより前記第1及び第2の回転体の係止が解
除される。また、前記ロック手段に解除用の液圧を供給
する液圧供給通路は、その開口が前記挿通孔あるいは係
止穴における前記回転体の遠心方向に設けられるため、
同挿通孔或いは係止穴に堆積するスラッジは、この解除
液圧供給通路の開口から同通路を介して外部(例えば、
液室)に排出される。更に、上記放圧通路よりスラッジ
が排出されその堆積が防止できる。また、請求項記載
の発明は、請求項記載のバルブタイミング制御装置に
おいて、前記放圧通路は、前記挿通孔から前記回転体の
遠心方向に延びて外部に連通することをその要旨とする
ものである。
【0021】同構成によれば、放圧通路に排出されたス
ラッジに対し遠心力が働き、その外部への排出性が向上
する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を内燃機関としての
多気筒ガソリンエンジンに設けられたバルブタイミング
制御装置として具体化した実施形態について説明する。
【0023】図1は、バルブタイミング変更機構(以
下、「VVT機構」という)11が設けられた吸気側カ
ムシャフト12等を示す断面図である。吸気側カムシャ
フト12のジャーナル12aは、シリンダヘッド18の
上端面とベアリングキャップ19によって回転可能に支
持されている。吸気側カムシャフト12の基端側(図1
の右側)には、図3に示すように、その外周部にカム2
0が複数組(同実施形態では4組)形成されている。各
カム20には、気筒毎に設けられた吸気バルブ(図示し
ない)の上端部が当接されており、同カム20の回転に
より吸気バルブが開閉駆動される。
【0024】吸気側カムシャフト12において、前記シ
リンダヘッド18及びベアリングキャップ19によって
支持された部分より先端側(図1の左側)の部分には拡
径部21が形成されている。この拡径部21の外周には
円環状をなすドリブンギヤ22が回転可能に被嵌されて
いる。ドリブンギヤ22の外周部には複数の外歯22a
が形成されており、この外歯22aは図3に示すよう
に、排気側カムシャフト23に設けられたドライブギヤ
24の外歯24aに噛合されている(図1ではドライブ
ギヤ24の図示を省略している)。
【0025】排気側カムシャフト23には吸気側カムシ
ャフト12と同様に、カム25が複数組(同実施形態で
は4組)形成されている。これらカム25によって図示
しない排気バルブが開閉駆動されるようになっている。
又、排気側カムシャフト23の端部には、カムプーリ2
6が固定されており、同プーリ26にはタイミングベル
ト27が掛装されている。タイミングベルト27は、エ
ンジンのクランクシャフト(図示しない)に取り付けら
れたクランクプーリ(図示しない)に掛装されている。
【0026】エンジンの運転が開始されると、排気側カ
ムシャフト23には前記カムプーリ26を介してクラン
クシャフトの回転駆動力が伝達されるとともに、その回
転駆動力は前記ドライブギヤ24及びドリブンギヤ22
を介して吸気側カムシャフト12に伝達されるようにな
っている。
【0027】図4は図1のIV−IV断面図である(尚、図
1は図4のI−I断面図に相当する)。図4に示すよう
に、VVT機構11は、ハウジング28と、同ハウジン
グ28内に配置されたベーン体31と、吸気側カムシャ
フト12の軸心回り方向における回転力を付与して同ベ
ーン体31を回動させるための進角側油圧室13及び遅
角側油圧室14等を備えている。
【0028】ハウジング28は、全体がほぼ中空円板状
を呈しており、その側面が前記ドリブンギヤ22の先端
側側面(図1の左側面)に当接されるとともに、複数の
ボルト30によって、後述するカバー38とともに同ギ
ヤ22に固定されている。従って、ハウジング28、ド
リブンギヤ22、及びカバー38は吸気側カムシャフト
12を回転軸心として一体回転可能となっている。
【0029】ベーン体31は、その中心に位置した円環
状をなす中心部31aと、同中心部31aの外周部に形
成された4つのベーン32とを備えている。各ベーン3
2は、吸気側カムシャフト12の径方向に放射状に延び
て全体がほぼ十字状を呈している。又、各ベーン32は
吸気側カムシャフト12の軸心に対して対称的に配置さ
れている。
【0030】ハウジング28の内部には、吸気側カムシ
ャフト12の周方向において所定間隔を隔てた位置に、
同シャフト12の軸心に向けて突出した4つの凸部33
が形成されている。これら各凸部33の内周面は前記中
心部31aの外周面に摺接されている。
【0031】ハウジング28において各凸部33の間に
は溝部(凹部)34がそれぞれ形成されている。前記各
ベーン32はこの溝部34内に配設されるとともに、そ
の両側面は図1に示すようにカバー38と、ドリブンギ
ヤ22及び拡径部21とにそれぞれ摺接されている。
又、各ベーン32の外周面はハウジング28の内周面に
摺接されている。
【0032】各ベーン32の外周部には断面矩形状をな
す外周溝35が形成されている。この外周溝35内には
図6に示すようにシール部材36がそれぞれ配設され、
更に、各シール部材36は板バネ37により外周側に向
けて付勢されている。その結果、シール部材36によっ
てベーン32の外周面とハウジング28の内周面との間
がシールされ、進角側油圧室13及び遅角側油圧室14
間での油の移動が規制されるようになっている。
【0033】又、図1に示すように、吸気側カムシャフ
ト12の最先端部には、ハウジング28及びベーン体3
1の先端側側面を覆うようにして、円板状をなすカバー
38が設けられている。同カバー38の中央部にはベー
ン体31を同カムシャフト12に取り付けるための取付
用孔39が形成されている。さらに、このカバー38に
は、図9及び図10に示すように、ドレン穴(放圧通
路)91が、カムシャフト12の回転軸の遠心方向にθ
1 の傾斜角を持って設けられている。これは、後述する
挿通孔42を設けたベーン32の回転移動にともなって
同挿通孔42からスラッジを含んだ油を外部へ排出する
ためのものである。なお、このドレン穴91は、同カバ
ー38において、前記進角側油圧室13及び遅角側油圧
室14のシール性が確保される位置に設けられている。
【0034】一方、前記ベーン体31の中央部には中心
孔40が形成されている。その中心孔40内に挿通され
た取付ボルト29が、吸気側カムシャフト12のボルト
孔41にて螺着されることにより、ベーン体31は吸気
側カムシャフト12の先端部に固定されている。更に、
ベーン体31及び吸気側カムシャフト12は図示しない
ノックピンにより係合されており、両者31,12は一
体回転するようになっている。前記各溝部34の内周壁
及びカバー38、ドリブンギヤ22によって囲まれた空
間は、各ベーン32によって2つの圧力室に区画形成さ
れている。そして、吸気側カムシャフト12の回転方向
(図4にて示す)と同方向側に形成された圧力室は遅角
側油圧室14となっており、又、前記回転方向と逆方向
側に形成された圧力室は進角側油圧室13となってい
る。
【0035】前記各油圧室13,14の内部には、後述
する進角側、遅角側油圧通路P1,P2を通じて油が供
給されるようになっており、ベーン体31はベーン32
に作用する各油圧室13,14内の油圧の大きさに応じ
て、吸気側カムシャフト12の回転方向と同方向(以
下、この回転方向を「進角回転方向」とする)、或い
は、同シャフト12の回転方向と逆方向(以下、この回
転方向を「遅角回転方向」とする)に回転可能である。
【0036】又一方、図6に拡大して示すように、ベー
ン32の一つには吸気側カムシャフト12の軸方向に延
びる断面円形状の挿通孔42が形成されており、同孔4
2内にはロックピン43が配設されている。より詳細に
説明すると、挿通孔42は、その途中に段部42aを有
しており、同段部42aより先端側(図6の左側)の部
分が拡径された形状となっている。
【0037】前記ロックピン43は有底円筒状を呈して
おり、その先端側の部分には拡径部43aが形成されて
いるとともに、その基端部はテーパ状に形成されてい
る。又ロックピン43は、その外周側面が挿通孔42の
内周側面に摺接した状態で、吸気側カムシャフト12の
軸方向に移動するようになっている。
【0038】又、前記挿通孔42の内周側面と、前記ロ
ックピン43の外周側面とによって囲まれた環状の空間
により、ロックピン43の係止状態を解除するための油
圧室44が区画形成されている。この油圧室44は、例
えばベーン32の内部に形成された第1圧力油路(解除
油圧供給通路)45を介して、前記進角側油圧室13の
一つと連通されている。
【0039】なお、本実施形態において、この第1圧力
油路45は、図8(a),(b)に示すように、油圧室
44へはカムシャフト12の回転軸から見て最遠心位置
に開口し、一方の進角側油圧室13へは同回転軸の遠心
方向にθ2 の傾斜角を持って開口している。これは、カ
ムシャフト12の回転にともなう遠心力によって油圧室
44の遠心位置にスラッジが堆積するのを防止するため
である。すなわち、第1圧力油路45が油圧室44に対
してカムシャフト12の回転軸から見て最遠心位置に開
口しており、かつ回転軸遠心方向にθ2 の傾斜角を持っ
ているため、スラッジが遠心力によって同油路45の開
口に集まり易く、かつ進角側油圧室13へ排出され易く
なる。
【0040】一方、ロックピン43の内部には軸方向に
延びる収容孔47が形成されており、同孔47内には付
勢手段となるスプリング48が配設されている。このス
プリング48により、前記ロックピン43は吸気側カム
シャフト12の基端側、即ちドリブンギヤ22側に向け
て付勢されている。
【0041】ドリブンギヤ22の先端側側面において、
ロックピン43の基端面に対向する位置には、図6に示
すように、同ピン43の基端側部分が嵌入可能な係止部
としての係止穴49が形成され、その外径面はテーパ状
に形成されている。これは、ドリブンギヤ22の回転に
ともなう遠心力によって同係止穴49の外径位置にスラ
ッジが堆積するのを防止するためである。
【0042】スプリング48により付勢された前記ロッ
クピン43が前記係止穴49内に嵌入すると、ベーン体
31とドリブンギヤ22との相対回転が規制される。そ
の結果、吸気側カムシャフト12、ベーン体31、ドリ
ブンギヤ22、及びハウジング28は一体的に回転する
ようになる。又、係止穴49は、例えば前記ベーン32
の側部に形成された第2圧力油路(解除油圧供給通路)
50によって遅角側油圧室14の一つと連通されてい
る。
【0043】なお、本実施形態にあっては、この第2圧
力油路50も、図8(b),(c)に示すように、挿通
孔42最奥部(図8(c)の右側)に対してカムシャフ
ト12の回転軸から見て最遠心位置に開口し、一方の前
記遅角側油圧室14へは同回転軸の遠心方向にθ3 の傾
斜角を持って開口している。この第2圧力油路50を介
して前記挿通孔42最奥部に供給された油は、ロックピ
ン43の基端テーパ部から係止穴49へ供給される。
【0044】前記係止穴49にてロックピン43が係止
されると、ベーン体31は、図4に示す吸気側カムシャ
フト12の回転位相がハウジング28に対して最も遅れ
た状態となる位置若しくはその近傍に固定される。
【0045】次に、前記進角側油圧室13に及び遅角側
油圧室14に油を供給するための圧力通路を構成する進
角側、遅角側油圧通路P1,P2、及びオイルコントロ
ールバルブ(以下、「OCV」と記す)16等の構成に
ついて説明する。
【0046】図1に示すように、シリンダヘッド18の
内部には進角側ヘッド油路53及び遅角側ヘッド油路5
4が形成されている。各ヘッド油路53,54は前記O
CV16、オイルフィルタ55、オイルポンプ15、及
びオイルストレーナ56を介してオイルパン57に接続
可能となっている。エンジンの運転に伴ってオイルポン
プ15が駆動されると、オイルパン57に貯留されてい
る油は同ポンプ15によって吸引される。そして、油は
前記オイルストレーナ56を介してオイルポンプ15内
に導入されるとともに、同ポンプ15から加圧されて吐
出される。そして、吐出された油はオイルフィルタ55
を介してOCV16に供給され、該OCV16によって
前記各ヘッド油路53,54へと選択的に圧送されるよ
うになる。
【0047】シリンダヘッド18の上端部及びベアリン
グキャップ19には、前記ジャーナル12aの外周を囲
むように油溝58,59がそれぞれ形成されており、前
記各ヘッド油路53,54は各油溝58,59に開口さ
れている。
【0048】吸気側カムシャフト12の内部には、その
軸心方向に延びる遅角側シャフト油路60が形成されて
おり、その先端側は前記ボルト孔41に通じている。
又、前記拡径部21の外周部には周方向に延びる周溝6
1が形成されており、同溝61と前記遅角側シャフト油
路60の先端側とは連通油路62により連通されてい
る。
【0049】ジャーナル12aの内部には、吸気側カム
シャフト12の径方向に延びる遅角側油孔63が形成さ
れている。遅角側シャフト油路60は、この遅角側油孔
63によって前記一方の油溝59に通じている。
【0050】又、吸気側カムシャフト12の内部には、
軸心方向に対して傾斜した方向に延びる進角側シャフト
油路64が形成されている。ジャーナル12aの内部に
は吸気側カムシャフト12の径方向に延びる進角側油孔
65が形成されている。前記進角側シャフト油路64の
基端側は、この進角側油孔65を介して前記他方の油溝
58に通じている。
【0051】ドリブンギヤ22には、図1に示すよう
に、断面扇形状をなす切溝66が4つ形成されている。
各切溝66によって前記周溝61と各遅角側油圧室14
とが連通されている。
【0052】又、前記拡径部21の先端側側面には、図
1に示すように先端側に突出した円筒状の突出部67が
形成されている。ベーン体31の基端側部分には前記突
出部67を囲むようにして段部68が形成されている。
そして、この段部68の内周壁と、前記突出部67及び
拡径部21によって囲まれた空間によって円環状をなす
進角側環状通路46が形成されている。前記進角側シャ
フト油路64の先端側はこの進角側環状通路46に開口
している。
【0053】更に、ベーン体31の内部には、図4、図
5に示すように、放射状に延びる4つの進角側供給油孔
69が形成されており、同油孔69の内周側は前記進角
側環状通路46に通じている。又、各進角側供給油孔6
9の外周側は前述した各進角側油圧室13に開口してい
る。
【0054】前述した、進角側ヘッド油路53、油溝5
8、進角側油孔65、進角側シャフト油路64、進角側
環状通路46、及び各進角側供給油孔69によって進角
側油圧通路P1が構成され、又、遅角側ヘッド油路5
4、油溝59、遅角側油孔63、遅角側シャフト油路6
0、連通油路62、周溝61、及び各切溝66によって
遅角側油圧通路P2が構成されている。
【0055】本実施形態では、OCV16によって各油
圧通路P1,P2と、オイルポンプ15及びオイルパン
57との連通状態を切り換えることによってオイルポン
プ15から各油圧室13,14内へ油を供給し、或いは
各油圧室13,14内から油を排出してオイルパン57
に戻すようにしている。
【0056】前記OCV16は、その開度がデューティ
制御されることにより、各進角側、遅角側油圧室13,
14に供給される油圧を制御するものである。以下、こ
のOCV16の構成について説明する。
【0057】図1に示すように、OCV16を構成する
ケーシング70は、第1〜第5のポート71〜75を有
している。第1のポート71は進角側ヘッド油路53に
連通され、第2のポート72は遅角側ヘッド油路54に
連通されている。又、第3及び第4のポート73,74
はオイルパン57に連通され、第5のポート75はオイ
ルフィルタ55を介してオイルポンプ15の吐出側に連
通されている。
【0058】ケーシング70の内部には串形のスプール
76が設けられている。このスプール76は円柱状をな
す4つの弁体77を有しており、その軸方向に往復動可
能となっている。ケーシング70には、スプール76を
図1に示す第1の作動位置と、図2に示す第2の作動位
置との間で移動させるための電磁ソレノイド78が設け
られている。ケーシング70内にはスプリング79が設
けられており、このスプリング79によりスプール76
は第1の作動位置側へ向けて付勢されている。
【0059】OCV16は図1に示す電子制御装置(以
下、「ECU」という)17によって制御される。この
ECU17にはエンジンの運転状態を検出するための回
転数センサ80及び吸気圧センサ81、更に、吸気側カ
ムシャフト12の回転位相を検出するためのクランク角
センサ82及びカム角センサ83が接続されており、E
CU17は各センサ80〜83の検出信号に基づいて、
エンジンの運転状態、及び吸気側カムシャフト12の回
転位相を検出するようになっている。そして、ECU1
7は、吸気側カムシャフト12における実際の回転位相
と、エンジンの運転状態に適合する目標回転位相との偏
差を判断し、同偏差が所定値以下となるように前記OC
V16を制御する。
【0060】次に、上記のように構成された本実施形態
における作用について説明する。エンジンの運転が開始
されると、オイルポンプ15が駆動されて同ポンプ15
から油が吐出される。吐出された油は、前記OCV16
によって選択された前記各油圧通路P1,P2の一方か
ら、進角側油圧室13或いは遅角側油圧室14のいずれ
かの油圧室13,14内に供給される。この際、前記油
圧室44或いは係止穴49の内部には、第1圧力油路4
5、或いは第2圧力油路50を通じて油が供給される。
【0061】そして、油圧室44或いは係止穴49の内
部における油圧が所定値以上に増加すると、当初、図7
に示される状態にあったロックピン43は、その油圧力
によりスプリング48の付勢力に抗して吸気側カムシャ
フト12の先端側に移動する。この移動により、図6に
示すようにベーン体31の係止が解除され、ハウジング
28に対するベーン体31の相対回転が可能となる。
【0062】そして、図2に示すように、スプリング7
9の付勢力に抗してスプール76が第2の作動位置に配
置されると、オイルポンプ15の吐出側と進角側ヘッド
油路53とが連通され、遅角側ヘッド油路54とオイル
パン57とが連通される。従って、各進角側油圧室13
には進角側油圧通路P1を介して油が供給される一方
で、各遅角側油圧室14内の油は遅角側油圧通路P2を
介してオイルパン57に戻される。
【0063】その結果、前記ベーン32は、各遅角側油
圧室14の油圧よりも相対的に増加した各進角側油圧室
13内の油圧により付勢されるため、ベーン体31はハ
ウジング28に対して、図5に矢印Aにて示す進角回転
方向に回転する。このようにベーン体31がハウジング
28に対して回転することにより、吸気側カムシャフト
12の回転位相がドリブンギヤ22よりも進む結果、吸
気バルブの開閉タイミングが早められる。
【0064】一方、図1に示すように、スプリング79
の付勢力によりスプール76が第1の作動位置に配置さ
れると、オイルポンプ15の吐出側と遅角側ヘッド油路
54とが連通され、進角側ヘッド油路53とオイルパン
57とが連通される。従って、各遅角側油圧室14には
遅角側油圧通路P2を通じて油が供給される一方で、各
進角側油圧室13の油は進角側油圧通路P1を介してオ
イルパン57に戻される。
【0065】その結果、前記ベーン32は各進角側油圧
室13の油圧よりも相対的に増加した各遅角側油圧室1
4内の油圧により付勢されるため、ベーン体31はハウ
ジング28に対して、図4に矢印Bにて示す遅角回転方
向に回転する。このようにベーン体31がハウジング2
8に対して回転することにより、吸気側カムシャフト1
2の回転位相がドリブンギヤ22よりも遅れる結果、吸
気バルブの開閉タイミングが遅れるようになる。
【0066】以上のようにして、吸気側カムシャフト1
2の回転位相が変更され、その回転位相とエンジンの運
転状態に適応する目標回転位相との偏差が所定値以下と
なると、ECU17はOCV16の第1のポート71及
び第2のポート72の両ポート71,72が、前記弁体
77によって閉塞された状態となるように、スプール7
6の位置を制御する(以下、このスプール76の位置を
「中間保持位置」という)。このように、スプール76
の位置が「中間保持位置」となると、各油圧室13,1
4への油の供給、或いは各油圧室13,14からの油の
排出は行われなくなる。そして、各ベーン32は各油圧
室13,14における油圧によって両側から保持される
ため、同ベーン体31の回転が規制され、ハウジング2
8に対するベーン体31の回転方向における位置が固定
される。その結果、吸気バルブの開閉タイミングが所定
のタイミングに保持される。
【0067】更に、本実施形態にあっては、前記ドレン
穴91、第1圧力油路45、第2圧力油路50及び係止
穴49に施されたテーパ等により前述したスラッジの堆
積が防止され、ロックピン43の作動性が良好に維持さ
れる。
【0068】以上説明した実施形態によって得られる効
果について以下に記載する。 (1) この内燃機関のバルブタイミング制御装置にお
いては、挿通孔42及び係止穴49に堆積するスラッジ
は、それぞれ堆積位置に第1圧力油路45及び第2圧力
油路50が存在するため、この通路より外部(油圧室1
3,14)に排出される。
【0069】(2) この内燃機関のバルブタイミング
制御装置においては、第1圧力油路45及び第2圧力油
路50は傾斜角を持って設けられているため、同第1圧
力油路45及び第2圧力油路50に排出されたスラッジ
に対し遠心力が働き、外部(油圧室13,14)への排
出性が向上する。
【0070】(3) この内燃機関のバルブタイミング
制御装置においては、係止穴49の外径面がテーパ状に
形成されているため、同係止穴49内でのスラッジ堆積
が防止できる。
【0071】(4) この内燃機関のバルブタイミング
制御装置においては、ドレン穴91よりスラッジが排出
されその堆積が防止できる。 (5) この内燃機関のバルブタイミング制御装置にお
いては、ドレン穴91は傾斜角を持って設けられている
ため、同ドレン穴91からのスラッジ排出性が遠心力の
作用により向上する。
【0072】なお、この発明は、次のように構成を変更
して具体化することもできる。 (a)上記実施形態において、スラッジの堆積防止手段
として、以下のような構成を示した。
【0073】即ち、(A)第1圧力油路45,第2圧力
油路50は、それぞれ油圧室44,挿通孔42最奥部へ
カムシャフト12の回転軸から見て最遠心位置に開口
し、さらに、(B)進角側油圧室13,遅角側油圧室1
4へは同回転軸の遠心方向に傾斜角を持って開口してい
る。また、(C)ロックピン43の基端部及び係止穴4
9の外径面はテーパ状に形成されている。さらに(D)
挿通孔42には、ドレン穴91がカムシャフト12の回
転軸から見て最遠心位置に備えられ、しかも(E)同ド
レン穴91は、カバー38にカムシャフト12の回転軸
の遠心方向に傾斜角を持って設けられ、VVT機構11
の外部に連通している。
【0074】ところで、バルブタイミング制御装置にお
いて、スラッジ堆積の防止対策として上記(A)〜
(E)の全ての構成を有する必要はない。従って、例え
ば上記実施形態において、ドレン穴91が外部に連通し
ない構成(A,B,C,D)としてもよいし、ドレン穴
91を設けない構成(A,B,C)としてもよい。ま
た、係止穴49をテーパ状としない構成(A,B,D,
E)としもよい。また、スラッジの堆積防止手段とし
て、前記傾斜角を持って設けられる第1圧力油路45及
び第2圧力油路50のみ設けた構成(A,B)とするも
のであってもよいし、単に前記第1圧力油路45及び第
2圧力油路50のみ設けた構成(A)とするものであっ
てもよい。また、次の構成(A,C)、(A,D)、
(A,B,D)、(A,C,D)、(A,D,E)又は
(A,C,D,E)とするものであってもよい。
【0075】(b)上記実施形態において、挿通孔42
をベーン32に設けたが、これに限定されるものでな
い。例えば、ハウジング28若しくはドリブンギヤ22
側に挿通孔42を設けてこの中にロックピン43を収容
し、ベーン体31側にその係止穴49を設ける構成とし
てもよい。
【0076】また、挿通孔42は貫通した穴である必要
はない。(c)上記実施形態において、油圧室44は進
角側油圧通路と、係止穴49は遅角側油圧通路とそれぞ
れ連通しているが、この連通態様は、互いに逆であって
もよい。
【0077】(d)上記実施形態において、油圧室1
3,14をベーン32の両側に設けたが、これに限定さ
れるものでなく、何れか一方のみであってもよい。その
場合、他方には、スプリング等の付勢部材を設ける。
【0078】(e)上記実施形態において、ドリブンギ
ヤ22をカムプーリに変更するとともに、同プーリにタ
イミングベルトが掛装された構成にVVT機構11を変
更し、同プーリをクランクシャフトの回転駆動力によっ
て直接回転駆動するようにしてもよい。
【0079】(f)上記実施形態では、ベーン体31に
4つのベーン32が形成される構成を採用したが、同ベ
ーン32を3つ以下、或いは5つ以上有した構成とする
こともできる。ベーン32の数を上記各実施形態より少
なくした場合には、前記各油圧通路P1,P2の構成を
簡略化することができ、上記実施形態より多くした場合
には、ベーン体31に対してより大きな回転トルクを付
与することができる。
【0080】(g)上記実施形態において、ハウジング
28とドリブンギヤ22とは別部材によって構成されて
いるが、例えば、これらを一体に構成することも可能で
ある。同様に、吸気側カムシャフト12と、ベーン体3
1とを一体に構成するようにしてもよい。
【0081】(h)上記実施形態では、ベーン体31を
吸気側カムシャフト12に固定し、更に、ハウジング2
8をドリブンギヤ22に固定する構成としたが、次のよ
うな構成とすることもできる。即ち、ベーン体31をド
リブンギヤ22に一体回転可能に固定若しくは一体に構
成する一方で、ハウジング28を吸気側カムシャフト1
2に一体回転可能に固定若しくは一体に構成する。
【0082】(i)上記実施形態において、カムプーリ
26をタイミングスプロケットに変更し、タイミングベ
ルト27をタイミングチェーンに変更した構成を有する
VVT機構11を採用するようにしてもよい。
【0083】(j)上記実施形態は吸気バルブの開閉タ
イミングを変更するものであったが、排気バルブの開閉
タイミングを変更するようにしてもよい。又、VVT機
構11を吸気側カムシャフト12及び排気側カムシャフ
ト23の双方に設け、吸気バルブ及び排気バルブの双方
のバルブ開閉タイミングを変更するようにしてもよい。
【0084】(k)上記実施形態では、VVT機構11
を吸気側カムシャフト12側に設けてクランクシャフト
に対する吸気側カムシャフト12の回転位相を変更制御
する構成を示したが、これに限定されるものではない。
【0085】例えば、VVT機構11を同様に吸気側カ
ムシャフト12側に設けるとともに、同吸気側カムシャ
フト12をクランクシャフトに駆動連結し、クランクシ
ャフトに対する排気側カムシャフト23(VVT機構1
1が設けられいない側のカムシャフト)の回転位相を変
更制御するようにしてもよい。
【0086】或いは、VVT機構11を排気側カムシャ
フト23側に設けるとともに、吸気側カムシャフト12
をクランクシャフトに駆動連結し、クランクシャフトに
対する排気側カムシャフト23の回転位相を変更制御す
るようにしてもよい。また、同様にVVT機構11を排
気側カムシャフト23側に設けるとともに、同排気側カ
ムシャフト23をクランクシャフトに駆動連結し、クラ
ンクシャフトに対する吸気側カムシャフト12(VVT
機構11が設けられいない側のカムシャフト)の回転位
相を変更制御するようにしてもよい。
【0087】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されるた
め、次のような優れた効果を奏する。請求項1に記載の
発明によれば、ロック手段に解除用の液圧を供給する液
圧供給通路は、その開口が挿通孔あるいは係止穴におけ
る回転体の遠心方向に設けられるため、同挿通孔或いは
係止穴に堆積するスラッジは、この解除液圧供給通路の
開口から同通路を介して液室に排出される。
【0088】更に、解除液圧供給通路に排出されたスラ
ッジに対し遠心力が働き、その外部への排出性がより向
上する。
【0089】請求項に記載の発明によれば、係止穴は
移動体の嵌入方向に縮径されるテーパ状を有して形成さ
れるため、少なくとも同係止穴内でのスラッジ堆積が防
止できる。
【0090】請求項又はに記載の発明によれば、挿
通孔は、同孔内の圧力を回転体の遠心方向に放圧する放
圧通路を備えるため、同放圧通路よりスラッジが排出さ
れその堆積が防止できる。
【0091】特に、請求項に記載の発明によれば、上
記放圧通路に排出されたスラッジに対し遠心力が働き、
その外部への排出性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブタイミング制御装置の一実施形
態を示す断面図。
【図2】OCVの作動状態の一例を示す部分断面図。
【図3】同実施形態の動弁構造を示す平面図。
【図4】図1のIV−IV線に沿った断面図。
【図5】VVTの作動状態の一例を示す断面図。
【図6】ロックピンの周辺構造を示す拡大断面図。
【図7】ロックピンの周辺構造を示す拡大断面図。
【図8】(a)ベーン部の概略左側面図、(b)ベーン
部の概略正面図、(c)ベーン部の概略右側面図。
【図9】ドレン穴位置を示す説明図。
【図10】図9のX−X線に沿った断面図。
【図11】バルブタイミング制御装置の一例を示す断面
図。
【図12】図11のXII −XII 線に沿った断面図。
【図13】同装置におけるロックピンの周辺構造を示す
拡大断面図。
【符号の説明】
11…VVT機構(バルブタイミング変更機構)、12
…吸気側カムシャフト、13…進角側油圧室、14…遅
角側油圧室、18…シリンダヘッド、22…ドリブンギ
ヤ、28…ハウジング、31…ベーン体、32…ベー
ン、42…挿通孔、43…ロックピン、45…第1圧力
油路、48…スプリング、49…係止穴、50…第2圧
力油路、91…ドレン穴。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 1/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一の回転軸心を有して内燃機関の出力軸
    及び同機関のバルブを開閉駆動するカムシャフトの一方
    及び他方に連結された第1及び第2の回転体を備えると
    ともに、前記第1の回転体に形成された凹部を前記第2
    の回転体に形成されたベーンにて区画することによりベ
    ーンの少なくとも一側に液室を形成し、該形成した液室
    に対する液圧制御に基づき前記第1及び第2の回転体を
    相対回転させて前記機関出力軸と前記カムシャフトとの
    相対回転位相を変更し、前記バルブの開閉タイミングを
    可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置にお
    いて、 前記第1及び第2の回転体の一方にそれら回転体の回転
    軸心と平行に形成された挿通孔を移動する移動体が同第
    1及び第2の回転体の他方に形成された係止穴に嵌入さ
    れることによってそれら第1及び第2の回転体を所定の
    回転位相に係止するロック手段と、 前記移動体を前記係止穴の形成された回転体側に付勢す
    る付勢手段と、 機関運転時、前記付勢手段による付勢力に抗して前記ロ
    ック手段による係止を解除するための液圧を前記移動体
    に対し供給する解除液圧供給通路と、 を備え、 前記解除液圧供給通路はその一端が前記挿通孔若しくは
    前記係止穴における前記回転体の遠心方向に開口すると
    ともに、同開口から前記遠心方向に延びて他端が前記液
    室に開口することを特徴とする内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のバルブタイミング制御装置
    において、 前記移動体の前記係止穴への嵌入部及び前記係止穴は、
    同移動体の嵌入方向に縮径されるテーパ状を有して形成
    される ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制
    御装置。
  3. 【請求項3】同一の回転軸心を有して内燃機関の出力軸
    及び同機関のバルブを開閉駆動するカムシャフトの一方
    及び他方に連結された第1及び第2の回転体を備えると
    ともに、前記第1の回転体に形成された凹部を前記第2
    の回転体に形成されたベーンにて区画することによりベ
    ーンの少なくとも一側に液室を形成し 、該形成した液室
    に対する液圧制御に基づき前記第1及び第2の回転体を
    相対回転させて前記機関出力軸と前記カムシャフトとの
    相対回転位相を変更し、前記バルブの開閉タイミングを
    可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置にお
    いて、 前記第1及び第2の回転体の一方にそれら回転体の回転
    軸心と平行に形成された挿通孔を移動する移動体が同第
    1及び第2の回転体の他方に形成された係止穴に嵌入さ
    れることによってそれら第1及び第2の回転体を所定の
    回転位相に係止するロック手段と、 前記移動体を前記係止穴の形成された回転体側に付勢す
    る付勢手段と、 機関運転時、前記付勢手段による付勢力に抗して前記ロ
    ック手段による係止を解除するための液圧を前記移動体
    に対し供給する解除液圧供給通路と、 を備え、 前記解除液圧供給通路は、前記挿通孔若しくは前記係止
    穴における前記回転体の遠心方向に開口するとともに、
    前記挿通孔は、同孔内の圧力を前記回転体の遠心方向に
    放圧する放圧通路を備える ことを特徴とする内燃機関の
    バルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載のバルブタイミング制御装置
    において、 前記放圧通路は、前記挿通孔から前記回転体の遠心方向
    に延びて外部に連通する ことを特徴とする内燃機関のバ
    ルブタイミング制御装置。
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