JP3266013B2 - 内燃機関のバルブタイミング変更装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング変更装置

Info

Publication number
JP3266013B2
JP3266013B2 JP30652196A JP30652196A JP3266013B2 JP 3266013 B2 JP3266013 B2 JP 3266013B2 JP 30652196 A JP30652196 A JP 30652196A JP 30652196 A JP30652196 A JP 30652196A JP 3266013 B2 JP3266013 B2 JP 3266013B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
movable member
locking
oil
opening
camshaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP30652196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10148108A (ja
Inventor
健 朝倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP30652196A priority Critical patent/JP3266013B2/ja
Publication of JPH10148108A publication Critical patent/JPH10148108A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3266013B2 publication Critical patent/JP3266013B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の運転中
に同機関の気筒に設けられた吸気・排気バルブの開閉タ
イミングを変更するためのバルブタイミング変更装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の気筒に設けられた
吸気・排気バルブの開閉タイミングを変更するためのバ
ルブタイミング変更装置に関する技術として種々のもの
が提案されている。例えば、ベーンタイプのバルブタイ
ミング変更措置としては、特開平2−50105号公報
或いは特開平1−92504号公報のものが挙げられ
る。
【0003】ここで特開平1−9250号公報の従来例
について説明する。特開平1−92504号公報には
「弁開閉時期制御装置」が開示されている。この「弁開
閉時期制御装置」は、図11及び図12に示すように、
カムシャフト101の先端部に設けられた内部ロータ1
02と、同ロータ102に対して相対回転可能に外嵌さ
れたタイミングプーリ103とを備えている。内部ロー
タ102の外周部には径方向に延びる複数のベーン10
5が固定されている。
【0004】又、図12に示すように、タイミングプー
リ103の内周部には複数のオイル溝106が形成され
ており、各ベーン105は同溝106内にそれぞれ配置
されている。更に、各ベーン105の両側には、内部ロ
ータ102に対して回転力を付与するための圧力室10
9が形成されている(図12では各ベーン105の片側
に形成された圧力室109のみを示す)。
【0005】前記各圧力室109は圧力通路120(図
12では一部のみを示す)を介して切換バルブ及びオイ
ルポンプ(いずれも図示しない)に接続されており、各
圧力室109の内部には前記ポンプから加圧された油が
供給される。
【0006】又、タイミングプーリ103の内部には径
方向に延びる二つの挿入孔111,112が形成されて
おり、同挿入孔111,112内にはロックピン11
3,114が配設されている。ロックピン113,11
4は前記挿入孔111,112内のスプリング115,
116によって、カムシャフト101の軸心側に向けて
付勢されている。
【0007】更に、内部ロータ102の外周部には各ロ
ックピン113,114の前記軸心側部分が嵌入する係
止穴117,118が形成されている。又、各係止穴1
17,118は前記各圧力室109内と連通されてい
る。従って、オイルポンプから各圧力室内に供給される
油の一部は、前記係止穴117,118内にも供給され
るようになっている。
【0008】上記「弁開閉時期制御装置」では、各係止
穴117,118のいずれかの内部にロックピン11
3,114の一方が嵌入され同ピン113,114が係
止されることによって、内部ロータ102及びタイミン
グプーリ103の相対回転が規制され、バルブの開閉タ
イミングが早められた状態、或いは遅れた状態のいずれ
かの状態に固定される。又、バルブタイミングを変更す
る際には、係止穴117,118内に供給された油の圧
力によってロックピン113,114を係止穴117,
118から押し出すとともに、前記各圧力室109の油
圧を各ベーン105に作用させて内部ロータ102を回
転させることによりバルブ開閉タイミングを変更するこ
とができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の「弁開閉時
期制御装置」において、ロックピン113,114が係
止穴117,118に係入しているとき、ロックピン1
13,114が係入した先端部が、係入穴117,11
8の開口縁角部とが接触すると、接触応力により、係止
穴117,118を形成している材料の塑性流動が生
じ、この塑性流動により、圧力室109側に肉が盛り上
がる虞がある。
【0010】この塑性流動による肉の盛り上がりは、内
部ロータ102がタイミングプーリ103に対して相対
的に回転する場合、両者の相対回転の障害となり、相対
回転運動が悪化し、その結果、位相変更時の応答性が低
下する虞があった。
【0011】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもの
であり、その目的は、第1回転体及び第2回転体を備
え、両回転体を相対回転させることによりバルブの開閉
タイミングを変更し、又、第1回転体に設けられたロッ
クピン等の可動部材を第2回転体の係止凹部にて係止す
ることにより、両回転体の相対回転を規制してバルブの
開閉タイミングを所定のタイミングに保持可能な内燃機
関のバルブタイミング変更装置において、前記係止凹部
の開口周縁部の塑性流動の発生を防止し、もって第1回
転体と第2回転体との相対回転性の低下を防止すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、同一の回転軸心を有した第1回
転体及び第2回転体と、前記第1回転体に形成された挿
通空間内に移動可能に配設された可動部材と、前記第2
回転体に形成された係止凹部と、前記可動部材を前記係
止凹部に近接する方向へと付勢する付勢手段と、前記両
回転体のうち一方に形成された凹部内に、他方に形成さ
れた前記回転軸心の径方向に延びる凸部が配設されるこ
とにより、前記回転軸心の周方向において前記凸部の少
なくとも一方側に区画形成された圧力室と、前記圧力室
に流体を供給し、流体圧を前記可動部材に対して作用さ
せるための流体圧供給手段とを備え、内燃機関のクラン
クシャフト、及び同機関のバルブを開閉駆動するための
カムシャフトのうち、一方が前記第1回転体に駆動連結
されると共に、他方が第2回転体に駆動連結され、圧力
室に供給された流体の流体圧を前記凸部に作用させて前
記両回転体を相対回転させることにより前記クランクシ
ャフトに対するカムシャフトの回転位相を変更し、更
に、前記可動部材が前記付勢手段により前記係止凹部に
て係入されることによって前記両回転体の相対回転が規
制された状態と、前記流体圧により前記可動部材を前記
係止凹部から離間させることによって前記両回転体の相
対回転が許容された状態と、を切換可能な内燃機関のバ
ルブタイミング変更装置において、可動部材には、可動
部材が係止凹部内に係入されたとき、係止凹部の開口周
縁部よりも内方において、係止凹部の内周面と当接係合
するとともに、同当接部の係止凹部内周面との当接係合
により、同可動部材の係止凹部の開口周縁部に対する接
触を不能にする当接部を形成し、前記係止凹部の少なく
とも開口内周面には、開口側へ行くほど拡開するガイド
テーパ面を形成する一方、前記可動部材の係止凹部側端
部には、係止凹部側へ行くほど縮径する係入テーパ面を
形成し、前記ガイドテーパ面のテーパ角θ1と、係入テ
ーパ面のテーパ角θ2とを、θ1>θ2としたことを特
徴とする内燃機関のバルブタイミング変更装置をその要
旨としている。
【0013】
【0014】
【0015】(作用)請求項1の発明では、流体圧供給
手段から圧力室内に流体が供給されると、その流体の流
体圧が前記凸部に作用し両回転体は相対的に回転する。
この相対回転によりクランクシャフトに対するカムシャ
フトの回転位相が変更され、バルブの開閉タイミングが
変更される。
【0016】第1回転体の挿通空間内に配置された可動
部材は、付勢手段により付勢されて移動し第2回転体に
形成された係止凹部内に係入し係止される。その結果、
前記両回転体の相対回転が規制される。従って、バルブ
の開閉タイミングは所定のタイミングに保持される。
【0017】この可動部材が、係止凹部内に係入される
とき、当接部は、係止凹部の内周面と当接係合するとと
もに、同可動部材の係止凹部の開口周縁部に対する接触
を不能にする。この結果、可動部材が係止凹部の開口周
縁部に接触することがないため、開口周縁部に塑性流動
を生ずることがない。
【0018】又、可動部材に、流体圧供給手段からの流
体圧が作用すると、その流体圧によって生じる駆動力に
より可動部材は前記付勢手段の付勢力に抗して前記係止
凹部から離間する方向に移動する。その結果、係止凹部
における可動部材の係止が解除されて、前記両回転体の
相対回転が許容される。従って、バルブの開閉タイミン
グが変更可能な状態となる。
【0019】可動部材が係止凹部にて係止され、両回転
体の回転が規制されている状態から、前記突状部及び可
動部材に作用する流体圧を増加させると、前記可動部材
の係止が解除されると共に、前記両回転体は相対回転し
てバルブの開閉タイミングが変更される。
【0020】また、係止凹部の少なくとも開口内周面
は、開口側へ行くほど拡開するガイドテーパ面を形成し
ているため、可動部材の係入が容易にガイドできる。
【0021】また、可動部材の係止凹部側端部は、係止
凹部側へ行くほど縮径する係入テーパ面を備えているた
め、可動部材が係止凹部内のテーパ面と当接した場合、
可動部材の係入をさらに容易とすることができる。
【0022】更に、ガイドテーパ面のテーパ角θ1と、
係入テーパ面のテーパ角θ2と、θ1>θ2としてい
るため、係止凹部の開口周縁部よりも内方において、係
止凹部の内周面と当接係合するとともに、同当接部の係
止凹部内周面との当接係合により、同可動部材の係止凹
部の開口周縁部に対する接触を不能にする当接部を容易
に形成可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を内燃機関としての
多気筒ガソリンエンジンに設けられたバルブタイミング
変更装置に具体化した実施の形態を図1〜図8を参照し
て説明する。
【0024】図1は、吸気側カムシャフト11、及びそ
の先端部に設けられた位相変更機構(以下、「VVT機
構」という)12等を示す断面図であり、図2はVVT
機構12を分解して示す斜視図である。尚、吸気側カム
シャフト11は本発明におけるカムシャフトに相当する
ものである。
【0025】吸気側カムシャフト11のジャーナル11
aは、シリンダヘッド13の上端面とベアリングキャッ
プ14によって回転可能に支持されている。吸気側カム
シャフト11の基端側(図1の右側)には、その外周部
に図示しないカムが形成されている。各カムには、気筒
毎に設けられた吸気バルブ(図示しない)の上端部が当
接されており、同カムの回転により吸気バルブが開閉駆
動されるようになっている。
【0026】吸気側カムシャフト11の最先端部にはフ
ランジ16が形成されている。このフランジ16の先端
面には図1及び図2に示すように、側板17、スプロケ
ット18、ベーン19、及びカバー20がボルト21に
より取り付けられている。
【0027】前記側板17は図2に示すように全体が略
円板状をなしており、前記フランジ16の先端側側面に
接している。この側板17とフランジ16とはノックピ
ン22により相対回転が規制されて一体回転可能となっ
ている。又、側板17の中央部にはボス17aが形成さ
れており、前記ベーン19はこのボス17aに外嵌され
ている。
【0028】ベーン19は図2に示すように、中央部に
形成された円柱状の固定部24と、同固定部24の外周
側に十字形状となるように延設された4つの突状部25
とを有している。又、図5に示すように、前記スプロケ
ット18には内周側へ延びる4つの突状部15が形成さ
れており、更に各突状部15の間には溝部26がそれぞ
れ形成されている。ベーン19に形成された各突状部2
5は、この各溝部26内にそれぞれ配設されている。
【0029】又、図1に示すように、各突状部25はノ
ックピン23により前記側板17に固定されており、両
者25,17は一体回転するようになっている。尚、本
実施形態において、ベーン19及び側板17は本発明に
おける第2回転体に相当し、前記スプロケット18は第
1回転体に相当するものである。又、ベーン19に形成
された各突状部25、及び前記各溝部26はそれぞれ本
発明における凸部及び凹部に相当する。
【0030】各溝部26の内周壁と前記側板17及びカ
バー20によって形成された空間内は、前記突状部25
により2つの油圧室に区画されている。各突状部25の
両側に形成されたそれぞれの油圧室のうち、吸気側カム
シャフト11の回転方向(図5にて示す)と同方向側に
形成された油圧室は遅角側油圧室28、又、前記回転方
向と逆方向側に形成された油圧室は進角側油圧室27と
なっている。これら各油圧室27,28内には後述する
進角側油圧通路S1或いは遅角側油圧通路S2を通じて
所定圧力の油が供給される。
【0031】そして、ベーン19は突状部25に作用す
る各油圧室27,28内の油圧の大きさに応じて、吸気
側カムシャフト11の回転方向と同方向(以下、この回
転方向を「進角回転方向」とする)、或いは、同シャフ
ト11の回転方向と逆方向(以下、この回転方向を「遅
角回転方向」とする)に回転する。又、このように、ベ
ーン19が回転することにより、前記スプロケット18
と側板17とは、スプロケット18の基端側側面が前記
側板17に摺接した状態で相対回転する。
【0032】各突状部25の外周側部分には、図2に示
すように外周溝29が形成されている。各外周溝29内
には、断面コ字形状をなすシール部材30がそれぞれ配
設されるとともに、各シール部材30は板バネ31によ
ってスプロケット18が内周壁面に押圧されている。従
って、各突状部25の外周側面とスプロケット18の内
周壁面との各面間はシールされ、前記各油圧室27,2
8間における油の移動が規制されている。
【0033】前記スプロケット18の外周部に形成され
た外歯18aにはタイミングチェーン(図示しない)が
掛装されている。タイミングチェーンはクランクシャフ
ト(図示しない)に設けられたクランクスプロケット
(図示しない)に掛装されており、前記スプロケット1
8には同チェーンを介してクランクシャフトの回転駆動
力が伝達される。スプロケット18に伝達された回転駆
動力は、前記各油圧室27,28内に供給された油によ
りベーン19に伝達され、更に、ベーン19から側板1
7を介して吸気側カムシャフト11に伝達される。
【0034】図1、2及び図5に示すように、スプロケ
ット18に形成された突状部15の一つには吸気側カム
シャフト11の軸方向に延びる断面円形状の貫通孔32
が形成されており、同孔32内にはロックピン33が配
設されている。より詳細に説明すると、貫通孔32は、
その途中に段部32aが形成されるとともに、同段部3
2aより先端側(図1の左側)の部分が拡径された形状
を有している。尚、本実施形態において、前記貫通孔3
2は挿通空間に相当し、又、ロックピン33は可動部材
に相当する。
【0035】ロックピン33は有底円筒状をなし、その
先端側の部分には拡径部33aが形成されている。又、
ロックピン33は、その外周側面が貫通孔32の内周側
面に摺接した状態で、吸気側カムシャフト11の軸方向
に移動するようになっている。
【0036】前記貫通孔32において拡径された部分の
内周側面と、前記ロックピン33の外周側面等とによっ
て囲まれた環状の空間により、ロックピン33の係止を
解除するための油圧室34が区画形成されている。この
油圧室34は、図4及び図5に示すように、突状部15
の側壁に形成された連通孔15aにより前記遅角側油圧
室28の一つと連通されている。尚、図5は、図1のV
−V 断面図であり、又、図4は図5のIV−IV断面図であ
る。(図1は図5のI −I 断面図に相当する。)図1に
示すように、スプロケット18には、一端側がロックピ
ン33の先端側に該当する貫通孔32の内部に開口し、
他端側が外部に通じた空気給排通路39が形成されてい
る。ロックピン33が貫通孔32内で移動する際には、
この空気給排通路39を通じて貫通孔32内部と外部と
の間で空気の流通及び油の排出が行われるため、ロック
ピン33の移動が円滑に行われる。
【0037】ロックピン33の内部には図7、8に示す
ように、軸方向に延びる収容孔35が形成されており、
同孔35内には付勢手段としてのスプリング36が配設
されている。このスプリング36により、前記ロックピ
ン33は吸気側カムシャフト11の基端側に向けて付勢
されている。尚、本実施形態において上記ロックピン3
3の基端面は受圧部に相当する。
【0038】図7、8に示すように、スプロケット18
の先端側側面において、ロックピン33の基端面に対向
する位置には、同ピン33の基端側部分が嵌入可能な係
止凹部としての係止穴37が形成されている。前記係止
穴37は図7,8に示すようにテーパ角θ1を有するガ
イドテーパ面37aが形成され、逆円錐台上の凹部とさ
れている。一方、ロックピン33の基端は、前記係止穴
37に嵌入可能に円錐台状に形成され、基端側程へ行く
ほど径が小さくなるようにテーパ角θ2を備えた係入テ
ーパ面33bが形成されている。そして、テーパ角θ2
とテーパ角θ1とは、θ1>θ2とされている。なお、
係止穴37の内底面の径と、ロックピン33の基端面の
径とは同一径とされている。
【0039】なお、テーパ角とは、係止穴37及びロッ
クピン33の軸心Oを対称中心線として両側面間のなす
角度をいう。そして、スプリング36により付勢された
ロックピン33がこの係止穴37内に嵌入すると、スプ
ロケット18と側板17との相対回転が規制される。こ
のとき、ロックピン33の基端面の周縁部、すなわち、
ガイドテーパ面37aの周縁部と、係止穴37のガイド
テーパ面37aの内底面側周縁部とが互いに当接係合さ
れる。従って、ロックピン33のガイドテーパ面37a
の内底面側周縁部が本発明における当接部Aとされてい
る。
【0040】その結果、スプロケット18、側板17、
ベーン19、及び吸気側カムシャフト11は一体的に回
転可能となる。この際、ベーン19はスプロケット18
に対して最も遅角回転方向に回転した位置(以下、この
ベーン19の位置を「最遅角位置」という)に固定され
る。
【0041】次に、前記進角側油圧室27に及び遅角側
油圧室28に油を供給するための進角側、遅角側油圧通
路S1,S2、及びOCV38等の構成について説明す
る。図1に示すように、シリンダヘッド13の内部には
進角側ヘッド油路40及び遅角側ヘッド油路41が形成
されている。各ヘッド油路40,41は前記OCV3
8、オイルフィルタ42、オイルポンプ43、及びオイ
ルストレーナ44を介してオイルパン45に接続可能と
なっている。エンジンの運転に伴ってオイルポンプ43
が駆動されると、オイルパン45に貯留されている油は
同ポンプ43によって吸引される。そして、油は前記オ
イルストレーナ44を介してオイルポンプ43内に導入
されるとともに、同ポンプ43から加圧されて吐出され
る。そして、吐出された油はオイルフィルタ42を介し
てOCV38によって前記各ヘッド油路40,41へと
選択的に圧送されるようになっている。
【0042】シリンダヘッド13の上端部及びベアリン
グキャップ14には、前記ジャーナル11aの外周を囲
むようにして油溝46が形成されており、又、前記ジャ
ーナル11aの外周部には周方向に延びる油溝47が形
成されている。前記各ヘッド油路40,41はこれら各
油溝46,47にそれぞれ開口している。
【0043】図4に示すように、吸気側カムシャフト1
1の内部には、その軸心方向に延びる進角側シャフト油
路48が形成されており、同油路48の基端側は前記ジ
ャーナル11aに形成された油孔49によって前記一方
の油溝46に連通されている。又、前記ボス17aの内
周面と前記ボルト21の外周面との間には隙間50が形
成されており、この隙間50は側板17の内周側部分に
形成された切欠部51によって前記進角側シャフト油路
48の先端側と連通されている。
【0044】図4及び図5に示すように、ベーン19の
先端側部分には吸気側カムシャフト11の径方向に延び
る4つの切溝52が形成されている。これら各切溝52
によって各進角側油圧室27内と前記隙間50とが連通
されている。従って、進角側ヘッド油路40から油溝4
6内に供給された油は、油孔49、進角側シャフト油路
48、切欠部51、隙間50、及び各切溝52を通じて
各進角側油圧室27内に供給される。
【0045】又、図1に示すように、吸気側カムシャフ
ト11のフランジ16に接している側板17の基端側側
面には同シャフト11の径方向に延びる油溝57が形成
されている。この油溝57は内周側は前記隙間50に通
じており、又、その外周側は側板17に形成された油孔
58を介して前記係止穴37内に通じている。従って、
前記隙間50内に供給された油は、この油溝57及び油
孔58を介して係止穴37内に導入される。
【0046】図4に示すように、吸気側カムシャフト1
1の内部には、前記進角側シャフト油路48と平行に延
びる遅角側シャフト油路53が形成されており、同油路
53の基端側はジャーナル11aに形成された油溝47
に通じている。又、ベーン19の基端側部分と側板17
とによって、前記ボス17aを周方向に囲む遅角側環状
通路54が形成されている。この環状通路54は、図6
に示すように側板17に形成された連通孔55によって
前記遅角側シャフト油路53の先端側に通じている。
【0047】ベーン19の基端側部分には、図4に示す
ように、径方向に延びる4つの切溝56が形成されてい
る。この各切溝56により前記各遅角側油圧室28内は
前記環状通路54と連通されている。従って、遅角側ヘ
ッド油路41から油溝47内に供給された油は、遅角側
シャフト油路53、連通孔55、環状通路54、及び各
切溝56を通じて各遅角側油圧室28内に供給される。
【0048】本実施形態では、進角側ヘッド油路40、
油溝46、油孔49、進角側シャフト油路48、切欠部
51、隙間50、及び各切溝52により進角側油圧通路
S1が構成され、又、遅角側ヘッド油路41、油溝4
7、遅角側シャフト油路53、連通孔55、環状通路5
4、及び各切溝56によって遅角側油圧通路S2が構成
されている。そして、OCV38によって各油圧通路S
1,S2と、オイルポンプ43及びオイルパン45との
接続状態を切り換えることによってオイルポンプ43か
ら各油圧室27,28内へ油を供給し、或いは各油圧室
27,28内から油を排出してオイルパン45に戻すよ
うにしている。尚、前記各油圧通路S1,S2、オイル
ポンプ43、OCV38によって流体圧供給手段が構成
されている。
【0049】前記OCV38は、その開度がデューティ
制御されることにより、各進角側、遅角側油圧室27,
28に供給される油圧を制御するものである。以下、こ
のOCV38の構成について説明する。
【0050】図1に示すように、OCV38のケーシン
グ60は、第1〜第5ポート61〜65を有している。
第1ポート61は進角側ヘッド油路40に連通され、第
2ポート62は遅角側ヘッド油路41に連通されてい
る。又、第3及び第4ポート63,64はオイルパン4
5に連通され、第5ポート65はオイルフィルタ42を
介してオイルポンプ43の吐出側に連通されている。
【0051】ケーシング60の内部には串形のスプール
66が設けられている。このスプール66は円筒状をな
す4つの弁体67を有しており、その軸方向に往復動可
能となっている。ケーシング60には、スプール66を
図1に示す第1の作動位置と、図3に示す第2の作動位
置との間で移動させるための電磁ソレノイド68が設け
られている。ケーシング60内にはスプリング69が設
けられており、このスプリング69によりスプール66
は第1の作動位置側へ向けて付勢されている。
【0052】OCV38は図1に示す電子制御装置(以
下、「ECU」という)70によって制御される。この
ECU70にはエンジンの回転数を検出するための回転
数センサ71、及び吸気圧を検出するための吸気圧セン
サ72、更に、吸気側カムシャフト11の回転位相を検
出するためのクランク角センサ73及びカム角センサ7
4が接続されており、ECU70は各センサ71〜74
の検出信号に基づいて、エンジンの運転状態、及び吸気
側カムシャフト11の回転位相を検出する。そして、E
CU70は、吸気側カムシャフト11における実際の回
転位相と、エンジンの運転状態に適合する目標回転位相
との偏差を判断し、同偏差が所定値以下となるように前
記OCV38を制御する。尚、本実施形態におけるEC
U70は制御手段に相当するものである。
【0053】本実施形態において、エンジンの運転が開
始されると、オイルポンプ43が駆動されて同ポンプ4
3から油が吐出される。この際、前記OCV38は、ス
プール66の位置が図3に示す第2の作動位置となるよ
うに制御される。従って、オイルポンプ43から吐出さ
れた油は、OCV38によって前記進角側油圧通路S1
内に導かれて進角側油圧室27内に供給され、各遅角側
油圧室28内の油は遅角側油圧通路S2を介してオイル
パン45に戻される。
【0054】ここで、前記進角側油圧室27或いは係止
穴37内における油圧が、定常時の作動油圧にまで増加
するには所定の時間を要する。即ち、エンジンの運転が
停止されると、前記進角側油圧通路S1、進角側油圧室
27、或いは係止穴37の内部の油は外部に徐々に漏出
する。従って、エンジンが始動されてから進角側油圧通
路S1、進角側油圧室27、及び係止穴37内が油によ
って満たされるまでは、それらの内部における油圧が増
加しないからである。
【0055】進角側油圧室27及び係止穴37内におけ
る油圧が増加すると、先ず、係止穴37内に供給された
油の油圧により、ロックピン33が前記スプリング36
の付勢力に抗して吸気側カムシャフト11の先端側に移
動する。その結果、図7に示すようにロックピン33の
係止は解除された状態となり、スプロケット18は側板
17、吸気側カムシャフト11に対して相対回転可能と
なる。従って、ベーン19とスプロケット18は相対回
転可能となる。
【0056】次に、進角側油圧室27及び係止穴37内
における油圧が更に増加すると、ベーン19は、増加し
た進角側油圧室27内の油圧が突状部25に作用するこ
とにより、前記「進角回転方向」に回転する。その結
果、吸気側カムシャフト11の回転位相はスプロケット
18よりも進む結果、吸気バルブの開閉タイミングが早
められる。
【0057】本実施形態では、ロックピン33の係止穴
37における係止が解除された後、前記ベーン19がス
プロケット18に対して相対回転するように前記スプリ
ング36の付勢力が調整されている。
【0058】又、吸気バルブの開閉タイミングを遅らせ
る場合には、図1に示すように、スプリング69の付勢
力によりスプール66が第1の作動位置に配置される。
すると、オイルポンプ43の吐出側と遅角側ヘッド油路
41とが連通され、進角側ヘッド油路40とオイルパン
45とが連通される。従って、各遅角側油圧室28には
遅角側油圧通路S2を通じて油が供給される一方で、各
進角側油圧室27の油は進角側油圧通路S1を介してオ
イルパン45に戻される。
【0059】その結果、前記突状部25は各進角側油圧
室27の油圧よりも相対的に増加した各遅角側油圧室2
8内の油圧により付勢されるため、ベーン19は前記
「遅角回転方向」に回転する。このようにベーン19が
スプロケット18に対して回転することにより、吸気側
カムシャフト11の回転位相がスプロケット18よりも
遅れる結果、吸気バルブの開閉タイミングが遅れるよう
になる。
【0060】以上のようにして、吸気側カムシャフト1
1の回転位相が変更され、その回転位相とエンジンの運
転状態に適応する目標回転位相との偏差が所定値以下と
なると、ECU70はOCV38の第1ポート61及び
第2ポート62の双方が、前記弁体67によって閉塞さ
れた状態となるように、スプール66の位置を制御する
(以下、このスプール66の位置を「中間保持位置」と
いう)。このように、スプール66の位置が「中間保持
位置」となると、各油圧室27,28への油の供給、或
いは各油圧室27,28からの油の排出は行われなくな
る。そして、各突状部25は各油圧室27,28におけ
る油圧によって両側から保持されるため、ベーン19と
スプロケット18との相対回転が規制される。その結
果、吸気バルブの開閉タイミングが所定のタイミングに
保持される。
【0061】以上、説明したように本実施形態における
バルブタイミング変更装置では、OCV38を制御する
ことにより、吸気バルブの開閉タイミングを連続的(無
段階)に変更するとともに、その開閉タイミングを保持
することができる。
【0062】更に、本実施形態では、エンジンが所定の
運転状態にある場合に、前記ロックピン33が前記係止
穴37にて係止されることにより、スプロケット18と
側板17と一体回転する吸気側カムシャフト11との相
対回転が規制され、ベーン19の回転方向における位置
が前記「最遅角位置」に固定されるようになっている。
【0063】より詳細に説明すると、エンジンが停止す
るとOCV38のスプール66はスプリング79の付勢
力により図1に示す第1の作動位置に移動する。その結
果、各進角側油圧室27は進角側油圧通路S1によりオ
イルパン45と連通され、又、各遅角側油圧室28は遅
角側油圧通路S2によりオイルポンプ43の吐出側と連
通される。そして、クランクシャフトの回転が停止する
と、オイルポンプ43からの油の吐出が停止し、更に、
吸気側カムシャフト11の回転も停止する。この際、ベ
ーン19は、スプロケット18に対して前記「遅角回転
方向」に相対的に回転する。その結果、スプロケット1
8に対するベーン19の回転方向における位置は「最遅
角位置」となる。
【0064】更に、オイルポンプ43の駆動が停止する
と、前記油圧室34及び係止穴37内における油圧が低
下する。その結果、前記ロックピン33は、スプリング
36の付勢力によって移動し、その基端側部分が図8に
示すように係止穴37内に嵌入される。。すなわち、ロ
ックピン33の基端面の周縁部である当接部Aと、係止
穴37のガイドテーパ面37aの内底面側周縁部とが互
いに当接係合される。この結果、ロックピン33がこの
係止穴37内に嵌入されると、スプロケット18と側板
17との相対回転が規制される。
【0065】従って、吸気バルブの開閉タイミングはク
ランクシャフトの回転位相に対して最も遅れた状態に固
定される。そして、再びエンジンの運転が開始され、係
止穴37内の油圧が所定値以上に増加するまで、吸気バ
ルブの開閉バルブタイミングは最も遅れた状態に保持さ
れる。
【0066】以上説明した本実施形態は以下に示す特徴
を有するものである。 (a)本実施形態では、ベーン19がスプロケット18
に対して相対回転してバルブの開閉タイミングの変更が
なされる前に、係止穴37におけるロックピン33の係
止が確実に解除される。従って、ロックピン33が係止
穴37内に嵌入されたままの状態で、ベーン19とスプ
ロケット18とが相対的に回転して同ピン33の外周部
が係止穴37の内周壁に衝突し、その外周部或いは内周
壁が損傷してしまうことを防止することができる。
【0067】(b)本実施形態では、図7、8に示すよ
うに、係止穴37にはテーパ角θ1を有するガイドテー
パ面37aを形成し、ロックピン33の基端には前記係
止穴37に嵌入可能に、係止穴側へ行くほど縮径するよ
うにテーパ角θ2を備えた係入テーパ面33bを形成し
た。そして、両テーパ角θ2とテーパ角θ1とは、θ1
>θ2とした。この結果、図8に示すようにロックピン
33は、係止穴37内に係入されると、当接部Aが係止
穴37におけるガイドテーパ面37aの内底面側周縁部
と互いに当接係合され、同ロックピン33の係止穴37
の開口周縁部に対する接触を不能にしている。この結
果、可動部材が係止穴37の開口周縁部37bに接触す
ることがないため、開口周縁部37bに塑性流動を生ず
ることがない。
【0068】なお、この実施の形態でいう、開口周縁部
37bとは、角部のみならず、その近傍も含む趣旨であ
る。又、当接部Aによって、係止穴37の内底面周縁
(ガイドテーパ面37aの内底面側)がカム駆動トルク
によって生ずる接触応力が高く、同部に塑性流動が生
じ、肉の盛り上がりがあっても、図9(a)に示すよう
に係止穴37の奥深い内底部付近での肉の盛り上がりα
であるため、係止穴37の外部に肉の盛り上がりが達す
ることはない。
【0069】従って、スプロケット18と側板17との
相対回転が阻害され難いものとなっている。ここで、例
えば、図9(b)に示すように、係止穴37を図に示す
ように断面円形の穴形状とし、ロックピン33の基端
(係入側端部)を係止穴37の穴径より若干小さい径に
した場合、カム駆動トルクによって生ずる接触応力が高
く、係止穴37の開口部周縁部に当接したロックピン3
3によって、同部に塑性流動が生じ、同穴37の周縁部
分が二点鎖線で示すように肉の盛り上がりαが生じて変
形すると、その肉の盛り上がりαによってスプロケット
18と側板17との相対回転が阻害されてしまうことと
なる。
【0070】なお、図9(a),(b)は係止穴37の
拡大断面図である(同図において、側板17、ロックピ
ン33の図示は省略している)。又、係止穴37にはガ
イドテーパ面37aを形成することによって、ロックピ
ン33と係止穴37との間に若干の位置ズレが生じてい
る場合でも、同ピン33をガイドテーパ面37aに沿っ
て係止穴37内に円滑に嵌入させることができる。
【0071】(c)本実施形態では、エンジンの運転が
開始されてから前記進角側油圧室27内における油圧が
所定値以上に増加し、その油圧によりベーン19とスプ
ロケット18との相対回転が規制されるまでの間、ロッ
クピン33は係止穴33にて係止されてスプロケット1
8とベーン19との相対回転が規制される。その結果、
各吸気側カムシャフト11に生じるトルク変動により、
ベーン19が回転方向に揺動して、同ベーン19の突状
部25とスプロケット18の突状部15とが衝突して異
音が生じてしまうことを防止することができる。
【0072】以上説明した実施形態は、以下のように構
成を変更して実施することができる。 (1)上記実施形態は、吸気側カムシャフト11にVV
T機構12が設けられているが、例えば、図10に示す
ように、排気側カムシャフト75にVVT機構12を設
ける構成に変更することもできる。
【0073】即ち、図10に示すように、排気側カムシ
ャフト75の一端部にはカムプーリ76が一体回転可能
に固定されており、同プーリ76の外周にはタイミング
ベルト77が掛装されている。排気側カムシャフト75
には、このタイミングベルト77によってクランクシャ
フトの回転駆動力が伝達される。
【0074】排気側カムシャフト75の他端部にはVV
T機構12が取り付けられている。同機構12には上記
実施形態にて説明したスプロケット18に換えて、第1
回転体としてのドライブギヤ78が設けられている。
又、吸気側カムシャフト11の端部には外歯79aを有
したドリブンギヤ79が設けられており、この外歯79
aは前記ドライブギヤ78の外歯78aに噛合されてい
る。又、吸気側カムシャフト11と前記排気側カムシャ
フト75には吸気バルブ、排気バルブ(いずれも図示し
ない)を開閉駆動するためのカム80,81が設けられ
ている。
【0075】上記構成によれば、クランクシャフトの回
転駆動力は排気側カムシャフト75に伝達されるととも
に、同シャフト75からドライブギヤ78及びドリブン
ギヤ79を介して吸気側カムシャフト11に伝達され
る。そして、吸気側カムシャフト11の回転に伴って吸
気バルブが前記カム80によって開閉駆動される。
【0076】又、排気側カムシャフト75に対するドラ
イブギヤ78の相対的な回転位相がVVT機構12によ
って変更される。従って、クランクシャフトに対する吸
気側カムシャフト11の回転位相が変更され、吸気バル
ブの開閉タイミングが変更される。
【0077】以上のように構成しても、上記実施形態と
略同様の作用効果を奏することができる。 (2)上記実施形態では、ロックピン33が係止穴37
に嵌入してスプロケット18とベーン19との相対回転
が規制されると、回転方向におけるベーン19の位置は
前述したように「最遅角位置」に固定されるが、同ベー
ン19が固定される位置は必ずしも「最遅角位置」に限
定されない。即ち、ベーン19が固定される位置は、側
板17に形成される係止穴37の位置を変更することに
より、エンジンの始動時における吸気バルブの開閉タイ
ミングが最適となるように適宜変更することができる。
【0078】(3)上記実施形態では、スプロケット1
8に、ロックピン33が配設される貫通孔32が形成さ
れる構成を採用したが、同孔32はベーン19に設けら
れるものであってもよい。
【0079】(4)上記実施形態では、ベーン19に4
つの突状部25が形成される構成を採用したが、同突状
部25を3つ以下、或いは5つ以上有した構成とするこ
ともできる。突状部25の数を上記実施形態より少なく
した場合には、前記各油圧通路S1,S2の構成を簡略
化することができ、上記実施形態より多くした場合に
は、ベーン19に対してより大きな回転トルクを付与す
ることができる。
【0080】(5)上記実施形態において、VVT機構
12のスプロケット18は、タイミングチェーンによっ
て駆動されるものであったが、このスプロケット18を
プーリに変更し、同プーリがクランクシャフトのクラン
クプーリに掛装されたタイミングベルトによって回転駆
動される構成を採用してもよい。又、スプロケット18
をギヤに変更し、同ギヤを別個のカムシャフトに設けら
れたギヤによって回転駆動する構成としてもよい。
【0081】(6)上記実施形態はいずれも吸気バルブ
の開閉タイミングを変更するものであったが、排気バル
ブの開閉タイミングを変更するようにしてもよい。又、
VVT機構12を吸気側カムシャフト11及び排気側カ
ムシャフト75の双方に設け、吸気バルブ及び排気バル
ブの双方のバルブ開閉タイミングをそれぞれ変更するよ
うにしてもよい。
【0082】(7)上記実施形態において、係止穴37
内に進角側油圧通路S1の油圧を供給し、その油圧によ
りロックピン33を駆動させて係止穴37における係止
を解除するようにしたが、遅角側油圧室28に通じる油
圧室34の油圧、或いは、係止穴37及び油圧室34双
方の油圧によりその解除を行うようにしてもよい。
【0083】(8)上記実施の形態の係止穴37の形状
と、ロックピン33の基端部の形状を図9(c)に示す
ように変更してもよい。この係止穴37は穴全体はほぼ
同一径に形成し、開口部側のみガイドテーパ面37aが
形成されたものである。又。ロックピン33の基端部は
係止穴37に嵌入した状態では、係止穴37の開口周縁
部37bに接触しないように、逃げ部としてのくびれ3
3cが形成され、そのくびれ33cから基端側は、基端
側へ行くほど拡径する膨出部33dが形成され、膨出部
33dの基端部は図に示すようにアールを有するように
形成されている。
【0084】そして、前記膨出部33dの最大径部にお
いて、係止穴37に対して摺接可能とされている。そし
て、この最大径部が本発明での当接部Aとされている。
このようにしても、前記実施形態と同様に、スプロケッ
ト18と側板17との相対回転が阻害され難いものとな
っている。又、ガイドテーパ面37aは、前記実施の形
態と同様にロックピン33と係止穴37との間に若干の
位置ズレが生じている場合でも、同ピン33をガイドテ
ーパ面37aに沿って係止穴37内に円滑に嵌入させる
ことができる。
【0085】以上、本発明を具体化した各実施形態につ
いて説明したが、上各実施形態から把握できる技術的思
想について、その効果と共に以下に記載する。 (イ)請求項1において、可動部材は、係止凹部に係入
した状態のとき、係止凹部の開口周縁に位置する部位に
は同開口周縁に当接不能に逃げ部が形成されたものであ
る内燃機関のバルブタイミング変更装置。こうすること
により、可動部材が係止凹部に係入した際に、逃げ部
は、係止凹部の開口部周縁に当接不能とされ、逃げ部と
当接部とによって、可動部材が係止凹部の開口周縁部に
接触することがないため、開口周縁部に塑性流動を生ず
ることがない。
【0086】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、係止凹部の開口周縁部の塑性流動の発生を防止
できるため、第1回転体と第2回転体との相対回転性の
低下を防止でき、その結果、位相変更時の応答性の低下
を防止できる効果を奏する。
【0087】また、開口側へ行くほど拡開するガイドテ
ーパ面を形成しているため、可動部材の係止凹部への係
入が容易にできる。また、可動部材の係止凹部側端部
は、係止凹部側へ行くほど縮径する係入テーパ面を備え
ているため、可動部材が係止凹部内のテーパ面と当接し
た場合、可動部材の係入をさらに容易とすることができ
る。
【0088】更に、ガイドテーパ面のテーパ角θ1と、
係入テーパ面のテーパ角θ2と、θ1>θ2としてい
るため、係止凹部の開口周縁部よりも内方において、係
止凹部の内周面と当接係合するとともに、同当接部の係
止凹部内周面との当接係合により、同可動部材の係止凹
部の開口周縁部に対する接触を不能にする当接部を容易
に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルブタイミング変更装置を示す断面図。
【図2】バルブタイミング変更装置の分解斜視図。
【図3】OCV等を示す部分断面図。
【図4】バルブタイミング変更装置の主要部を示す断面
図。
【図5】図1のV −V 断面図。
【図6】遅角側シャフト油路、切溝等を示す部分拡大断
面図。
【図7】貫通孔、ロックピン等を示す部分拡大断面図。
【図8】貫通孔、ロックピン等を示す部分拡大断面図。
【図9】他の実施の形態の係止穴及びロックピンを示す
部分拡大断面図。
【図10】吸気側カムシャフト及び排気側カムシャフト
を示す平面図。
【図11】従来の技術における「弁開閉時期制御装置」
を示す断面図。
【図12】図11のXII −XII 断面図。
【符号の説明】
11…吸気側カムシャフト、17…側板(第2回転
体)、18…スプロケット(第1回転体)、19…ベー
ン(第2回転体)、25…突状部(凸部)、26…溝部
(凹部)、32…貫通孔(挿通空間)、33…ロックピ
ン(可動部材)、37…係止穴(係止凹部)、38…O
CV(流体圧供給手段)、43…オイルポンプ(流体圧
供給手段)、S1…進角側油圧通路(流体圧供給手
段)、S2…遅角側油圧通路(流体圧供給手段)、A…
当接部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 1/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の回転軸心を有した第1回転体及び
    第2回転体と、 前記第1回転体に形成された挿通空間内に移動可能に配
    設された可動部材と、 前記第2回転体に形成された係止凹部と、 前記可動部材を前記係止凹部に近接する方向へと付勢す
    る付勢手段と、 前記両回転体のうち一方に形成された凹部内に、他方に
    形成された前記回転軸心の径方向に延びる凸部が配設さ
    れることにより、前記回転軸心の周方向において前記凸
    部の少なくとも一方側に区画形成された圧力室と、 前記圧力室に流体を供給し、流体圧を前記可動部材に対
    して作用させるための流体圧供給手段とを備え、内燃機
    関のクランクシャフト、及び同機関のバルブを開閉駆動
    するためのカムシャフトのうち、一方が前記第1回転体
    に駆動連結されると共に、他方が第2回転体に駆動連結
    され、圧力室に供給された流体の流体圧を前記凸部に作
    用させて前記両回転体を相対回転させることにより前記
    クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変
    更し、 更に、前記可動部材が前記付勢手段により前記係止凹部
    にて係入されることによって前記両回転体の相対回転が
    規制された状態と、前記流体圧により前記可動部材を前
    記係止凹部から離間させることによって前記両回転体の
    相対回転が許容された状態と、を切換可能な内燃機関の
    バルブタイミング変更装置において、 可動部材には、可動部材が係止凹部内に係入されたと
    き、係止凹部の開口周縁部よりも内方において、係止凹
    部の内周面と当接係合するとともに、同当接部の係止凹
    部内周面との当接係合により、同可動部材の係止凹部の
    開口周縁部に対する接触を不能にする当接部を形成し、 前記係止凹部の少なくとも開口内周面には、開口側へ行
    くほど拡開するガイドテーパ面を形成する一方、前記可
    動部材の係止凹部側端部には、係止凹部側へ行くほど縮
    径する係入テーパ面を形成し、 前記ガイドテーパ面のテーパ角θ1と、係入テーパ面の
    テーパ角θ2とを、θ1>θ2と したことを特徴とする
    内燃機関のバルブタイミング変更装置。
JP30652196A 1996-11-18 1996-11-18 内燃機関のバルブタイミング変更装置 Expired - Lifetime JP3266013B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30652196A JP3266013B2 (ja) 1996-11-18 1996-11-18 内燃機関のバルブタイミング変更装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30652196A JP3266013B2 (ja) 1996-11-18 1996-11-18 内燃機関のバルブタイミング変更装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10148108A JPH10148108A (ja) 1998-06-02
JP3266013B2 true JP3266013B2 (ja) 2002-03-18

Family

ID=17958033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30652196A Expired - Lifetime JP3266013B2 (ja) 1996-11-18 1996-11-18 内燃機関のバルブタイミング変更装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3266013B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19929394A1 (de) * 1999-06-26 2000-12-28 Schaeffler Waelzlager Ohg Verfahren zur Ansteuerung einer Vorrichtung zum Variieren der Ventilsteuerzeiten einer Brennkraftmaschine, insbesondere einer Nockenwellen-Verstelleinrichtung mit hydraulisch entriegelbarer Startverriegelung
JP4538937B2 (ja) * 1999-12-24 2010-09-08 アイシン精機株式会社 弁開閉時期制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10148108A (ja) 1998-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2947165B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング変更装置
JPH1150820A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP3823451B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JPH11101107A (ja) 弁開閉時期制御装置
JPH11241608A (ja) 内燃機関におけるバルブタイミング調整機構
JP3385929B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP3804239B2 (ja) 回転位相差可変機構
JP3812689B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JPH10141022A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP3284924B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング可変機構
JPH09250310A (ja) 内燃機関のバルブタイミング変更装置
JP3266013B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング変更装置
JPH11223112A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP3085219B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2000282821A (ja) 弁開閉時期制御装置
JPH10159519A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP3855450B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP3058080B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング変更装置
JPH10159515A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH11173119A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御方法及びバルブタイミング制御装置
JP3744666B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP4016527B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JPH10159520A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2950263B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH09250311A (ja) 内燃機関のバルブタイミング変更装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080111

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090111

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090111

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100111

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term