JPH10141022A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JPH10141022A
JPH10141022A JP30497696A JP30497696A JPH10141022A JP H10141022 A JPH10141022 A JP H10141022A JP 30497696 A JP30497696 A JP 30497696A JP 30497696 A JP30497696 A JP 30497696A JP H10141022 A JPH10141022 A JP H10141022A
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Japan
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housing
impeller
valve timing
oil
internal combustion
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JP30497696A
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Masaaki Yoshizaki
正昭 吉崎
Kenji Ueda
賢二 上田
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧制御される2つの回転体より形成された
ベーン式バルブタイミング制御装置において、温度変化
に対する作動応答の恒常性を高める。 【解決手段】 バルブタイミング可変機構12内部にあ
って、ハウジング16は内燃機関のクランクシャフトに
駆動連結されたスプロケット17に固定され、同ハウジ
ング内に回動自在に収容される羽根車19はカムシャフ
トに固定される。そして、油圧制御に基づきこれらハウ
ジング16と羽根車19はカムシャフトに固定される。
そして、油圧制御に基づきこれらハウジング16と羽根
車19との相対回転位相が変更されることによって、ク
ランクシャフトとカムシャフトとの相対回転位相が変更
され、バルブタイミングが変更される。ここではハウジ
ングカバーも含めて、これらハウジング16及び羽根車
19を同一の材料で構成し、温度変化に対するこれら各
部材間の間隙変動を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の気筒に
設けられた吸気バルブ又は排気バルブの少なくとも一方
のバルブタイミングを変更するためのバルブタイミング
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の気筒に設けられた
吸気バルブ又は排気バルブの開閉時期、即ちバルブタイ
ミングを変更可能とする制御装置が種々提案されている
(例えば、特開平8−121122号公報に開示された
「内燃機関用バルブタイミング調節装置」等)。図6
は、従来におけるバルブタイミング制御装置の一構成例
を示している。
【0003】図6に示すように、このバルブタイミング
制御装置は、そのバルブタイミング可変機構として、カ
ムシャフト101の先端部に設けられた内部ロータ(以
下羽根車という)102と、同シャフト101に対して
相対回転可能に設けられたギア又はタイミングプーリに
連結されてこの羽根車102を収容するハウジング10
3とを備える。上記ギア又はタイミングプーリには、ク
ランクシャフト(図示略)の回転力が伝達される。
【0004】同図に示すように、ハウシング103内に
収容された羽根車102はその外周部において、径方向
に延びる羽根104を複数個(同例では2個)有する。
ハウジング103は、その内周側に突出した複数個(同
例では2個)の凸部105を有する。そして同機構にあ
っては、ハウジング103のこれら凸部105間が羽根
車102の各羽根104により区画されて第1圧力室1
07及び第2圧力室108が形成されている。これら圧
力室107及び108は、カムシャフト内部に設けられ
た油通路109と連通しており、ポンプ111から圧送
される油圧用油114の流通が切替バルブ112及び逆
止弁113により制御されることによって、同圧力室1
07あるいは108に選択的に油圧が供給されるように
なる。
【0005】すなわち、同装置において、バルブタイミ
ングを遅らせる場合、切替バルブ112を図面左方向に
操作して第2圧力室108内の油圧を増加させることに
より、羽根車102をカムシャフト101あるいはバル
ブタイミング可変機構の回転方向(図6に矢指)とは逆
方向(以下、この方向を「遅角方向」という)に相対回
転させる。この相対回転により、カムシャフト101に
よって開閉されるバルブ(図示略)のバルブタイミング
が遅らせられる。これに対して、バルブタイミングを進
める場合、切替えバルブ112を図面右方向に操作して
第1圧力室107内の油圧を増加させることにより、羽
根車102をカムシャフト101あるいはバルブタイミ
ング可変機構の回転方向と同方向(以下、この方向を
「進角方向」という)に相対回転させる。この相対回転
によってバルブタイミングが進められる。
【0006】また上記の構成で、羽根車102及びその
ハウジング103といった両回転体間における相対的な
回転位相の変更には第1圧力室107と第2圧力室10
8内にかかる油圧の差が要件となるため、両回転体の間
隙を通じたそれら両圧力室間の漏出は可能な限り抑制さ
れるべきであり、このためハウジング103と羽根車1
02間の摺動接触面には封止部材115が設けられてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
装置にあって、羽根104を有する羽根車102は、軽
量化を図るためにアルミニウム等の軽合金又は樹脂より
形成されていることが多く、これに対しハウジング10
3及びそのカバ−は鉄系材料によって構成されているこ
とが多い。このように、両部材として通常は、周囲の温
度変化に対して互いに異なる線膨張係数を有する材料が
用いられていることから、それら線膨張係数の違いに起
因して生じる以下の問題も無視できないものとなってい
る。
【0008】すなわち、前記内燃機関の運転時において
同機関内に温度変化が生じると、ある温度の下で設定さ
れた前記摺動接触面における両回転体間のクリアランス
(チップクリアランス。)あるいはハウジングカバー
(図6においては図示略)と羽根車102のクリアラン
ス(サイドクリアランス)が変動し、フリクションの増
加、あるいは逆に間隙の増大が起こる。結果として、前
記ハウジング103に対する羽根車104の相対回転に
おいて油圧変化の伝達に対する羽根104の応答性が低
下し、極端な場合には制御不能の状態が生じるという問
題があった。さらに前記間隙の幅が不安定であるが故
に、封止部材の最適な形状やその配設位置を決定するこ
とも困難であった。
【0009】本発明は前述した実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、上記油圧制御され
る2つの回転体の相対回転位相の変更に基づいてバルブ
タイミングを制御するバルブタイミング制御装置におい
て、装置内の温度変化に対してもそれら両部材間の最適
クリアランスを保持し、その制御性を改善することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、内燃機関の出力軸及び
カムシャフトの一方に連動して回転するとともに内部に
凹部を有するハウジングと、同機関出力軸及びカムシャ
フトの他方に連結されてこのハウジング内に回動自在に
収容されるとともに、同ハウジングの前記凹部を区画す
る羽根を有してその少なくとも一側に液室を形成する羽
根車とを具え、該形成される液室への液圧制御に基づく
それらハウジング及び羽根車の相対回転位相の変更に応
じて前記カムシャフトにより開閉駆動されるバルブのバ
ルブタイミングを制御する内燃機関のバルブタイミング
制御装置において、前記ハウジング及び前記羽根車は、
互いに同等の線膨張係数を有する材料より構成されるこ
とを要旨とするものである。
【0011】上記の構成によれば、内燃機関の運転時に
おいてバルブタイミング制御装置内に生じた温度変化に
対し、ハウジングと羽根車とが自身の形状に対し互いに
ほぼ同等の比率で膨張または収縮変化を生じるために、
両部材間の嵌合部におけるフリクションの増加あるいは
間隙の増大が低減され、最適クリアランスが保持され
る。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記ハ
ウジングと前記羽根車との摺接部には前記液室からの液
漏れを規制する封止部材が設けられることを要旨とす
る。
【0013】上記の構成によれば、上記ハウジングと羽
根車との最適クリアランスが保持されることから、こう
した封止部材を設ける場合であってもその設計は容易と
なる。また勿論、同封止部材の配設によって前記ハウジ
ングと羽根車間の摺接部における液漏れが抑制され液室
の密閉性が更に向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る内燃機関の
バルブタイミング制御装置を具体化した実施形態につい
て図面を参照して説明する。
【0015】この実施形態では、内燃機関としてのガソ
リンエンジンにおいて、その吸気側カムシャフトに対し
て設けられたバルブタイミング制御装置について説明す
る。図1は、吸気側カムシャフト(以下、単に「カムシ
ャフト」という)11の先端側(同図の左側)に設けら
れたバルブタイミング可変機構12、及び同機構12に
油を供給するためのオイルポンプ13(以下、単に「ポ
ンプ」という)、同機構12に供給する油圧を調節する
ためのオイルコントロールバルブ(以下、「OCV」と
いう)40等を示す断面図である。
【0016】同図に示すように、シリンダヘッド14の
上端部及びベアリングキャップ15は、カムシャフト1
1のジャーナル11aを回転可能に支持する。カムシャ
フト11は、その先端部に拡径部11bを有する。拡径
部11bの外周に相対回転可能に設けられたスプロケッ
ト17は、その外周にタイミングチェーン(図示略)が
掛けられる外歯17aを有する。同チェーンは、クラン
クシャフト(図示略)の回転力をスプロケット17に伝
達する。
【0017】カムシャフト11は、その基端側(図1の
右側)に複数のカム(図示略)を有し、それらカムは吸
気バルブ(図示略)の上端部に当接する。カムシャフト
11の回転に伴って、各カムは吸気バルブを開閉する。
【0018】拡径部11b及びスプロケット17の先端
面に順に取り付けられた側板18、ハウジング16、及
びハウジングカバー20は、ボルト21によりスプロケ
ット17に固定され同スプロケット17と一体に回転す
る。カムシャフト11の先端面にボルト22によって取
り付けられた羽根車19は、図示しないノックピンによ
って同シャフト11に固定され同シャフト11と一体に
回転する。
【0019】図2は図1の2−2線に沿った断面を示す
(尚、図1は図2の1−1線に沿った断面を示す)。同
図に示すように、羽根車19は、その中央部に位置する
円筒状のボス23と、同ボス23を中心に略90°毎の
間隔をもって形成された4つの羽根24とを備える。
【0020】また、ハウジング16は、その内側におい
て、中心へ向かって突出し互いに所定の間隔をもって配
置された4つの突状部25を有する。各突状部25の間
にそれぞれ形成された凹部は上記羽根車19の各羽根2
4を収容する。各羽根24の外周面は各凹部の内周面に
接し、各突状部25の内周面は、ボス23の外周面に接
している。
【0021】図4は各羽根24の一つを拡大して示し、
図5は図4の5−5線に沿った断面を示す。両図に示す
ように、各羽根24は、その外周面にそれぞれ形成され
た各溝27を有する。各溝27内には、シールプレート
28がそれぞれ配置されている。各シールプレート28
は、上記凹部26の内周面に接している。各シールプレ
ート28と各溝部27の内周壁との間には弾性部材とし
ての板バネ29がそれぞれ配置されている。各板バネ2
9は、各プレート28を上記凹部26の内周面に向けて
押圧している。なお、これらシールプレート28は、羽
根24の外周面とハウジング16に形成された凹部26
の内周面との間を封止するための封止部材に相当する。
【0022】一方ハウジングカバー20(図1、図5)
は、ハウジング16及び羽根車19の先端側面を覆って
いる。各羽根24は、このカバー20、ハウジング16
の凹部26、ボス23、及び側板18(図1、図5)に
よって囲まれた4つの空間を2つの油圧室30,31
(図2、図4)に区画する。スプロケット17の回転方
向(図2において矢印で示す)と逆方向(以下、この方
向を「遅角方向」という)の側に位置する第1油圧室3
0には、バルブタイミングを進める際に油が供給され
る。回転方向と同方向(以下、この方向を「進角方向」
という)の側に位置する第2油圧室31には、バルブタ
イミングを遅らせる際に油が供給される。
【0023】また、図1,図2に示すように、羽根24
の一つは、断面円形状をなしカムシャフト11の軸方向
に沿って延びる貫通孔32を有する。貫通孔32内に移
動可能に設けられたロックピン33は、その内部に収容
孔33aを有する。この収容孔33a内に設けられたス
プリング35は、同ピン33を側板18に形成された係
止穴34に向けて付勢する。ロックピン33が係止穴3
4に係合することにより、ハウジング16に対する羽根
車19の位置は、図2に示すように、各第1油圧室30
側の羽根24の側面が、各突状部25から若干離間する
位置に固定される。これにより、羽根車19と側板18
との間の相対的な回転が規制され、カムシャフト11と
スプロケット17とが一体に回転する。
【0024】なお、こうしたロックピン33を設けて羽
根車19と側板18(ハウジング16)との間の相対回
転を規制することにより、例えばエンジンの始動時等、
同バルブタイミング可変機構12の不安定な作動状態に
起因する異音等の発生も好適に回避されるようになる。
【0025】また、羽根車19は、その先端面に形成さ
れた油溝36を有する。同溝36はカバー20に形成さ
れた長穴37と、貫通孔32とを連通する。油溝36及
び長穴37は、貫通孔32の内部においてロックピン3
3よりも先端側にある空気或いは油を外部に排出する機
能を有する。
【0026】また、本実施形態にあっては、前記バルブ
タイミング可変機構12を構成するハウジング16と羽
根車19とハウジングカバー20は、例えばアルミニウ
ム合金等すべて同一の金属材料より形成されている。
【0027】次に、図1〜図3を併せ参照して、上述し
た各第1油圧室30及び各第2油圧室31に対して油の
給排を行うための油圧通路Pについて説明する。シリン
ダヘッド14は、その内部に形成された進角側油路3
8、遅角側油路39を有する。各油路38,39は、O
CV40の後述する第1のポート55及び第2のポート
56に接続されている。OCV40は、オイルフィルタ
41、ポンプ13、オイルストレーナ42を介してオイ
ルパン43に通じている。
【0028】進角側油路38は、ジャーナル11aの全
周に形成された油溝44、ジャーナル11aの内部に形
成された油孔45を介して、カムシャフト11の内部に
形成された油通路46に通じている。同油通路46の先
端側は、羽根車19のボス23の基端側内周部、ボルト
22、及び側板18によって区画された環状空間47に
開口する。図2に示すように、ボス23の内部、各羽根
24及び各突状部25の一部において、放射状に形成さ
れた4つの油孔48は、環状空間47と各第1油圧室3
0とを連通し、環状空間47内に供給された油を各第1
油圧室30に供給する。ロックピン33の外周壁と貫通
孔32の内周壁とによって囲まれる環状の空間よりなる
油圧室49は、油孔48の一つにより環状空間47と通
じている。
【0029】一方、遅角側油路39は、シリンダヘッド
14の上端部及びベアリングキャップ15に形成された
油溝50に通じている。拡径部11bに形成された油孔
53は、この油溝50と、側板18の基端側面と拡径部
11bの先端側面との間に形成された環状の油空間51
とを連通する。側板18は、図2に示すように各突状部
25の側面近傍にて開口する4つの油孔52を有する。
各油孔52は、油空間51と各第2油圧室31とを連通
し、同油圧室31内に油空間51内の油を供給する。油
空間51は前述した係止穴34に通じており、同係止穴
34内には同空間51内の油が供給される。
【0030】本実施形態において、進角側油路38、油
溝44、油孔45、油通路46、環状空間47、及び各
油孔48は、各第1油圧室30に油を供給するための第
1油路P1を構成し、遅角側油路39、油溝50、油孔
53、油空間51、及び各油孔52は、各第2油圧室3
1に油を供給するための第2油路P2を構成する。各油
路P1,第2油路P2は油圧通路Pを構成する。
【0031】前述したOCV40は、第1油路P1及び
第2油路P2と、ポンプ13及びオイルパン43との連
通状態を切り換える。図1に示すように、OCV40を
構成するケーシング54は、第1〜第5のポート55〜
59を有する。第1のポート55は進角側油路38に、
第2のポート56は遅角側油路39にそれぞれ通じてい
る。第3及び第4のポート57,58はオイルパン43
に、第5のポート59はオイルフィルタ41を介してポ
ンプ13の吐出側に通じている。
【0032】ケーシング54の内部において往復可能に
設けられたスプール60は、円筒状をなす4つの弁体6
1を有する。電磁ソレノイド62は、スプール60を図
1に示す「遅角位置」と、図3に示す「進角位置」との
間で移動させる。ケーシング54内に設けられたスプリ
ング64は、スプール60を「遅角位置」側へ向けて付
勢する。
【0033】電子制御装置(以下「ECU」という)6
5は、電磁ソレノイド62を所定のデューティ比をもっ
て通電制御する。ECU65は、電磁ソレノイド62を
100%のデューティ比で通電制御することにより、ス
プール60の位置を「進角位置」に保持する。これによ
り、図3に示すように、進角側油路38は第1のポート
55及び第5のポート59を介してポンプ13の吐出側
に接続され、遅角側油路39は第2のポート56及び第
4のポート58を介してオイルパン43に接続される。
その結果、各第1油圧室30内には第1油路P1を通じ
て油が供給される一方で、各第2油圧室31内の油は第
2油路P2を通じてオイルパン43に戻される。
【0034】ECU65は電磁ソレノイド62に対する
通電制御を停止(デューティ比が0%)することによ
り、スプール60の位置を「遅角位置」に保持する。こ
れにより、図1に示すように、遅角側油路39が第2の
ポート56及び第5のポート59を介してポンプ13の
吐出側に接続される一方で、進角側油路38が第1のポ
ート55及び第3のポート57を介してオイルパン43
に接続される。その結果、各第2油圧室31内には第2
油路P2を通じて油が供給される一方で、各第1油圧室
30内の油は第1油路P1を通じてオイルパン43に戻
される。
【0035】更に、ECU65は、電磁ソレノイド62
を50%のデューティ比で通電制御することにより、ス
プール60の位置を「保持位置」に保持する。これによ
り、スプール60の弁体61は、第1及び第2のポート
55,56を閉塞する。その結果、第1油圧室30及び
第2油圧室31に対する油の供給及び排出は行われず、
各油圧室30,31の油圧は現状の状態に保持される。
【0036】ECU65に接続された回転数センサ66
及び吸気圧センサ67はそれぞれ、エンジンの回転数、
及び吸気圧力を検出する。ECU65に接続されたクラ
ンク角センサ68及びカム角センサ69はそれぞれ、ク
ランクシャフト(図示略)及びカムシャフト11の回転
位相を検出する。ECU65は各センサ66〜69から
入力される検出信号に基づき、エンジンの運転状態に適
合するカムシャフト11の目標回転位相を算出し、且つ
同カムシャフトの実回転位相を検出する。そしてECU
65は、これらカムシャフト11の実回転位相と目標回
転位相との偏差が所定値以下となるようにOCV40を
制御する。
【0037】次に、上記のように構成された本実施形態
の動作について説明する。本実施形態によれば、エンジ
ンが始動されると、ポンプ13によって吸引されたオイ
ルパン43内の油が同ポンプ13から第1油路P1内に
圧送される。これにより、油圧室49内の油圧が増加
し、ロックピン33はその油圧によって係止穴34から
抜ける。その結果、羽根車19とスプロケット17との
相対回転が許容された状態となる。そして、吸気バルブ
は、カムシャフト11の回転により所定のバルブタイミ
ングをもって開閉される。
【0038】ECU65は、吸気バルブのバルブタイミ
ングを進めるために、電磁ソレノイド62を100%の
デューディ比で通電制御する。その結果、各第1油圧室
30には油が供給され、各第2油圧室31内の油はオイ
ルパン43に戻される。従って、各第1油圧室30内の
油圧が各第2油圧室31内の油圧よりも相対的に増加す
るため、各羽根24には前記「進角方向」の回転力が作
用する。そして、この回転力により羽根車19はスプロ
ケット17に対して「進角方向」に相対的に回転し、カ
ムシャフト11の回転位相がスプロケット17の回転位
相に対して相対的に進角されることにより、吸気バルブ
のバルブタイミングが現状よりも進められる。本実施形
態において、羽根車19がスプロケット17に対して
「進角方向」に相対回転し、各羽根24が各突状部25
に当接した状態となると、バルブタイミングは最も進ん
だ状態となる。
【0039】これに対して、ECU65は、吸気バルブ
のバルブタイミングを遅らせるために、電磁ソレノイド
62に対する通電制御を停止する(デューティ比が0
%)。この結果、各第2油圧室31には油が供給され、
各第1油圧室30内の油はオイルパン43に戻される。
従って、各第2油圧室31内の油圧が各第1油圧室30
内の油圧よりも相対的に増加するため、各羽根24には
前記「遅角方向」の回転力が作用する。そして、この回
転力により羽根車19はスプロケット17に対して「遅
角方向」に相対的に回転し、カムシャフト11の回転位
相がスプロケット17の回転位相に対して相対的に遅角
されることにより、吸気バルブのバルブタイミングが現
状よりも遅らせられる。本実施形態において、羽根車1
9がスプロケット17に対して「遅角方向」に相対回転
し、各羽根24が各突状部25に当接した状態となる
と、バルブタイミングは最も遅れた状態となる。
【0040】ECU65は、吸気バルブのバルブタイミ
ングを現状のバルブタイミングに保持するために、電磁
ソレノイド62を50%のデューティ比で通電制御す
る。この結果、各油圧室30,31への油の供給及び各
油圧室30,31からの油の排出は行われなくなる。従
って、羽根車19とスプロケット17との相対回転は停
止するため、吸気バルブのバルブタイミングは現状のタ
イミングに保持される。
【0041】上記のように、ECU65が電磁ソレノイ
ド62を通電制御することにより、吸気バルブのバルブ
タイミングを最遅角のタイミングと最進角のタイミング
との間で所定のタイミングに連続的(無段階)に変更す
ることができ、更にそのバルブタイミングを保持するこ
とができる。
【0042】ところで、こうしたバルブタイミング可変
機構12の作動に際し、内燃機関の運転時において同機
関内に温度変化が生じると、ある温度の下で設定された
前記摺動接触面における両回転体間のチップクリアラン
スあるいはハウジングカバーと羽根車102のサイドク
リアランスが変動し、フリクションの増加、あるいは逆
に間隙の増大が起こることは前述した通りである。そし
てその結果、前記ハウジング103に対する羽根車10
4の相対回転において油圧変化の伝達に対する羽根10
4の応答性が低下し、極端な場合には制御不能の状態が
生じることも前述した。さらに前記間隙の幅が不安定で
あるが故に、封止部材の最適な形状やその配設位置を決
定することも困難であった。
【0043】この点、本実施形態にあっては上述のよう
に、同バルブタイミング可変機構12を形成するハウジ
ング16、ハウジングカバー20、及び羽根車19を全
て同一の材料にて形成しているため、内燃機関の温度変
化に対しても、前記チップクリアランス及びサイドクリ
アランスは変動することなく、機構の組立時に設定され
た最適値に保持される。またこれにより、ハウジング1
6と羽根車19との摺接部に設けられる封止部材の設計
も容易となる。
【0044】以上説明したように、本実施形態によれば
以下に列記する効果が奏せられるようになる。 (a)本実施形態において、前記バルブタイミング可変
機構12を構成するハウジング16と羽根車19とは、
同一の材料より形成されている。従って、温度変化に対
する両部材の線膨張係数は同等であり、ハウジング内の
温度変化によるチップクリアランスの変動が減少する。
【0045】(b)本実施形態において、前記バルブタ
イミング可変機構12を構成する羽根車19とハウジン
グカバー20とは、同一の材料より形成されている。従
って、温度変化に対する両部材の線膨張係数は同等であ
り、ハウジング内の温度変化によるサイドクリアランス
の変動が減少する。
【0046】(c)本実施形態において、前記バルブタ
イミング可変機構12を構成するハウジング16と、羽
根車19と、ハウジングカバー20とは、すべて同一の
材料より構成されている。従って、これら各部材の線膨
張係数は互いに同等であり、ハウジング内の温度変化に
対して、各部材16,19,及び20間の摺接部位にお
ける間隙の変動を減少できる。このため、低温下におけ
る油圧用油の漏出及び高温下における摺動抵抗を各々低
減することができる。
【0047】(d)本実施形態において、前記バルブタ
イミング可変機構12を構成するハウジング16と羽根
車19とは、同一の材料より形成されている。従って、
上述度変化によるチップクリアランスの変動が減少する
とともに、前記シールプレート28の形状、サイズ、配
設位置等の決定における許容範囲が増大し、封止部材と
しての同シールプレート28の設計が容易となる。
【0048】なお、この発明を以下のように変更して具
体化することも可能である。 (1)前記実施形態のバルブタイミング可変機構12を
構成するハウジング16、羽根車19、及びハウジング
カバー20としては、必ずしも同一の材料に限らず、ほ
ぼ同等の線膨張係数を有する材料より形成することとし
てもよい。
【0049】(2)上記シールプレート28に相当する
封止部材は、ハウジング16の突状部25と羽根車19
のボス23との摺接面に設けてもよい。 (3)封止部材は、ハウジング16の凹部と羽根24と
の摺接面及び前記ハウジング16の突状部25と羽根車
19のボス23との摺接面の両方に設けてもよい。
【0050】(4)油圧室は、羽根24の左右どちらか
一方の側のみに設けられてもよい。因みにその場合、他
方の側にはスプリング等の付勢部材が設けられることと
なる。
【0051】(5)羽根車19が有する羽根24の数
は、3以下、又は5以上でもよい。 (6)また、本実施形態においてはハウジング16はス
プロケット17に、羽根車19はカムシャフト11にそ
れぞれ固定され連動するとしたが、異なる組合わせとし
て羽根車19がスプロケット17に、そしてハウジング
16がカムシャフト11にそれぞれ固定され連動する機
構とすることもできる。
【0052】
【発明の効果】請求項1に記載した発明では、バルブタ
イミング可変機構を構成するハウジグと、羽根車とが、
ほぼ同一の線膨張係数を有する材料より構成されてい
る。従って、内燃機関の温度変化に対して油の漏出又は
摺動抵抗の増大を抑制することができ、同バルブタイミ
ング可変機構の作動応答性を向上させることができる。
【0053】請求項2に記載した発明では、同バルブタ
イミング可変機構を構成するハウジングと羽根車との摺
設部には封止部材が設けられる。こうした封止部材を設
ける場合であってもその設計及び製作が容易であるとと
もに、同封止部材により、ハウジングと羽根車の摺動面
における油の漏出の抑制及び最適クリアランスの保持が
高い精度で達成され、バルブタイミング可変機構の作動
応答性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この説明にかかるバルブタイミング制御装置の
一実施形態を示す断面図。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図。
【図3】OCVの拡大断面図。
【図4】羽根及びシールプレート等を拡大して示す断面
図。
【図5】図4の5−5線に沿った断面図。
【図6】従来のバルブタイミング制御装置の一例を示す
概略図。
【符号の説明】
11…吸気側カムシャフト、14…内燃機関の一部を構
成するシリンダヘッド、16…ハウジング、17…スプ
ロケット、18…側板、19…羽根車、20…ハウジン
グカバー、23…ボス、24…羽根、25…突状部、2
8…封止部材としてのシールプレート。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の出力軸及びカムシャフトの一
    方に連動して回転するとともに内部に凹部を有するハウ
    ジングと、同機関出力軸及びカムシャフトの他方に連結
    されてこのハウジング内に回動自在に収容されるととも
    に、同ハウジングの前記凹部を区画する羽根を有してそ
    の少なくとも一側に液室を形成する羽根車とを具え、当
    該形成される液室への液圧制御に基づくそれらハウジン
    グ及び羽根車の相対回転位相の変更に応じて前記カムシ
    ャフトにより開閉駆動されるバルブのバルブタイミング
    を制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
    て、 前記ハウジング及び前記羽根車は、互いに同等の線膨張
    係数を有する材料より構成されることを特徴とする内燃
    機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置において、 前記ハウジングと前記羽根車との摺接部には前記液室か
    らの液漏れを規制する封止部材が設けられることを特徴
    とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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