JP3077633B2 - 内燃機関のバルブタイミング可変機構 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング可変機構

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JP3077633B2
JP3077633B2 JP15511297A JP15511297A JP3077633B2 JP 3077633 B2 JP3077633 B2 JP 3077633B2 JP 15511297 A JP15511297 A JP 15511297A JP 15511297 A JP15511297 A JP 15511297A JP 3077633 B2 JP3077633 B2 JP 3077633B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の気筒に
設けられた吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方
の開閉タイミングを可変とする内燃機関のバルブタイミ
ング可変機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の気筒に設けられた
吸気バルブや排気バルブの開閉時期、すなわちバルブタ
イミングを変更可能とする制御機構が種々提案されてい
る(例えば、特開平8−121123号公報に開示され
た「内燃機関用バルブタイミング調節装置」等)。図7
は、従来におけるバルブタイミング可変機構の一構成例
を示している。
【0003】同図に示すように、このバルブタイミング
可変機構110は、カムシャフト101の先端部に設け
られた内部ロータ102と、同シャフト101に対して
相対回転可能に設けられたギア又はタイミングプーリに
連結されてこの内部ロータ102を収容するハウジング
103とを備える。上記ギア又はタイミングプーリに
は、内燃機関の出力軸であるクランクシャフト(図示
略)の回転力が伝達される。
【0004】一方、ハウシング103内に収容された内
部ロータ102はその外周部において、径方向に延びる
ベーン104を複数個(同例では2個)有し、ハウジン
グ103は、その内周側に突出した複数個(同例では2
個)の凸部105を有する。そして同機構110にあっ
ては、ハウジング103のこれら凸部105間が内部ロ
ータ102の各ベーン104により区画されて第1圧力
室107及び第2圧力室108が形成されている。これ
ら圧力室107及び108は、カムシャフト内部に設け
られた油通路109と連通しており、ポンプ111から
圧送される油114の流通が切替バルブ112及び逆止
弁113により制御されることによって、同圧力室10
7あるいは108に選択的に油圧が供給されるようにな
る。
【0005】すなわち、同機構110において、バルブ
タイミングを遅らせる場合、切替バルブ112を図面左
方向に操作して第2圧力室108内の油圧を増加させる
ことにより、内部ロータ102をカムシャフト101の
回転方向(図7に矢指)とは逆方向(以下、この方向を
「遅角方向」という)に相対回転させる。この相対回転
により、カムシャフト101によって開閉されるバルブ
(図示略)のバルブタイミングが遅らせられる。
【0006】これに対して、バルブタイミングを進める
場合、切替バルブ112を図面右方向に操作して第1圧
力室107内の油圧を増加させることにより、内部ロー
タ102をカムシャフト101の回転方向と同方向(以
下、この方向を「進角方向」という)に相対回転させ
る。この相対回転によってバルブタイミングが進められ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした従
来のバルブタイミング可変機構110にあってその内部
ロータ102に設けられる各ベーン104は、同図7に
示されるように、その基端部(内部ロータ102側)か
ら外周部に向かって放射状に拡がる扇形状を有している
のが一般的である。
【0008】図8には、図7において示したバルブタイ
ミング可変機構110のベーン104の1枚を拡大した
概略図を示す。例えば同図8中において、油圧室108
内に供給された油圧により、内部ロータ102がハウジ
ング103に対し矢指方向Aに相対回転を行う場合、ベ
ーン104と油圧室108内の油圧との接触面(受圧
面)の各点においてベーン104の油圧に対する応力
(油圧を押し返す力)はベクトル量Bによって示され
る。すなわち、ベーン104の油圧に対する応力は、回
転軸(内部ロータ102)に近い基端部でより大きく、
同回転軸から外周部側に離間するほど小さくなる。
【0009】すなわち上記受圧面の各点にかかる油圧に
対して要求されるベーン104の強度が上記回転軸に近
い基端部において満たされるような設計がなされている
とすると、上記扇形に形成されているベーン104にあ
っては、その外周部ほど駄肉が付加されていることとな
る。そして、この駄肉が内部ロータ102全体の質量を
不必要に増加させることとなり、その回転によって生じ
る単位質量当たりの慣性力(慣性モーメント)も、ベー
ン104の外周部ほど、すなわち内部ロータ102の回
転軸から離間するほど大きくなる。このようなベーン1
04の駄肉はバルブタイミング可変機構としての制御性
を低下させるばかりでなく、内部ロータ102が連結さ
れるカムシャフト101の慣性力を増加させることとも
なり、ひいては該カムシャフト101の回転変動を大き
なものとする。そしてこのようなカムシャフト101の
回転変動の増加は、吸・排気カムシャフト同士がギア駆
動される内燃機関にあっては、ギアの噛み合い音の悪化
を招き、またそれらカムシャフトがタイミングベルトに
よって駆動される内燃機関にあっては、同ベルトの負荷
が増大し、その寿命を縮めることともなる。
【0010】本発明はこうした実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、ベーンの慣性力を
抑制し、ひいてはカムシャフトの回転変動を好適に抑制
することのできるバルブタイミング可変機構を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、同一の回転軸心を有し
て内燃機関の出力軸及び同機関のバルブを開閉駆動する
カムシャフトにそれぞれ連結された第1及び第2の回転
体を備えるとともに、前記第1の回転体に形成された凹
部を前記第2の回転体に形成されたベーンにて区画する
ことによりベーンの両側に第1及び第2の液室を形成
し、該形成した液室に対する液圧制御に基づき前記第1
及び第2の回転体を相対回転させて前記機関出力軸と前
記カムシャフトとの相対回転位相を変更する内燃機関の
バルブタイミング可変機構において、前記第2の回転体
に形成されたベーンは、その回転方向の幅が、基端部に
おいてベーンとしての強度が確保される幅に設定される
とともに、先端部において該基端部の幅よりも小となる
形状を有してなることを要旨とする。
【0012】同構成によれば、ベーン外周部の駄肉が軽
減されて第2の回転体全体としてもその軽量化が図られ
るようになる。したがって、第2の回転体の慣性力が減
少し、ひいては当該第2の回転体に連結されるカムシャ
フトの回転変動も好適に抑制される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して、本
発明を内燃機関としてのエンジンに設けられた吸気バル
ブの開閉タイミングを可変とするバルブタイミング可変
機構に具体化した一実施の形態について説明する。
【0014】はじめに図4を参照して、同実施の形態が
適用されるエンジンの動弁構造について説明する。同図
4に示すように、本実施形態が適用される動弁装置は、
エンジンのシリンダヘッドに設けられた軸受部17a,
17b上部に平行にかつ回転自在に支持された吸気側カ
ムシャフト12及び排気側カムシャフト23を有して構
成される。そして、吸気側カムシャフト12にはカム2
0が、また排気側カムシャフト23にはカム25がそれ
ぞれ設けられており、同カムシャフト12,23の回転
に伴ってそれらカム20,25が回転することにより、
当該エンジンの各気筒に設けられている図示しない吸気
バルブ及び排気バルブがそれぞれ開閉駆動される。
【0015】排気側カムシャフト23の基端側(図4の
右側)には、カムプーリ26が固定されており、同プー
リ26にはタイミングベルト27が掛装されている。こ
のタイミングベルト27は、エンジン出力軸であるクラ
ンクシャフト(図示しない)に取り付けられたクランク
プーリ(図示しない)にも掛装されており、排気側カム
シャフト23は同ベルト27を通じてクランクシャフト
に駆動連結されている。
【0016】また、同排気側カムシャフト23の先端側
(図4の左側)にはドライブギヤ24が固定されてい
る。このドライブギヤ24は、上記吸気側カムシャフト
12の同じく先端側に設けられたドリブンギヤ22に噛
合連結されており、この連結により、ドリブンギヤ22
及びドライブギヤ24が一体回転するようになってい
る。すなわち、エンジンの運転が開始されると、排気側
カムシャフト23には前記タイミングベルト27及びカ
ムプーリ26を介してクランクシャフトの回転駆動力が
伝達されるとともに、その回転駆動力は前記ドライブギ
ヤ24及びドリブンギヤ22を介して吸気側カムシャフ
ト12に伝達される。
【0017】そして、吸気側カムシャフト12の更に先
端側(図4の左側)には、上記ドリブンギヤ22及び同
カムシャフト12に対して一体に組み付けられたバルブ
タイミング可変機構(以下、「VVT機構」という)1
1が設けられている。
【0018】以下、図1及び図2を参照して、上記VV
T機構11の構造を説明する。図1は、VVT機構11
及び同VVT機構11が設けられたドリブンギヤ22並
びに吸気側カムシャフト12の断面構造を示す。
【0019】吸気側カムシャフト12は、シリンダヘッ
ド17の上端面及び前記軸受部17aによって回転可能
に支持されている。また、同吸気側カムシャフト12に
おいて、その先端には拡径部21が設けられており、こ
の拡径部21の外周に前記ドリブンギヤ22が被嵌され
ている。
【0020】一方、VVT機構11は、基本的には、ボ
ルト53によって上記ドリブンギヤ22に一体に連結さ
れたハウジング28と、このハウジング28内に回動自
在に収容され、ボルト54によって上記吸気側カムシャ
フト12に一体に連結された内部ロータ29とによって
構成されている。
【0021】ここで、ハウジング28は、そのカバー3
0共々、全体が有底円筒状を呈しており、その底面とな
るカバー30の側面を内部ロータ29の先端側側面が摺
動するようになっている。そして、このハウジング28
とドリブンギヤ22とは、上記ボルト53による連結に
よって、吸気側カムシャフト12を回転軸とした一体回
転が可能となっている。
【0022】図2は図1の2−2線に沿った断面図であ
る(なお、図1は図2の1−1線に沿った断面図に相当
する)。次に、この図2を併せ参照して、上記ハウジン
グ28及び内部ロータ29の構造を更に詳述する。
【0023】図2に示すように、VVT機構11の内部
ロータ29は、同内部ロータ29の中心に位置するとと
もに円環状をなして前記吸気側カムシャフト12に固定
される固定部31と、同固定部31の外周部に形成され
た3つのベーン32を備えている。各ベーン32は、吸
気側カムシャフト12の径方向に放射状に延びており、
回転軸に近い基端部において幅が広く(太く)、先端部
(外周部)ほど狭い(細い)形状を有している。
【0024】一方、ハウジング28の内部には、吸気側
カムシャフト12の周方向に所定間隔を隔てて、同カム
シャフト12の軸心に向けて突出した3つの突状部33
が形成されている。これら各突状部33の内周面は前記
固定部31の外周面に摺接されるようになる。各突状部
33の間は凹部34となっており、前記各ベーン32は
各凹部34内に配置されており、各ベーン32の外周面
はハウジング28の内周面に摺接されるようになる。そ
して、各ベーン32によって凹部34は、更に2つの油
圧室に区画されている。このうち、吸気側カムシャフト
12の回転方向(図中の矢印A)と同方向側に形成され
た油圧室14は遅角側油圧室となっており、また、前記
回転方向と逆方向側に形成された油圧室13は進角側油
圧室となっている。
【0025】前記各油圧室13,14の内部には、後述
する各油圧通路P1,P2を通じて油が供給されるよう
になっており、内部ロータ29は、各油圧室13,14
に供給された油の油圧の大きさに応じて、吸気側カムシ
ャフト12の軸回りの双方向に回動可能となっている。
【0026】ここで、内部ロータ29が吸気側カムシャ
フト12の回転方向と同方向(以下、この回転方向を
「進角回転方向」とする)に回動すると、同内部ロータ
29が固定された吸気側カムシャフト12の回転位相が
ドリブンギヤ22に対して進められ、排気バルブに対す
る吸気バルブの相対的な開閉タイミング、すなわちバル
ブタイミングが早められる。
【0027】これに対して、内部ロータ29が吸気側カ
ムシャフト12の回転方向と逆方向(以下、この回転方
向を「遅角回転方向」とする)に回動すると、吸気側カ
ムシャフト12の回転位相がドリブンギヤ22に対して
遅れ、バルブタイミングが遅らされることとなる。
【0028】次に、図1及び図2を併せ参照して、前記
進角側油圧室13及び遅角側油圧室14に油を供給する
ための油圧通路を構成する進角側・遅角側油圧通路P
1,P2、並びにこれら油圧通路P1,P2を通じて油
を供給するためのオイルポンプ15及び前記油圧通路P
1,P2の途中に設けられたオイルコントロールバルブ
(以下、「OCV」という)16等について説明する。
【0029】シリンダヘッド17の内部には図示しない
進角側ヘッド油路及び遅角側ヘッド油路が形成されてお
り、各ヘッド油路はOCV16、オイルポンプ15、及
びオイルストレーナ56を介してオイルパン57に接続
可能となっている。エンジンの運転に伴ってオイルポン
プ15が駆動されると、オイルパン57に貯留されてい
る油はオイルストレーナ56を介してオイルポンプ15
内に吸引されるとともに、同ポンプ15により加圧され
て吐出される。そして、吐出された油はOCV16によ
って上記各ヘッド油路へ選択的に圧送されるようにな
る。
【0030】吸気側カムシャフトジャーナル12aに
は、上記各ヘッド油路の開口位置に対応して同カムシャ
フト12の周方向に延びる油溝58,59がそれぞれ形
成されており、これら各油溝58,59はシリンダヘッ
ド17の上端部及び軸受部17aによって囲まれてい
る。
【0031】吸気側カムシャフト12の内部には、その
軸線方向に延びる遅角側シャフト油路61が形成されて
いる。この遅角側シャフト油路61の先端側はボルト5
4により閉鎖されている。また、前記カムシャフト12
内部には、前記遅角側シャフト油路61から内部ロータ
29の遅角側供給油路63に延びる1本の遅角側油路6
2が穿設されており、同油路62によって遅角側シャフ
ト油路61と前記遅角側供給油路63とが連通されてい
る。
【0032】内部ロータ29の内部には、前記遅角側供
給油路63が設けられており、基端側は前記遅角側油路
62に連通されているとともに、先端側は、遅角側環状
油路64に連通し、さらに前記遅角側環状油路64から
3本の遅角側連通油路65を介して前記各遅角側油圧室
14に連通される。
【0033】ジャーナル12aの内部には吸気側カムシ
ャフト12の径方向に延びる遅角側油孔60が形成され
ている。遅角側シャフト油路61は、この遅角側油孔6
0によって前記一方の油溝59に通じており、同遅角側
シャフト油路61内には、油溝59及び遅角側油孔60
を介して遅角側ヘッド油路の油が供給されるようになっ
ている。したがって、遅角側ヘッド油路から供給される
油は油溝59、遅角側油孔60、遅角側シャフト油路6
1、遅角側油路62、遅角側供給油路63、遅角側環状
油路64、遅角側連通油路65を通じて前記各遅角側油
圧室14に供給可能となる。
【0034】さらに、吸気側カムシャフト12の内部に
は、その軸線方向に対し斜めに延びる進角側シャフト油
路67が形成されている。内部ロータ29の内部には、
進角側環状油路68が設けられており、基端側は前記進
角側シャフト油路67に連通されているとともに、先端
側は、前記進角側環状油路68から3本の進角側連通油
路69を介して前記各進角側油圧室13と連通される。
【0035】ジャーナル12aの内部には吸気側カムシ
ャフト12の径方向に延びる進角側油孔66が形成され
ている。進角側シャフト油路67は、この進角側油孔6
6によって前記他方の油溝58に通じており、同進角側
シャフト油路67内には、油溝58及び進角側油孔66
を介して進角側ヘッド油路の油が供給されるようになっ
ている。したがって、進角側ヘッド油路から供給される
油は油溝58、進角側油孔66、進角側シャフト油路6
7、進角側環状油路68、進角側連通油路69を通じて
前記各進角側油圧室13に供給可能となる。
【0036】同VVT機構11にあってはこのように、
進角側ヘッド油路、油溝58、進角側油孔66、進角側
シャフト油路67、進角側環状油路68及び進角側連通
油路69によって進角側油圧通路P1が構成され、ま
た、遅角側ヘッド油路、油溝59、遅角側油孔60、遅
角側シャフト油路61、遅角側油路62、遅角側供給油
路63、遅角側環状油路64及び遅角側連通油路65に
よって遅角側油圧通路P2が構成されている。そして本
実施形態では、前記OCV16によって前記各油圧通路
P1,P2と、オイルポンプ15及びオイルパン57と
の連通状態を切り換えることによってオイルポンプ15
から前記各油圧室13,14内へ油を供給し、あるいは
同各油圧室13,14内から油を排出してオイルパン5
7に戻すようにしている。なおOCV16は、電子制御
装置(以下、「ECU」という)70を通じてデューテ
ィ制御され、上記進角側、遅角側の各油圧室13,14
に供給される油圧を制御する周知の油圧制御弁である。
【0037】また、同図1及び図2に示すように、内部
ロータ29における各ベーン32の外周部には、断面矩
形状をなす溝35が形成され、この溝35内には板バネ
37によって外周側に向けて付勢されるシール部材36
が配設されている。さらにハウジング28の突状部にお
いても溝35’が形成されており、同様に板バネ37’
及びシール部材36’が配設されている(図2のみにお
いて図示)。そして、これらシール部材36,36’に
よってベーン32の外周面とハウジング28の内周面と
の間がシールされ、上記各進角側油圧室13及び各遅角
側油圧室14間での油の移動が規制されるようになって
いる。
【0038】次に、上記のように構成されたVVT機構
の作用を説明する。本実施形態によれば、エンジンが始
動されると当該エンジンの駆動力がカムプーリ26、排
気側カムシャフト23、ドライブギヤ24、及びドリブ
ンギヤ22を順次介して吸気側カムシャフト12まで伝
達される。一方、ドリブンギヤ22は前記VVT機構1
1のハウジング28と一体に連結され、吸気側カムシャ
フト12は同VVT機構11の内部ロータ29と一体に
連結されているため、同機構11を構成する両回転体2
8,29が相対回転することにより、バルブタイミング
が微妙に変化されることになる。
【0039】たとえばECU70は、バルブタイミング
を進めるためには、OCV16を100%のデューティ
比で駆動する。その結果、各油圧室13に油が供給さ
れ、各油圧室14内の油はオイルパン43に戻される。
従って、各油圧室13内の油圧が各油圧室14内の油圧
よりも相対的に増加するため、各ベーン32には前記
「進角方向」の回転力が作用する。そして、この回転力
により内部ロータ29はドリブンギヤ22に対して「進
角方向」に相対的に回転して、カムシャフト12の回転
位相がドリブンギヤ22の回転位相に対して相対的に進
角されることにより、吸気バルブのバルブタイミングが
現状よりも進められる。本実施形態において、内部ロー
タ29がドリブンギヤ22に対して「進角方向」に相対
回転し、各ベーン32が各突状部33に当接した状態に
なると、バルブタイミングは最も進んだ状態となる。
【0040】これに対して、ECU70は、吸気バルブ
のバルブタイミングを遅らせるために、OCV16に対
する通電を停止する(デューティ比が0%)。この結
果、各油圧室14には油が供給され、各油圧室13内の
油はオイルパン57に戻される。従って、各油圧室14
内の油圧が各油圧室13内の油圧よりも相対的に増加す
るため、各ベーン32には前記「遅角方向」の回転力が
作用する。そして、この回転力により内部ロータ29は
ドリブンギヤ22に対して「遅角方向」に相対的に回転
し、吸気側カムシャフト12の回転位相がドリブンギヤ
22の回転位相に対して相対的に遅角されることによ
り、吸気バルブのバルブタイミングが現状よりも遅らせ
られる。本実施形態において、内部ロータ29がドリブ
ンギヤ22に対して「遅角方向」に相対回転し、各ベー
ン32が各突状部33に当接した状態となると、バルブ
タイミングは最も遅れた状態となる。
【0041】ECU70は、吸気バルブのバルブタイミ
ングを現状のバルブタイミングに保持するために、OC
V16を50%のデューティ比で駆動する。この結果、
各油圧室13,14への油の供給及び各油圧室13,1
4からの油の排出は行われなくなる。従って、内部ロー
タ29とドリブンギア22の相対回転は停止するため、
吸気バルブのバルブタイミングは現状のタイミングに保
持される。
【0042】上記のように、ECU70がOCV16を
通電制御することにより、吸気バルブのバルブタイミン
グを最遅角のタイミングと最進角のタイミングとの間で
所定のタイミングに連続的(無段階)に変更することが
でき、更にそのバルブタイミングを保持することができ
る。
【0043】ここで、本実施形態に係るVVT機構のベ
ーン32の作用について、図3を併せ参照して詳述す
る。図3は、図2において示したVVT機構11のベー
ン32の一枚を拡大した概略図であり、とくに同VVT
機構11の作動中におけるベーン32の力学的構造を示
している。
【0044】同図3に示すように、また前述のように、
本実施形態に係るVVT機構11のベーン32は、その
回転方向の幅が回転軸に近い基端部において広く、先端
部へいくほど狭くなっている。そして、ベーン32の厚
みが基端部から先端部にかけて一定であるとすると、ベ
ーン32の油圧に対する応力は、同図3に模式的にベク
トル表記するように、同ベーン32に働くモーメントの
大きい基端部において最大となり、同モーメントの小さ
い先端部へいくほど小さくなる。このため、ベーン32
としての強度を確保する上での駄肉部分がほとんどなく
なり、内部ロータ29全体としてもその軽量化が図られ
るようになっている。そして、こうして内部ロータ29
の軽量化が図られることによりその慣性力が減少し、同
内部ロータ29に連結されたカムシャフト12もその回
転変動が好適に抑制されるようになる。このため、従来
問題となっていたドライブギヤ24及びドリブンギヤ2
2間のギアの噛み合い音等も好適に軽減される。
【0045】また、上記ベーン32及びハウジング28
自体その形状は複雑なものではなく、それら両部材3
2,28の成形及び組み付けも容易である。以上詳述し
たように、本実施の形態によれば、以下に示す効果が得
られるようになる。
【0046】・ベーン32の駄肉部分がなくなり、内部
ロータ29の軽量化が図られるため、内部ロータ29の
慣性力に起因するカムシャフト12の回転変動が抑制さ
れる。
【0047】・こうしてカムシャフト12の回転変動が
抑制されることでギアの噛み合い音が軽減される。 ・ベーン32自身の形状としても、その受圧面に加わる
応力とのバランスの上で最適化される。
【0048】なお、本実施の形態は上記に限定されるも
のではなく、次のように変更してもよい。 ・本実施の形態では、各ベーン32の両側面(受圧面)
は、その先端部から基端部にかけて直線的輪郭の平面形
状を有する。これに対して、図5に示すような曲線輪郭
の形状であってもよい。
【0049】・本実施の形態では、各ベーン32の形状
は、同ベーン32の回転中心からベーンの外周部へ向か
う軸についてほぼ左右対称形である。これに対して、V
VT12自身の回転による慣性力の影響によりベーンが
左右から受ける油圧は実質上異なるため、その差異に基
づいて各ベーン32の形状を図6に示すように非対称な
形としてもよい。
【0050】・本実施の形態では、吸気側カムシャフト
12にVVT機構11を設ける場合について示したが、
排気側カムシャフト23に同VVT機構11を設ける構
成を採用してもよい。
【0051】・吸気側バルブまたは排気側バルブの一方
の開閉タイミングを変更する構成に限らず、VVT機構
11を吸気側カムシャフト12及び排気側カムシャフト
23の双方に設け、吸気バルブ及び排気バルブの双方の
バルブ開閉タイミングを変更するようにしてもよい。
【0052】・本実施の形態では、内部ロータ29に3
つのベーン32が形成される構成を採用したが、同ベー
ンを2つ、あるいは4つ以上有した構成とすることもで
きる。ベーンの数を上記実施形態より少なくした場合に
は、前記各油圧通路P1,P2の構成を簡略化すること
ができ、上記実施形態より多くした場合には、内部ロー
タ29に対してより大きな回転トルクを付与することが
できる。
【0053】・本実施の形態における、カムプーリ26
をタイミングスプロケットに変更し、タイミングベルト
27をタイミングチェーンに変更した構成を採用するよ
うにしてもよい。
【0054】・本実施の形態では、吸気側カムシャフト
12と排気側カムシャフト23とは、ドリブンギア22
とドライブギア24とを介してギア連結されているが、
両カムシャフト12,23にプーリを取り付けて、互い
にベルト連結させてもよい。その場合には本発明の適用
により、カムシャフトの回転変更抑制に伴ってタイミン
グベルトの耐久性が向上する。
【0055】
【発明の効果】請求項1に記載した発明によれば、ベ
ン外周部の駄肉が軽減されて第2の回転体全体としても
その軽量化が図られるようになる。したがって、第2の
回転体の慣性力が減少し、ひいては当該第2の回転体に
連結されるカムシャフトの回転変動も抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るVVT機構の一実施の形態を示
す断面図。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図。
【図3】同実施の形態に備えられたベーンの力学的構造
を示す概略断面図。
【図4】同実施の形態に係る動弁構造を示す平面図。
【図5】この発明に係るVVT機構の他の構成例を示す
断面図。
【図6】この発明に係るVVT機構の他の構成例を示す
断面図。
【図7】従来のVVT機構の一例を示す概略断面図。
【図8】そのベーンの力学的構造を示す概略断面図。
【符号の説明】
11…VVT機構(バルブタイミング可変機構)、12
…吸気側カムシャフト、13…進角側油圧室、14…遅
角側油圧室、15…オイルポンプ、16…OCV、17
…シリンダヘッド、17a,17b…軸受部、20…カ
ム、22…ドリブンギヤ、23…排気側カムシャフト、
24…ドライブギヤ、25…カム、26…カムプーリ、
27…タイミングベルト、28…ハウジング、29…内
部ロータ、30…カバー、32…ベーン、33…突状
部、34…凹部、35,35’…溝、36,36’…シ
ール部材、37,37’…板バネ、53…ボルト、54
…ボルト、56…オイルストレーナ、57…オイルパ
ン、58,59…油溝、60…遅角側油孔、61…遅角
側シャフト油路、62…遅角側油路、63…遅角側供給
油路、64…遅角側環状油路、65…遅角側連通油路、
66…進角側油孔、67…進角側シャフト油路、68…
進角側環状油路、69…進角側連通油路、70…電子制
御装置(ECU)、101…カムシャフト、102…内
部ロータ、103…ハウジング、104…ベーン、10
5…凸部、107…第1圧力室、108…第2圧力室、
109…油通路、110…111…ポンプ、112…切
替バルブ、113…逆止弁、114…油、115…封止
材、P1…進角側油圧通路、P2…遅角側油圧通路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一の回転軸心を有して内燃機関の出力軸
    及び同機関のバルブを開閉駆動するカムシャフトにそれ
    ぞれ連結された第1及び第2の回転体を備えるととも
    に、前記第1の回転体に形成された凹部を前記第2の回
    転体に形成されたベーンにて区画することによりベーン
    の両側に第1及び第2の液室を形成し、該形成した液室
    に対する液圧制御に基づき前記第1及び第2の回転体を
    相対回転させて前記機関出力軸と前記カムシャフトとの
    相対回転位相を変更する内燃機関のバルブタイミング可
    変機構において、 前記第2の回転体に形成されたベーンは、その回転方向
    の幅が、基端部においてベーンとしての強度が確保され
    る幅に設定されるとともに、先端部において該基端部の
    幅よりも小となる形状を有してなることを特徴とする内
    燃機関のバルブタイミング可変機構。
JP15511297A 1997-06-12 1997-06-12 内燃機関のバルブタイミング可変機構 Expired - Lifetime JP3077633B2 (ja)

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