JPH09303119A - 内燃機関のバルブタイミング可変装置 - Google Patents
内燃機関のバルブタイミング可変装置Info
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- JPH09303119A JPH09303119A JP8118884A JP11888496A JPH09303119A JP H09303119 A JPH09303119 A JP H09303119A JP 8118884 A JP8118884 A JP 8118884A JP 11888496 A JP11888496 A JP 11888496A JP H09303119 A JPH09303119 A JP H09303119A
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- valve timing
- pressure
- pressure chamber
- valve
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- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L1/00—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
- F01L1/34—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
- F01L1/344—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
- F01L1/3442—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
- F01L2001/3445—Details relating to the hydraulic means for changing the angular relationship
- F01L2001/34479—Sealing of phaser devices
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
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- Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
- Valve Device For Special Equipments (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 流体圧が供給される2つの圧力室を有した内
燃機関のバルブタイミング可変装置において、各圧力室
間における流体の漏出を抑制し、バルブタイミングを進
める際の作動応答性を向上させる。 【解決手段】 作動機構12は、スプロケット17に固
定されたハウジング11bと、カムシャフトに固定され
た羽根車19とを備える。羽根車19の各羽根24は、
ハウジング11bの各第1凹部26内を第1、第2油圧
室30,31に区画する。第1油圧室30内に供給され
る油は、羽根車19をスプロケット17の回転方向と同
方向に回転させることによりバルブタイミングを進め
る。各羽根24の外周面に形成された各溝27内にシー
ルプレート28を配置し、同プレート28を板バネ29
により第1凹部26の内周面26aに押圧する。各溝2
7を羽根24において、各第1油圧室30から離間して
第2油圧室31側の位置に設ける。
燃機関のバルブタイミング可変装置において、各圧力室
間における流体の漏出を抑制し、バルブタイミングを進
める際の作動応答性を向上させる。 【解決手段】 作動機構12は、スプロケット17に固
定されたハウジング11bと、カムシャフトに固定され
た羽根車19とを備える。羽根車19の各羽根24は、
ハウジング11bの各第1凹部26内を第1、第2油圧
室30,31に区画する。第1油圧室30内に供給され
る油は、羽根車19をスプロケット17の回転方向と同
方向に回転させることによりバルブタイミングを進め
る。各羽根24の外周面に形成された各溝27内にシー
ルプレート28を配置し、同プレート28を板バネ29
により第1凹部26の内周面26aに押圧する。各溝2
7を羽根24において、各第1油圧室30から離間して
第2油圧室31側の位置に設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の気筒に
設けられた吸気バルブ又は排気バルブの少なくとも一方
のバルブタイミングを可変とする可変装置に係る。詳し
くは、流体圧を用いて駆動されるバルブタイミング可変
装置に関する。
設けられた吸気バルブ又は排気バルブの少なくとも一方
のバルブタイミングを可変とする可変装置に係る。詳し
くは、流体圧を用いて駆動されるバルブタイミング可変
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の気筒に設けられた
吸気バルブ又は排気バルブの開閉時期、即ちバルブタイ
ミングを変更可能とする装置が種々提案されている。特
開平1−92504号公報は、その一例として「弁開閉
制御装置」を開示する。
吸気バルブ又は排気バルブの開閉時期、即ちバルブタイ
ミングを変更可能とする装置が種々提案されている。特
開平1−92504号公報は、その一例として「弁開閉
制御装置」を開示する。
【0003】上記公報の装置は、図9に示すように、カ
ムシャフト101の先端部に設けられた内部ロータ10
2と、同シャフト101に対して相対回転可能に設けら
れ、クランクシャフト(図示略)の回転力が伝達される
タイミングプーリ103とを備える。図10は図9の1
0−10線に沿った断面を示す。同図に示すように、内
部ロータ102は、その外周部において径方向に延びる
複数のベーン104を有する。タイミングプーリ103
は、内周側に突出した複数の凸部105を有する。各凸
部105間に形成された複数のオイル溝106は、各ベ
ーン104をその内部に収容する。同装置は、各オイル
溝106内において各ベーン104の両側に形成された
第1圧力室107及び第2圧力室108を有する。
ムシャフト101の先端部に設けられた内部ロータ10
2と、同シャフト101に対して相対回転可能に設けら
れ、クランクシャフト(図示略)の回転力が伝達される
タイミングプーリ103とを備える。図10は図9の1
0−10線に沿った断面を示す。同図に示すように、内
部ロータ102は、その外周部において径方向に延びる
複数のベーン104を有する。タイミングプーリ103
は、内周側に突出した複数の凸部105を有する。各凸
部105間に形成された複数のオイル溝106は、各ベ
ーン104をその内部に収容する。同装置は、各オイル
溝106内において各ベーン104の両側に形成された
第1圧力室107及び第2圧力室108を有する。
【0004】上記公報の装置において、バルブタイミン
グを遅らせる場合、第2圧力室108内の油圧を増加さ
せることにより、内部ロータ102をタイミングプーリ
103の回転方向(図10に示す)とは逆方向(以下、
この方向を「遅角方向」という)に相対回転させる。こ
の相対回転により、カムシャフト101によって開閉さ
れるバルブ(図示略)のバルブタイミングが遅らせられ
る。これに対して、バルブタイミングを進める場合、第
1圧力室107内の油圧を増加させることにより、内部
ロータ102をタイミングプーリ103の回転方向と同
方向(以下、この方向を「進角方向」という)に相対回
転させる。この相対回転によってバルブタイミングが進
められる。
グを遅らせる場合、第2圧力室108内の油圧を増加さ
せることにより、内部ロータ102をタイミングプーリ
103の回転方向(図10に示す)とは逆方向(以下、
この方向を「遅角方向」という)に相対回転させる。こ
の相対回転により、カムシャフト101によって開閉さ
れるバルブ(図示略)のバルブタイミングが遅らせられ
る。これに対して、バルブタイミングを進める場合、第
1圧力室107内の油圧を増加させることにより、内部
ロータ102をタイミングプーリ103の回転方向と同
方向(以下、この方向を「進角方向」という)に相対回
転させる。この相対回転によってバルブタイミングが進
められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カムシャフ
ト101を回転させるため、同シャフト101にはバル
ブスプリング(図示略)の反力、或いは同シャフト10
1の支持部分における摺動抵抗等に打ち勝つだけの駆動
トルクが内部ロータ102を介して伝達される。このた
め、内部ロータ102には前記遅角方向の回転力が作用
し、この回転力はバルブタイミングを遅らせるように働
く。従って、第2圧力室108内の油圧を増加させてバ
ルブタイミングを遅らせる場合には、より小さな油圧で
内部ロータ102を遅角方向に相対回転させることがで
きるが、逆にバルブタイミングを進める場合には、この
回転力に抗して内部ロータ102を進角方向に相対回転
させなければならず、第1圧力室107の油圧をより高
圧にする必要がある。
ト101を回転させるため、同シャフト101にはバル
ブスプリング(図示略)の反力、或いは同シャフト10
1の支持部分における摺動抵抗等に打ち勝つだけの駆動
トルクが内部ロータ102を介して伝達される。このた
め、内部ロータ102には前記遅角方向の回転力が作用
し、この回転力はバルブタイミングを遅らせるように働
く。従って、第2圧力室108内の油圧を増加させてバ
ルブタイミングを遅らせる場合には、より小さな油圧で
内部ロータ102を遅角方向に相対回転させることがで
きるが、逆にバルブタイミングを進める場合には、この
回転力に抗して内部ロータ102を進角方向に相対回転
させなければならず、第1圧力室107の油圧をより高
圧にする必要がある。
【0006】ここで、上記公報の装置では以下の問題が
あった。即ち、バルブタイミングを進める際に、高圧と
なった第1圧力室107内の油が、内部ロータ102の
外周面と各凸部105の内周面との微少な隙間や、或い
は各ベーン104の外周面と各オイル溝106の内周面
との微少な隙間を通じて第2圧力室108側に漏出する
ことがあった。その結果、第1圧力室107内の油圧が
低下してしまい、内部ロータ102をタイミングプーリ
103に対して所定の速度で相対回転させることが困難
となって、同装置における作動応答性が低下するという
問題があった。
あった。即ち、バルブタイミングを進める際に、高圧と
なった第1圧力室107内の油が、内部ロータ102の
外周面と各凸部105の内周面との微少な隙間や、或い
は各ベーン104の外周面と各オイル溝106の内周面
との微少な隙間を通じて第2圧力室108側に漏出する
ことがあった。その結果、第1圧力室107内の油圧が
低下してしまい、内部ロータ102をタイミングプーリ
103に対して所定の速度で相対回転させることが困難
となって、同装置における作動応答性が低下するという
問題があった。
【0007】本発明は前述した事情を鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、流体が供給される
2つの圧力室を有し、各圧力室内の流体圧を調節するこ
とによってバルブタイミングを変更するようにした内燃
機関のバルブタイミング可変装置において、各圧力室間
における流体の漏出を抑制し、バルブタイミングを進め
る際の作動応答性を向上させることにある。
のであり、その目的とするところは、流体が供給される
2つの圧力室を有し、各圧力室内の流体圧を調節するこ
とによってバルブタイミングを変更するようにした内燃
機関のバルブタイミング可変装置において、各圧力室間
における流体の漏出を抑制し、バルブタイミングを進め
る際の作動応答性を向上させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の第1の発明は、内燃機関の吸気
バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミ
ングを可変とするバルブタイミング可変装置であり、同
一回転軸心回りに相対回転可能な2つの回転体であっ
て、内燃機関のクランクシャフトに駆動連結された第1
回転体、及び吸気バルブ又は排気バルブを駆動するカム
シャフトに駆動連結された第2回転体と、一方の回転体
に形成された凸部を、他方の回転体に形成された凹部内
に配置することにより、両回転体の回転方向において凸
部の両側に形成され、内部に流体が供給される2つの圧
力室であって、第1回転体に対して第2回転体の回転位
相を相対的に進角させるための第1圧力室、及び回転位
相を相対的に遅角させるための第2圧力室と、凸部と凹
部との接触面間において凸部側に設けられ、両圧力室内
に供給される流体が接触面間を通じて移動することを規
制するための封止部材とを備え、両圧力室内の流体圧を
調節することによって両回転体を互いに相対回転させる
ことにより、バルブタイミングを変更するようにした内
燃機関のバルブタイミング可変装置において、封止部材
は、第1圧力室から離間し第2圧力室側に偏在して凸部
に設けられていることをその趣旨とするものである。
めに、請求項1に記載の第1の発明は、内燃機関の吸気
バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミ
ングを可変とするバルブタイミング可変装置であり、同
一回転軸心回りに相対回転可能な2つの回転体であっ
て、内燃機関のクランクシャフトに駆動連結された第1
回転体、及び吸気バルブ又は排気バルブを駆動するカム
シャフトに駆動連結された第2回転体と、一方の回転体
に形成された凸部を、他方の回転体に形成された凹部内
に配置することにより、両回転体の回転方向において凸
部の両側に形成され、内部に流体が供給される2つの圧
力室であって、第1回転体に対して第2回転体の回転位
相を相対的に進角させるための第1圧力室、及び回転位
相を相対的に遅角させるための第2圧力室と、凸部と凹
部との接触面間において凸部側に設けられ、両圧力室内
に供給される流体が接触面間を通じて移動することを規
制するための封止部材とを備え、両圧力室内の流体圧を
調節することによって両回転体を互いに相対回転させる
ことにより、バルブタイミングを変更するようにした内
燃機関のバルブタイミング可変装置において、封止部材
は、第1圧力室から離間し第2圧力室側に偏在して凸部
に設けられていることをその趣旨とするものである。
【0009】上記の構成によれば、内燃機関のクランク
シャフトから第1回転体に伝達された回転力は第2回転
体に伝達され、同回転体からカムシャフトに伝達され
る。カムシャフトはこの回転力により回転し、同シャフ
トの回転に伴って内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブ
が開閉される。第1圧力室及び第2圧力室の流体圧を調
整して両回転体を相対回転させ、第1回転体に対する第
2回転体の回転位相を変更することにより、バルブのバ
ルブタイミングが変更される。
シャフトから第1回転体に伝達された回転力は第2回転
体に伝達され、同回転体からカムシャフトに伝達され
る。カムシャフトはこの回転力により回転し、同シャフ
トの回転に伴って内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブ
が開閉される。第1圧力室及び第2圧力室の流体圧を調
整して両回転体を相対回転させ、第1回転体に対する第
2回転体の回転位相を変更することにより、バルブのバ
ルブタイミングが変更される。
【0010】バルブタイミングを進める場合、第1圧力
室内において高圧となった流体は、凹部と各圧力室を区
画する凸部との接触面間を通過して第2圧力室内に漏出
しようとするが、この漏出は凸部に設けられた封止部材
により抑制される。第1の発明では、この封止部材が第
1圧力室から離間し第2圧力室側に偏在して凸部に設け
られている。従って、凸部と凹部との接触部分におい
て、第1圧力室から封止部材までの間における長さは、
第2圧力室から同部材までの間における長さよりも長く
なる。その結果、凸部と凹部との接触面の間を移動して
第1圧力室内から封止部材に達する流体の量が低減さ
れ、同圧力室から第2圧力室への流体の漏出が更に抑制
される。
室内において高圧となった流体は、凹部と各圧力室を区
画する凸部との接触面間を通過して第2圧力室内に漏出
しようとするが、この漏出は凸部に設けられた封止部材
により抑制される。第1の発明では、この封止部材が第
1圧力室から離間し第2圧力室側に偏在して凸部に設け
られている。従って、凸部と凹部との接触部分におい
て、第1圧力室から封止部材までの間における長さは、
第2圧力室から同部材までの間における長さよりも長く
なる。その結果、凸部と凹部との接触面の間を移動して
第1圧力室内から封止部材に達する流体の量が低減さ
れ、同圧力室から第2圧力室への流体の漏出が更に抑制
される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、上記第1の発明に係る内燃
機関のバルブタイミング可変装置を具体化した実施形態
について図面を参照して説明する。
機関のバルブタイミング可変装置を具体化した実施形態
について図面を参照して説明する。
【0012】この実施形態では、内燃機関としてのガソ
リンエンジンにおいて、その吸気側カムシャフトに対し
て設けられたバルブタイミング可変装置が示される。図
1は、吸気側カムシャフト(以下、単に「カムシャフ
ト」という)11の先端側(同図の左側)に設けられた
作動機構12、及び同機構12に流体としての油を供給
するためのオイルポンプ13(以下、単に「ポンプ」と
いう)、同機構12に供給する油圧を調節するためのオ
イルコントロールバルブ(以下、「OCV」という)4
0等を示す断面図である。
リンエンジンにおいて、その吸気側カムシャフトに対し
て設けられたバルブタイミング可変装置が示される。図
1は、吸気側カムシャフト(以下、単に「カムシャフ
ト」という)11の先端側(同図の左側)に設けられた
作動機構12、及び同機構12に流体としての油を供給
するためのオイルポンプ13(以下、単に「ポンプ」と
いう)、同機構12に供給する油圧を調節するためのオ
イルコントロールバルブ(以下、「OCV」という)4
0等を示す断面図である。
【0013】同図に示すように、シリンダヘッド14の
上端部及びベアリングキャップ15は、カムシャフト1
1のジャーナル11aを回転可能に支持する。カムシャ
フト11は、その先端部に拡径部11bを有する。拡径
部11bの外周に相対回転可能に設けられたスプロケッ
ト17は、その外周にタイミングチェーン(図示略)が
掛けられる外歯17aを有する。同チェーンは、クラン
クシャフト(図示略)の回転力をスプロケット17に伝
達する。本実施形態においてスプロケット17は本発明
の第1回転体に相当する。
上端部及びベアリングキャップ15は、カムシャフト1
1のジャーナル11aを回転可能に支持する。カムシャ
フト11は、その先端部に拡径部11bを有する。拡径
部11bの外周に相対回転可能に設けられたスプロケッ
ト17は、その外周にタイミングチェーン(図示略)が
掛けられる外歯17aを有する。同チェーンは、クラン
クシャフト(図示略)の回転力をスプロケット17に伝
達する。本実施形態においてスプロケット17は本発明
の第1回転体に相当する。
【0014】カムシャフト11は、その基端側(図1の
右側)に複数のカム(図示略)を有し、それらカムは吸
気バルブ(図示略)の上端部に当接する。カムシャフト
11の回転に伴って、各カムは吸気バルブを開閉する。
右側)に複数のカム(図示略)を有し、それらカムは吸
気バルブ(図示略)の上端部に当接する。カムシャフト
11の回転に伴って、各カムは吸気バルブを開閉する。
【0015】拡径部11b及びスプロケット17の先端
面に順に取り付けられた側板18、ハウジング16、及
びカバー20は、ボルト21によりスプロケット17に
固定され同スプロケット17と一体に回転する。カムシ
ャフト11の先端面にボルト22によって取り付けられ
た羽根車19は、図示しないノックピンによって同シャ
フト11に固定され同シャフト11と一体に回転する。
面に順に取り付けられた側板18、ハウジング16、及
びカバー20は、ボルト21によりスプロケット17に
固定され同スプロケット17と一体に回転する。カムシ
ャフト11の先端面にボルト22によって取り付けられ
た羽根車19は、図示しないノックピンによって同シャ
フト11に固定され同シャフト11と一体に回転する。
【0016】図2は図1の2−2線に沿った断面を示す
(尚、図1は図2の1−1線に沿った断面を示す)。同
図に示すように、羽根車19は、その中央部に位置する
円筒状のボス23と、同ボス23を中心に略90°毎の
間隔をもって形成された4つの羽根24、及び各羽根2
4の間に形成された第2凹部79とを備える。本実施形
態において羽根車19は本発明の第2回転体に相当し、
各羽根24は本発明の凸部に相当する。
(尚、図1は図2の1−1線に沿った断面を示す)。同
図に示すように、羽根車19は、その中央部に位置する
円筒状のボス23と、同ボス23を中心に略90°毎の
間隔をもって形成された4つの羽根24、及び各羽根2
4の間に形成された第2凹部79とを備える。本実施形
態において羽根車19は本発明の第2回転体に相当し、
各羽根24は本発明の凸部に相当する。
【0017】ハウジング16は、その内側において、中
心へ向かって突出し互いに間隔をもって配置された4つ
の突状部25を有する。各突状部25の間にそれぞれ形
成された第1凹部26は各羽根24を収容する。各羽根
24の外周面24aは各第1凹部26の内周面26aに
接し、各突状部25の内周面25aは、ボス23の外周
面23aに接している。本実施形態において各第1凹部
26は本発明の凹部に相当する。
心へ向かって突出し互いに間隔をもって配置された4つ
の突状部25を有する。各突状部25の間にそれぞれ形
成された第1凹部26は各羽根24を収容する。各羽根
24の外周面24aは各第1凹部26の内周面26aに
接し、各突状部25の内周面25aは、ボス23の外周
面23aに接している。本実施形態において各第1凹部
26は本発明の凹部に相当する。
【0018】図4は各羽根24の一つを拡大して示し、
図5は図4の5−5線に沿った断面を示す。両図に示す
ように、各羽根24は、その外周面24aにそれぞれ形
成された各溝27を有する。各溝27内には、シールプ
レート28がそれぞれ配置されている。各シールプレー
ト28は、第1凹部26の内周面26aに接している。
各シールプレート28と各溝部27の内周壁との間には
弾性部材としての板バネ29がそれぞれ配置されてい
る。各板バネ29は、各プレート28を第1凹部26の
内周面26aに向けて押圧している。本実施形態におい
て、シールプレート28は、羽根24の外周面24aと
第1凹部26の内周面26aとの間を封止するための封
止部材に相当する。
図5は図4の5−5線に沿った断面を示す。両図に示す
ように、各羽根24は、その外周面24aにそれぞれ形
成された各溝27を有する。各溝27内には、シールプ
レート28がそれぞれ配置されている。各シールプレー
ト28は、第1凹部26の内周面26aに接している。
各シールプレート28と各溝部27の内周壁との間には
弾性部材としての板バネ29がそれぞれ配置されてい
る。各板バネ29は、各プレート28を第1凹部26の
内周面26aに向けて押圧している。本実施形態におい
て、シールプレート28は、羽根24の外周面24aと
第1凹部26の内周面26aとの間を封止するための封
止部材に相当する。
【0019】カバー20は、ハウジング16及び羽根車
19の先端側面を覆っている。各羽根24は、カバー2
0、第1凹部26、ボス23、及び側板18によって囲
まれた4つの空間を2つの油圧室30,31に区画す
る。スプロケット17の回転方向(図2において矢印で
示す)と逆方向(以下、この方向を「遅角方向」とい
う)の側に位置する第1油圧室30には、バルブタイミ
ングを進める際に油が供給される。回転方向と同方向
(以下、この方向を「進角方向」という)の側に位置す
る第2油圧室31には、バルブタイミングを遅らせる際
に油が供給される。本実施形態において第1油圧室30
は本発明における第1圧力室に相当し、第2油圧室31
は第2圧力室に相当する。
19の先端側面を覆っている。各羽根24は、カバー2
0、第1凹部26、ボス23、及び側板18によって囲
まれた4つの空間を2つの油圧室30,31に区画す
る。スプロケット17の回転方向(図2において矢印で
示す)と逆方向(以下、この方向を「遅角方向」とい
う)の側に位置する第1油圧室30には、バルブタイミ
ングを進める際に油が供給される。回転方向と同方向
(以下、この方向を「進角方向」という)の側に位置す
る第2油圧室31には、バルブタイミングを遅らせる際
に油が供給される。本実施形態において第1油圧室30
は本発明における第1圧力室に相当し、第2油圧室31
は第2圧力室に相当する。
【0020】図4に示すように、各羽根24において各
溝27が形成される位置はいずれも、第1油圧室30か
ら離間して第2油圧室31側に偏在している。従って、
各第1凹部26の内周面26aと各羽根24の外周面2
4aとの接触部分において、第1油圧室30とシールプ
レート28との間の接触部分(以下、「接触部分C1」
という)の長さは、第2油圧室31とシールプレート2
8との間の接触部分(以下、「接触部分C2」という)
の長さよりも長くなっている。
溝27が形成される位置はいずれも、第1油圧室30か
ら離間して第2油圧室31側に偏在している。従って、
各第1凹部26の内周面26aと各羽根24の外周面2
4aとの接触部分において、第1油圧室30とシールプ
レート28との間の接触部分(以下、「接触部分C1」
という)の長さは、第2油圧室31とシールプレート2
8との間の接触部分(以下、「接触部分C2」という)
の長さよりも長くなっている。
【0021】図1,2に示すように、各羽根24の一つ
は、断面円形状をなしカムシャフト11の軸方向に沿っ
て延びる貫通孔32を有する。貫通孔32内に移動可能
に設けられたロックピン33は、その内部に収容孔33
aを有する。この収容孔33a内に設けられたスプリン
グ35は、同ピン33を側板18に形成された係止穴3
4に向けて付勢する。ロックピン33が係止穴34に係
合することにより、ハウジング16に対する羽根車19
の位置は、図2に示すように、各第1油圧室30側の羽
根24の側面が、各突状部25から若干離間する位置に
固定される。これにより、羽根車19と側板18との間
の相対的な回転が規制され、カムシャフト11とスプロ
ケット17とが一体に回転する。
は、断面円形状をなしカムシャフト11の軸方向に沿っ
て延びる貫通孔32を有する。貫通孔32内に移動可能
に設けられたロックピン33は、その内部に収容孔33
aを有する。この収容孔33a内に設けられたスプリン
グ35は、同ピン33を側板18に形成された係止穴3
4に向けて付勢する。ロックピン33が係止穴34に係
合することにより、ハウジング16に対する羽根車19
の位置は、図2に示すように、各第1油圧室30側の羽
根24の側面が、各突状部25から若干離間する位置に
固定される。これにより、羽根車19と側板18との間
の相対的な回転が規制され、カムシャフト11とスプロ
ケット17とが一体に回転する。
【0022】羽根車19は、その先端面に形成された油
溝36を有する。同溝36はカバー20に形成された長
穴37と、貫通孔32とを連通する。油溝36及び長穴
37は、貫通孔32の内部においてロックピン33より
も先端側にある空気或いは油を外部に排出する機能を有
する。
溝36を有する。同溝36はカバー20に形成された長
穴37と、貫通孔32とを連通する。油溝36及び長穴
37は、貫通孔32の内部においてロックピン33より
も先端側にある空気或いは油を外部に排出する機能を有
する。
【0023】次に、各第1油圧室30及び各第2油圧室
31に対して油の給排を行うための油圧通路Pについて
説明する。シリンダヘッド14は、その内部に形成され
た進角側油路38、遅角側油路39を有する。各油路3
8,39は、前記OCV40の後述する第1のポート5
5及び第2のポート56に接続されている。OCV40
は、オイルフィルタ41、ポンプ13、オイルストレー
ナ42を介してオイルパン43に通じている。
31に対して油の給排を行うための油圧通路Pについて
説明する。シリンダヘッド14は、その内部に形成され
た進角側油路38、遅角側油路39を有する。各油路3
8,39は、前記OCV40の後述する第1のポート5
5及び第2のポート56に接続されている。OCV40
は、オイルフィルタ41、ポンプ13、オイルストレー
ナ42を介してオイルパン43に通じている。
【0024】進角側油路38は、ジャーナル11aの全
周に形成された油溝44、ジャーナル11aの内部に形
成された油孔45を介して、カムシャフト11の内部に
形成された油通路46に通じている。同油通路46の先
端側は、ボス23の基端側内周部、ボルト21、及び側
板18によって区画された環状空間47に開口する。図
2に示すように、ボス23の内部、各羽根24及び各突
状部25の一部において、放射状に形成された4つの油
孔48は、環状空間47と各第1油圧室30とを連通
し、環状空間47内に供給された油を各第1油圧室30
に供給する。ロックピン33の外周壁と貫通孔32の内
周壁とによって囲まれる環状の空間よりなる油圧室49
は、油孔48の一つにより環状空間47と通じている。
周に形成された油溝44、ジャーナル11aの内部に形
成された油孔45を介して、カムシャフト11の内部に
形成された油通路46に通じている。同油通路46の先
端側は、ボス23の基端側内周部、ボルト21、及び側
板18によって区画された環状空間47に開口する。図
2に示すように、ボス23の内部、各羽根24及び各突
状部25の一部において、放射状に形成された4つの油
孔48は、環状空間47と各第1油圧室30とを連通
し、環状空間47内に供給された油を各第1油圧室30
に供給する。ロックピン33の外周壁と貫通孔32の内
周壁とによって囲まれる環状の空間よりなる油圧室49
は、油孔48の一つにより環状空間47と通じている。
【0025】遅角側油路39は、シリンダヘッド14の
上端部及びベアリングキャップ15に形成された油溝5
0に通じている。拡径部11bに形成された油孔53
は、この油溝50と、側板18の基端側面と拡径部11
bの先端側面との間に形成された環状の油空間51とを
連通する。側板18は、図2に示すように各突状部25
の側面近傍にて開口する4つの油孔52を有する。各油
孔52は、油空間51と各第2油圧室31とを連通し、
同油圧室31内に油空間51内の油を供給する。油空間
51は前述した係止穴34に通じており、同係止穴34
内には同空間51内の油が供給される。
上端部及びベアリングキャップ15に形成された油溝5
0に通じている。拡径部11bに形成された油孔53
は、この油溝50と、側板18の基端側面と拡径部11
bの先端側面との間に形成された環状の油空間51とを
連通する。側板18は、図2に示すように各突状部25
の側面近傍にて開口する4つの油孔52を有する。各油
孔52は、油空間51と各第2油圧室31とを連通し、
同油圧室31内に油空間51内の油を供給する。油空間
51は前述した係止穴34に通じており、同係止穴34
内には同空間51内の油が供給される。
【0026】本実施形態において、進角側油路38、油
溝44、油孔45、油通路46、環状空間47、及び各
油孔48は、各第1油圧室30に油を供給するための第
1油路P1を構成し、遅角側油路39、油溝50、油孔
53、油空間51、及び各油孔52は、各第2油圧室3
1に油を供給するための第2油路P2を構成する。各油
路P1,第2油路P2は油圧通路Pを構成する。
溝44、油孔45、油通路46、環状空間47、及び各
油孔48は、各第1油圧室30に油を供給するための第
1油路P1を構成し、遅角側油路39、油溝50、油孔
53、油空間51、及び各油孔52は、各第2油圧室3
1に油を供給するための第2油路P2を構成する。各油
路P1,第2油路P2は油圧通路Pを構成する。
【0027】前述したOCV40は、第1油路P1及び
第2油路P2と、ポンプ13及びオイルパン43との連
通状態を切り換える。図1に示すように、OCV40を
構成するケーシング54は、第1〜第5のポート55〜
59を有する。第1のポート55は進角側油路38に、
第2のポート56は遅角側油路39にそれぞれ通じてい
る。第3及び第4のポート57,58はオイルパン43
に、第5のポート59はオイルフィルタ41を介してポ
ンプ13の吐出側に通じている。
第2油路P2と、ポンプ13及びオイルパン43との連
通状態を切り換える。図1に示すように、OCV40を
構成するケーシング54は、第1〜第5のポート55〜
59を有する。第1のポート55は進角側油路38に、
第2のポート56は遅角側油路39にそれぞれ通じてい
る。第3及び第4のポート57,58はオイルパン43
に、第5のポート59はオイルフィルタ41を介してポ
ンプ13の吐出側に通じている。
【0028】ケーシング54の内部において往復可能に
設けられたスプール60は、円筒状をなす4つの弁体6
1を有する。電磁ソレノイド62は、スプール60を図
1に示す「遅角位置」と、図3に示す「進角位置」との
間で移動させる。ケーシング54内に設けられたスプリ
ング64は、スプール60を「遅角位置」側へ向けて付
勢する。
設けられたスプール60は、円筒状をなす4つの弁体6
1を有する。電磁ソレノイド62は、スプール60を図
1に示す「遅角位置」と、図3に示す「進角位置」との
間で移動させる。ケーシング54内に設けられたスプリ
ング64は、スプール60を「遅角位置」側へ向けて付
勢する。
【0029】電子制御装置(以下「ECU」という)6
5は、電磁ソレノイド62を所定のデューティ比をもっ
て通電制御する。ECU65は、電磁ソレノイド62を
100%のデューティ比で通電制御することにより、ス
プール60の位置を「進角位置」に保持する。これによ
り、図3に示すように、進角側油路38は第1のポート
55及び第5のポート59を介してポンプ13の吐出側
に接続され、遅角側油路39は第2のポート56及び第
4のポート58を介してオイルパン43に接続される。
その結果、各第1油圧室30内には第1油路P1を通じ
て油が供給される一方で、各第2油圧室31内の油は第
2油路P2を通じてオイルパン43に戻される。
5は、電磁ソレノイド62を所定のデューティ比をもっ
て通電制御する。ECU65は、電磁ソレノイド62を
100%のデューティ比で通電制御することにより、ス
プール60の位置を「進角位置」に保持する。これによ
り、図3に示すように、進角側油路38は第1のポート
55及び第5のポート59を介してポンプ13の吐出側
に接続され、遅角側油路39は第2のポート56及び第
4のポート58を介してオイルパン43に接続される。
その結果、各第1油圧室30内には第1油路P1を通じ
て油が供給される一方で、各第2油圧室31内の油は第
2油路P2を通じてオイルパン43に戻される。
【0030】ECU65は電磁ソレノイド62に対する
通電制御を停止(デューティ比が0%)することによ
り、スプール60の位置を「遅角位置」に保持する。こ
れにより、図1に示すように、遅角側油路39が第2の
ポート56及び第5のポート59を介してポンプ13の
吐出側に接続される一方で、進角側油路38が第1のポ
ート55及び第3のポート57を介してオイルパン43
に接続される。その結果、各第2油圧室31内には第2
油路P2を通じて油が供給される一方で、各第1油圧室
30内の油は第1油路P1を通じてオイルパン43に戻
される。
通電制御を停止(デューティ比が0%)することによ
り、スプール60の位置を「遅角位置」に保持する。こ
れにより、図1に示すように、遅角側油路39が第2の
ポート56及び第5のポート59を介してポンプ13の
吐出側に接続される一方で、進角側油路38が第1のポ
ート55及び第3のポート57を介してオイルパン43
に接続される。その結果、各第2油圧室31内には第2
油路P2を通じて油が供給される一方で、各第1油圧室
30内の油は第1油路P1を通じてオイルパン43に戻
される。
【0031】更に、ECU65は、電磁ソレノイド62
を50%のデューティ比で通電制御することにより、ス
プール60の位置を「保持位置」に保持する。これによ
り、スプール60の弁体61は、第1及び第2のポート
55,56を閉塞する。その結果、第1油圧室30及び
第2油圧室31に対する油の供給及び排出は行われず、
各油圧室30,31の油圧は現状の状態に保持される。
を50%のデューティ比で通電制御することにより、ス
プール60の位置を「保持位置」に保持する。これによ
り、スプール60の弁体61は、第1及び第2のポート
55,56を閉塞する。その結果、第1油圧室30及び
第2油圧室31に対する油の供給及び排出は行われず、
各油圧室30,31の油圧は現状の状態に保持される。
【0032】ECU65に接続された回転数センサ66
及び吸気圧センサ67は、エンジンの回転数、及び吸気
圧力を検出する。ECU65に接続されたクランク角セ
ンサ68及びカム角センサ69は、カムシャフト11の
回転位相を検出する。ECU65は各センサ66〜69
から入力される検出信号に基づき、エンジンの運転状態
に適合するカムシャフト11の目標回転位相、及び実回
転位相を検出する。ECU65は、吸気側カムシャフト
11の実回転位相と目標回転位相との偏差を算出し、同
偏差が所定値以下となるようにOCV40を制御する。
及び吸気圧センサ67は、エンジンの回転数、及び吸気
圧力を検出する。ECU65に接続されたクランク角セ
ンサ68及びカム角センサ69は、カムシャフト11の
回転位相を検出する。ECU65は各センサ66〜69
から入力される検出信号に基づき、エンジンの運転状態
に適合するカムシャフト11の目標回転位相、及び実回
転位相を検出する。ECU65は、吸気側カムシャフト
11の実回転位相と目標回転位相との偏差を算出し、同
偏差が所定値以下となるようにOCV40を制御する。
【0033】本実施形態によれば、エンジンが始動され
ると、ポンプ13によって吸引されたオイルパン43内
の油が同ポンプ13から第1油路P1内に圧送される。
これにより、油圧室49内の油圧が増加し、ロックピン
33はその油圧によって係止穴34から抜ける。その結
果、羽根車19とスプロケット17との相対回転が許容
された状態となる。そして、吸気バルブは、カムシャフ
ト11の回転により所定のバルブタイミングをもって開
閉される。
ると、ポンプ13によって吸引されたオイルパン43内
の油が同ポンプ13から第1油路P1内に圧送される。
これにより、油圧室49内の油圧が増加し、ロックピン
33はその油圧によって係止穴34から抜ける。その結
果、羽根車19とスプロケット17との相対回転が許容
された状態となる。そして、吸気バルブは、カムシャフ
ト11の回転により所定のバルブタイミングをもって開
閉される。
【0034】ECU65は、吸気バルブのバルブタイミ
ングを進めるために、電磁ソレノイド62を100%の
デューディ比で通電制御する。その結果、各第1油圧室
30には油が供給され、各第2油圧室31内の油はオイ
ルパン43に戻される。従って、各第1油圧室30内の
油圧が各第2油圧室31内の油圧よりも相対的に増加す
るため、各羽根24には前記「進角方向」の回転力が作
用する。そして、この回転力により羽根車19はスプロ
ケット17に対して「進角方向」に相対的に回転し、カ
ムシャフト11の回転位相がスプロケット17の回転位
相に対して相対的に進角されることにより、吸気バルブ
のバルブタイミングが現状よりも進められる。本実施形
態において、羽根車19がスプロケット17に対して
「進角方向」に相対回転し、各羽根24が各突状部25
に当接した状態となると、バルブタイミングは最も進ん
だ状態となる。
ングを進めるために、電磁ソレノイド62を100%の
デューディ比で通電制御する。その結果、各第1油圧室
30には油が供給され、各第2油圧室31内の油はオイ
ルパン43に戻される。従って、各第1油圧室30内の
油圧が各第2油圧室31内の油圧よりも相対的に増加す
るため、各羽根24には前記「進角方向」の回転力が作
用する。そして、この回転力により羽根車19はスプロ
ケット17に対して「進角方向」に相対的に回転し、カ
ムシャフト11の回転位相がスプロケット17の回転位
相に対して相対的に進角されることにより、吸気バルブ
のバルブタイミングが現状よりも進められる。本実施形
態において、羽根車19がスプロケット17に対して
「進角方向」に相対回転し、各羽根24が各突状部25
に当接した状態となると、バルブタイミングは最も進ん
だ状態となる。
【0035】これに対して、ECU65は、吸気バルブ
のバルブタイミングを遅らせるために、電磁ソレノイド
62に対する通電制御を停止する(デューティ比が0
%)。この結果、各第2油圧室31には油が供給され、
各第1油圧室30内の油はオイルパン43に戻される。
従って、各第2油圧室31内の油圧が各第1油圧室30
内の油圧よりも相対的に増加するため、各羽根24には
前記「遅角方向」の回転力が作用する。そして、この回
転力により羽根車19はスプロケット17に対して「遅
角方向」に相対的に回転し、カムシャフト11の回転位
相がスプロケット17の回転位相に対して相対的に遅角
されることにより、吸気バルブのバルブタイミングが現
状よりも遅らせられる。本実施形態において、羽根車1
9がスプロケット17に対して「遅角方向」に相対回転
し、各羽根24が各突状部25に当接した状態となる
と、バルブタイミングは最も遅れた状態となる。
のバルブタイミングを遅らせるために、電磁ソレノイド
62に対する通電制御を停止する(デューティ比が0
%)。この結果、各第2油圧室31には油が供給され、
各第1油圧室30内の油はオイルパン43に戻される。
従って、各第2油圧室31内の油圧が各第1油圧室30
内の油圧よりも相対的に増加するため、各羽根24には
前記「遅角方向」の回転力が作用する。そして、この回
転力により羽根車19はスプロケット17に対して「遅
角方向」に相対的に回転し、カムシャフト11の回転位
相がスプロケット17の回転位相に対して相対的に遅角
されることにより、吸気バルブのバルブタイミングが現
状よりも遅らせられる。本実施形態において、羽根車1
9がスプロケット17に対して「遅角方向」に相対回転
し、各羽根24が各突状部25に当接した状態となる
と、バルブタイミングは最も遅れた状態となる。
【0036】ECU65は、吸気バルブのバルブタイミ
ングを現状のバルブタイミングに保持するために、電磁
ソレノイド62を50%のデューティ比で通電制御す
る。この結果、各油圧室30,31への油の供給及び各
油圧室30,31からの油の排出は行われなくなる。従
って、羽根車19とスプロケット17との相対回転は停
止するため、吸気バルブのバルブタイミングは現状のタ
イミングに保持される。
ングを現状のバルブタイミングに保持するために、電磁
ソレノイド62を50%のデューティ比で通電制御す
る。この結果、各油圧室30,31への油の供給及び各
油圧室30,31からの油の排出は行われなくなる。従
って、羽根車19とスプロケット17との相対回転は停
止するため、吸気バルブのバルブタイミングは現状のタ
イミングに保持される。
【0037】上記のように、ECU65が電磁ソレノイ
ド62を通電制御することにより、吸気バルブのバルブ
タイミングを最遅角のタイミングと最進角のタイミング
との間で所定のタイミングに連続的(無段階)に変更す
ることができ、更にそのバルブタイミングを保持するこ
とができる。
ド62を通電制御することにより、吸気バルブのバルブ
タイミングを最遅角のタイミングと最進角のタイミング
との間で所定のタイミングに連続的(無段階)に変更す
ることができ、更にそのバルブタイミングを保持するこ
とができる。
【0038】本実施形態において、エンジンの運転が停
止すると、係止穴34及び油圧室49内の油圧が低下す
ることから、ロックピン33は貫通孔32内を移動して
再び係止穴34に係合する。従って、エンジンが再び始
動されてから油圧室49内の油圧が所定値にまで増加す
るまでは、羽根車19と側板18との相対回転が規制さ
れる。このため、エンジン停止後から長時間が経過して
おり、各油圧室30,31内の油が外部に漏出してしま
っている場合でも、羽根車19の回転方向における振動
の発生が抑制される。その結果、本実施形態によれば、
その振動により各羽根24と各突状部25とが衝突する
ことに起因する異音の発生が防止される。
止すると、係止穴34及び油圧室49内の油圧が低下す
ることから、ロックピン33は貫通孔32内を移動して
再び係止穴34に係合する。従って、エンジンが再び始
動されてから油圧室49内の油圧が所定値にまで増加す
るまでは、羽根車19と側板18との相対回転が規制さ
れる。このため、エンジン停止後から長時間が経過して
おり、各油圧室30,31内の油が外部に漏出してしま
っている場合でも、羽根車19の回転方向における振動
の発生が抑制される。その結果、本実施形態によれば、
その振動により各羽根24と各突状部25とが衝突する
ことに起因する異音の発生が防止される。
【0039】本実施形態において、バルブタイミングの
変更を行わず、現状のバルブタイミングを保持した状態
でカムシャフト11をスプロケット17と共に回転させ
る場合、同シャフト11には、バルブスプリング35
(図示略)の反力、或いは同シャフトの支持部分(例え
ば、シリンダヘッド14及びベアリングキャップ15に
て支持されたジャーナル11aの部分)における摺動抵
抗等によって、前記「遅角方向」の回転力が作用する。
従って、バルブタイミングを進める場合には、この回転
力に抗して羽根車19を第1油圧室30の油圧により
「進角方向」に回転させる必要がある。このため、バル
ブタイミングを進める場合における第1油圧室30内の
油圧は、バルブタイミングを遅らせる場合における第2
油圧室31内の油圧よりも前記回転力が羽根車19に作
用する分だけ高圧としなければならない。
変更を行わず、現状のバルブタイミングを保持した状態
でカムシャフト11をスプロケット17と共に回転させ
る場合、同シャフト11には、バルブスプリング35
(図示略)の反力、或いは同シャフトの支持部分(例え
ば、シリンダヘッド14及びベアリングキャップ15に
て支持されたジャーナル11aの部分)における摺動抵
抗等によって、前記「遅角方向」の回転力が作用する。
従って、バルブタイミングを進める場合には、この回転
力に抗して羽根車19を第1油圧室30の油圧により
「進角方向」に回転させる必要がある。このため、バル
ブタイミングを進める場合における第1油圧室30内の
油圧は、バルブタイミングを遅らせる場合における第2
油圧室31内の油圧よりも前記回転力が羽根車19に作
用する分だけ高圧としなければならない。
【0040】ここで、高圧となった第1油圧室30内の
油が、各羽根24の外周面24aと各第1凹部26の内
周面26aとの間を通過して第2圧力室内に漏出してし
まうことが懸念されるが、本実施形態では各シールプレ
ート28を各羽根25において第1油圧室30から離間
させ第2油圧室31側に設けたため、以下に説明するよ
うに第1油圧室30から第2油圧室31への油の漏出が
抑制される。
油が、各羽根24の外周面24aと各第1凹部26の内
周面26aとの間を通過して第2圧力室内に漏出してし
まうことが懸念されるが、本実施形態では各シールプレ
ート28を各羽根25において第1油圧室30から離間
させ第2油圧室31側に設けたため、以下に説明するよ
うに第1油圧室30から第2油圧室31への油の漏出が
抑制される。
【0041】第1油圧室30内の油が、各羽根24の外
周面24aと各第1凹部26の内周面26aとの間を通
過して、第2油圧室31にまで移動する場合を考える
と、先ず油は、各羽根24の外周面24aと各第1凹部
26の内周面26aとの間の微少な隙間を通じて第1油
圧室30からシールプレート28側へと移動する。
周面24aと各第1凹部26の内周面26aとの間を通
過して、第2油圧室31にまで移動する場合を考える
と、先ず油は、各羽根24の外周面24aと各第1凹部
26の内周面26aとの間の微少な隙間を通じて第1油
圧室30からシールプレート28側へと移動する。
【0042】次に、シールプレート28が設けられた位
置に到達した油は、同プレート28と第1凹部26の内
周面26aとの間の両者の形状公差に起因する微少な隙
間(図示略)を通じて第2油圧室31側に移動し、各羽
根24の外周面24aと各第1凹部26の内周面26a
との間の微少な隙間を通じて第2油圧室31内に流入す
る。
置に到達した油は、同プレート28と第1凹部26の内
周面26aとの間の両者の形状公差に起因する微少な隙
間(図示略)を通じて第2油圧室31側に移動し、各羽
根24の外周面24aと各第1凹部26の内周面26a
との間の微少な隙間を通じて第2油圧室31内に流入す
る。
【0043】ここで、シールプレート28と第1凹部2
6の内周面26aとの間に形成される隙間からの油の漏
れ量は、第1油圧室30から移動してシールプレート2
8の位置に到達した油の油圧に略比例する。このため、
シールプレート28と第1凹部26の内周面26aとの
間の隙間を通過して第2油圧室31側に漏出する油の量
を低減するためには、同プレート28の位置に到達する
油の油圧を低圧に抑える必要がある。
6の内周面26aとの間に形成される隙間からの油の漏
れ量は、第1油圧室30から移動してシールプレート2
8の位置に到達した油の油圧に略比例する。このため、
シールプレート28と第1凹部26の内周面26aとの
間の隙間を通過して第2油圧室31側に漏出する油の量
を低減するためには、同プレート28の位置に到達する
油の油圧を低圧に抑える必要がある。
【0044】本実施形態の構成によれば、前記接触部分
C1の長さは、前記接触部分C2の長さよりも長くなっ
ている。従って、第1油圧室30からシールプレート2
8の位置まで移動する油は、接触部分C1における各羽
根24の外周面24aと各第1凹部26の内周面26a
との間の微少な隙間を通過する際に、摩擦損失によって
その油圧が十分に低下する。その結果、各接触部分C
1,C2の長さを等しくした構成、或いは接触部C2の
長さを接触部C1の長さよりも長くした構成と比較し
て、バルブタイミングを進角する際にシールプレート2
8と第1凹部26の内周面26aとの隙間を通過して第
1油圧室30から第2油圧室31側に漏出する油の量を
低減することができる。
C1の長さは、前記接触部分C2の長さよりも長くなっ
ている。従って、第1油圧室30からシールプレート2
8の位置まで移動する油は、接触部分C1における各羽
根24の外周面24aと各第1凹部26の内周面26a
との間の微少な隙間を通過する際に、摩擦損失によって
その油圧が十分に低下する。その結果、各接触部分C
1,C2の長さを等しくした構成、或いは接触部C2の
長さを接触部C1の長さよりも長くした構成と比較し
て、バルブタイミングを進角する際にシールプレート2
8と第1凹部26の内周面26aとの隙間を通過して第
1油圧室30から第2油圧室31側に漏出する油の量を
低減することができる。
【0045】その結果、本実施形態の構成によれば、第
1油圧室30内の油圧の低下を抑制することにより、羽
根車19を所定の回転トルクをもって前記進角方向に相
対回転させることができるようになり、バルブタイミン
グを進角する際におけるバルブタイミング可変装置の作
動応答性を向上させることができる。
1油圧室30内の油圧の低下を抑制することにより、羽
根車19を所定の回転トルクをもって前記進角方向に相
対回転させることができるようになり、バルブタイミン
グを進角する際におけるバルブタイミング可変装置の作
動応答性を向上させることができる。
【0046】ここで、第1油圧室30から第2油圧室3
1に漏出する油の量を低減するための構成例として、例
えば、シールプレート28を第1凹部26の内周面26
aに押圧する板バネ29の弾性力を増加させ、同プレー
ト28と内周面26aとの面圧を増加させることによ
り、シールプレート28による封止作用を向上させるこ
とが考えられる。しかしながら、このような構成による
と、ハウジング16に対して羽根車19を相対回転させ
る際の摺動抵抗が増加してしまうため、仮にバルブタイ
ミングを進める際の油の漏出量を低減してバルブタイミ
ング可変装置の作動応答性を向上させることができて
も、逆にバルブタイミングを遅らせる際の作動応答性を
低下させることとなるため好ましくない。本実施形態に
よればバルブタイミングを遅らせる場合における作動応
答性には影響を与えないため、この観点においても優れ
た効果を奏するものである。
1に漏出する油の量を低減するための構成例として、例
えば、シールプレート28を第1凹部26の内周面26
aに押圧する板バネ29の弾性力を増加させ、同プレー
ト28と内周面26aとの面圧を増加させることによ
り、シールプレート28による封止作用を向上させるこ
とが考えられる。しかしながら、このような構成による
と、ハウジング16に対して羽根車19を相対回転させ
る際の摺動抵抗が増加してしまうため、仮にバルブタイ
ミングを進める際の油の漏出量を低減してバルブタイミ
ング可変装置の作動応答性を向上させることができて
も、逆にバルブタイミングを遅らせる際の作動応答性を
低下させることとなるため好ましくない。本実施形態に
よればバルブタイミングを遅らせる場合における作動応
答性には影響を与えないため、この観点においても優れ
た効果を奏するものである。
【0047】本実施形態の構成によれば、板バネ29に
よりシールプレート28を第1凹部26の内周面26a
に押圧する構成とした。従って、例えば、シールプレー
ト28が磨耗した場合であっても、同プレート28と内
周面26aとの間の面圧は殆ど低下しない。その結果、
シールプレート28による封止作用を長期間にわたり保
持し、両油圧室30,31間における油の漏出を確実に
抑制することができる。
よりシールプレート28を第1凹部26の内周面26a
に押圧する構成とした。従って、例えば、シールプレー
ト28が磨耗した場合であっても、同プレート28と内
周面26aとの間の面圧は殆ど低下しない。その結果、
シールプレート28による封止作用を長期間にわたり保
持し、両油圧室30,31間における油の漏出を確実に
抑制することができる。
【0048】本実施形態の構成によれば、ロックピン3
3の外周側に形成された油圧室49には、第1油圧室3
0に油圧を供給するための油孔52の一つを通じて油を
供給するようにした。即ち、上記本構成では、この油圧
室49に油圧を供給するための油経路と、第1油圧室3
0に油圧を供給するための油経路(油孔52)とを併用
するようにしたため、バルブタイミング可変装置におけ
る油経路の構成を簡略化することができる。その結果、
油圧室49に油を供給するための油経路を別途設ける構
成とした場合と比較して、加工コストを低減することが
でき、ひいてはバルブタイミング可変装置のコスト低減
を図ることが可能となる。
3の外周側に形成された油圧室49には、第1油圧室3
0に油圧を供給するための油孔52の一つを通じて油を
供給するようにした。即ち、上記本構成では、この油圧
室49に油圧を供給するための油経路と、第1油圧室3
0に油圧を供給するための油経路(油孔52)とを併用
するようにしたため、バルブタイミング可変装置におけ
る油経路の構成を簡略化することができる。その結果、
油圧室49に油を供給するための油経路を別途設ける構
成とした場合と比較して、加工コストを低減することが
でき、ひいてはバルブタイミング可変装置のコスト低減
を図ることが可能となる。
【0049】尚、この発明は次のような別の実施形態に
具体化することができる。以下の別の実施形態において
上記実施形態と同様の作用及び効果を得ることができ
る。 (1)上記実施形態において、シールプレート28は羽
根24の外周部分に形成された溝27内に配置されるも
のであった。これに対して、図6,7に示すように、各
突状部25の内周側部分にそれぞれ溝76をそれぞれ形
成し、各溝76内に封止部材としてのシールプレート7
7、及び同プレート77をボス23の外周面23aに押
圧する弾性部材としての板バネ78を配置する構成とす
ることもできる。この構成においても、上記実施形態と
同様に、各溝76を第1油圧室30から離間して、より
第2油圧室31側に近い位置に形成する。本構成におい
ては、各突状部25は本発明における凸部に相当し、羽
根24の間に形成された第2凹部79は本発明における
凹部に相当する。
具体化することができる。以下の別の実施形態において
上記実施形態と同様の作用及び効果を得ることができ
る。 (1)上記実施形態において、シールプレート28は羽
根24の外周部分に形成された溝27内に配置されるも
のであった。これに対して、図6,7に示すように、各
突状部25の内周側部分にそれぞれ溝76をそれぞれ形
成し、各溝76内に封止部材としてのシールプレート7
7、及び同プレート77をボス23の外周面23aに押
圧する弾性部材としての板バネ78を配置する構成とす
ることもできる。この構成においても、上記実施形態と
同様に、各溝76を第1油圧室30から離間して、より
第2油圧室31側に近い位置に形成する。本構成におい
ては、各突状部25は本発明における凸部に相当し、羽
根24の間に形成された第2凹部79は本発明における
凹部に相当する。
【0050】更に、上記構成と同様、各突状部25の内
周側にシールプレート28をそれぞれ設けるとともに、
羽根24の外周側にもシールプレート28をそれぞれ設
ける構成とすることもできる。このような構成によれ
ば、第1油圧室30から第2油圧室31側に漏出する油
の量を更に低減することにより、バルブタイミングを進
める際のバルブタイミング可変装置における作動応答性
を更に向上させることができる。
周側にシールプレート28をそれぞれ設けるとともに、
羽根24の外周側にもシールプレート28をそれぞれ設
ける構成とすることもできる。このような構成によれ
ば、第1油圧室30から第2油圧室31側に漏出する油
の量を更に低減することにより、バルブタイミングを進
める際のバルブタイミング可変装置における作動応答性
を更に向上させることができる。
【0051】(2)上記実施形態において、シールプレ
ート28を板バネ29によって第1凹部26の内周面2
6aに押圧する構成とした。これに対して、各板バネ2
9が省略された構成を採用することにより部品コストの
低減を図ることもできる。この場合には、シールプレー
ト28の材質として、例えば黄銅、銅、アルミニウムと
いった軟金属、或いはニトリルゴム、アクリルゴム、フ
ッ素ゴムといった耐油性、耐熱性を備えたゴムを選択
し、シールプレート28自身の弾性力により同プレート
28が各第1凹部26の内周面26aに押圧される構成
とすることが望ましい。
ート28を板バネ29によって第1凹部26の内周面2
6aに押圧する構成とした。これに対して、各板バネ2
9が省略された構成を採用することにより部品コストの
低減を図ることもできる。この場合には、シールプレー
ト28の材質として、例えば黄銅、銅、アルミニウムと
いった軟金属、或いはニトリルゴム、アクリルゴム、フ
ッ素ゴムといった耐油性、耐熱性を備えたゴムを選択
し、シールプレート28自身の弾性力により同プレート
28が各第1凹部26の内周面26aに押圧される構成
とすることが望ましい。
【0052】(3)上記実施形態において、シールプレ
ート28を第1凹部26の内周面に押圧するための板バ
ネ29を、例えば、コイルスプリング、ゴム等の他の弾
性部材に変更することもできる。板バネ29をゴムに変
更する場合、ゴムの材質は、前述したニトリルゴム、ア
クリルゴム、フッ素ゴムといった耐油性、耐熱性を備え
たものであることが望ましい。
ート28を第1凹部26の内周面に押圧するための板バ
ネ29を、例えば、コイルスプリング、ゴム等の他の弾
性部材に変更することもできる。板バネ29をゴムに変
更する場合、ゴムの材質は、前述したニトリルゴム、ア
クリルゴム、フッ素ゴムといった耐油性、耐熱性を備え
たものであることが望ましい。
【0053】(4)上記実施形態において、シールプレ
ート28は各羽根24にそれぞれ一つだけ設けられる構
成とした。これに対して、複数のシールプレートを設け
る構成としてもよい。この場合にも上記実施形態と同様
に、各シールプレートは第1油圧室30から離間して第
2油圧室31側の位置に設ける。上記(1)に示す構成
例においても同様に、各突状部25に複数のシールプレ
ート28を設けるようにしてもよい。
ート28は各羽根24にそれぞれ一つだけ設けられる構
成とした。これに対して、複数のシールプレートを設け
る構成としてもよい。この場合にも上記実施形態と同様
に、各シールプレートは第1油圧室30から離間して第
2油圧室31側の位置に設ける。上記(1)に示す構成
例においても同様に、各突状部25に複数のシールプレ
ート28を設けるようにしてもよい。
【0054】(5)上記実施形態では、作動機構12を
吸気側カムシャフト11に設け、同機構12のスプロケ
ット17をクランクシャフトに駆動連結する構成とした
が、例えば、図8に示す構成を採用することもできる。
吸気側カムシャフト11に設け、同機構12のスプロケ
ット17をクランクシャフトに駆動連結する構成とした
が、例えば、図8に示す構成を採用することもできる。
【0055】同図に示すように、本構成例においては、
排気側カムシャフト70の一端側に前記作動機構12が
設けられるとともに、同シャフト70の他端側に設けら
れたプーリ71がベルト72を介してクランクシャフト
(図示略)に駆動連結される。作動機構12は、前記ス
プロケット17に換えてドライブギヤ73を有する点を
除き、上記実施形態と同様の構成を有する。ドライブギ
ヤ73は、吸気側カムシャフト11の端部に設けられた
ドリブンギヤ74と噛合され、同シャフト11にクラン
クシャフトの回転力を伝達する。本構成例において、ド
ライブギヤ73は本発明の第2回転体に相当し、作動機
構12の羽根車19(図示略)は第1回転体に相当す
る。
排気側カムシャフト70の一端側に前記作動機構12が
設けられるとともに、同シャフト70の他端側に設けら
れたプーリ71がベルト72を介してクランクシャフト
(図示略)に駆動連結される。作動機構12は、前記ス
プロケット17に換えてドライブギヤ73を有する点を
除き、上記実施形態と同様の構成を有する。ドライブギ
ヤ73は、吸気側カムシャフト11の端部に設けられた
ドリブンギヤ74と噛合され、同シャフト11にクラン
クシャフトの回転力を伝達する。本構成例において、ド
ライブギヤ73は本発明の第2回転体に相当し、作動機
構12の羽根車19(図示略)は第1回転体に相当す
る。
【0056】上記構成によれば、排気側カムシャフト7
0は、クランクシャフトの回転力を作動機構12に伝達
する。同機構12のドライブギヤ73は、この回転力を
ドリブンギヤ74を介して吸気側カムシャフト11に伝
達する。そして、吸気側カムシャフト11の回転に伴っ
て、同シャフト11のカム75は吸気バルブ(図示略)
を開閉する。作動機構12により羽根車19とドライブ
ギヤ73との相対的な回転位相が変更されることによ
り、吸気側カムシャフト11の回転位相が変更され、吸
気バルブの開閉タイミングが変更される。このような構
成によっても上記実施形態と同等の作用効果を奏するこ
とができる。
0は、クランクシャフトの回転力を作動機構12に伝達
する。同機構12のドライブギヤ73は、この回転力を
ドリブンギヤ74を介して吸気側カムシャフト11に伝
達する。そして、吸気側カムシャフト11の回転に伴っ
て、同シャフト11のカム75は吸気バルブ(図示略)
を開閉する。作動機構12により羽根車19とドライブ
ギヤ73との相対的な回転位相が変更されることによ
り、吸気側カムシャフト11の回転位相が変更され、吸
気バルブの開閉タイミングが変更される。このような構
成によっても上記実施形態と同等の作用効果を奏するこ
とができる。
【0057】(6)上記実施形態において、スプロケッ
ト17をカムプーリに変更するとともに、同プーリにタ
イミングベルトが掛装された構成に作動機構12を変更
することもできる。又、作動機構12のスプロケット1
7をギヤに変更し、同ギヤを排気側カムシャフトに設け
られたドライブギヤによって回転駆動するようにしても
よい。
ト17をカムプーリに変更するとともに、同プーリにタ
イミングベルトが掛装された構成に作動機構12を変更
することもできる。又、作動機構12のスプロケット1
7をギヤに変更し、同ギヤを排気側カムシャフトに設け
られたドライブギヤによって回転駆動するようにしても
よい。
【0058】(7)上記実施形態では、羽根車19に4
つの羽根24を形成した。これに対して、羽根24を3
つ以下、或いは5つ以上有した構成とすることもでき
る。羽根24の数を上記実施形態より多くして各油圧室
30,31の数をそれぞれ増加させた場合には、バルブ
タイミングを進める際における各第1油圧室30内の油
圧をより低圧に設定することができ、第1油圧室30か
ら第2油圧室31側への油の漏出量を更に低減すること
ができる。
つの羽根24を形成した。これに対して、羽根24を3
つ以下、或いは5つ以上有した構成とすることもでき
る。羽根24の数を上記実施形態より多くして各油圧室
30,31の数をそれぞれ増加させた場合には、バルブ
タイミングを進める際における各第1油圧室30内の油
圧をより低圧に設定することができ、第1油圧室30か
ら第2油圧室31側への油の漏出量を更に低減すること
ができる。
【0059】(8)上記実施形態では、いずれも吸気バ
ルブのバルブタイミングを変更するようにした。これに
対して、排気側カムシャフトに作動機構を設け、排気バ
ルブのバルブタイミングを変更するようにしてもよい。
更に、作動機構を吸気側カムシャフト及び排気側カムシ
ャフトの双方に設け、吸気バルブ及び排気バルブの双方
のバルブバルブタイミングを変更するようにしてもよ
い。
ルブのバルブタイミングを変更するようにした。これに
対して、排気側カムシャフトに作動機構を設け、排気バ
ルブのバルブタイミングを変更するようにしてもよい。
更に、作動機構を吸気側カムシャフト及び排気側カムシ
ャフトの双方に設け、吸気バルブ及び排気バルブの双方
のバルブバルブタイミングを変更するようにしてもよ
い。
【0060】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて以下に記載する。 (イ)請求項1に記載した内燃機関のバルブタイミング
可変装置において、封止部材は、同部材と凸部との間に
設けられた弾性部材により凹部に対して押圧されている
ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング可変装
置。
ついて以下に記載する。 (イ)請求項1に記載した内燃機関のバルブタイミング
可変装置において、封止部材は、同部材と凸部との間に
設けられた弾性部材により凹部に対して押圧されている
ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング可変装
置。
【0061】上記(イ)に記載した構成によれば、封止
部材に磨耗等が生じた場合でも、同部材と凹部との各接
触面における面圧の低下を抑制することができ、両圧力
室間における流体の移動を長期間にわたり抑制すること
ができる。
部材に磨耗等が生じた場合でも、同部材と凹部との各接
触面における面圧の低下を抑制することができ、両圧力
室間における流体の移動を長期間にわたり抑制すること
ができる。
【0062】
【発明の効果】上記請求項1に記載した第1の発明で
は、封止部材を、凸部と凹部との接触面間において第1
圧力室から離間し前記第2圧力室側に偏在して突状部2
5に設けるようにした。従って、バルブタイミングを進
める際に、凸部と凹部との接触面の間を移動して第1圧
力室内から封止部材に達する流体の量が低減され、同圧
力室から第2圧力室への流体の漏出が確実に抑制され
る。その結果、バルブタイミングを進角する際におい
て、第1圧力室内における流体圧の低下を抑えてバルブ
タイミング可変装置の作動応答性を向上させることがで
きるという効果を奏することができる。
は、封止部材を、凸部と凹部との接触面間において第1
圧力室から離間し前記第2圧力室側に偏在して突状部2
5に設けるようにした。従って、バルブタイミングを進
める際に、凸部と凹部との接触面の間を移動して第1圧
力室内から封止部材に達する流体の量が低減され、同圧
力室から第2圧力室への流体の漏出が確実に抑制され
る。その結果、バルブタイミングを進角する際におい
て、第1圧力室内における流体圧の低下を抑えてバルブ
タイミング可変装置の作動応答性を向上させることがで
きるという効果を奏することができる。
【図1】バルブタイミング可変装置等を示す断面図。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図。
【図3】OCVの拡大断面図。
【図4】羽根及びシールプレート等を拡大して示す断面
図。
図。
【図5】図4の5−5線に沿った断面図。
【図6】別の実施形態におけるバルブタイミング可変装
置の断面図。
置の断面図。
【図7】凸部及びシールプレート等を拡大して示す断面
図。
図。
【図8】別の実施形態における排気側カムシャフト及び
吸気側カムシャフト等を示す平面図。
吸気側カムシャフト等を示す平面図。
【図9】従来の技術における「弁開閉時期制御装置」を
示す断面図。
示す断面図。
【図10】図9の10−10線に沿った断面図。
11…カムシャフトとしての吸気側カムシャフト、14
…内燃機関の一部を構成するシリンダヘッド、17…第
1回転体としてのスプロケット、19…第2回転体及び
第1回転体としての羽根車、24…凸部としての羽根、
25…凸部としての突状部、26…凹部としての第1凹
部、28,77…封止部材としてのシールプレート、7
3…第2回転体としてのドライブギヤ、79…凹部とし
ての第2凹部。
…内燃機関の一部を構成するシリンダヘッド、17…第
1回転体としてのスプロケット、19…第2回転体及び
第1回転体としての羽根車、24…凸部としての羽根、
25…凸部としての突状部、26…凹部としての第1凹
部、28,77…封止部材としてのシールプレート、7
3…第2回転体としてのドライブギヤ、79…凹部とし
ての第2凹部。
Claims (1)
- 【請求項1】 内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブの
少なくとも一方のバルブタイミングを可変とするバルブ
タイミング可変装置であり、 同一回転軸心回りに相対回転可能な2つの回転体であっ
て、内燃機関のクランクシャフトに駆動連結された第1
回転体、及び吸気バルブ又は排気バルブを駆動するカム
シャフトに駆動連結された第2回転体と、 前記一方の回転体に形成された凸部を、他方の回転体に
形成された凹部内に配置することにより、前記両回転体
の回転方向において前記凸部の両側に形成され、内部に
流体が供給される2つの圧力室であって、第1回転体に
対して第2回転体の回転位相を相対的に進角させるため
の第1圧力室、及び前記回転位相を相対的に遅角させる
ための第2圧力室と、 前記凸部と前記凹部との接触面間において前記凸部側に
設けられ、前記両圧力室内に供給される流体が前記接触
面間を通じて移動することを規制するための封止部材と
を備え、前記両圧力室内の流体圧を調節することによっ
て前記両回転体を互いに相対回転させることにより、前
記バルブタイミングを変更するようにした内燃機関のバ
ルブタイミング可変装置において、 前記封止部材は、前記第1圧力室から離間し前記第2圧
力室側に偏在して前記凸部に設けられていることを特徴
とする内燃機関のバルブタイミング可変装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8118884A JPH09303119A (ja) | 1996-05-14 | 1996-05-14 | 内燃機関のバルブタイミング可変装置 |
IDP971577A ID16898A (id) | 1996-05-14 | 1997-05-12 | Peralatan variabel tempo katup untuk internal mesin pembakar |
EP97107794A EP0807746A1 (en) | 1996-05-14 | 1997-05-13 | Variable valve timing apparatus for internal combustion engine |
KR1019970018450A KR970075219A (ko) | 1996-05-14 | 1997-05-13 | 연소기관용 가변밸브타이밍 장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8118884A JPH09303119A (ja) | 1996-05-14 | 1996-05-14 | 内燃機関のバルブタイミング可変装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09303119A true JPH09303119A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=14747530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8118884A Pending JPH09303119A (ja) | 1996-05-14 | 1996-05-14 | 内燃機関のバルブタイミング可変装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09303119A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008038799A (ja) * | 2006-08-08 | 2008-02-21 | Honda Motor Co Ltd | ベーン式油圧機器、電動機および内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
JP2021063483A (ja) * | 2019-10-16 | 2021-04-22 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
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1996
- 1996-05-14 JP JP8118884A patent/JPH09303119A/ja active Pending
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