JP3765599B2 - ロータリダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回動運動を利用して減衰作用を行うロータリダンパに関し、例えば、自動車のサスペンションや自動二輪車における後輪サスペンション用の減衰器としての使用に適するロータリダンパの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のロータリダンパとしては、例えば、昭和64年特許出願公開第12152号公報にみられるようなもが知られている。
【0003】
すなわち、このものは、ケーシングの内壁に設けた隔壁とロータの外周に設けたベーンとで両者の間に二組の作動油室を区画し、これらケーシングとロータの相対回動運動に伴って上記二組の作動油室を交互に拡張および収縮させる。
【0004】
そして、これら二組の作動油室をロータに穿った半径方向の油孔と中心部に設けた連絡流路を通して相互に連通し、この連絡流路中に両効き用の減衰力発生機構を介装して収縮側の作動油室から拡張側の作動油室に向う作動油に流動抵抗を与え、当該減衰力発生機構によって所定の動作方向に対する減衰力を発生させるようにしている。
【0005】
また、ロータ側には、連絡流路と軸方向に並べて温度補償用のアキュムレータを配設し、このアキュムレータを作動油室へと絞りを通して連通し、当該アキュムレータで温度変化に伴う作動油体積の過不足を補償すると共に、絞りによる流動抵抗でロータリダンパの作動時にアキュムレータへと流入する作動油の流量を制限している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記した従来のロータリダンパにあっては、ロータ内を通して二組の作動油室を相互に連通する連絡流路を設け、当該連絡流路中に両効き用の減衰力発生機構を介装し、この減衰力発生機構で所定の減衰力を発生させるようにしているだけで、当該減衰力を外部から調整するための何等の手段(減衰力調整機構)をも備えていない。
【0007】
そのために、運転者の好みや走行条件等に合わせて減衰力特性をその都度調整して走行することができず、汎用性や操縦性の上で問題があるという不都合を有する。
【0008】
そうかと言って、上記ロータ内の連絡流路と並行に減衰力発生機構を迂回するバイパス流路を設け、このバイパス流路に減衰力調整機構を組み込んで減衰力特性を調整可能としようとしても、寸法的に制約を受けるロータ側に減衰力調整機構を組み込むことは非常に困難で不可能に近い。
【0009】
そこで、上記したバイパス流路をケーシング側に設けて減衰力調整機構を組み込むことになるが、そのためには、ロータ側の連絡流路と全く独立してケーシング側に新にバイパス流路を構成して減衰力調整機構を組み込んでやらなければならず、それらの加工と組み付けに手数が掛ってコスト高にならざるを得ないという欠点を生じる。
【0010】
また、上記した従来のロータリダンパでは、ロータ内に設けた連絡流路と軸方向に並べて温度補償用のアキュムレータを配設し、このアキュムレータを連絡流路に単に絞りを通して連通することで、温度変化に伴う作動油体積の過不足の補償とロータリダンパの作動時におけるアキュムレータへの作動油の流入量とを制限している。
【0011】
そのために、ロータリダンパの組立に当ってその内部へと作動油を注入する際に、当該絞りの流動抵抗が邪魔になってアキュムレータの油室に作動油が流入し難く、当該作動油の注入作業に多大の手数と時間を要するという不都合をも有していた。
【0012】
したがって、この発明の目的は、二組の作動油室を相互に連通する連絡流路中に介装した両効き用の減衰力発生機構に対して容易に減衰力調整機構を組み込み得ると共に、作動油の注入作業も短時間で容易に行うことのできる新規の構成を備えたロータリダンパを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記した目的は、この発明によれば、二組の作動油室を相互に連通する連絡流路と減衰力発生機構および温度補償用のアキュムレータをそれぞれケーシング側に配置し、かつ、ケーシングに対して一方の作動油室から減衰力発生気候を迂回して他方の作動油室に通じるバイパス流路を設け、当該バイパス流路中に外部調整可能の絞りバルブからなる減衰力調整機構を介装することによって達成される。
【0014】
すなわち、このように構成することによって、寸法的な制約を受けるロータ側には何等の加工をも施すことなく、寸法的に余裕のあるケーシング側に簡単な加工を施すだけで、両効き用の減衰力発生機構に対し連絡流路を利用して減衰力調整機構を容易に組み込むことが可能になる。
【0015】
また、温度補償用のアキュムレータを連絡流路へと連通する油路の途中に外部から開閉操作可能のカットバルブを介装し、このカットバルブに対して絞りを設けてやる。
【0016】
これにより、外部からカットバルブを開いてやることで、ロータリダンパの内部に作動油を注入する際に当該絞りが邪魔になることなく作動油の注入が容易にできる。
【0017】
しかも、その後にカットバルブを閉じてやれば、絞りが働いてロータリダンパの作動時におけるアキュムレータへの作動油の流入量を制限することになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1および図2において、ロータリダンパのケーシング1を形作るハウジング2は、軸方向に貫通して形成したボアー3を有する。
【0020】
ボアー3の両端は、ハウジング2の両側面にボルト5で取り付けた左右のサイドパネル6,7によりシール8,9を介して閉じられており、これらハウジング2とサイドパネル6,7とでロータリダンパのケーシング1を構成している。
【0021】
ボアー3の中心部には、左右のサイドパネル6,7を貫通してロータ10が挿通してあり、ロータ10の両端部は、これらサイドパネル6,7からそれぞれ外部へと突出して、例えば図示しない車体のばね下側にリンク等を介して取り付けられる取付部11a,11bを形作っている。
【0022】
また、これら取付部11a,11bと対応してサイドパネル6,7の外側面には、もう一方の取付部である取付フランジ4a,4bが形成してあり、ケーシング1は、これら取付フランジ4a,4bを通して例えば図示しない車体のばね上側に取り付けられる。
【0023】
上記ロータ10は、サイドパネル6,7に設けたベアリング12a,12bで回動自在に両持ち支持されており、かつ、オイルシール13a,13bとダストシール14a,14bで密封してある。
【0024】
ロータ10のボアー3内に位置する部分の外周面には、軸方向に沿い180度位相をずらせて二枚のベーン10a,10bがそれぞれ形成してある。
【0025】
これらベーン10a,10bは、先端面と両側面に亙って介装したそれぞれのシール15a,15bを介してボアー3の内壁とサイドパネル6,7の内壁とに接し、これら接触部分を油密状態に保って摺接するようにしてある。
【0026】
上記ロータ10のベーン10a,10bと対向してハウジング2のボアー3の内壁には、同じく軸方向に沿い180度位相をずらせて二枚の隔壁3a,3bがそれぞれ形成してある。
【0027】
これらボアー3側の隔壁3a,3bもまた、先に述べたロータ10側のベーン10a,10bと同様に、先端面から両側面へと亙ってそれぞれ介装したシール16a,16bを介してロータ10の外周面とサイドパネル6,7の内壁とに接し、これら接触部分を油密状態に保っている。
【0028】
かくして、ケーシング1におけるボアー3の内部を、隔壁3a,3bとベーン10a,10bとでケーシング1とロータ10の相対回動運動に伴い交互に拡張および収縮を繰り返す二組の作動油室17a,17bと作動油室17c,17dとに区画している。
【0029】
図2,図3から分かるように、上記作動油室17a,17b,17c,17dの上方には、ハウジング2を横方向に貫通して二本のボアー18,19が形成してある。
【0030】
ボアー18の両開口端は、サイドパネル6,7の内壁面を鋳抜いて形成した窪み20,21にそれぞれシール22,23で油密に通じている。
【0031】
それに対して、ボアー19の左方開口端は、サイドパネル6の内壁面に嵌着したシール24aで油密に閉じられていると共に、右方開口端は、サイドパネル7の内壁面を鋳抜いて形成した窪み25にシール24で油密に通じている。
【0032】
サイドパネル6側の窪み20は、図4に示すように、当該サイドパネル6に対して鋳抜きで形成した油路26と内壁面に向って開く開口26a,26bとで各作動油室17a,17bの収縮側へのストロークエンド部分(図2参照)に連通している。
【0033】
また、サイドパネル7側の窪み21は、図3および図5に示すように、鋳抜きで形成した油路27を通して窪み25へと通じ、さらに、この窪み25から同じく鋳抜きで形成した油路28と内壁面に向って開く開口28a,28bとで各作動油室17c,17dの収縮側へのストロークエンド部分に連通している。
【0034】
なお、上記した油路28と開口28a,28bとによる窪み25と各作動油室17c,17dとの連通関係については、先に述べたサイドパネル6側における窪み20と各作動油室17a,17bの連通関係と同様であり、先の説明に基いて容易に理解できることであるので図示は省略する。
【0035】
かくして、ケーシング1とロータ10の相対的な回動運動に伴い交互に拡張および収縮される二組の作動油室17a,17bと作動油室17c,17dは、サイドパネル6の油路26と窪み20およびサイドパネル7の油路27,28と窪み21,25、並びにハウジング2に対しボアー18として構成された連絡流路29とを通して相互に連通されることになる。
【0036】
図3に戻って、連絡流路29の内部には、ガイドロッド30の基端鍔部をハウジング2とサイドパネル7とで挟んで両効き用の減衰力発生機構31が固定してある。
【0037】
減衰力発生機構31は、上記したガイドロッド30の他に、隔壁部材32と当該隔壁部材32を挟んで両側から当てた減衰力発生バルブ33,34を備え、これら隔壁部材32と減衰力発生バルブ33,34をガイドロッド30に嵌挿したのちナット35で固定することによって構成されている。
【0038】
隔壁部材32は、外周に嵌着したシール36で油密状態を保ちつつ、連絡流路29内をサイドパネル6の窪み20に通じる部分とサイドパネル7の窪み21に通じる部分との二つに区画している。
【0039】
隔壁部材32には、二組のポート37,38がそれぞれ軸方向へと貫通して穿設してあり、この一方の組みのポート37を減衰力発生バルブ33で閉じると共に、他方の組みのポート38を減衰力発生バルブ34で閉じている。
【0040】
一方、もう一つのボアー19内には、外周にシール39を備えたフリーピストン40を摺動自在に挿入し、当該フリーピストン40で左方のガス室41と右方の油室42とに区画している。
【0041】
油室42の右端は、ハウジング2とサイドパネル7とで挟んで固定した隔壁部材43によって隔離されており、かつ、シール24でサイドパネル7の窪み25と隔絶している。
【0042】
隔壁部材43には、油室42と窪み25を相互に連通する油路44が穿設してあり、サイドパネル7の外部からこの油路44へと向って流量制限用の絞り45をもつカットバルブ46が螺挿してある。
【0043】
また、左方のサイドパネル6には、ガス室41に向ってガス給排バルブ47が設けてある。
【0044】
かくして、ボアー19の内部を温度補償用のアキュムレータ48として構成すると共に、当該アキュムレータ48の油室42は、カットバルブ46の絞り45から窪み25と油路27を通してサイドパネル7の窪み21に連通されることになる。
【0045】
さらに、アキュムレータ48の油室42は、ハウジング2に穿った油路49により連絡流路29を通してサイドパネル6の窪み20にも通じており、当該油路49の途中には、連絡流路29側へと向って開くチェックバルブ50が介装してある。
【0046】
図2および図6において、隔壁3a,3bとベーン10a,10bとで区画されたボアー3内の作動油室17a,17b,17c,17dのうち、油路26によって組みをなす作動油室17a,17bは、ハウジング2とサイドパネル7とに亙って穿設した油路51,52,53によりシール54で油密にサイドパネル7の油路27にも連通している。
【0047】
なお、上記油路27は、先に述べたように、一方において、サイドパネル7の窪み21から連絡流路29中の減衰力発生機構31を通してサイドパネル6側の窪み20と油路26で作動油室17a,17bに通じ、また、他方にあっては、サイドパネル7の窪み25から油路28を通して作動油室17c,17dに通じている。
【0048】
これにより、油路51,52,53は、上記した減衰力発生機構31を通るメイン流路に対して当該減衰力発生機構31を迂回しつつ作動油室17a,17bと作動油室17c,17dを相互に連通するバイパス流路55を形成することになる。
【0049】
そして、このバイパス流路55における油路51へと向けてハウジング2の外部からシール56により油密を保って絞りバルブ57を螺挿し、この絞りバルブ57の外部突出端に摘み58を取り付けて、当該バイパス流路55を流れる作動油の流量を可変制御し得る減衰力調整機構59を構成したのである。
【0050】
次に、以上のように構成されたこの発明によるロータリダンパの作用について説明する。
【0051】
先づ、組立の終わったロータリダンパ内に作動油を注入する際には、外部からカットバルブ46を螺退させてアキュムレータ48における隔壁部材43の油路44を開く。
【0052】
また、これと併せて、ガス給排バルブ47を取り外して治具を挿し込み、当該治具でフリーピストン40の位置決めを行う。
【0053】
次いで、この状態から図面上において図示を省略した注油口を通してロータリダンパ内へと作動油を注入し、ロータリダンパ内が当該作動油で満たされたところで注油口を閉じる。
【0054】
そして、しかる後に、治具を取り外すと共にカットバルブ46を螺入し、当該カットバルブ46で油路44を閉じてからガス給排バルブ47を取り付け、ガス室41へと所定圧力のガスを封入する。
【0055】
これにより、上記の注油作業時において、予め、カットバルブ46による油路44の閉鎖が解かれていることから、注入された作動油が当該カットバルブ46の絞り45で流れを阻害されることなくアキュムレータ48の油室42へと速やかに行き渡り、短時間でしかも確実に注油作業が終了する。
【0056】
しかも、その後は、アキュムレータ48の油室42がカットバルブ46の絞り45を通してサイドパネル7の窪み25に連通し、当該絞り45による流動抵抗で窪み25から急激に油室42に流入しようとする作動油の流れに制限を加えることになる。
【0057】
これによって、温度変化のような比較的ゆっくりとした作動油の膨張および縮小に伴う体積変化に対しては、カットバルブ46の絞り45による流動抵抗に関係なく作動油が窪み25と油室42の間を出入りし、アキュムレータ48が本来の温度補償機能を果すことになる。
【0058】
一方、この状態での使用に際してロータリダンパが外力を受け、ロータリダンパのケーシング1とロータ10との間に相対的な回動運動が生じて、一方の組みの作動油室17a,17bが収縮しつつ他方の組みの作動油室17c,17dが拡張したとする。
【0059】
すると、収縮した組みの作動油室17a,17b内にあった作動油が、サイドパネル6の開口26a,26bから油路26を通して窪み20に押し出されると共に、バイパス流路55から減衰力調整機構59を通してサイドパネル7側の油路27へも押し出される。
【0060】
このとき、バイパス流路55からの作動油は、減衰力調整機構59の絞りバルブ57によって流動抵抗を受け、当該流動抵抗に応じた減衰力を発生しつつ油路27から窪み25,油路28および開口28a,28bを通して拡張する組みの作動油室17c,17dへと流入する。
【0061】
また、サイドパネル6の窪み20に押し出されてきた作動油は、当該作動油の圧力が減衰力発生機構31における減衰力発生バルブ33のクラッキング圧力を越えたときにのみ、連絡流路29から減衰力発生バルブ33を押し開きつつサイドパネル7の窪み21を通して油路27に流入する。
【0062】
そして、ここで上記バイパス流路55からの作動油と一緒になって拡張する組みの作動油室17c,17dへと流入し、これら作動油室17c,17d内の作動油の不足分を補う。
【0063】
したがって、上記したロータリダンパの作動時における減衰力特性は、作動油が減衰力調整機構59の絞りバルブ57と減衰力発生機構31における減衰力発生バルブ33を通して流れるときの流動抵抗によって決まることになる。
【0064】
また、上記とは逆に、一方の組みの作動油室17a,17bが拡張して他方の組みの作動油室17c,17dが収縮する方向にケーシング1とロータ10が相対回動運動を起したとする。
【0065】
この場合には、収縮した組みの作動油室17c,17d内の作動油が、サイドパネル7の開口28a,28bから油路28を通して窪み25に押し出され、この窪み25から油路27を経て先の場合と同じ経路(油路)を逆方向に辿りつつ拡張する組みの作動油室17a,17bへと流入する。
【0066】
すなわち、油路27に流入した作動油は、一方ではバイパス流路55から減衰力調整機構59の絞りバルブ57通して流動抵抗を受けつつ拡張する組みの作動油室17a,17bに流入する。
【0067】
また、他方では、作動油の圧力が減衰力発生機構31における減衰力発生バルブ34のクラッキング圧力を越えたときにのみ、窪み21から連絡流路29を通して減衰力発生機構31の減衰力発生バルブ34を押し開きつつ、サイドパネル6の窪み20から油路26と開口26a,26bを経て拡張する組みの作動油室17a,17bへと流入し、これら作動油室17a,17b内の作動油の不足分を補う。
【0068】
したがって、上記したロータリダンパの作動時における減衰力特性もまた、作動油が絞りバルブ57と減衰力発生バルブ34を通して流れるときの流動抵抗によって決まることになる。
【0069】
以上のことから、ロータリダンパの作動方向に応じて、減衰力発生機構31の減衰力発生バルブ33,34を使い分けることでそれぞれの場合における減衰力特性を適宜に設定し得る。
【0070】
しかも、そればかりでなく、これら何れの場合にあっても、外部から減衰力調整機構59の摘み58を操作して絞りバルブ57による流動抵抗を調節してやることにより、上記した減衰力発生バルブ33,34による減衰力特性を同時に調整することもできる。
【0071】
しかし、そうとは言っても、これらの作動油の流れがサイドパネル7側の窪み25を通るときにアキュムレータ48の影響を受けて作動油圧力に変化をきたすと、減衰力特性が変動を起して乱れてしまうことになる。
【0072】
そのために、窪み25とアキュムレータ48の油室42との間に絞り45を置き、アキュムレータ48の影響を当該絞り45によりカットして、アキュムレータ48内の圧力が極力窪み25内の作動油に及ばないようにしている。
【0073】
ただし、上記において、作動油室17a,17bが収縮側になったときには、窪み25を通る作動油の流れが絞りバルブ57と減衰力発生バルブ33とを通った後の戻り油で殆ど圧力がないために、当該作動油が絞り45を通してアキュムレータ48の油室42に流入することはない。
【0074】
それに対して、作動油室17c,17dが収縮側になった場合には、絞りバルブ57と減衰力発生バルブ34を通る前の圧力作動油が窪み25に流れてくるので、当該作動油の一部が絞り45によって制限を受けるとはいえ、当該絞り45を通してアキュムレータ48の油室42に流入することになる。
【0075】
そのために、拡張する側の作動油室17a,17bに補給される作動油の油量が不足し、作動油室17a,17b内にバキュームが生じて次にロータリダンパが反転したときの初期の減衰力特性を乱すことになる。
【0076】
しかし、この場合にあっては、アキュムレータ48の油室42内の圧力作動油が、油路49からチェックバルブ50を押し開きつつそのときに戻り側となっている連絡流路29の部分に流入し、ここからメインの流れと一緒になって拡張する側の作動油室17a,17bに補給される。
【0077】
そのために、これら作動油室17a,17bで不足する油量をアキュムレータ48からの作動油で充足し、当該作動油室17a,17b内にバキュームが生じるのを阻止して、次にロータリダンパが反転したときの初期の減衰力特性の乱れを防止する。
【0078】
なお、これまで述べてきたこの発明の実施の形態において、例えば、図7に例示するように、バイパス流路55に対してサイドパネル7の油路27へと向って開くチェックバルブ60を介装してやれば、減衰力調整機構59の操作に伴って作動油室17a,17bが収縮側になったときの減衰力特性のみが調整されることになる。
【0079】
また、上記と併せて、図8に示すように、作動油室17cとサイドパネル6の窪み20との間にも油路51a,52a,53aおよび油路27aからなるバイパス流路55aを形成する。
【0080】
そして、当該バイパス流路55aに対して外部調整可能の摘み58aを備えた絞りバルブ57aからなる同様の減衰力調整機構59aをシール56aにより油密に保って介装すると共に、当該減衰力調整機構59aと直列にサイドパネル6の油路27aへと向って開くチェックバルブ60aを介装してやる。
【0081】
これにより、各減衰力調整機構59,59aを別々に操作することで、作動油室17a,17bが収縮側になったときと、作動油室17c,17dが収縮側になったときの減衰力特性をそれぞれ独立して調整することが可能になる。
【0082】
さらに、以上述べたこの発明の実施の形態にあっては、サイドパネル7に設けた絞り45をもつカットバルブ46でロータリダンパへの作動油の注入を容易にすると共に、作動油室17c,17dが拡張側になったときのバキュームの発生をハウジング2に設けたチェックバルブ50で防止するようにしてきた。
【0083】
しかし、これら絞り45とチェックバルブ50の配置を逆にして図9に示すこの発明の他の実施の形態ように、ハウジング2側の油路49にねじ杆61を螺挿して当該ねじ部を絞り45aとする。
【0084】
また、アキュムレータ48の油室42を連絡流路29に通じるサイドパネル7の窪み25から隔てる隔壁部材43に、当該窪み25側へと向って開くチェックバルブ50aと注油路62を並列に配設し、当該注油路62をサイドパネル7を貫通して着脱自在に取り付けた栓体46aで塞いでやる。
【0085】
このものによっても、絞り45aとチェックバルブ50aが先の実施の形態における絞り45とチェックバル50と同様に作用し得ること、また、栓体46aが同じくカットバルブ46と同様に作用し得ることは、先の実施の形態の説明に徴して明らかである。
【0086】
しかも、このものによれば、特に注油口を別の場所に設けてやることなく、栓体46aと隔壁部材43の注油路62を利用して注油口とすることが可能になるのである。
【0087】
【発明の効果】
各請求項の発明によれば二組の作動油室を相互に連通する連絡流路と減衰力発生機構および温度補償用のアキュムレータをそれぞれケーシング側に配置し、かつ、ケーシングに対して一方の作動油室から減衰力発生機構を迂回して他方の作動油室に通じるバイパス流路を設け、当該バイパス流路中に外部調整可能の絞りバルブからなる減衰力調整機構を介装したので,寸法的な制約を受けるロータ側には何等の加工を施すことなく、寸法的に余裕のあるケーシング側に簡単に加工を施すだけで、両効き用の減衰力発生機構に対し連絡流路を利用して減衰力調整機構を容易に組み込むことが可能になる。即ち、簡単な加工と組み付け工数を要するだけでこの種の両効き用の減衰力発生機構をもつロータリダンパを減衰力調整式とすることができる。
【0088】
請求項2の発明によれば、減衰力調整機構と直列にチェックバルブを配置することにより、上記の効果に加えて、ロータリダンパの所定の作動方向における発生減衰力のみを調整可能とすることができる。
【0089】
さらに、請求項3の発明によれば、バイパス流路と減衰力調整機構を二個使いとしてそれぞれに他方の組みの作動油室側へと向って開くチェックバルブを介装したことにより、上記の効果に加えて、ロータリダンパの作動方向に応じてそれぞれの発生減衰力を独立して調整することが可能になる。
【0090】
また、請求項4の発明によれば、温度補償用のアキュムレータを連絡流路へと連通する油路に向って絞りをもつ外部開閉操作可能のカットバルブを介装したことにより、ロータリダンパ内への注油作業に際して外部から当該カットバルブを開いてやることでアキュムレータの油室に容易に作動油を行き渡らせることができる。
【0091】
しかも、注油作業の終了後にあっては、外部からカットバルブを操作して油路を閉じてやることにより、アキュムレータの油室と連絡流路がカットバルブの絞りを通して連通され、アキュムレータの油室に対する作動油の出入りを当該カットバルブの絞りで制限することが可能になる。
【0092】
請求項5の発明によれば、アキュムレータと連絡流路を隔てる隔壁部材に注油路を設け、当該注油路をケーシングに対して着脱自在に取り付けた栓体で塞いだことにより、ロータリダンパ内への注油作業に当って栓体を取り外し、この取り外した孔を注油口として利用することができる。
【0093】
そして、注油作業の終了後に栓体を取り付けて隔壁部材の注油路をとじてやれば、この注油路と並行して設けた絞りが働いてアキュムレータの油室に対する作動油の出入りを制限することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるロータリダンパの実施の形態を示す縦断正面図である。
【図2】同上、図1におけるW−W線からの縦断側面図である。
【図3】同じく、図1におけるX−X線からの横断平面図である。
【図4】図1におけるY−Y線からの切断図で、左側のサイドパネルを内壁面側からみた側面図である。
【図5】同じく、図1におけるZ−Z線からの切断図で、右側のサイドパネルを内壁面側からみた側面図である。
【図6】図2における減衰力調整機構の部分を縦断して示す正面図である。
【図7】同上の他の実施の形態を示す部分縦断正面図である。
【図8】同上のさらに他の実施の形態を示す部分縦断正面図である。
【図9】上記図3と同様に、図1のY−Y線に沿うこの発明の他の実施の態様を示す横断平面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 ハウジング
6,7 サイドパネル
10 ロータ
17a,17b,17c,17d 作動油室
29 連絡流路
31 両効き用の減衰力発生機構
43 隔壁部材
44 油路
45,45a 絞り
46 カットバルブ
46a 栓体
48 温度補償用のアキュムレータ
50,50a,60,60a チェックバルブ
55,55a バイパス流路
59,59a 減衰力調整機構
62 注油路

Claims (6)

  1. ケーシングとロータの相対回動運動に伴って交互に拡張および収縮を繰り返す両作動油室を連絡流路で相互に連通し、この連絡流路の途中に作動油の各流れ方向に対してそれぞれ所定の減衰抵抗を与える両効き用の一つの減衰力発生機構を介装する一方、温度補償用のアキュムレータを当該連絡流路へと絞りをもつ油路で連通したロータリダンパにおいて、上記連絡流路と減衰力発生機構およびアキュムレータをそれぞれケーシング側に配置し、かつ、ケーシングに対して一方の作動油室から減衰力発生機構を迂回しつつ他方の作動油室に通じるバイパス流路を設け、当該バイパス流路中に外部調整可能の減衰力調整機構を介装し、更に上記油路に外部から開閉操作可能のカットバルブを介装し、このカットバルブに対して上記絞りを設けたことを特徴とするロータリダンパ。
  2. ケーシングとロータの相対回動運動に伴って交互に拡張および収縮を繰り返す両作動油室を連絡流路で相互に連通し、この連絡流路の途中に作動油の各流れ方向に対してそれぞれ所定の減衰抵抗を与える両効き用の一つの減衰力発生機構を介装する一方、温度補償用のアキュムレータを当該連絡流路へと絞りをもつ油路で連通したロータリダンパにおいて、上記連絡流路と減衰力発生機構およびアキュムレータをそれぞれケーシング側に配置し、かつ、ケーシングに対して一方の作動油室から減衰力発生機構を迂回しつつ他方の作動油室に通じるバイパス流路を設け、当該バイパス流路中に外部調整可能の減衰力調整機構を介装し、更に上記絞りをもつ油路と並行してアキュムレータを連絡流路から隔てる隔壁部材に、注油路と連絡流路側に向って開くチェックバルブを並列に配設し、当該注油路をケーシングに対して着脱自在に取り付けた栓体で塞いだことを特徴とするロータリダンパ
  3. ケーシングとロータの相対回動運動に伴って交互に拡張および収縮を繰り返す両作動油室を連絡流路で相互に連通し、この連絡流路の途中に作動油の各流れ方向に対してそれぞれ所定の減衰抵抗を与える両効き用の一つの減衰力発生機構を介装する一方、温度補償用のアキュムレータを当該連絡流路へと絞りをもつ油路で連通したロータリダンパにおいて、上記連絡流路と減衰力発生機構およびアキュムレータをそれぞれケーシング側に配置し、かつ、ケーシングに対して連絡通路の一部を利用しつつ一方の作動油室から減衰力発生機構を迂回して他方の作動油室に通じるバイパス流路を設け、当該バイパス流路中に外部調整可能の減衰力調整機構と一方の作動油室側へと向って開くチェックバルブを直列に介装したことを特徴とするロータリダンパ。
  4. ケーシングとロータの相対回動運動に伴って交互に拡張および収縮を繰り返す両作動油室を連絡流路で相互に連通し、この連絡流路の途中に作動油の各流れ方向に対してそれぞれ所定の減衰抵抗を与える両効き用の一つの減衰力発生機構を介装する一方、温度補償用のアキュムレータを当該連絡流路へと絞りをもつ油路で連通したロータリダンパにおいて、上記連絡流路と減衰力発生機構およびアキュムレータをそれぞれケーシング側に配置し、かつ、ケーシングに対してそれぞれの組みの作動油室から減衰力発生機構を迂回しつつ他方の組みの作動油室に通じる独立した二つのバイパス流路を設け、これらバイパス流路中に外部調整可能の減衰力調整機構と他方の組みの作動油室側へと向って開くチェックバルブを直列にしてそれぞれ介装したことを特徴とするロータリダンパ。
  5. 上記油路に外部から開閉操作可能のカットバルブを介装し、このカットバルブに対して上記絞りを設けた請求項3又は4に記載のロータリダンパ。
  6. 上記絞りをもつ油路と並行してアキュムレータを連絡流路から隔てる隔壁部材に、注油路と連絡流路側に向って開くチェックバルブを並列に配設し、当該注油路をケーシングに対して着脱自在に取り付けた栓体で塞いだ請求項3又は4に記載のロータリダンパ。
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