JPH0942353A - ロータリダンパ - Google Patents

ロータリダンパ

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JPH0942353A
JPH0942353A JP21426895A JP21426895A JPH0942353A JP H0942353 A JPH0942353 A JP H0942353A JP 21426895 A JP21426895 A JP 21426895A JP 21426895 A JP21426895 A JP 21426895A JP H0942353 A JPH0942353 A JP H0942353A
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accumulator
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Nobumichi Hanawa
伸道 塙
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータリダンパにおいて、二組の作動油室を
相互に連通する連絡流路中に介装した両効き用の減衰力
発生機構に対して容易に減衰力調整機構を組み込み得る
と共に、注油作業をも容易にする。 【解決手段】 二組の作動油室17a,17b17c1
7dを相互に連通する連絡流路29と減衰力発生機構3
1およびアキュムレータ48をそれぞれケーシング1側
に配置し、かつ、連絡通路29の一部を利用して一方の
作動油室17a,17bから減衰力発生機構31を迂回
しつつ連絡流路29を通して他方の作動油室17c,1
7dに通じるバイパス流路55を設け、当該バイパス流
路55中に外部調整可能の絞りバルブ57からなる減衰
力調整機構59を介装する。また、温度補償用のアキュ
ムレータ48を連絡流路29へと連通する油路44に外
部から開閉操作可能のカットバルブ46を介装し、この
カットバルブ46に対して絞り45を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回動運動を利用
して減衰作用を行うロータリダンパに関し、例えば、自
動車のサスペンションや自動二輪車における後輪サスペ
ンション用の減衰器としての使用に適するロータリダン
パの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のロータリダンパとして
は、例えば、昭和64年特許出願公開第12152号公
報にみられるようなもが知られている。
【0003】すなわち、このものは、ケーシングの内壁
に設けた隔壁とロータの外周に設けたベーンとで両者の
間に二組の作動油室を区画し、これらケーシングとロー
タの相対回動運動に伴って上記二組の作動油室を交互に
拡張および収縮させる。
【0004】そして、これら二組の作動油室をロータに
穿った半径方向の油孔と中心部に設けた連絡流路を通し
て相互に連通し、この連絡流路中に両効き用の減衰力発
生機構を介装して収縮側の作動油室から拡張側の作動油
室に向う作動油に流動抵抗を与え、当該減衰力発生機構
によって所定の動作方向に対する減衰力を発生させるよ
うにしている。
【0005】また、ロータ側には、連絡流路と軸方向に
並べて温度補償用のアキュムレータを配設し、このアキ
ュムレータを作動油室へと絞りを通して連通し、当該ア
キュムレータで温度変化に伴う作動油体積の過不足を補
償すると共に、絞りによる流動抵抗でロータリダンパの
作動時にアキュムレータへと流入する作動油の流量を制
限している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記した
従来のロータリダンパにあっては、ロータ内を通して二
組の作動油室を相互に連通する連絡流路を設け、当該連
絡流路中に両効き用の減衰力発生機構を介装し、この減
衰力発生機構で所定の減衰力を発生させるようにしてい
るだけで、当該減衰力を外部から調整するための何等の
手段(減衰力調整機構)をも備えていない。
【0007】そのために、運転者の好みや走行条件等に
合わせて減衰力特性をその都度調整して走行することが
できず、汎用性や操縦性の上で問題があるという不都合
を有する。
【0008】そうかと言って、上記ロータ内の連絡流路
と並行に減衰力発生機構を迂回するバイパス流路を設
け、このバイパス流路に減衰力調整機構を組み込んで減
衰力特性を調整可能としようとしても、寸法的に制約を
受けるロータ側に減衰力調整機構を組み込むことは非常
に困難で不可能に近い。
【0009】そこで、上記したバイパス流路をケーシン
グ側に設けて減衰力調整機構を組み込むことになるが、
そのためには、ロータ側の連絡流路と全く独立してケー
シング側に新にバイパス流路を構成して減衰力調整機構
を組み込んでやらなければならず、それらの加工と組み
付けに手数が掛ってコスト高にならざるを得ないという
欠点を生じる。
【0010】また、上記した従来のロータリダンパで
は、ロータ内に設けた連絡流路と軸方向に並べて温度補
償用のアキュムレータを配設し、このアキュムレータを
連絡流路に単に絞りを通して連通することで、温度変化
に伴う作動油体積の過不足の補償とロータリダンパの作
動時におけるアキュムレータへの作動油の流入量とを制
限している。
【0011】そのために、ロータリダンパの組立に当っ
てその内部へと作動油を注入する際に、当該絞りの流動
抵抗が邪魔になってアキュムレータの油室に作動油が流
入し難く、当該作動油の注入作業に多大の手数と時間を
要するという不都合をも有していた。
【0012】したがって、この発明の目的は、二組の作
動油室を相互に連通する連絡流路中に介装した両効き用
の減衰力発生機構に対して容易に減衰力調整機構を組み
込み得ると共に、作動油の注入作業も短時間で容易に行
うことのできる新規の構成を備えたロータリダンパを提
供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発
明によれば、二組の作動油室を相互に連通する連絡流路
と減衰力発生機構および温度補償用のアキュムレータを
それぞれケーシング側に配置し、かつ、一方の作動油室
から減衰力発生機構を迂回して他方の作動油室に通じる
バイパス流路を設け、当該バイパス流路中に外部調整可
能の絞りバルブからなる減衰力調整機構を介装すること
によって達成される。
【0014】すなわち、このように構成することによっ
て、寸法的な制約を受けるロータ側には何等の加工をも
施すことなく、寸法的に余裕のあるケーシング側に簡単
な加工を施すだけで、両効き用の減衰力発生機構に対し
連絡流路を利用して減衰力調整機構を容易に組み込むこ
とが可能になる。
【0015】また、温度補償用のアキュムレータを連絡
流路へと連通する油路の途中に外部から開閉操作可能の
カットバルブを介装し、このカットバルブに対して絞り
を設けてやる。
【0016】これにより、外部からカットバルブを開い
てやることで、ロータリダンパの内部に作動油を注入す
る際に当該絞りが邪魔になることなく作動油の注入が容
易にできる。
【0017】しかも、その後にカットバルブを閉じてや
れば、絞りが働いてロータリダンパの作動時におけるア
キュムレータへの作動油の流入量を制限することにな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。
【0019】図1および図2において、ロータリダンパ
のケーシング1を形作るハウジング2は、軸方向に貫通
して形成したボアー3を有する。
【0020】ボアー3の両端は、ハウジング2の両側面
にボルト5で取り付けた左右のサイドパネル6,7によ
りシール8,9を介して閉じられており、これらハウジ
ング2とサイドパネル6,7とでロータリダンパのケー
シング1を構成している。
【0021】ボアー3の中心部には、左右のサイドパネ
ル6,7を貫通してロータ10が挿通してあり、ロータ
10の両端部は、これらサイドパネル6,7からそれぞ
れ外部へと突出して、例えば図示しない車体のばね下側
にリンク等を介して取り付けられる取付部11a,11
bを形作っている。
【0022】また、これら取付部11a,11bと対応
してサイドパネル6,7の外側面には、もう一方の取付
部である取付フランジ4a,4bが形成してあり、ケー
シング1は、これら取付フランジ4a,4bを通して例
えば図示しない車体のばね上側に取り付けられる。
【0023】上記ロータ10は、サイドパネル6,7に
設けたベアリング12a,12bで回動自在に両持ち支
持されており、かつ、オイルシール13a,13bとダ
ストシール14a,14bで密封してある。
【0024】ロータ10のボアー3内に位置する部分の
外周面には、軸方向に沿い180度位相をずらせて二枚
のベーン10a,10bがそれぞれ形成してある。
【0025】これらベーン10a,10bは、先端面と
両側面に亙って介装したそれぞれのシール15a,15
bを介してボアー3の内壁とサイドパネル6,7の内壁
とに接し、これら接触部分を油密状態に保って摺接する
ようにしてある。
【0026】上記ロータ10のベーン10a,10bと
対向してハウジング2のボアー3の内壁には、同じく軸
方向に沿い180度位相をずらせて二枚の隔壁3a,3
bがそれぞれ形成してある。
【0027】これらボアー3側の隔壁3a,3bもま
た、先に述べたロータ10側のベーン10a,10bと
同様に、先端面から両側面へと亙ってそれぞれ介装した
シール16a,16bを介してロータ10の外周面とサ
イドパネル6,7の内壁とに接し、これら接触部分を油
密状態に保っている。
【0028】かくして、ケーシング1におけるボアー3
の内部を、隔壁3a,3bとベーン10a,10bとで
ケーシング1とロータ10の相対回動運動に伴い交互に
拡張および収縮を繰り返す二組の作動油室17a,17
bと作動油室17c,17dとに区画している。
【0029】図2,図3から分かるように、上記作動油
室17a,17b,17c,17dの上方には、ハウジ
ング2を横方向に貫通して二本のボアー18,19が形
成してある。
【0030】ボアー18の両開口端は、サイドパネル
6,7の内壁面を鋳抜いて形成した窪み20,21にそ
れぞれシール22,23で油密に通じている。
【0031】それに対して、ボアー19の左方開口端
は、サイドパネル6の内壁面に嵌着したシール24aで
油密に閉じられていると共に、右方開口端は、サイドパ
ネル7の内壁面を鋳抜いて形成した窪み25にシール2
4で油密に通じている。
【0032】サイドパネル6側の窪み20は、図4に示
すように、当該サイドパネル6に対して鋳抜きで形成し
た油路26と内壁面に向って開く開口26a,26bと
で各作動油室17a,17bの収縮側へのストロークエ
ンド部分(図2参照)に連通している。
【0033】また、サイドパネル7側の窪み21は、図
3および図5に示すように、鋳抜きで形成した油路27
を通して窪み25へと通じ、さらに、この窪み25から
同じく鋳抜きで形成した油路28と内壁面に向って開く
開口28a,28bとで各作動油室17c,17dの収
縮側へのストロークエンド部分に連通している。
【0034】なお、上記した油路28と開口28a,2
8bとによる窪み25と各作動油室17c,17dとの
連通関係については、先に述べたサイドパネル6側にお
ける窪み20と各作動油室17a,17bの連通関係と
同様であり、先の説明に基いて容易に理解できることで
あるので図示は省略する。
【0035】かくして、ケーシング1とロータ10の相
対的な回動運動に伴い交互に拡張および収縮される二組
の作動油室17a,17bと作動油室17c,17d
は、サイドパネル6の油路26と窪み20およびサイド
パネル7の油路27,28と窪み21,25、並びにハ
ウジング2に対しボアー18として構成された連絡流路
29とを通して相互に連通されることになる。
【0036】図3に戻って、連絡流路29の内部には、
ガイドロッド30の基端鍔部をハウジング2とサイドパ
ネル7とで挟んで両効き用の減衰力発生機構31が固定
してある。
【0037】減衰力発生機構31は、上記したガイドロ
ッド30の他に、隔壁部材32と当該隔壁部材32を挟
んで両側から当てた減衰力発生バルブ33,34を備
え、これら隔壁部材32と減衰力発生バルブ33,34
をガイドロッド30に嵌挿したのちナット35で固定す
ることによって構成されている。
【0038】隔壁部材32は、外周に嵌着したシール3
6で油密状態を保ちつつ、連絡流路29内をサイドパネ
ル6の窪み20に通じる部分とサイドパネル7の窪み2
1に通じる部分との二つに区画している。
【0039】隔壁部材32には、二組のポート37,3
8がそれぞれ軸方向へと貫通して穿設してあり、この一
方の組みのポート37を減衰力発生バルブ33で閉じる
と共に、他方の組みのポート38を減衰力発生バルブ3
4で閉じている。
【0040】一方、もう一つのボアー19内には、外周
にシール39を備えたフリーピストン40を摺動自在に
挿入し、当該フリーピストン40で左方のガス室41と
右方の油室42とに区画している。
【0041】油室42の右端は、ハウジング2とサイド
パネル7とで挟んで固定した隔壁部材43によって隔離
されており、かつ、シール24でサイドパネル7の窪み
25と隔絶している。
【0042】隔壁部材43には、油室42と窪み25を
相互に連通する油路44が穿設してあり、サイドパネル
7の外部からこの油路44へと向って流量制限用の絞り
45をもつカットバルブ46が螺挿してある。
【0043】また、左方のサイドパネル6には、ガス室
41に向ってガス給排バルブ47が設けてある。
【0044】かくして、ボアー19の内部を温度補償用
のアキュムレータ48として構成すると共に、当該アキ
ュムレータ48の油室42は、カットバルブ46の絞り
45から窪み25と油路27を通してサイドパネル7の
窪み21に連通されることになる。
【0045】さらに、アキュムレータ48の油室42
は、ハウジング2に穿った油路49により連絡流路29
を通してサイドパネル6の窪み20にも通じており、当
該油路49の途中には、連絡流路29側へと向って開く
チェックバルブ50が介装してある。
【0046】図2および図6において、隔壁3a,3b
とベーン10a,10bとで区画されたボアー3内の作
動油室17a,17b,17c,17dのうち、油路2
6によって組みをなす作動油室17a,17bは、ハウ
ジング2とサイドパネル7とに亙って穿設した油路5
1,52,53によりシール54で油密にサイドパネル
7の油路27にも連通している。
【0047】なお、上記油路27は、先に述べたよう
に、一方において、サイドパネル7の窪み21から連絡
流路29中の減衰力発生機構31を通してサイドパネル
6側の窪み20と油路26で作動油室17a,17bに
通じ、また、他方にあっては、サイドパネル7の窪み2
5から油路28を通して作動油室17c,17dに通じ
ている。
【0048】これにより、油路51,52,53は、上
記した減衰力発生機構31を通るメイン流路に対して当
該減衰力発生機構31を迂回しつつ作動油室17a,1
7bと作動油室17c,17dを相互に連通するバイパ
ス流路55を形成することになる。
【0049】そして、このバイパス流路55における油
路51へと向けてハウジング2の外部からシール56に
より油密を保って絞りバルブ57を螺挿し、この絞りバ
ルブ57の外部突出端に摘み58を取り付けて、当該バ
イパス流路55を流れる作動油の流量を可変制御し得る
減衰力調整機構59を構成したのである。
【0050】次に、以上のように構成されたこの発明に
よるロータリダンパの作用について説明する。
【0051】先づ、組立の終わったロータリダンパ内に
作動油を注入する際には、外部からカットバルブ46を
螺退させてアキュムレータ48における隔壁部材43の
油路44を開く。
【0052】また、これと併せて、ガス給排バルブ47
を取り外して治具を挿し込み、当該治具でフリーピスト
ン40の位置決めを行う。
【0053】次いで、この状態から図面上において図示
を省略した注油口を通してロータリダンパ内へと作動油
を注入し、ロータリダンパ内が当該作動油で満たされた
ところで注油口を閉じる。
【0054】そして、しかる後に、治具を取り外すと共
にカットバルブ46を螺入し、当該カットバルブ46で
油路44を閉じてからガス給排バルブ47を取り付け、
ガス室41へと所定圧力のガスを封入する。
【0055】これにより、上記の注油作業時において、
予め、カットバルブ46による油路44の閉鎖が解かれ
ていることから、注入された作動油が当該カットバルブ
46の絞り45で流れを阻害されることなくアキュムレ
ータ48の油室42へと速やかに行き渡り、短時間でし
かも確実に注油作業が終了する。
【0056】しかも、その後は、アキュムレータ48の
油室42がカットバルブ46の絞り45を通してサイド
パネル7の窪み25に連通し、当該絞り45による流動
抵抗で窪み25から急激に油室42に流入しようとする
作動油の流れに制限を加えることになる。
【0057】これによって、温度変化のような比較的ゆ
っくりとした作動油の膨張および縮小に伴う体積変化に
対しては、カットバルブ46の絞り45による流動抵抗
に関係なく作動油が窪み25と油室42の間を出入り
し、アキュムレータ48が本来の温度補償機能を果すこ
とになる。
【0058】一方、この状態での使用に際してロータリ
ダンパが外力を受け、ロータリダンパのケーシング1と
ロータ10との間に相対的な回動運動が生じて、一方の
組みの作動油室17a,17bが収縮しつつ他方の組み
の作動油室17c,17dが拡張したとする。
【0059】すると、収縮した組みの作動油室17a,
17b内にあった作動油が、サイドパネル6の開口26
a,26bから油路26を通して窪み20に押し出され
ると共に、バイパス流路55から減衰力調整機構59を
通してサイドパネル7側の油路27へも押し出される。
【0060】このとき、バイパス流路55からの作動油
は、減衰力調整機構59の絞りバルブ57によって流動
抵抗を受け、当該流動抵抗に応じた減衰力を発生しつつ
油路27から窪み25,油路28および開口28a,2
8bを通して拡張する組みの作動油室17c,17dへ
と流入する。
【0061】また、サイドパネル6の窪み20に押し出
されてきた作動油は、当該作動油の圧力が減衰力発生機
構31における減衰力発生バルブ33のクラッキング圧
力を越えたときにのみ、連絡流路29から減衰力発生バ
ルブ33を押し開きつつサイドパネル7の窪み21を通
して油路27に流入する。
【0062】そして、ここで上記バイパス流路55から
の作動油と一緒になって拡張する組みの作動油室17
c,17dへと流入し、これら作動油室17c,17d
内の作動油の不足分を補う。
【0063】したがって、上記したロータリダンパの作
動時における減衰力特性は、作動油が減衰力調整機構5
9の絞りバルブ57と減衰力発生機構31における減衰
力発生バルブ33を通して流れるときの流動抵抗によっ
て決まることになる。
【0064】また、上記とは逆に、一方の組みの作動油
室17a,17bが拡張して他方の組みの作動油室17
c,17dが収縮する方向にケーシング1とロータ10
が相対回動運動を起したとする。
【0065】この場合には、収縮した組みの作動油室1
7c,17d内の作動油が、サイドパネル7の開口28
a,28bから油路28を通して窪み25に押し出さ
れ、この窪み25から油路27を経て先の場合と同じ経
路(油路)を逆方向に辿りつつ拡張する組みの作動油室
17a,17bへと流入する。
【0066】すなわち、油路27に流入した作動油は、
一方ではバイパス流路55から減衰力調整機構59の絞
りバルブ57通して流動抵抗を受けつつ拡張する組みの
作動油室17a,17bに流入する。
【0067】また、他方では、作動油の圧力が減衰力発
生機構31における減衰力発生バルブ34のクラッキン
グ圧力を越えたときにのみ、窪み21から連絡流路29
を通して減衰力発生機構31の減衰力発生バルブ34を
押し開きつつ、サイドパネル6の窪み20から油路26
と開口26a,26bを経て拡張する組みの作動油室1
7a,17bへと流入し、これら作動油室17a,17
b内の作動油の不足分を補う。
【0068】したがって、上記したロータリダンパの作
動時における減衰力特性もまた、作動油が絞りバルブ5
7と減衰力発生バルブ34を通して流れるときの流動抵
抗によって決まることになる。
【0069】以上のことから、ロータリダンパの作動方
向に応じて、減衰力発生機構31の減衰力発生バルブ3
3,34を使い分けることでそれぞれの場合における減
衰力特性を適宜に設定し得る。
【0070】しかも、そればかりでなく、これら何れの
場合にあっても、外部から減衰力調整機構59の摘み5
8を操作して絞りバルブ57による流動抵抗を調節して
やることにより、上記した減衰力発生バルブ33,34
による減衰力特性を同時に調整することもできる。
【0071】しかし、そうとは言っても、これらの作動
油の流れがサイドパネル7側の窪み25を通るときにア
キュムレータ48の影響を受けて作動油圧力に変化をき
たすと、減衰力特性が変動を起して乱れてしまうことに
なる。
【0072】そのために、窪み25とアキュムレータ4
8の油室42との間に絞り45を置き、アキュムレータ
48の影響を当該絞り45によりカットして、アキュム
レータ48内の圧力が極力窪み25内の作動油に及ばな
いようにしている。
【0073】ただし、上記において、作動油室17a,
17bが収縮側になったときには、窪み25を通る作動
油の流れが絞りバルブ57と減衰力発生バルブ33とを
通った後の戻り油で殆ど圧力がないために、当該作動油
が絞り45を通してアキュムレータ48の油室42に流
入することはない。
【0074】それに対して、作動油室17c,17dが
収縮側になった場合には、絞りバルブ57と減衰力発生
バルブ34を通る前の圧力作動油が窪み25に流れてく
るので、当該作動油の一部が絞り45によって制限を受
けるとはいえ、当該絞り45を通してアキュムレータ4
8の油室42に流入することになる。
【0075】そのために、拡張する側の作動油室17
a,17bに補給される作動油の油量が不足し、作動油
室17a,17b内にバキュームが生じて次にロータリ
ダンパが反転したときの初期の減衰力特性を乱すことに
なる。
【0076】しかし、この場合にあっては、アキュムレ
ータ48の油室42内の圧力作動油が、油路49からチ
ェックバルブ50を押し開きつつそのときに戻り側とな
っている連絡流路29の部分に流入し、ここからメイン
の流れと一緒になって拡張する側の作動油室17a,1
7bに補給される。
【0077】そのために、これら作動油室17a,17
bで不足する油量をアキュムレータ48からの作動油で
充足し、当該作動油室17a,17b内にバキュームが
生じるのを阻止して、次にロータリダンパが反転したと
きの初期の減衰力特性の乱れを防止する。
【0078】なお、これまで述べてきたこの発明の実施
の形態において、例えば、図7に例示するように、バイ
パス流路55に対してサイドパネル7の油路27へと向
って開くチェックバルブ60を介装してやれば、減衰力
調整機構59の操作に伴って作動油室17a,17bが
収縮側になったときの減衰力特性のみが調整されること
になる。
【0079】また、上記と併せて、図8に示すように、
作動油室17cとサイドパネル6の窪み20との間にも
油路51a,52a,53aおよび油路27aからなる
バイパス流路55aを形成する。
【0080】そして、当該バイパス流路55aに対して
外部調整可能の摘み58aを備えた絞りバルブ57aか
らなる同様の減衰力調整機構59aをシール56aによ
り油密に保って介装すると共に、当該減衰力調整機構5
9aと直列にサイドパネル6の油路27aへと向って開
くチェックバルブ60aを介装してやる。
【0081】これにより、各減衰力調整機構59,59
aを別々に操作することで、作動油室17a,17bが
収縮側になったときと、作動油室17c,17dが収縮
側になったときの減衰力特性をそれぞれ独立して調整す
ることが可能になる。
【0082】さらに、以上述べたこの発明の実施の形態
にあっては、サイドパネル7に設けた絞り45をもつカ
ットバルブ46でロータリダンパへの作動油の注入を容
易にすると共に、作動油室17c,17dが拡張側にな
ったときのバキュームの発生をハウジング2に設けたチ
ェックバルブ50で防止するようにしてきた。
【0083】しかし、これら絞り45とチェックバルブ
50の配置を逆にして図9に示すこの発明の他の実施の
形態ように、ハウジング2側の油路49にねじ杆61を
螺挿して当該ねじ部を絞り45aとする。
【0084】また、アキュムレータ48の油室42を連
絡流路29に通じるサイドパネル7の窪み25から隔て
る隔壁部材43に、当該窪み25側へと向って開くチェ
ックバルブ50aと注油路62を並列に配設し、当該注
油路62をサイドパネル7を貫通して着脱自在に取り付
けた栓体46aで塞いでやる。
【0085】このものによっても、絞り45aとチェッ
クバルブ50aが先の実施の形態における絞り45とチ
ェックバル50と同様に作用し得ること、また、栓体4
6aが同じくカットバルブ46と同様に作用し得ること
は、先の実施の形態の説明に徴して明らかである。
【0086】しかも、このものによれば、特に注油口を
別の場所に設けてやることなく、栓体46aと隔壁部材
43の注油路62を利用して注油口とすることが可能に
なるのである。
【0087】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、両効き用の減衰力発生機構をもつ連絡流路をハウジ
ング側に配設し、この連絡通路の一部を利用して一方の
作動油室から減衰力調整機構を通して他方の作動油室に
通じるバイパス流路を設けたことにより、簡単な加工と
組み付け工数を要するだけでこの種の両効き用の減衰力
発生機構をもつロータリダンパを減衰力調整式とするこ
とができる。
【0088】請求項2の発明によれば、減衰力調整機構
と直列にチェックバルブを配置することにより、上記の
効果に加えて、ロータリダンパの所定の作動方向におけ
る発生減衰力のみを調整可能とすることができる。
【0089】さらに、請求項3の発明によれば、バイパ
ス流路と減衰力調整機構を二個使いとしてそれぞれに他
方の組みの作動油室側へと向って開くチェックバルブを
介装したことにより、上記の効果に加えて、ロータリダ
ンパの作動方向に応じてそれぞれの発生減衰力を独立し
て調整することが可能になる。
【0090】また、請求項4の発明によれば、温度補償
用のアキュムレータを連絡流路へと連通する油路に向っ
て絞りをもつ外部開閉操作可能のカットバルブを介装し
たことにより、ロータリダンパ内への注油作業に際して
外部から当該カットバルブを開いてやることでアキュム
レータの油室に容易に作動油を行き渡らせることができ
る。
【0091】しかも、注油作業の終了後にあっては、外
部からカットバルブを操作して油路を閉じてやることに
より、アキュムレータの油室と連絡流路がカットバルブ
の絞りを通して連通され、アキュムレータの油室に対す
る作動油の出入りを当該カットバルブの絞りで制限する
ことが可能になる。
【0092】請求項5の発明によれば、アキュムレータ
と連絡流路を隔てる隔壁部材に注油路を設け、当該注油
路をケーシングに対して着脱自在に取り付けた栓体で塞
いだことにより、ロータリダンパ内への注油作業に当っ
て栓体を取り外し、この取り外した孔を注油口として利
用することができる。
【0093】そして、注油作業の終了後に栓体を取り付
けて隔壁部材の注油路をとじてやれば、この注油路と並
行して設けた絞りが働いてアキュムレータの油室に対す
る作動油の出入りを制限することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるロータリダンパの実施の形態を
示す縦断正面図である。
【図2】同上、図1におけるW−W線からの縦断側面図
である。
【図3】同じく、図1におけるX−X線からの横断平面
図である。
【図4】図1におけるY−Y線からの切断図で、左側の
サイドパネルを内壁面側からみた側面図である。
【図5】同じく、図1におけるZ−Z線からの切断図
で、右側のサイドパネルを内壁面側からみた側面図であ
る。
【図6】図2における減衰力調整機構の部分を縦断して
示す正面図である。
【図7】同上の他の実施の形態を示す部分縦断正面図で
ある。
【図8】同上のさらに他の実施の形態を示す部分縦断正
面図である。
【図9】上記図3と同様に、図1のY−Y線に沿うこの
発明の他の実施の態様を示す横断平面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 ハウジング 6,7 サイドパネル 10 ロータ 17a,17b,17c,17d 作動油室 29 連絡流路 31 両効き用の減衰力発生機構 43 隔壁部材 44 油路 45,45a 絞り 46 カットバルブ 46a 栓体 48 温度補償用のアキュムレータ 50,50a,60,60a チェックバルブ 55,55a バイパス流路 59,59a 減衰力調整機構 62 注油路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングとロータの相対回動運動に伴
    って交互に拡張および収縮を繰り返す両作動油室を連絡
    流路で相互に連通し、この連絡流路の途中に作動油の各
    流れ方向に対してそれぞれ所定の減衰抵抗を与える両効
    き用の減衰力発生機構を介装する一方、温度補償用のア
    キュムレータを当該連絡流路へと絞りをもつ油路で連通
    したロータリダンパにおいて、上記連絡流路と減衰力発
    生機構およびアキュムレータをそれぞれケーシング側に
    配置し、かつ、ケーシングに対して一方の作動油室から
    減衰力発生機構を迂回しつつ他方の作動油室に通じるバ
    イパス流路を設け、当該バイパス流路中に外部調整可能
    の減衰力調整機構を介装したことを特徴とするロータリ
    ダンパ。
  2. 【請求項2】 ケーシングとロータの相対回動運動に伴
    って交互に拡張および収縮を繰り返す両作動油室を連絡
    流路で相互に連通し、この連絡流路の途中に作動油の各
    流れ方向に対してそれぞれ所定の減衰抵抗を与える両効
    き用の減衰力発生機構を介装する一方、温度補償用のア
    キュムレータを当該連絡流路へと絞りをもつ油路で連通
    したロータリダンパにおいて、上記連絡流路と減衰力発
    生機構およびアキュムレータをそれぞれケーシング側に
    配置し、かつ、ケーシングに対して連絡通路の一部を利
    用しつつ一方の作動油室から減衰力発生機構を迂回して
    他方の作動油室に通じるバイパス流路を設け、当該バイ
    パス流路中に外部調整可能の減衰力調整機構と一方の作
    動油室側へと向って開くチェックバルブを直列に介装し
    たことを特徴とするロータリダンパ。
  3. 【請求項3】 ケーシングとロータの相対回動運動に伴
    って交互に拡張および収縮を繰り返す両作動油室を連絡
    流路で相互に連通し、この連絡流路の途中に作動油の各
    流れ方向に対してそれぞれ所定の減衰抵抗を与える両効
    き用の減衰力発生機構を介装する一方、温度補償用のア
    キュムレータを当該連絡流路へと絞りをもつ油路で連通
    したロータリダンパにおいて、上記連絡流路と減衰力発
    生機構およびアキュムレータをそれぞれケーシング側に
    配置し、かつ、ケーシングに対してそれぞれの組みの作
    動油室から減衰力発生機構を迂回しつつ他方の組みの作
    動油室に通じる独立した二つのバイパス流路を設け、こ
    れらバイパス流路中に外部調整可能の減衰力調整機構と
    他方の組みの作動油室側へと向って開くチェックバルブ
    を直列にしてそれぞれ介装したことを特徴とするロータ
    リダンパ。
  4. 【請求項4】 ケーシングとロータの相対回動運動に伴
    って交互に拡張および収縮を繰り返す両作動油室を連絡
    流路で相互に連通し、この連絡流路の途中に作動油の各
    流れ方向に対してそれぞれ所定の減衰抵抗を与える両効
    き用の減衰力発生機構を介装する一方、温度補償用のア
    キュムレータを当該連絡流路へと絞りをもつ油路で連通
    したロータリダンパにおいて、当該油路に外部から開閉
    操作可能のカットバルブを介装し、このカットバルブに
    対して上記絞りを設けたことを特徴とするロータリダン
    パ。
  5. 【請求項5】 ケーシングとロータの相対回動運動に伴
    って交互に拡張および収縮を繰り返す両作動油室を連絡
    流路で相互に連通し、この連絡流路の途中に作動油の各
    流れ方向に対してそれぞれ所定の減衰抵抗を与える両効
    き用の減衰力発生機構を介装する一方、温度補償用のア
    キュムレータを当該連絡流路へと絞りをもつ油路で連通
    したロータリダンパにおいて、当該絞りをもつ油路と並
    行してアキュムレータを連絡流路から隔てる隔壁部材
    に、注油路と連絡流路側に向って開くチェックバルブを
    並列に配設し、当該注油路をケーシングに対して着脱自
    在に取り付けた栓体で塞いだことを特徴とするロータリ
    ダンパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100458501B1 (ko) * 2001-05-30 2004-12-03 박근종 로터리형 댐퍼
JP2015034598A (ja) * 2013-08-09 2015-02-19 トックベアリング株式会社 トルク自動調整式回転ダンパ

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