JP3778708B2 - ロータリダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車や産業車両等の各種車両のサスペンション装置は勿論のこと、特に、自動二輪車の後輪サスペンション装置への使用に好適なロータリダンパの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のサスペンション装置は、車体懸架スプリングと共用して用いる振動減衰機構が直動型油圧ダンパであると回動型ロータリダンパであるとに拘らず、車体振動速度が変わらなければその時々の振動位置に関係なく減衰特性は一定となる。
【0003】
そのために、通常の車体振動位置を基準にして減衰特性を決めてやったとすると、圧縮荷重の大きいボトミング位置での緩衝作用に不足が生じて乗心地を悪くする。
【0004】
そこで、特開平1−101289号公報に開示されているように、ばね上である車体側に装着したロータリダンパのロータシャフトから後方へと向って水平にクッションアームを伸ばし、このクッションアームの先端を車体懸架スプリングが伸び切ったアッパ位置で略々直角状態を保つクッションバーを通してばね下である車輪側へと連結する。
【0005】
このようにして、車体がアッパ位置からボトミング位置へと向う懸架スプリングの圧縮動作の初期には、当該圧縮長さに対するロータリダンパの回転角比すなわちクッションレシオを大として減衰効果を大きく保ち、しかも、圧縮動作が後期に向うに従いクッションアームの作用長を減少させてクッションレシオを増大させ、クッションバーに対する作用力を減少させて効果的に衝撃の発生を吸収するようにしている。
【0006】
言い換えれば、上記のものにあっては、ばね上である車体とばね下である車輪との位置関係によりクッションアームとクッションバーを通してリンクレシオだけを変化させ、結果として、減衰効果に対し位置依存特性を持たせるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、そうとは言っても、上記した先の提案に係るロータリダンパを用いた車両のサスペンション装置にあっては、クッションアームとクッションバーのレイアウトが車両側のレイアウトにより左右されて制限を受けることから、リンクレシオの大きな変更および調整が困難で自由度が少なく、効果的な衝撃の吸収が行い難いという問題点を有する。
【0008】
また、これに加えて、車体の上下振動に伴うロータリダンパの両方向への動作に対して上記したリンクレシオが対象的に全く同じに作用するために、これら車体の上下振動に伴うリンクレシオに個々の自由度がなく、これによっても、効果的な衝撃の吸収が行い難いという不都合をも有する。
【0009】
したがって、この発明の目的は、ロータリダンパの作動時における作動油の流動抵抗自体に位置依存特性を付与することで、当該位置依存特性の変更および調整幅を広げて自由度を拡大すると共に、両方向への作動の際にもそれぞれ異なった位置依存特性をもたせることのできる新規の構成を備えたロータリダンパを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的は、この発明において、ハウジングとロータシャフトの回動変位に伴い交互に収縮と拡張を繰り返す作動油室を一つ置きに分けて二組とし、これら作動油室を組単位毎にロータシャフトに穿った連通油路で相互に連通すると共に、それぞれの組の一つの作動油室を連絡油路により減衰バルブを通して連通したロータリダンパにおいて、各組毎の作動油室を組単位で連通する連通油路の少なくとも一方の途中にハウジングとロータシャフトの回動変位に応動して開口面積を変化する調整機構と当該調整機構を迂回するバイパス油路とを設け、当該バイパス油路に対して上記調整機構およびバイパス油路が設けられる連通油路で連通される各作動室の収縮時における作動油の流れを阻止するチェックバルブを配置することによって達成される。
【0011】
すなわち、上記のように構成することによって、ハウジングとロータシャフトが回動変位を始めると、そのとき収縮する組の作動油室内の作動油がハウジングの該当する側の連絡油路を通して減衰バルブを押し開き、当該減衰バルブで減衰力を発生しつつそのとき拡張する他方の組の作動油室へと向って流れる。
【0012】
このとき、収縮する側の作動油室にあっては、バイパス油路のチェックバルブが閉じ方向に作用すると共に、作動油室同志を結ぶ調整機構の開口面積が絞られて発生減衰力が上昇し、当該減衰力が連絡油路中の減衰バルブの発生減衰力に加算される。
【0013】
なお、拡張側の作動油室に対しては、バイパス油路を通して送り込まれてきた作動油の大部分がチェックバルブを押し開いて殆ど流動抵抗を受けることなく各作動油室へと流れ込む。
【0014】
これにより、ロータリダンパは、ハウジングとロータシャフトの所定方向への回動変位に伴って位置依存性をもつ減衰特性を発揮し、しかも、調整機構における開口面積の絞り変化割合を任意に選定することで位置依存特性に対して容易に自由度を付与することができる。
【0015】
また、上記に加えて、調整機構とチェックバルブをもつバイパス油路を両方の組の作動油室に対して設置することにより、両方向への動作に対してそれぞれ異なった位置依存特性をもたせることも可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を明細書に添付した図面に基いて説明していくことにする。
【0017】
この発明の実施の形態であるロータリダンパ1は、添付した図1の一部縦断正面図と、左側面図である図2、並びに、図1におけるA−A線からの縦断正面図である図3から分かるように、軸方向へと向い180度の位相差をもって上下に二つのセパレートブロック2,3を形成したボアー4をもつハウジング5を有している。
【0018】
ボアー4の両端開口部は、ハウジング5の両側面に対しシール6,7を介装してボルト8により取り付けた左右のサイドカバー9,10によって閉じられており、これらハウジング5とサイドカバー9,10とでロータリダンパ1のケーシング11を構成している。
【0019】
ハウジング5におけるボアー4の中心部分には、左右のサイドカバー9,10を貫通してロータシャフト12がベアリング13とオイルシール14およびダストシール15を介し両持ち支持して回動自在に挿通してある。
【0020】
ロータシャフト12は、上記ハウジング5におけるボアー4内の上下に形成したセパレートブロック2,3の先端面と摺接し、かつ、これらセパレートブロック2,3の間における外周面の部分から180度の位相差をもって外方へと向い放射状に延びる二枚のベーン16,17を備えている。
【0021】
これらベーン16,17は、基端部分を除く両側面から先端面へと亙って設けたベーンシール18,19を介してボアー4と左右のサイドカバー9,10の各内壁面に接し、これら接触部分を油密状態に保って摺接するようにしてある。
【0022】
同様に、ハウジング5におけるセパレートブロック2,3もまた、先端面から両側面へと亙って設けたブロックシール20,21を介してロータシャフト12の外周面と左右のサイドカバー9,10の内壁面とに接し、これら接触部分を油密状態に保っている。
【0023】
かくして、セパレートブロック2,3とベーン16,17は、互に協同してボアー4の内部をハウジング5とロータシャフト12の回動変位に伴い交互に収縮と拡張を繰り返す四つの作動油室22,23,24,25に区画する。
【0024】
そして、対角に位置する作動油室22,23および作動油室24,25をロータシャフト12に穿った連通油路26と連通油路27a,27bとからなる連通油路27で相互に連通し、これら連通油路26と連通油路27a,27bを通して作動油室22,23と作動油室24,25をそれぞれ二組に分けて構成している。
【0025】
なお、図3において示してあるピン28,29は、ハウジング5に対して右方のサイドカバー10の位置決めを行うダウエルピンであって、特に図示はしないが、ハウジング5と左方のサイドカバー9との間にも同様のダウエルピンが設けられていることは言うまでもない。
【0026】
一方、ハウジング5には、この発明を構成する上で特に重要な構成部分を形作る減衰力発生機構30がボアー4と並べて、上方部分に水平方向へと向けボルト31により固定して設置してある。
【0027】
上記減衰力発生機構30は、図1におけるB−B線からの拡大横断面である図4に示すように、前記ボアー4の軸線に沿い横方向へと並べてハウジング5aに併設した二本のボアー32,33と、これらボアー32,33と交差する方向に並べて配置した一本のボアー34とを有する。
【0028】
ボアー32,33のそれぞれには、各開口端から内部へと向って減衰特性のみを異にする同一構造の減衰力発生要素35,36を同じ向きにねじ込んで配設してある。
【0029】
各減衰力発生要素35,36は、ボアー32,33との間にシール37,38を介して油密にねじ込んだ保持体39,40と、これら保持体39,40の先端から延びる保持杆41,42に嵌挿して固定した隔壁体43,44とを備え、当該隔壁体43,44の外周面に設けたシール45,46でボアー32,33の内部を室47,48と室49,50とに区画している。
【0030】
これら室47,48,49,50のうち室47と室49は、図3に破線で示してあるハウジング5に穿った二つの油路51,52を通してボアー4側におけるそれぞれの作動油室22,24へと通じ、さらに、ここからロータシャフト12に設けた連通油路26と連通油路27a,27bで作動油室23,25にも通じている。
【0031】
また、室47と室48および室49と室50は、図4にみられるように、各減衰力発生要素35,36の隔壁体43,44に設けた減衰ポート53,55と戻りポート54,56の二組のポート群を通して相互に連通し、かつ、室48と室50がハウジング5aに設けた油路57で相互に連通している。
【0032】
しかも、ロータリダンパ1の不作動時において、これら減衰ポート53,55の室48,50に対する開口部は減衰バルブ58,59によってそれぞれ閉じられており、同様に、戻りポート54,56の室47,49に対する開口部は、戻りバルブ60,61によってそれぞれ塞がれている。
【0033】
このようにして、連通油路26と連通油路27a,27bを通して相互に連通する二組の作動油室22,23と作動油室24,25とは、油路51,52と室47,48,49,50、および油路57とからなる一連の連絡油路62を通して相互に連通し、この連絡油路62の途中に隔壁体43,44を挟んで減衰バルブ58,59と戻りバルブ60,61をもつ二つの減衰力発生要素35,36をそれぞれ同じ方向に向けて介装したのである。
【0034】
なお、各減衰力発生要素35,36に対して内装した調整杆63,64は、外部からの操作を可能にすることでそれぞれの減衰バルブ58,59を迂回する調整油路65,66の絞り抵抗を調整し、これら減衰バルブ58,59での発生減衰力を微細に亙って調節するためのものである。
【0035】
一方、上記二つの減衰力発生要素35,36と交差する方向に並べて配置したボアー34は、ロータリダンパ1の使用環境の温度変化や作動時の発熱等に伴う内部作動油の膨張および収縮による増減を吸収するための温度補償機構67として形成してある。
【0036】
すなわち、ボアー34の内部は、外周面にシール68を備えたフリーピストン69により交互に拡縮を繰り返す開放端側の貯油室70と閉塞端側のガス室71とに区画されている。
【0037】
上記貯油室70の開放端側は、外部からボアー34へとシール72を介してねじ込んだプラグ73によって油密に閉じられており、かつ、この貯油室70を分岐油路74で前記した連絡油路62の室48の部分へと連通している。
【0038】
また、プラグ73は、ロータリダンパ1内の各部に作動油を注入するための注油口を兼ねており、しかも、当該注油口は、作動油の注入作業終了後においてプラグ73をねじ込むことによりシール72で密封される。
【0039】
さらに、ガス室71の閉塞端側には、当該ガス室71へのガスの供給および排出を行うガス給排用のバルブ75が設置してあり、このガス給排用のバルブ75を通してガス室71の内部ガス圧力を設定し得るようにしたのである。
【0040】
そして、このように構成したロータリダンパ1に対して当該実施の形態にあっては、図1の部分拡大図である図5にみられるように、ロータシャフト12の左端面から軸線に沿って有底穴76を穿ち、この有底穴76の内部にスリーブ77を圧入すると共に、当該スリーブ77に摺接してコントロールシャフト78を回転可能に挿入してある。
【0041】
上記スリーブ77は、ロータシャフト12の有底穴76へと螺着したストッパ79の先端で押圧しつつ外周面に設けたシール80により有底穴76との間を油密状態に保って固定し、また、コントロールシャフト78は、ストッパ79の先端との間に介装したスラストベアリング81と外周面に設けたシール82を介して回動自在に油密状態を保って支持している。
【0042】
しかも、ここで、先のハウジング5内における作動油室24,25を常時連通状態に保っておくために、図5および図6のC,D矢視にみられるように、ロータシャフト12に設けた連通油路27a,27bと対向してスリーブ77の外周面に窪み83,84を設け、これら窪み83,84をスリーブ77に穿った通孔85と三角状の通孔86でスリーブ77の内周面へと導いている。
【0043】
また、コントロールシャフト78の外周面には、スリーブ77側における通孔85,86と対面して円周方向に伸びる長溝状の窪み87と軸方向に向って伸びる同じく長溝状の窪み88をそれぞれ設け、これら窪み87,88をコントロールシャフト78に穿った半径方向に向う通路89で相互に連通すると共に、当該通路89から分れたバイパス油路90とコントロールシャフト78の先端に設けたチェックバルブ91、および、室92とコントロールシャフト78の先端切欠93、並びに、スリーブ77の外周面に軸方向へと向けて穿った油路94から窪み84を通して作動油室25へと連通している。
【0044】
一方、上記において、作動油室24側におけるスリーブ77の通孔85とコントロールシャフト78の窪み87との関係は、スリーブ77とコントロールシャフト78の相対変位に関係なく常に連通面積が一定値を保つように、例えば、図6(a)に示す如く、スリーブ77側の通孔85を丸穴に形成すると共に、コントロールシャフト78側の窪み87を円周方向に伸びる小判状の窪みとして形成してある。
【0045】
それに対し、作動油室25側におけるスリーブ77の通孔86とコントロールシャフト78の窪み88との関係は、スリーブ77とコントロールシャフト78の相対変位に伴って連通面積が増減するように、図6(b)に示す如く、スリーブ77側の通孔86を円周方向に伸びる三角状の穴として形成すると共に、コントロールシャフト78側の窪み88を軸方向へと向って伸びる例えば長溝状の窪みとして形成してある。
【0046】
このようにして、上記したロータシャフト12の内部に収納したコントロールシャフト78をボルト95,96により連結プレート97を通してロータリダンパ1のサイドカバー9へと連結し、これら通孔86と窪み88とによって発生減衰力の調整機構98を構成したのである。
【0047】
次に、以上のようにして構成したロータリダンパ1の作用について説明することにする。
【0048】
ロータリダンパ1は、ハウジング5に形成した脚部99の取付孔100(図2および図3参照)とロータシャフト12における端部のセレーション101(図1参照)を通して、例えば、車両のばね上とばね下とに取り付けることによって使用される。
【0049】
そのために、車両に発生した上下振動によってロータリダンパ1のハウジング5とロータシャフト12との間にセパレートブロック2,3とベーン16,17を通して作動油室22,23を収縮する方向の相対変位が生じたとする。
【0050】
すると、作動油室23内にある作動油がロータシャフト12の連通油路26を通して作動油室22へと入り、この作動油室22内の作動油と一緒になって油路51から図4に示す減衰力発生要素35の室47へと押し出されてくる。
【0051】
この減衰力発生要素35の室47へと押し出されてきた作動油は、隔壁体43の減衰ポート53から減衰バルブ58を押し開いて所定の減衰力を発生しつつ室48へと流入し、ここから油路57を通して減衰力発生要素36側の室50へと流入する。
【0052】
そして、この室50から減衰力発生要素36の隔壁体44における戻りポート56を通して戻りバルブ61を押し開きつつ室49へと流れ、ここから油路52を通してそのとき拡張する側の作動油室24に流入する。
【0053】
なお、上記作動油の流れは、分岐油路74を通して温度補償機構67の貯油室70内へも流入しようとするが、当該分岐油路74には、減衰力発生要素35の減衰バルブ58を押し開いて低圧となった後の作動油が流れてくるので、当該作動油分岐油路74を通して貯油室70へと流れ込むことはない。
【0054】
しかし、ロータリダンパ1の使用環境の温度変化や作動時の発熱等で生じた作動油体積の増減は、ロータリダンパ1の作動時における分岐油路74の部分の圧力変動に比べて時間的に極めてゆっくりと生じることになるので、分岐油路74の作動油通過面積を連絡油路62のそれより小さくとったとしても、殆ど抵抗なく連絡油路62と貯油室70の間で作動油のやり取りが行われてロータリダンパ1の内圧変動を抑制する。
【0055】
その結果、作動油室24に向って殆ど全量の作動油が押し出され、当該作動油は、今度は、ロータシャフト12に設けた連通油路27aからスリーブ77の窪み83および通孔85、並びにコントロールシャフト78の窪み87と通路89を通してバイパス油路90へと入り、ここからチェックバルブ91を押し開いて室92と切欠93および油路94並びに窪み84と連通油路27bとを通り、そのとき拡張する側の作動油室25にも流入してこれら作動油室24,25に生じる作動油の不足分を補う。
【0056】
それに対して、上記とは逆の方向にロータリダンパ1が動作して、ハウジング5とロータシャフト12が作動油室24,25を収縮する方向に相対変位を起こしたとする。
【0057】
この場合にあっては、作動油室25内の作動油がロータシャフト12における連通油路27bからスリーブ77の窪み84および油路94並びに切欠93を通して室92に押し出されてくるが、この方向からの作動油の流れは、チェックバルブ91が閉じ方向へと向って押されることになるので阻止される。
【0058】
そのために、上記した作動油室25からの作動油は、スリーブ77の窪み84と通孔86およびコントロールシャフト78の窪み88と通路89、並びに、コントロールシャフト78の反対側の窪み87とスリーブ77の通孔85および窪み83からロータシャフト12の通孔85を通して作動油室24に押し出されてくる。
【0059】
この作動油室24へと押し出されてきた作動油は、ここで作動油室24内の作動油と一緒になって油路52から減衰力発生要素36の室49と隔壁体44の減衰ポート55を通り、減衰バルブ59を押し開いて所定の減衰力を発生しつつ室50へと流入し、ここから油路57を通して減衰力発生要素35側の室48へと流入する。
【0060】
そして、この室48から減衰力発生要素35の隔壁体43における戻りポート54を通って戻りバルブ60を押し開きつつ室47へと流れ、ここから油路51を通してそのとき拡張する側の作動油室22に流入する。
【0061】
しかも、この作動油室22に流入した作動油は、ロータシャフト12に設けた連通油路26を通して抵抗なくそのとき同時に拡張する側の作動油室25にも流入し、これら作動油室24,25に生じる作動油の不足分を補うことになる。
【0062】
このことから、例えば、車両に対して当該ロータリダンパ1をばね上の沈下時に作動油室22,23が拡張し、かつ、作動油室24,25が収縮するようにハウジング5の取付孔100とロータシャフト12のセレーション101を用いてばね上とばね下との間に介装して取り付けてやる。
【0063】
これにより、ばね上の沈み込み時にあっては、収縮する作動油室25内の作動油がチェックバルブ91を押し開いて流れることなく、図6(b)に示すコントロールシャフト12の窪み88に対するスリーブ77の通孔86の開口部分を通して作動油室24へと流れる。
【0064】
しかも、ばね上の沈み込みによるロータリダンパ1の作動に伴ってロータシャフト12内のスリーブ77とコントロールシャフト78が相対変位を起こし、先の図6(b)に示すコントロールシャフト78の窪み88に対するスリーブ77の通孔86の開口面積が絞られて発生減衰力が上昇し、当該減衰力が連絡油路62中の減衰バルブ59の発生減衰力に加算される。
【0065】
なお、上記において、コントロールシャフト78の反対側における窪み87とスリーブ77の通孔85との関係は、図6(a)に示す如く両者の相対変位に関係なく常い一定の開口面積を保つたままであるので、当該連通油路26によっては殆ど流動抵抗を受けることなく作動油室23へと流入することになる。
【0066】
これにより、ロータリダンパ1は、ハウジング5とロータシャフト12の回動変位の進行に伴って減衰力発生要素35,36によりそれぞれの方向に対する減衰特性を受け、かつ、これに加えて、所定の方向への減衰特性に対して位置依存特性をも付与することができる。
【0067】
また、一方の組の作動油室24,25を連通する連通油路27にだけ上記した位置依存特性を付与するための絞り機構を設けることなく、他方の組の作動油室22,23を連通する連通油路26に対しても同様の絞り機構を設けてやることで、ロータリダンパ1の何れの作動方向に対しても位置依存特性を付与することができるばかりでなく、必要によっては、それぞれの作動方向に対して異なった変化率をもつ位置依存特性を与えることも可能となる。
【0068】
さらに、通孔86の形状をこれまで述べてきた実施の形態のように三角状の孔として形成する代わりに、これと同じような可変絞り作用をもつ形状として形成することによっても発生減衰力に任意の位置依存特性をもたせ得ることは言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】
以上述べてきたように、請求項1の発明によれば、各組毎の作動油室を組単位で連通する連通油路の少なくとも一方の途中に、ハウジングとロータシャフトの回動変位に応動して開口面積を変化する調整機構と、当該調整機構を迂回するバイパス油路とを設け、当該バイパス油路に対して上記調整機構およびバイパス油路が設けられる連通油路で連通される各作動室の収縮時における作動油の流れを阻止するチェックバルブを配置したことにより、ロータリダンパ自体の減衰特性に対して位置依存特性を付与することができ、したがって、位置依存特性に自由度を与えて広範囲に亙る適切な減衰力制御を行うことが可能となる。
【0070】
また、請求項2の発明によれば、ロータシャフト内に固定したスリーブと、当該スリーブの内部に回動自在に挿入したコントロールシャフトとを備え、当該コントロールシャフトの外周面にそれぞれ設けた円周方向と軸方向とに伸びる長溝状の窪みをコントロールシャフト内に設けた通路で互いに連通し、円周方向に伸びる窪みをスリーブの内周面に対して形成した通孔に対向させるとともに、軸方向に伸びる窪みをスリーブの内周面に対して形成した円周方向に伸びる三角状の通孔に対向させて連絡通路を形成するとともに、上記三角状の通孔と、上記軸方向に伸びる窪みと、コントロールシャフトをロータリダンパの外壁へと連結する連結プレートで、ハウジングとロータシャフトの回動変位に伴い開口面積を変化する調整機構を形成したことにより、極めて簡単な構成を用いて上記した請求項1の効果を達成することができる。
【0071】
さらに、請求項3の発明によれば、バイパス油路は、上記通路から分岐するとともにコントロールシャフトの先端に設けたチェックバルブを介してスリーブの外周面に軸方向へと向けて穿たれ連絡通路に通ずる油路に連通し、チェックバルブはバイパス油路から油路へ向う流れのみを許容することとしたので、上記の効果に加えて、ロータリダンパの一方向に対する回動時の減衰特性に対して位置依存性を付与することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるロータリダンパの実施の形態を一部切断して示す部分縦断正面図である。
【図2】同上のロータリダンパを左側からみた側面図である。
【図3】同じく、図1におけるA−A線からの縦断側面図である。
【図4】同上、図1におけるB−B線からの拡大横断平面図である。
【図5】この発明にとって重要な減衰特性に位置依存性を付与する調整機構を取り出して拡大して示す部分縦断正面図である。
【図6】(a)は、図5におけるC矢視を、また、(b)は、同じく図5におけるD矢視をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 ロータリダンパ
2,3 セパレートブロック
5,5a ハウジング
9,10 サイドカバー
11 ケーシング
12 ロータシャフト
16,17 ベーン
22,23,24,25 作動油室
26,27a,27b 連通油路
30 減衰力発生機構
35,36 減衰力発生要素
53,55 減衰ポート
54,56 戻りポート
58,59 減衰バルブ
60,61 戻りバルブ
61 連絡油路
62 連絡油路
67 温度補償機構
77 スリーブ
78 コントロールシャフト
83,84 窪み
85 通孔
86 円周方向に伸びる三角状の通孔
87 円周方向に伸びる長溝状の窪み
88 軸方向に伸びる長溝状の窪み
89 通路
90 バイパス油路
91 チェックバルブ
94 上記チェックバルブの戻り油路
97 連結プレート
98 調整機構
99 脚部
100 取付孔
101 セレーション

Claims (3)

  1. ハウジングとロータシャフトの回動変位に伴い交互に収縮と拡張を繰り返す作動油室を一つ置きに分けて二組とし、これら作動油室を組単位毎にロータシャフトに穿った連通油路で相互に連通すると共に、それぞれの組の一つの作動油室を連絡油路により減衰バルブを通して連通したロータリダンパにおいて、各組毎の作動油室を組単位で連通する連通油路の少なくとも一方の途中にハウジングとロータシャフトの回動変位に応動して開口面積を変化する調整機構と当該調整機構を迂回するバイパス油路とを設け、当該バイパス油路に対して上記調整機構およびバイパス油路が設けられる連通油路で連通される各作動室の収縮時における作動油の流れを阻止するチェックバルブを配置したことを特徴とするロータリダンパ。
  2. ロータシャフト内に固定したスリーブと、当該スリーブの内部に回動自在に挿入したコントロールシャフトとを備え、当該コントロールシャフトの外周面にそれぞれ設けた円周方向と軸方向とに伸びる長溝状の窪みをコントロールシャフト内に設けた通路で互いに連通し、上記円周方向に伸びる窪みをスリーブの内周面に対して形成した通孔に対向させるとともに、上記軸方向に伸びる窪みをスリーブの内周面に対して形成した円周方向に伸びる三角状の通孔に対向させて連絡通路を形成し、上記調整機構が、上記三角状の通孔と、上記軸方向に伸びる窪みと、コントロールシャフトをロータリダンパの外壁へと連結する連結プレートと、で構成されることを特徴とする請求項1のロータリダンパ。
  3. バイパス油路は、上記通路から分岐するとともにコントロールシャフトの先端に設けたチェックバルブを介してスリーブの外周面に軸方向へと向けて穿たれ連絡通路に通ずる油路に連通し、チェックバルブはバイパス油路から油路へ向う流れのみを許容することを特徴とする請求項2のロータリダンパ。
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