JPH0817596A - 粒子加速器の真空チェンバー - Google Patents

粒子加速器の真空チェンバー

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JPH0817596A
JPH0817596A JP14778594A JP14778594A JPH0817596A JP H0817596 A JPH0817596 A JP H0817596A JP 14778594 A JP14778594 A JP 14778594A JP 14778594 A JP14778594 A JP 14778594A JP H0817596 A JPH0817596 A JP H0817596A
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JP
Japan
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cooling medium
chamber
light receiving
main body
intake pipe
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JP14778594A
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Inventor
Mitsunari Shinno
満成 新野
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製作コスト削減と耐熱性の向上。 【構成】 棒状の無酸素銅よりなる受光部材19の側部
に純アルミニウムよりなる層状の接合部材20を設け且
つ前記の受光部材19の内部にその長手方向へ延びる冷
却媒体流路18を形成した銅/アルミニウムクラッド材
構造の受光部本体17と、該受光部本体17が嵌入し得
る開口部22を有するアルミニウム合金よりなる中空構
造のチェンバー本体21とを備え、該チェンバー本体2
1の開口部22に受光部本体17を嵌入し、該受光部本
体17の接合部材20とチェンバー本体21とを溶接に
より気密に接合した構成としている。 【効果】 チェンバー本体21を一体的に製作でき、無
酸素銅よりなる受光部本体17によって放熱を容易に行
ない得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒子加速器の真空チェ
ンバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光速に近い速度で移動する電子がその進
行方向を磁場や電場で曲げられると、電子の軌道の接線
方向に放射光と呼ばれる電磁波(光)を放出する。
【0003】図11は放射光を発生させる手段の一例を
示すもので、1は線形加速装置であり、該線形加速器1
は、電子(荷電粒子)eを移送させるための直管状の加
速ダクト2を有している。
【0004】この加速ダクト2は、内部を超高真空に保
持できるように形成され、超高真空状態に保持された加
速ダクト2の内部を移動する電子eに高周波を付与して
電子を加速する高周波加速装置3が設けられている。
【0005】また、前記の加速ダクト2の一端には、電
子銃等の電子発生装置4が設けられており、該電子発生
装置4により発生する電子eが加速ダクト2の中空部へ
向かって射出されるようになっている。
【0006】さらに、前記の加速ダクト2の他端には、
湾曲管状の偏向ダクト5の一端が接続されており、該偏
向ダクト5の湾曲部には、偏向電磁石6が設けられてい
る。
【0007】而して、加速ダクト2から偏向ダクト5に
入射する電子eは、その進行方向を偏向電磁石6の磁場
により偏向ダクト5に沿って曲げられるようになってい
る。
【0008】7はシンクロトロンであり、該シンクロト
ロン7は前記の電子eに周回軌道を形成させるための無
端状ダクト8を有しており、該無端状ダクト8の所要箇
所には、前記の偏向ダクト5の他端が接続されている。
【0009】前記の無端状ダクト8は、内部を超高真空
に保持できるようになっている。該無端状ダクト8の湾
曲部には、偏向電磁石9が設けられており、偏向ダクト
5から超高真空に保持された無端状ダクト8に入射する
電子eは、その進行方向を偏向電磁石9の磁場により無
端状ダクト8に沿って曲げられて該無端状ダクト8の内
部を周回するようになっている。
【0010】一方、無端状ダクト8の所要箇所には、高
周波加速装置10が設けられており、無端状ダクト8の
内部を周回する電子eは、前記の高周波加速装置10か
ら高周波を付与されて、光速に近い速度まで加速される
ようになっている。
【0011】さらに、無端状ダクト8の所要箇所の湾曲
部には、該湾曲部において光速に近い速度で移動する電
子eの進行方向が曲げられることにより放出される放射
光ビームsを円形ダクトの外部へ導くための直管状の水
平なビームチャンネル11の一端が接続されていて、こ
のビームチャンネル11の他端には、前記の放射光ビー
ムsを利用する実験を行なうための実験設備12が接続
されている。
【0012】上記の無端状ダクト8は、図12に示すよ
うな断面を有する真空チェンバー13を複数連結するよ
うに構成されている。
【0013】真空チェンバー13は、アルミニウム合金
を押出し加工することにより一体的に形成したもので、
電子eの進行方向へ延びるビーム室14と、該ビーム室
14に沿って延びるポンプ室15と、前記のビーム室1
4とポンプ室15とを連通するスロット部16と、ビー
ム室14の反ポンプ室側の壁部内に形成した冷却媒体流
路18とを有している。
【0014】前記のビームチャンネル11が接続されて
いない無端状ダクト8の湾曲部においても、電子eが磁
場によってその進行方向を曲げられる際に放射光ビーム
sが放出され、真空チェンバー13のビーム室14の内
側面に放射光ビームsが入射する。
【0015】このとき、無端状ダクト8を周回する電子
eのビームのエネルギーが小さく(3.5Gev程
度)、且つ蓄積電流値が大きい(数アンペア程度)場合
には、ビーム室14の内側面に入射する放射光ビームs
の熱エネルギーによって真空チェンバー13が昇温し、
該真空チェンバー13が変形することがある。
【0016】このため、先に述べた冷却媒体流路18に
水等の冷却媒体を連続的に流通させることにより真空チ
ェンバー13の昇温に起因する変形を抑制するようにし
ている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム合金は耐熱性が低く、真空チェンバー13をアル
ミニウム合金により形成した場合には、冷却媒体流路1
8に冷却媒体を流通させることにより真空チェンバー1
3を冷却しても数十Kw/mの発熱には耐えられない。
【0018】一方、アルミニウム合金に比べて耐熱性に
優れた銅合金等により真空チェンバー13を形成するこ
とも考えられるが、銅合金はアルミニウム合金に比べて
延性が低く、押出し加工により真空チェンバー13を一
体的に形成させることができない。
【0019】従って、銅により真空チェンバー13を形
成させるためには、図13に示すように、ビーム室14
となるべき空間及びスロット部16となるべき開口を有
するビーム室形成部23と、ポンプ室15となるべき空
間及びスロット部16となるべき開口を有するポンプ室
形成部31と、冷却媒体流路18となるべき空間を有す
る冷却媒体流路形成部34とをそれぞれ別途に押出し加
工によって製作した後、これらの各形成部23,31,
34を溶接により相互に接合する必要があり、製作コス
トが上昇する。
【0020】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもの
で、耐熱性に優れ且つ製作が容易な粒子加速器の真空チ
ェンバーを提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の粒子加速器の真空チェンバーにおいて
は、内部にその長手方向へ延びる冷却媒体流路を形成し
た無酸素銅よりなる受光部材の側部に純アルミニウムよ
りなる層状の接合部材を設けた銅/アルミニウムクラッ
ド材構造の受光部本体と、該受光部本体を嵌入し得る開
口部を放射光ビームを受ける部分に有するアルミニウム
合金よりなる中空構造のチェンバー本体とを備え、該チ
ェンバー本体の開口部に受光部本体を嵌入して該受光部
本体の接合部材とチェンバー本体とを溶接により気密に
接合した構成とする。
【0022】また、上述した構成に替えて、無酸素銅よ
りなる受光部材の内部にその長手方向へ延びる冷却媒体
流路を形成した受光部本体と、無酸素銅よりなり前記の
冷却媒体流路に連通するように受光部材に設けた冷却媒
体取入管及び冷却媒体取出管と、該冷却媒体取入管が遊
嵌し得る取入管孔及び冷却媒体取出管が遊嵌し得る取出
管孔を有するアルミニウム合金よりなる中空構造のチェ
ンバー本体と、無酸素銅よりなり前記の両管に外嵌し得
るフランジ部材の一端に純アルミニウムよりなる環状の
スリーブ部材を設けた銅/アルミニウムクラッド材構造
の接合体とを備え、前記のチェンバー本体内の放射光ビ
ームを受ける部分に受光部本体を配置して冷却媒体取入
管を取入管孔に挿通するとともに冷却媒体取出管を取出
管孔に挿通し、接合体を構成するフランジ部材を冷却媒
体取入管及び冷却媒体取出管のそれぞれに外嵌して両管
に対しフランジ部材を溶接により気密に接合し、さら
に、接合体を構成するスリーブ部材と前記のチェンバー
本体とを溶接により気密に接合した構成とする。
【0023】
【作用】本発明においては、無酸素銅よりなる受光部材
によって放射光ビームを受けるとともに、その放射光ビ
ームによって受光部材に伝達される熱エネルギーを受光
部材の内部に形成した冷却媒体流路を流通する冷却媒体
によってチェンバー本体の外部へ排出させて、チェンバ
ー本体の温度上昇を抑制する。
【0024】また、受光部材に連通する冷却媒体取入
管、冷却媒体取出管を接合体を介してチェンバー本体に
支持させた場合には、冷却媒体取入管、冷却媒体取出管
が受光部材とチェンバー本体との熱膨張に起因する伸縮
の差を吸収する。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。
【0026】図1及び図2は本発明の粒子加速器の真空
チェンバーの第1の実施例を示すもので、本実施例は請
求項1に対応している。
【0027】21はチェンバー本体であり、該チェンバ
ー本体21は、アルミニウム合金(A6063−EX)
を押出し加工することにより一体的に形成されている。
【0028】このチェンバー本体21は、図12に示す
従来の真空チェンバー13と同様に、電子eの進行方向
へ延びるビーム室14と、該ビーム室14に沿って延び
るポンプ室15と、前記のビーム室14とポンプ室15
とを連通するスロット部16とを有している。
【0029】前記のビーム室14の反ポンプ室側の壁部
(放射光ビームsが入射しようとする部分)には、後述
する受光部本体17が嵌入可能な開口部22が設けられ
ている。
【0030】受光部本体17は、棒状の無酸素銅(C1
020)よりなる受光部材19の内部にその長手方向へ
延びる冷却媒体流路18を形成し、且つ前記の受光部材
19の両側部及び両端部に純アルミニウム(A110
0)よりなる層状の接合部材20を設けた銅/アルミニ
ウムクラッド材構造となっている。
【0031】この受光部本体17は、先に述べたチェン
バー本体21の開口部22に嵌入され、接合部材20が
チェンバー本体21の開口部22の縁部にTIG溶接に
よって気密に接合されている。
【0032】更に、受光部材19の反ポンプ室側の部分
には、それぞれ無酸素銅により形成され、且つ前記の冷
却媒体流路18に連通する冷却媒体取入管24と冷却媒
体取出管25とが接続されている。
【0033】上述した構成を有する本実施例において、
チェンバー本体21の内部を真空に保持してビーム室1
4の内部に電子eを通過させる際には、冷却媒体取入管
24から受光部材19の内部に形成されている冷却媒体
流路18に対して水等の冷却媒体cを連続的に流入させ
るとともに、上記の冷却媒体流路18に流入した冷却媒
体cを冷却媒体取出管25から外部へ連続的に流出させ
る。
【0034】光速に近い速度でビーム室14の内部を進
行する電子eから放出される放射光ビームsが受光部材
19に入射すると、該受光部材19に熱エネルギーが伝
達されるが、この熱エネルギーは、冷却媒体流路18を
流通する冷却媒体cによりチェンバー本体21の外部へ
排出され、これにより、チェンバー本体21の温度上昇
が抑制される。
【0035】本実施例においては、先に述べたように、
熱伝達性が優れた無酸素銅により受光部材19を形成し
ているので、冷却媒体流路18に冷却媒体を連続的に流
通させておけば、数十Kw/mの発熱にも耐えることが
できる。
【0036】また、ビーム室14及びポンプ室15を有
するチェンバー本体21をアルミニウムの押出し加工に
よって一体的に形成するので、製作コストが上昇しな
い。
【0037】更に、チェンバー本体21に対する受光部
本体17の接合部分が純アルミニウムよりなる接合部材
20であるので、チェンバー本体21と接合部材20と
の溶接部分が安定した状態を呈する。
【0038】図3及び図4は本発明の粒子加速器の真空
チェンバーの第2の実施例を示すもので、本実施例は請
求項1に対応している。
【0039】なお、図中、図1及び図2と同一の符号を
付した部分は、同一物を表している。
【0040】29はチェンバー本体であり、該チェンバ
ー本体29は、アルミニウム合金(A6063−EX)
を押出し加工することにより一体的に形成されている。
【0041】このチェンバー本体29は、図1に示すチ
ェンバー本体21と同様に、電子eの進行方向へ延びる
ビーム室14と、該ビーム室14に沿って延びるポンプ
室15と、前記のビーム室14とポンプ室15とを連通
するスロット部16とを有している。
【0042】前記のビーム室14の反ポンプ室側の壁部
には、後述する受光部本体26の小フランジ部27より
先端側の部分が遊嵌し得る開口部30が設けられてい
る。
【0043】受光部本体26は、棒状の無酸素銅(C1
020)よりなる受光部材19の内部にその長手方向へ
延びる冷却媒体流路18を形成し、且つ前記の受光部材
19の両側部及び両端部に純アルミニウム(A110
0)よりなる層状の接合部材28とそれに連なって前記
の開口部30の縁部に当接し得る小フランジ部27とを
設けた銅/アルミニウムクラッド材構造となっている。
【0044】この受光部本体26は、小フランジ部27
より先端側の部分が先に述べたチェンバー本体29の開
口部30に遊嵌され、更に、小フランジ部27がチェン
バー本体29の開口部30の縁部にTIG溶接によって
気密に接合されている。
【0045】上述した構成を有する本実施例において、
チェンバー本体29の内部を真空に保持してビーム室1
4の内部に電子eを通過させる際には、冷却媒体取入管
24から冷却媒体流路18に対して水等の冷却媒体cを
連続的に流入させるとともに、その冷却媒体cを冷却媒
体取出管25から外部へ連続的に流出させる。
【0046】放射光ビームsが受光部材19に入射する
と、該受光部材19に伝達される熱エネルギーは、冷却
媒体流路18を流通する冷却媒体cによりチェンバー本
体29の外部へ排出され、これにより、チェンバー本体
29の温度上昇が抑制される。
【0047】本実施例においても、先に述べた第1の実
施例と同様に、数十Kw/mの発熱にも耐えることがで
き、また、製作コストが上昇しない。
【0048】更に、チェンバー本体29に対する受光部
本体26の接合部分が純アルミニウムよりなる小フラン
ジ部27であるので、チェンバー本体29と小フランジ
部27との溶接部分が安定した状態を呈する。
【0049】図5及び図6は本発明の粒子加速器の真空
チェンバーの第3の実施例を示すもので、本実施例は請
求項1に対応している。
【0050】なお、図中、図1から図4と同一の符号を
付した部分は、同一物を表している。
【0051】受光部本体46は、管状の無酸素銅(C1
020)よりなる受光部材47を純アルミニウム(A1
100)よりなる接合部材48により被覆した銅/アル
ミニウムクラッド材構造を有する素材の一側面を削り取
って、受光部材47の一部が露出するようにし、前記の
受光部材47の中空部分を冷却媒体流路18として利用
する構成となっている。
【0052】更に、接合部材48には、該接合部材48
に連ってチェンバー本体29の開口部30の縁部に当接
し得る小フランジ部27が設けられている。
【0053】この受光部本体46は、小フランジ部27
より先端側の部分がチェンバー本体29の開口部30に
遊嵌され、更に、小フランジ部27がチェンバー本体2
9の開口部30の縁部にTIG溶接によって気密に接合
されている。
【0054】更に、受光部本体46の反ポンプ室側の部
分には、それぞれ無酸素銅(C1020)により形成さ
れ、且つ前記の冷却媒体流路18に連通する冷却媒体取
入管24と冷却媒体取出管25とが接続されている。
【0055】上述した構成を有する本実施例において、
チェンバー本体29の内部を真空に保持してビーム室1
4の内部に電子eを通過させる際には、冷却媒体取入管
24から冷却媒体流路18に対して水等の冷却媒体cを
連続的に流入させるとともに、その冷却媒体cを冷却媒
体取出管25から外部へ連続的に流出させる。
【0056】放射光ビームsが受光部材19に入射する
と、該受光部材19に伝達される熱エネルギーは、冷却
媒体流路18を流通する冷却媒体cによりチェンバー本
体29の外部へ排出され、これにより、チェンバー本体
29の温度上昇が抑制される。
【0057】本実施例においても、先に述べた第1、第
2の実施例と同様に、数十Kw/mの発熱にも耐えるこ
とができ、また、製作コストが上昇しない。
【0058】更に、チェンバー本体29に対する受光部
本体26の接合部分が純アルミニウムよりなる小フラン
ジ部27であるので、チェンバー本体29と小フランジ
部27との溶接部分が安定した状態を呈する。
【0059】図7及び図8は本発明の粒子加速器の真空
チェンバーの第4の実施例を示すもので、本実施例は請
求項2に対応している。
【0060】なお、図中、図1から図6と同一の符号を
付した部分は、同一物を表している。
【0061】37はチェンバー本体であり、該チェンバ
ー本体37は、アルミニウム合金(A6063−EX)
を押出し加工することにより一体的に形成されている。
【0062】このチェンバー本体37は、図1に示すチ
ェンバー本体21と同様に、電子eの進行方向へ延びる
ビーム室14と、該ビーム室14に沿って延びるポンプ
室15と、前記のビーム室14とポンプ室15とを連通
するスロット部16とを有し、更に、ビーム室14の反
ポンプ室側に後述する受光部本体32を配置するための
空間38を設けている。
【0063】前記の空間38の反ポンプ室側の壁部に
は、後述する冷却媒体取入管35が遊嵌し得る取入管孔
39と、冷却媒体取出管36が遊嵌し得る取出管孔40
とが、電子eの進行方向に並ぶように設けられている。
【0064】41は接合体であり、該接合体41は、無
酸素銅(C1020)よりなり前記の冷却媒体取入管3
5、冷却媒体取出管36に外接し得るフランジ部材41
aの一端部に、純アルミニウム(A1100)よりなり
冷却媒体取入管35、冷却媒体取出管36が遊嵌し得る
短筒状のスリーブ部材41bを設けた銅/アルミニウム
クラッド材構造となっている。
【0065】この接合体41は、前記の取入管孔39、
取出管孔40を取り囲むようにチェンバー本体37の外
側面にTIG溶接によって固着されている。
【0066】32は受光部本体であり、該受光部本体3
2は、棒状の無酸素銅(C1100)よりなる受光部材
33の内部にその長手方向へ延びる冷却媒体流路18を
形成した構造となっている。
【0067】前記の受光部本体32には、それぞれ無酸
素銅(C1020)により形成され、且つ前記の冷却媒
体流路18に連通する冷却媒体取入管35と冷却媒体取
出管36とが接続されている。
【0068】この受光部本体32は前記の空間38に配
置されており、冷却媒体取入管35が取入管孔39、一
方の接合体41のスリーブ部材41bに遊嵌するととも
にフランジ部材41aに内接し、また、冷却媒体取出管
36が取出管孔40、他方の接合体41のスリーブ部材
41bに遊嵌するとともにフランジ部材41aに内接し
ている。
【0069】更に、冷却媒体取入管35、冷却媒体取出
管36は、それぞれが内接している接合体41のフラン
ジ部材41aにTIG溶接により気密に接合されてい
る。
【0070】上述した構成を有する本実施例において、
チェンバー本体37の内部を真空に保持してビーム室1
4の内部に電子eを通過させる際には、冷却媒体取入管
35から冷却媒体流路18に対して水等の冷却媒体cを
連続的に流入させるとともに、その冷却媒体cを冷却媒
体取出管36から外部へ連続的に流出させる。
【0071】放射光ビームsが受光部材33に入射する
と、該受光部材33に伝達される熱エネルギーは、冷却
媒体流路18を流通する冷却媒体cによりチェンバー本
体37の外部へ排出され、これにより、チェンバー本体
37の温度上昇が抑制される。
【0072】本実施例においても、先に述べた第1〜第
3の実施例と同様に、数十Kw/mの発熱にも耐えるこ
とができ、また、製作コストが上昇しない。
【0073】更に、チェンバー本体37に対する接合体
41の接合部分が純アルミニウムよりなるスリーブ部材
41bであり、また、冷却媒体取入管35、冷却媒体取
出管36に対する接合体41の接合部分が無酸素銅より
なるフランジ部材41aであるので、チェンバー本体3
7と接合体41との溶接部分、及び冷却媒体取入管3
5、冷却媒体取出管36と接合体41との溶接部分が安
定した状態を呈する。
【0074】また、受光部材33に連通する冷却媒体取
入管35、冷却媒体取出管36を接合体41を介してチ
ェンバー本体37に支持させているので、冷却媒体取入
管35、冷却媒体取出管36によって、受光部材33と
チェンバー本体37との熱膨張に起因する伸縮の差を吸
収することができる。
【0075】図9及び図10は本発明の粒子加速器の真
空チェンバーの第5の実施例を示すもので、本実施例は
請求項2に対応している。
【0076】なお、図中、図1から図8と同一の符号を
付した部分は、同一物を表している。
【0077】本実施例においては、図7及び図8に示す
受光部本体32に替えて後述する受光部本体43を用い
ている。
【0078】受光部本体43は、管状の無酸素銅(C1
020)よりなる管材の両端部を中間部に対し略直角の
折り曲げることにより、その中間部を受光部材42とし
て利用するとともに、一方の折り曲げ部分を冷却媒体取
入管44とし、また他方の折り曲げ部分を冷却媒体取出
管45として利用する構成を有している。
【0079】この受光部本体43はチェンバー本体37
の空間38に配置されており、冷却媒体取入管44が取
入管孔39、一方の接合体41のスリーブ部材41bに
遊嵌するとともにフランジ部材41aに内接し、また、
冷却媒体取出管45が取出管孔40、他方の接合体41
のスリーブ部材41bに遊嵌するとともにフランジ部材
41aに内接している。
【0080】更に、冷却媒体取入管44、冷却媒体取出
管45は、それぞれが内接している接合体41のフラン
ジ部材41aにTIG溶接により気密に接合されてい
る。
【0081】上述した構成を有する本実施例において、
チェンバー本体37の内部を真空に保持してビーム室1
4の内部に電子eを通過させる際には、冷却媒体取入管
35から冷却媒体流路18に対して水等の冷却媒体cを
連続的に流入させるとともに、その冷却媒体cを冷却媒
体取出管36から外部へ連続的に流出させる。
【0082】放射光ビームsが受光部材33に入射する
と、該受光部材33に伝達される熱エネルギーは、冷却
媒体流路18を流通する冷却媒体cによりチェンバー本
体37の外部へ排出され、これにより、チェンバー本体
37の温度上昇が抑制される。
【0083】本実施例においても、先に述べた第1〜第
4の実施例と同様に、数十Kw/mの発熱にも耐えるこ
とができ、また、製作コストが上昇しない。
【0084】更に、チェンバー本体37に対する接合体
41の接合部分が純アルミニウムよりなるスリーブ部材
41bであり、また、冷却媒体取入管44、冷却媒体取
出管45に対する接合体41の接合部分が無酸素銅より
なるフランジ部材41aであるので、チェンバー本体3
7と接合体41との溶接部分、及び冷却媒体取入管4
4、冷却媒体取出管45と接合体41との溶接部分が安
定した状態を呈する。
【0085】また、受光部材42に連通する冷却媒体取
入管44、冷却媒体取出管45を接合体41を介してチ
ェンバー本体37に支持させているので、冷却媒体取入
管44、冷却媒体取出管45によって、受光部材42と
チェンバー本体37との熱膨張に起因する伸縮の差を吸
収することができる。
【0086】なお、本発明は前述の実施例にのみ限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0087】
【発明の効果】本発明の粒子加速器の真空チェンバーに
よれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏し得る。
【0088】1)本発明の請求項1、あるいは請求項2
に記載した粒子加速器の真空チェンバーのいずれにおい
ても、チェンバー本体を一体的に製作することが可能で
あり、製作コストの削減を図ることができる。
【0089】2)本発明の請求項1、あるいは請求項2
に記載した粒子加速器の真空チェンバーのいずれにおい
ても、放射光ビームを無酸素胴よりなる受光部材によっ
て受光するとともに、その放射光ビームによって受光部
材に伝達される熱エネルギーを受光部材の内部に形成し
た冷却媒体流路を流通する冷却媒体を介してチェンバー
本体の外部へ排出させるので、チェンバー本体の昇温を
効果的に抑制してチェンバー本体の変形を防止できる。
【0090】3)本発明の請求項2に記載した粒子加速
器の真空チェンバーにおいては、受光部材に連通する冷
却媒体取入管、冷却媒体取出管を接合体を介してチェン
バー本体に支持させているので、受光部材とチェンバー
本体との熱膨張に起因する伸縮の差を吸収することがで
き、チェンバー本体に過大な応力が作用しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粒子加速器の真空チェンバーの第1の
実施例の概略を表す断面図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】本発明の粒子加速器の真空チェンバーの第2の
実施例の概略を表す断面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視図である。
【図5】本発明の粒子加速器の真空チェンバーの第3の
実施例の概略を表す断面図である。
【図6】図5のVI−VI矢視図である。
【図7】本発明の粒子加速器の真空チェンバーの第4の
実施例の概略を表す断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視図である。
【図9】本発明の粒子加工器の真空チェンバーの第5の
実施例の概略を表す断面図である。
【図10】図9のX−X矢視図である。
【図11】放射光を発生させる手段の一例の模式図であ
る。
【図12】図11に関連する従来の真空チェンバーの一
例の概略を表す断面図である。
【図13】図11に関連する真空チェンバーの一例を銅
合金により形成させる場合の概略を表す断面図である。
【符号の説明】
17,26,32,43,46 受光部本体 18 冷却媒体流路 19,33,42,47 受光部材 20,48 接合部材 21,29,37 チェンバー本体 22,30 開口部 35,44 冷却媒体取入管 36,45 冷却媒体取出管 39 取入管孔 40 取出管孔 41 接合体 41a フランジ部材 41b スリーブ部材 s 放射光ビーム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にその長手方向へ延びる冷却媒体流
    路を形成した無酸素銅よりなる受光部材の側部に純アル
    ミニウムよりなる層状の接合部材を設けた銅/アルミニ
    ウムクラッド材構造の受光部本体と、該受光部本体を嵌
    入し得る開口部を放射光ビームを受ける部分に有するア
    ルミニウム合金よりなる中空構造のチェンバー本体とを
    備え、該チェンバー本体の開口部に受光部本体を嵌入し
    て該受光部本体の接合部材とチェンバー本体とを溶接に
    より気密に接合してなることを特徴とする粒子加速器の
    真空チェンバー。
  2. 【請求項2】 無酸素銅よりなる受光部材の内部にその
    長手方向へ延びる冷却媒体流路を形成した受光部本体
    と、無酸素銅よりなり前記の冷却媒体流路に連通するよ
    うに受光部材に設けた冷却媒体取入管及び冷却媒体取出
    管と、該冷却媒体取入管が遊嵌し得る取入管孔及び冷却
    媒体取出管が遊嵌し得る取出管孔を有するアルミニウム
    合金よりなる中空構造のチェンバー本体と、無酸素銅よ
    りなり前記の両管に外嵌し得るフランジ部材の一端に純
    アルミニウムよりなる環状のスリーブ部材を設けた銅/
    アルミニウムクラッド材構造の接合体とを備え、前記の
    チェンバー本体内の放射光ビームを受ける部分に受光部
    本体を配置して冷却媒体取入管を取入管孔に挿通すると
    ともに冷却媒体取出管を取出管孔に挿通し、接合体を構
    成するフランジ部材を冷却媒体取入管及び冷却媒体取出
    管のそれぞれに外嵌して両管に対しフランジ部材を溶接
    により気密に接合し、さらに、接合体を構成するスリー
    ブ部材と前記のチェンバー本体とを溶接により気密に接
    合したことを特徴とする粒子加速器の真空チェンバー。
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