JPH06176895A - 粒子加速器の真空チェンバーおよびその製造方法 - Google Patents
粒子加速器の真空チェンバーおよびその製造方法Info
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- JPH06176895A JPH06176895A JP32213992A JP32213992A JPH06176895A JP H06176895 A JPH06176895 A JP H06176895A JP 32213992 A JP32213992 A JP 32213992A JP 32213992 A JP32213992 A JP 32213992A JP H06176895 A JPH06176895 A JP H06176895A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 チェンバー本体2の外側に多数のリブ3を設
ける。チェンバー本体の肉厚は周方向で変化させ、磁石
Mに近接して渦電流の生じ易い部分は薄肉部2aとし、
他の部分は厚肉部2bとする。そのような真空チェンバ
ー1を製造するには、均一な厚みの管体20の外側にリ
ブ体30を装着し、それらをろう付けして一体化する。
リブ体には管体が挿通し得る貫通孔31と管体に一体化
して厚肉部となる補強部32を形成しておく。リブ体の
素材としては母材板30aとろう材30bとを積層した
ブレージングシートを採用すると良い。 【効果】 薄肉部での渦電流の発生が自ずと抑制される
とともに、厚肉部と多数のリブとにより真空に対する強
度が確保できる。リブ体に補強部を設けておくことによ
り、ろう付け強度が高められ、リブ体の位置決めと仮固
定が自ずとなされ、作業性に優れる。
ける。チェンバー本体の肉厚は周方向で変化させ、磁石
Mに近接して渦電流の生じ易い部分は薄肉部2aとし、
他の部分は厚肉部2bとする。そのような真空チェンバ
ー1を製造するには、均一な厚みの管体20の外側にリ
ブ体30を装着し、それらをろう付けして一体化する。
リブ体には管体が挿通し得る貫通孔31と管体に一体化
して厚肉部となる補強部32を形成しておく。リブ体の
素材としては母材板30aとろう材30bとを積層した
ブレージングシートを採用すると良い。 【効果】 薄肉部での渦電流の発生が自ずと抑制される
とともに、厚肉部と多数のリブとにより真空に対する強
度が確保できる。リブ体に補強部を設けておくことによ
り、ろう付け強度が高められ、リブ体の位置決めと仮固
定が自ずとなされ、作業性に優れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シンクロトロン等の粒
子加速器に用いられる真空チェンバーおよびその製造方
法に関する。
子加速器に用いられる真空チェンバーおよびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、高エネルギー物理学の研
究等に用いられるシンクロトロン等の粒子加速器は、超
高真空に維持したリング内において荷電粒子ビームを光
速に近い速度で周回させるものであり、近年、荷電粒子
ビームの偏向部から放射されるシンクロトロン放射光
(SOR光)を取り出してたとえば超LSIの作成、医
療分野における診断や治療、分子解析、構造解析等の様
々な分野において有効利用することが検討されている。
究等に用いられるシンクロトロン等の粒子加速器は、超
高真空に維持したリング内において荷電粒子ビームを光
速に近い速度で周回させるものであり、近年、荷電粒子
ビームの偏向部から放射されるシンクロトロン放射光
(SOR光)を取り出してたとえば超LSIの作成、医
療分野における診断や治療、分子解析、構造解析等の様
々な分野において有効利用することが検討されている。
【0003】また、より大規模の粒子加速器では、上記
のようなシンクロトロンを蓄積リングの前段に配置して
蓄積リングに入射するべきビームを加速するための入射
リングとして使用することがある。そのような場合にお
ける入射リングは、所定長さの真空チェンバーを多数連
結することで全体としてリング状に構成され、その外側
には、加速するビームのエネルギに応じてパルス状に磁
場を急激に変化させることによって軌道を形成するため
の磁石が近接配置されるようになっている。その真空チ
ェンバーとしては、アルミニウム合金、銅、ステンレス
等が素材として用いられ、押し出し成形法等により所定
の断面形状の中空管状に製作されたものが一般に採用さ
れている。
のようなシンクロトロンを蓄積リングの前段に配置して
蓄積リングに入射するべきビームを加速するための入射
リングとして使用することがある。そのような場合にお
ける入射リングは、所定長さの真空チェンバーを多数連
結することで全体としてリング状に構成され、その外側
には、加速するビームのエネルギに応じてパルス状に磁
場を急激に変化させることによって軌道を形成するため
の磁石が近接配置されるようになっている。その真空チ
ェンバーとしては、アルミニウム合金、銅、ステンレス
等が素材として用いられ、押し出し成形法等により所定
の断面形状の中空管状に製作されたものが一般に採用さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、粒子加速器
における入射リングや蓄積リングを構成するための真空
チェンバーは、内部を超高真空に維持し得る強度が要求
されるものであり、強度を確保するためにはある程度厚
肉であることが好ましい。反面、真空チェンバーが厚肉
であると、軌道修正やビームエネルギ変化等のために磁
石により磁場を急激に変化させた際に、真空チェンバー
の表面に過大な渦電流が生じて局部発熱を生じ、それに
より脱ガスが生じて真空度の低下を招くといった問題を
生じるので、渦電流を低減させるためには十分に薄肉で
あることが好ましい。
における入射リングや蓄積リングを構成するための真空
チェンバーは、内部を超高真空に維持し得る強度が要求
されるものであり、強度を確保するためにはある程度厚
肉であることが好ましい。反面、真空チェンバーが厚肉
であると、軌道修正やビームエネルギ変化等のために磁
石により磁場を急激に変化させた際に、真空チェンバー
の表面に過大な渦電流が生じて局部発熱を生じ、それに
より脱ガスが生じて真空度の低下を招くといった問題を
生じるので、渦電流を低減させるためには十分に薄肉で
あることが好ましい。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、十分な強度を確保し得るとともに渦電流を低減させ
ることのできる真空チェンバーを提供し、併せて、その
真空チェンバーを製造するための好適な方法を提供する
ことを目的としている。
で、十分な強度を確保し得るとともに渦電流を低減させ
ることのできる真空チェンバーを提供し、併せて、その
真空チェンバーを製造するための好適な方法を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の真空チ
ェンバーは、中空管状のチェンバー本体の外側に多数の
フランジ状のリブがチェンバー本体の長さ方向に間隔を
おいて設けられているるとともに、チェンバー本体の周
方向に沿う肉厚は均一ではなく、磁石に対向する部分が
薄肉部とされているとともに他の部分はそれより厚い厚
肉部とされていることを特徴とするものである。
ェンバーは、中空管状のチェンバー本体の外側に多数の
フランジ状のリブがチェンバー本体の長さ方向に間隔を
おいて設けられているるとともに、チェンバー本体の周
方向に沿う肉厚は均一ではなく、磁石に対向する部分が
薄肉部とされているとともに他の部分はそれより厚い厚
肉部とされていることを特徴とするものである。
【0007】また、請求項2の発明は上記の真空チェン
バーの製造方法であって、厚み寸法が全周にわたって前
記チェンバー本体の薄肉部の厚みに等しい管体を製作す
るとともに、その管体の外形に合致する挿通孔を有する
とともに前記厚肉部を形成するための補強部を有するリ
ブ体を製作し、各補強部が前記管体の長さ方向に一列に
並ぶようにかつそれら補強部を隣接する他のリブ体に当
接させた状態で多数のリブ体を管体の外側に装着し、次
いで、各リブ体と管体との接触部をろう付けしてそれら
を一体化することを特徴とするものである。
バーの製造方法であって、厚み寸法が全周にわたって前
記チェンバー本体の薄肉部の厚みに等しい管体を製作す
るとともに、その管体の外形に合致する挿通孔を有する
とともに前記厚肉部を形成するための補強部を有するリ
ブ体を製作し、各補強部が前記管体の長さ方向に一列に
並ぶようにかつそれら補強部を隣接する他のリブ体に当
接させた状態で多数のリブ体を管体の外側に装着し、次
いで、各リブ体と管体との接触部をろう付けしてそれら
を一体化することを特徴とするものである。
【0008】さらに、請求項3の発明は、請求項2の発
明の製造方法において、母材板の片面または両面にろう
材が積層されてなるブレージングシートによって前記リ
ブ体を形成し、それらリブ体を多数装着した管体を加熱
炉に装入してその全体を加熱することにより、リブ体の
ろう材を溶融せしめて母材板を管体に対してろう付けす
るようにしたものである。
明の製造方法において、母材板の片面または両面にろう
材が積層されてなるブレージングシートによって前記リ
ブ体を形成し、それらリブ体を多数装着した管体を加熱
炉に装入してその全体を加熱することにより、リブ体の
ろう材を溶融せしめて母材板を管体に対してろう付けす
るようにしたものである。
【0009】
【作用】本発明の真空チェンバーは、磁石に近接してい
て急激な磁場変化を受けた際に渦電流の生じ易い部分が
薄肉部とされているので、そこでの渦電流の発生が自ず
と抑制される。また、渦電流の生じ難い他の部分は厚肉
部とされているとともに、多数のリブが設けられている
ので、それら厚肉部とリブとによって真空に対する強度
が確保される。
て急激な磁場変化を受けた際に渦電流の生じ易い部分が
薄肉部とされているので、そこでの渦電流の発生が自ず
と抑制される。また、渦電流の生じ難い他の部分は厚肉
部とされているとともに、多数のリブが設けられている
ので、それら厚肉部とリブとによって真空に対する強度
が確保される。
【0010】また、本発明の製造方法は、厚みが全周に
わたって均一な管体の外側に多数のリブ体を装着し、そ
れらをろう付けして一体化するのであるが、リブ体には
管体と一体化して厚肉部となる補強部を形成しておくの
で、管体とリブ体との接触面積が大きく確保されてろう
付け強度が高められる。また、補強部はスペーサとして
も機能してリブ体の位置決めと仮固定が自ずとなされ
る。また、リブ体の素材として予めろう材が積層されて
いるブレージングシートを採用すれば、置きろうの手間
が不要でより作業性に優れ、コスト的にも有利である。
わたって均一な管体の外側に多数のリブ体を装着し、そ
れらをろう付けして一体化するのであるが、リブ体には
管体と一体化して厚肉部となる補強部を形成しておくの
で、管体とリブ体との接触面積が大きく確保されてろう
付け強度が高められる。また、補強部はスペーサとして
も機能してリブ体の位置決めと仮固定が自ずとなされ
る。また、リブ体の素材として予めろう材が積層されて
いるブレージングシートを採用すれば、置きろうの手間
が不要でより作業性に優れ、コスト的にも有利である。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本実施例の真空チェンバー1の横断面図で
あり、図2および図3はこの真空チェンバー1の製作過
程を示す図である。本実施例の真空チェンバー1は断面
形状が楕円形とされ、その内部中心位置に電子ビームの
軌道Bが形成されるとともに、外部の上部および下部に
は電子ビームに対して磁気力を作用させて軌道Bを形成
するための対の磁石M,Mが近接して配置されるように
なっている。
する。図1は本実施例の真空チェンバー1の横断面図で
あり、図2および図3はこの真空チェンバー1の製作過
程を示す図である。本実施例の真空チェンバー1は断面
形状が楕円形とされ、その内部中心位置に電子ビームの
軌道Bが形成されるとともに、外部の上部および下部に
は電子ビームに対して磁気力を作用させて軌道Bを形成
するための対の磁石M,Mが近接して配置されるように
なっている。
【0012】この真空チェンバー1は、チェンバー本体
2と、その外側に設けられた多数のリブ3からなる。チ
ェンバー本体2はアルミニウム合金からなる断面楕円形
状の中空管状のもので、その厚み寸法は周方向で均一で
はなく、上記の磁石Mに対向している上部および下部が
両側部より薄く形成されたものとなっている。上部およ
び下部に形成されている薄肉部2aの厚みはたとえば
0.2〜0.3mm程度とすることが良い。
2と、その外側に設けられた多数のリブ3からなる。チ
ェンバー本体2はアルミニウム合金からなる断面楕円形
状の中空管状のもので、その厚み寸法は周方向で均一で
はなく、上記の磁石Mに対向している上部および下部が
両側部より薄く形成されたものとなっている。上部およ
び下部に形成されている薄肉部2aの厚みはたとえば
0.2〜0.3mm程度とすることが良い。
【0013】また、リブ3はチェンバー本体2と同じく
アルミニウム合金からなるフランジ状のもので、チェン
バー本体2を外側から補強するべく、チェンバー本体2
の長さ方向に所定の間隔をおいて多数設けられ、チェン
バー本体2に対してろう付けされて一体化したものとな
っている。
アルミニウム合金からなるフランジ状のもので、チェン
バー本体2を外側から補強するべく、チェンバー本体2
の長さ方向に所定の間隔をおいて多数設けられ、チェン
バー本体2に対してろう付けされて一体化したものとな
っている。
【0014】上記構成の真空チェンバー1は、磁石Mに
対向している上部および下部が薄肉部2aとされてその
厚みが十分に薄くされているので、磁石Mにより急激な
磁場変化が与えられた際にもその薄肉部2aでは渦電流
の発生が抑制され、過度の局部発熱が生じるようなこと
が自ずと防止される。そして、チェンバー本体2の全体
を薄肉部2aと同等程度に薄くした場合には真空に対す
る十分な強度が得られない懸念があるが、本実施例では
渦電流の生じ難いチェンバー本体2の両側部に厚肉部2
bを形成しているとともに、チェンバー本体2を補強す
る多数のリブ3を一体に設けたことにより、真空に対す
る強度も併せて確保できるものである。
対向している上部および下部が薄肉部2aとされてその
厚みが十分に薄くされているので、磁石Mにより急激な
磁場変化が与えられた際にもその薄肉部2aでは渦電流
の発生が抑制され、過度の局部発熱が生じるようなこと
が自ずと防止される。そして、チェンバー本体2の全体
を薄肉部2aと同等程度に薄くした場合には真空に対す
る十分な強度が得られない懸念があるが、本実施例では
渦電流の生じ難いチェンバー本体2の両側部に厚肉部2
bを形成しているとともに、チェンバー本体2を補強す
る多数のリブ3を一体に設けたことにより、真空に対す
る強度も併せて確保できるものである。
【0015】上記構成の真空チェンバー1の製造方法に
ついて説明する。まず、最終的にはチェンバー本体2と
なる楕円形状の管体20を引抜き成形法等により製作す
るが、この管体20の厚み寸法は全周にわたって薄肉部
2aの厚みと均等にしておく。また、リブ3およびチェ
ンバー本体2の厚肉部2bを形成するためのリブ体30
を別途製作する。リブ体30の素材としては図3に示す
ように母材板30aの片面(もしくは両面)にその母材
板30aより低融点のろう材30bを積層してなる市販
のブレージングシートを用いる(たとえばJISZ32
63に規定されているBA23PCあるいはBA24P
C等)。そして、このリブ体30には、管材20の外形
に合致してそれが挿通し得る楕円形状の貫通孔31と、
最終的に厚肉部2bとなる補強部32を形成しておく。
このような形態のリブ体30は、ブレージングシートに
対して打抜きプレス加工を施すことで容易に製作し得
る。
ついて説明する。まず、最終的にはチェンバー本体2と
なる楕円形状の管体20を引抜き成形法等により製作す
るが、この管体20の厚み寸法は全周にわたって薄肉部
2aの厚みと均等にしておく。また、リブ3およびチェ
ンバー本体2の厚肉部2bを形成するためのリブ体30
を別途製作する。リブ体30の素材としては図3に示す
ように母材板30aの片面(もしくは両面)にその母材
板30aより低融点のろう材30bを積層してなる市販
のブレージングシートを用いる(たとえばJISZ32
63に規定されているBA23PCあるいはBA24P
C等)。そして、このリブ体30には、管材20の外形
に合致してそれが挿通し得る楕円形状の貫通孔31と、
最終的に厚肉部2bとなる補強部32を形成しておく。
このような形態のリブ体30は、ブレージングシートに
対して打抜きプレス加工を施すことで容易に製作し得
る。
【0016】そして、図2、図3に示すように、それら
リブ体30を管体20の外側に装着するが、この際、各
リブ体30の補強部32が管体20の両側において一列
に並ぶようになすとともに、それら補強部32の先端を
隣接する他のリブ体30に順次当接させていくようにな
す。これにより、各補強部32はスペーサとして機能し
て各リブ体30が自ずと位置決めされるとともにそれら
の間の間隔が自ずと一定に揃えられ、また各リブ体30
は管体20に対して自ずと仮固定される。
リブ体30を管体20の外側に装着するが、この際、各
リブ体30の補強部32が管体20の両側において一列
に並ぶようになすとともに、それら補強部32の先端を
隣接する他のリブ体30に順次当接させていくようにな
す。これにより、各補強部32はスペーサとして機能し
て各リブ体30が自ずと位置決めされるとともにそれら
の間の間隔が自ずと一定に揃えられ、また各リブ体30
は管体20に対して自ずと仮固定される。
【0017】次いで、上記のようにして多数のリブ体3
0を装着した管体20を電気炉等の加熱炉に装入して真
空雰囲気下でその全体を加熱する。その加熱温度はろう
材30bの溶融温度以上で母材板30aの溶融温度以
下、たとえば550℃程度に設定する。これによりろう
材30bが溶融してリブ体30と管体20との接触部に
自ずと流れ込んでいき、リブ体30は管体20に対して
ろう付けされてそれらは完全に一体化する。これによ
り、図1に示したようにリブ3が形成されるとともに、
リブ体30の補強部32は管体20の両側部に一体化し
てしまってここに厚肉部2bが形成されることになる。
0を装着した管体20を電気炉等の加熱炉に装入して真
空雰囲気下でその全体を加熱する。その加熱温度はろう
材30bの溶融温度以上で母材板30aの溶融温度以
下、たとえば550℃程度に設定する。これによりろう
材30bが溶融してリブ体30と管体20との接触部に
自ずと流れ込んでいき、リブ体30は管体20に対して
ろう付けされてそれらは完全に一体化する。これによ
り、図1に示したようにリブ3が形成されるとともに、
リブ体30の補強部32は管体20の両側部に一体化し
てしまってここに厚肉部2bが形成されることになる。
【0018】上記の製造方法では、リブ体30の素材と
してブレージングシートを用いるので、置きろうを施す
必要がないからろう付け作業の作業性に優れ、また、低
コストを実現できる。また、リブ体30に最終的には厚
肉部2bとなる補強部32を予め形成しておくので、そ
の補強部32によりリブ体30と管体20との接触面積
が十分に大きく確保されてろう付け強度が高められると
ともに、この補強部32がスペーサとして機能して各リ
ブ体30が位置決めされるとともに仮固定されるので、
組み立て時の作業性に優れるものである。
してブレージングシートを用いるので、置きろうを施す
必要がないからろう付け作業の作業性に優れ、また、低
コストを実現できる。また、リブ体30に最終的には厚
肉部2bとなる補強部32を予め形成しておくので、そ
の補強部32によりリブ体30と管体20との接触面積
が十分に大きく確保されてろう付け強度が高められると
ともに、この補強部32がスペーサとして機能して各リ
ブ体30が位置決めされるとともに仮固定されるので、
組み立て時の作業性に優れるものである。
【0019】なお、本発明の真空チェンバーは、アルミ
ニウム合金製のもののみならず銅製やステンレス製のも
のにも適用できるし、その断面形状は楕円形に限らず円
形やレーストラック状とすることもできる。また、本発
明の真空チェンバーにおける薄肉部と厚肉部の配分やそ
れらの形成位置、それぞれの厚み寸法、リブの形状や寸
法、設置間隔、素材等は、真空チェンバーの素材や断面
形状、要求される強度、磁石の位置、等の諸条件を勘案
して最適となるように適宜変更して良いことは勿論であ
る。
ニウム合金製のもののみならず銅製やステンレス製のも
のにも適用できるし、その断面形状は楕円形に限らず円
形やレーストラック状とすることもできる。また、本発
明の真空チェンバーにおける薄肉部と厚肉部の配分やそ
れらの形成位置、それぞれの厚み寸法、リブの形状や寸
法、設置間隔、素材等は、真空チェンバーの素材や断面
形状、要求される強度、磁石の位置、等の諸条件を勘案
して最適となるように適宜変更して良いことは勿論であ
る。
【0020】さらに、本発明の真空チェンバーは必ずし
も上記の製造方法によることはなく、たとえば薄肉部と
厚肉部を最初から有する形態のチェンバー本体を押し出
し成形法等により製作するとともに、補強部を有してい
ないリブ体を製作し、それらを組み合わせてろう付けす
ることによっても同様の形態のものを製造し得る。しか
し、上記実施例の製造方法によれば、上述したような優
れた利点が得られるので、その製造方法を採用すること
が好ましい。
も上記の製造方法によることはなく、たとえば薄肉部と
厚肉部を最初から有する形態のチェンバー本体を押し出
し成形法等により製作するとともに、補強部を有してい
ないリブ体を製作し、それらを組み合わせてろう付けす
ることによっても同様の形態のものを製造し得る。しか
し、上記実施例の製造方法によれば、上述したような優
れた利点が得られるので、その製造方法を採用すること
が好ましい。
【0021】
【発明の効果】以上で説明したように、請求項1の発明
の真空チェンバーは、磁石に対向していて渦電流の生じ
易い部分が薄肉部とされているので、そこでの渦電流の
発生が自ずと抑制されるとともに、渦電流の生じ難い他
の部分は厚肉部とされ、かつ、多数のリブが設けられて
いるので真空に対する強度も併せて確保できるという優
れた効果を奏し、急激な磁場変化を受ける場合に採用し
て特に好適である。
の真空チェンバーは、磁石に対向していて渦電流の生じ
易い部分が薄肉部とされているので、そこでの渦電流の
発生が自ずと抑制されるとともに、渦電流の生じ難い他
の部分は厚肉部とされ、かつ、多数のリブが設けられて
いるので真空に対する強度も併せて確保できるという優
れた効果を奏し、急激な磁場変化を受ける場合に採用し
て特に好適である。
【0022】また、請求項2の発明の製造方法によれ
ば、厚みが全周にわたって均一な管体の外側に多数のリ
ブ体を装着し、それらをろう付けして一体化するととも
に、リブ体には管体と一体化して厚肉部となる補強部を
形成しておくので、管体とリブ体との接触面積が大きく
確保されてろう付け強度が高められるとともに、補強部
はスペーサとしても機能してリブ体の位置決めと仮固定
が自ずとなされるから作業性に優れ、上記真空チェンバ
ーを製造するに採用して好適である。さらに、請求項3
の発明の製造方法によれば、リブ体の素材として予めろ
う材が積層されているブレージングシートを採用したの
で、置きろうの手間が不要でより作業性に優れるととも
にコスト的にも有利である。
ば、厚みが全周にわたって均一な管体の外側に多数のリ
ブ体を装着し、それらをろう付けして一体化するととも
に、リブ体には管体と一体化して厚肉部となる補強部を
形成しておくので、管体とリブ体との接触面積が大きく
確保されてろう付け強度が高められるとともに、補強部
はスペーサとしても機能してリブ体の位置決めと仮固定
が自ずとなされるから作業性に優れ、上記真空チェンバ
ーを製造するに採用して好適である。さらに、請求項3
の発明の製造方法によれば、リブ体の素材として予めろ
う材が積層されているブレージングシートを採用したの
で、置きろうの手間が不要でより作業性に優れるととも
にコスト的にも有利である。
【図1】本発明の実施例である真空チェンバーの横断面
図である。
図である。
【図2】同真空チェンバーの製作過程を示す部分斜視図
である。
である。
【図3】同真空チェンバーの製作過程を示す水平断面図
である。
である。
B 軌道 M 磁石 1 真空チェンバー 2 チェンバー本体 2a 薄肉部 2b 厚肉部 3 リブ 20 管体 30 リブ体 30a 母材板 30b ろう材 31 貫通孔 32 補強部。
Claims (3)
- 【請求項1】 内部に電子ビームの軌道が形成されると
ともに、電子ビームに対して急激な磁場変化を与える磁
石が外部に近接配置される粒子加速器の真空チェンバー
であって、中空管状のチェンバー本体の外側に多数のフ
ランジ状のリブがチェンバー本体の長さ方向に間隔をお
いて設けられているとともに、前記チェンバー本体の周
方向に沿う肉厚は均一ではなく、前記磁石に対向する部
分が薄肉部とされているとともに他の部分はそれより厚
い厚肉部とされていることを特徴とする粒子加速器の真
空チェンバー。 - 【請求項2】 請求項1に記載の真空チェンバーの製造
方法であって、厚み寸法が全周にわたって前記チェンバ
ー本体の薄肉部の厚みに等しい管体を製作するととも
に、その管体の外形に合致する挿通孔を有するとともに
前記厚肉部を形成するための補強部を有するリブ体を製
作し、各補強部が前記管体の長さ方向に一列に並ぶよう
にかつそれら補強部を隣接する他のリブ体に当接させた
状態で多数のリブ体を管体の外側に装着し、次いで、各
リブ体と管体との接触部をろう付けしてそれらを一体化
することを特徴とする粒子加速器の真空チェンバーの製
造方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載の真空チェンバーの製造
方法であって、母材板の片面または両面にろう材が積層
されてなるブレージングシートによって前記リブ体を形
成し、それらリブ体を多数装着した管体を加熱炉に装入
してその全体を加熱することにより、リブ体のろう材を
溶融せしめて母材板を管体に対してろう付けすることを
特徴とする粒子加速器の真空チェンバーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32213992A JPH06176895A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 粒子加速器の真空チェンバーおよびその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32213992A JPH06176895A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 粒子加速器の真空チェンバーおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06176895A true JPH06176895A (ja) | 1994-06-24 |
Family
ID=18140367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32213992A Withdrawn JPH06176895A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 粒子加速器の真空チェンバーおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06176895A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100722026B1 (ko) * | 2005-03-31 | 2007-05-25 | 동경 엘렉트론 주식회사 | 처리 챔버 및 처리 장치 |
JP2016213100A (ja) * | 2015-05-12 | 2016-12-15 | 株式会社日立製作所 | 真空容器、円形加速器、ビーム輸送装置及び粒子線治療システム |
CN116489863A (zh) * | 2022-09-08 | 2023-07-25 | 中国科学院近代物理研究所 | 具有超薄壁和金属内衬的真空腔室结构 |
CN117066822A (zh) * | 2023-08-10 | 2023-11-17 | 中国科学院近代物理研究所 | 加强筋结构的超薄壁真空腔室的制作方法 |
-
1992
- 1992-12-01 JP JP32213992A patent/JPH06176895A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100722026B1 (ko) * | 2005-03-31 | 2007-05-25 | 동경 엘렉트론 주식회사 | 처리 챔버 및 처리 장치 |
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CN116489863A (zh) * | 2022-09-08 | 2023-07-25 | 中国科学院近代物理研究所 | 具有超薄壁和金属内衬的真空腔室结构 |
CN116489863B (zh) * | 2022-09-08 | 2024-01-16 | 中国科学院近代物理研究所 | 具有超薄壁和金属内衬的真空腔室结构 |
CN117066822A (zh) * | 2023-08-10 | 2023-11-17 | 中国科学院近代物理研究所 | 加强筋结构的超薄壁真空腔室的制作方法 |
CN117066822B (zh) * | 2023-08-10 | 2024-04-09 | 中国科学院近代物理研究所 | 加强筋结构的超薄壁真空腔室的制作方法 |
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