JP2000200700A - 高周波加速空胴体及び高周波加速空胴体の製造方法 - Google Patents
高周波加速空胴体及び高周波加速空胴体の製造方法Info
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- JP2000200700A JP2000200700A JP11001910A JP191099A JP2000200700A JP 2000200700 A JP2000200700 A JP 2000200700A JP 11001910 A JP11001910 A JP 11001910A JP 191099 A JP191099 A JP 191099A JP 2000200700 A JP2000200700 A JP 2000200700A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 品質的に優れ、かつ低コストな高周波加速空
胴体装置及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 高周波加速空胴体は、胴部2および水路
形成用部材4の高強度金属材料と内面の電気伝導度の高
い銅板から形成される。真空ろう付け作業を実施する
際、十分な気密性と水密性を得るため、銅板8a、8
b、8cの内周側に銅より腺膨張率の大きな材料からな
る内リング10を設け、その間に袋状金属薄板11を挿
入し、ろう付け時に、胴部2、水路形成用部材4と銅板
8a、8b、8cとを均一な密差性および十分な強度で
接合するものである。
胴体装置及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 高周波加速空胴体は、胴部2および水路
形成用部材4の高強度金属材料と内面の電気伝導度の高
い銅板から形成される。真空ろう付け作業を実施する
際、十分な気密性と水密性を得るため、銅板8a、8
b、8cの内周側に銅より腺膨張率の大きな材料からな
る内リング10を設け、その間に袋状金属薄板11を挿
入し、ろう付け時に、胴部2、水路形成用部材4と銅板
8a、8b、8cとを均一な密差性および十分な強度で
接合するものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、荷電粒子ビーム
装置などに利用される高周波加速空洞体及びその製造方
法に係り、例えばLSI製造工程におけるX線リソグラ
フイ―に用いられる高周波加速空胴体及びその製造方法
に関する。
装置などに利用される高周波加速空洞体及びその製造方
法に係り、例えばLSI製造工程におけるX線リソグラ
フイ―に用いられる高周波加速空胴体及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】荷電粒子ビ―ム装置は図10に示すよう
に、荷電粒子ビーム入射器51と荷電粒子蓄積リング5
2とで構成されている。
に、荷電粒子ビーム入射器51と荷電粒子蓄積リング5
2とで構成されている。
【0003】この荷電粒子蓄積リング52は、電子、陽
電子などの荷電粒子を蓄積する荷電粒子蓄積装置として
の役割を有し、荷電粒子ビ―ム入射器51から入射され
るビ―ムをリング内に導入するインフレクタ53、リン
グ内に導入されたビ―ムの軌道を偏向する偏向電磁石5
4、ビ―ムの集束や軌道を調整する軌道調整用電磁石で
ある四極電磁石55およびバンプ電磁石56などが複数
組リング状に配列され、さらにその中間位置に配置され
る両偏向磁石54、54の間にそれぞれ電磁石55、5
5を介して集束あるいは軌道調整されたビ―ムを加速す
る高周波加速空胴体57が設けられている。このような
構成の荷電粒子ビーム装置において、荷電粒子蓄積リン
グ52に蓄積される荷電粒子ビ―ムは、入射用予備加速
器である荷電粒子ビ―ム入射器51で所定のエネルギ―
に加速入射された後、荷電粒子ビ―ム輸送部を経てイン
フレクタ53から荷電粒子蓄積リング52に入射され
る。
電子などの荷電粒子を蓄積する荷電粒子蓄積装置として
の役割を有し、荷電粒子ビ―ム入射器51から入射され
るビ―ムをリング内に導入するインフレクタ53、リン
グ内に導入されたビ―ムの軌道を偏向する偏向電磁石5
4、ビ―ムの集束や軌道を調整する軌道調整用電磁石で
ある四極電磁石55およびバンプ電磁石56などが複数
組リング状に配列され、さらにその中間位置に配置され
る両偏向磁石54、54の間にそれぞれ電磁石55、5
5を介して集束あるいは軌道調整されたビ―ムを加速す
る高周波加速空胴体57が設けられている。このような
構成の荷電粒子ビーム装置において、荷電粒子蓄積リン
グ52に蓄積される荷電粒子ビ―ムは、入射用予備加速
器である荷電粒子ビ―ム入射器51で所定のエネルギ―
に加速入射された後、荷電粒子ビ―ム輸送部を経てイン
フレクタ53から荷電粒子蓄積リング52に入射され
る。
【0004】この荷電粒子蓄積リング52に入射された
ビ―ムは、偏向電磁石54により偏向され、軌道調整用
電磁石55、56で収束、軌道調整された後、高周波加
速空胴体57で加速され、荷電粒子蓄積リング内部に形
成される真空ダクト内を周回する。この場合、高周波加
速空胴体57内には荷電粒子の速度に同期した数+MH
zから数GHz程度の高周波の高電界による電力が供給
される。
ビ―ムは、偏向電磁石54により偏向され、軌道調整用
電磁石55、56で収束、軌道調整された後、高周波加
速空胴体57で加速され、荷電粒子蓄積リング内部に形
成される真空ダクト内を周回する。この場合、高周波加
速空胴体57内には荷電粒子の速度に同期した数+MH
zから数GHz程度の高周波の高電界による電力が供給
される。
【0005】ところで、従来の高周波加速空胴体57は
図11に示す構成のものが用いられている。
図11に示す構成のものが用いられている。
【0006】この高周波加速空胴体57は、ビーム軸方
向と直交する方向に設けられた円筒状胴部61およびこ
の円筒状胴部61の端部内側に取り付けられ、冷却用水
路62が形成された水路形成用部材63よりなる空胴本
体64と、この空胴本体64の外周面側から高周波電力
を当該空胴本体64内に供給するための入力カプラーポ
ート65と、空胴本体64の外周に設けられた共振周波
数の調整のためのチューナーポート66と、空胴本体6
4のほぼ中央部に貫通するごとく設けられたビームポー
ト67とによって構成されている。前記空胴本体64を
構成する胴部61及び水路形成用部材63は、電気伝導
度、熱伝導度の良好な電子管用無酸素銅からなり、その
内部は超高真空に保持されている。また、空胴表面は、
表皮効果により金属表面の数マイクロオ―ダの非常に薄
い層に高周波電流が流れるので、金属抵抗値の上昇を抑
えるために、表面粗さが3S以下に仕上げ加工されてい
る。
向と直交する方向に設けられた円筒状胴部61およびこ
の円筒状胴部61の端部内側に取り付けられ、冷却用水
路62が形成された水路形成用部材63よりなる空胴本
体64と、この空胴本体64の外周面側から高周波電力
を当該空胴本体64内に供給するための入力カプラーポ
ート65と、空胴本体64の外周に設けられた共振周波
数の調整のためのチューナーポート66と、空胴本体6
4のほぼ中央部に貫通するごとく設けられたビームポー
ト67とによって構成されている。前記空胴本体64を
構成する胴部61及び水路形成用部材63は、電気伝導
度、熱伝導度の良好な電子管用無酸素銅からなり、その
内部は超高真空に保持されている。また、空胴表面は、
表皮効果により金属表面の数マイクロオ―ダの非常に薄
い層に高周波電流が流れるので、金属抵抗値の上昇を抑
えるために、表面粗さが3S以下に仕上げ加工されてい
る。
【0007】なお、水路形成用部材63の水路62は、
高周波加速空胴体57に大電力、かつ高電界が生じ、内
周面も大きくなることから、かなりの発熱量を生じるの
で、この発熱による空胴本体64の温度上昇を防ぐため
に設けられたものである。
高周波加速空胴体57に大電力、かつ高電界が生じ、内
周面も大きくなることから、かなりの発熱量を生じるの
で、この発熱による空胴本体64の温度上昇を防ぐため
に設けられたものである。
【0008】ところで、このような構成の高周波加速空
胴体57を製造するには、無酸素銅ブロックから機械加
工により削り出して、胴部61および水路形成用部材6
3をそれぞれ形成し、各々の内面加工を施し、ついで冷
却水路用溝を加工し、しかる後各胴部61および水路形
成用部材63をろう付け、あるいは溶接にて接合する。
胴体57を製造するには、無酸素銅ブロックから機械加
工により削り出して、胴部61および水路形成用部材6
3をそれぞれ形成し、各々の内面加工を施し、ついで冷
却水路用溝を加工し、しかる後各胴部61および水路形
成用部材63をろう付け、あるいは溶接にて接合する。
【0009】また、別の製造方法としては、前述したよ
うに空胴体表面が表皮効果により金属表面の数マイクロ
オ―ダの非常に薄い層に高周波電流が流れることから、
空胴体の内面が電気伝導度の優れた銅に覆われている必
要があるので、図12に示すように炭素鋼やステンレス
鋼強度が高く製作性の容易な炭素鋼やステンレスからな
る空胴本体64を構成する胴部61および水路形成用部
材63の内面に銅メッキ68を施し、それをろう付けあ
るいは溶接にて一体に接合する。
うに空胴体表面が表皮効果により金属表面の数マイクロ
オ―ダの非常に薄い層に高周波電流が流れることから、
空胴体の内面が電気伝導度の優れた銅に覆われている必
要があるので、図12に示すように炭素鋼やステンレス
鋼強度が高く製作性の容易な炭素鋼やステンレスからな
る空胴本体64を構成する胴部61および水路形成用部
材63の内面に銅メッキ68を施し、それをろう付けあ
るいは溶接にて一体に接合する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような製
造方法により高周波加速空胴体を製作した場合、空胴本
体64全てが銅ブロックから機械加工にて削り出すの
で、製作に手間がかかり、また電子管用無酸素銅も高価
であることから製作性やコストに問題がある。
造方法により高周波加速空胴体を製作した場合、空胴本
体64全てが銅ブロックから機械加工にて削り出すの
で、製作に手間がかかり、また電子管用無酸素銅も高価
であることから製作性やコストに問題がある。
【0011】一方、炭素鋼やステンレス鋼の材料からな
る空胴本体64の内面に銅メッキを施した高周波加速空
胴体の製作方法は、銅メッキ面がブロックに比べて組織
の緻密性が悪く、電気伝導度も低いことから、高周波加
速空胴体としての電気的特性が劣るといった問題があ
る。
る空胴本体64の内面に銅メッキを施した高周波加速空
胴体の製作方法は、銅メッキ面がブロックに比べて組織
の緻密性が悪く、電気伝導度も低いことから、高周波加
速空胴体としての電気的特性が劣るといった問題があ
る。
【0012】本発明は上記のような事情に鑑みなされた
もので、電気的特性を改善し、品質の向上を図る高周波
加速空胴体を提供することにある。
もので、電気的特性を改善し、品質の向上を図る高周波
加速空胴体を提供することにある。
【0013】本発明は気密性、水密性に優れ、かつ、低
コストを図る高周波加速空胴体の製造方法を提供するこ
とにある。
コストを図る高周波加速空胴体の製造方法を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、ビーム軸方向に直交する方向に筒状をな
す胴部とこの胴部の端部内側に配置され水路を形成した
水路形成用部材とが接合され、これら胴部および水路形
成用部材の内面に電気伝導度の高い銅板を配置させたク
ラッド構造とした高周波加速空胴体である。
決するために、ビーム軸方向に直交する方向に筒状をな
す胴部とこの胴部の端部内側に配置され水路を形成した
水路形成用部材とが接合され、これら胴部および水路形
成用部材の内面に電気伝導度の高い銅板を配置させたク
ラッド構造とした高周波加速空胴体である。
【0015】このような手段によれば、胴部および水路
形成用部材は炭素鋼やステンレス鋼などの高強度金属材
料からなるので、全て銅のブロックからなる胴部より
も、製作上の手間が少なく、コストの低減化も実現でき
る。さらに、胴部および水路形成用部材の内面に電気伝
導度の高い銅板を配置することによって高周波加速空胴
体の電気特性は良くなる。
形成用部材は炭素鋼やステンレス鋼などの高強度金属材
料からなるので、全て銅のブロックからなる胴部より
も、製作上の手間が少なく、コストの低減化も実現でき
る。さらに、胴部および水路形成用部材の内面に電気伝
導度の高い銅板を配置することによって高周波加速空胴
体の電気特性は良くなる。
【0016】別の発明は、ビーム軸方向に直交する方向
に筒状をなす胴部とこの胴部の端部内側に水路形成用部
材とをもつ空胴体内に高周波電力を入力し、この高周波
電力によって発生する電界により荷電粒子を加速させる
高周波加速空胴体の製造方法において、前記胴部および
水路形成用部材として高強度金属材料を用いて所要の形
状に形成するとともに、これら胴部および水路形成用部
材の内面にそれぞれ電気伝導度の高い銅板を配置し、真
空ろう付けにより接合したものを一体化し、前記空胴体
とする高周波加速空胴体の製造方法である。
に筒状をなす胴部とこの胴部の端部内側に水路形成用部
材とをもつ空胴体内に高周波電力を入力し、この高周波
電力によって発生する電界により荷電粒子を加速させる
高周波加速空胴体の製造方法において、前記胴部および
水路形成用部材として高強度金属材料を用いて所要の形
状に形成するとともに、これら胴部および水路形成用部
材の内面にそれぞれ電気伝導度の高い銅板を配置し、真
空ろう付けにより接合したものを一体化し、前記空胴体
とする高周波加速空胴体の製造方法である。
【0017】この手段によれば、胴部および水路形成用
部材の内面に電気伝導度に優れた銅板を配置することに
より、従来の銅ブロックに比べて機械加工が容易で低コ
ストを実現でき、また真空ろう付けにより一体化するの
で、胴部、部材と銅板との接合面に十分な強度を得るこ
とができる。
部材の内面に電気伝導度に優れた銅板を配置することに
より、従来の銅ブロックに比べて機械加工が容易で低コ
ストを実現でき、また真空ろう付けにより一体化するの
で、胴部、部材と銅板との接合面に十分な強度を得るこ
とができる。
【0018】また、別の発明は、前記胴部の内面に配置
される電気伝導度の高い銅板の内周側に前記銅板よりも
線膨張率の大きい材料よりなる内リングを設け、真空ろ
う付けを行う高周波加速空胴体の製造方法である。
される電気伝導度の高い銅板の内周側に前記銅板よりも
線膨張率の大きい材料よりなる内リングを設け、真空ろ
う付けを行う高周波加速空胴体の製造方法である。
【0019】この手段によれば、内リングを設けること
によって、前記胴部の内周側と前記銅板との接合面の間
に、真空ろう付けを行う時に発生する熱膨張の差を吸収
し、この結果、上記胴部と上記銅板に面圧が働いた状態
に真空ろう付けが行われ、接合面により十分な強度を得
ることができる。さらに、接合面の接合は全面にわたっ
て一様に行われ、かつ、上記熱膨張の差を吸収すること
によって被接合体に変形を与えることなく、十分な気密
性、水密性を得ることができ、品質的に優れたものを実
現することができる。
によって、前記胴部の内周側と前記銅板との接合面の間
に、真空ろう付けを行う時に発生する熱膨張の差を吸収
し、この結果、上記胴部と上記銅板に面圧が働いた状態
に真空ろう付けが行われ、接合面により十分な強度を得
ることができる。さらに、接合面の接合は全面にわたっ
て一様に行われ、かつ、上記熱膨張の差を吸収すること
によって被接合体に変形を与えることなく、十分な気密
性、水密性を得ることができ、品質的に優れたものを実
現することができる。
【0020】さらに、別の発明は、前記内リングと水路
形成用部材内面に配置された銅板との間に袋状金属性薄
板を介挿し、真空ろう付けを行う高周波加速空胴体の製
造方法である。
形成用部材内面に配置された銅板との間に袋状金属性薄
板を介挿し、真空ろう付けを行う高周波加速空胴体の製
造方法である。
【0021】この手段によれば、上記袋状金属薄板に不
活性ガスを注入し、真空ろう付けを行うため全体を真空
炉に入れ加熱を行うと、上記不活性ガスはあらゆる方向
に膨張する。この結果、ポート等のある複雑な構造に対
しても接合面の密着性が可能になり、十分な気密性、水
密性を得ることができ、品質的に優れたものを実現する
ことができる。
活性ガスを注入し、真空ろう付けを行うため全体を真空
炉に入れ加熱を行うと、上記不活性ガスはあらゆる方向
に膨張する。この結果、ポート等のある複雑な構造に対
しても接合面の密着性が可能になり、十分な気密性、水
密性を得ることができ、品質的に優れたものを実現する
ことができる。
【0022】さらに、別の発明は、前記胴部および水路
形成用部材の何れか一方または両方の内面にろう溝を形
成し、このろう溝にろう材を埋め込み、真空ろう付けを
行う高周波空胴体の製造方法である。
形成用部材の何れか一方または両方の内面にろう溝を形
成し、このろう溝にろう材を埋め込み、真空ろう付けを
行う高周波空胴体の製造方法である。
【0023】この手段によれば、上記ろう溝を設けるこ
とによって、ろう材を所定の位置に配置することがで
き、また加熱による液体ろうの流れすぎを防止すること
により、接合面の接合は全面にわたって一様に行われ、
十分な気密性、水密性を得ることができる。
とによって、ろう材を所定の位置に配置することがで
き、また加熱による液体ろうの流れすぎを防止すること
により、接合面の接合は全面にわたって一様に行われ、
十分な気密性、水密性を得ることができる。
【0024】さらに、別の発明は、前記胴部および水路
形成用部材の何れか一方または両方とこれら部材に対応
する銅板との間に、前記胴部、水路形成用部材などの母
材と異なる組成、組織をもった金属のインサート材を介
挿し、拡散接合により一体化接合し、前記空胴体とする
高周波加速空胴体の製造方法である。
形成用部材の何れか一方または両方とこれら部材に対応
する銅板との間に、前記胴部、水路形成用部材などの母
材と異なる組成、組織をもった金属のインサート材を介
挿し、拡散接合により一体化接合し、前記空胴体とする
高周波加速空胴体の製造方法である。
【0025】この手段によれば、前記胴部、水路形成用
部材などの母材と異なる組成、組織をもった金属のイン
サート材を真空炉にて拡散温度まで加熱し、拡散接合に
より一体化して前記空胴体を製作する。その接合部は母
材とインサート材の合金層により形成され、十分な強度
を得ることができる。
部材などの母材と異なる組成、組織をもった金属のイン
サート材を真空炉にて拡散温度まで加熱し、拡散接合に
より一体化して前記空胴体を製作する。その接合部は母
材とインサート材の合金層により形成され、十分な強度
を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
て図面を参照して説明する。
【0027】図1は本発明に係わる高周波加速空胴体及
びその製造方法の一実施の形態を示す構成図、図2は図
1の“X”部分を詳細に示す拡大図である。
びその製造方法の一実施の形態を示す構成図、図2は図
1の“X”部分を詳細に示す拡大図である。
【0028】これら図において1は高周波加速空胴体に
おける空胴本体であって、これはビーム軸方向と直交す
る方向に設けられた円筒状の胴部2と、この胴部2端部
の内側に設けられ空胴本体1を冷却するための水路3が
形成された水路形成用部材4とからなり、これら胴部2
および水路形成用部材4はろう付けあるいは溶接等によ
り一体的に構成されている、さらに、水路形成用部材4
の内周壁から外側に向けて外周面から高周波電力を空胴
内に供給するための入力カプラーポート5が突設されて
いる。なお、胴部2および水路形成用部材4は、例えば
炭素鋼、ステンレス鋼等の高強度金属材料で形成されて
いる。6は空胴本体1の外周に設けられ共振周波数を調
整するためのチェーナポート、7は空胴本体1の中央部
ビーム軸方向に設けられビームを通すためのビームポー
トである。
おける空胴本体であって、これはビーム軸方向と直交す
る方向に設けられた円筒状の胴部2と、この胴部2端部
の内側に設けられ空胴本体1を冷却するための水路3が
形成された水路形成用部材4とからなり、これら胴部2
および水路形成用部材4はろう付けあるいは溶接等によ
り一体的に構成されている、さらに、水路形成用部材4
の内周壁から外側に向けて外周面から高周波電力を空胴
内に供給するための入力カプラーポート5が突設されて
いる。なお、胴部2および水路形成用部材4は、例えば
炭素鋼、ステンレス鋼等の高強度金属材料で形成されて
いる。6は空胴本体1の外周に設けられ共振周波数を調
整するためのチェーナポート、7は空胴本体1の中央部
ビーム軸方向に設けられビームを通すためのビームポー
トである。
【0029】これら胴部2及ぶ水路形成用部材4は前述
したように高強度金属材料を用いて一体化したものであ
るが、図2に示すようにその内周壁に圧延された電気伝
導度の高い円筒状の銅板8a、8bが真空ろう付けなど
で接合され、いわゆるクラッド構造に形成されている。
入力カプラーポート5の内周面についても同様に圧延さ
れた電気伝導度の高い円筒状の銅板8cが接合されてい
る。
したように高強度金属材料を用いて一体化したものであ
るが、図2に示すようにその内周壁に圧延された電気伝
導度の高い円筒状の銅板8a、8bが真空ろう付けなど
で接合され、いわゆるクラッド構造に形成されている。
入力カプラーポート5の内周面についても同様に圧延さ
れた電気伝導度の高い円筒状の銅板8cが接合されてい
る。
【0030】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、胴部2、水路形成用部材4の内面に電気伝導度の優
れた銅板で覆うことにより、数マイクロオーダの非常に
薄い層を流れる高周波電流がスムーズに流れ、電流増加
に伴うビームの不安定性を回避でき、理想的な特性を持
つ空胴内面とすることができる。つまり、電気的特性の
改善を図り、、高周波空胴体の品質を高めることができ
る。
ば、胴部2、水路形成用部材4の内面に電気伝導度の優
れた銅板で覆うことにより、数マイクロオーダの非常に
薄い層を流れる高周波電流がスムーズに流れ、電流増加
に伴うビームの不安定性を回避でき、理想的な特性を持
つ空胴内面とすることができる。つまり、電気的特性の
改善を図り、、高周波空胴体の品質を高めることができ
る。
【0031】次に、本発明に係わる高周波加速空胴体の
製造方法の一実施の形態について説明する。
製造方法の一実施の形態について説明する。
【0032】先ず、胴部2および水路形成用部材4を製
作する。胴部2は炭素鋼、ステンレス鋼等の高強度金属
材料を削りとって筒状にするが、或いは所定長さの前記
高強度金属材料の板体を折曲させて筒状に形成する。
作する。胴部2は炭素鋼、ステンレス鋼等の高強度金属
材料を削りとって筒状にするが、或いは所定長さの前記
高強度金属材料の板体を折曲させて筒状に形成する。
【0033】次に、水路形成用部材4についても、胴部
2と同様の高強度金属材料を削りとって筒状に形成した
後、その部材4外周面に水路3となる溝を加工する。こ
の水路3は空胴内面の最終形状と発熱分布を考慮して作
られ、この水路3の位置に対応して出入口水路(図示せ
ず)が加工される。
2と同様の高強度金属材料を削りとって筒状に形成した
後、その部材4外周面に水路3となる溝を加工する。こ
の水路3は空胴内面の最終形状と発熱分布を考慮して作
られ、この水路3の位置に対応して出入口水路(図示せ
ず)が加工される。
【0034】しかる後、胴部2および部材4の内周面に
圧延された電気伝導度の高い筒状銅板8a、8bを配置
することによりクラッド構造とし、これら胴部2、部材
4と銅板8a、8bとを図2に示すように真空ろう付け
により接合する。同図の9は真空ろう付けによる接合面
である。
圧延された電気伝導度の高い筒状銅板8a、8bを配置
することによりクラッド構造とし、これら胴部2、部材
4と銅板8a、8bとを図2に示すように真空ろう付け
により接合する。同図の9は真空ろう付けによる接合面
である。
【0035】さらに、水路形成用部材4の内周面側にカ
プラーを取り付けるためのカプラーポート5およびチュ
ーナーを取り付けるためのチューナーポート6が溶接等
により接合される。
プラーを取り付けるためのカプラーポート5およびチュ
ーナーを取り付けるためのチューナーポート6が溶接等
により接合される。
【0036】さらに、胴部2のほぼ中央部にビームライ
ンを通すためのビームポート7が溶接等により接合され
る。
ンを通すためのビームポート7が溶接等により接合され
る。
【0037】従って、以上のような製造方法によれば、
空胴表面が電気伝導度の高い銅板8a、8b、8cで覆
われているので、表皮効果により金属表面の数マイクロ
オーダの非常に薄い層に高周波電流がスムーズに流れる
ので、電流増加に伴うビームの不安定性を回避でき、理
想的な特性をもつ空胴内面とすることができる。
空胴表面が電気伝導度の高い銅板8a、8b、8cで覆
われているので、表皮効果により金属表面の数マイクロ
オーダの非常に薄い層に高周波電流がスムーズに流れる
ので、電流増加に伴うビームの不安定性を回避でき、理
想的な特性をもつ空胴内面とすることができる。
【0038】また、空胴内面が電気伝導度の優れた銅に
覆われていればよいので、空胴本体1全てを銅のブロッ
クから機械加工にて削りとるよりも低コストで実現でき
る。
覆われていればよいので、空胴本体1全てを銅のブロッ
クから機械加工にて削りとるよりも低コストで実現でき
る。
【0039】また、空胴本体1は高真空中で使用される
ことから、不純物の少ない清浄でなめらかな表面である
ことが要求され、真空中で加熱されることから母材の酸
化、浸炭がなく、母材に含まれている気体の脱ガス作用
があり、表面が酸化された母材でも還元され、光輝性の
ある表面が得られる二次的効果も得られる。
ことから、不純物の少ない清浄でなめらかな表面である
ことが要求され、真空中で加熱されることから母材の酸
化、浸炭がなく、母材に含まれている気体の脱ガス作用
があり、表面が酸化された母材でも還元され、光輝性の
ある表面が得られる二次的効果も得られる。
【0040】さらに、被接合体との接合面の間にろう材
を挿入し、真空あるいは不活性ガスの保護雰囲気で被接
合体を合わせ、その接合界面近傍を被接合体の融点以下
の温度に加熱し、被接合体に変形を与えない圧力を接合
面に加え、被接合物が一体化するまで上記状態を保たせ
てつつ一体化するので、接合面に十分な強度を得ること
ができ、接合面の全面に渡って一様な接合がなされ、、
また被接合体に変形を与えることなく、十分な気密性、
水密性を得ることができ、品質的にも優れたものを作る
ことができる。
を挿入し、真空あるいは不活性ガスの保護雰囲気で被接
合体を合わせ、その接合界面近傍を被接合体の融点以下
の温度に加熱し、被接合体に変形を与えない圧力を接合
面に加え、被接合物が一体化するまで上記状態を保たせ
てつつ一体化するので、接合面に十分な強度を得ること
ができ、接合面の全面に渡って一様な接合がなされ、、
また被接合体に変形を与えることなく、十分な気密性、
水密性を得ることができ、品質的にも優れたものを作る
ことができる。
【0041】図3は空胴本体1の一部を改良した図であ
る。
る。
【0042】胴部2は円筒構造であるので、銅板8aを
ロ−ル曲げ等により製作すると、寸法精度の確保が困難
となり、接合面の全面にわたって一様な接合ができない
可能性がある。
ロ−ル曲げ等により製作すると、寸法精度の確保が困難
となり、接合面の全面にわたって一様な接合ができない
可能性がある。
【0043】そこで、真空ろう付け時に内筒の銅板8a
の内径側に銅板8aにくらべて線膨張率が大きい内リン
グ10を設定する。真空ろう付けを行うため全体を真空
炉内に入れて加熱すると、胴部2、銅板8aおよび内リ
ング10は熱膨張により半径方向に膨張する。このと
き、胴部2の線膨張率は銅板8aよりも小さく、内リン
グ10の線膨張率は銅板8aよりも大きい例えばアルミ
ニユム、黄銅等を用いれば、銅板8は両者の線膨張率の
差に相当する分だけ熱膨張が抑えられる。この結果、胴
部2と銅板8aには面圧が働いた状態において真空ろう
付けが行なわれ、より接合面に十分な強度を得ることが
でき、接合面の全面にわたって一様な接合がなされ、ま
た被接合体に変形を与えることなく、十分な気密性、水
密性を得ることができ、品質的に優れたものを実現でき
る。
の内径側に銅板8aにくらべて線膨張率が大きい内リン
グ10を設定する。真空ろう付けを行うため全体を真空
炉内に入れて加熱すると、胴部2、銅板8aおよび内リ
ング10は熱膨張により半径方向に膨張する。このと
き、胴部2の線膨張率は銅板8aよりも小さく、内リン
グ10の線膨張率は銅板8aよりも大きい例えばアルミ
ニユム、黄銅等を用いれば、銅板8は両者の線膨張率の
差に相当する分だけ熱膨張が抑えられる。この結果、胴
部2と銅板8aには面圧が働いた状態において真空ろう
付けが行なわれ、より接合面に十分な強度を得ることが
でき、接合面の全面にわたって一様な接合がなされ、ま
た被接合体に変形を与えることなく、十分な気密性、水
密性を得ることができ、品質的に優れたものを実現でき
る。
【0044】図4は空胴本体1の一部を更に改良した図
である。
である。
【0045】この例は、ろう付け時に接合面により効率
的に面圧を働かせるため、銅板8a、8bと内リング1
0との間に不活性ガスが注入された金属性薄板袋11を
介挿した構成である。真空ろう付けを行うため全体を真
空炉内に入れて加熱すると、金属性薄板袋11が熱膨張
によって半径方向に膨張し、銅板8aが胴部2に一様な
面圧で接合される。
的に面圧を働かせるため、銅板8a、8bと内リング1
0との間に不活性ガスが注入された金属性薄板袋11を
介挿した構成である。真空ろう付けを行うため全体を真
空炉内に入れて加熱すると、金属性薄板袋11が熱膨張
によって半径方向に膨張し、銅板8aが胴部2に一様な
面圧で接合される。
【0046】よって、ポ−ト等のある複雑な構造に対し
ても密着性が得られることにより、より接合面の全面に
わたって一様な接合がなされ、また被接合体に変形を与
えることなく、十分な気密性、水密性を得ることがで
き、品質的に優れたたものを実現できる。
ても密着性が得られることにより、より接合面の全面に
わたって一様な接合がなされ、また被接合体に変形を与
えることなく、十分な気密性、水密性を得ることがで
き、品質的に優れたたものを実現できる。
【0047】図5は空胴本体1の一部をさらに改良した
図である。
図である。
【0048】この例は、胴部2の内面に旋盤加工等によ
りスパイラル状のろう溝12を設け、このろう溝12に
ワイヤとしてろう材を埋め込み、真空ろう付けを可能と
する。このろう付けの温度条件はろう材の固相線温度よ
りも高く、また液相線よりも低い温度範囲とする。
りスパイラル状のろう溝12を設け、このろう溝12に
ワイヤとしてろう材を埋め込み、真空ろう付けを可能と
する。このろう付けの温度条件はろう材の固相線温度よ
りも高く、また液相線よりも低い温度範囲とする。
【0049】このことにより、スパイラル状のろう溝1
2に等間隔にてろう材を配置したことにより、ろう付け
時に胴部2と銅板8aとが一様に密着され、、かつ、ろ
う材が溶融されたときに均一に胴部2にまわり込み、ま
た温度条件を上記範囲にてろう付けすることにより、ろ
うの流れすぎを防止でき、接合面の全面にわたって一様
な接合がなされ、また被接合体に変形を与えることな
く、十分な気密性、水密性を得ることができ、品質的に
優れたものを得ることができる。
2に等間隔にてろう材を配置したことにより、ろう付け
時に胴部2と銅板8aとが一様に密着され、、かつ、ろ
う材が溶融されたときに均一に胴部2にまわり込み、ま
た温度条件を上記範囲にてろう付けすることにより、ろ
うの流れすぎを防止でき、接合面の全面にわたって一様
な接合がなされ、また被接合体に変形を与えることな
く、十分な気密性、水密性を得ることができ、品質的に
優れたものを得ることができる。
【0050】なお、胴部2内面のビームラインと直交す
る方向にスパイラル状のろう溝12を形成したが、ビー
ムラインと同一方向にスパイラルのろう溝12を形成し
てもよい。
る方向にスパイラル状のろう溝12を形成したが、ビー
ムラインと同一方向にスパイラルのろう溝12を形成し
てもよい。
【0051】また、水路形成用部材4の内面にもスパイ
ラル状のろう溝を設けてもよい図6は胴部2および水路
形成用部材4の部分拡大図である。
ラル状のろう溝を設けてもよい図6は胴部2および水路
形成用部材4の部分拡大図である。
【0052】この例は、胴部2、水路形成用部材4とこ
れら内面の銅板8a、8bとの間に母材と異なった組
成、組織をもった金属のインサ−ト材13を挿入したも
のである。それぞれを真空炉にて拡散温度まで加熱し、
拡散接合により接合したものを一体化して空胴本体を製
作する。その接合部は母材とインサ−ト材13の合金層
が形成され、十分な強度を得ることができる。
れら内面の銅板8a、8bとの間に母材と異なった組
成、組織をもった金属のインサ−ト材13を挿入したも
のである。それぞれを真空炉にて拡散温度まで加熱し、
拡散接合により接合したものを一体化して空胴本体を製
作する。その接合部は母材とインサ−ト材13の合金層
が形成され、十分な強度を得ることができる。
【0053】また、前記インサ−ト材13の代わりに半
田に対しても同様の効果は得られるが、ただろう付け等
に比べると接合強度が弱いものの、接合温度が低くてす
み、作業性が容易となる利点がある。
田に対しても同様の効果は得られるが、ただろう付け等
に比べると接合強度が弱いものの、接合温度が低くてす
み、作業性が容易となる利点がある。
【0054】空胴表面は表皮効果により金属表面の数マ
イクロオ−ダの表情に薄い層に高周波電流がながれるた
め、空胴体の内面が電気伝導度の優れた銅に覆われてい
ればよいので、空胴本体1全てを銅のブロックから製造
することができる。
イクロオ−ダの表情に薄い層に高周波電流がながれるた
め、空胴体の内面が電気伝導度の優れた銅に覆われてい
ればよいので、空胴本体1全てを銅のブロックから製造
することができる。
【0055】図7は高周波加速空胴体の一部切欠断面図
である。
である。
【0056】この例は、胴部2および水路形成用部材4
が一般銅材料から作られ、各部材2、4胴部の内面に圧
延された電気伝導度の高い銅板を配置したクラッド構造
とすると共に、これら部材2、4の各ポート接合部分を
切り欠いてインロ―構造16とし、各ポートをろう付け
等により空胴本体を製作する。この構造によりポート内
面側の銅板と胴部内面側の銅板との溶接をなくすことが
でき、製作性が容易になる。胴部は一般の銅であるた
め、材料コストは安価となる。
が一般銅材料から作られ、各部材2、4胴部の内面に圧
延された電気伝導度の高い銅板を配置したクラッド構造
とすると共に、これら部材2、4の各ポート接合部分を
切り欠いてインロ―構造16とし、各ポートをろう付け
等により空胴本体を製作する。この構造によりポート内
面側の銅板と胴部内面側の銅板との溶接をなくすことが
でき、製作性が容易になる。胴部は一般の銅であるた
め、材料コストは安価となる。
【0057】図8はモデル空胴による性能特性結果であ
って、本発明の効果を表す図である。縦軸は高周波加速
空胴体の代表的特性である無負荷Q値で、理想的な空胴
体内面を持つと仮定した場合の理論値を100%とした
幾つかの共振モ―ドの結果をプロットしたものである。
って、本発明の効果を表す図である。縦軸は高周波加速
空胴体の代表的特性である無負荷Q値で、理想的な空胴
体内面を持つと仮定した場合の理論値を100%とした
幾つかの共振モ―ドの結果をプロットしたものである。
【0058】一般に、Q値は同じモ―ド系列では共振周
波数が高いほど表面状態や胴部2、部材4の接触状態に
敏感になり、理論値に対して低下する。ここでは、小型
のモデル空胴体であり、共振周波数が700MHz以上
と高いが、本発明の好適する比較的大型の空胴体では5
00MHz程度以下の周波数で用いられることが多い。
通常、対理論値で95%を超えれば高性能の高周波加速
空胴体といえる。
波数が高いほど表面状態や胴部2、部材4の接触状態に
敏感になり、理論値に対して低下する。ここでは、小型
のモデル空胴体であり、共振周波数が700MHz以上
と高いが、本発明の好適する比較的大型の空胴体では5
00MHz程度以下の周波数で用いられることが多い。
通常、対理論値で95%を超えれば高性能の高周波加速
空胴体といえる。
【0059】本発明の空胴体では700MHz以下では
対理論値90%以上で、実際領域の500MHz程度以
下ではほぼ理論値に近い95%以上が期待できる。ま
た、銅メッキの空胴体よりも高いQ値が得られることが
分かる。図9は電子・陽子衝突型加速器リングに用いら
れる空胴体の一例である。この空胴体では従来の数+倍
オ―ダ―の大電流が必要とされ、電流増加に伴うビ―ム
不安定性を安定化させるため空胴本体1にエネルギ―貯
蔵空胴18が接続される。エネルギ―貯蔵空胴体18は
空胴本体と基本的に同じ構成であるが、寸法が空胴本体
1に比べてかなり大きくなり、本発明を適用する上でよ
り効果が顕著となる。
対理論値90%以上で、実際領域の500MHz程度以
下ではほぼ理論値に近い95%以上が期待できる。ま
た、銅メッキの空胴体よりも高いQ値が得られることが
分かる。図9は電子・陽子衝突型加速器リングに用いら
れる空胴体の一例である。この空胴体では従来の数+倍
オ―ダ―の大電流が必要とされ、電流増加に伴うビ―ム
不安定性を安定化させるため空胴本体1にエネルギ―貯
蔵空胴18が接続される。エネルギ―貯蔵空胴体18は
空胴本体と基本的に同じ構成であるが、寸法が空胴本体
1に比べてかなり大きくなり、本発明を適用する上でよ
り効果が顕著となる。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、高強
度金属材料の胴部および水路形成用部材からなる高周波
加速空胴体の空胴本体は、製造上の手間が少なく、コス
トの低減化も実現できる。また、胴部および水路形成用
部材の内面に電気伝導度の高い銅板を配置することによ
って高周波加速空胴体の電気特性は良くなる。
度金属材料の胴部および水路形成用部材からなる高周波
加速空胴体の空胴本体は、製造上の手間が少なく、コス
トの低減化も実現できる。また、胴部および水路形成用
部材の内面に電気伝導度の高い銅板を配置することによ
って高周波加速空胴体の電気特性は良くなる。
【0061】さらに、本発明の高周波か速空胴体製造方
法によれば、胴部、水路形成用部材と上記銅板を接合
し、接合面に十分な強度を得ることができ、接合面の全
面に渡って一様な接合がなされ、また被接合体に変形を
与えることなく、十分な気密性、水密性を得ることがで
き、品質的に優れる高周波か速空胴体の製作を実現でき
る。
法によれば、胴部、水路形成用部材と上記銅板を接合
し、接合面に十分な強度を得ることができ、接合面の全
面に渡って一様な接合がなされ、また被接合体に変形を
与えることなく、十分な気密性、水密性を得ることがで
き、品質的に優れる高周波か速空胴体の製作を実現でき
る。
【図1】本発明に係わる高周波加速空胴体の一実施の形
態をを示す断面図。
態をを示す断面図。
【図2】図1に示す“X”部分を詳細に示す拡大図
【図3】本発明に係わる高周波加速空胴体の製造方法の
一実施形態を説明する断面図
一実施形態を説明する断面図
【図4】本発明に係わる高周波加速空胴体の製造方法の
他の実施形態を説明する断面図
他の実施形態を説明する断面図
【図5】本発明による高周波加速空胴体の製造方法のさ
らに他の実施形態を説明する断面図
らに他の実施形態を説明する断面図
【図6】本発明に係わる高周波加速空胴体の製造方法の
さらに他の実施の形態を説明する部分拡大図
さらに他の実施の形態を説明する部分拡大図
【図7】本発明に係わる高周波加速空胴体の製造方法を
説明する断面図
説明する断面図
【図8】本発明の製造方法で製造される空胴本体におけ
るQ値特性図
るQ値特性図
【図9】本発明の適用例を説明するための断面図
【図10】従来の一般的な荷電粒子ビ―ム装置の構成図
【図11】従来の周波加速空胴体の製造方法を説明する
断面図
断面図
【図12】従来の高周波加速空胴体の銅メッキによる製
造方法を説明する断面図
造方法を説明する断面図
1…空胴本体 2…胴部 3…水路 4…水路形成用部材 5…入力カプラ―ポ―ト 6…チュ―ナ―ポ―ト 7…ビ―ムポ―ト 8a、8b、8c…銅板 9…接合面 10…内リング 11…袋状金属薄板 12…ろう溝 13…インサ―ト材
Claims (6)
- 【請求項1】 ビーム軸方向に直交する方向に筒状をな
す胴部とこの胴部の端部内側に配置され水路を形成した
水路形成用部材とが接合され、これら胴部および水路形
成用部材の内面に電気伝導度の高い銅板を配置させたク
ラッド構造としたことを特徴とする高周波加速空胴体。 - 【請求項2】 ビーム軸方向に直交する方向に筒状をな
す胴部とこの胴部の端部内側に水路形成用部材とをもつ
空胴体内に高周波電力を入力し、この高周波電力によっ
て発生する電界により荷電粒子を加速させる高周波加速
空胴体の製造方法において、 前記胴部および水路形成用部材として高強度金属材料を
用いて所要の形状に形成するとともに、これら胴部およ
び水路形成用部材の内面にそれぞれ電気伝導度の高い銅
板を配置し、真空ろう付けにより接合したものを一体化
し、前記空胴体とすることを特徴とする高周波加速空胴
体の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載の高周波加速空胴体の製
造方法において、 前記胴部の内面に配置される電気伝導度の高い銅板の内
周側に前記銅板よりも線膨張率の大きい材料よりなる内
リングを設け、真空ろう付けを行うことを特徴とする高
周波加速空胴体の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載の高周波加速空胴体の製
造方法において、 前記内リングと水路形成用部材内面に配置された銅板と
の間に袋状金属性薄板を介挿し、真空ろう付けを行うこ
とを特徴とする高周波加速空胴体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項2ないし請求項4の何れか1つに
記載の高周波加速空胴体の製造方法において、 前記胴部および水路形成用部材の何れか一方または両方
の内面にろう溝を形成し、このろう溝にろう材を埋め込
み、真空ろう付けを行うことを特徴とする高周波空胴体
の製造方法。 - 【請求項6】 請求項2ないし請求項4の何れか1つに
記載の高周波加速空胴体の製造方法において、 前記胴部および水路形成用部材の何れか一方または両方
とこれら部材に対応する銅板との間に、前記胴部、水路
形成用部材などの母材と異なる組成、組織をもった金属
のインサート材を介挿し、拡散接合により一体化接合
し、前記空胴体とすることを特徴とする高周波加速空胴
体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11001910A JP2000200700A (ja) | 1999-01-07 | 1999-01-07 | 高周波加速空胴体及び高周波加速空胴体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11001910A JP2000200700A (ja) | 1999-01-07 | 1999-01-07 | 高周波加速空胴体及び高周波加速空胴体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000200700A true JP2000200700A (ja) | 2000-07-18 |
Family
ID=11514746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11001910A Pending JP2000200700A (ja) | 1999-01-07 | 1999-01-07 | 高周波加速空胴体及び高周波加速空胴体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000200700A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109936907A (zh) * | 2019-04-18 | 2019-06-25 | 东莞中子科学中心 | 一种高功率磁合金腔体的水冷结构 |
-
1999
- 1999-01-07 JP JP11001910A patent/JP2000200700A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109936907A (zh) * | 2019-04-18 | 2019-06-25 | 东莞中子科学中心 | 一种高功率磁合金腔体的水冷结构 |
CN109936907B (zh) * | 2019-04-18 | 2023-11-14 | 东莞中子科学中心 | 一种高功率磁合金腔体的水冷结构 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040811 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060228 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060307 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060704 |