JPH08106999A - 加速器の偏向部真空チェンバー - Google Patents

加速器の偏向部真空チェンバー

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JPH08106999A
JPH08106999A JP26197194A JP26197194A JPH08106999A JP H08106999 A JPH08106999 A JP H08106999A JP 26197194 A JP26197194 A JP 26197194A JP 26197194 A JP26197194 A JP 26197194A JP H08106999 A JPH08106999 A JP H08106999A
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JP
Japan
Prior art keywords
vacuum chamber
alloy
sor light
accelerator
light receiving
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Pending
Application number
JP26197194A
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English (en)
Inventor
Mitsunari Shinno
満成 新野
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高エネルギのSOR光に対する発熱に耐えら
れ、ベーキングの際の変形もなく、複雑な形状でも簡単
に製作できる加速器の偏向部真空チェンバーを提供する
こと。 【構成】 偏向部真空チェンバー10のSOR光が当た
るSOR光受光部12以外の本体部分11をアルミニウ
ムやその合金の押出材として複雑な形状であっても簡単
に押出成形で作るようにしている。そして、SOR光が
当たるSOR光受光部12を内外に銅やその合金の内外
板12c,12dを配置し、中間部12bをアルミニウ
ムやその合金とした3層クラッド材で構成しており、内
外の銅板12c,12dでベーキングの際などの熱によ
る変形を相殺し、中間部12bのアルミニウムで本体部
分11への接合を同種金属間として容易にしている。さ
らに、3層の中間部12bに冷却水流路13を形成し、
SOR光による発熱を効率良く冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高エネルギ物理学の
研究やSOR光(シンクロトロン放射光)の研究に用い
られる加速器の偏向部真空チェンバーの改良に関し、発
生するSOR光による熱に対する冷却効果が大きく、し
かも複雑な断面形状の真空チェンバーを容易に製作でき
るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】高エネルギ物理学の素粒子研究やSOR
光(シンクロトロン放射光)の研究に用いられる粒子加
速器では、例えば荷電粒子を発生する電子銃などからの
電子ビームを線型加速装置で光速近くに加速して真空チ
ェンバーで構成された蓄積リングに入射し、蓄積リング
に設けた高周波加速空洞で電子ビームにエネルギを与え
ながら水平方向および垂直方向それぞれの収束電磁石で
収束させるとともに、軌道調整電磁石で軌道を調整し、
さらに偏向電磁石で偏向させて蓄積リング中を周回させ
るようになっている。
【0003】このような粒子加速器で高エネルギの粒子
や高強度のSOR光を取出そうとすると、高エネルギ化
や高電流化した大型の加速器としなければならない。
【0004】大型の加速器の蓄積リングは、直線部真空
チャンバーと偏向部真空チャンバーを連結して全体とし
て環状に形成されている。
【0005】従来の蓄積リングの偏向部前後の構造は、
例えば図2(a)に示すように、直線部真空チェンバー
1に水平方向収束用4極電磁石2と水平方向軌道調整電
磁石3が配置され、直線部真空チェンバー1に連結され
た偏向部真空チェンバー4に偏向電磁石5が配置され、
さらに偏向部真空チェンバー4に連結された直線部真空
チェンバー6に垂直方向収束用4極電磁石7が配置され
ている。
【0006】このような偏向部真空チェンバー4は、偏
向電磁石5の小形化のためや加速粒子の偏向にともなっ
て放射されるSOR光が壁面に衝突して発生するガスを
除去する必要から、図2(b)に断面構造を示すよう
に、水平方向に偏平な中空な楕円部分4aとこれに連通
する内周側の中空な矩形部分4bとで構成されており、
楕円部分4aの上下に偏向電磁石5が配置され、矩形部
分4bにイオンポンプやNEGポンプ(Non Evaporable
Getter Pump)等の真空排気ポンプが接続されている。
【0007】このような偏向部真空チェンバー4では、
加速粒子の偏向にともなってSOR光が接線方向外側に
放射され、偏向部真空チェンバー4の内壁4cに当た
り、内壁4cが発熱する。
【0008】このため、偏向部真空チェンバー4の材料
を放射されるSOR光のエネルギに対応して選択し、S
OR光の発熱エネルギが小さい場合にはステンレス鋼
で、10kw/m 程度の場合にはアルミニウムやその合金
で、さらに数10kw/m 以上の場合には銅やその合金で
偏向部真空チェンバーを製作して発熱に対して耐えられ
るようにしており、高エネルギ物理学の素粒子研究等に
用いられる粒子加速器では、偏向部真空チェンバーで数
10kw/m の高発熱エネルギのSOR光が放射されるこ
とから銅やその合金を使用しなければならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、銅やその合
金を用いて偏向部真空チェンバー4を製作しようとする
と、アルミニウム合金の場合のように押出加工によって
楕円部分4aと矩形部分4bを一体に製作することが出
来ず、各部4a,4bを別に製作し、溶接やろう付けな
どで接合しなければならず、製作が難しく、コストも嵩
むという問題がある。
【0010】そこで、偏向部真空チェンバー4のSOR
光が直接当たる内壁4c部分を銅やその合金とするた
め、銅やその合金とアルミニウムやその合金とのクラッ
ド材を用いたものもあるが、粒子加速器の運転前に行う
ベーキングの際、150℃程度に加熱すると、クラッド
材部分が変形してしまうという問題が生じる。
【0011】さらに、クラッド材の銅やその合金部分に
スリットを形成して変形を防止するようにした偏向部真
空チェンバーもあるが、スリットが形成してあるためS
OR光の光路が変化して加速粒子に悪影響を及ぼすとい
う問題がある。
【0012】この発明は、上記従来技術における問題点
を解決してエネルギの大きなSOR光に対する発熱に耐
えることができ、ベーキングのための加熱の際の変形も
なく、複雑な形状であっても簡単に製作することができ
る加速器の偏向部真空チェンバーを提供しようとするも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
この発明の加速器の偏向部真空チェンバーは、加速器の
偏向部真空チェンバーのSOR光受光部を除く本体部分
をアルミニウムやその合金の押出材で形成する一方、偏
向部真空チェンバーのSOR光受光部を、内外に銅やそ
の合金板を配置するとともに中間部をアルミニウムやそ
の合金とした三層クラッド材で形成し、このSOR光受
光部の中間部と前記偏向部真空チェンバーの本体部分と
を接合するとともに、このSOR光受光部の中間部に冷
却水流路を形成したことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】この発明の加速器の偏向部真空チェンバーによ
れば、偏向部真空チェンバーのSOR光が当たるSOR
光受光部以外の本体部分をアルミニウムやその合金の押
出材としており、複雑な形状であっても簡単に押出成形
で作ることができるようにしている。
【0015】そして、SOR光が当たるSOR光受光部
を内外に銅やその合金を配置し、中間部をアルミニウム
やその合金とした3層クラッド材で構成するようにして
おり、内外の銅やその合金でベーキングの際などの熱に
よる変形を相殺できるようにし、中間部のアルミニウム
やその合金で本体部分への接合を同種金属間として容易
にしている。
【0016】さらに、3層の中間部に冷却流路を形成し
ており、SOR光による発熱を効率良く冷却できるよう
にしている。
【0017】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1(a),(b)はこの発明の加速器
の偏向部真空チェンバーの一実施例の部分縦断面図及び
横断面図である。
【0018】この加速器の偏向部真空チェンバー10
は、水平方向に偏平な中空楕円部分11aとこの中空楕
円部分11aに連結されて内周側に配置される中空矩形
部分11bとからなる本体部分11を備えており、中空
楕円部分11aの外周側の端部は上下に対向したフラン
ジ部11cが形成されて開口した形状とされ、中空楕円
部分11aと中空矩形部分11bとがスロット11dで
連通されている。
【0019】この中空楕円部分11aと中空矩形部分1
1bとからなる本体部分11がアルミニウムやその合
金、例えばA6063Ex を用いて押出成形によって一体に製
作される。
【0020】一方、この偏向部真空チェンバー10の本
体部分11のフランジ部11cの間は、加速粒子の偏向
によって接線方向外側に放射されるSOR光が当たるS
OR光受光部12となり、本体部分11のフランジ部1
1cの開口部を塞いで真空チェンバーとするためのSO
R光受光部12は、本体部分11のフランジ部11cの
外側端面に当られる上下に突き出してフランジ部12a
が形成されたアルミニウムやその合金,例えば純アルミ
A1100 で作られた中間部12bと、この中間部12bの
両側に当られて中空楕円部分11aの内外に位置する銅
やその合金、たとえば無酸素銅C1020 で作られた板12
c,12dとで3層クラッド材(Cu/Al/Cu)で構成して
ある。このアルミニウムやその合金の中間部12bと銅
やその合金の内外板12c,12dとのクラッドは、例
えば爆接等によって3層が一体とされる。
【0021】さらに、SOR光受光部12のアルミニウ
ムやその合金の中間部には、軸方向に沿って孔が開けら
れて冷却水流路13とされ、両端が当板13aで塞がれ
るとともに、冷却水流路13の両端部近傍に外側に突き
出して冷却水給排口13b,13cが形成してある。
【0022】そして、偏向部真空チェンバー10の本体
部分11のフランジ部11cの外側端面にSOR光受光
部12の中間部12bの上下のフランジ部12aが当ら
れてアルミニウムやその合金同志の接合として、例えば
Tig溶接によって接合され中空楕円部分11aを気密
状態にして真空チェンバーとして機能するようにしてい
る。
【0023】このように構成した偏向部真空チェンバー
10は、直線部真空チェンバーとの間などに連結される
とともに、中空楕円部分11aの上下に偏向電磁石5が
配置され、さらに中空矩形部分11bに真空排気ポンプ
が接続され加速器の偏向部が構成される。
【0024】したがって、この偏向部真空チェンバー1
0では、SOR光受光部12を中間部12bのアルミニ
ウムやその合金とし、その内外に銅やその合金の板12
c,12dをクラッドした3層クラッド材としてもクラ
ッド材の接合部にシール性を要求すること無く真空チェ
ンバーとして機能させることができる。
【0025】また、このSOR光受光部12の内外に銅
やその合金の板12c,12dを配置してクラッド材と
してあり、偏向によって高エネルギのSOR光が放射さ
れて内板12cに当たって発熱するが、内板12cが銅
やその合金で作られ、しかも内板12cと接する中間部
12bに冷却水流路13が形成されて冷却水が供給され
るので、効率良く冷却され、損傷が防止される。
【0026】さらに、偏向部真空チェンバー10の内部
を高真空に保持するための準備として150℃程度まで
加熱して脱ガスを行うベーキングの際にも、SOR光受
光部12の内外に同一材料の内外板12c,12dがク
ラッドしてあるので、中間部12bとの熱膨張差によっ
て曲がるなどの変形が相殺されて生じることが防止され
る。
【0027】また、SOR光受光部12の内側は、銅や
その合金の内板12cが位置しており、スリット等のな
い平坦な表面となっているので、加速粒子などのビーム
に何等影響を与えることがなく、安定した状態で運転を
続けることができる。
【0028】このような加速器の偏向部真空チェンバー
10によれば、おもな真空バウンダリー部である本体部
分11をアルミニウムやその合金を用いて製作するよう
にしたので、中空楕円部分11aと中空矩形部分11b
との複雑な断面形状であっても押出し成形することがで
きる。
【0029】また、SOR光からの熱を受けるSOR光
受光部12の内板12cを銅やその合金を用いて製作す
るとともに、冷却水流路13の冷却水によって冷却する
ようにしたので、冷却効率が良い銅・アルミニウム複合
真空チェンバーとすることができる。
【0030】なお、上記実施例では、本体部分に水平の
フランジ部を形成し、SOR光受光部のフランジ部を上
下に突き出すように形成して溶接するようにしたが、図
1(b)の円中に示すように、本体部分のフランジ部を
上下に突き出させてSOR光受光部の中間部と溶接する
ようにするなど、アルミニウムやその合金部分同志で接
合するものであれば、接合部の形状や構造は適宜選定す
ることができる。
【0031】
【発明の効果】以上、一実施例とともに具体的に説明し
たようにこの発明の加速器の偏向部真空チェンバーによ
れば、偏向部真空チェンバーのSOR光が当たるSOR
光受光部以外の本体部分をアルミニウムやその合金の押
出材としたので、複雑な形状であっても簡単に押出成形
で作ることができる。
【0032】そして、SOR光が当たるSOR光受光部
を内外に銅やその合金を配置し、中間部をアルミニウム
やその合金とした3層クラッド材で構成するようにした
ので、内外の銅やその合金でベーキングの際などの熱に
よる変形を相殺することができ、中間部のアルミニウム
やその合金で本体部分への接合を同種金属間として容易
に行うことができる。
【0033】さらに、SOR光受光部の3層の中間部に
冷却流路を形成するようにしたので、SOR光による発
熱を効率良く冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の加速器の偏向部真空チェンバーの一
実施例の部分縦断面図及び横断面図である。
【図2】この発明の加速器の偏向部真空チェンバーが適
用される加速器の一例の平面図及び横断面図である。
【符号の説明】
10 加速器の偏向部真空チェンバー 11 本体部分 11a 中空楕円部分 11b 中空矩形部分 11c フランジ部分 11d スロット 12 SOR光受光部 12a フランジ部 12b 中間部(アルミニウム) 12c 内板(銅) 12d 外板(銅) 13 冷却水流路 13a 当板 13b,13c 冷却水給排口 5 偏向電磁石

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加速器の偏向部真空チェンバーのSOR光
    受光部を除く本体部分をアルミニウムやその合金の押出
    材で形成する一方、偏向部真空チェンバーのSOR光受
    光部を、内外に銅やその合金板を配置するとともに中間
    部をアルミニウムやその合金とした三層クラッド材で形
    成し、このSOR光受光部の中間部と前記偏向部真空チ
    ェンバーの本体部分とを接合するとともに、このSOR
    光受光部の中間部に冷却水流路を形成したことを特徴と
    する加速器の偏向部真空チェンバー。
JP26197194A 1994-09-30 1994-09-30 加速器の偏向部真空チェンバー Pending JPH08106999A (ja)

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