JP2020173959A - マイクロ波管及びマイクロ波管の製造方法 - Google Patents

マイクロ波管及びマイクロ波管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 製品歩留まりの高いマイクロ波管及びマイクロ波管の製造方法を提供する。又は、製造歩留まりの高いマイクロ波管及びマイクロ波管の製造方法を提供する。【解決手段】 マイクロ波管は、第1管部を備える。上記第1管部は、それぞれ金属によって形成された第1部材及び第2部材と、第1部材と第2部材との間に位置するろう材と、を備える。上記第1部材は、第1面F11と、第1面F11に形成された第1溝WG1と、を有する。上記第2部材は、第2面F22と、第2面F22に形成され第1溝WG1と対向した第2溝WG2と、を有する。ろう材は、第1部材と第2部材とを気密に接合する。0.5a<b<0.7aである。【選択図】 図6

Description

本発明の実施形態は、マイクロ波管及びマイクロ波管の製造方法に関する。
一般に、電波を増幅するマイクロ波管として、クライストロン、ジャイロトロン、進行波管などが知られている。例えは、クライストロンは、電子ビームを放出する電子銃と、用済みの電子ビームを捕捉するコレクタと、高周波相互作用部と、電子銃から放出される電子ビームを集束する集束磁界ユニットと、出力導波管と、入力導波管と、を備えている。
マイクロ波管は内部を電波が伝送するため、通常、材料として抵抗損失の少ない銅材が使用される。そして、高周波相互作用部や出力導波管は多数の部品を組み合わせて製造されるため、高周波相互作用部や出力導波管の製造には部品同士の接合のためにろう付け作業を必要としている。このときのろう材にはシートろうとワイヤろうがある。
ワイヤろうは部品の外側や部品内部のろう溝にセットし、ろう材が溶けたときに部品嵌合面を毛細管現象で液体のろう材を拡散させて接合する方法が一般的である。また、部品のろう接面にシートろうを挟むことで、確実にろう材で嵌合面を充填させる方法もある。
特開平5−251001号公報 特開2004−14201号公報
本実施形態は、製品歩留まりの高いマイクロ波管及びマイクロ波管の製造方法を提供する。又は、製造歩留まりの高いマイクロ波管及びマイクロ波管の製造方法を提供する。
一実施形態に係るマイクロ波管は、
空胴を囲む内壁と、前記内壁の反対側の外壁と、を有する第1管部を備え、前記第1管部は、それぞれ金属によって形成され、それぞれ前記内壁の一部及び前記外壁の一部を構成する第1部材及び第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間に位置するろう材と、を備え、前記第1部材は、第1面と、前記第1面に形成された第1溝と、を有し、前記第2部材は、前記第1部材と嵌合される方向において前記第1面と対向した第2面と、前記第2面に形成され前記第1溝と対向した第2溝と、を有し、前記ろう材は、前記第1面及び前記第2面に付着し、前記第1部材と前記第2部材とを気密に接合し、前記第1溝及び前記第2溝の一方は収容溝であり、他方は対向溝であり、前記収容溝において、幅をa、深さをb、とした場合、0.5a<b<0.7aである。
また、一実施形態に係るマイクロ波管の製造方法は、
空胴を囲む内壁と、前記内壁の反対側の外壁と、を有する第1管部を備えるマイクロ波管の製造方法において、それぞれ金属によって形成され、それぞれ前記内壁の一部及び前記外壁の一部を構成する第1部材及び第2部材を用意し、ここで、前記第1部材は、第1面と、前記第1面に形成された第1溝と、を有し、前記第2部材は、第2面と、前記第2面に形成された第2溝と、を有し、前記第1溝及び前記第2溝の一方の溝である収容溝にろう材の基材を配置し、前記基材を配置した後、前記第1面と前記第2面とが対向し、前記第1溝と前記第2溝とが対向するよう、前記第2部材及び前記第1部材を嵌合し、前記嵌合した後、前記基材を融解し前記第1面及び前記第2面に付着させ、前記ろう材によって前記第1部材と前記第2部材とを気密に接合し、前記収容溝において、幅をa、深さをb、とした場合、0.5a<b<0.7aである。
図1は、一実施形態に係るクライストロンを示す概略断面図である。 図2は、図1に示したドリフト管の一部を示す断面図である。 図3は、図1及び図2に示したドリフト管の外壁の一部を示す正面図である。 図4は、図1に示した出力導波管を示す断面図である。 図5は、図1及び図4に示した出力導波管の外壁の一部を示す側面図である。 図6は、上記実施形態に係るクライストロンの製造方法において、ろう材の基材がセットされた部材と他の部材とを嵌合させた状態を示す断面図である。 図7は、図6に続く上記製造方法において、融解したろう材が上記部材の隙間に拡散される状態を示す断面図である。 図8は、図7に続く上記製造方法において、拡散されたろう材が固まり、第1溝や第2溝にろう材が存在していない状態を示す断面図である。 図9は、比較例1に係るクライストロンの製造方法において、ろう材の基材がセットされた部材と他の部材とを嵌合させた状態を示す断面図である。 図10は、比較例2に係るクライストロンの製造方法において、ろう材の基材が部材と他の部材とで挟まれた状態を示す断面図である。
(一実施形態)
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本実施形態においては、マイクロ波管の一例として、クライストロンについて説明する。なお、本実施形態にて開示する主要な構成は、ジャイロトロン、進行波管などの他のマイクロ波管にも適用可能である。
図1は、一実施形態に係るクライストロン100を示す概略断面図である。
図1に示すように、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交している。
クライストロン100は、電子銃部1と、コレクタ2と、高周波相互作用部3と、集束磁界ユニット4と、出力導波管5と、入力導波管6と、を備えている。コレクタ2、高周波相互作用部3、出力導波管5及び入力導波管6は、それぞれ金属と絶縁体で形成されている。
電子銃部1は、電子ビームを放出する電子銃1aと、電子銃1aから放出された電子ビームを加速させ、電子の流れをコレクタ2方向に作るアノード1cと、を有している。電子銃1aは、電子ビームを1本放出するものである。この実施形態において、電子銃部1は、1個の電子銃1aを有している。複数本の電子ビームを放出させたい場合、電子銃部1は、複数個の電子銃1aを有していればよい。
コレクタ2は、高周波相互作用部3を通過した使用済みの電子ビーム(スペントビーム)を捕捉し、残ったエネルギーを熱エネルギーに変換するものである。コレクタ2は、図示しない冷却機構により冷却されている。ここでは、冷却機構の主冷却方式は水冷式である。
高周波相互作用部3は、クライストロン100のボディ部である。高周波相互作用部3は、電子銃部1及びコレクタ2間に気密に接続されている。高周波相互作用部3は、ドリフト管3dを有している。本実施形態において、ドリフト管3dは第1管部として機能している。ドリフト管3dは、電子銃部1とコレクタ2との間に位置した入力空胴3aと、入力空胴3aとコレクタ2との間に位置した少なくとも1つの中間空胴3bと、中間空胴3bとコレクタ2との間に位置し、穴部Oが形成された出力空胴3cと、を有している。
また、ドリフト管3dは、第3方向Zに延在し電子ビームが通る空胴3eを有している。入力空胴3a、中間空胴3b、及び出力空胴3cは、それぞれ空胴3eを囲み、それぞれ空胴3eに気密に連通している。この実施の形態において、ドリフト管3dは、中間空胴3bを3つ有している。また、ドリフト管3dの空胴CV3は、入力空胴3a、中間空胴3b、出力空胴3c、及び空胴3eを含んでいる。
ここで、高周波相互作用部3の動作原理について詳述する。入力空胴3aには増幅したい入力信号が導入される。入力信号は、電波(マイクロ波)である。入力空胴3aを電子ビームが通過するとき、電子ビームは導入された入力信号により速度変調される。その後、電子ビームが一様電界中を通過する間、電子ビームに密度変調が生じ、電子ビームは次第に集群(バンチ)される。さらに、集群された電子ビームは、中間空胴3bで囲まれた空間を通過する度に相互作用により空胴に高周波電界を発生する。これにより、電子ビームはその電界により再度速度変調を受ける。
そして最後に集群された電子ビームは、出力空胴3cで囲まれた空間を通過する時、大きな交流電界を誘起し、増幅された高周波(大電力マイクロ波)の出力信号として出力空胴3cから外部に取り出される。
すなわち、高周波相互作用部3は、入力空胴3aに入力信号を入力することにより、出力空胴3cから増幅された高周波の出力信号を出力するものである。
集束磁界ユニット4は、筒状に形成され、高周波相互作用部3の外周を囲んでいる。集束磁界ユニット4は磁石もしくはコイルを有し、電子銃部1から放出される電子ビームを集束するものである。
入力導波管6は、高周波相互作用部3に接合され、入力空胴3aに連通されている。入力導波管6には、誘電体で形成された入力窓6aが気密に取り付けられている。入力導波管6は、入力空胴3aに入力信号を入れるものである。
出力導波管5は、高周波相互作用部3に接合され、穴部Oに連通されている。出力導波管5には、誘電体で形成された出力窓5aが気密に取り付けられている。出力導波管5は、穴部Oを通して出力空胴3cから出力信号を取り出すものである。出力導波管5は、空胴CV3に連通する空胴CV5を有している。
図2は、図1に示したドリフト管3dの一部を示す断面図である。
図2に示すように、ドリフト管3dは、第3方向Zに延在している。ドリフト管3dは、空胴CV3を囲む内壁IW3と、内壁IW3の反対側の外壁OW3とを有している。なお、内壁IW3及び外壁OW3がドリフト管3dの全体にわたっていることを示すため、図2において、複数の符号IW3、及び複数の符号OW3を付している。
ドリフト管3dは、部材10、部材20、及び部材30を含む複数の部材と、複数の溶接部MAと、複数のろう材WAとを備えている。本実施形態において、部材10は第1部材として機能し、部材20は第2部材として機能し、部材30は第3部材として機能している。ドリフト管3dは、各部材を各溶接部MA及び各ろう材WAによって接合し形成されている。図2において、溶接部MAとろう材WAには異なる斜線を付している。
ドリフト管3dの複数の部材のうち、部材10、部材20、及び部材30に注目する。部材10、部材20及び部材30はそれぞれ筒状に形成され、それぞれ内壁IW3の一部及び外壁OW3の一部を構成している。部材10と、部材20と、部材30とは、この順に第3方向Zに並んでいる。
ドリフト管3dを構成する複数の部材のうち、隣り合う部材同士は、同様の手段及び手法にて接合されている。ここでは、部材10と部材20との接合部に注目する。
溶接部MAは、例えば、部材10と部材20とをレーザ溶接又は電子ビーム溶接することにより形成されている。ドリフト管3dの半径方向において、溶接部MAの深さは外壁OW3から計測して最大で数mmである。溶接部MAは、外壁OW3において、部材10と部材20との間に位置している。溶接部MAは、部材10及び20と同一物質である。
ろう材WAは、空胴CV3と溶接部MAとの間に位置している。ろう材WAは、部材10と部材20とを気密に接合している。ろう材WAは、例えば、BAg−8である。
部材10は、第1面として機能する面F11を有している。面F11は、溶接部MAから連続的に延在し、ろう材WAに接し、第3方向Zにおいて部材20に対向している。部材20は、第2面として機能する面F22を有している。面F22は、溶接部MAから連続的に延在し、ろう材WAに接し、第3方向Zにおいて面F11に対向している。ろう材WAは、面F11及び面F22に付着している。ろう材WAは、部材10と部材20とが対向する全周にわたって連続的に設けられている。
面F11には、収容溝として機能する第1溝WG1が形成されている。第1溝WG1は、製造時にろう材WAの基材を収容するための溝であり、X−Y平面において環状に形成されている。第1溝WG1は、溶接部MAから離れて位置している。図示した例では、面F11には、複数の第1溝WG1(ここでは、2個の第1溝WG1)が形成されている。2個の第1溝WG1は、内壁IW3から外壁OW3に向かう方向に間隔を置いて設けられている。本実施形態において、2個の第1溝WG1は部材10の半径方向に間隔を置いて位置している。そのため、第1溝WG1は面F11に二重に設けられている。
なお、面F11に単個の第1溝WG1を設けるより、二重に第1溝WG1を設けた方が望ましい。なぜなら、部材10と部材20の接着信頼性を高めることができるためである。
部材20が部材10と嵌合される方向において、面F22は面F11と対向している。面F22には、対向溝として機能する第2溝WG2が形成されている。第2溝WG2は、第1溝WG1と対向している。図示した例では、面F22には、複数の第2溝WG2(ここでは、2個の第2溝WG2)が形成されている。2個の第2溝WG2は、第1溝WG1に一対一で対向している。なお、面F11には単個又は3個以上の第1溝WG1が形成されていてもよく、面F22には第1溝WG1とペアとなるように第2溝WG2が形成されていればよい。
融解したろう材WAの基材が、毛細管現象により第1溝WG1から部材10と部材20との間に拡散し、部材10と部材20とを気密に接合することで、空胴CV3の気密性が保たれる。なお、第1溝WG1や第2溝WG2にろう材WAが残らないことが望ましい。
部材10は外壁OW3に形成された溶接溝MG1を有し、部材20は外壁OW3に形成された溶接溝MG2を有している。溶接溝MG1及びMG2は、それぞれドリフト管3dの半径方向において、内壁IW3側に向かって凹んだ凹部である。溶接溝MG1と溶接溝MG2とは、溶接部MAを挟んで隣り合っている。溶接部MAは溶接溝MG1と溶接溝MG2との間に位置している。突出部EAは、部材10の溶接溝MG1より部材20側の部分と部材20の溶接溝MG2より部材10側の部分とによって形成されている。突出部EAは、ドリフト管3dの周方向に延在した環状の凸部である。溶接部MAは、突出部EAに形成されている。
また、本実施形態において、ろう材WAは、ドリフト管3dの半径方向に対向する部材10と部材20との隙間にも位置している。
なお、本実施形態と異なるが、第2溝WG2が収容溝として機能し、第1溝WG1が対向溝として機能してもよい。何れにおいても、互いに対向する第1溝WG1及び第2溝WG2のうち、一方が収容溝であり、他方が対向溝であればよい。
部材20と部材30との接合は、部材10と部材20との接合と同様の手段及び手法にて行われている。部材20は、第2面F22と異なる第1面F21と、第1面F21に形成された第1溝WG1と、を有している。部材30は、部材20と嵌合される方向において第1面F21と対向した第2面F32と、第2面F32に形成され第1溝WG1と対向した第2溝WG2と、を有している。部材20と部材30との間に位置するろう材WAは、部材10と部材20との間に位置するろう材WAとは独立して位置し、第1面F21及び第2面F32に付着し、部材20と部材30とを気密に接合している。複数のろう材WAは、同一材料で形成されている。
図3は、図1及び図2に示したドリフト管3dの外壁OW3の一部を示す正面図である。
図3に示すように、複数の溶接部MAは、ドリフト管3dの周方向において、互いに間隔を置いて位置している。溶接部MAは、点在している。溶接溝MG1,MG2などの溶接溝MGは、それぞれドリフト管3dの周方向に延在している。但し、本実施形態と異なり、溶接部MAは、ドリフト管3dの周方向において、突出部EAの全周にわたって連続的に形成されていてもよい。
図4は、図1に示した出力導波管5を示す断面図である。
図4に示すように、出力導波管5は空胴CV5を囲む内壁IW5と、内壁IW5の反対側の外壁OW5とを有している。内壁IW5は他の内壁として機能し、外壁OW5は他の外壁として機能している。なお、内壁IW5及び外壁OW5が出力導波管5の全体にわたっていることを示すため、図4において、複数の符号IW5、及び複数の符号OW5を付している。
出力導波管5は、第2管部として機能している。出力導波管5は、部材40と、部材50と、部材60と、部材70と、複数の溶接部MBと、複数のろう材WBとを備えている。部材40は他の第1部材として機能し、部材50は他の第2部材として機能している。出力導波管5は、各部材を各溶接部MB及び各ろう材WBによって複数の部材が接合され形成されている。図4において、溶接部MBとろう材WBには異なる斜線を付している。
部材40、部材50、部材60、及び部材70は、それぞれ第1方向Xに延在し板状に形成され、それぞれ出力導波管5の内壁IW5及び外壁OW5を構成している。部材40、部材50、部材60、及び部材70は、一例として、銅又は銅合金によって形成されている。
出力導波管5を構成する隣り合う部材同士は、同様の手段及び手法にて接合されている。ここで、部材40と部材50との接合部に注目する。
溶接部MBは、外壁OW5において、部材40と部材50との間に位置している。溶接部MBは、部材40と部材50とをレーザ溶接又は電子ビーム溶接することにより形成されている。ろう材WBは、空胴CV5と溶接部MBとの間に位置している。ろう材WBは、ろう材WAと同一のろう材であり、例えば、BAg−8である。
部材40は、他の第1面として機能する面F41を有している。面F41は、溶接部MBから連続的に延在し、ろう材WBに接し、第3方向Zにおいて部材50に対向している。面F41には、第1方向Xに延在する他の第1溝WG4が形成されている。第1溝WG4は、製造時にろう材WBの基材を収容するための溝であり、溶接部MBから離れて位置している。図示した例では、面F41は単個の第1溝WG4を有している。
部材50は、他の第2面として機能する面F52を有している。面F52は、溶接部MBから連続的に延在し、ろう材WBに接し、部材50が部材40と嵌合される方向において面F41と対向している。本実施形態において、面F52は、第3方向Zにおいて面F41に対向している。面F52には、他の第2溝WG5が形成されている。第2溝WG5は、第1溝WG4と対向している。
図示した例では、面F41には単個の第1溝WG4が形成されているが、面F41には、複数の第1溝WG4が内壁IW5から外壁OW5に向かう方向に間隔を置いて設けられていてもよい。その場合、面F52には第1溝WG4とペアとなるように第2溝WG5形成されていればよい。本実施形態において、第1溝WG4が他の収容溝として機能し、第2溝WG5が他の対向溝として機能している。
融解したろう材WBの基材が、毛細管現象により第1溝WG4から部材40と部材50との間に拡散し、部材40と部材50とを気密に接合することで、空胴CV5の気密性が保たれる。なお、第1溝WG4及び第2溝WG5にろう材WBが残らないことが望ましい。部材40と部材50との間に位置するろう材WBは、面F41及び面F52に付着し、部材40と部材50とを気密に接合している。
なお、本実施形態と異なるが、第2溝WG5が収容溝として機能し、第1溝WG4が対向溝として機能してもよい。何れにおいても、互いに対向する第1溝WG4及び第2溝WG5のうち、一方が収容溝であり、他方が対向溝であればよい。
部材40は外壁OW5に形成された溶接溝MG4を有し、部材50は外壁OW5に形成された溶接溝MG5を有している。溶接溝MG4及びMG5は、それぞれ第2方向Yに凹んだ凹部である。溶接溝MG4と溶接溝MG5とは、溶接部MBを挟んで隣り合っている。溶接部MBは、溶接溝MG4と溶接溝MG5との間に位置している。突出部EBは、部材40の溶接溝MG4より部材50側の部分と部材50の溶接溝MG5より部材40側の部分とによって形成されている。突出部EBは、第1方向Xに延在した直線状の凸部である。溶接部MBは、突出部EBに形成されている。
また、本実施形態において、ろう材WBは、第2方向Yに対向する部材40と部材50との隙間にも位置している。なお、ろう材WBは、第2方向Yに対向する部材40と部材50との隙間にのみ位置していてもよい。
部材40と部材50とが第2方向Yに嵌合される場合、第1溝WG4が形成された面F41と第2溝WG5が形成された面F52とは第2方向Yに対向していてもよい。
なお、部材40と部材70との接合、部材60と部材50との接合、部材60と部材70との接合は、それぞれ部材40と部材50との接合と同様の手段及び手法にて行われている。
図5は、図1及び図4に示した出力導波管5の外壁OW5の一部を示す側面図である。図5に示すように、複数の溶接部MBは、第1方向Xにおいて、互いに間隔を置いて位置している。溶接溝MG4及びMG5はそれぞれ第1方向Xに延在している。但し、本実施形態と異なり、溶接部MBは、第1方向Xにおいて、出力導波管5の全長にわたって連続的に形成されていてもよい。
クライストロン100は、上記のように構成されている。
次に、クライストロン100の製造方法について説明する。
図2及び図6に示すように、高周波相互作用部3のドリフト管3dの製造が開始されると、まず、部材10、部材20、部材30などの複数の部材と、ろう材WAの基材WA1とを用意し、その後、これらをドリフト管3dに組み立てる。ここでは、基材WA1として、ワイヤ状に形成された弾性のろう材(ワイヤろう)を用意する。
続いて、第1溝WG1及び第2溝WG2の一方の溝である収容溝に基材WA1を配置する。本実施形態において、収容溝である第1溝WG1にワイヤろうを配置する。その後、第3方向Zにおいて、第1面F11と第2面F22とが対向し、第1溝WG1と第2溝WG2とが対向するように、部材20及び部材10を嵌合させる。
ここで、収容溝である第1溝WG1において、幅をa、深さをbとする。第1溝WG1の断面形状は四角形である。幅aは、部材10(ドリフト管3d)の半径方向における第1溝WG1の長さである。深さbは、第3方向Zにおける第1溝WG1の長さである。すると、深さbは、幅aの0.5倍を超え、幅aの0.7倍未満である(0.5a<b<0.7a)。
また、収容溝である第1溝WG1に配置するろう材WAの基材WA1は、ワイヤろうであり、真円の断面形状を有している。ここで、基材WA1の断面における直径をcとする。直径cは、幅aより僅かに小さい。詳しくは、直径cは、幅aの0.9倍以上であり、幅a未満である(0.9a≦c<a)。
対向溝である第2溝WG2において、深さをdとする。第2溝WG2の断面形状は四角形である。深さdは、第3方向Zにおける第2溝WG2の長さである。例えば、第2溝WG2は、深さd以外、第1溝WG1と同様の形状を有している。すると、直径cは、深さbと深さdの和未満である方が望ましい。すなわち、c<(b+d)である方が望ましい。ここで、c≒aであるため、a<(b+d)である方が望ましい。なぜなら、部材20及び部材10を嵌合させた際、第2溝WG2の底面に基材WA1が当接し、基材WA1に部材20などの荷重が加わっていると、基材WA1が溶けた際に部材20と部材10の隙間が変化し、ドリフト管3dの寸法誤差が大きくなってしまうためである。
続いて、部材10と部材20とを外壁OW3の突出部EAにおいてレーザ溶接又は電子ビーム溶接にて溶接する。同様に、各部材同士を嵌合及び溶接していき、部材同士が仮固定されたドリフト管3dを形成する。第1溝WGは溶接部MAから離れているため、第1溝WG内のワイヤろう(ろう材WAの基材)は溶けていない。また、溶接部MAは突出部EAに形成することができるため、レーザビームや電子ビームを効率よく照射することができる。
図4に示すように、出力導波管5の製造が開始されると、まず、部材40と、部材50と、部材60と、部材70と、ろう材WBとを用意し、その後、これらを出力導波管5に組み立てる。ここでは、ろう材WBの基材として、ワイヤ状に形成された弾性のろう材(ワイヤろう)を用意する。
出力導波管5を組み立てる際、部材40及び部材50に注目すると、部材40の第1溝WG4内にワイヤろうを設け、第3方向Zにおいて部材40の面F41と部材50の面F52とが対向するように、部材40と部材50とを篏合させる。
図示しないが、出力導波管5においても、収容溝である第1溝WG4において、幅は上記aであり、深さは上記bである。ろう材WBの基材の断面における直径は上記cである。対向溝である第2溝WG5において、深さは上記dである。すると、出力導波管5に関しても、0.5a<b<0.7aであり、0.9a≦c<aである。また、出力導波管5に関しても、c<(b+d)である方が望ましく、a<(b+d)である方が望ましい。
続いて、部材40と部材50とを外壁OW5の突出部EBにおいてレーザ溶接又は電子ビーム溶接にて溶接する。同様に、各部材同士を溶接していき、部材同士が仮固定された出力導波管5を形成する。第1溝WG4は溶接部MBから離れているため、第1溝WG4内のワイヤろう(ろう材WBの基材)は溶けていない。また、溶接部MBは突出部EBに形成することができるため、レーザビームや電子ビームを効率よく照射することができる。
上記のようにドリフト管3d及び出力導波管5を組み立てた後、ドリフト管3dと出力導波管5との間にワイヤろうを配置し、ドリフト管3dと出力導波管5とを、図1に示すドリフト管3dの空胴CV3と出力導波管5の空胴CV5とが穴部Oにおいて連結するようにレーザ溶接又は電子ビーム溶接にて溶接し、クライストロン100を組み立てる。ドリフト管3dと出力導波管5との間に配置するワイヤろうとしては、ろう材WAの基材及びろう材WBの基材と同じBAg−8を使用している。
クライストロン100を組み立てた後、クライストロン100を加熱する。その際、例えば、クライストロン100を電気炉の内部に搬入し、クライストロン100を加熱し、各々のワイヤろう(基材)が融解する温度まで加熱する。本実施形態において、面F22が重力方向を向くようにクライストロン100が配置されているが、面F11が重力方向を向くようにクライストロン100が配置されていてもよい。なぜなら、第1溝WG1の内面と基材WA1との間に摩擦力が働き、クライストロン100の姿勢を変えても、第1溝WG1に対する基材WA1の相対位置は殆ど変わらないためである。
図7に示すように、ドリフト管3dの部材10,20に注目すると、ろう材WAの基材WA1が、毛細管現象により第1溝WG1から部材10と部材20との隙間に拡散する。
その後、ろう材WAの加熱を終了する。このような1回のろう付け(加熱)により、例えば、ろう材WAを面F11及び面F22に付着させ、ろう材WAによって部材10と部材20とを気密に接合することができる。ろう材WAを面F21及び面F32に付着させ、ろう材WAによって部材20と部材30とを気密に接合することができる。
また、ろう材WBを面F41及び面F52に付着させ、ろう材WBによって部材40と部材50とを気密に接合することができる。ろう材WBによって、部材50と部材60、部材60と部材70、部材70と部材40のそれぞれを気密に接合することができる。また、ドリフト管3dと出力導波管5とを気密に接合することができる。
図8に示すように、ドリフト管3dの部材10,20に注目すると、ろう材WAは、第1溝WG1や第2溝WG2に残っていない。
上記のように構成された一実施形態に係るクライストロン100、及びクライストロン100の製造方法によれば、ドリフト管3dの内部や出力導波管5の内部を電波が伝送するため、隣り合った部材どうしの嵌合面に隙間があると高周波電流による放電が発生し、クライストロン100の動作が不安定になる原因になる。そこで、本実施形態において、ろう材WA又はろう材WBを利用し、部材同士をろう接により接合している。
第1溝WG1にセットしたろう材WAが確実に第1溝WG1から流れ出て部材と部材の隙間に拡散するようにするためには、第1溝WG1の形状を適切に設計する必要がある。第1溝WG1にセットした基材WA1を溶かしたとき、液体になったろう材WAはセットされていた第1溝WG1の壁面に濡れる。ろう材WAが部材と部材の隙間へ流れだすためには、第1溝WG1の深さbが重要になる。
第1溝WG1の深さbが大きすぎると、溶けたろう材WAが第1溝WG1を這い上がっても部材と部材の隙間に到達できないことがある。一方、第1溝WG1の深さbが小さすぎると、第1溝WG1に基材WA1をセットし難かったり、セットした基材WA1が外れたりする。溶けたろう材WAが第1溝WG1をどの位まで充たすのかは、ろう材WAと第1溝WG1の断面積を計算することで推定することができる。
図6において、基材WA1の断面積が第1溝WG1の断面積より大きければ、溶けたろう材WAは、第1溝WG1からあふれ、毛細管現象により、面F11と面F22の隙間を拡散し、第1溝WG1に残ることはない。基材WA1の直径cと第1溝WG1の幅aの関係に注目すると、a>cでなければ、基材WA1を第1溝WG1の内部にセットできない。
ここで、基材WA1の断面積はπ(c/2)である。第1溝WG1の断面積は、幅aと深さbの積であり、abである。基材WA1の断面積を第1溝WG1の断面積より大きくするには、π(c/2)>abであればよい。計算すると、0.785c>abとなる。また、直径cが幅aより僅かに小さいことから、直径cを幅aに近似する。すると、0.785a>abとなり、0.785a>bとなり、0.7a>bとなる。
一方、第1溝WG1に基材WA1をセットするときの作業性から、第1溝WG1の深さbは基材WA1の半径c/2より大きい方が望ましいため、b>c/2である。直径cを幅aに近似すると、b>a/2(すなわち、b>0.5a)となる。
従って、0.5a<b<0.7aである。ろう材WAは、第1溝WG1からあふれ、部材10と部材20とを良好に接合することができる。上記のことは、ドリフト管3dだけではなく、出力導波管5に関しても同様である。これにより、製品歩留まりの高いクライストロン100及びクライストロン100の製造方法を得ることができる。また、製造歩留まりの高いクライストロン100及びクライストロン100の製造方法を得ることができる。
基材WA1が面F11からはみ出るため、面F22に第2溝WG2を形成している。a<(b+d)である。基材WA1に起因して面F11と面F22の隙間の大きさにばらつきが生じる事態を回避することができるため、高い寸法精度でドリフト管3d及び出力導波管5を製造することができる。
ドリフト管3dを製造する際に使用するろう材WAは全て同一材料であり、出力導波管5を製造する際に使用するろう材WBは全て同一材料である。さらに、ろう材WA及びろう材WBは同一材料である。1種類のろう材のみ使用することで、1回のろう付けのみでクライストロン100を組み立てることができる。融点の異なる複数の種類のろう材を使用して複数回のろう付けを必要とするクライストロンと比較して、製造時間(リードタイム)を短縮することができ、安価に製造することができる。
高周波相互作用部3や出力導波管5において、部材の間にはろう材WA又はWBが位置している。ろう材により、部材の間に形成され得る空間を低減することができる。そのため、部材の間にろう材が存在していない場合と比較して、クライストロン100の動作を安定させることができ、コンダクタンスの低下を抑制することができ、空胴における真空度の低下を抑制することができる。
なぜなら、高周波相互作用部3や出力導波管5の部材表面には高周波電流が流れるため、部材の間にろう材が存在していない場合、高周波放電が発生し、クライストロン100の動作が不安定になるためである。また、部材の間にろう材が存在していない場合、その隙間の部分のコンダクタンスが低下するためである。また、部材の間にろう材が存在していない場合、その隙間に存在する残留ガスにより、空胴における真空度の低下を招くことになるためである。
(比較例1)
次に、比較例1に係るクライストロン100について説明する。
図9に示すように、深さbが幅aと実質的に同一である点(a≒b)で、本比較例1に係るクライストロン100は上記実施形態と相違している。比較例1では、基材WA1の断面積は第1溝WG1の断面積より小さい。そのため、基材WA1を溶かした際、ろう材WAが、第1溝WG1に留まり、部材10と部材20との間に拡散しない恐れがある。
(比較例2)
次に、比較例2に係るクライストロン100について説明する。
図10に示すように、面F11と面F22との間に挟まれるようにろう材の基材WA1をセットする点で、本比較例2に係るクライストロン100は上記実施形態と相違している。比較例2では、面F11及び面F22に溝が形成されていない。基材WA1は、シート状のろう材である。
本比較例2においても、面F11と面F22との間に確実にろう材WAを設けることができる。しかしながら、ろう材の基材WA1に荷重が加わるため、ろう材の基材WA1が溶けた際、ろう材WAの厚みが小さくなり、ドリフト管3dの内寸法が変化する恐れがある。上記のことは、出力導波管5に関しても同様である。
なお、本発明の上記実施形態を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、ろう材WA,Wbは、BAg−8に限らず、BAg−8以外のろう材であってもよい。ろう材WAと、ろう材WBは、互いに異なるろう材(互いに融点の異なるろう材)であってもよい。
ドリフト管3dや出力導波管5を製造する際に行った溶接は、必須ではなく、必要に応じて行えばよい。
本実施形態は、上記クライストロン100及びクライストロン100の製造方法に限らず、各種のマイクロ波管及びマイクロ波管の製造方法に適用可能である。
1…電子銃部、2…コレクタ、3…高周波相互作用部、3d…ドリフト管、
4…集束磁界ユニット、5…出力導波管、IW…内壁、OW…外壁、CV…空胴、
10,20,30,40,50,60,70…部材、F…面、WG…溝、
WA,WB…ろう材、WA1…基材、MA,MB…溶接部、a…幅、b,d…深さ、
c…直径、X…第1方向、Y…第2方向、Z…第3方向。

Claims (11)

  1. 空胴を囲む内壁と、前記内壁の反対側の外壁と、を有する第1管部を備え、
    前記第1管部は、
    それぞれ金属によって形成され、それぞれ前記内壁の一部及び前記外壁の一部を構成する第1部材及び第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材との間に位置するろう材と、を備え、
    前記第1部材は、第1面と、前記第1面に形成された第1溝と、を有し、
    前記第2部材は、前記第1部材と嵌合される方向において前記第1面と対向した第2面と、前記第2面に形成され前記第1溝と対向した第2溝と、を有し、
    前記ろう材は、前記第1面及び前記第2面に付着し、前記第1部材と前記第2部材とを気密に接合し、
    前記第1溝及び前記第2溝の一方は収容溝であり、他方は対向溝であり、
    前記収容溝において、幅をa、深さをb、とした場合、
    0.5a<b<0.7aである、
    マイクロ波管。
  2. 前記対向溝において、深さをd、とした場合、
    a<(b+d)である、
    請求項1に記載のマイクロ波管。
  3. 前記第1部材は、前記第1溝を含む2個以上の第1溝をさらに有し、
    前記2個以上の第1溝は、それぞれ前記第1面に形成され、前記内壁から前記外壁に向かう方向に間隔を置いて設けられ、
    前記第2部材は、前記第2溝を含む2個以上の第2溝をさらに有し、
    前記2個以上の第2溝は、それぞれ前記第2面に形成され、前記第1溝に一対一で対向し、
    互いに対向する前記第1溝及び前記第2溝の一方は収容溝であり、他方は対向溝であり、
    各々の前記収容溝において、幅は前記aであり、深さは前記bである、
    請求項1に記載のマイクロ波管。
  4. 前記第1管部は、
    金属によって形成され、前記内壁の一部及び前記外壁の一部を構成する第3部材と、
    前記第2部材と前記第3部材との間に位置するろう材と、をさらに備え、
    前記第2部材は、前記第2面と異なる第1面と、前記第2部材の前記第1面に形成された第1溝と、を有し、
    前記第3部材は、前記第2部材と嵌合される方向において前記第2部材の前記第1面と対向した第2面と、前記第3部材の前記第2面に形成され前記第1溝と対向した第2溝と、を有し、
    前記ろう材は、前記第2部材の前記第1面及び前記第3部材の前記第2面に付着し、前記第2部材と前記第3部材とを気密に接合し、
    互いに対向する前記第1溝及び前記第2溝の一方は収容溝であり、他方は対向溝であり、
    各々の前記収容溝において、幅は前記aであり、深さは前記bである、
    請求項1に記載のマイクロ波管。
  5. 前記複数のろう材は、同一材料で形成されている、
    請求項4に記載のマイクロ波管。
  6. 前記ろう材は、BAg−8である、
    請求項1に記載のマイクロ波管。
  7. 前記外壁に位置し、前記第1部材と前記第2部材とを溶接した溶接部をさらに備える、
    請求項1に記載のマイクロ波管。
  8. 電子銃部と、
    コレクタと、
    前記電子銃部と前記コレクタとの間に位置するドリフト管を備えている高周波相互作用部と、
    前記高周波相互作用部の外周を囲み、磁石もしくはコイルを有する集束磁界ユニットと、
    前記高周波相互作用部に接合された出力導波管と、をさらに備え、
    前記ドリフト管又は前記出力導波管は、前記第1管部によって構成されている、
    請求項1乃至7の何れか1項に記載のマイクロ波管。
  9. 他の空胴を囲む他の内壁と、前記他の内壁の反対側の他の外壁と、を有する第2管部を備え、
    前記第2管部は、
    それぞれ金属によって形成され、それぞれ前記他の内壁の一部及び前記他の外壁の一部を構成する他の第1部材及び他の第2部材と、
    前記他の第1部材と前記他の第2部材との間に位置するろう材と、を備え、
    前記他の第1部材は、他の第1面と、前記他の第1面に形成された他の第1溝と、を有し、
    前記他の第2部材は、前記他の第1部材と嵌合される方向において前記他の第1面と対向した他の第2面と、前記他の第2面に形成され前記他の第1溝と対向した他の第2溝と、を有し、
    前記ろう材は、前記他の第1面及び前記他の第2面に付着し、前記他の第1部材と前記他の第2部材とを気密に接合し、
    前記他の第1溝及び前記他の第2溝の一方は他の収容溝であり、他方は他の対向溝であり、
    前記他の収容溝において、幅は前記aであり、深さは前記bであり、
    前記ドリフト管は、前記第1管部によって構成され、
    前記出力導波管は、前記第2管部によって構成されている、
    請求項8に記載のマイクロ波管。
  10. 空胴を囲む内壁と、前記内壁の反対側の外壁と、を有する第1管部を備えるマイクロ波管の製造方法において、
    それぞれ金属によって形成され、それぞれ前記内壁の一部及び前記外壁の一部を構成する第1部材及び第2部材を用意し、ここで、前記第1部材は、第1面と、前記第1面に形成された第1溝と、を有し、前記第2部材は、第2面と、前記第2面に形成された第2溝と、を有し、
    前記第1溝及び前記第2溝の一方の溝である収容溝にろう材の基材を配置し、
    前記基材を配置した後、前記第1面と前記第2面とが対向し、前記第1溝と前記第2溝とが対向するよう、前記第2部材及び前記第1部材を嵌合し、
    前記嵌合した後、前記基材を融解し前記第1面及び前記第2面に付着させ、前記ろう材によって前記第1部材と前記第2部材とを気密に接合し、
    前記収容溝において、幅をa、深さをb、とした場合、
    0.5a<b<0.7aである、
    マイクロ波管の製造方法。
  11. 前記収容溝に配置する前記ろう材の基材は、ワイヤ状に形成されたろう材であり、真円の断面形状を有し、
    前記基材の断面における直径をcとした場合、
    0.9a≦c<aである、
    請求項10に記載のマイクロ波管の製造方法。
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