JP2020177777A - 電子銃、電子管及び電子銃の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易かつ低コストの構成で、部品間の同軸度を高めることができる電子銃、電子管及び電子銃の製造方法を提供する。【解決手段】電子を放出するカソード110と、カソード110が放出する電子を集束する集束電極120と、カソード110及び集束電極120を内包する真空外囲器130と、カソード110と真空外囲器130との間を連結する連結部品140と、集束電極120と真空外囲器130との間を連結する連結部品150と、を備える。カソード110、集束電極120、真空外囲器130、連結部品140及び連結部品150はいずれも軸対称の形状を有している。連結部品140,150は、互いに垂直の方向に延在する2つの接合面を有し、2つの接合面のうち中心軸Cに垂直の方向に延在する接合面における接合位置が可変である。【選択図】図1
Description
本発明は、電子管用の電子銃、電子管及び電子銃の製造方法に関する。
進行波管(Traveling Wave Tube:TWT)を含む電子管は、電子銃が放射する電子ビームのエネルギーがマイクロ波エネルギーに変換されることにより、マイクロ波の発振または増幅を行う。電子管用の電子銃は、カソードからの電子ビームを適切に集束することで平行ビームを形成し、後段の機構に正しく導く必要がある。
電子銃のカソードには、熱電子放出型のものが多く使用され、カソードから放出される熱電子はランダムな方向に速度を持ち、放出される。これらの電子に適切な電場を与え、平行ビームを形成するのが集束電極である。集束電極が正しく動作するためには、形状又は印加電圧の調整も有効であるが、最も重要なのは、カソードと集束電極の同軸性である。また、電子銃から放出された電子ビームが入射する電子管後段の機構との同軸性も極めて重要である。
電子銃のカソード、集束電極及びアノードの軸がずれている場合、放射された電子ビームの軸ずれが生じ、又は、リップルが増大する。この場合、意図した電子ビーム軌道が得られず、結果として電子管の性能が大きく損なわれてしまうという問題があった。
電子銃のカソード、集束電極及びアノードの同軸度を高めるための、互いの相対位置を固定する機構又は組立方法が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の電子銃は、カソードが段付きの第1金属円筒に接合し、第1金属円筒が、第2金属円筒及び集束電極に接合することにより、互いに中心軸を一致させている。
電子銃の組立において、位置決め用の固定冶具を用いて、カソード、集束電極及びアノードの位置決めをした後に、例えば、溶接で互いに接合させる。特許文献1に記載の電子銃の場合、カソード、段付きの第1金属円筒、第2金属円筒及び集束電極を溶接で互いに接合する。この溶接工程において、最初に溶接する方向へ、それぞれの部位が引っ張られるため、それが原因で、軸ずれ又は傾きが発生するという課題があった。
また、電子銃の構成部品の同軸度を高めるために、部品形状及び大きさを設計値に対して高精度に合致させる必要があり、また、高精度の組立技術が必要であった。これが低コスト化及び組立の簡易化に対する課題となっていた。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、簡易かつ低コストの構成で、部品間の同軸度を高めることができる電子銃、電子管及び電子銃の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電子銃は、電子を放出するカソードと、カソードが放出する電子を集束する集束電極と、カソード及び集束電極を内包する真空外囲器と、カソードと真空外囲器との間を連結し、又は、集束電極と真空外囲器との間を連結する連結部品と、を備える。カソード、集束電極、真空外囲器及び連結部品はいずれも軸対称の形状を有し、連結部品は、互いに垂直の方向に延在する2つの接合面を有し、2つの接合面のうち軸対称の中心軸に垂直の方向に延在する接合面における接合位置が可変であることを特徴とする。
本発明によれば、部品間の接合に、接合位置が可変の連結部品を用いることにより、溶接時に生じる位置ずれを軽減できるため、簡易かつ低コストの構成で、部品間の同軸度を高めることが可能となる。
(実施の形態1)
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る電子銃1の中心軸Cを含む面における断面図である。電子銃1は、マイクロ波を発振又は増幅させる電子管に用いられ、集束された熱電子線を電子管内に放出する。
電子銃1は、図1に示すように、熱電子を放出するカソード110と、熱電子を集束させて平行ビームを形成する集束電極120と、カソード110及び集束電極120を内部に格納する真空外囲器130と、カソード110及び集束電極120を真空外囲器130に対して固定するための連結部品140,150を備える。真空外囲器130は、カソード110、集束電極120、及び、後段のアノード又は遅延回路を、互いに絶縁するためのセラミック135を備える。
カソード110,集束電極120及び真空外囲器130は、軸対称の形状を有している。例えば、カソード110は円筒形状を有し、集束電極120及び真空外囲器130は中空円筒形状を有する。真空外囲器130は、図1に示した電子銃1の後段のアノードに対して固定されており、真空外囲器130とアノードは中心軸が一致している。
カソード110、集束電極120及び真空外囲器130の中心軸を高精度で一致させたとき、カソード110、集束電極120及びアノードの中心軸が高精度で一致する。このときの電子銃1は、図2に示すように、電子銃1の中心軸に平行の方向に集束した電子ビームを放射することができる。電子銃1から放射する電子ビームの方向を予め定めた方向に高精度に合致させることが電子管の性能及び信頼性の向上に繋がる。よって、カソード110、集束電極120及び真空外囲器130は、互いに同軸度を高める必要がある。
真空外囲器130は、図1に示すように、一点鎖線で示した電子銃1の中心軸Cに直交する平面に沿って、内周面から中心軸Cに向かって突出する支持部131,132を有する。カソード110は、連結部品140を介して支持部131に連結され、集束電極120は、連結部品150を介して支持部132に連結されている。
連結部品140,150の構成と効果について詳細に説明する。連結部品140は、図1に示すように、カソード110の外周面に接合する接合面と、支持部131の中心軸Cに垂直な表面に接合する接合面と、を有し、これら2面は互いに垂直の方向に延在している。同様に、連結部品150は、集束電極120の外周面に接合する接合面と、支持部132の中心軸Cに垂直な表面に接合する接合面と、を有し、これら2面は互いに垂直の方向に延在している。
すなわち、連結部品140,150は、中心軸Cを含む平面における断面がL字型であり、軸対称の形状を有する。連結部品140の外形は、例えば、図3に示すように、中空円板141と、中空円板141の内周から中空円板141の中心軸Cに平行に延在している中空円筒143と、を有する。図3は連結部品140の外形図であり、(a)は中心軸Cに平行の方向から見た上面図、(b)は(a)の二点鎖線で示した面における断面図、(c)は中心軸Cに垂直の方向から見た側面図である。
同様に、連結部品150の外形は、例えば、図4に示すように、中空円板151と、中空円板151の内周から中空円板151の中心軸Cに平行に延在している中空円筒153と、を有する。図4は連結部品150の外形図であり、(a)は中心軸Cに平行の方向から見た上面図、(b)は(a)の二点鎖線で示した面における断面図、(c)は中心軸Cに垂直の方向から見た側面図である。
連結部品140は、カソード110との接合面における接合位置が、中心軸Cに平行の方向において可変であり、支持部131との接合面における接合位置が中心軸Cに垂直の方向において可変であることを特徴としている。また、連結部品150は、集束電極120との接合面における接合位置が、中心軸Cに平行の方向において可変であり、支持部132との接合面における接合位置が中心軸Cに垂直の方向において可変であることを特徴としている。これらの特徴により、各部品間のわずかな隙間又は各部品の溶接時の変形に起因する余計な応力が掛らない。これにより、溶接による軸ずれ、傾きを大きく軽減できるという効果が得られる。この効果について、連結部品140,150がない従来の構成と比較して説明する。
連結部品140,150がない構成の場合、図5に示すように、支持部131がカソード110の外周面に接合し、支持部132が集束電極120の外周面に接合する。この構成の場合の組立は、まず、固定治具160をもちいて、カソード110、集束電極120及び真空外囲器130の中心軸を互いに一致させて固定する。その後、溶接箇所191を、溶接して連結する。溶接は、例えばレーザ溶接機を用いて行う。
このとき、カソード110は真空外囲器130に対して固定されているため、見かけ上の変化はない。しかし、実際には、カソード110と真空外囲器130との間のわずかな隙間又は溶接による形状変化により、図5の黒の矢印で示した方向に、溶接による張力が生じ、電子銃1の半径の方向に応力が加わる。その結果、固定治具160を取り外したときに、図6の黒の矢印で示したように、カソード110の位置ずれ又は傾きが発生する。これにより、カソード110と真空外囲器130との同軸度が低下する。
本実施の形態の構成の組立は、まず、固定治具160をもちいて、カソード110、集束電極120及び真空外囲器130の中心軸を互いに一致させて固定する。その後、図7に示すように、カソード110と連結部品140との接合位置である溶接箇所171と、真空外囲器130の支持部131と連結部品140との接合位置である溶接箇所172を溶接する。
ここで、連結部品140の溶接箇所171は中心軸Cに平行の方向に変位可能であり、溶接箇所172は中心軸Cに垂直の方向に変位可能である。よって、仮に、溶接箇所171,172に隙間又は形状変化があったとしても、連結部品140は隙間又は形状変化に合わせて変位することができる。言い換えると、連結部品140の溶接箇所171は、連結部品140がない場合における支持部131の溶接箇所191より中心軸Cに平行の方向に長いため、加工公差に対して、接合位置の自由度が高いと言える。
具体的な手順としては、まず、カソード110と連結部品140との間の溶接箇所171を溶接する。このとき、図8に示すように、連結部品140は他の部品から束縛されていないため、溶接箇所171に形状変化又は隙間があったとしても、形状変化又は隙間に合わせて変位して固定される。
その後、図9に示すように溶接箇所172を溶接する。このとき、溶接箇所172は、溶接箇所171の溶接による変位に応じて、中心軸Cに垂直の方向における位置が変わる。
溶接箇所172の溶接は、溶接箇所172を真空外囲器130の支持部131の鉛直方向上側に配置して行うため、隙間による張力は低減する。また、仮に、溶接に伴う変形による張力によって、カソード110がわずかに鉛直方向下向きに変位するとしても、この変位は、電子銃1の中心軸Cに平行の方向の変位である。中心軸Cに平行の方向の変位によって生じる電子ビームの乱れはわずかであり、調整も容易である。
同様の手順で、集束電極120と連結部品150とを溶接にて接合した後に、真空外囲器130の支持部132と連結部品150とを溶接にて接合する。その後、固定治具160を取り外す。このようにして連結部品140,150を介して互いに固定された、カソード110及び集束電極120と真空外囲器130とは、連結部品140,150がない構成と比較して、溶接により生じる応力が微小であるため、ゆがみもなく高い同軸度を有する。
以上説明したように本実施の形態に係る電子銃1は、軸対称の形状を有する、カソード110、集束電極120及び真空外囲器130、を備え、カソード110と真空外囲器130の支持部131との間と、集束電極120と真空外囲器130の支持部132との間と、に接合位置が可変の連結部品140,150を有する。連結部品140,150は、カソード110又は集束電極120との接合面と、真空外囲器130の支持部131又は支持部132との接合面と、が互いに垂直である形状を有することとした。これにより、簡易かつ低コストの構成で、部品間の同軸度を高めることができ、電子銃1を含む電子管の効率及び信頼性を向上することが可能となる。
(実施の形態2)
以下に、この発明の実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。
以下に、この発明の実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る電子銃1は、カソード110と、集束電極120と、真空外囲器130と、カソード110を真空外囲器に固定する連結部品240と、集束電極120を真空外囲器130に固定する連結部品250と、を備える。カソード110、集束電極120及び真空外囲器130の構成は実施の形態1と同じである。連結部品240,250が実施の形態1の連結部品140,150と異なるため、連結部品240,250について詳細に説明する。
連結部品240は、実施の形態1と同様に、カソード110の中心軸Cに平行な外周面と接合する接合面と、支持部131の中心軸Cに垂直な表面に接合する接合面と、を有し、これら2面が互いに垂直である。また、連結部品250は、集束電極120の中心軸Cに平行な外周面と接合する接合面と、支持部132の中心軸Cに垂直な表面に接合する接合面と、を有し、これら2面が互いに垂直である。
実施の形態1に係る連結部品140は、中空円板141と、中空円板141の内周から中空円板141の中心軸Cに平行に延在している中空円筒143と、を有する。これに対し、本実施の形態に係る連結部品240は、図10に示すように、連結部品140を分割した2以上の連結部品片241を有する。各連結部品片241は、中空円板141の一部の形状を有する中空円板片242と、中空円筒143の一部の形状を有する中空円筒片243と、を含む形状を有する。
図10は連結部品240,250の外形図であり、(a)は中心軸Cに平行の方向から見た連結部品240の上面図、(b)は中心軸Cを含む面における連結部品240の断面図である。(c)は中心軸Cに平行の方向から見た連結部品250の上面図、(d)は中心軸Cを含む面における連結部品250の断面図である。連結部品250も連結部品240と同様の構成を有しており、2以上の連結部品片251を有する。
図10は、連結部品240が2つの連結部品片241を有し、連結部品250が2つの連結部品片251を有する場合を示しているが、連結部品240,250は、3以上の連結部品片241,251を有してもよい。すなわち、連結部品240は、実施の形態1に係る連結部品140を3以上に分割した連結部品片241を有し、連結部品250は、実施の形態1に係る連結部品150を3以上に分割した連結部品片251を有してもよい。
本実施の形態に係る電子銃1の組立方法は実施の形態1と同様である。連結部品240,250を連結部品140,150に代えて用いる。カソード110と真空外囲器130の支持部131との一箇所の連結に1の連結部品片241を用い、他箇所の連結に他の連結部品片241を用いる。これにより、最初に1の連結部品片241をカソード110の一箇所及び真空外囲器130の支持部131の一箇所に接合して、応力により1の連結部品片241の位置が変化したとしても、他箇所の連結部品片241が一箇所の連結部品片241の位置に影響を受けることはない。つまり、カソード110と真空外囲器130の支持部131との他箇所の隙間に柔軟に対応して、他の連結部品片241を連結することができる。
連結部品片251を用いた集束電極120と真空外囲器130の支持部132との連結も同様である。このように2以上の連結部品片241,251で連結する構成は、カソード110の径が連結部品240,250より太い又は細い場合であっても、柔軟に連結することがきる。
以上説明したように本実施の形態に係る電子銃1は、連結部品240,250が2以上の連結部品片241,251を有し、カソード110と真空外囲器130との連結及び集束電極120と真空外囲器130との連結において、2以上の箇所の接合にそれぞれの連結部品片241,251を用いることとした。これにより、より柔軟にカソード110と真空外囲器130との連結及び集束電極120と真空外囲器130との連結を行うことができ、部品間の同軸度を高めることができる。
(実施の形態3)
以下に、この発明の実施の形態3について図面を参照して詳細に説明する。図11は、この発明の実施の形態3に係る電子銃3の中心軸Cを含む面における断面図である。
以下に、この発明の実施の形態3について図面を参照して詳細に説明する。図11は、この発明の実施の形態3に係る電子銃3の中心軸Cを含む面における断面図である。
本実施の形態に係る電子銃3は、図11に示すように、カソード110と、集束電極120と、真空外囲器130と、カソード110を真空外囲器130に固定する連結部品140と、集束電極120を真空外囲器130に固定する連結部品350と、を備える。カソード110、集束電極120、真空外囲器130、連結部品140の構成は実施の形態1と同様であるが、連結部品350の形状及び接合位置が実施の形態1と異なる。連結部品350について、詳細に説明する。
連結部品350は、図11に示すように集束電極120の中心軸Cに垂直な表面に接合する接合面と、支持部132の中心軸Cに平行な表面に接合する接合面と、を有し、これら2面が互いに垂直である。
連結部品350の外形は、例えば、図12に示すように、中空円板351と、中空円板351の外周から中空円板351の中心軸Cに平行に延在している中空円筒353と、を有する。図12は連結部品350の外形図であり、(a)は中心軸Cに平行の方向から見た上面図、(b)は(a)の二点鎖線で示した面における断面図、(c)は中心軸Cに垂直の方向から見た側面図である。
連結部品350は、集束電極120との接合位置が、中心軸Cに垂直の方向において可変であり、支持部132との接合位置が中心軸Cに平行の方向において可変であることを特徴としている。これらの特徴により、各部品間のわずかな隙間又は各部品の溶接時の変形に起因する余計な応力が掛らない。これにより、溶接時による軸ずれ、傾きを大きく軽減できるという効果が得られる。この効果は、実施の形態1と同様である。
組み立て手順は実施の形態1と同様であるが、連結部品350については、真空外囲器130の支持部132と連結部品350とを溶接にて接合した後に、集束電極120と連結部品350とを溶接にて接合する。集束電極120と連結部品350の接合は、中心軸Cに平行の電子銃3が電子ビームを放射する方向を、鉛直方向下向きに一致させた状態で行う。このようにして連結部品140,350を介して互いに固定された、カソード110及び集束電極120と真空外囲器130とは、連結部品140,350がない従来の構成と比較して、溶接により生じる応力が微小であるため、ゆがみもなく高い同軸度を有する。
なお、本実施の形態においても、実施の形態2と同様に、連結部品140及び350を2以上の連結部品片を有する連結部品に置き換えてもよい。
以上説明したように本実施の形態に係る電子銃3は、連結部品350が、集束電極120との接合面と、真空外囲器130の支持部132との接合面と、が互いに垂直である形状を有し、集束電極120との接合面が中心軸Cに垂直であり、真空外囲器130の支持部132との接合面が中心軸Cに平行であるとした。これにより、簡易かつ低コストの構成で、部品間の同軸度を高めることができる他の方法を提供することが可能となる。
(実施の形態4)
以下に、この発明の実施の形態4について図面を参照して詳細に説明する。図13は、本実施の形態に係る電子銃4の中心軸Cを含む面における断面図である。
以下に、この発明の実施の形態4について図面を参照して詳細に説明する。図13は、本実施の形態に係る電子銃4の中心軸Cを含む面における断面図である。
実施の形態1に係る電子銃1は、互いに絶縁されたカソード110と集束電極120にそれぞれ電圧を与える構成を有しており、後段のアノードを接地させて遅波回路部と同電位にしてビーム集束を行う方式に利用される。これに対し、アノードに任意の電圧を印加することで、集束させる電子ビームの軌道を整える方式や、アノードにおいて電子ビームの変調を行う方式の電子銃も存在する。これらの方式の電子銃の場合、アノードに独立に電圧を印加する必要がある。
本実施の形態に係る電子銃4は、アノード410に独立して任意の電圧を印加することが可能な電子銃である。電子銃4は、図13に示すように、カソード110と、熱電子を集束させて平行ビームを形成する集束電極120と、集束電極120から放射される電子ビームの軌道を整え又は変調を行うアノード410と、カソード110、集束電極120及びアノード410を内部に格納する真空外囲器130と、カソード110及び集束電極120を真空外囲器130に対して固定するための連結部品140,150を備える。
カソード110、集束電極120、アノード410及び真空外囲器130は、軸対称の形状を有している。カソード110、集束電極120、連結部品140,150の構成は実施の形態1と同様である。真空外囲器130は、カソード110、集束電極120、アノード410及び後段の遅延回路を互いに絶縁するためのセラミック135を備える。
アノード410は、連結部品140と同様の、中空円板と中空円筒が結合した形状を有しており、中空円板の直径は真空外囲器130の内径より小さい。つまり、アノード410を真空外囲器130に格納したとき、アノード410と真空外囲器130の内壁とのあいだに隙間が存在している。
本実施の形態においては、電子銃4から放射する電子ビームの方向を予め定めた方向に放射させるために、カソード110、集束電極120、アノード410及び真空外囲器130の中心軸を高精度で一致させ、互いに同軸度を高める必要がある。
真空外囲器130は、図13に示すように、一点鎖線で示した電子銃4の中心軸Cに直交する平面に沿って、内周面から中心軸Cに向かって突出する支持部131,132,133を有する。カソード110は、連結部品140を介して支持部131に連結され、集束電極120は、連結部品150を介して支持部132に連結されている。
アノード410は支持部133に連結されている。アノード410は、中心軸Cに直交する平面上で支持部133と接合され、接合位置は中心軸Cに直交する平面上で可変である。
本実施の形態に係る電子銃4の組立方法について説明する。カソード110と真空外囲器130との連結部品140を用いた連結、及び、集束電極120と真空外囲器130との連結部品150を用いた連結は実施の形態1と同様である。
アノード410は、中心軸Cに垂直な接合面を有し、真空外囲器130の内壁とのあいだに隙間を有している。このため、真空外囲器130の支持部133との接合位置を中心軸Cに垂直な方向に変化させることができる。
アノード410の真空外囲器130への連結の際には、実施の形態1の固定治具160と同様の治具を用いて、カソード110及び集束電極120との同軸度を確保した状態で、アノード410と支持部133との接合を実行する。接合は従来の任意の方法でよく、例えば、溶接又はロウ付けである。このようにして連結した後に固定治具を取り外す。このようにして真空外囲器130に対して固定されたカソード110、集束電極120及びアノード410は、従来の接合位置が固定の構成と比較して、溶接により生じる応力が微小であるため、ゆがみもなく高い同軸度を有する。
なお、本実施の形態に係る電子銃4において、カソード110と真空外囲器130の支持部131との連結を行う連結部品140を、実施の形態2に係る連結部品片241を含む連結部品240に代えてもよい。また、集束電極120と真空外囲器130の支持部132との連結を行う連結部品150を、連結部品片251を含む連結部品250に代えてもよい。
さらに、本実施の形態に係る電子銃4において、図14に示すように、集束電極120と真空外囲器130の支持部132との連結を行う連結部品150を、実施の形態3に係る連結部品350に代えてもよい。図14は、電子銃4の変形例を示す断面図である。
以上説明したように本実施の形態に係る電子銃4は、中心軸Cに垂直の接合面を有するアノード410を、カソード110及び集束電極120との同軸性を確保した状態で、真空外囲器130の支持部133と接合することとした。これにより、アノード410を含む部品間の同軸度を高めることができ、電子銃4を含む電子管の効率及び信頼性を向上することが可能となる。
(実施の形態5)
以下に、この発明の実施の形態5について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る電子銃5は、実施の形態1と同様に、マイクロ波を発振又は増幅させる電子管に用いられ、電子管内に集束された熱電子線を放出する。図15は、本実施の形態5に係る電子銃5の中心軸Cを含む面における断面図である。
以下に、この発明の実施の形態5について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る電子銃5は、実施の形態1と同様に、マイクロ波を発振又は増幅させる電子管に用いられ、電子管内に集束された熱電子線を放出する。図15は、本実施の形態5に係る電子銃5の中心軸Cを含む面における断面図である。
電子銃5は、図15に示すように、熱電子を放出するカソード510と、熱電子を集束させて平行ビームを形成する集束電極520と、カソード510と集束電極520を内部に格納する真空外囲器530と、カソード510及び集束電極520を真空外囲器530に対して固定するための第1の連結部品540、第2の連結部品550を備える。電子銃5は、さらに、カソード510と集束電極520を電気的に絶縁するためのセラミック560と、真空外囲器530と後段の部品を絶縁するためのセラミック570を備える。
カソード510,集束電極520及び真空外囲器530は、軸対称の形状を有している。例えば、カソード510は円筒形状を有し、集束電極520及び真空外囲器530は中空円筒形状を有する。真空外囲器530は、電子銃5の後段のアノードに対して固定されており、真空外囲器530とアノードは中心軸が一致している。
カソード510、集束電極520及び真空外囲器530の中心軸は、実施の形態1と同様に、高精度で一致することが望ましい。
第1の連結部品540及び第2の連結部品550の構成について詳細に説明する。第1の連結部品540と第2の連結部品550は、図15に示すように、互いに垂直の方向に延在する2つの接合面をそれぞれ有し、中心軸Cを含む平面における断面が、L字型であり、軸対称の形状を有する。
第1の連結部品540は、図15に示すように、集束電極520と接合する面と、セラミック560と接合する面を有する。集束電極520の第1の連結部品540と接合する面は、中心軸Cに垂直の方向において、集束電極520の中空円筒形状の厚みよりも長い、一定以上の長さを有している。また、第1の連結部品540の集束電極520と接合する面も中心軸Cに垂直の方向において、一定以上の長さを有している。よって、加工公差に対して、接合位置の自由度が高いと言える。
また、第1の連結部品540は、セラミック560と接合する面も有する。さらに、セラミック560はカソード510と接合している。すなわち、第1の連結部品540とセラミック560を介して、カソード510と集束電極520とが結合し一体となっている。
第2の連結部品550は、真空外囲器530と接合する2面を有する。つまり、第2の連結部品550は、真空外囲器530と2面で接合することにより真空外囲器530に対して固定されている。
第1の連結部品540の、集束電極520と接合した面と異なる中心軸Cに垂直な面と、第2の連結部品550の、真空外囲器530と接合した面と異なる中心軸Cに垂直な面と、が互いに対向しており、溶接にて接合される。つまり、第1の連結部品540を介して一体化されたカソード510及び集束電極520が、第2の連結部品550を介して真空外囲器530に結合する。
このとき、第1の連結部品540と第2の連結部品550の、互いに接合する接合面は、中心軸Cに垂直の方向に一定以上の長さを有する。このため、接合位置が可変であり、中心軸Cに垂直の方向において自由度が高いと言える。
第1の連結部品540の外形は、図4に示す実施の形態1の連結部品150と同様の構成であり、第1の中空円板と、第1の中空円板の内周から中心軸Cに平行に延在している第1の中空円筒を有する。
第2の連結部品550の外形は、図16に示すように、第2の中空円板551と、第2の中空円板551の外周から中心軸Cに平行に延在している第2の中空円筒553と、を有する。図16は第2の連結部品550の外形図であり、(a)は中心軸Cに平行の方向から見た上面図、(b)は(a)の二点鎖線で示した面における断面図、(c)は中心軸Cに垂直の方向から見た側面図である。
第1の連結部品540と第2の連結部品550とは、互いに接合する接合位置が中心軸Cに垂直の方向において可変であることを特徴としている。この特徴により、各部品の溶接時の変形に起因する余計な応力が掛らない。これにより、溶接時による軸ずれ、傾きを大きく軽減できるという効果が得られる。
本実施の形態の構成の組立は、まず、固定治具580をもちいて、カソード510、集束電極520及び真空外囲器530の中心軸を互いに一致させて固定する。その後、集束電極520と第1の連結部品540との間を溶接し、カソード510とセラミック560との間、及び、セラミック560と第1の連結部品540との間を接合する。次に、真空外囲器530と第2の連結部品550との間を溶接する。
このとき、第1の連結部品540は真空外囲器530から束縛されておらず、また、第2の連結部品550はカソード510及び集束電極520から束縛されていないため、形状のずれがあったとしても、第1の連結部品540及び第2の連結部品550は、形状のずれに合わせて位置を変えることができる。
最後に第1の連結部品540と第2の連結部品550を溶接して互いに接合する。これにより、溶接に起因する軸ずれ、傾きが大きく軽減できる。
本実施の形態の場合、中心軸Cに垂直の方向の長さに余裕のある第1の連結部品540及び第2の連結部品550の一組を使用するため、実施の形態1の場合より集束電極520の中心軸Cに平行の方向の寸法が長いときに、集束電極520と真空外囲器530との同軸度を高くするのに有効である。
なお、本実施の形態に係る電子銃5において、第1の連結部品540を、実施の形態2と同様の形状を有する2以上の第1の連結部品片を含む第1の連結部品に代えてもよい。また、第2の連結部品550も同様に、図17に示す、2以上の第2の連結部品片556を含む第2の連結部品555に代えてもよい。このとき、第1の連結部品片は、第1の中空円板の一部である第1の中空円板片と、第1の中空円板の内周から第1の中空円板の中心軸に平行に延在している第1の中空円筒の一部である第1の中空円筒片と、を有する。また、第2の連結部品片556は、第2の中空円板の一部である第2の中空円板片と、第2の中空円板の外周から第2の中空円板の中心軸に平行に延在している第2の中空円筒の一部である第2の中空円筒片と、を有する。
以上説明したように本実施の形態に係る電子銃5は、カソード510と集束電極520とを第1の連結部品540を介して結合し、真空外囲器530に対して第2の連結部品550を固定する。そして、第1の連結部品540の集束電極520と接合した面と異なる中心軸Cに垂直な面と、第2の連結部品550の真空外囲器530と接合した面と異なる中心軸Cに垂直な面と、を溶接にて接合することとした。これにより、簡易かつ安価な構成で、カソード510、集束電極520及び真空外囲器530間の同軸度を高めることが可能となる。
(実施の形態6)
以下に、この発明の実施の形態6について図面を参照して詳細に説明する。図18は、本実施の形態に係る電子銃6の中心軸Cを含む面における断面図である。
以下に、この発明の実施の形態6について図面を参照して詳細に説明する。図18は、本実施の形態に係る電子銃6の中心軸Cを含む面における断面図である。
本実施の形態に係る電子銃6は、実施の形態5と同様のカソード510、集束電極520及び真空外囲器530を備え、これらの部品を第1の連結部品540及び第2の連結部品550を用いて互いに連結したものである。これらの構成に加えて、本実施の形態に係る電子銃6は、実施の形態4と同様の、集束電極120から放射される電子ビームの軌道を整え又は変調を行うアノード410を真空外囲器530内に備える。
アノード410は、セラミック570により、カソード510及び集束電極520と絶縁されているため、独立に電圧を印加することができる。アノード410に任意の電圧を印加することで、集束させる電子ビームの軌道を整え、又は、電子ビームの変調を行うことができる。
電子銃6は、図18に示すように、カソード510と、集束電極520と、アノード410と、カソード510、集束電極520及びアノード410を内部に格納する真空外囲器530と、カソード510及び集束電極520を真空外囲器530に対して固定するための第1の連結部品540及び第2の連結部品550を備える。カソード510、集束電極520、第1の連結部品540及び第2の連結部品550の構成は実施の形態5と同様である。アノード410の構成は実施の形態4と同様である。
電子銃6は、さらに、カソード510と集束電極520を電気的に絶縁するためのセラミック560と、真空外囲器530とアノード410を絶縁するためのセラミック570を備える。真空外囲器530は、アノード410を固定するための支持部133を備える。
本実施の形態に係る電子銃6の組立方法について説明する。電子銃6の組立のうち、
カソード510及び集束電極520の、真空外囲器530への連結については、実施の形態5と同じである。更に、アノード410の真空外囲器530の支持部133への連結方法は実施の形態4と同様である。アノード410は、中心軸Cに垂直な接合面を有し、真空外囲器130の内壁とのあいだに隙間を有している。このため、真空外囲器130の支持部133との接合位置を中心軸Cに垂直な方向に変化させることができる。
カソード510及び集束電極520の、真空外囲器530への連結については、実施の形態5と同じである。更に、アノード410の真空外囲器530の支持部133への連結方法は実施の形態4と同様である。アノード410は、中心軸Cに垂直な接合面を有し、真空外囲器130の内壁とのあいだに隙間を有している。このため、真空外囲器130の支持部133との接合位置を中心軸Cに垂直な方向に変化させることができる。
このようにして真空外囲器530に対して固定されたカソード510、集束電極520及びアノード410は、接合位置が可変であるため、従来の接合位置が固定の構成と比較して、溶接により生じる応力が微小であるため、ゆがみもなく高い同軸度を有する。
なお、本実施の形態に係る電子銃6においても、第1の連結部品540を、実施の形態2と同様の形状を有する2以上の第1の連結部品片を含む第1の連結部品に代えてもよい。また、第2の連結部品550も同様に、図17に示す、2以上の第2の連結部品片556を含む第2の連結部品555に代えてもよい。
以上説明したように本実施の形態に係る電子銃6は、中心軸Cに垂直の接合面を有するアノード410を、カソード510及び集束電極520との同軸度を確保した状態で、真空外囲器530の支持部133と接合することとした。アノード410を含む部品間の同軸度を高めることができ、電子銃6を含む電子管の効率及び信頼性を向上することが可能となる。
このように本発明は、電子を放出するカソードと、カソードが放出する電子を集束する集束電極と、カソード及び集束電極を内包する真空外囲器と、カソードと真空外囲器との間を連結し、又は、集束電極と真空外囲器との間を連結する連結部品と、を備える。カソード、集束電極、真空外囲器及び連結部品はいずれも軸対称の形状を有し、連結部品は、互いに垂直の方向に延在する2つの接合面を有し、2つの接合面のうち軸対称の中心軸に垂直の方向に延在する接合面における接合位置が可変であるとした。これにより、簡易かつ低コストの構成で、部品間の同軸度を高めることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更は勿論可能である。
例えば、上記実施の形態1において、連結部品140及び連結部品150の双方を備える構成としたが、いずれか一方だけ備えてもよい。同様に、実施の形態2において、連結部品240及び連結部品250のいずれか一方だけ備えてもよい。同様に、実施の形態3において、連結部品140及び連結部品350のいずれか一方だけ備えてもよい。
また、実施の形態2において、連結部品240及び連結部品250が、それぞれ2以上の連結部品片241及び連結部品片251を含むとしたが、連結部品240を実施の形態1に係る連結部品140に置き換えてもよく、又は、連結部品250を実施の形態1に係る連結部品150に置き換えてもよい。
1,3,4,5,6 電子銃、110,510 カソード、120,520 集束電極、130,530 真空外囲器、131,132,133 支持部、135,560,570 セラミック、140,150,240,250,350 連結部品、141,151,351 中空円板、143,153,353 中空円筒、160,580 固定治具、171,172,191 溶接箇所、241,251 連結部品片、242 中空円板片、243 中空円筒片、410 アノード、540 第1の連結部品,550,555 第2の連結部品、551 第2の中空円板、553 第2の中空円筒、556 第2の連結部品片。
Claims (15)
- 電子を放出するカソードと、
前記カソードが放出する電子を集束する集束電極と、
前記カソード及び前記集束電極を内包する真空外囲器と、
前記カソードと前記真空外囲器との間を連結し、又は、前記集束電極と前記真空外囲器との間を連結する連結部品と、を備え、
前記カソード、前記集束電極、前記真空外囲器及び前記連結部品はいずれも軸対称の形状を有し、
前記連結部品は、互いに垂直の方向に延在する2つの接合面を有し、2つの前記接合面のうち前記軸対称の中心軸に垂直の方向に延在する接合面における接合位置が可変である、
電子銃。 - 前記連結部品は、前記中心軸を含む平面における断面が、L字型である、
請求項1に記載の電子銃。 - 前記連結部品は、中空円板と、前記中空円板の内周から前記中空円板の中心軸に平行に延在している中空円筒と、を有する、
請求項1又は2に記載の電子銃。 - 前記連結部品は、中空円板の一部である中空円板片と、前記中空円板の内周から前記中空円板の中心軸に平行に延在している中空円筒の一部である中空円筒片と、を含む連結部品片を2以上有する、
請求項1又は2に記載の電子銃。 - 前記真空外囲器は、中空円筒形状を有し、前記軸対称の前記中心軸に直交する平面に沿って、内周面から前記中心軸に向かって突出する支持部を有し、
前記連結部品の2つの前記接合面のうち、1面は前記カソード又は前記集束電極の外周面と接合し、他の1面は前記支持部の前記中心軸に垂直な表面と接合する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電子銃。 - 前記集束電極と前記真空外囲器との間を連結する前記連結部品は、中空円板と、前記中空円板の外周から前記中空円板の中心軸に平行に延在している中空円筒と、を有する、
請求項1又は2に記載の電子銃。 - 前記集束電極と前記真空外囲器との間を連結する前記連結部品は、中空円板の一部である中空円板片と、前記中空円板の外周から前記中空円板の中心軸に平行に延在している中空円筒の一部である中空円筒片と、を含む連結部品片を2以上有する、
請求項1又は2に記載の電子銃。 - 前記真空外囲器は、中空円筒形状を有し、前記軸対称の前記中心軸に直交する平面に沿って、内周面から前記中心軸に向かって突出する支持部を有し、
前記集束電極と前記真空外囲器との間を連結する前記連結部品の2つの前記接合面のうち、1面は前記集束電極の前記中心軸に垂直な表面と接合し、他の1面は前記支持部の前記中心軸に平行な表面と接合する、
請求項6又は7に記載の電子銃。 - 前記連結部品は、第1の中空円板と、前記第1の中空円板の内周から前記第1の中空円板の中心軸に平行に延在している第1の中空円筒とを有する第1の連結部品、及び、第2の中空円板と前記第2の中空円板の外周から前記第2の中空円板の中心軸に平行に延在している第2の中空円筒とを有する第2の連結部品を含む、
請求項1又は2に記載の電子銃。 - 前記連結部品は、第1の中空円板の一部である第1の中空円板片と、前記第1の中空円板の内周から前記第1の中空円板の中心軸に平行に延在している第1の中空円筒の一部である第1の中空円筒片とを有する第1の連結部品片、及び、第2の中空円板の一部である第2の中空円板片と、前記第2の中空円板の外周から前記第2の中空円板の中心軸に平行に延在している第2の中空円筒の一部である第2の中空円筒片とを有する第2の連結部品片を、それぞれ2以上含む、
請求項1又は2に記載の電子銃。 - 前記第1の連結部品の前記集束電極と接合した面と異なる前記中心軸に垂直な面と、前記第2の連結部品の前記真空外囲器と接合した面と異なる前記中心軸に垂直な面と、が互いに接合される、
請求項9又は10に記載の電子銃。 - 前記カソード及び前記集束電極と絶縁され、前記カソード及び前記集束電極の前記軸対称の中心軸に、自身の中心軸を合わせて前記真空外囲器に対して固定されたアノードをさらに備える、
請求項1から11のいずれか1項に記載の電子銃。 - 前記真空外囲器は、中空円筒形状を有し、前記軸対称の前記中心軸に直交する平面に沿って、内周面から前記中心軸に向かって突出する支持部を有し、
前記アノードは、前記中心軸に直交する平面上で前記支持部と接合され、当該接合の位置は前記中心軸に直交する平面上で可変である、
請求項12に記載の電子銃。 - 請求項1から13のいずれか1項に記載の電子銃を備える電子管。
- 電子を放出するカソードと、前記カソードが放出する電子を集束する集束電極と、前記カソード及び前記集束電極を内包する真空外囲器と、を備える電子銃の製造方法であって、
前記電子銃は、前記カソードと前記真空外囲器との間を連結し、又は、前記集束電極と前記真空外囲器との間を連結する連結部品と、を更に備え、
前記カソード、前記集束電極、前記真空外囲器及び前記連結部品はいずれも軸対称の形状を有し、
前記連結部品は互いに垂直の方向に延在する2つの接合面を有し、
前記真空外囲器は、中空円筒形状を有し、前記軸対称の中心軸に直交する平面に沿って、内周面から中心軸に向かって突出する支持部を有し、
前記カソード又は前記集束電極と、前記連結部品の2つの前記接合面のうちの1面と、を溶接する第1溶接ステップと、
前記真空外囲器の前記支持部と、前記連結部品の2つの前記接合面のうちの他の1面と、を溶接する第2溶接ステップと、
を有する電子銃の製造方法。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
CN114678241A (zh) * | 2020-12-24 | 2022-06-28 | 中国电子科技集团公司第十二研究所 | 一种用于电子枪的绝缘支撑件及电子枪 |
-
2019
- 2019-04-17 JP JP2019078303A patent/JP2020177777A/ja active Pending
Cited By (1)
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