JPH08173887A - 塗布具および塗布具のチップとコアとの接合構造 - Google Patents
塗布具および塗布具のチップとコアとの接合構造Info
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- JPH08173887A JPH08173887A JP33618094A JP33618094A JPH08173887A JP H08173887 A JPH08173887 A JP H08173887A JP 33618094 A JP33618094 A JP 33618094A JP 33618094 A JP33618094 A JP 33618094A JP H08173887 A JPH08173887 A JP H08173887A
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Abstract
つき、特に横方向へのぐらつきが少ない塗布具を提供す
る。 【構成】 先金具23の先端がかしめられて、断面が偏
平状のペン先チップ21が取り付けられている。かしめ
部24では、先金具23はペン先チップ21の長辺側側
面34と接し、長辺側側面34の境界で曲がっていてペ
ン先チップ21の角と当接している。
Description
ップを有する塗布具、およびそのペン先チップとコアと
の接合構造に関するものであり、特に断面形状が角状あ
るいは偏平なペン先チップを有する塗布具に関するもの
である。
て、近年樹脂製のペン先チップをペン先とする塗布具が
普及しつつある。またこの種の塗布具において、比較的
高粘度のインキを使用する場合には、弁を内蔵する構成
が採用される場合が多い。
を内蔵した従来技術の塗布具について説明する。図11
は、従来技術の塗布具の要部の分解斜視図である。図1
1において、100はペン先となるチップである。ペン
先チップ100は樹脂で作られたものであり、細い円柱
状をしている。即ち従来技術においては、この種の塗布
具のペン先チップは専ら円柱状であってそれ以外の形状
のものは提案されていない。
コア101が取り付けられている。ここでコア101
は、インキ溜めからペン先チップに円滑にインキを導く
作用をする部材であり、多孔質体や繊維束を素材とし
て、円柱状に成形されたものである。上記したペン先チ
ップ100とコア101は、先金具と称される金具10
2で結合されている。従来技術の先金具102は、内径
の異なる2つの部分が連続する筒状の部材である。即ち
従来技術で採用される先金具102は、小径部103と
大径部105を持つ。そして小径部103の内径はペン
先チップ100の外径に等しく、大径部105の内径は
コア101の外径に等しい。従来技術で用いられていた
先金具102は、切削加工によって上記した小径部10
3と大径部105を有する形状に予め成形されていた。
そしてペン先チップ100とコア101は、それぞれ先
金具102の小径部103と大径部105に挿入される
ことによって結合されていた。
100とコア101は、塗布具の先栓106の孔108
内に摺動可能に挿入される。ここで先栓106は図示し
ないインキ溜部の先端に取り付けられたものであり、先
端の孔108は図示しないインキ溜部の内部と連通す
る。またインキ溜部内には図示しない弁が内蔵されてい
る。
には、予めペン先チップ100を紙面等に押しつける。
するとペン先チップ100は先金具102が孔108内
を摺動することによって、孔108内に沈む。その結果
ペン先チップ100の後端に取り付けられたコア101
が図示しない弁の弁体を押し、弁を開いてインキ溜部の
開口を開く。するとインキ溜部からインキが流れ出し、
コア101を通じてペン先チップ100に導かれる。
用されていたペン先チップは、前記したように円柱形状
であった。そのため、従来技術の塗布具は文字や線図を
描く場合には申し分の無い機能を果たすものであった。
しかしながら従来技術の塗布具は太い線を引いたり、一
定の範囲を塗りつぶす様な用途に使用する場合には、は
なはだ使い勝手の悪いものであった。そこで本発明者ら
は、ペン先チップを有する塗布具を、太い線を描く用途
に適する構成への改良を試みた。具体的にはペン先チッ
プの形状を従来技術の円柱形状から断面が偏平なものに
変更した。しかしながら、ペン先チップの形状を断面が
偏平な形状に変更すると、従来技術には全く存在しなか
った新たな問題に直面した。
するために、ペン先チップを押しつける必要がある。と
ころが断面形状が偏平のペン先チップを採用すると、ペ
ン先チップを押しつける時に、ペン先チップに回転モー
メントが発生し、ペン先チップが回転してしまう。また
線を書く際にも、使用者の筆圧によってペン先チップが
回転してしまうことがある。そのため従来技術の塗布具
では、太い線を引いている最中に、突然ペン先チップが
回転し、線が細くなってしまう問題があった。
ラフに利用する場合に致命的な問題となるものであっ
た。ここでカリグラフとは、人間の手を使って文字を描
くデザインの手法である。カリグラフの代表的な方法
は、先端が偏平な筆等を手に持ち、その筆をいろいろな
向きに傾けたり、反転して線の太さに変化を持たせつつ
文字を描く。
が偏平のペン先チップを備えた塗布具を用いてカリグラ
フを行ったところ、線の太さに変化をつけるために塗布
具を傾けて文字を描いていると、予期しないところでペ
ン先チップが回転してしまい、意のままの太さの線を描
くことができなかった。そのため断面形状が偏平のペン
先チップを備えた塗布具は、とてもカリグラフの使用に
耐えるものではなかった。そこで本出願人は、先に先金
具の一部を先栓と係合させ、ペン先チップの回転を阻止
する構成を開示した(特願平5−352109号、実願
平5−27854号)。
様にペン先チップ110を円筒状の先金具112に挿入
し、先金具のペン先チップ挿入部分をX方向にかしめる
ことによって先金具112の一部を幅方向に広げ、当該
部分を先栓115に係合させるものである。本出願人が
先に開示した方策によって、筆記中にペン先チップ11
0が回転する不具合は解消された。しかしながら、上述
の構成では、筆記中にペン先チップ110がぐらついて
不安定となることがあった。すなわち上述の構成による
と、ペン先チップは厚さ方向にだけ押さえつけられて先
金具112に保持されたものであり、ペン先チップ11
0は厚さ方向には、先金具と当接して移動が阻止される
ものの、ペン先チップ110の幅方向にはかしめによっ
てできた空所116がある。そのためペン先チップ11
0は図12の矢印Y方向の力に対して弱く、筆記中にぐ
らついてしまうのであった。
目し、ペン先チップの断面形状を偏平にすることによっ
て太い線を描くことが可能であり、かつ文字や絵を描い
ている最中にペン先チップが回転しない塗布具を提供す
ることを目的とする。また併せて本発明は、筆記中にペ
ン先チップがぐらつかない塗布具を提供することを目的
とする。
達成するための本発明は、断面が角状あるいは偏平状の
ペン先チップと、ペン先チップを保持する先金具と、イ
ンキ溜部に取り付けられ先端に孔が設けられた先栓を有
し、前記先金具が前記先栓の孔内に装着された塗布具に
おいて、ペン先チップは先金具に挿入され、先金具のペ
ン先チップ挿入部分がかしめられて保持され、先金具の
かしめ部は、ペン先チップの周面の少なくとも一つと接
し、且つ先金具のかしめ部は、当該面と隣合う面との境
界部分を境に曲がっており、先金具のかしめ部は他の部
分から突出して先栓の孔の一部と回転不能に係合してい
ることを特徴とする塗布具である。
もう一つの発明は、断面が略長方形のペン先チップと、
ペン先チップを保持する先金具と、インキ溜部に取り付
けられ先端に孔が設けられた先栓を有し、前記先金具が
前記先栓の孔内に装着された塗布具において、ペン先チ
ップは先金具に挿入され、先金具のペン先チップ挿入部
分がかしめられて保持され、先金具のかしめ部では、先
金具の内面は、ペン先チップの二つの長辺および一つの
長辺の両端の角で接しさらに先金具のかしめ部は他の部
分から突出して先栓の孔の一部と回転不能に係合してい
ることを特徴とする塗布具である。
るもう一つの発明は、断面が略長方形のペン先チップ
と、ペン先チップを保持する先金具と、インキ溜部に取
り付けられ先端に孔が設けられた先栓を有し、前記先金
具が前記先栓の孔内に装着された塗布具において、ペン
先チップは先金具に挿入され、先金具のペン先チップ挿
入部分がかしめられて保持され、先金具のかしめ部は、
ペン先チップの長辺を挟む2つの角と接し、さらに先金
具のかしめ部は他の部分から突出して先栓の孔の一部と
回転不能に係合していることを特徴とする塗布具であ
る。
いは偏平状のペン先チップと、ペン先チップを保持する
先金具と、インキ溜部に取り付けられ先端に孔が設けら
れた先栓を有し、前記先金具が前記先栓の孔内に装着さ
れた塗布具において、ペン先チップは先金具に挿入さ
れ、先金具のペン先チップ挿入部分がかしめられて保持
され、先金具のかしめ部は、ペン先チップと少なくとも
3か所で接しさらに先金具のかしめ部は他の部分から突
出して先栓の孔の一部と回転不能に係合していることを
特徴とする塗布具である。
は、先金具は先栓の孔内に摺動可能に装着され、インキ
溜部にはその開口を常時閉鎖する弁が取り付けられてお
り、該弁は先金具の摺動と連動し、インキ溜部の開口を
開放することを特徴とする。
明は、断面が角状あるいは偏平状のペン先チップと、イ
ンキ溜部からインキを導き出すコアとを接合する構造で
あって、ペン先チップとコアとは筒形の先金具に挿入さ
れ、先金具のペン先チップ挿入部分がかしめられて成
り、先金具のかしめ部はペン先チップの周面の少なくと
も一つと接し、且つ先金具のかしめ部は当該面と隣合う
面との境界部分を境に曲がっていることを特徴とする塗
布具のチップとコアとの接合構造である。
は、断面が略長方形のペン先チップと、インキ溜部から
インキを導き出すコアとを接合する構造であって、ペン
先チップとコアとは筒形の先金具に挿入され、先金具の
ペン先チップ挿入部分がかしめられて保持され、先金具
のかしめ部は、ペン先チップの長辺を挟む2つの角と接
していることを特徴とする塗布具のチップとコアとの接
合構造である。
は、筒形の先金具の一方の開口から、断面が角状あるい
は偏平状のペン先チップを挿入し、前記先金具の他方の
開口にはコアを挿入し、先金具のペン先チップ挿入部分
に、ペン先チップの側面形状に略一致する凹部を有する
押し型を押圧装置によって押圧し、先金具をかしめるこ
とを特徴とする塗布具のチップとコアとの接合方法であ
る。
角状あるいは偏平状のペン先チップと、インキ溜部から
インキを導き出すコアとを接合する構造であって、ペン
先チップとコアとは筒形の先金具に挿入され、先金具の
ペン先チップ挿入部分がかしめられて成り、先金具のか
しめ部はペン先チップと少なくとも3か所で接し、且つ
両者の接触箇所の内少なくとも一つは、面接触している
ことを特徴とする塗布具のチップとコアとの接合構造で
ある。
が略長方形のペン先チップと、インキ溜部からインキを
導き出すコアとを接合する構造であって、ペン先チップ
とコアとは筒形の先金具に挿入され、先金具のペン先チ
ップ挿入部分がかしめられて保持され、先金具のかしめ
部では、先金具の内面は、ペン先チップの二つの長辺お
よび一つの長辺の両端の角で接し、さらに先金具のかし
め部は他の部分から突出して先栓の孔の一部と回転不能
に係合していることを特徴とする塗布具のチップとコア
との接合構造である。
平なペン先チップを有し、このペン先チップがペン先と
して機能する。従って使用者が本発明の塗布具のペン先
チップを紙等に押し当てて塗布具を走らせると、紙等に
は最大でペン先チップの幅に相当する太さの線が描かれ
る。また請求項1記載の発明の塗布具は先金具に係合部
が設けられ、該係合部が先栓の孔の一部と回転不能に係
合しているので、筆記中に塗布具を傾けたり、反転を加
えてもペン先チップが回転する事はない。加えて本発明
の塗布具では、かしめ部は、ペン先チップの周面の少な
くとも一つと接し、且つ先金具のかしめ部は、当該面と
隣合う面との境界部分を境に曲がっている。そのためペ
ン先チップは、3か所以上で先金具に保持され、横方向
へのがたつきやずれは阻止される。さらに本発明の塗布
具は、先金具が先栓の孔の一部と係合するものであるた
め、ペン先チップに係る回転力は、先栓で負担される。
そのためペン先チップに無理な力がかかることは無い。
前述の請求項1記載の塗布具と略同様であり、請求項2
記載の塗布具にあっては先金具の内面は、ペン先チップ
の二つの長辺および一つの長辺の両端の角で接し、ペン
先チップの横方向へのがたつきやずれは阻止される。請
求項3記載の塗布具にあってはペン先チップは、長辺を
構成する2つの角が先金具と接しているので、ペン先チ
ップの横方向へのがたつきやずれは阻止される。請求項
4記載の塗布具にあっては、先金具のかしめ部は、ペン
先チップと少なくとも3か所で接しているので、ペン先
チップの横方向へのがたつきやずれは阻止される。
その開口を常時閉鎖する弁が取り付けられているため、
ペン先チップに過度にインキが供給されたり、インキが
乾燥してしまうことは少ない。そして使用者が請求項5
記載の塗布具を利用して文字や線を描く時は、ペン先チ
ップに筆圧を加えてペン先チップを押す。すると、ペン
先チップを保持する先金具は先栓の孔内に摺動可能に装
着されているので、先金具は先栓の孔内に沈む。そして
先金具の摺動と連動して弁が開きインキ溜部の開口が開
放されて、新たなインキがペン先チップに供給される。
プとコアとの接合構造では、ペン先チップとコア、およ
び先金具は別々に成形され、ペン先チップとコアとを先
金具に挿入した後、先金具をかしめることによってペン
先チップとコアとを接合することができる。そしてペン
先チップがたつきやずれは阻止される。
合方法は、ペン先チップの側面形状に略一致する凹部を
有する押し型を押圧して先金具をかしめるものであり、
押し型に押されて先金具は変形し、上述のペン先チップ
とコアとの接合構造が容易に製造される。
する。図1は、本発明の具体的実施例における塗布具の
断面図である。図2は、図1の塗布具の要部の分解斜視
図であり、(a)はペン先部の製造工程を示し、(b)
は塗布具の先端部を示す。図3は、図1の先端部分の拡
大図である。図4は、図3の側面断面図である。図5
は、図4のA方向矢視図である。
の塗布具である。本実施例の塗布具1は、大きく分けて
インキ溜部2と先栓3およびペン先部5によって構成さ
れる。順次説明すると、インキ溜部2は従来技術のそれ
と大差なく、アルミニウム、ステンレススチール、合成
樹脂、ガラス等によって成形された容器であって、端部
が開口し、内部に弁6が内蔵されている。弁6は、樹脂
で作られたものであり、弁座8と弁枠9および弁本体1
0によって構成される。ここで弁座8はインキ溜部2の
内外を連通する弁孔13を有する部材である。弁枠9
は、インキ溜部2の開口部分に装着された枠状の部材で
あり、周囲に図示しない開口が設けられていて、弁枠9
内には自由にインキが出入りすることができる。また弁
枠9の底部にはガイド孔15が設けられている。
17が設けられ、後端にガイド棒18が形成されてい
る。
空間が形成され、該空間内に弁本体10が配置されて成
る。また弁本体10の当接棒17は弁座8の弁孔13か
ら外部に突出し、一方ガイド棒18は弁枠9のガイド孔
15に挿入されている。また弁本体10はバネ12によ
って常時弁座8に向かって付勢されている。従って弁座
8の弁孔13は、常時は弁本体10によって塞がれてい
る。また一方弁本体10のガイド棒18をインキ溜部2
内に向かって押圧すると、弁本体10はばね12に抗し
て移動し、弁本体10が弁座8を離れて弁孔13が開放
される。
あり、先端に貫通孔19が設けられている。そして先栓
3の構成で特記しておくべき構成は、貫通孔19の内部
に突条20が設けられている点である。突条20は断面
が半円状であり、貫通孔19の軸方向の全域に渡って形
成されている。また突条20は同じ形のものが、貫通孔
19内面の円周方向に、等間隔に4個設けられている。
そして4個の突条20の先端の内接円は、後記するペン
先部5を構成する先金具23の大部分27の直径よりも
僅かに大きい。
であり詳細に説明する。本実施例の塗布具1ではペン先
部5は、ペン先チップ21とコア22および先金具23
から構成される。
等によって作られたものであり、断面が長方形の偏平な
形状をしている。ペン先チップ21は、軸方向に微小な
貫通孔或いは貫通溝を有するものであり、これらの微小
な貫通孔等によって後端と先端が連通し、先端からイン
キがにじみ出される。
素材として棒状に成形されたものである。
き成形によって作られた筒であり、前記したペン先チッ
プ21とコア22が両端から挿入され、両者を一体に結
合するものである。先金具23の内径は、前記したコア
22の外径にほぼ等しいものであり、コア22は先金具
23に圧入することによって先金具23に結合されてい
る。これに対して、ペン先チップ21の先金具23への
固定手段はかしめ構造が採用されている。即ち、本実施
例で採用するペン先部5では、いずれの位置の断面も等
しい円形である先金具23を利用し、先金具23にペン
先チップ21を挿入し、先金具23をかしめることによ
ってペン先チップ21を固定する。
様に押し型26を双方から押しつけることによって行う
ことが望ましい。押し型26には、ペン先チップ21の
側面形状に略一致する凹部32が設けられている。押し
型26は、図示しない押圧装置によって先金具23の先
端部に押しつけられる。
と先金具23との結合は、先金具23の先端をかしめる
ことによって行われているので、先金具23の大部分2
7の断面は円形であるが、ペン先チップ21との結合部
分となるかしめ部24だけは、偏平に潰された形をして
いる。より具体的に説明すると、かしめ部24は、図5
に示す様にペン先チップ21の長辺側側面34では、ペ
ン先チップ21に密着している。そして先金具23は、
ペン先チップ21の長辺側側面34の端部、すなわち長
辺側側面34との境界部分で短辺側側面35に向かって
曲がっている。そのため先金具23のかしめ部24で
は、ペン先チップ21の2つの長辺側側面34のそれぞ
れにおいて、長辺側側面34を挟む2つの角が押さえら
れ、先金具23は長辺側側面34のみならず短辺側側面
35とも接し、ペン先チップ21をがたつかない様に保
持している。
幅方向に張り出している。従ってかしめ部24は、ペン
先チップ21の幅方向には、ペン先チップ21の幅より
も相当に大きく、先金具23の他の大部分27よりも突
出した形状になっている。そしてこの突出した部分が係
合部25として機能する。
ンキ溜部2の先端に先栓3が装着され、更に先栓3の貫
通孔19内にペン先部5が挿入されて、コア22が弁本
体10のガイド棒17に当接したものである。そして先
金具23の大部分27の外径は、先栓3の貫通孔19の
内面にある突条20の内接円よりも僅かに小さいので、
ペン先部5は先栓3の貫通孔19内を軸方向に摺動する
ことができる。
め部24にある係合部25は、他の大部分27より外側
に突出しているため、該係合部25は、先栓3の突条2
0間に係合する。従って先金具23の回転は阻止され
る。その結果、ペン先部5は先栓3の貫通孔19内を摺
動可能であるが、回転することはない。
明する。本実施例の塗布具1を用いて例えばカリグラフ
を行う場合は、筆圧をもってペン先チップ21を紙等に
押し当てる。するとペン先部5は係合部25が突条20
に係合し、回転する事なく真っ直ぐに先栓3の貫通孔1
9内に沈み、コア22が弁本体10のガイド棒17を押
して、インキ溜部2の弁孔13を開放させる。そしてイ
ンキ溜部2内からインキが流れ出し、コア22に吸収さ
れる。尚コア22の周囲にリング状の連続気泡体よりな
るインキ吸蔵体を設け、余分なインキを吸収させてもよ
い。コア22にインキが吸収された結果、コア22を通
じてペン先チップ21にインキが供給されて紙に線が描
かれる。尚インキ溜部2内からインキが流れ出す際、突
条20の間の隙間28および、ペン先チップ21と先金
具23との間の隙間29は通気孔として作用するため、
インキの流出は円滑である。
転すると、ペン先チップ21に回転モーメントが発生す
る。しかしながら、本実施例の塗布具1では、先金具2
3のかしめ部24に係合部25が設けられており、この
係合部25が先栓3の貫通孔19の突条20と係合して
いるので、ペン先チップ21の回転モーメントは当該係
合部25で負担され、ペン先チップ21が回転すること
はない。加えて本実施例の塗布具1では、ペン先チップ
21の4つの角と2つの長辺側側面34はしっかりと先
金具23に保持されており、ペン先チップ21ががたつ
く事もない。そのため、ペン先チップ21は使用者の思
うままに傾き、或いは反転し、自由自在に線径を変化さ
せることができる。
具操作に応じて反転するとともに先栓3の貫通孔19を
出入りするが、本実施例の塗布具1ではこれらのペン先
チップ21の挙動によって、ペン先チップ21自身が傷
付くことはない。即ち、本実施例の塗布具1では、ペン
先部5の軸方向の摺動面および、回転モーメントの負担
部分は、いずれも先金具23で行われる。そのためペン
先チップ21自身には強い力はかからず、ペン先チップ
21は保護される。
細な構成は、図5に示すように、先金具23がペン先チ
ップ21に対して長辺側側面34には密着し、ペン先チ
ップ21の長辺側側面34の境界部分から短辺側側面3
5に曲がっていて、4つの角を保持し、さらに短辺側側
面35の中央で横方向に張り出した構成を開示したが、
勿論本発明はこの構成にこだわるものではない。すなわ
ち、ペン先チップ21のがたつきを防止するためには、
先金具23のかしめ部24はペン先チップ21の周面の
少なくとも一つと接し、且つ先金具23のかしめ部24
は当該面と隣合う面との境界部分を境に曲がっておれば
良い。また特に断面が長方形のペン先チップ21を採用
する場合には、先金具23のかしめ部は、ペン先チップ
21の長辺を挟む2つの角と接しておれば、ペン先チッ
プ21の横方向のがたつきは阻止できる。より簡便に
は、先金具23はペン先チップ21の断面形状の内、い
ずれかの辺またはいずれかの角の3つと当接していれば
ペン先チップ21の横方向のがたつきは阻止し得る。
プ21の一方の長辺側だけで、ペン先チップ21の長辺
を挟む2つの角を保持し、他方の長辺側は、先金具23
の当接面が平坦であるものでも良い。本実施例では、ペ
ン先チップの二つの長辺は双方とも先金具23の内面と
接しているが、角の部位は、一つの長辺の両端だけが先
金具23の内面と接し、他方の長辺の両端の角は先金具
23の内面に接していない。そしてその接していない方
の部位は、横方向に突出していて係合部25を構成して
いる。尚、図6(a)の様な、一方の長辺側だけでペン
先チップ21の2つの角を保持する構成にかしめるに
は、図7の様にペン先チップ21の側面形状に略一致す
る凹部32が設けられた押し型26の上に先金具23を
置き、上から平坦な押し板37で押圧することによっ
て、容易に行うことができる。
ある。図6(b)の構成では、ペン先チップ21の一方
の長辺側側面34に当接する先金具23の内面は直線的
であり、他方はペン先チップ21の長辺側側面34の端
部を境に曲がっている。
構成と略同様であるが、前述の図6(b)の構成では、
先金具はペン先チップ21の長辺の端部を境に直線的に
曲がっているのに対して、図6(c)では緩やかな円弧
を描いて曲がっている点が相違する。図6(d)は、ペ
ン先チップ21の二つの長辺側側面34の双方において
端部を境に直線的に曲がった構成である。
かしめ、ペン先チップ21の一つの辺と2つの角を先金
具23と当接させても、ペン先チップ21のがたつきは
防止される。この様に先金具23を三角形にかしめる場
合には、先栓38は、3条の突条20を有する構成と
し、この突条20によって構成される溝に、かしめ部の
それぞれの角部を配置することが望ましい。
ップ21とコア22を備えるものを前提として説明した
が、本発明の構成は、コアを省略した筆記具にも採用可
能である。コアを省略した場合の構成を、図9,10を
参照しつつ説明する。
乃至図8で説明した筆記具と同一の部品については同一
の番号を付し、詳細な説明を省略する。図9,10は、
本発明の具体的実施例における筆記具の要部の分解斜視
図であり、(a)はペン先部の製造工程を示し、(b)
は塗布具の先端部を示す。また図12は、本発明の変形
実施例における筆記具の要部の分解斜視図であり、
(a)はペン先部の製造工程を示し、(b)は塗布具の
先端部を示す。図9の塗布具50では、ペン先51は、
ペン先チップ52と先金具23から構成される。ここで
ペン先チップ52は、先の実施例のそれと、材質および
性質は全く同一であり、長さだけが異なるものである。
即ち本実施例で採用するペン先チップ52は、先の実施
例のそれよりも長い。
材であり、具体的には黄銅製の筒である。本実施例で採
用するペン先部51では、ペン先チップ52が先金具2
3内に挿入されており、ペン先チップ52の両端は、い
ずれも先金具23から突出している。そして先金具23
の一方の端部はかしめられており、ペン先チップ52が
固定されていると共に、かしめ部24によって係合部2
5が形成されている。本実施例の塗布具50では、先の
実施例と同様にペン先部51が、先栓3の貫通孔19内
に挿入される。そして本実施例の塗布具50では、ペン
先チップ52の後端側が直接弁本体10のガイド棒17
に当接している。またペン先部51は、先の実施例と同
様に、貫通孔19内を摺動すると共に、係合部25が突
条20と嵌合してペン先部51の回転は防止され、ペン
先チップ52ががたつくこともない。加えて本実施例の
塗布具50においてもペン先チップ52の座屈を防止す
る効果やペン先チップ52の貫通孔を潰さない効果があ
る。
の構成上、先金具23の一方の端部だけにかしめ部24
を設け、ペン先チップ52を固定すると共に、先金具2
3の一方の端部だけに係合部25を形成させた。しかし
ながら、本発明は、このように先金具23の端部だけを
かしめる方策の他、図10のペン先部60の様に先金具
23の全長に渡ってかしめる方策の採用も可能である。
先金具23の全長に渡ってかしめる場合は、先の実施例
で採用した押し型26よりもより長い押し型61を、先
金具23の双方から押しつけることによって行うことが
望ましい。
じて随時変更することが可能ではあるが、先栓の孔の断
面形状は、4つの突条が設けられた構成が最も推奨され
る。この理由は、4つの突条20が設けられた構成は、
4つの突条20の先端によって先金具の円柱状の部分が
保持されるため、係合部が存在しない従来技術の先金具
でも軸方向に慴動可能に挿入することができる。そのた
め本実施例で採用する先栓3は、従来技術のところで説
明した断面が円状のペン先チップを有する塗布具と互換
性を持たせることができる効果がある。
あるものとして断面が長方形のペン先チップを有する塗
布具を例示した。しかし正方形や6角形あるいは8角形
等の角形のペン先チップについてもペン先チップが回転
することによって線径が変化するので、本発明の適応の
余地があることは言うまでもない。
は偏平状のペン先チップを有し、このペン先チップから
インキをにじみ出させるものであるため、太い線を描く
ことができる効果があり、広い範囲を塗りつぶす場合の
作業性が良い効果がある。
けられ、該係合部が先栓の孔の一部と回転不能に係合し
ているので、筆記中に塗布具を傾けたり反転しても、ペ
ン先チップが回転する事はない。加えて請求項1記載の
塗布具では、ペン先チップの周面の少なくとも一つと接
し、且つ先金具のかしめ部は、当該面と隣合う面との境
界部分を境に曲がっているので、ペン先チップはガタツ
キが少ない状態で保持されている。また請求項2,3の
構成では、先金具のかしめ部は、ペン先チップの長辺を
構成する2つの角と接しているので、ペン先チップはガ
タツキが少ない状態で保持されている。そのため本発明
の塗布具は全体を傾けたり、反転することによって自由
自在に線径を変化させることができる効果があり、カリ
グラフの新たな画材として採用することができる効果が
ある。さらに本発明の塗布具はペン先チップに係る回転
力が、先栓で負担されるのでペン先チップに無理な力が
かかることは無く、いつまでも滑らかな書き味を維持す
ることができる効果がある。
その開口を常時閉鎖する弁が取り付けられているため、
ペン先チップに過度にインキが供給されたり、インキが
乾燥してしまうことが少ない効果がある。
ン先チップとコアとの接合構造は、少ない種類の先金具
で多数の種類のペン先チップを取り付けることができる
ため、部品の互換性の向上を図ることができる効果があ
る。
である。
具の平面図である。
図である。
斜視図である。
解斜視図である。
る。
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 断面が角状あるいは偏平状のペン先チッ
プと、ペン先チップを保持する先金具と、インキ溜部に
取り付けられ先端に孔が設けられた先栓を有し、前記先
金具が前記先栓の孔内に装着された塗布具において、ペ
ン先チップは先金具に挿入され、先金具のペン先チップ
挿入部分がかしめられて保持され、先金具のかしめ部
は、ペン先チップの周面の少なくとも一つと接し、且つ
先金具のかしめ部は、当該面と隣合う面との境界部分を
境に曲がっており、先金具のかしめ部は他の部分から突
出して先栓の孔の一部と回転不能に係合していることを
特徴とする塗布具。 - 【請求項2】 断面が略長方形のペン先チップと、ペン
先チップを保持する先金具と、インキ溜部に取り付けら
れ先端に孔が設けられた先栓を有し、前記先金具が前記
先栓の孔内に装着された塗布具において、ペン先チップ
は先金具に挿入され、先金具のペン先チップ挿入部分が
かしめられて保持され、先金具のかしめ部では、先金具
の内面は、ペン先チップの二つの長辺および一つの長辺
の両端の角で接し、さらに先金具のかしめ部は他の部分
から突出して先栓の孔の一部と回転不能に係合している
ことを特徴とする塗布具。 - 【請求項3】 断面が略長方形のペン先チップと、ペン
先チップを保持する先金具と、インキ溜部に取り付けら
れ先端に孔が設けられた先栓を有し、前記先金具が前記
先栓の孔内に装着された塗布具において、ペン先チップ
は先金具に挿入され、先金具のペン先チップ挿入部分が
かしめられて保持され、先金具のかしめ部は、ペン先チ
ップの長辺を挟む2つの角と接し、さらに先金具のかし
め部は他の部分から突出して先栓の孔の一部と回転不能
に係合していることを特徴とする塗布具。 - 【請求項4】 断面が角状あるいは偏平状のペン先チッ
プと、ペン先チップを保持する先金具と、インキ溜部に
取り付けられ先端に孔が設けられた先栓を有し、前記先
金具が前記先栓の孔内に装着された塗布具において、ペ
ン先チップは先金具に挿入され、先金具のペン先チップ
挿入部分がかしめられて保持され、先金具のかしめ部
は、ペン先チップと少なくとも3か所で接しさらに先金
具のかしめ部は他の部分から突出して先栓の孔の一部と
回転不能に係合していることを特徴とする塗布具。 - 【請求項5】 先金具は先栓の孔内に摺動可能に装着さ
れ、インキ溜部にはその開口を常時閉鎖する弁が取り付
けられており、該弁は先金具の摺動と連動し、インキ溜
部の開口を開放することを特徴とする請求項1乃至4の
いずれか一つに記載の塗布具。 - 【請求項6】 断面が角状あるいは偏平状のペン先チッ
プと、インキ溜部からインキを導き出すコアとを接合す
る構造であって、ペン先チップとコアとは筒形の先金具
に挿入され、先金具のペン先チップ挿入部分がかしめら
れて成り、先金具のかしめ部はペン先チップの周面の少
なくとも一つと接し、且つ先金具のかしめ部は当該面と
隣合う面との境界部分を境に曲がっていることを特徴と
する塗布具のチップとコアとの接合構造。 - 【請求項7】 断面が略長方形のペン先チップと、イン
キ溜部からインキを導き出すコアとを接合する構造であ
って、ペン先チップとコアとは筒形の先金具に挿入さ
れ、先金具のペン先チップ挿入部分がかしめられて保持
され、先金具のかしめ部は、ペン先チップの長辺を挟む
2つの角と接していることを特徴とする塗布具のチップ
とコアとの接合構造。 - 【請求項8】 筒形の先金具の一方の開口から、断面が
角状あるいは偏平状のペン先チップを挿入し、前記先金
具の他方の開口にはコアを挿入し、先金具のペン先チッ
プ挿入部分に、ペン先チップの側面形状に略一致する凹
部を有する押し型を押圧装置によって押圧し、先金具を
かしめることを特徴とする塗布具のチップとコアとの接
合方法。 - 【請求項9】 断面が角状あるいは偏平状のペン先チッ
プと、インキ溜部からインキを導き出すコアとを接合す
る構造であって、ペン先チップとコアとは筒形の先金具
に挿入され、先金具のペン先チップ挿入部分がかしめら
れて成り、先金具のかしめ部はペン先チップと少なくと
も3か所で接していることを特徴とする塗布具のチップ
とコアとの接合構造。 - 【請求項10】 断面が略長方形のペン先チップと、イ
ンキ溜部からインキを導き出すコアとを接合する構造で
あって、ペン先チップとコアとは筒形の先金具に挿入さ
れ、先金具のペン先チップ挿入部分がかしめられて保持
され、先金具のかしめ部では、先金具の内面は、ペン先
チップの二つの長辺および一つの長辺の両端の角で接
し、さらに先金具のかしめ部は他の部分から突出して先
栓の孔の一部と回転不能に係合していることを特徴とす
る塗布具のチップとコアとの接合構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33618094A JP3605865B2 (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | 塗布具および塗布具のチップとコアとの接合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33618094A JP3605865B2 (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | 塗布具および塗布具のチップとコアとの接合構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08173887A true JPH08173887A (ja) | 1996-07-09 |
JP3605865B2 JP3605865B2 (ja) | 2004-12-22 |
Family
ID=18296489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33618094A Expired - Fee Related JP3605865B2 (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | 塗布具および塗布具のチップとコアとの接合構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3605865B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012125979A (ja) * | 2010-12-14 | 2012-07-05 | Sakura Color Products Corp | 筆記具用ペン先 |
JP2020049672A (ja) * | 2018-09-25 | 2020-04-02 | 株式会社パイロットコーポレーション | 筆記具 |
-
1994
- 1994-12-21 JP JP33618094A patent/JP3605865B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2012125979A (ja) * | 2010-12-14 | 2012-07-05 | Sakura Color Products Corp | 筆記具用ペン先 |
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JP3605865B2 (ja) | 2004-12-22 |
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